JP2002308218A - 充填ノズル及び充填装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填液の飛散を防止してシール不良品の発生
を無くし、且つ容器等の汚れ付着を防止することができ
る充填ノズル及び充填装置の提供。 【解決手段】 容器内に液状製品を充填する充填ノズル
において、該充填ノズルに、充填時に容器から跳ね返っ
てくるハネ液を捕集するカバーを設けたことを特徴とす
る充填ノズル、およびこの充填ノズルを有する充填装
置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、デザート製品等の
液状製品を容器に充填する充填ノズル、及び該ノズルを
備えた充填装置に関し、更に詳細には液状製品の液ハネ
により容器等に液状製品が付着する不具合を解消するた
めの充填ノズル及び充填装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、プリン、ゼリー、ヨーグルト等の
デザート製品を容器に充填する際には、例えば図３に示
すような充填ノズルを用いている。この充填ノズル１
は、図示しない充填装置に固定され、或いは昇降自在に
取り付けられ、所定位置にコンベア等で搬送されてくる
容器（カップ）１０の内部にデザート製品等の液状製品
を注入し、所定量充填するようになっている。液状製品
の充填を終えた容器１０は、開口縁部１１にプラスチッ
クフィルムやアルミ箔などの蓋材をシールして密封され
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液状製品の充填ノズルにあっては、ノズル１
から容器１０内に注入された液状製品の一部が跳ね返っ
て、そのハネ液が容器１０の開口縁部１１に付着し、蓋
材の接着不良を来したり、あるいはハネ液が容器１０階
に飛び出し、隣接する容器外面に付着したり、コンベア
上に落ちて容器を汚すなどの問題があった。

【０００４】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、デザート製品等の液状製品を充填する充填ノズル
において、充填液の飛散を防止してシール不良品の発生
を無くし、且つ容器等の汚れ付着を防止することができ
る充填ノズル及び充填装置の提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、容器内に液状製品を充填する充填ノズル
において、該充填ノズルに、充填時に容器から跳ね返っ
てくるハネ液を捕集するカバーを設けたことを特徴とす
る充填ノズルを提供する。本発明の充填ノズルにおい
て、前記カバーを前記充填ノズルの少なくとも吐出側を
包囲する筒状に形成すると共に、該カバーに保液穴を形
成した構成とすることが望ましい。さらに本発明は、前
記充填ノズルを有する液状製品充填用の充填装置を提供
する。

【０００６】この充填ノズル、及び該充填ノズルを備え
た充填装置によれば、充填ノズルから容器内に注入され
る充填液の一部が跳ね返ったとしても、ハネ液はカバー
に捕集され、ハネ液が飛散することが防止される。また
カバーに保液穴を形成したことにより、カバーに付着し
たハネ液をカバー中に保持する保液性が高められ、カバ
ーに付着したハネ液が容器上に垂れ落ちることを防止で
きる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図１は、本発明に係る充填ノ
ズルの一形態を示すものであり、この充填ノズル１は、
例えばプリン、ゼリー、ヨーグルト等のデザート製品の
製造ラインに設けられた図示しない液状製品充填用の充
填装置に取り付けられている。充填装置の構造は特に限
定されず、例えば回転可能な円形の架台の周縁に複数の
充填ノズルを昇降可能に設け、コンベア等によって所定
位置に搬送される容器１０の上方に位置した充填ノズル
が下降し、容器１０内に所定量の液状製品を注入する構
成とし得る。

【０００８】充填ノズル１は、図２に示すように、分岐
ブロック３によって導液路を複数本の分岐管４に分け、
これら複数本の分岐管４から液状製品を容器１０に注入
するようになっている。このように複数本の分岐管４を
設けることにより、比較的濃度の高い液状製品であって
も、迅速に容器１０内に充填することができるととも
に、容器１０内の充填物の局部的な盛り上がりを減じる
ことができる。

【０００９】この充填ノズル１には、図１に示すよう
に、液状製品を容器１０内に充填する際に、容器１０か
ら跳ね返ってくるハネ液を捕集するためのカバー５が設
けられている。カバー５は、ノズル１と容器１０の開口
縁部１１の間を包囲するように、充填ノズル１から垂下
する筒状に形成されている。カバー５の下端は、容器１
０の開口縁部１１に近接した位置に設けられている。液
状製品充填の際、容器１０からハネ液が出たとしても、
ハネ液はカバー５の内面に当たり、開口縁部１１に付着
することがない。このカバー５は、充填ノズル１に固着
しても良いし、カバー５だけ取り外して洗浄するため
に、充填ノズル１にカバー５を着脱可能に取り付けた構
成としても良い。

【００１０】カバー５には、その内面に付着したハネ液
をカバー５内に滞留（保液）させるための複数の保液穴
６が穿設されている。保液穴６の数、穴径、形状は、カ
バー５内面の保液性を向上させる目的を達成し得るなら
特に限定されないが、カバー５に直径０．５〜５ｍｍ程
度の保液穴を１０個以上設けることが好ましい。なお、
本例示では、カバー５を充填ノズル１の少なくとも吐出
側を包囲する筒状に形成したが、ハネ液を確実に捕集で
きるならばカバー５の形状はこれに限定されることな
く、逆椀状、コーン状などの形状としても良い。

【００１１】この充填ノズル１によるハネ液飛散防止の
作用を説明する。図１に示すように、カップ形状の容器
１０は、コンベアによって所定の充填位置まで搬送され
てくる。充填ノズル１が昇降可能に取り付けられた充填
装置の場合には、充填ノズル１が下降し、カバー５の下
端が容器１０の開口縁部１１に近接した位置に達する。
次いで充填ノズル１の吐出口から、デザート製品等の液
状製品を容器内に注入し、所定量の液状製品を充填す
る。この充填の際、容器１０に注入される液状製品の一
部が跳ね返る場合がある。この充填ノズル１は、そのハ
ネ液を捕集するためのカバー５を設けてあるので、容器
１０から飛び出すハネ液は、カバー５の内面に当たり、
該面に付着する。そしてハネ液が容器１０の開口縁部１
１等に付着することなく、液状製品が充填される。充填
終了後、容器１０の開口縁部１１には、合成樹脂フィル
ムやアルミ箔などからなる蓋材をシールすることによっ
て密封し、包装工程を経て製品とされる。

【００１２】この充填ノズル１は、容器１０から跳ね返
ったハネ液を捕集するためのカバー５を設けたことによ
って、液状製品を容器１０内に充填する際、容器１０か
ら跳ね返ってくるハネ液をカバー５で捕集し、ハネ液が
容器１０の開口縁部１１に付着して蓋材をシールする際
に密封不良を生じたり、あるいはハネ液が充填ノズル等
に付着後、落下してコンベアや他の容器１０を汚すなど
の不具合を防止することができる。

【００１３】また、カバー５を充填ノズル１の少なくと
も吐出側を包囲する筒状に形成したので、ハネ液を確実
にカバー５内面で捕集することができる。さらにカバー
５に多数の保液穴６を形成したことによって、カバー５
内面に付着したハネ液を保液穴６で保留し、ハネ液が滴
り落ちて容器１０やコンベア上を汚すことを防止でき
る。

【００１４】さらに、上記充填ノズル１を備えた充填装
置は、シール不良品や容器汚れなどの不良発生を防止す
ることができ、歩留まりを向上できるとともに、不良品
の除去やコンベア清掃などの作業を軽減でき、生産性を
向上させることができる。

【００１５】

【実施例】以下、実施例により本発明の効果を実証す
る。 （実施例）図１に示すように、充填ノズル１に円筒形の
カバー５を取り付けた。このカバー５には、上部２個
所、中部１２個所、下部１２個所の合計２６個所に、直
径３ｍｍの円形の保液穴を形成した。

【００１６】（比較例）図３に示すように、充填ノズル
１にカバーを取り付けない。

【００１７】前記実施例および比較例のそれぞれの充填
ノズルを用い、図１に示す形状のカップ状容器１０内
に、実際にデザート製品を充填し、ハネ液付着の有無を
比較した。実験の結果、実施例の充填ノズルは、ハネ液
がカバー５の内面に付着していたが、容器１０の開口縁
部１１やその他の外面にハネ液が付着したものは全くな
かった。一方、比較例の充填ノズルは、ハネ液が開口縁
部１１に付着するものが生じた。

【００１８】

【発明の効果】本発明の充填ノズルは、容器から跳ね返
ったハネ液を捕集するためのカバーを設けたことによっ
て、液状製品を容器内に充填する際、容器から跳ね返っ
てくるハネ液をカバーで捕集し、ハネ液が容器の開口縁
部に付着して蓋材をシールする際に密封不良を生じた
り、あるいはハネ液が充填ノズル等に付着後、落下して
コンベアや他の容器を汚すなどの不具合を防止すること
ができる。

【００１９】また、カバーを充填ノズルの少なくとも吐
出側を包囲する筒状に形成したので、ハネ液を確実にカ
バー内面で捕集することができる。さらにカバーに多数
の保液穴を形成したことによって、カバー内面に付着し
たハネ液を保液穴で保留し、ハネ液が滴り落ちて容器や
コンベア上を汚すことを防止できる。

【００２０】さらに、上記充填ノズルを備えた充填装置
は、シール不良品や容器汚れなどの不良発生を防止する
ことができ、歩留まりを向上できるとともに、不良品の
除去やコンベア清掃などの作業を軽減でき、生産性を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の充填ノズルの正面図である。

【図２】 本発明の充填ノズルの正面断面図である。

【図３】 従来の充填ノズルの正面図である。

【符号の説明】

１ 充填ノズル ５ カバー ６ 保液穴 １０ 容器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3E055 AA01 CB08 DA16 FA10

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器内に液状製品を充填する充填ノズル
   において、該充填ノズルに、充填時に容器から跳ね返っ
   てくるハネ液を捕集するカバーを設けたことを特徴とす
   る充填ノズル。
2. 【請求項２】 前記カバーを前記充填ノズルの少なくと
   も吐出側を包囲する筒状に形成すると共に、該カバーに
   保液穴を形成したことを特徴とする請求項１に記載の充
   填ノズル。
3. 【請求項３】 請求項１または２に記載の充填ノズルを
   有する液状製品充填用の充填装置。