JP2002307985A - 四輪駆動車 - Google Patents

四輪駆動車

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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両安定性制御の終了後、車両の走行安定性を
確保することができる四輪駆動車を提供する。 【解決手段】制動力制御装置41による制動制御の終了
後、各車輪16,21がグリップしている場合には、後
輪21側に伝達する駆動力を第1のトルク増大勾配Aに
て増大させるようにした。また、各車輪16,21がス
リップしている場合には、後輪21側に伝達する駆動力
を第1のトルク増大勾配Aよりも緩やかな第2のトルク
増大勾配Bにて増大させるようにした。このため、急激
な車両挙動の変化が抑制され、車両が要求するトラクシ
ョンが車両走行状態及び路面状態に応じて与えられる。
従って、車両安定性制御の終了後における前後輪16,
21間の拘束力制御の正確性が向上し、車両の走行安定
性を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のコーナリン
グ等の際に、制動力を適切な車輪に加えて車両安定性を
向上させる車両安定性制御システムを備えた四輪駆動車
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来、障害物回避等の急激なハンドル操
作をしたとき、又は滑りやすい路面においてカーブに進
入したとき等に発生する横滑りを抑制するために、エン
ジン出力と各車輪のブレーキ力とを自動的に制御して車
両の走行安定性を確保する車両安定性制御システムが知
られている。この車両安定性制御システムを搭載した四
輪駆動車としては、例えば特開平11−115719号
公報に示されるような構成が知られている。
【0003】この四輪駆動車は、エンジンからの駆動力
を有効に利用して安定して優れた走行性能を実現するた
めに、前輪側と後輪側との差動を適切に制限しながら保
ち、前輪側と後輪側との駆動力配分を制御する動力配分
制御装置を備えている。動力配分制御装置としては、例
えばフルタイム方式の四輪駆動車に用いられるセンター
ディファレンシャル装置等の可変駆動力配分クラッチ
(トランスファクラッチ)を締結制御するものがある。
【0004】しかしながら、このような動力配分制御装
置を備えた四輪駆動車に、前述した車両安定性制御シス
テムを適応させて、車両の走行安定性を向上させるため
に各車輪個別に制動力を付加する場合、次のような問題
があった。即ち、トランスファクラッチの締結力(前輪
と後輪との拘束力)が強いと各車輪が機械的に連結され
た状態となって各車輪が自由に回転することができなく
なり、目標通りの制動力を付加することが困難になる。
どれか一つの車輪に制動力を付加しても四輪が連結状態
にあるため他の車輪に影響がでる。このため、車両安定
性制御システムにより各車輪に制動力を付加する際、動
力配分制御装置は前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を
通常より小さな値又は0にして駆動力配分する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両安定性制御が終了
すると、動力配分制御装置は、通常の四輪駆動状態に、
即ち前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を通常の値に戻
す。このとき、急激な車両の挙動変化が発生するおそれ
があった。例えば、車両安定性制御の終了後においても
車輪がスリップ状態にある場合、前後輪間の拘束力を車
両の要求する所定の値まで一気に上げると、車輪に伝達
される駆動力に急激な変化が生じ、再スリップ及び再ス
ピン(コーナリングの途中)のおそれがある。
【0006】本発明は前記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、車両安定性制御の終了
後、車両の走行安定性を確保することができる四輪駆動
車を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車両挙動を制御する制動力を車両の運動状態から演
算して前記制動力を付加する車輪を選択し制動制御する
制動力制御手段と、前輪側と後輪側との駆動力配分を可
変制御する動力配分制御手段とを備え、前記制動力制御
手段で前記車輪に制動力を付加する際に前記動力配分制
御手段で前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を通常より
小さな値に制御して駆動力配分するようにした四輪駆動
車において、前記制動力制御手段による制動制御の終了
後、前記動力配分制御手段は、前輪側又は後輪側に伝達
する駆動力を、車両の走行状態に応じた所定のトルク増
大勾配で通常値に制御して駆動力配分するようにしたこ
とをその要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、各車輪のグリップ状態を少なくとも各
車輪速から判定するグリップ状態判定手段を備え、前記
制動力制御手段による制動制御の終了後、前記動力配分
制御手段は、前記グリップ状態判定手段にて判定した各
車輪のグリップ状態に基づいて、予め設定した複数のト
ルク増大勾配の中から最適なトルク増大勾配を選択し、
この選択したトルク増大勾配で前輪側又は後輪側に伝達
する駆動力を通常値に制御して駆動力配分するようにし
たことをその要旨とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記制動力制御手段による制動制御の
終了後、前記グリップ状態判定手段にて各車輪が非グリ
ップ状態であると判定された場合、前記動力配分制御手
段は、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を前記グリッ
プ状態判定手段にて各車輪がグリップ状態であると判定
された場合よりも緩やかなトルク増大勾配で通常値に制
御して駆動力配分するようにしたことをその要旨とす
る。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記制動力制御手段による制動制御の
終了後、前記グリップ状態判定手段にて各車輪がグリッ
プ状態であると判定された場合には、前記動力配分制御
手段は、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を第1のト
ルク増大勾配にて通常値に制御して駆動力配分し、前記
グリップ状態判定手段にて各車輪が非グリップ状態であ
ると判定された場合には、前記動力配分制御手段は、前
輪側又は後輪側に伝達する駆動力を前記第1のトルク増
大勾配よりも緩やかな第2のトルク増大勾配にて通常値
に制御して駆動力配分するようにしたことをその要旨と
する。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求
項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記動
力配分制御手段にて制御されると共に前後輪間のトルク
配分比が可変になるよう前後輪間の拘束力を調整する駆
動力伝達装置を備え、前記トルク増大勾配は、前後輪間
の拘束力の増大速度に基づいて決定されることをその要
旨とする。 (作用)請求項1に記載の発明においては、制動制御の
終了後、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力は、車両の
走行状態に応じた所定のトルク増大勾配で通常値に制御
されて駆動力配分される。このため、制動制御の終了後
における急激な車両挙動の変化が抑制され、車両の走行
安定性が確保される。
【0012】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の発明の作用に加えて、制動制御の終了後、少
なくとも各車輪のグリップ状態に基づいて、予め設定し
た複数のトルク増大勾配の中から最適なトルク増大勾配
が選択される。そして、この選択されたトルク増大勾配
で前輪側又は後輪側に伝達する駆動力が通常値に制御さ
れ駆動力配分される。
【0013】請求項3に記載の発明においては、請求項
2に記載の発明の作用に加えて、制動制御の終了後、各
車輪が非グリップ状態であると判定された場合、前輪側
又は後輪側に伝達する駆動力は、各車輪がグリップ状態
であると判定された場合よりも緩やかなトルク増大勾配
で通常値に制御され駆動力配分される。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明の作用に加えて、制動制御の終了後、各車輪がグ
リップ状態である場合には、前輪側又は後輪側に伝達す
る駆動力は第1のトルク増大勾配にて通常値に制御され
駆動力配分される。一方、各車輪が非グリップ状態であ
る場合には、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力は前記
第1のトルク増大勾配よりも緩やかな第2のトルク増大
勾配にて通常値に制御され駆動力配分される。
【0015】請求項5に記載の発明によれは、請求項2
〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加
えて、前記トルク増大勾配は、前後輪間の拘束力の増大
速度に基づいて決定される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を前輪駆動ベースの
四輪駆動車に具体化した一実施形態を図1〜図4に従っ
て説明する。
【0017】(全体構成)図1に示すように、四輪駆動
車11は、エンジン12及びトランスアクスル13を備
えている。トランスアクスルはトランスミッション及び
トランスファ等を有している。トランスアクスル13に
は一対のフロントアクスル14, 14及びプロペラシャ
フト15が連結されている。両フロントアクスル14,
14にはそれぞれ前輪16, 16が連結されている。プ
ロペラシャフト15には駆動力伝達装置(カップリン
グ)17が連結されており、同駆動力伝達装置17には
ドライブピニオンシャフト(図示略)を介してリヤディ
ファレンシャル19が連結されている。リヤディファレ
ンシャル19には一対のリヤアクスル20, 20を介し
て後輪21, 21が連結されている。
【0018】エンジン12の駆動力はトランスアクスル
13及び両フロントアクスル14,14を介して両前輪
16, 16に伝達される。また、プロペラシャフト15
とドライブピニオンシャフトとが駆動力伝達装置17に
てトルク伝達可能に連結された場合、エンジン12の駆
動力はプロペラシャフト15、ドライブピニオンシャフ
ト、リヤディファレンシャル19及び両リヤアクスル2
0, 20を介して両後輪21, 21に伝達される。
【0019】(駆動力伝達装置)駆動力伝達装置17は
湿式多板式の電磁クラッチ機構18を備えており、同電
磁クラッチ機構18は互いに摩擦係合又は離間する複数
のクラッチ板(図示略)を有している。電磁クラッチ機
構18に内蔵された電磁コイル(図示略)に電流を供給
すると各クラッチ板は互いに摩擦係合し、前後輪16,
21間においてトルクの伝達が行われる。電磁クラッチ
機構18への電流の供給を遮断すると各クラッチ板は互
いに離間し、前後輪16,21間におけるトルクの伝達
も遮断される。
【0020】また、各クラッチ板の摩擦係合力は電磁ク
ラッチ機構18の電磁コイルへ供給する電流の量(電流
の強さ)に応じて増減し、これにより前後輪16,21
間の伝達トルク、即ち前後輪16,21間の拘束力(電
磁クラッチ機構18の摩擦係合力)を任意に調整可能と
なっている。電磁クラッチ機構18の電磁コイルへの電
流の供給、遮断及び電流供給量の調整は後述の動力配分
制御装置42により制御される。言い換えると、動力配
分制御装置42は、四輪駆動状態又は二輪駆動状態のい
ずれかを選択すると共に、四輪駆動状態において前後輪
16,21間の動力配分率(トルク配分率)を制御す
る。
【0021】(ブレーキ駆動部)四輪駆動車11はブレ
ーキ駆動部31を備えている。ブレーキ駆動部31の入
力側にはブレーキペダル32に連動するマスターシリン
ダ33が接続されている。ブレーキ駆動部31の出力側
には4本のブレーキ管路34を介して各車輪16,21
のホイールシリンダ35がそれぞれ接続されている。そ
して、運転者によりブレーキペダル32が踏込操作され
ると、マスターシリンダ33に生じたブレーキ圧が各ブ
レーキ管路34を介して各ホイールシリンダ35に導入
され、これにより各車輪16,21に制動力が付加され
る。
【0022】また、ブレーキ駆動部31は加圧源、減圧
弁及び増圧弁等(図示略)を有しており、減圧弁及び増
圧弁を開閉して加圧源の油圧を各ホイールシリンダ35
にそれぞれ導入することにより、各車輪16,21のブ
レーキ圧(各車輪16,21に付加する制動力)を自動
的に増圧、保持又は減圧制御可能になっている。
【0023】(電気的構成)次に、四輪駆動車11の電
気的構成を図2に従って説明する。図2に示すように、
四輪駆動車11は、制動力制御装置(VSC−ECU)
41及び動力配分制御装置(4WD−ECU)42を備
えている。
【0024】両制御装置41,42はそれぞれCPU、
RAM、ROM及びI/Oインターフェイス等を備えた
マイクロコンピュータを中心として構成されている。R
OMには両制御装置41,42がそれぞれ実行する各種
の制御プログラム、各種のデータ及び各種のマップ等が
格納されている。マップは車両モデルによる実験データ
及び周知の理論計算等によって予め求められたものであ
る。RAMはROMに書き込まれた制御プログラムを展
開して両制御装置のCPUが各種の演算処理を実行する
ためのデータ作業領域である。
【0025】制動力制御装置41の入力側(I/Oイン
ターフェイスの入力端子)には各車輪速センサ43、操
舵角センサ44、左右Gセンサ(左右加速度センサ)4
5、ヨーレートセンサ46及びスロットル開度センサ4
7がそれぞれ接続されている。制動力制御装置41の出
力側(I/Oインターフェイスの出力端子)にはブレー
キ駆動部31及びエンジン制御装置(図示略)が接続さ
れている。
【0026】また、動力配分制御装置42の入力側(I
/Oインターフェイスの入力端子)には各車輪速センサ
43、操舵角センサ44、左右Gセンサ45、ヨーレー
トセンサ46及びスロットル開度センサ47がそれぞれ
接続されている。動力配分制御装置42の出力側(I/
Oインターフェイスの出力端子)には駆動力伝達装置1
7及びエンジン制御装置が接続されている。
【0027】車輪速センサ43は各車輪16,21毎に
それぞれ設けられており、各車輪16,21の速度を各
別に検出する。操舵角センサ44はハンドル部に設けら
れており、ハンドルの回転角を検出する。左右Gセンサ
45は車両の左右方向の加速度を検出し、これに基づい
て車両のコーナリングの状況が判定される。ヨーレート
センサ46は、車両重心を通る鉛直軸を中心とする回転
運動(ヨーイング)の角速度であるヨーレートを検出す
る。スロットル開度センサ47は、スロットルバルブ
(図示略)に接続されており、スロットルバルブの開
度、即ち運転者のアクセルペダル(図示略)の踏込操作
を検出する。
【0028】そして、制動力制御装置41は、車両の走
行姿勢を目標の姿勢にする制動力を車両の運動状態から
演算して前記制動力を付加する車輪を選択しブレーキ駆
動部31を介して制動制御する。具体的には、制動力制
御装置41は各センサ43〜47からの検出信号に基づ
いて車両の横滑りを検出し、エンジン出力及び各車輪1
6,21のブレーキ力の制御を行う。また、動力配分制
御装置42は、各センサ43〜47からの検出信号に基
づいて、各車輪16,21のグリップ状態(スリップ状
態)を判定し、電磁クラッチ機構18の電磁コイルへ供
給する電流の量を制御することにより、前輪側と後輪側
との駆動力配分を可変制御する。
【0029】(情報共有)両制御装置41,42はそれ
ぞれ各種の演算処理結果に基づいて各種の制御を実行す
る。これらの演算処理結果及び前述した各種センサ43
〜47にて検出されたデータは、両制御装置41,42
間で相互にデータ通信可能となっており、両制御装置4
1,42は必要に応じてデータを交換して相互に連動し
て制御を実行する。両制御装置41,42は、それぞれ
制動力制御のための演算及び駆動力配分制御のための演
算のいずれの演算も実行可能となっている。
【0030】通常走行時及び車両安定性制御時、動力配
分制御装置42は、各種センサ43〜47の検出データ
及び各検出データ等から演算推定された車両挙動及び路
面μ(路面摩擦係数)等の情報を制動力制御装置41と
共有して、駆動力配分制御を行う。即ち、動力配分制御
装置42は制動力制御装置41から演算結果データ(車
両挙動及び路面μ等の情報)をもらい、この結果データ
に基づいて、駆動力配分制御を行う。
【0031】尚、制動力制御装置41は、車両の走行姿
勢を目標の姿勢にする制動力を車両の運動状態から演算
して制動力を付加する車輪を選択し制動制御する制動力
制御手段を構成する。動力配分制御装置42は、電磁ク
ラッチ機構18の摩擦係合力を制御することにより、前
輪16側と後輪21側との駆動力配分を可変制御する動
力配分制御手段を構成する。制動力制御装置41又は動
力配分制御装置42、車輪速センサ43、操舵角センサ
44、左右Gセンサ45、ヨーレートセンサ46及びス
ロットル開度センサ47は、各車輪のグリップ状態を少
なくとも各車輪速から判定するグリップ状態判定手段を
構成する。
【0032】(実施形態の作用)次に、前述のように構
成した四輪駆動車の作用を通常の四輪駆動制御時、車両
安定性制御時、車両安定性制御終了時の順に説明する。
【0033】(通常の四輪駆動制御)まず、通常の四輪
駆動制御時における四輪駆動車の作用を説明する。車両
安定性制御システムの非作動時である通常の走行時にお
いて、動力配分制御装置42は電磁クラッチ機構18の
摩擦係合力を差動制限トルクマップ(図示略)から求め
る。差動制限トルクマップは、各車輪速センサ43の検
出信号に基づいて演算した前後輪16,21の差動回転
数、スロットル開度及び速度をパラメータとしたデュー
ティ比のテーブルマップであり、前記ROMに予め記憶
されている。
【0034】動力配分制御装置42はスロットル開度セ
ンサ47及び各車輪速センサ43からの検出データから
車両の走行状態を判定し差動制限トルクマップ値(目標
トルク)を検索し、駆動力伝達装置17を制御する。そ
して、前後輪16,21の差動回転数が予め設定された
所定値よりも大きい場合、動力配分制御装置42はぬか
るみや雪道等の低μ路であると判断して電磁クラッチ機
構18の摩擦係合力を高める。
【0035】また、動力配分制御装置42は、車速セン
サ(図示略)にて検出された車速に応じて電磁クラッチ
機構18の摩擦係合力の補正係数(補正量)を予めRO
Mに格納されたマップ(図示略)から割り出す。即ち、
車速が予め設定された所定値よりも小さい場合には、動
力配分制御装置42は走行安定性を向上させるため電磁
クラッチ機構18の摩擦係合力を高めるように補正係数
を割り出す。車速が予め設定された所定値よりも大きい
場合には、動力配分制御装置42は操縦性を高めるため
電磁クラッチ機構18の摩擦係合力を弱めるように補正
係数を割り出す。尚、車速は、従動輪である後輪21の
車輪速センサ43の検出値の平均値を使用してもよい。
【0036】また、動力配分制御装置42は、スロット
ル開度センサ47にて検出されたスロットル開度に応じ
て電磁クラッチ機構18の摩擦係合力の補正係数を予め
ROMに格納された前述とは別のマップ(図示略)から
求める。即ち、動力配分制御装置42は、スロットル開
度が大きくなる程、電磁クラッチ機構18の摩擦係合力
を高めるように補正係数を割り出して発進性及び加速性
を向上させる。
【0037】この後、動力配分制御装置42は、前述の
車速及びスロットル開度に応じてそれぞれ割り出した補
正係数に基づいて、電磁クラッチ機構18の摩擦係合力
を決定し、電磁クラッチ機構18の電磁コイルへの電流
を制御する。このように、動力配分制御装置42は、電
磁クラッチ機構18による伝達トルクの制御量を、前後
輪16,21の差動回転数、車速、及び加速操作量(ス
ロットルバルブ開度)に応じて変化させることにより、
車両の走行状態に合わせて前後輪16,21間の伝達ト
ルクを最適に制御する。
【0038】(車両安定性制御)次に、車両安定性制御
の開始時における四輪駆動車の作用を説明する。例えば
コーナリング時(急操舵時)において、各車輪速センサ
43、操舵角センサ44、左右Gセンサ45及びヨーレ
ートセンサ46にて車両の横滑りが検出されると、制動
力制御装置41は車両安定性制御を行う。即ち、制動力
制御装置41は目標ヨーレートと実際のヨーレートとを
比較し、車両の運動状態が目標ヨーレートに対してアン
ダーステアの傾向かオーバーステアの傾向かを求める。
そして、制動力制御装置41は、実ヨーレートと目標ヨ
ーレートとが一致するようにブレーキ制御する。即ち、
アンダーステア傾向の場合には内側の前輪16に制動力
を加えて補正して車両の回頭性を増加させる。オーバー
ステア傾向の場合には外側の後輪21に制動力を加えて
補正して車両の回頭性を減少させる。この結果、車両の
走行安定性が向上する。
【0039】具体的には、アンダステア傾向で車両が外
に飛び出すような場合、ハンドルの切り具合と速度とか
ら演算決定されたヨーレート(目標ヨーレート)よりも
実際のヨーレートが少なく検出される。この場合、制動
力制御装置41は前記エンジン制御装置を介してエンジ
ン12の出力を抑えると共に前輪(特に内側)16にブ
レーキをかけて前輪16の駆動力を弱くし、コースから
のずれを低減させる。また、オーバステア傾向で車両が
スピンするような場合、遠心力と速度とから演算決定さ
れたヨーレート(目標ヨーレート)よりも多くのヨーレ
ートが検出される。この場合、制動力制御装置41は後
輪(特に外側)に強めのブレーキをかけることでスピン
を抑制する。
【0040】一方、動力配分制御装置42には、各制御
パラメータ及び制動力制御の実行の有無信号(前後輪1
6,21間のトルク低減指令を含む)が入力され、同動
力配分制御装置42は各信号に基づいて電磁クラッチ機
構18を制御してトルク配分制御する。即ち、制動力制
御装置41により選択車輪に制動力を付加する際、動力
配分制御装置42は通常よりも小さい所定値に電磁クラ
ッチの摩擦係合力(圧着力)を設定する。このため、前
後輪16,21間の拘束力が通常よりも弱まると共に、
各車輪16,21の回転が自由になり、制動力制御装置
41による目標通りの制動制御が行われる。このとき、
図3に示すように、動力配分制御装置42は電磁クラッ
チ機構18の摩擦係合力を所定のトルク減少勾配(本実
施形態では傾き−A又は−B)に基づいて弱める。
【0041】(車両安定性制御の終了時)次に、車両安
定性制御が終了し、弱められていた前後輪間の拘束力を
通常走行時の拘束力に戻す場合の四輪駆動車の作用を図
4に示すフローチャートに従って説明する。両フローチ
ャートは予めROMに格納された各種の制御プログラム
に基づいて実行される。尚、本実施形態では、個々の処
理内容に対応するフローチャート中のステップを「S」
と略記する。
【0042】図4に示すように、車両安定性制御の制御
終了信号(トルク低減指令終了信号)が入力されると
(S110)、動力配分制御装置42は、まず各車輪1
6,21のグリップ状態判定処理を行う。即ち、動力配
分制御装置42は各車輪速センサ43にて検出された各
車輪速データを同動力配分制御装置42内のRAMの作
業領域に読み込み、各車輪速が幾何学的に正しいか否か
を判断する(S120)。具体的には、動力配分制御装
置42は各車輪速センサ43にて検出した各車輪速に基
づいて両前輪16,16の左右の車輪速の比を演算する
と共に、両後輪21,21の左右の車輪速の比を演算す
る。そして、動力配分制御装置42は両前輪16,16
の左右の車輪速の比と両後輪21,21の左右の車輪速
の比とを比較して、その差が予め設定された所定値(し
きい値)よりも大きいか否かを判断する。
【0043】各車輪速が幾何学的に正しい場合(S12
0で「YES」)、動力配分制御装置42は処理をS1
30に移行する。各車輪速が幾何学的に正しくない場合
(S120で「NO」)、動力配分制御装置42は各車
輪16,21のうち少なくとも1つがスリップ状態であ
ると判定し(S140)、S150へ処理を移行する。
【0044】一方、S130では、動力配分制御装置4
2は操舵角センサ44、各車輪速センサ43、ヨーレー
トセンサ46及び左右Gセンサ45にて検出された操舵
角データ、各車輪速データ、ヨーレートデータ及び左右
Gデータとを同動力配分制御装置42内のRAMの作業
領域に読み込む。そして、操舵角と、各車輪速と、ヨー
レートと、左右Gとが幾何学的に正しいか否かを判断す
る。即ち、動力配分制御装置42は操舵角及び各車輪速
から、目標ヨーレート及び左右方向の目標加速度(本来
発生するヨーレート及び左右加速度)を演算推定し、こ
れらの目標値とヨーレートセンサ46及び左右Gセンサ
45の検出値とをそれぞれ比較し、そのうちのいずれか
一つでも予め設定された所定値(しきい値)よりも大き
いか否かを判断する。
【0045】操舵角と、各車輪速と、ヨーレートと、左
右Gとが幾何学的に正しい場合、即ち前記両目標値と両
センサ検出値との差がいずれもしきい値よりも小さけれ
ば(S130で「YES」)、動力配分制御装置42は
4輪グリップ状態と判定し(S160)、S170へ処
理を移行する。操舵角と、各車輪速と、ヨーレートと、
左右Gとが幾何学的に正しくない場合、即ち前記両目標
値と両センサ検出値との差のうちいずれか1つでもしき
い値を越えていれば(S130で「YES」)、動力配
分制御装置42は各車輪16,21をスリップ状態と判
定し(S140)、S150へ処理を移行する。このた
め、グリップ状態判定処理の判定精度が向上する。
【0046】図4に示すように、S170では、動力配
分制御装置42は前後輪16,21間の拘束力が第1の
トルク増大勾配A(図3参照)にて増大するように駆動
力伝達装置17の電磁クラッチ機構18を制御する。即
ち、動力配分制御装置42は前後輪16,21間の拘束
力を一気に車両の要求する目標値まで上げる。各車輪1
6,21はグリップ状態であることから、前後輪16,
21間の拘束力を一気に上げても車両の安定性は損なわ
れない。
【0047】尚、前記車両の要求するトルクは、アクセ
ルペダルの踏込量(スロットル開度)に基づく運転者が
要求するトルクと、そのときの車両の走行状態及び路面
μ等に基づいてROMに格納されたマップから割り出さ
れたトルクとに基づいて求められる。通常走行時及び車
両安定性制御時において、車両の要求するトルク(図3
における目標値)は、図3に矢印及び二点鎖線で示すよ
うに、状況に応じて変化する。このため、第2のトルク
増大勾配Bにてトルクが増大される場合、その傾きが一
定であることから、トルク(目標値)の増減に伴って同
トルクに達するまでの時間も増減する。
【0048】一方、S150では、動力配分制御装置4
2は、前後輪16,21間の拘束力が第2のトルク増大
勾配B(図3参照)にて増大するように駆動力伝達装置
17の電磁クラッチ機構18を制御する。この第2のト
ルク増大勾配Bは第1のトルク増大勾配Aよりも傾きが
緩やかであり、前後輪16,21間の拘束力は徐々に車
両の要求する目標値まで増大される。このため、車両安
定性制御の終了後における急激な駆動力の変化の発生が
抑制され、車両の安定性が損なわれない。
【0049】ちなみに、各車輪16,21がスリップ状
態(1輪スリップを含む)であるにもかかわらず第1の
トルク増大勾配Aにて前後輪16,21間の拘束力を増
大させると、急激な駆動力の変化が生じる。このため、
例えばコーナリングの途中においては車両安定性制御の
終了時、車両は挙動不安定になる。
【0050】次に、動力配分制御装置42は、前後輪1
6,21間の拘束力が車両の要求する目標値に達したか
否かを判断する(S180)。前後輪16,21間の拘
束力が車両の要求する目標値に達すると(S180で
「YES」)、動力配分制御装置42はこのフローチャ
ートに係る処理を終了し、通常の四輪駆動制御を行う。
一方、前後輪16,21間の拘束力が車両の要求する目
標値に達していない場合(S180で「NO」)、動力
配分制御装置42はS170又はS150からの処理を
繰り返す。
【0051】このように、車両安定性制御の終了時、各
車輪16,21がグリップ状態であるか否かによって、
弱められていた前後輪16,21間の拘束力を車両の要
求する所定値(目標値)まで一気に大きくするか、徐々
に大きくするかが決定される。即ち、車両安定性制御の
終了後、前後輪16,21間の拘束力を車両の要求する
所定値(目標トルク値)までなるべく早く到達させた方
がよい場合には、拘束力を目標トルク値まで一気に到達
させる。車両安定性を損なうおそれのある場合には、前
後輪16,21間の拘束力を所定の時間をかけて徐々に
目標トルク値に到達させる。従って、車両安定性制御の
終了後における前後輪16,21間の拘束力制御の正確
性が向上し、車両の走行安定性が確保される。
【0052】ちなみに、車両安定性制御の終了後、前後
輪の拘束力を車両の要求する所定値までなるべく早くに
到達させた方がよい場合としては、各車輪がグリップ状
態にある場合である。例えば、車両安定性制御の終了
後、まっすぐ加速する場合には、前後輪間の拘束力を大
きくして四輪に駆動力をかけた方が加速しやすく、走行
も安定する。また、コーナリングの途中においても、各
車輪がグリップしていれば、四輪に駆動力をかけている
ので横に滑る力も四輪に分配される。このため、前後輪
間の拘束力を大きくして四輪駆動とした方が、コーナリ
ング性能がよくなる。
【0053】また、車両安定性制御の終了後、前後輪1
6,21間の拘束力を所定の時間をかけて徐々に所定値
に到達させた方がよい場合としては、各車輪がスリップ
状態にある場合である。例えば、車両安定性制御の終了
後、スリップ状態で加速する場合には、前後輪間の拘束
力を所定の時間をかけて徐々に大きくしていく。この結
果、車輪に伝達される駆動力の変化が緩やかになり、再
スリップ及びコーナリングの途中における再スピンが防
止される。
【0054】(実施形態の効果)従って、本実施形態に
よれば、以下の効果を得ることができる。 (1)制動力制御装置41による制動制御の終了後、動
力配分制御装置42は、車両の走行状態及び路面状態に
応じて、後輪21側に伝達する駆動力を所定のトルク増
大勾配で通常値に制御して駆動力配分するようにした。
具体的には、制動力制御装置41による制動制御の終了
後、グリップ状態判定手段にて各車輪16,21がグリ
ップ状態であると判定された場合には、動力配分制御装
置42は、後輪21側に伝達する駆動力を第1のトルク
増大勾配Aにて通常値に制御して駆動力配分するように
した。また、グリップ状態判定手段にて各車輪16,2
1がスリップ状態であると判定された場合には、動力配
分制御装置42は、後輪21側に伝達する駆動力を第1
のトルク増大勾配Aよりも緩やかな第2のトルク増大勾
配Bにて通常値に制御して駆動力配分するようにした。
【0055】このため、前後輪16,21間の拘束力を
車両の要求する所定値までなるべく早く到達させた方が
よい場合であっても、車両安定性制御の終了後、前後輪
16,21間の拘束力が常に一定のトルク増大勾配にて
徐々に大きくされることはない。そして、急激な車両挙
動の変化が抑制され、車両が要求するトラクション(牽
引力又は各車輪16,21と路面との粘着摩擦力)が車
両走行状態及び路面状態に応じて与えられる。従って、
車両安定性制御の終了後における前後輪16,21間の
拘束力制御の正確性が向上する。即ち、車両安定性制御
と四輪駆動制御(駆動力配分制御)との協調制御がより
正確に行われる。そして、車両の走行安定性を向上させ
ることができる。
【0056】(2)第1のトルク増大勾配A及び第2の
トルク増大勾配Bは、前後輪16,21間の拘束力の増
大速度に基づいて決定されるようにした。即ち、駆動力
伝達装置17の電磁クラッチ機構18の摩擦係合力を強
弱制御することにより、前後輪16,21間の伝達トル
クが制御される。このため、構成を簡単にすることがで
きる。
【0057】(3)通常走行時及び車両安定性制御時、
車両挙動情報や路面μ情報は制動力制御装置41により
演算推定され、この演算推定結果データが動力配分制御
装置42にデータ通信されるようにした。即ち、制動力
制御装置41が車両安定性制御を実行するために行った
各種の演算結果を利用して動力配分制御するようにし
た。このため、動力配分制御装置42では車両挙動や路
面μを把握するための複雑な計算をすること必要がな
い。従って、動力配分制御装置42の計算量が減ると共
に、同動力配分制御装置42のコストダウン及び小型化
が図れる。
【0058】(別例)尚、前記実施形態は以下のように
変更して実施してもよい。・図4に示すフローチャート
において、スリップ判定処理をS120のみ、又はS1
30のみとしてもよい。このようにしても、各車輪1
6,21がグリップ状態かスリップ状態かを判定するこ
とができる。また、別のスリップ判定処理方法にてグリ
ップ状態を判定するようにしてもよい。
【0059】・車両安定性制御の終了後、動力配分制御
装置42は、各車輪16,21のグリップ状態に基づい
て、予め設定した複数のトルク増大勾配の中から最適な
トルク増大勾配を選択し、この選択したトルク増大勾配
で後輪21側に伝達する駆動力を通常値に制御して駆動
力配分するようにしてもよい。即ち、本実施形態では、
第1及び第2の2つのトルク増大勾配A, Bを予め設定
したが、トルク増大勾配を3つ以上設け、車両の走行状
態及び路面状態に応じて、いずれかのトルク増大勾配が
選択されるようにしてもよい。このようにすれば、車両
挙動を変化させることなく、車両が要求するトラクショ
ンを車両走行状態及び路面状態に応じてより正確に与え
ることができる。
【0060】・また、第1のトルク増大勾配Aと第2の
トルク増大勾配Bとの間において、トルク増大勾配を任
意に変更するようにしてもよい。即ち、車両安定性制御
の終了後、動力配分制御装置42は、各車輪16,21
のグリップ状態に基づいて、予め設定したトルク増大勾
配変更可能領域(図3において、第1のトルク増大勾配
Aと第2のトルク増大勾配Bとの間の領域)の中から最
適なトルク増大勾配を演算推定し、この演算推定したト
ルク増大勾配で前輪16側又は後輪21側に伝達する駆
動力を通常値に制御して駆動力配分する。動力配分制御
装置42はトルク増大勾配をある関数にて示し、この関
数に基づいてトルク増大勾配を演算推定する。このよう
にすれば、車両挙動を変化させることなく、さらに正確
なトラクションを与えることができる。
【0061】・本実施形態では、駆動力伝達装置17の
差動制御装置として電磁クラッチ機構18を使用した
が、例えば油圧クラッチ機構等の各種の伝達トルク変更
可能な機構を使用するようにしてもよい。
【0062】・差動制御装置としてのセンタディファレ
ンシャルを備えた四輪駆動車に応用してもよい。 ・後輪駆動(FR)ベースの四輪駆動車に応用してもよ
い。この場合、エンジン12の駆動力は後輪21側から
前輪16側に伝達される。
【0063】(付記)次に前記実施形態及び別例から把
握できる技術的思想を以下に追記する。 ・各車輪のグリップ状態を各車輪速から判定するグリッ
プ状態判定手段を備え、前記制動力制御手段による制動
制御の終了後、前記動力配分制御手段は、前記グリップ
状態判定手段にて判定した各車輪のグリップ状態に基づ
いて、予め設定したトルク増大勾配変更可能領域の中か
ら最適なトルク増大勾配を演算推定し、このトルク増大
勾配で前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を通常値に制
御して駆動力配分するようにした請求項1に記載の四輪
駆動車。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、車両安定性制御の終了
後、前後輪間の拘束力を各車輪のグリップ状態に応じて
制御することにより、車両の走行安定性を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における4輪駆動車の概略構成
図。
【図2】 本実施形態における4輪駆動車の電気的接続
を示すブロック図。
【図3】 本実施形態における前後輪間の拘束力制御の
一例を示すタイムチャート。
【図4】 本実施形態における車両安定性制御終了時に
おけるトルク制御のフローチャート。
【符号の説明】
11…四輪駆動車(車両)、16…前輪、17…駆動力
伝達装置、18…電磁クラッチ機構、21…後輪、31
…ブレーキ駆動部、41…グリップ状態判定手段を構成
する制動力制御装置(制動力制御手段)、42…グリッ
プ状態判定手段を構成する動力配分制御装置(動力配分
制御手段)、43…グリップ状態判定手段を構成する車
輪速センサ、44…グリップ状態判定手段を構成する操
舵角センサ、45…グリップ状態判定手段を構成する左
右加速度センサ(左右Gセンサ)、46…グリップ状態
判定手段を構成するヨーレートセンサ、47…グリップ
状態判定手段を構成するスロットル開度センサ、A…第
1のトルク増大勾配、B…第2のトルク増大勾配。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60T 8/58 ZYW B60T 8/58 ZYWF Fターム(参考) 3D041 AA47 AB01 AC00 AC28 AD04 AD22 AD23 AD50 AD51 AE00 AE43 AF01 3D043 AA03 AB17 EA02 EA18 EA39 EA42 EB03 EB06 EB13 EE02 EE07 EE08 EE12 EF02 EF12 EF19 EF27 3D046 AA01 BB21 GG02 GG04 HH05 HH08 HH21 HH25 HH36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両挙動を制御する制動力を車両の運動
    状態から演算して前記制動力を付加する車輪を選択し制
    動制御する制動力制御手段と、前輪側と後輪側との駆動
    力配分を可変制御する動力配分制御手段とを備え、前記
    制動力制御手段で前記車輪に制動力を付加する際に前記
    動力配分制御手段で前輪側又は後輪側に伝達する駆動力
    を通常より小さな値に制御して駆動力配分するようにし
    た四輪駆動車において、 前記制動力制御手段による制動制御の終了後、前記動力
    配分制御手段は、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力
    を、車両の走行状態に応じた所定のトルク増大勾配で通
    常値に制御して駆動力配分するようにした四輪駆動車。
  2. 【請求項2】 各車輪のグリップ状態を少なくとも各車
    輪速から判定するグリップ状態判定手段を備え、 前記制動力制御手段による制動制御の終了後、前記動力
    配分制御手段は、前記グリップ状態判定手段にて判定し
    た各車輪のグリップ状態に基づいて、予め設定した複数
    のトルク増大勾配の中から最適なトルク増大勾配を選択
    し、この選択したトルク増大勾配で前輪側又は後輪側に
    伝達する駆動力を通常値に制御して駆動力配分するよう
    にした請求項1に記載の四輪駆動車。
  3. 【請求項3】 前記制動力制御手段による制動制御の終
    了後、前記グリップ状態判定手段にて各車輪が非グリッ
    プ状態であると判定された場合、前記動力配分制御手段
    は、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を前記グリップ
    状態判定手段にて各車輪がグリップ状態であると判定さ
    れた場合よりも緩やかなトルク増大勾配で通常値に制御
    して駆動力配分するようにした請求項2に記載の四輪駆
    動車。
  4. 【請求項4】 前記制動力制御手段による制動制御の終
    了後、 前記グリップ状態判定手段にて各車輪がグリップ状態で
    あると判定された場合には、前記動力配分制御手段は、
    前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を第1のトルク増大
    勾配にて通常値に制御して駆動力配分し、 前記グリップ状態判定手段にて各車輪が非グリップ状態
    であると判定された場合には、前記動力配分制御手段
    は、前輪側又は後輪側に伝達する駆動力を前記第1のト
    ルク増大勾配よりも緩やかな第2のトルク増大勾配にて
    通常値に制御して駆動力配分するようにした請求項3に
    記載の四輪駆動車。
  5. 【請求項5】 前記動力配分制御手段にて制御されると
    共に前後輪間のトルク配分比が可変になるよう前後輪間
    の拘束力を調整する駆動力伝達装置を備え、 前記トルク増大勾配は、前後輪間の拘束力の増大速度に
    基づいて決定される請求項2〜請求項4のうちいずれか
    一項に記載の四輪駆動車。
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