JP2002307984A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP2002307984A
JP2002307984A JP2001116467A JP2001116467A JP2002307984A JP 2002307984 A JP2002307984 A JP 2002307984A JP 2001116467 A JP2001116467 A JP 2001116467A JP 2001116467 A JP2001116467 A JP 2001116467A JP 2002307984 A JP2002307984 A JP 2002307984A
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JP
Japan
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valve
clutch
oil passage
bypass
input
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Withdrawn
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JP2001116467A
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English (en)
Inventor
Tomoji Uchino
智司 内野
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Control Of Transmission Device (AREA)
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両走行中に電気系の故障が生じてもセレク
トレバーの操作によって前後進走行可能で、1つの変速
段のみが成立した状態でのみ入力クラッチを締結し得る
ようにする。 【解決手段】 自動変速機は複数の駆動歯車が設けられ
た入力軸と、駆動歯車と噛み合う複数の従動歯車が設け
られた出力軸とを備え、エンジンと入力軸との締結およ
び締結解除を行う入力クラッチと、入力軸と出力軸との
締結と締結解除とを行うバイパスクラッチ31とを有し
ている。電気系の故障時にセレクトレバーがリバースレ
ンジあるいはニュートラルレンジからドライブレンジに
選択されると、バイパスクラッチにより入力軸と出力軸
とが締結されて1つの変速段が成立し、シフトアクチュ
エータが中立位置となった後に入力クラッチに油圧が供
給されて入力クラッチは締結状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車に搭載される
自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、複数の変速ギ
ヤ列を有する自動変速機に適用して有効な技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】運転者の手動操作により変速操作を行う
マニュアル式変速機(MT)は、エンジンに連結され複
数の駆動歯車が装着される入力軸と、駆動歯車と対とな
った複数の従動歯車が装着され駆動輪に連結される出力
軸とを有しており、入力軸と出力軸との間には複数の変
速ギア列が設けられている。このMTにあっては、変速
時にクラッチを切断後、複数の変速ギヤ列の中から、動
力の伝達を行う歯車対の切り換えをシンクロメッシュ機
構などの切り換え機構を手動により切り換え、クラッチ
を接続することで変速動作つまりシフトチェンジが行わ
れる。
【0003】このシフトチェンジとクラッチ操作を油圧
により作動するシフトアクチュエータによって行うよう
にすると、マニュアル式変速機の構成をベースとした自
動変速機とすることができる。複数の変速ギヤ列を有す
るこのタイプの自動変速機(Automated Manual Transmi
ssion。以下AMTと略す)は、自動変速機構にプラネ
タリーギヤなどを有する通常のトルクコンバータ式自動
変速機(AT)に比して部品点数を少なくして軽量化を
図り易く、しかも駆動系の伝達効率が高いという利点を
有している。
【0004】このAMTタイプの自動変速機としては、
エンジンのクランク軸と入力軸との間にこれらを締結状
態と締結解除状態とに切り換える発進クラッチつまり入
力クラッチと、変速動作時に入力軸から出力軸にトルク
を伝達することにより変速トルク切れの発生を防止する
ための油圧多板クラッチ式のバイパスクラッチとを有す
るものが、たとえば、特開2000-55184号公報に開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この公報に開示された
AMTにあっては、油圧源であるオイルポンプが故障し
た場合に、戻しばねにより強制的に第1速段に設定する
ようにしたフェールセーフを行っている。しかしなが
ら、従来のフェールセーフでは、湿式多板クラッチを締
結して車両が第5速段で走行中に電気系の故障によって
電磁弁が制御不能になると、強制的に第1速段に変速さ
れるので、急減速となり、車両が不安定となるばかりで
なく、半クラッチとなっている発進クラッチの摩耗や焼
き付きなどの課題が生じることになる。
【0006】本発明の目的は、バイパスクラッチを有す
る自動変速機において車両走行中に電気系の故障が生じ
てもセレクトレバーの操作によって前後進走行可能で、
1つの変速段のみが成立した状態でのみ入力クラッチを
締結し得るようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の自動変速機の油
圧制御装置は、複数の駆動歯車が設けられた入力軸と、
前記駆動歯車と噛み合う複数の従動歯車が設けられた出
力軸とを備えるとともに、エンジンと出力軸との締結と
締結解除とを行う入力クラッチを備えた自動変速機の油
圧制御装置であって、前記入力軸から前記出力軸に対し
て動力を伝達する変速ギヤ列の切り換えを行う複数のシ
フトアクチュエータと、電気系の故障時に前記シフトア
クチュエータが中立位置となるように前記シフトアクチ
ュエータに油圧を供給するフェールモード弁と、前記シ
フトアクチュエータが中立位置となると油圧供給部から
の油圧を入力クラッチに供給する中立位置検出弁とを有
し、前記入力クラッチに対する油圧の供給を前記中立位
置検出弁を介して行うことを特徴とする。
【0008】本発明の自動変速機の油圧制御装置は、正
常時に前記入力クラッチに対して油圧を供給する油路に
設けられ、電気系の故障時に前記フェールモード弁から
の油圧により前記油路を遮断する入力クラッチ用のフェ
ールセーフ弁を有することを特徴とする。
【0009】本発明にあっては、電気系の故障が生じた
フェール時には、セレクトレバーがリバースレンジある
いはニュートラルレンジからドライブレンジに選択され
ると、バイパスクラッチにより所定の変速ギヤ列で入力
軸と出力軸とが締結されて1つの変速段が成立した状態
となり、さらにシフトアクチュエータが中立位置となっ
た後に、中立位置を検出する中立位置検出弁を介して入
力クラッチに油圧が供給されて入力クラッチは締結状態
となる。このように、シフトアクチュエータが中立位置
となったときにのみ入力クラッチが締結される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1は本発明の一実施の形態である油圧制
御装置を有する自動変速機を示すスケルトン図であり、
図2は図1におけるA−A線方向から見た歯車の噛み合
い状態を示すスケルトン図である。この自動変速機はエ
ンジン10に連結される入力軸11と、これに平行であ
って駆動輪に連結される出力軸12とを有している。入
力軸11と出力軸12は車両の進行方向を向いて図示し
ないトランスミッションケース内に組み込まれており、
この自動変速機は縦置きに配置される4輪駆動用の車両
に適用することができる。
【0012】エンジン10のクランク軸13にはロック
アップクラッチ14を有するトルクコンバータ15が連
結され、トルクコンバータ15の出力軸であるタービン
軸16と入力軸11との間には、タービン軸16を入力
軸11に締結する状態と締結を解除する開放状態とに切
り換える湿式多板式の発進クラッチつまり入力クラッチ
17が設けられている。入力軸11には第1速と第2速
の駆動歯車21a,22aが固定され、第3速〜第5速
までの駆動歯車23a〜25aが入力軸11に対して回
転自在になっている。出力軸12には第1速と第2速の
従動歯車21b,22bが回転自在に取り付けられ、第
3速から第5速までの従動歯車23b〜25bが固定さ
れ、それぞれ対応する駆動歯車と噛み合って前進段の変
速ギヤ列となっている。
【0013】入力軸11には第1と第2の2つのバイパ
スクラッチ31,32が設けられている。第1のバイパ
スクラッチ31は、入力軸11に回転自在に嵌合しかつ
第3速の駆動歯車23aを回転自在に支持する中空軸3
3に固定されたクラッチハブ34と、入力軸11に固定
されるクラッチドラム35とを有している。クラッチハ
ブ34とクラッチドラム35にそれぞれ交互に設けられ
た複数枚のクラッチディスクを押圧することにより、バ
イパスクラッチ31は係合状態つまり動力伝達状態とな
って入力軸11の動力は中空軸33に伝達される。一
方、係合を解くと動力の伝達を遮断する状態となる。
【0014】第2のバイパスクラッチ32は、入力軸1
1に固定されたクラッチドラム36と、入力軸11に対
して回転自在に嵌合する中空軸37に固定されたクラッ
チハブ38とを有している。クラッチドラム36とクラ
ッチハブ38とにそれぞれ交互に設けられた複数のクラ
ッチディスクを押圧することにより、バイパスクラッチ
32は係合状態となって入力軸11の動力は中空軸37
に伝達される。一方、係合を解くと動力の伝達を遮断す
る状態となる。両方のバイパスクラッチ31,32が隣
接して入力軸11に設けられているので、2つのクラッ
チドラム35,36は一体となっている。
【0015】バイパスクラッチ32の中空軸37には第
6速の駆動歯車26aが固定され、この歯車26aは出
力軸12に固定された第6速の従動歯車26bに噛み合
っている。入力軸11には後退用の駆動歯車27が回転
自在に取り付けられ、入力軸11に対して平行に配置さ
れたアイドル軸28には、図2に示すように、後退用駆
動歯車27に噛み合うアイドル歯車28aと、第3速の
従動歯車23bに噛み合うアイドル歯車28bとが固定
されている。アイドル歯車28bの歯数はアイドル歯車
28aの歯数よりも少なく設定されている。つまり、ア
イドル歯車28bはアイドル歯車28aよりも小径の歯
車となっており、このアイドル歯車28bが噛み合う第
3速の従動歯車23bは後退用の従動歯車ともなってい
る。
【0016】それぞれの駆動歯車21a〜26aは対応
する従動歯車21b〜26bに噛み合って変速ギヤ列つ
まり変速段となっており、動力を伝達することになる変
速ギヤ列を切り換えることによって変速動作が行われ
る。出力軸12には、変速ギヤ列を第1速と第2速のい
ずれかに切り換える第1の切り換え機構41が装着さ
れ、入力軸11には、変速段を第4速と第5速のいずれ
かに切り換える第2の切り換え機構42が装着されてい
る。さらに、入力軸11には、変速段を第3速と後退と
のいずれかに切り換える第3の切り換え機構43が装着
されており、それぞれの切り換え機構41〜43は、シ
ンクロメッシュ機構となっている。
【0017】第1の切り換え機構41は第1速と第2速
の2つの従動歯車21b,22bの間に配置されて出力
軸12に固定されたシンクロハブ44と、これに常時噛
み合うシンクロスリーブ41aとを有している。このシ
ンクロスリーブ41aを従動歯車21bに一体形成され
たスプライン45aに噛み合わせると変速比は第1速に
設定され、逆に従動歯車22bに一体形成されたスプラ
イン45bに噛み合わせると第2速に設定される。
【0018】同様に第2の切り換え機構42は第4速と
第5速の2つの駆動歯車24a,25aの間に配置され
て入力軸11に固定されたシンクロハブ46と、これに
常時噛み合うシンクロスリーブ42aとを有している。
このシンクロスリーブ42aを駆動歯車24aに一体形
成されたスプライン47aに噛み合わせると変速比は第
4速に設定され、逆に駆動歯車25aに一体形成された
スプライン47bに噛み合わせると第5速に設定され
る。
【0019】さらに、第3の切り換え機構43は第3速
の駆動歯車23aと後退用駆動歯車27との間に配置さ
れ中空軸33に固定されたシンクロハブ48と、これに
常時噛み合うシンクロスリーブ43aとを有している。
このシンクロスリーブ43aを駆動側23aに一体形成
されたスプライン49aに噛み合わせると変速比は第3
速に設定され、逆に駆動歯車27に一体形成されたスプ
ライン49bに噛み合わせると、入力軸11の回転はア
イドル軸28を介して出力軸12に伝達されて後退段に
設定される。
【0020】したがって、第1速と第2速の切り換えは
第1の切り換え機構41のシンクロスリーブ41aを作
動させることによって行われ、第4速と第5速の切り換
えは第2の切り換え機構42のシンクロスリーブ42a
を作動させることによって行われる。一方、第3速と後
退段の切り換えは、第1のバイパスクラッチ31を開放
状態として中空軸33を介してシンクロハブ48に動力
を伝達させた状態のもとで、第3の切り換え機構43の
シンクロスリーブ43aを作動させた後に第1のバイパ
スクラッチ31を係合状態とすることによって行われ
る。また、第5速と第6速の切り換えは第2の切り換え
機構42のシンクロスリーブ42aの作動と第2のバイ
パスクラッチ32の作動とによって行われる。
【0021】第1のバイパスクラッチ31を係合状態と
すると、入力軸11と出力軸12とを第3速のギヤ比で
連結させることができ、第2のバイパスクラッチ32を
係合状態とすると、第6速のギヤ比で連結させることが
できる。また、この自動変速機はバイパスクラッチ3
1,32を有するので、入力クラッチ17を締結状態の
ままでバイパスクラッチ31,32を介して動力を伝達
しながら変速操作を行うことができ、変速時のトルクの
落ち込みをなくすことができる。
【0022】自動変速機は前進6段の変速段を有し、第
1速から第3速までが低速段群となり、第4速から第6
速までが高速段群となっており、低速段群における変速
操作がなされるときには、第1のバイパスクラッチ31
を係合状態として入力軸11から出力軸12にトルクの
伝達が行われる。一方、高速段群における変速操作およ
び第3速と第4速との間で変速操作がなされるときに
は、第2のバイパスクラッチ32を係合状態としてトル
クの伝達が行われる。このように、2つのバイパスクラ
ッチ31,32により変速段に応じてトルク伝達経路が
別系統となっているので、変速操作時におけるバイパス
クラッチを経由した伝達トルクの差を変速段に対応させ
て小さく設定することができる。
【0023】エンジン10にはエンジントルクやエンジ
ン回転数を調整する電子制御スロットルが設けられてお
り、通常は図示しないアクセルペダルの踏み込み量に応
じた電子制御装置からの出力信号により電子制御スロッ
トルを開閉してエンジン制御が行われる。また、電子制
御スロットルは必要に応じてアクセルペダルの踏み込み
に関係なく、検出された運転状態により予め設定された
マップなどに基づいて開閉されエンジン制御を行うこと
が可能である。
【0024】中空の出力軸12の内部には前輪出力軸5
1が組み込まれており、前輪出力軸51はセンタディフ
ァレンシャル装置52により出力軸12に連結されると
ともにフロントディファレンシャル装置53を介して図
示しない前輪用のドライブシャフトに連結されている。
また、センタディファレンシャル装置52は駆動歯車5
4と従動歯車55とを介して後輪出力軸56に連結され
ており、後輪出力軸56は図示しないリヤディファレン
シャル装置を介して後輪のドライブシャフトに連結され
ている。FF車の場合には出力軸12が前輪用のディフ
ァレンシャル装置に直接連結され、FR車の場合には出
力軸12が後輪用のディファレンシャル装置に直接連結
される。
【0025】図1に示すように、自動変速機は変速ギヤ
列を第1速と第2速のいずれかに切り換えるための第1
のシフトアクチュエータ61と、第4速と第5速のいず
れかに切り換えるための第2のシフトアクチュエータ6
2とを有している。第1のシフトアクチュエータ61は
シンクロスリーブ41aをスプライン45aに噛み合わ
せて第1速に設定する位置と、スプライン45bに噛み
合わせて第2速に設定する位置と、これらのスプライン
45a,45bに噛み合わない中立位置とに作動する。
第2のシフトアクチュエータ62も第4速、第5速およ
び中立位置の3つの位置に作動する。
【0026】自動変速機は変速ギヤ列を第3速と後退の
いずれかに切り換えるために後退用アクチュエータとし
て機能するリバースサーボ弁63を有している。このサ
ーボ弁63は、シンクロスリーブ43aをスプライン4
9bに噛み合わせて後退レンジに設定する位置と、スプ
ライン49aに噛み合わせて第3速に設定する位置と、
これらのスプライン49a,49bに噛み合わない中立
位置との3つの位置に作動する。これらのシフトアクチ
ュエータ61,62とリバースサーボ弁63は、油圧制
御装置60によって作動が制御される。この油圧制御装
置60からは入力クラッチ17、第1と第2のバイパス
クラッチ31,32に対しても油圧が供給されるように
なっている。
【0027】図3および図4はそれぞれ自動変速機の油
圧制御装置60を示す油圧回路図であり、図3は入力ク
ラッチ17と2つのシフトアクチュエータ61,62の
作動を制御する部分を示し、図4はバイパスクラッチ3
1,32の作動を制御する部分を示す。これらの油圧回
路図にあっては対応する符号1〜9の部分で接続されて
いる。
【0028】図3に示すように、第1のシフトアクチュ
エータ61は軸方向に往復動自在に装着されたピストン
64を有し、ピストンロッド64aが図示しない連動部
材を介してシンクロスリーブ41aに連結されている。
第2のシフトアクチュエータ62は同様に軸方向に往復
動自在に装着されたピストン65を有し、ピストンロッ
ド65aが図示しない連動部材を介してシンクロスリー
ブ42aに連結されている。
【0029】シフトアクチュエータ61はピストン64
の両側に形成された油室にそれぞれ連通するポート61
a,61bを有し、同様にシフトアクチュエータ62は
ピストン65の両側に形成された油室にそれぞれ連通す
るポート62a,62bを有している。それぞれのシフ
トアクチュエータ61,62は後退用のポート61a,
62aに油圧を供給するとピストンロッド64a,65
aが後退移動し、前進用のポート61b,62bに油圧
を供給するとピストンロッド64a,65aは前進移動
し、両方のポートから油圧を供給すると中立位置とな
る。第1のアクチュエータ61のピストンロッド64a
が前進移動すると、シンクロスリーブ41aは第1速ま
たは第3速のいずれか一方の位置に移動し、後退移動す
るといずれか他方の位置に移動して変速ギヤ列が第1速
または第2速に切り換えられる。第2のアクチュエータ
62についても同様にピストンロッド65aの前進後退
移動により変速ギヤ列が第4速または第5速に切り換えら
れる。
【0030】車室内には運転者により操作される図示し
ないシフトレバーつまりセレクトレバーが設けられてお
り、このセレクトレバーにより作動するスプール弁軸6
6がマニュアル弁67に設けられている。マニュアル弁
67に形成されたライン圧ポート67aにはライン圧油
路68が接続されており、このライン圧油路68には図
示しないポンプおよび所定のライン圧に調圧する調圧機
器などを有するライン圧供給部が接続されている。さら
に、セレクトレバーによりマニュアル弁67がドライブ
レンジに対応したD位置に移動したときにライン圧ポー
ト67aと連通するDポート67bと、リバースレンジ
に対応したR位置に移動したときにライン圧ポート67
aと連通するRポート67cとがマニュアル弁67に設
けられている。
【0031】Dポート67bには作動油路69が接続さ
れており、この作動油路69からの油圧を2つのシフト
アクチュエータ61,62に切り換えて供給するために
アクチュエータ切換弁71がそれぞれのシフトアクチュ
エータ61,62とマニュアル弁67との間に設けられ
ている。アクチュエータ切換弁71は、シフトアクチュ
エータ61のポート61aに作動油路69aにより接続
される出力ポート71aと、ポート61bに作動油路6
9bにより接続される出力ポート71bとを有してい
る。また、アクチュエータ切換弁71はシフトアクチュ
エータ62のポート62aに作動油路69cにより接続
される出力ポート71cと、ポート62bに作動油路6
9dにより接続される出力ポート71dとを有してい
る。
【0032】アクチュエータ切換弁71に設けられた入
力ポート71eに対して作動油路69からの油圧の供給
と供給停止とを切り換えるために電磁弁SOL4が作動油
路69に設けられ、入力ポート71fに対して作動圧路
69からの油圧の供給と供給停止とを切り換えるために
電磁弁SOL5が作動油路69に設けられている。これら
の電磁弁SOL4,SOL5は常閉式となっている。アクチュ
エータ切換弁71はパイロット圧とばね力とにより作動
するスプール弁軸72を有し、パイロットポート71g
に連通して設けられたパイロット圧路73には常閉式の
電磁弁SOL7が設けられている。この電磁弁SOL7に対し
て通電がなされていないときには、入力ポート71eと
出力ポート71aとが連通状態となり、入力ポート71
fと出力ポート71bとが連通状態となる。この状態の
もとで、電磁弁SOL4に通電するとシフトアクチュエー
タ61の後退用のポート61aから油室内に油圧が供給
されてピストンロッド64aは後退移動し、電磁弁SOL
5のコイルに通電すると前進用のポート61bから油室
内に油圧が供給されてピストンロッド64aは前進移動
する。さらに、両方の電磁弁SOL4,SOL5に通電する
と、両方の油室に油圧が供給されてピストンロッド64
aは中立位置となる。
【0033】一方、電磁弁SOL7のコイルに通電すると
スプール弁軸72にばね力に抗して摺動し、入力ポート
71eと出力ポート71cとが連通状態となり、入力ポ
ート71fと出力ポート71dとが連通状態となる。こ
の状態のもとで、それぞれの電磁弁SOL4,SOL5に対す
る通電を制御することにより、ピストンロッド65aを
前進位置と後退位置と中立位置とのいずれかの位置に設
定することができる。このように、アクチュエータ切換
弁71を切換動作させることによって、共通の電磁弁SO
L4,SOL5によって2つのシフトアクチュエータ61,
62による変速動作を行うことができる。
【0034】入力クラッチ17には作動油路69が接続
されており、作動油路69には常開式つまりノーマルオ
ープンの電磁弁SOL1が設けられている。この電磁弁SOL
1は常開式であるので、通電がなされていないときには
入力クラッチ17に油圧が供給されて入力クラッチ17
は接続状態となり、通電すると油圧が排出されて入力ク
ラッチ17は遮断状態となる。作動油路69には入力ク
ラッチ用のフェールセーフ弁74が設けられ、このフェ
ールセーフ弁74内に摺動自在に設けられたスプール弁
軸75はパイロット圧が供給されない状態では、入力ポ
ート74aと出力ポート74bとを連通させる。
【0035】第1と第2のシフトアクチュエータ61,
62にはそれぞれ中立位置検出弁76,77が設けら
れ、それぞれの中立位置検出弁76,77はピストン6
4,65により作動するスプール弁軸64b,65bを
有している。中立位置検出弁77にはライン圧油路68
が接続される入力ポート77aと、これに対応した出力
ポート77bとが設けられており、中立位置検出弁76
には油路68aにより出力ポート77bに接続される入
力ポート76aと、これに対応した出力ポート76bと
が設けられ、出力ポート76bは油路68bにより電磁
弁SOL1とフェールセーフ弁74との間の作動油路69
iに接続されている。
【0036】リバースサーボ弁63は往復動自在のピス
トン63aを有し、ピストンロッド63bは図1に示し
たシンクロスリーブ43aに図示しない連動部材を介し
て連結されている。リバースサーボ弁63に設けられた
Dポート63cは作動油路69に接続されており、この
Dポート63cから油圧が供給されると、ピストンロッ
ド63bは図3に示すようにD位置となる。一方、リバ
ースサーボ弁63にはRポート63dが設けられ、Rポ
ート67cとRポート63dは油路78により接続され
ている。これにより、セレクトレバーによってリバース
レンジが選択されると、ピストンロッド63bはR位置
に駆動され、図1におけるシンクロスリーブ43aはス
プライン49bに噛み合うことになる。なお、図3にあ
っては、2つのシフトアクチュエータ61,62は中立
位置となっており、アクチュエータ切換弁71およびフ
ェールセーフ弁74はそれぞれパイロット圧が供給され
ない状態となって示されている。
【0037】図4に示すように、2つのバイパスクラッ
チ31,32に対して油圧を供給するために、作動油路
69に連通する作動油路69eがバイパスクラッチ32
に接続され、作動油路69に連通する作動油路69fが
バイパスクラッチ31に接続されている。作動油路69
eには電磁弁SOL2が設けられ、作動油路69fには電
磁弁SOL3が設けられ、それぞれの電磁弁SOL2,SOL3
は常閉式となっている。したがって、電磁弁SOL2に通
電するとバイパスクラッチ32は締結状態となり、通電
を解くと開放状態となる。また、電磁弁SOL3に通電す
るとバイパスクラッチ31は締結状態となり、通電を解
くと開放状態となる。
【0038】上述した油圧制御装置によって定常走行状
態における各々の電磁弁の作動状態について説明する
と、以下の通りである。まず、入力クラッチ17は電磁
弁SOL1が通電されると遮断状態となり、タービン軸1
6の動力は入力軸11には伝達されない。一方、電磁弁
SOL1に対する通電が解かれると締結状態となって入力
軸11にはエンジンの動力が伝達される。第1速と第2
速の切換は、電磁弁SOL4と電磁弁SOL5の一方に通電す
ることにより行われ、両方に通電すると第1速と第2速
のいずれにも設定されない。同様に、第4速と第5速の
切換は、電磁弁SOL7に対して通電した状態のもとで、
電磁弁SOL4と電磁弁SOL5の一方に通電することにより
行われ、両方に通電すると第4速と第5速のいずれにも
設定されない。
【0039】変速ギヤ列が第1速、第2速、第4速ある
いは第5速のいずれかとなっているときに、電気系に故
障が発生した場合には、常閉式の電磁弁SOL4,SOL5お
よびSOL7はオフとなるが、シンクロスリーブとスプラ
インとの噛み合い抵抗、ディテント機構によってその変
速ギヤ列が維持される。これにより、車両は走行するこ
とができ、これらの変速ギヤ列のもとでのセレクトレバ
ーがニュートラルレンジに選択されると、ライン圧油路
68が閉じられるので、入力クラッチ17への油圧の供
給はカットされる。
【0040】これに対して第3速と第6速のいずれかに
変速ギヤ列が設定されていたときに、電気系に故障が発
生すると、これらの変速ギヤ列には2つのバイパスクラ
ッチ31,32のいずれかにより設定されており、油圧
が抜けるので、その変速ギヤ列を保持することができな
くなる。
【0041】そこで、図4に示すように、この自動変速
機はフェールセーフ弁81を有している。このフェール
セーフ弁81はパイロット油圧とばね力とにより作動す
るスプール弁軸82を有し、パイロットポート81aに
連通するパイロット圧路73には、この油路を開閉する
常閉式の電磁弁SOL6が設けられている。フェールセー
フ弁81にはライン圧油路68に接続されるライン圧ポ
ート81bと、電磁弁SOL6に通電がなされてパイロッ
ト圧が供給されたときにライン圧ポート81bに連通す
る出力ポート81cとが設けられている。この出力ポー
ト81cは電磁弁SOL6に対する通電が停止されると、
スプール弁軸82により閉じられる。
【0042】作動油路69eにはバイパスフェールセー
フ弁83が設けられ、このバイパスフェールセーフ弁8
3はライン圧をパイロット圧として作動するスプール弁
軸84を有し、パイロットポート83aは油路85によ
りフェールセーフ弁81の出力ポート81cに接続され
ている。バイパスフェールセーフ弁83はパイロットポ
ート83aに油圧が供給されると、入力側ポート83b
と出力ポート83cが連通状態となって作動油路69
e,69fを介して、それぞれの電磁弁SOL2,SOL3に
は油圧が供給される。一方、パイロットポート81aに
対する油圧の供給が停止されると出力ポート83cは閉
じられてそれぞれの電磁弁SOL2,SOL3に対する油圧の
供給が停止される。したがって、電磁弁SOL6に対する
給電が停止されると、バイパスフェールセーフ弁83の
スプール弁軸84は出力ポート83cを閉じることにな
り、作動油路69e,69fに対する油圧の供給が停止
される。
【0043】第1のシフトアクチュエータ61の出力ポ
ート76bに接続された油路68bはシャトル弁86a
を介して油路85に接続されている。これにより、2つ
のシフトアクチュエータ61,62がそれぞれ中立位置
となっているときには、バイパスフェールセーフ弁83
のパイロットポート83aには2つの中立位置検出弁7
6,77を介して油路68aにより油圧が供給される。
【0044】バイパスフェールセーフ弁83の出力ポー
ト83cに接続されたバイパス油路87にはバイパス油
路開閉弁88が設けられており、このバイパス油路開閉
弁88はパイロット油圧とばね力とにより作動するスプ
ール弁軸89を有し、パイロットポート88aには油路
85が接続されている。このバイパス油路開閉弁88は
バイパスフェールセーフ弁83の出力ポート83cに接
続される入力ポート88bを有し、このポート88b
は、パイロット圧が供給されると出力ポート88cとの
連通が遮断される。一方、パイロット圧が供給されなく
なると、ばね力によりスプール弁軸89が摺動して、入
力ポート88bと出力ポート88cとが連通されてバイ
パス油路87は開かれる。作動油路69eにはバイパス
クラッチ32と電磁弁SOL2の間に位置させて、フェー
ルセーフバイパス弁90が設けられている。このフェー
ルセーフバイパス弁90はパイロット圧とばね力により
作動するスプール弁軸79を有し、ライン圧油路68に
接続されるパイロットポート90aが設けられ、パイロ
ット圧が供給されると、入力ポート90bと出力ポート
90cとを連通させて、作動油路69eが開かれる。
【0045】バイパス油路87にはバイパス油路切換弁
91が設けられており、このバイパス油路切換弁91に
はパイロット油圧とばねにより作動するスプール弁軸9
2が組み込まれている。バイパス油路切換弁91はパイ
ロット油圧が供給されないときに相互に連通する入力ポ
ート91aと第1出力ポート91bを有し、第1出力ポ
ート91bにはバイパス油路87aが接続され、このバ
イパス油路87aはシャトル弁86bを介して第1のバ
イパスクラッチ31に接続されている。
【0046】バイパス油路切換弁91のパイロットポー
ト91cにはパイロット油路93aにより作動油路69
eに接続されており、第2のバイパスクラッチ32を締
結すべく電磁弁SOL2が通電されるとスプール弁軸92
にパイロット圧が供給されて入力ポート91aと第1出
力ポート91bの連通が遮断される。このときには、入
力ポート91aは第2出力ポート91dと連通する。こ
の第2出力ポート91dにはバイパス油路94が接続さ
れ、このバイパス油路94はシャトル弁86cを介して
作動油路69eに接続されている。
【0047】一方、バイパスクラッチ31に接続された
パイロット油路93bは、バイパス油路切換弁91に形
成されたパイロットポート91fに接続されており、こ
のパイロットポート91fに供給される油圧によりスプ
ール弁軸92に対して加えられる推力は、パイロットポ
ート91cに供給される油圧により加えられる推力に対
して逆方向に作用する。
【0048】したがって、電磁弁SOL6と電磁弁SOL3に
給電がなされて第1のバイパスクラッチ31が締結され
ている走行状態のもとで、電気系の故障によって電磁弁
SOL6と電磁弁SOL3に対する給電が停止されると、作動
油路69fからはバイパスクラッチ31には油圧が供給
されなくなる。しかしながら、このときには、フェール
セーフ弁81のスプール弁軸82がばね力により移動し
てポート81cが閉じられ、油路85に対するライン圧
の供給がカット止される。これにより、バイパス油路開
閉弁88のスプール弁軸89がばね力により移動して入
力ポート88bと出力ポート88cとが連通状態とな
り、バイパス油路87にはバイパスフェールセーフ弁8
3を介してライン圧が流れる。このライン圧はバイパス
油路切換弁91の入力ポート91aと第1出力ポート9
1bとが連通状態となっていることから、バイパス油路
87aを介して第1のバイパスクラッチ31にはライン
圧が供給される。
【0049】一方、電磁弁SOL6と電磁弁SOL2に給電が
なされて第2のバイパスクラッチ32が締結されている
走行状態のもとで、電気系の故障によってこれらの電磁
弁に対する給電が停止されると、作動油路69eからは
バイパスクラッチ32には油圧が供給されなくなる。し
かしながら、上述した場合と同様に、バイパス油路開閉
弁88のスプール弁軸89がばね力により移動して入力
ポート88bと出力ポート88cとが連通状態となり、
バイパス油路87にはバイパスフェールセーフ弁83を
介してライン圧の油が流れる。
【0050】しかも、第2のバイパスクラッチ32が締
結されているときには、パイロット油路93aからバイ
パス油路切換弁91のパイロットポート91cにはパイ
ロット圧が供給されて第2の出力ポート91dが入力ポ
ート91aと連通した状態となっている。したがって、
バイパス油路87に供給されたライン圧はバイパス油路
切換弁91の第2出力ポート91dに接続されたバイパ
ス油路94を介して第2のバイパスクラッチ32に供給
される。このときにはバイパス油路94およびパイロッ
ト油路93aを介してパイロットポート91cにパイロ
ット圧が供給されて、スプール弁軸92は第2出力ポー
ト91dを開いた状態を保持する。
【0051】以上のように、フェールセーフ弁81、バ
イパス油路開閉弁88およびバイパス油路切換弁91を
設けることにより、第1のバイパスクラッチ31の締結
による第3速での走行状態、あるいは第2のバイパスク
ラッチ32の締結による第6速での走行状態のもとで、
前述したそれぞれの電磁弁に対する通電が停止されたと
きには、通電が停止される前の変速ギヤ列つまり第3速
あるいは第6速が保持されることになる。この変速ギヤ
列は運転者によりセレクトレバーがニュートラルレンジ
に操作された後に再度ドライブレンジが選択されても保
持される。つまり、第6速で走行中に電磁弁に対する通
電が停止されても、エンジンが駆動していれば、バイパ
ス油路切換弁91のパイロットポート91cにはパイロ
ット圧が加わり続けるので、出力ポート91dは開いた
状態を保持して第2バイパスクラッチ32は締結状態を
保持する。これにより、第6速での走行時に電気系が故
障しても、第6速から第3速への変速動作は発生するこ
とがない。なお、ニュートラルレンジが選択されたとき
にも、入力クラッチ17には中立位置検出弁76,77
を介して油圧の供給が保持される。
【0052】これに対して、図4に示すように、フェー
ルモード弁95を設けると、電気系の故障により電磁弁
に対する通電が停止されたときにも、セレクトレバーを
リバースレンジに選択すると車両を後退移動させること
ができる。さらに、セレクトレバーがリバースレンジに
選択された後に再度ドライブレンジが選択されたときに
は、リンプホーム制御がなされて、通電停止前の変速ギ
ヤ列の状態いかんに拘わらず、第1のバイパスクラッチ
31を締結して第3速の変速ギヤ列で動力を伝達するこ
とができる。
【0053】このフェールモード弁95はパイロット圧
とばね力とにより作動するスプール弁軸96を有し、パ
イロットポート95aには油路85が接続されている。
さらに、パイロットポート95aにパイロット圧が供給
されないときに、入力ポート95bと連通する出力ポー
ト95cを有している。この出力ポート95cは油路9
7aによりバイパス油路切換弁91のばね室に連通した
加圧ポート91eに接続されている。また、この油路9
7aはシャトル弁86dを介して中立位置設定油路97
bに接続されており、この中立位置設定油路97bはそ
れぞれシャトル弁86e〜86hを介して第1と第2の
シフトアクチュエータ61,62のそれぞれのポートに
接続されている。
【0054】フェールモード弁95のスプール弁軸96
は受圧面積がA1の弁体96a、96bと、これよりも
大きい受圧面積A2の弁体96c〜96eとを有してい
る。したがって、スプール弁軸96には図4において右
方向にA1・PL+(A2−A1)PLの推力が加わり、左
方向にはkl+(A2−A1)Pmrの推力が加わるように
なっている。ここで、kはばね定数であり、lはばねの
変位量であり、PLはパイロットポート95a、入力ポ
ート95b,出力ポート95cに加わる圧力であり、P
mrはパイロットポート95dに加わる圧力である。
【0055】セレクトレバーによりリバースレンジが選
択されてマニュアル弁67のスプール弁軸66がR位置
に操作されると、リバースサーボ弁63のピストン63
aにはライン圧が油路78を介して供給される。これに
より、ピストンロッド63bはシンクロスリーブ43a
をスプライン49bに噛み合わせるためにR位置に駆動
される。このときには、リバースサーボ弁63に設けら
れた出力ポート63eはライン圧ポート67aに連通し
てライン圧が出力ポート63eに供給されることにな
る。
【0056】この出力ポート63eは油路98によりフ
ェールモード弁95のパイロットポート95dに接続さ
れている。このパイロットポート95dに供給される油
圧によりスプール弁軸96にはパイロットポート95a
に供給される油圧による推力とは逆方向の推力が加えら
れる。パイロットポート95dに油圧が供給されると、
フェールモード弁95のスプール弁軸96は、弁体96
aと弁体96eの面積差とばね力とにより図4において
左側に摺動して出力ポート95cと入力ポート95bが
連通する。出力ポート95cは油路97a,97bを介
してそれぞれのシフトアクチュエータ61,62のそれ
ぞれのポート61a,61b,62a,62bに連通状
態となり、両方のシフトアクチュエータ61,62は中
立状態を維持する。
【0057】両方が中立状態となると、中立位置検出弁
76,77が連通状態となって油路68bを介して作動
油路85に油圧が供給されるとともに、バイパスフェー
ルセーフ弁83のパイロットポート83aに油圧が供給
される。また、リバースサーボ弁63の出力ポート63
eは油路98および作動油路69を介してバイパスフェ
ールセーフ弁83のポート83bに接続されているの
で、このポート83bには油圧が供給される。
【0058】これにより、リバースサーボ弁63からの
油圧はバイパス油路開閉弁88およびバイパス油路切換
弁91を介して第1のバイパスクラッチ31に供給さ
れ、バイパスクラッチ31は締結状態となる。したがっ
て、まず、リバースサーボ弁63によって変速ギヤ列が
リバースレンジに切り換えられた後に、入力クラッチ1
7およびバイパスクラッチ31が締結状態となるので、
ギヤ鳴きの発生を防止することができ、電気系の故障が
発生しても、車両を後退移動させることができる。ま
た、このときには、入力クラッチ用のフェールセーフ弁
74は作動油路69を遮断するので、両方のシフトアク
チュエータ61,62が中立位置のときにのみ入力クラ
ッチ17が提携される。なお、リバースサーボ弁63に
はピストンロッド63bがD位置となったときに油室内
の油を絞り部を介して排出させるための排出ポート63
fが設けられている。
【0059】一方、電気系の故障が発生しても、セレク
トレバーの操作により前述したリバースレンジからニュ
ートラルレンジを経てドライブレンジが選択されると、
第1のバイパスクラッチ31の締結により、第3速での
走行が可能となる。つまり、セレクトレバーがニュート
ラルレンジに選択されると、マニュアル弁67のスプー
ル弁軸66が連動してDポート67bが閉じられる。こ
れにより、作動油路69に対する油圧の供給が停止され
てバイパスクラッチ31に対する油圧の供給が遮断され
る。
【0060】次いで、セレクトレバーがドライブレンジ
に操作されると、マニュアル弁67のスプール弁軸66
が連動してDポート67bが開かれ、作動油路69を介
してDポート63cからリバースサーボ弁63に供給さ
れる油圧によってピストンロッド63bはD位置にまで
後退移動する。これにより、シンクロスリーブ43aが
スプライン49aと噛み合って第3速の変速ギヤ列が動
力伝達状態となる。これとともに、バイパスフェールセ
ーフ弁83とバイパス油路開閉弁88を介してバイパス
油路87を流れる油圧がバイパス油路切換弁91の入力
ポート91aに供給される。供給された油圧はバイパス
油路87aを介してバイパスクラッチ31に供給され
る。したがって、電気系の故障によりそれぞれの電磁弁
に対する通電が停止されても、セレクトレバーをリバー
スレンジからドライブレンジに移動させると、バイパス
クラッチ31が作動して第3速の変速段となり、車両を
走行させることができる。電気系の故障により電磁弁に
対する給電が停止され状態のもとで、エンジンを停止さ
せた後に、ニュートラルレンジからドライブレンジが選
択された場合でも、同様にして、第3速の変速段に設定
される。
【0061】このように、フェールモード弁95を設け
ることによって、電気系の故障が発生した場合でも、セ
レクトレバーをリバースレンジに操作した後にドライブ
レンジが再度操作されると、第3速の変速段での走行が
可能となる。なお、図4はフェールセーフ弁81、バイ
パスフェールセーフ弁83、バイパス油路開閉弁88お
よびフェールモード弁95にはパイロット圧が供給され
た状態を示し、バイパス油路切換弁91のパイロットポ
ートにはパイロット圧が供給されない状態を示す。
【0062】図5は図3および図4に示した油圧回路の
一部を概略的に示す油圧回路図であり、図6は電気系に
故障が発生してフェールセーフが作動した状態における
図3と同様の部分を示す油圧回路図である。フェール時
にはフェールセーフ弁81のパイロット圧ポート81a
にはパイロット圧が供給されなくなるので、フェールモ
ード弁95のパイロットポート95aにはパイロット圧
が供給されなくなる。この状態のもとで、セレクトレバ
ーがリバースレンジに選択されると、マニュアル弁67
からリバースサーボ弁63に油圧が供給されて、リバー
スサーボ弁63のピストンロッド63bが図6に示すよ
うにR位置となる。これにより、油路98を介してフェ
ールモード弁95のパイロットポート95dに油圧が供
給されて、フェールモード弁95の入力ポート95bは
出力ポート95cと連通する。
【0063】出力ポート95cから吐出した油圧は、中
立位置設定油路97a,97b,97を介してそれぞれ
のシフトアクチュエータ61,62の入力ポートに油圧
が供給され、両方のシフトアクチュエータ61,62は
中立位置となる。中立位置となると、油路68bを介し
て入力クラッチ17には油圧が供給されて、入力クラッ
チ17はエンジンを入力軸11に締結する。このとき、
ライン圧油路68から作動油路69を介して入力クラッ
チ17に対して供給される油圧は入力クラッチ用のフェ
ールセーフ弁74に対してパイロット圧が供給されるの
で、入力クラッチ17への油圧が供給されない状態とな
り、確実にシフトアクチュエータ61,62が中立位置
の時にのみ入力クラッチを締結することができる。
【0064】さらに、バイパス油路切換弁91のパイロ
ットポート91eにはパイロット圧が供給されて、バイ
パス油路87からの油圧は第1バイパスクラッチ31に
供給される。このように、入力クラッチ17やバイパス
クラッチ31よりも先にリバースレンジへの切換がなさ
れるので、ギヤ鳴きを防止することができる。
【0065】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
あることは言うまでもない。たとえば、2つのバイパス
クラッチ31,32はクラッチドラムが一体となってい
るが、分離させても良く、一方のバイパスクラッチを入
力軸11に設け、他方のバイパスクラッチを出力軸に設
けるようにしても良く、2つのバイパスクラッチを径方
向に同心状に組み込むようにしても良い。変速ギヤ列の
切り換え機構41〜43としては、シンクロメッシュ機
構が使用されているが、ドッククラッチ切換などを用い
るようにしても良い。図示する実施の形態の場合には前
進6段となっているが、変速段は任意の段数となするこ
とができる。図示する自動変速機は4輪駆動車に適用さ
れるが、FF車やFR車にも本発明を適用することがで
き、自動変速機はエンジンルームに縦置きとしても良
く、横置きとしても良い。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、電気系の故障が生じた
フェール時には、セレクトレバーがリバースレンジある
いはニュートラルレンジからドライブレンジに選択され
ると、バイパスクラッチにより入力軸と出力軸とが締結
されて1つの変速段が成立し、さらにシフトアクチュエ
ータが中立位置となった後に入力クラッチに油圧が供給
されて入力クラッチは締結状態となる。このように、シ
フトアクチュエータが中立位置となったときにのみ入力
クラッチが締結され、フェール時でも車両を走行させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である油圧制御装置を有
する自動変速機を示すスケルトン図である。
【図2】図1におけるA−A線方向から見た歯車の噛み
合い状態を示すスケルトン図である。
【図3】自動変速機の油圧制御装置を示す油圧回路図で
ある。
【図4】自動変速機の油圧制御装置を示す油圧回路図で
ある。
【図5】油圧制御装置の要部を概略的に示す油圧回路図
である。
【図6】電気系に故障が発生してフェールセーフが作動
した状態における図3と同様の部分を示す油圧回路図で
ある。
【符号の説明】
10 エンジン 11 入力軸 12 出力軸 13 クランク軸 16 タービン軸 17 入力クラッチ 31 バイパスクラッチ 32 バイパスクラッチ 41,42,43 切り換え機構 41a,42a,43a シンクロスリーブ 61 シフトアクチュエータ 62 シフトアクチュエータ 63 リバースサーボ弁 67 マニュアル弁 68 ライン圧油路 69 作動油路 71 アクチュエータ切換弁 74 フェールセーフ弁 76 中立位置検出弁 77 中立位置検出弁 81 フェールセーフ弁 83 バイパスフェールセーフ弁 88 バイパス油路開閉弁 90 フェールセーフバイパス弁 91 バイパス油路切換弁 95 フェールモード弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 61/16 F16H 61/18 61/18 63/46 63/46 59:10 // F16H 59:10 59:68 59:68 F16D 25/14 650 Fターム(参考) 3D041 AA71 AB01 AC11 AC15 AC18 AD32 AE16 AE33 3J057 AA04 BB03 EE07 EE09 GA61 GB27 GC06 GC08 GD08 GE01 HH02 JJ01 JJ02 3J552 MA04 MA05 MA12 MA18 MA26 NA01 NB01 PA19 PA23 PB02 PB08 QA06 RA06 RA11 SA26 SA27 VA66 VA79

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の駆動歯車が設けられた入力軸と、
    前記駆動歯車と噛み合う複数の従動歯車が設けられた出
    力軸とを備え、エンジンと出力軸との締結と締結解除と
    を行う入力クラッチを備えた自動変速機の油圧制御装置
    であって、 前記入力軸から前記出力軸に対して動力を伝達する変速
    ギヤ列の切り換えを行う複数のシフトアクチュエータ
    と、 電気系の故障時に前記シフトアクチュエータが中立位置
    となるように前記シフトアクチュエータに油圧を供給す
    るフェールモード弁と、 前記シフトアクチュエータが中立位置となると油圧供給
    部からの油圧を入力クラッチに供給する中立位置検出弁
    とを有し、 前記入力クラッチに対する油圧の供給を前記中立位置検
    出弁を介して行うことを特徴とする自動変速機の油圧制
    御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機の油圧制御装
    置において、正常時に前記入力クラッチに対して油圧を
    供給する油路に設けられ、電気系の故障時に前記フェー
    ルモード弁からの油圧により前記油路を遮断する入力ク
    ラッチ用のフェールセーフ弁を有することを特徴とする
    自動変速機の油圧制御装置。
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