JP2002307913A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Abstract
向上する。 【解決手段】 トレッド面2に、横溝3を設ける。横溝
3は、タイヤ軸方向に対して角度θ1でのびる第1の部
分3aと、この第1の部分3aに連なりかつタイヤ軸方
向に対して角度θ2(≠θ1)でのびる第2の部分3b
とを含むことにより第1の屈曲部5を有する。タイヤ新
品時において、|θ2−θ1|で表される前記第1の屈
曲部5の折れ曲がり角度θa0 を30〜50゜とし、か
つ50%摩耗時における前記第1の屈曲部5の前記折れ
曲がり角度θa50を前記新品時の折れ曲がり角度θa0
の0.35〜0.65倍とする。
Description
摩耗性能をバランス良く向上しうる空気入りタイヤに関
する。
空気入りタイヤのトレッド面には、トラクション性能を
向上するため、タイヤ軸方向にのびる横溝が設けられ
る。とりわけ、トラック、ダンプといった重荷重車両に
用いられる重荷重用タイヤにあっては、図8に示すよう
に、ラグ溝としてこのような横溝が多用される。
は、一般的にウエット性能が低い傾向がある。このた
め、従来では図9に示すように、横溝aに屈曲部bを設
けることでジグサグ状に形成し、該屈曲部bに面する陸
部のエッジeを利用した水切り効果によってウエット性
能の向上が図られている。しかしながら、このようなジ
グサグ状の横溝aは、摩耗が進行するにつれ前記エッジ
eを起点とする陸部の欠け、或いはエッジeを起点とし
た偏摩耗(例えばヒール&トウ摩耗)が発生しやすい傾
向がある。
れたもので、横溝の屈曲部の角度を、タイヤ新品時では
大とするとともに50%摩耗時では小とすることを基本
として、ウエット性能と耐摩耗性能とをバランス良く向
上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としてい
る。
載の発明は、トレッド面に、横溝を設けた空気入りタイ
ヤであって、前記横溝は、タイヤ軸方向に対して角度θ
1でのびる第1の部分と、この第1の部分に連なりかつ
タイヤ軸方向に対して角度θ2(≠θ1)でのびる第2
の部分とを含むことにより第1の屈曲部を有し、タイヤ
新品時において、|θ2−θ1|で表される前記第1の
屈曲部の折れ曲がり角度θa0 を30〜50゜とし、か
つ50%摩耗時における前記第1の屈曲部の前記折れ曲
がり角度θa50を前記θa0 の0.35〜0.65倍と
したことを特徴としている。
前記第2の部分に連なりかつタイヤ軸方向に対して角度
θ3(≠θ2)でのびる第3の部分を含むとにより第2
の屈曲部を有し、タイヤ新品時において、|θ3−θ2
|で表される前記第2の屈曲部の折れ曲がり角度θb0
を30〜50゜とし、かつ50%摩耗時における前記第
2の屈曲部の前記折れ曲がり角度θb50を前記θb0 の
0.35〜0.65倍としたことを特徴とする請求項1
記載の空気入りタイヤである。
溝巾が15〜25mmである重荷重用の請求項1又は2記
載の空気入りタイヤである。
に基づき説明する。図1は本実施形態としてトラック、
バスなどに装着される重荷重用の空気入りタイヤのトレ
ッドパターンの展開図(新品時)、図2はその横溝3の
部分拡大図を夫々示している。また、図1、図2の横溝
は、路面と接地するトレッド面での溝縁をパターン化し
たものである。図1に示すように、トレッド面2には横
溝3が設けられている。前記横溝3は、本例では両側の
トレッド端Eからそれぞれタイヤ軸方向内側にのびるラ
グ溝状で形成される。
が、好ましくは溝巾をトレッド巾の5.0〜12.0
%、より好ましくは6.0〜10.5%とし、溝深さを
トレッド巾の8.0〜10.5%、より好ましくは8.
5〜10.0%とするのが望ましい。前記溝巾がトレッ
ド巾の5.0%未満又は溝深さが8.0%未満である
と、基本的な排水性が低下するためウエット性能が悪化
する傾向があり、逆に溝巾がトレッド巾の12.0%よ
りも大又は溝深さがトレッド巾の10.5%よりも大で
あると、トレッド面2の剛性が低下しやすく乾燥舗装路
での操縦安定性やグリップ力を損ねやすい。特に本実施
形態のように、タイヤが重荷重用の場合には、横溝3の
溝巾を15mm以上で設定するのが望ましい。
ム組みしかつ正規内圧を充填するとともに正規荷重を負
荷して平面に接地させたときの接地外端間のタイヤ軸方
向距離を言う。また「正規リム」とは、タイヤが基づい
ている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ
毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準
リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRT
Oであれば "Measuring Rim"とする。また、「正規内
圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系に
おいて、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、
JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TI
RE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURE
S" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION P
RESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には
180KPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤ
が基づいている規格を含む規格体系において、各規格が
タイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば
最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS A
T VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大
値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
端Eに連なりかつタイヤ軸方向Nに対して角度θ1で直
線状にのびる第1の部分3aと、この第1の部分3aに
連なりかつタイヤ軸方向Nに対して角度θ2(≠θ1)
で直線状にのびる第2の部分3bと、この第2の部分3
bに連なりかつタイヤ軸方向Nに対して角度θ3(≠θ
2)で直線状にのびる第3の部分3cとを含んで構成さ
れている。これにより、横溝3は、角度|θ2−θ1|
で折れ曲がる第1の屈曲部5と、角度|θ3−θ2|で
折れ曲がる第2の屈曲部6とを有し、ジグザグ状でタイ
ヤ軸方向にのびている。なお横溝3の前記各部分3aな
いし3cの角度θ1〜θ3は、横溝3の溝縁7、7間の
中間を通る横溝中心線CLによって定め得る。また本明
細書では、前記角度θ1ないしθ3において、タイヤ軸
方向Nを基準として左回りを正、右回りを負とする。
にジグザグ状でタイヤ周方向にのびる一対のジグザグ細
溝4a、4aが設けられている。ジグザグ細溝4aは、
前記横溝3の第3の部分3cのタイヤ軸方向の内端側を
継ぎながらタイヤ周方向に連続してのびている。ジグザ
グ細溝4aは、本実施形態では、タイヤ周方向に対して
一方側に傾いて直線状でのびる細巾部4a1と、タイヤ
周方向に対して前記細巾部4a1と逆向きに傾きかつ直
線状にのびる太巾部4a2とをタイヤ周方向交互に配し
て構成されている。これにより、ジグザグのエッジをタ
イヤ周方向に連続して形成しウエット性能の向上を補う
のに役立つ。ジグザグ細溝4aの溝巾は、特に限定され
るものではないが、本例では横溝3の溝巾よりも小とし
ている。具体的には、細巾部4a1では例えば2.5〜
4.5mm、太巾部4a2は細巾部4a1の1.0〜3.
0倍、より好ましくは1.0〜2.5倍の溝巾に設定す
るのが望ましい。
り合う横溝3、3間をのびかつこれらの横溝3の第1の
屈曲部5と第2の屈曲部6とを継ぐことにより、前記ジ
グザグ細溝4aの細巾部4a1と略平行に直線状でのび
る斜めの細溝4bが設けられている。この斜めの細溝4
bは、例えば溝巾が1.0〜4.0mm、より好ましくは
1.0〜3.0mmと小巾で設定される。このような斜め
の細溝4bは、排水性の向上にはあまり寄与しないが、
横溝3、3間の陸部の剛性を最適化して旋回時など路面
との間に生じるせん断力を緩和することができ、耐摩耗
性の向上に寄与しうる他、溝巾を容易に閉じることによ
って陸部の剛性が確保され操縦安定性能の低下を防止で
きる。なお前記ジグザグ細溝4aの細巾部4a1及びこ
の斜めの細溝4bのタイヤ周方向に対する角度αは、好
ましくは16〜30゜、より好ましくは22〜27゜と
することが望ましい。
ザグ細溝4a、4a間をのびるとともに略Z字状に屈曲
した継ぎ溝4cがタイヤ周方向に隔設されている。これ
により、本例のトレッド面2には、前記ジグザグ細溝4
a、4a間でタイヤ周方向に並ぶ平面視が略S字状をな
す大型のセンターブロックB1と、前記ジグザグ細溝4
aと斜めの細溝4bとの間に形成される略六角形状のミ
ドルブロックB2と、前記斜めの細溝4bのタイヤ軸方
向外側に形成される略六角形状のショルダーブロックB
3とが形成される。
に、タイヤ新品時において、|θ2−θ1|で表される
第1の屈曲部5の折れ曲がり角度θa0 及び|θ3−θ
2|で表される第2の屈曲部6の折れ曲がり角度θb0
を、ともに30〜50゜としており、比較的大に設定し
ている。これにより、第1、第2の屈曲部5、6を挟ん
でタイヤ周方向前、後に位置する陸部(本例ではミドル
ブロックB2、ショルダーブロックB3)には鋭利なエ
ッジeを形成する。このようなエッジeは、水膜を有す
る路面への接地に際して水膜を切断、排除できウエット
性能を向上させる。
0 が30゜未満であると、ウエット性能の向上作用が十
分に得られず、逆に50゜を超えると、エッジeが過度
に鋭利となりその剛性が低下するため、該エッジeに欠
けが生じやすくなる他、ヒール&トウ摩耗がといった偏
摩耗が発生しやすくなるなど耐摩耗性を低下させる。よ
り好ましくは第1の屈曲部5の折れ曲がり角度θa0
は、34.0〜46.0゜とすることが望ましい。また
第2の屈曲部6については、特に限定されるものではな
いが、本実施形態では第1の屈曲部5と同様に、第2の
屈曲部6の折れ曲がり角度θb0 も30〜50゜に限定
している。これにより、トレッド面2に、より多くのエ
ッジeを有する陸部を形成でき、ウエット性能をさらに
向上できる。
1の屈曲部5は、50%摩耗時における前記折れ曲がり
角度θa50が新品時の前記折れ曲がり角度θa0 の0.
35〜0.65倍に設定される。しかも本例では第2の
屈曲部6についても、50%摩耗時における折れ曲がり
角度θb50が、その新品時の折れ曲がり角度θb0 の
0.35〜0.65倍に設定される。ここで前記「50
%摩耗時」とは、図3に示すように、トレッド部を、新
品時のトレッド面2と平行な曲面Pに沿って削ることに
より横溝3の深さ(最大溝深さ部分で特定する)を新品
時の50%とした状態とする。
レッドパターンの展開図、図5は横溝3の拡大平面図
を、また図6には溝底縁までの同平面図、図7はブロッ
クB2、B3の斜視図を夫々示している。図5、図6の
ように、本実施形態では、横溝3の溝縁7と溝底縁9と
は非平行に設定されている。これにより、横溝3の各溝
壁面W1、W2…は、平面ではなく、ねじれた曲面によ
り形成される。またこのような溝壁面W1、W2…は、
トレッド面2が摩耗するに伴い、第1、第2の屈曲部
5、6の前記各折れ曲がり角度θa、θbが、徐々に減
少するように設定されている。
時ではその折れ曲がり角度θa50θb50が新品時の折れ
曲がり角度θa0 、θb0 よりも小となることにより、
摩耗につれて第1、第2の屈曲部5、6に面したミドル
ブロックB2、ショルダブロックB3の各エッジe付近
の剛性を高めることができる。このため、摩耗の進行に
伴う該エッジeを起点としたヒール&トウ摩耗の発生を
抑制でき、かつ同時にブロックのエッジeを非鋭利化す
ることによりブロックの欠けなどを防止できる。
折れ曲がり角度θa50が新品時の折れ曲がり角度θa0
の0.35倍未満であると、耐摩耗性能には有利となる
が、エッジ作用が低下するためウエット性能の低下が著
しい。また、50%摩耗時の第1の屈曲部5の前記折れ
曲がり角度θa50が新品時の折れ曲がり角度θa0 の
0.65倍を超えると、ウエット性能には有利となる
が、第1の屈曲部5に面するブロックないし陸部のエッ
ジeに歪が集中しやすく、ブロックの欠けやヒール&ト
ウ摩耗を招来しやすく耐摩耗性が悪化する。このような
観点より、第1の屈曲部5は、50%摩耗時における前
記折れ曲がり角度θa50が新品時の折れ曲がり角度θa
0 の0.40〜0.60倍に設定することが特に望まし
い。なお第2の屈曲部6についても同様である。
が、本発明はタイヤ軸方向にのびる横溝を具えるタイヤ
であれば、例示の重荷重用タイヤに限定されることな
く、種々のカテゴリのタイヤに適用しうる。またトレッ
ドパターンについても、本例のようにブロックを基調と
したパターン以外にも、ラグパターンやリブラグパター
ンなど、種々のパターンに適用できる。さらに、本実施
形態の横溝3は、第1、第2の屈曲部5、6を具えるも
のを示したが、本発明は、第1の屈曲部5だけを具える
横溝やさらに第3の屈曲部を具えた横溝などにも適用で
きる。
ジアルタイヤを4種類試作し、ウエット性能(新品時及
び50%摩耗時)、陸部欠けの有無、ヒール&トウ摩耗
量を測定した。試作タイヤは、いずれも内部構造を同一
としており、トレッドパターンだけを異ならせたもので
ある。実施例は、図1、図3に示したトレッドパターン
を具えるもの、比較例1は、新品時は図1と同じである
が、50%摩耗時にも屈曲部の折れ曲がり角度が実質的
に変化しないトレッドパターンを具えるもの、比較例2
では、第1、第2の屈曲部の折れ曲がり角度が大きいパ
ターンを具えるもの、比較例3は図8に示すように従来
一般的に多用されているラグパターンを具えるものであ
る。テスト条件等は次の通りである。
(7.50×22.5)にリム組みし内圧850kPa
を充填するとともに、荷重定積載(10屯)の2−Dの
トラックの駆動輪2輪に装着し、濡れた鉄板上などの低
μ路で該駆動輪が空転する瞬間の最大牽引力を測定し
た。一般に、ユーザーが要求する新品タイヤの低μ路に
おける最大牽引力は15kNであることから、評価は1
5kNを100とする指数で表示した。数値が大きいほ
ど良好であることを示す。また50%摩耗時の試験は、
新品タイヤを50%摩耗状態に削るとともに500km
の慣らし走行を行った後、上記テストを実施した。
(7.50×22.5)にリム組みし内圧850kPa
を充填するとともに、荷重定積載(10屯)の2−Dの
トラックの駆動輪2輪に装着し、横溝の深さが実質的に
50%となった状態までロードテストを行った。そし
て、第1、第2の屈曲部に面したブロックのエッジに欠
けが生じている個数を測定した。個数が少ないほど良好
である。
で、横溝の深さが実質的に30%となる状態までロード
テストを行った。そして、横溝に面したブロックについ
てヒール&トウ摩耗量を測定した。ヒール&トウ摩耗量
が3mm以下のものが外観上目立たず合格である。テスト
の結果を表1に示す。
は、ウエット性能(新品時及び50%摩耗時)、耐摩耗
性能をバランス良く向上していることが確認できる。こ
れに対して、比較例1、2では、ウエット性能は良好で
あるが、ブロック欠け又はヒール&トウ摩耗が激しく、
耐摩耗性の面で問題がある。また比較例3では、耐摩耗
性能は比較的良好であったが、ウエット性能が著しく低
いことが確認できる。
ヤは、タイヤ新品時では横溝の第1の屈曲部の折れ曲が
り角度を一定範囲に限定することにより、該第1の屈曲
部に面する陸部に形成されるエッジの効果でウエット性
能を向上しうる。また50%摩耗時には第1の屈曲部の
折れ曲がり角度を小とすることにより、該第1の屈曲部
に面する陸部の剛性を増し、ブロック欠けや偏摩耗の発
生を防止できる。このように本発明の空気入りタイヤ
は、ウエット性能と耐摩耗性能とをバランス良く向上す
ることができる。
第2の屈曲部を設け、この屈曲部についても第1の屈曲
部と同様に折れ曲がり角度を設定したときには、よりウ
エット性能と耐摩耗性能とをバランス良く向上しうる。
が15mm以上と太い重荷重用タイヤに適用したときに
は、本発明の効果がより顕著に発揮されうる。
開図である。
展開図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド面に、横溝を設けた空気入りタイ
ヤであって、 前記横溝は、タイヤ軸方向に対して角度θ1でのびる第
1の部分と、この第1の部分に連なりかつタイヤ軸方向
に対して角度θ2(≠θ1)でのびる第2の部分とを含
むことにより第1の屈曲部を有し、 タイヤ新品時において、|θ2−θ1|で表される前記
第1の屈曲部の折れ曲がり角度θa0 を30〜50゜と
し、 かつ50%摩耗時における前記第1の屈曲部の前記折れ
曲がり角度θa50を前記θa0 の0.35〜0.65倍
としたことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記横溝は、前記第2の部分に連なりかつ
タイヤ軸方向に対して角度θ3(≠θ2)でのびる第3
の部分を含むとにより第2の屈曲部を有し、 タイヤ新品時において、|θ3−θ2|で表される前記
第2の屈曲部の折れ曲がり角度θb0 を30〜50゜と
し、 かつ50%摩耗時における前記第2の屈曲部の前記折れ
曲がり角度θb50を前記θb0 の0.35〜0.65倍
としたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】前記横溝は、溝巾が15〜25mmである重
荷重用の請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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