JP2002307236A - すぐばかさ歯車製造装置及びすぐばかさ歯車製造方法 - Google Patents

すぐばかさ歯車製造装置及びすぐばかさ歯車製造方法

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JP2002307236A
JP2002307236A JP2001119454A JP2001119454A JP2002307236A JP 2002307236 A JP2002307236 A JP 2002307236A JP 2001119454 A JP2001119454 A JP 2001119454A JP 2001119454 A JP2001119454 A JP 2001119454A JP 2002307236 A JP2002307236 A JP 2002307236A
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angle
cut
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Hiroshi Koshiba
博 小柴
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Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備費の投資の抑制及び加工時間の短縮等を
図ることが可能なすぐばかさ歯車製造方法、及び簡単な
構造で低コストにて形成(製造)することができ、しか
もすぐばかさ歯車を短時間に確実に加工することが可能
なすぐばかさ歯車製造装置を提供する。 【解決手段】 円盤状カッタ12を工具軸1に取付ける
共に、被削歯車2を回転制御可能な主軸3に取付ける。
工具軸1を3軸方向に沿って移動させることによって、
円盤状カッタ12を上記被削歯車2の歯溝に沿ってこの
被削歯車2のピッチ円錐の頂点O1に対して接近離間す
る方向に往復動させつつ、公転させて、仮想冠歯車を出
現させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐばかさ歯車
製造装置及びすぐばかさ歯車製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】すぐばかさ歯車を製造する装置は、図1
2と図13とに示すように、被削歯車40がその軸部に
取付られるワークスピンドル41と、このワークスピン
ドル41を支持して揺動させるための旋回テーブル42
と、クレードル43と、このクレードル43に付設され
るカッタ44を備える。そして、クレードル43は、そ
のクレードル軸心Oa廻りに回転自在とされ、また、カ
ッタ44は径方向に沿って配設されたガイドに沿って往
復動可能とされて、クレードル軸心Oaに対して接近離
間する運動を行う。
【0003】上記すぐばかさ歯車製造装置にて、すぐば
かさ歯車を製造するには、まず、ワークスピンドル41
を揺動させて、カッタ44が被削歯車40のピッチ円錐
角に合うようにセットする。そして、この場合、被削歯
車40に歯合する仮想冠歯車45(図14参照)を想定
し、カッタ44にこの仮想冠歯車45と同じ動きをさせ
る。すなわち、仮想冠歯車45の回転中心とクレードル
43の回転中心Oaとを一致させ、カッタ44を摺動
(往復動)させることによって、冠歯車45の歯面の一
つを出現させるものであって、カッタ44の1往復毎に
クレードル43を回転させることによって、カッタ44
の歯面を仮想冠歯車45として回転させる。この際、被
削歯車40は仮想冠歯車45に対して所定の回転比とな
るように設定する。そして、このカッタ44の往復動と
同期回転を複数回繰返すことによって、カッタ44が取
り去った被削歯車40の余分な部分が1本の歯溝となる
ように切削する。次に、このように1本の歯溝が完了す
ると、カッタ44を初期位置に戻し、被削歯車40を初
期位置から1ピッチ分進んだ位置に割り出す。その後、
上記工程を必要歯数分繰返すことによって、すぐばかさ
歯車は完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の製造
装置では、各部材に極めて複雑な運動をさせる必要があ
り、製造装置として極めて複雑化し、設備費が大となる
欠点があった。さらに、一つの製造装置ではすぐばかさ
歯車しか加工(製造)することができず、他の加工工程
との工程集約が困難であった。そのため、工場として各
種加工装置を必要として、設備投資が大となると共に、
工程間移動時間が大となって生産性に劣っていた。
【0005】この発明は、上記従来の欠点を解決するた
めになされたものであって、その一の目的は、設備費の
投資の抑制及び加工時間の短縮等を図ることが可能なす
ぐばかさ歯車製造方法を提供することにあり、他の目的
は、簡単な構造で低コストにて形成(製造)することが
でき、しかもすぐばかさ歯車を短時間に確実に加工する
ことが可能なすぐばかさ歯車製造装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】そこで請求項
1のすぐばかさ歯車製造装置は、相互に直交する3軸方
向の移動が可能な工具軸1と、この工具軸1に着脱自在
に取付られてその外周部に断面略台形状の切刃部14を
有する円盤状カッタ12と、被削歯車2が着脱自在に取
付けられる回転角度制御可能な主軸3とを備えたすぐば
かさ歯車製造装置であって、上記工具軸1を揺動させて
上記円盤状カッタ12の上記被削歯車2に対する角度を
調整する角度調整手段Aと、上記工具軸1を上記3軸方
向に沿って移動させることによって、上記円盤状カッタ
12を上記被削歯車2の形成すべき歯溝Mに沿ってこの
被削歯車2のピッチ円錐の頂点O1に対して接近離間す
る方向に往復動させつつ、公転させて、上記被削歯車2
に歯合する仮想冠歯車16を出現させる仮想冠歯車出現
手段Sと、上記被削歯車2の回転角の変更と、上記円盤
状カッタ12の被削歯車2の回転中心Oに対する傾斜角
度の変更との制御を行う制御手段Kとを備えたことを特
徴としている。
【0007】上記請求項1のすぐばかさ歯車製造装置で
は、円盤状カッタ12を、被削歯車2の形成すべき歯溝
Mに沿ってこの被削歯車2のピッチ円錐の頂点O1に対
して接近離間する方向に往復動させつつ、公転させるこ
とによって、仮想冠歯車16を出現させることができ
る。すなわち、円盤状カッタ12にこのような動きをさ
せることによって、形成すべき歯溝Mの切削を行うこと
ができ、すぐばかさ歯車を確実に製造することができ
る。しかも、制御手段Kにて、被削歯車2の回転角の変
更と、円盤状カッタ12の被削歯車2の回転中心Oに対
する傾斜角度の変更との制御を行うことが可能であるの
で、切削量を制御して切削することができ、一本の歯溝
Mを高精度に切削することができる。さらに、直交する
3軸方向の移動が可能な工具軸1と、被削歯車2が取付
けられる回転角度制御可能な主軸3とを備えた装置は、
汎用性のある複合NC旋盤にて構成することができ、こ
の複合NC旋盤おいて、この装置の動作を制御する制御
部に、プログラム設定等によって、仮想冠歯車出現手段
や制御手段等を設ければよいので、このすぐばかさ歯車
製造装置を、低コストにしかも簡単に形成することがで
きる。そして、形成された装置においては、1台にて旋
削、歯切り等の種々の加工を行うことが可能であるの
で、設備の投資抑制、加工時間の短縮等を図ることがで
きる。
【0008】請求項2のすぐばかさ歯車製造方法は、相
互に直交する3軸方向の移動が可能な工具軸1と、上記
3軸方向のうちの一軸方向と平行に配置されて被削歯車
2が取付けられる回転角度制御可能な主軸3とを備えた
複合NC旋盤において、上記工具軸1に、外周部に断面
略台形状の切刃部14を有する円盤状カッタ12を取付
けた後、この工具軸1を揺動させて上記被削歯車2に対
する上記円盤状カッタ12の角度を所定角度に調整し、
上記工具軸1を上記3軸方向に沿って移動させることに
よって、上記円盤状カッタ12を上記被削歯車2の形成
すべき歯溝Mに沿ってこの被削歯車2のピッチ円錐の頂
点O1に対して接近離間する方向に往復動させつつ、公
転させて、上記被削歯車2に歯合する仮想冠歯車16を
出現させ、上記被削歯車2を上記円盤状カッタ12にて
切削していくことを特徴としている。
【0009】上記請求項2のすぐばかさ歯車製造方法で
は、複合NC旋盤を使用して、すぐばかさ歯車を低コス
トにて簡単に製造することができる。しかも、複合NC
旋盤は汎用性に優れているので、この1台の設備(装
置)にて旋削、歯切り等の各種の加工を行うことがで
き、これにより、設備の投資の抑制、加工時間の短縮、
仕掛かり・リードの短縮を図ることができる。
【0010】請求項3のすぐばかさ歯車製造方法は、一
つの歯溝Mを形成する際に、側面視において被削歯車2
の回転中心Oに対して所定角度をなす範囲内で、上記被
削歯車2の回転角の変更と、上記円盤状カッタ12の被
削歯車2の回転中心Oに対する傾斜角度の変更を複数回
行って切削していくことを特徴としている。
【0011】上記請求項3のすぐばかさ歯車製造方法で
は、一つの歯溝Mを複数回に分けて僅かな切削量にて順
次切削していくことになり、すぐばかさ歯車を確実の製
造することができ、しかも高精度のすぐばかさ歯車を提
供することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、この発明のすぐばかさ歯車
製造装置の具体的な実施の形態について、図面を参照し
つつ詳細に説明する。この実施の形態では、歯車切削加
工装置として汎用的な複合工作機械である複合NC旋盤
を用いている。
【0013】図2はすぐばかさ歯車製造装置の全体の簡
略斜視図であり、このすぐばかさ歯車製造装置は、相互
に直交する3軸方向の移動が可能な工具軸1と、上記3
軸方向のうちの一軸方向と平行に配置されて被削歯車2
が取付けられる回転角度制御可能な主軸3とを備える。
工具軸1は後述する角度調整手段Aを構成するタレット
ヘッド4に設けられ、このタレットヘッド4は刃物台5
に付設される。
【0014】刃物台5は基台6上を配置され、この基台
6上をZ軸方向にガイドレールGに沿って移動可能なZ
軸台7と、Z軸台7上をX軸方向にガイドレールGに沿
って移動可能なX軸台8と、X軸台8の側面をY軸方向
にガイドレールGに沿って移動可能なY軸台9とを備え
る。すなわち、タレットヘッド4は、Z軸台7がZ軸方
向に移動することによってZ軸方向に移動し、X軸台8
がX軸方向に移動することによってX軸方向に移動し、
Y軸台9がY軸方向に移動することによってY軸方向に
移動する。ところで、X軸とY軸とZ軸とは相互に直交
し、そのため、タレットヘッド4にて支持されている工
具軸1が、相互に直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方
向に移動可能とされる。なお、各X軸台とY軸台とZ軸
台はそれぞれ例えば図示省略のサーボモータ等の駆動手
段にてそれぞれの軸に沿って往復動する。
【0015】タレットヘッド4は、上記Y軸台9に付設
されるホルダ機枠10と、このホルダ機枠に揺動可能に
枢着される揺動部11とを備え、上記工具軸1が揺動部
11にその軸心B廻りに回転(回動)自在として支持さ
れている。また、この工具軸1は、Y軸とZ軸とを含む
平面と平行に配設され、図1に示すように、その先端に
は円盤状カッタ12が取付けられる。そのため、この揺
動部11に支持されている工具軸1、延いては円盤状カ
ッタ12は、揺動部11が揺動することによって、軸心
B廻りに揺動することになる。ここで、円盤状カッタ1
2とは、外周部に断面略台形状の切刃部14を有するカ
ッタであり、なお、工具軸1は、図示省略の駆動用モー
タ等にて回転駆動される。
【0016】また、基台6の側部にワーク台15が設け
られ、このワーク台15に上記3軸のうちの一軸心(Z
軸)方向と平行に上記主軸3が配置されている。そし
て、主軸3の先端にチャック13を介して着脱自在に被
削歯車2が取付けられる。ここで、被削歯車2とは、上
記円盤状カッタ12にて切削されてすぐばかさ歯車とな
るワークであり、略円錐台形状とされている。なお、こ
の主軸3は、図示省略の駆動用モータ等にて回転駆動さ
れる。
【0017】ところで、上記タレットヘッド4にて構成
される角度調整手段Aは、上記工具軸1を揺動させて、
図1に示すように、円盤状カッタ12の被削歯車2に対
する角度を変更するものであって、被削歯車2のピッチ
円錐角にその回転面(回転平面)を合わせることができ
る。また、この角度調整手段Aによる揺動は、一般工作
機械の旋回テーブル等に使用される公知の揺動機構が使
用される。そして、その調整された角度は固定すること
ができる。
【0018】また、この装置には、図2に示すように、
その制御部17に仮想冠歯車出現手段Sと、制御手段K
が設けられている。すなわち、角度調整手段Aにて、上
記被削歯車2に対する円盤状カッタ12の成す角度を所
定角度に調整することができ、仮想冠歯車出現手段Sに
て、円盤状カッタ12を上記被削歯車2の形成すべき歯
溝M(図10や図11等参照)沿ってこの被削歯車2の
ピッチ円錐の頂点O1に対して接近離間する方向に往復
動させつつ、公転させて、図5と図6等に示すように、
被削歯車2に歯合する仮想冠歯車16の一つの歯面を出
現させることができる。また、制御手段Kは、主軸3の
回転角度調整機能による被削歯車2の回転角の変更と、
角度調整手段Aによる円盤状カッタ12の回転中心Oに
対する傾斜角度β´(図5参照)の変更との制御を行う
ものである。
【0019】次に、被削歯車2の回転角と仮想冠歯車1
6の回転角との関係を図4の簡略図を使用して説明す
る。図4において、αは被削歯車2の回転角であり、β
は被削歯車2と噛み合う(歯合する)仮想歯車16の回
転角であり、β´はβのY・Z平面投影角(上記傾斜角
度)であり、δ0は被削歯車2のピッチ円錐角であり、
d0は被削歯車2の外端ピッチ円直径であり、Lは円錐
頂点O1から外端ピッチ円までの距離であり、Rはピッ
チ円錐母線長さである。
【0020】この場合、被削歯車2と仮想冠歯車16の
回転円弧は等しいので、数1の関係式が成り立ち、さら
に、この式から数2のようにαを求めることができる。
【0021】
【数1】
【0022】
【数2】
【0023】また、同様に数3の関係の式が成り立ち、
さらに、この式から数4のようにβを求めることができ
る。
【0024】
【数3】
【0025】
【数4】
【0026】従って、上記数2の式と数3の式から次の
数5の関係を導き出すことができる。
【0027】
【数5】
【0028】また、この際、被削歯車2の歯数をZ1と
し、仮想冠歯車16の歯数をZ2としたときのαとβと
の関係は、β/α=Z1/Z2となる。
【0029】次に、上記すぐばかさ歯車製造装置を使用
してすぐばかさ歯車を製造する方法を説明する。まず、
工具軸1に円盤状カッタ12を取付けると共に、主軸3
にすぐばかさ歯車となる被削歯車2を取付ける。その
後、刃物台5をX、Y、Z軸に沿って移動させると共
に、角度調整手段Aにて、工具軸1を揺動させて、円盤
状カッタ12を、その中心が図7のP0の位置にくるよ
うに、つまりイの位置となるようにセットする。ここ
で、イの位置とは、図7(b)に示すように、側面視に
おいてカッタ中心が歯底円錐の頂点O1と一致し、か
つ、図7(a)に示すように、円盤状カッタ12の外周
縁(切刃部14の先端縁)が歯底円錐に接するようにな
る点である。すなわち、X、Y、Zの3軸座標上におけ
るP0は、(D/cosδr、0、L)となる。ところ
で、この図7において、drは被削歯車2の外端底円直
径であり、δrは被削歯車2の歯底円錐角であり、d0
は被削歯車2の外端ピッチ円直径であり、δ0は被削歯
車2のピッチ円錐角であり、dkは被削歯車2の外端歯
先円直径であり、Lは被削歯車2の円錐頂点O1から外
端歯先までの距離であり、Dは円盤状カッタ12の外径
寸法である。
【0030】そして、イの位置においては、円盤状カッ
タ12はZ軸と所定角度β´を成す。ここで、β´と
は、上記傾斜角度であって、P0とP1とを結ぶ直線が
Y・Z平面上でZ軸と成す角度である。また、P1は、
P1´に接するロの位置における円盤状カッタ12の中
心位置であり、P1´とは、x=dr/2を通るY軸に
平行な直線と外端歯先円との交点である。従って、X、
Y、Zの3軸座標上におけるP1は、(1/2・(dr
+D)、dr・tanα、0)となる。なお、αは被削
歯車2の回転角であって、回転中心OとP1´とを結ぶ
直線がX軸と成す角度である。このとき、上記数5の
式より、β´=α・tanδ0であり、また、cosα
=dr/dkの関係にある。
【0031】このため、X、Y、Z軸の同時3軸制御を
行いつつ、円盤状カッタ12を回転させながらイの位置
からP0とP1を結ぶ直線に沿って、移動量が溝の全長
を越えるまで、移動させることによって、まず、一つの
歯溝Mの一部を形成(切削)する第1の工程を行う。
【0032】次に、イの元の状態に戻した後、図8
(a)(b)に示すように、図7に示す状態から被削歯
車2を、主軸3の回転角度調整機能により、所定角度Δ
α°回転させると共に、これに同期させて角度調整手段
Aにより、工具軸1を−Δβ´°傾ける。この際、上記
数5の式により、Δβ´=Δα・tanδとなる。そ
して、この状態から、P2とP0とを結ぶ直線上を円盤
状カッタ12が移動する第2の工程行う。ここで、P2
とは、P1と同一X軸座標上で被削歯車2のΔα回転に
同期移動したときの円盤状カッタ12の中心位置であ
る。すなわち、X、Y、Zの3軸座標上におけるP2
は、(1/2・(dr+D)、dr・tan(α−Δ
α)、0)である。そして移動量が溝の全長を越えれ
ば、つまり、中心がP2となるハの位置となれば、イの
元の状態に戻す。
【0033】次に、図8の状態から図9(a)(b)に
示すように、被削歯車2を主軸3の回転角度調整機能に
より、さらにΔα°回転させると共に、これに同期させ
て角度調整手段Aにより、工具軸1をさらに−Δβ´°
傾ける。この際、上記数5の式により、Δβ´=Δα
・tanδ0となる。そして、この状態から、P3とP
0とを結ぶ直線上を円盤状カッタ12が移動する第3の
工程を行う。ここで、P3とは、P1と同一X軸座標上
で被削歯車2のΔα回転に同期移動したときの円盤状カ
ッタ12の中心位置である。すなわち、X、Y、Zの3
軸座標上におけるP3は、(1/2・(dr+D)、d
r・tan(α−2Δα)、0)である。そして移動量
が溝の全長を越えれば、つまり、中心がP3となるニの
位置となれば、イの元の状態に戻す。
【0034】以下上記工程を繰返して、図10に示すよ
うに、このサイクルの最終工程を行う。最終工程とは、
1本の溝切削の最終工程であり、P5とP0を結ぶ直線
上を円盤状カッタ12が移動する工程である。そして、
この最終工程が終了すると、円盤状カッタ12がイの元
の初期の状態に戻る。これによって、一本の溝を形成
(生成)することができる。ここで、P5とは、ホの位
置における円盤状カッタ12の中心位置であり、上記P
1と回転中心Oに関して対称となる点である。
【0035】このように一本の溝を形成した後は、図1
1に示すように、次の歯溝Mとすべき位置に被削歯車2
を回転させるいわゆる割り出し工程を行う。そして、上
記切削工程を行うことによって、この2本目の溝を形成
する。その後は、順次、同様の工程を繰返して次の溝を
形成していくことによって、このすぐばかさ歯車の全歯
溝Mを形成すれば、すぐばかさ歯車の切削加工が終了す
る。
【0036】すなわち、この製造装置では、一つの歯溝
Mを形成する際に、側面視において被削歯車2の回転中
心Oに対して所定角度をなす範囲内で、上記被削歯車2
の回転角の変更と、円盤状カッタ12の被削歯車2の回
転中心Oに対する傾斜角度β´の変更を複数回行って切
削していくものである。このため、一つの歯溝Mを複数
回に分けて僅かな切削量にて順次切削していくことにな
り、すぐばかさ歯車を確実の製造することができ、しか
も高精度のすぐばかさ歯車を提供することが可能であ
る。
【0037】以上のようにこの実施の形態によれば、汎
用性を有する複合NC旋盤を用いて低コストにて確実に
すぐばかさ歯車切削加工を行うことができる。したがっ
て、すぐばかさ歯車切削加工工程と他の加工工程(例え
ば、旋削、歯切り)との集約を図ることが可能となり、
設備投資の抑制、加工時間の低減、工程間移動時間の低
減等によって、製造コストの低減を図ることができる。
この製造コストの低減は、多品種少量生産の場合に特に
効果的である。
【0038】さらに、円盤状カッタ12の角度等を変更
することによって、各種のすぐばかさ歯車を切削するこ
とができ、1台の複合NC旋盤にて、複数種のすぐばか
さ歯車を製造することができる。これにより、製造工場
として、複数種のすぐばかさ歯車を製造ために複数種の
装置を必要とせず、設備投資の抑制に一層寄与する。
【0039】以上にこの発明のすぐばかさ歯車製造方法
の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は
上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の
範囲内で種々変更して実施することが可能であり、例え
ば、被削歯車2の回転角Δα°及びこれに同期する仮想
冠歯車16のΔβ´°は自由に変更できるが、小さけれ
ば高精度にすぐばかさ歯車を製造することができるが、
作業時間が大となる欠点があり、逆に大きければ、短時
間に製造することができるが精度よく形成することがで
きないので、これらを考慮して設定する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のすぐばかさ歯車製造装置の実施形態
を示す要部側面図である。
【図2】上記すぐばかさ歯車製造装置の簡略斜視図であ
る。
【図3】上記すぐばかさ歯車製造装置の制御部の簡略ブ
ロック図である
【図4】上記すぐばかさ歯車製造装置における被削歯車
と仮想冠歯車との関係を示す簡略図である。
【図5】上記すぐばかさ歯車製造装置において出現する
仮想冠歯車の説明図である。
【図6】上記すぐばかさ歯車製造装置において出現する
仮想冠歯車と被削歯車との関係の説明図である。
【図7】上記すぐばかさ歯車製造方法の実施形態の被削
歯車と円盤状カッタとの関係の初期状態を示し、(a)
は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面
図である。
【図8】上記すぐばかさ歯車製造方法における1本の溝
切削の第2工程を示し、(a)は側面図であり、(b)
は正面図である。
【図9】上記すぐばかさ歯車製造方法における1本の溝
切削の第3工程を示し、(a)は側面図であり、(b)
は正面図である。
【図10】上記すぐばかさ歯車製造方法における1本の
溝切削の第4工程を示し、(a)は側面図であり、
(b)は正面図である。
【図11】上記すぐばかさ歯車製造方法の割り出し工程
を示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図であ
る。
【図12】従来のすぐばかさ歯車製造装置の要部側面図
である。
【図13】従来のすぐばかさ歯車製造装置における被削
歯車と円盤状カッタとの関係を示す簡略図である。
【図14】従来のすぐばかさ歯車製造装置における被削
歯車と仮想冠歯車との関係を示す簡略図である。
【符号の説明】
1 工具軸 2 被削歯車 3 主軸 12 円盤状カッタ 14 切刃部 16 仮想冠歯車 A 角度調整手段 K 仮想冠歯車出現手段 M 歯溝 O 回転中心 O1 頂点 S 制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に直交する3軸方向の移動が可能な
    工具軸(1)と、この工具軸(1)に着脱自在に取付ら
    れてその外周部に断面略台形状の切刃部(14)を有す
    る円盤状カッタ(12)と、被削歯車(2)が着脱自在
    に取付けられる回転角度制御可能な主軸(3)とを備え
    たすぐばかさ歯車製造装置であって、 上記工具軸(1)を揺動させて上記円盤状カッタ(1
    2)の上記被削歯車(2)に対する角度を調整する角度
    調整手段(A)と、 上記工具軸(1)を上記3軸方向に沿って移動させるこ
    とによって、上記円盤状カッタ(12)を上記被削歯車
    (2)の形成すべき歯溝(M)に沿ってこの被削歯車
    (2)のピッチ円錐の頂点(O1)に対して接近離間す
    る方向に往復動させつつ、公転させて、上記被削歯車
    (2)に歯合する仮想歯車(16)を出現させる仮想冠
    歯車出現手段(S)と、 上記被削歯車(2)の回転角の変更と、上記円盤状カッ
    タ(12)の被削歯車(2)の回転中心(O)に対する
    傾斜角度の変更との制御を行う制御手段(K)とを備え
    たことを特徴とするすぐばかさ歯車製造装置。
  2. 【請求項2】 相互に直交する3軸方向の移動が可能な
    工具軸(1)と、上記3軸方向のうちの一軸方向と平行
    に配置されて被削歯車(2)が取付けられる回転角度制
    御可能な主軸(3)とを備えた複合NC旋盤において、 上記工具軸(1)に、外周部に断面略台形状の切刃部
    (14)を有する円盤状カッタ(12)を取付けた後、
    この工具軸(1)を揺動させて上記被削歯車(2)に対
    する上記円盤状カッタ(12)の角度を所定角度に調整
    し、 上記工具軸(1)を上記3軸方向に沿って移動させるこ
    とによって、上記円盤状カッタ(12)を上記被削歯車
    (2)の形成すべき歯溝(M)に沿ってこの被削歯車
    (2)のピッチ円錐の頂点(O1)に対して接近離間す
    る方向に往復動させつつ、公転させて、上記被削歯車
    (2)に歯合する仮想冠歯車(16)を出現させ、 上記被削歯車(2)を上記円盤状カッタ(12)にて切
    削していくことを特徴とするすぐばかさ歯車製造方法。
  3. 【請求項3】 一つの歯溝(M)を形成する際に、側面
    視において被削歯車(2)の回転中心(O)に対して所
    定角度をなす範囲内で、上記被削歯車(2)の回転角の
    変更と、上記円盤状カッタ(12)の被削歯車(2)の
    回転中心(O)に対する傾斜角度の変更を複数回行って
    切削していくことを特徴とする請求項2のすぐばかさ歯
    車製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013543450A (ja) * 2010-10-22 2013-12-05 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 歯フライスおよび歯車要素の歯を圧延するための方法
JP2015521117A (ja) * 2012-05-29 2015-07-27 北京巴付勒▲伝▼▲動▼技▲術▼有限公司 モジュールの大きい歯車用の多目的歯切り盤

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