JP2002306998A - 板状塗工物の製造方法とそのための塗布装置 - Google Patents

板状塗工物の製造方法とそのための塗布装置

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JP2002306998A
JP2002306998A JP2001116481A JP2001116481A JP2002306998A JP 2002306998 A JP2002306998 A JP 2002306998A JP 2001116481 A JP2001116481 A JP 2001116481A JP 2001116481 A JP2001116481 A JP 2001116481A JP 2002306998 A JP2002306998 A JP 2002306998A
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roll
tank
coated
coating liquid
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JP2001116481A
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English (en)
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Shinsuke Ochiai
伸介 落合
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ほぼ均一な膜厚を形成し、両面を同時に塗工
でき、しかも塗布速度が速く、生産性に優れた塗布方法
及びそのための装置を提供する。 【解決手段】 板状の被塗布物1をその被塗布面が重力
方向とほぼ平行になるように把持し、その被塗布物1を
塗料槽2中の塗布液3に浸漬した後、一定速度で上方向
へ移動させながら、この被塗布物1を両面から挟むよう
に配置された、回転軸11,11がほぼ水平な2本の塗
布ロール10,10の間を通過させることにより、被塗
布物1の両面に同時に塗布膜を形成させ、板状塗工物を
製造する。塗布装置は、被塗布物1の固定手段、2本の
塗布ロール10,10を有する塗布ロール手段、塗布ロ
ール手段のほぼ真下に配置されて塗布液3を収容する塗
料槽2、及び被塗布物1を垂直方向に移動させる搬送手
段を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、枚葉の板状成形品
に対し、耐擦傷性、帯電防止性、反射防止性、防汚性、
防曇性、光線吸収性等の各種機能を付与する材料や着色
剤等を含む塗布液を塗布し、各種機能性被膜や保護膜、
着色膜、意匠性被膜等を形成した板状塗工物の製造方
法、及びそのための塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】板状の被塗布物の表面に各種薬液を塗布
する方法として、従来から、ディップコート法、フロー
コート法、カーテンフローコート法、ロールコート法な
どの各種方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公知の塗布方法は、生産性や塗膜の膜厚精度において十
分に満足できる性能を有していなかった。例えば、ディ
ップコート法は、両面を同時に塗工できるものの、塗布
速度(引上げ速度)を速くすると、膜厚にばらつきが出
てくることから、膜厚精度を高めるためには塗布速度を
遅くせざるを得ないという問題があった。また、カーテ
ンフローコート法やロールコート法は、塗布速度が速
く、ほぼ均一な膜厚が得られるものの、両面を同時に塗
工できないため、生産性に問題があった。さらにまた、
フローコート法は、簡易に塗布が可能であり、かつ両面
を同時に塗工できるものの、被膜の膜厚精度に乏しいと
いう問題点を有している。
【0004】そこで本発明者は、ほぼ均一な膜厚を形成
し、両面を同時に塗工でき、しかも塗布速度が速く、生
産性に優れた塗布方法及びそのための装置を開発すべ
く、鋭意研究を行った結果、ディップコート法と同様
に、被塗布面がほぼ垂直方向に垂下された板状の被塗布
物を、塗布液が収容された塗料槽中に浸漬したのち、一
定速度で上方向に移動させながら、回転軸が水平となる
ように配置された2本の塗布ロールの間を通過させるこ
とにより、目的とする被膜が形成され、また高い生産性
をもって塗工物が製造できることを見出し、本発明に至
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、板状
の被塗布物をその被塗布面が重力方向とほぼ平行になる
ように把持し、その被塗布物を塗料槽中の塗布液に浸漬
した後、一定速度で上方向へ移動させながら、この被塗
布物を両面から挟むように配置された、回転軸がほぼ水
平な2本の塗布ロールの間を通過させることにより、被
塗布物の両面に同時に塗布膜を形成させ、板状塗工物を
製造する方法を提供するものである。
【0006】また本発明によれば、この方法に使用する
のに適した塗布装置も提供され、この塗布装置は、板状
の被塗布物をその被塗布面が重力方向とほぼ平行になる
ように把持する被塗布物の固定手段;回転軸がほぼ水平
であり、互いに異方向に回転し、被塗布物が通過しうる
間隔に保たれた2本の塗布ロールを有する塗布ロール手
段;塗布ロール手段のほぼ真下に配置された塗布液を収
容する塗料槽;及び被塗布物を垂直方向に移動させる搬
送手段を備え、被塗布物を塗料槽中の塗布液に浸漬した
後、この被塗布物を上方向に移動させながら上記2本の
塗布ロールの間を通過させることにより、被塗布物の両
面に同時に塗布膜を形成させるように構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面も参照しなが
ら、本発明をさらに詳細に説明する。図面中、図1は、
本発明に従い、板状の被塗布物に塗布している状態を模
式的に示すものであって、(A)は斜視図、(B)は
(A)のX−X線に沿う縦断面図である。図2は、被塗
布物の把持状態及び搬送手段の一例を模式的に示すもの
であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。図
3及び図4は、それぞれ異なる固定手段の例を模式的に
示すものであって、それぞれの(A)は正面図、(B)
は側面図である。図5は、塗布ロールの表面に設けられ
る溝の断面形状について、いくつかの例を示す塗布ロー
ルの部分拡大断面模式図である。図6は、塗布ロールの
表面に設けられる溝の方向について、いくつかの例を模
式的に示す正面図である。図7は、バックアップロール
を設ける場合の例を図1に対応させて模式的に示すもの
であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のY−Y線
に沿う縦断面図である。図8は、塗布ロールの下に設け
られた塗布液タンクから塗布液を塗布ロールに供給する
例を模式的に示す側面図である。図9は、塗布ロールと
バックアップロールの接する部位に塗布液を供給する例
を模式的に示す側面図である。図10及び図11は、そ
れぞれ異なる形態で塗布ロールとバックアップロールの
接する部位に塗布液を供給する例を模式的に示す斜視図
である。図12は、バックアップロールの下に設けられ
た塗布液タンクから塗布液をバックアップロールに供給
し、その塗布液を塗布ロールに転写する例を模式的に示
す側面図である。図13は、図9〜図12のいずれかに
示すロールへの塗布液供給方式を用いて、塗布液を循環
する場合の一例を示すフローチャートである。図14及
び図15は、それぞれ後述する実施例1及び比較例1で
得られた塗工物表面の膜厚分布を表すグラフである。
【0008】本発明においては、図1に示すように、板
状の被塗布物1は、その被塗布面がほぼ重力方向と平行
になるように垂下される。そしてまず、被塗布物1を下
方へ移動させて塗料槽2中の塗布液3に浸漬し、次に一
定速度で上方向へ移動させながら、被塗布物1を両面か
ら挟むように配置された水平方向の回転軸11,11を
有する2本の塗布ロール10,10に両面を接触させて
その間を通過させる。塗布液3への浸漬により被塗布物
1に塗布液が付着し、これを引き上げる際、両面から塗
布ロール10,10と接触させることにより、均一な塗
布液層が形成されるようになる。
【0009】板状の被塗布物1は枚葉のものであって、
その種類は特に限定されないが、例えば、板ガラスや樹
脂成形品などが用いられる。樹脂成形品としては、例え
ば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体樹脂などが挙げられる。
【0010】被塗布物1の大きさにも特別な制限はない
が、通常、 幅が100〜2,000mm、長さが200〜
4,000mm、厚さが0.1〜20mm程度の範囲である。
ここでいう幅と長さの関係は、長方形の長辺を長さ、短
辺を幅としている。被塗布物1は、その4辺のうちの1
辺が固定され、把持される。図2には、被塗布物1の幅
方向を上辺として、そこが固定枠6で固定された状態を
示しているが、長さ方向を上辺として、そこを固定して
も構わない。被塗布物1は、図2の(B)中に黒塗り矢
印で示される被塗布面の法線が、地面に対して平行とな
るように配置される。
【0011】本発明の塗布装置は、板状の被塗布物1を
把持する固定手段、2本の塗布ロール10,10を有す
る塗布ロール手段、そのほぼ真下に配置された塗料槽
2、及び被塗布物1を垂直方向に移動させる搬送手段を
備えている。被塗布物1の固定手段は特に限定されない
が、例えば図3に示すように、固定される辺の端部に近
い部分にいくつかの穴8,8を開けて、この穴8,8に
ひもや針金のような吊り具7,7を通すことで固定枠6
から吊り下げてもよいし、図4に示すように、万力や固
定ネジのような挟持手段9,9で挟み込んで固定枠6に
固定してもよい。また、クランプ機構などを採用するこ
ともできる。
【0012】塗布ロール手段は、図1に示すように、2
本の塗布ロール10,10を有し、これらの塗布ロール
10,10は、回転軸11,11がほぼ水平であり、互
いに異方向に回転し、被塗布物が通過しうる間隔に保た
れている。塗布ロール手段の下方には、塗料槽2が配置
される。この塗料槽2は、塗布液3を収容しており、被
塗布物1を浸漬してそこに塗布液を適用するためのもの
である。この塗料槽2については、他の図ではその図示
を省略する。また、図2〜図4に示すような、固定手段
で掴まれた被塗布物1の上辺把持部分は、通常は塗料槽
2中の塗布液3に浸漬されず、それより下の部分に塗布
液が適用されるが、他の図ではこのような固定手段の図
示は省略する。塗布液が適用されず、したがって塗膜が
形成されない上辺把持部分は通常、塗工完了後に切り落
とされる。
【0013】固定された被塗布物1は、垂直方向に一定
の速度で移動される。その移動方向は、被塗布物1を塗
料槽2中の塗布液3に浸漬させる際には下方向であり、
被塗布物1を移動させながら塗布ロール10,10の間
を通過させて希望する塗布厚さにする際には、図1及び
図2に白抜き矢印で示される上方向である。搬送手段
は、被塗布物1を垂直方向に移動させるためのものであ
り、例えば図2に示すように、固定枠6をモーターと連
結したボールネジ4につないで搬送する手段を用いるこ
とができる。すなわちこの例では、ボールネジ4の回転
によって、そこに螺合された固定枠6が上下方向に移動
し、固定枠6に把持された被塗布物1もそれに伴って上
下方向に移動するようになっている。この場合、移動を
滑らかにかつ安定化させるために、固定枠6を上下方向
に案内するガイドレール5,5を設けてもよい。被塗布
物1の上下方向移動速度は、必ずしも限定されるもので
ないが、通常は0.5〜20m/分程度の値が採用され
る。移動速度があまり遅いと生産性が低下し、またそれ
があまり速くなると塗膜表面が乱れるおそれがある。
【0014】被塗布物1は、図1に示すように、塗料槽
2中の塗布液3に浸漬され、その後2本の平行な塗布ロ
ール10,10の間を通過することによって、余分な塗
布液を除去しつつ引き上げられ、その表面に均一な厚さ
の塗膜が形成される。塗料槽2の大きさは、被塗布物1
が固定枠6で掴まれている部分を除き、全体が浸漬でき
る程度の大きさが必要である。あまり大きすぎると、塗
布液が大量に必要となり、また小さすぎると、被塗布物
1の移動中に塗料槽2の壁面が被塗布物1に当たったり
するため、好ましくない。したがって塗料槽2の大きさ
は、被塗布物1の大きさや形状に応じて適宜選択され
る。塗布ロール10,10の大きさは、被塗布物1の大
きさに応じて適宜選択され、通常は、被塗布物1の水平
方向長さよりも10〜1,000mm 長いロールが用いら
れる。ロールの径にも特別な限定はないが、通常、直径
10〜500mm程度である。
【0015】塗布ロール10,10の材質も特に限定さ
れないが、一般には、塗布液に対して耐性を有する材料
が選択される。被塗布物1の反りやたわみ等の変形に追
随するために、塗布ロール10,10の表面は、ゴムや
樹脂のような弾性を有する材料で構成されているのが好
ましい。塗布ロール10,10の表面を形成するゴムや
樹脂は、塗布液に対して耐性を有する材料から適宜選択
すればよい。例えば、有機溶剤を含む塗布液であれば、
ブチルゴムやエチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレ
タン樹脂、フッ素樹脂などから、用いる溶剤に応じて適
宜選択される。ロールの表面にある弾性体の層の厚さは
特に限定されないが、通常3〜50mm程度である。この
弾性体は、JIS K 6301 に規定されるスプリング式硬さ
試験のA形で測定した硬さが20〜80度程度であるの
が好ましい。
【0016】塗布ロール10の表面は、平坦であっても
よいし、凹凸が形成されていてもよい。また、塗膜を希
望する厚さに調整するため、図5及び図6に示す如く、
塗布ロール2の表面に微細な溝12を形成することもで
きる。塗布ロール10の表面に形成される微細な溝12
の形状としては、例えば、その断面が図5の(A)及び
(B)に示すようなV字型のもの、同図の(C)に示す
ような半円状のもの、同図の(D)に示すような台形状
のものなどが挙げられる。微細な溝12は、図6の
(A)に示す如く、塗布ロール2上に同心円状に複数本
形成されていてもよいし、同図の(B)及び(C)に示
す如く、一本又は複数本で螺旋状に形成されていてもよ
く、さらには同図の(D)に示す如く、長さ方向に形成
されていてもよい。塗布ロール2の表面に形成される微
細な溝12の深さは特に限定されないが、通常0.01
〜1mm 程度である。また、溝の中央部と隣接する溝の
中央部との距離(溝の間隔)も特に限定されないが、通
常0.01〜5mm 程度である。溝と隣接する溝の間に
は、図5の(A)、(C)及び(D)のように平坦な部
分があってもよいし、同図の(B)のように平坦部がな
くても構わない。
【0017】被塗布物1の特異な部分の膜厚を意識的に
変化させるため、塗布ロール10の表面に形成される微
細な溝12の深さ及び/又は間隔を、塗布ロール10の
両端部の間で変化させることもできる。例えば、特定の
部位だけ塗膜の厚さを大きくしたい場合には、塗布ロー
ル10の相当する部分における溝12の深さを深くした
り、溝12の間隔を狭くしたりすることで、希望する膜
厚の塗膜を得ることができる。
【0018】塗布ロール10の径は、一方の端からもう
一方の端まで通常一定であるが、目的とする塗工物の性
状によっては、一方の端からもう一方の端にかけて断面
の直径を変化させるのも有効である。例えば、被塗布物
1への接触圧力が一定となるよう、塗布ロール10の長
さ方向にクラウンを付与し、中央部の径が端部よりもや
や大きくなるようにしてもよい。また、被塗布物1の特
異な部分の圧力を下げるか又は上げるために、その部分
のロールの径を小さくするか又は大きくしてもよい。こ
のように、ロールの一方の端からもう一方の端にかけて
ロール断面の直径を変化させる場合でも、その変化の割
合は、最も大きい部分の径に対して、最も小さい部分の
径が90%以上、さらには99%以上とするのが有利で
ある。
【0019】塗布ロール10,10は、被塗布物1の両
面に塗布液を適用するため、図1に示す如く、被塗布物
1が通過できる程度の間隙を保って、2本設置される。
2本の塗布ロール10,10の間隙は、その材質によっ
ても異なるが、例えば、その表面が前述したような弾性
体で構成されている場合は、無負荷時、すなわち被塗布
物1が挟まれていない状態を想定して、被塗布物1の厚
さと同じか又はそれより小さくするのがよい。このよう
に塗布ロール10,10の無負荷時間隙が被塗布物1の
厚さと同じかそれより小さくなるようにしておけば、塗
布ロール10,10の表面弾性体が、ほぼそのままの形
状又は圧縮された形状になって、被塗布物1がその間を
通過することになる。換言すれば、塗布ロール10,1
0の弾性体の場合、被塗布物1が通過するときの塗布ロ
ール10,10の間隙は、場合により弾性体の弾性変形
でほぼ被塗布物1の厚さと同じに保たれているが、その
弾性変形が解かれた状態では被塗布物1の厚さと同じか
又はそれより小さくなるようにしておくのが有利であ
る。好ましくはこの間隙は、被塗布物1の厚さに対して
10〜100%程度であり、また被塗布物1の厚さより
も0〜2mm小さい値とするのがより好ましい。塗布ロー
ル10,10の間隙が被塗布物1の厚さより大きいと、
塗料槽2中の塗布液3への浸漬によって付着した塗布液
の量で、その塗布膜厚が概ね決まってしまい、塗布液の
膜厚を均一にするのが難しくなる。
【0020】塗布の開始にあたっては、まず、塗布ロー
ル10,10の間隔を広げて、その間に被塗布物1を降
下させ、被塗布物1を塗料槽2中の塗布液3に、固定枠
6の部分を除いてほぼ完全に浸漬する。その後、一定速
度で被塗布物1を上昇させ、固定枠6の下端が塗布ロー
ル10,10の最上端付近に来たところで、塗布ロール
10,10の間隔を狭めて上記した所定間隙に設定し、
被塗布物1を所定速度で引き上げて、被塗布物1の両面
に塗布液が適用されるようにする。塗布ロール10,1
0を間隔調整のために水平方向へ移動するには、例え
ば、モーターによる駆動、空気圧や油圧による駆動など
が採用できる。
【0021】塗布ロール10,10の間隔を狭めて所定
の値に設定する際には、被塗布物1の移動を停止せず
に、それを上方向へ移動させながらロール間隔を設定し
てもよいし、被塗布物1の上昇を停止した状態でロール
間隔を設定しても構わない。被塗布物1を引上げながら
ロール間隔を設定する場合は、塗布ロール10,10を
被塗布物1の側へ近づけていけばよい。被塗布物1の引
上げを停止して塗布ロール10,10の間隔を設定する
場合には、設定後すぐに引上げを開始してもよいし、設
定後所定時間、例えば数秒間経た後に引上げを開始して
もよい。
【0022】2本の塗布ロール10,10は、それぞれ
回転駆動のためにモーター等の駆動手段を有していても
よいし、特別な駆動手段を設けず、被塗布物1の通過時
の摩擦により回転させてもよい。これらの塗布ロール1
0,10は、被塗布物1の進行方向と同方向に回転させ
る。具体的には、被塗布物1は上方向へ移動するとこ
ろ、塗布ロール10,10は、被塗布物1と対峙する箇
所で上方向へ向かうように回転しながら被塗布物1の両
面に接触する。このように塗布ロール10,10は、被
塗布物1の進行方向と同方向に回転するため、2本のロ
ール10,10の相互間では回転方向が異なることにな
る。塗布ロール10,10の回転速度は特に限定され
ず、ロールの径や被塗布物1の移動速度に応じて適宜選
択されるが、通常は0.05〜100rpm 程度の範囲が
好ましい。塗布ロール10,10の回転周速度は、被塗
布物1の引上げ速度と概ね同じになる。
【0023】塗布ロール手段は、2本のロール10,1
0だけで構成してもよいが、一方で図7に示すように、
塗布ロール10,10の被塗布物1とは反対側に、塗布
ロール10,10と接するようにバックアップロール
(補助ロール)15,15を設けてもよい。この場合、
塗布ロール10とバックアップロール15とは並行で、
両者を押し付け合うようにするのが望ましい。バックア
ップロール15は、塗布ロール10と同調してそれとは
異方向に回転することになる。塗布ロール10とバック
アップロール15の回転速度はその表面速度で一致して
おり、一方のロールに設けられたモーター等の駆動で、
他方のロールが駆動するようにしてもよいし、両方のロ
ールにモーター等による駆動手段を設けてもよい。もち
ろん前述の如く、いずれのロールにも駆動手段を設け
ず、被塗布物1の引上げに伴う摩擦によって塗布ロール
10を回転させ、その回転がさらにバックアップロール
15に伝わるようにしてもよい。
【0024】バックアップロール15の材質は、特に限
定されないが、一般には、塗布液に対して耐性を有する
材料が選択される。通常、表面加工のしやすさや剛性の
面から、ステンレス等の金属ロールが好適に用いられ
る。バックアップロール15の表面は、平坦であっても
よいし、凹凸が形成されていてもよい。また、後述する
ように塗布ロール10に希望する量の塗布液を適用する
ために、バックアップロール15の表面に微細な溝や微
細な穴を形成することもできる。バックアップロール1
5の表面に形成される微細な溝の形状としては、例え
ば、その断面がV字型のもの、半円状のもの、台形状の
ものなどが挙げられる。微細な溝は、バックアップロー
ル15上に同心円状に複数本形成されていてもよいし、
一本又は複数本で螺旋状に形成されていてもよく、さら
にはロールの長さ方向に形成されていてもよい。バック
アップロール15に設けられる溝は、概略的には、先に
塗布ロール10について示した図5及び図6と同様でよ
い。また、バックアップロール15の表面に微細な穴を
形成する場合、その形状は、円形状や三角形状、四角形
状等の多角形状が適宜用いられる。微細な溝又は穴を設
ける場合、その深さは特に限定されないが、通常0.0
01〜1mm 程度が好ましい。バックアップロールの径
にも特別な限定はないが、通常は、直径50〜500mm
程度の範囲から適宜選択すればよい。
【0025】本発明においては、塗料槽及び/又は塗布
ロール手段に塗布液を供給するための塗布液供給手段を
設けることができる。塗布液供給手段は、塗料槽2中の
塗布液3が、被塗布物1の浸漬、引上げに伴って持ち去
られる分を補給するために、あるいは塗布ロール10,
10の塗布液とのなじみをよくするのにそこへ塗布液を
供給するために、配置される。塗料槽2への塗布液の補
給は、例えば、塗料槽2とは別に塗布液用のタンクを設
け、そこから塗料槽2へ塗布液を定期的に供給するよう
にすればよい。
【0026】塗布ロール10,10へは被塗布物1から
の塗布液が付着するが、それとは別の経路で、すなわち
上記塗布液供給手段から塗布ロール10,10へ塗布液
を適用することができる。通常、塗布ロールの安定性を
考慮すると、被塗布物1からの付着分とは別に塗布液が
展開されているほうが好ましい。その場合、塗布液供給
手段は、塗布ロール10,10への塗布液供給経路を有
することになる。そして、塗布ロール10,10が回転
して被塗布物1と接するまでに、その全面に渡って塗布
液が付着するように適用するのが好ましい。塗布ロール
10,10上への塗布液の適用は、例えば図8に示す如
く、塗布ロール10,10の下部にロール下タンク2
0,20を設け、その中の塗布液に塗布ロール10,1
0を浸漬することにより、行うことができる。
【0027】また、バックアップロール15,15を設
けた場合には、図9に示すように、塗布ロール10とバ
ックアップロール15の接する部分に塗布液供給部材3
0を設けて、そこから塗布液を流下させる方法が採用で
きる。この場合、図10に示すように、フローノズルで
構成された塗布液供給部材30を、塗布ロール10とバ
ックアップロール15の接する部位の一方の端部付近に
設置してもよいし、図11に示すように、塗布ロール1
0とバックアップロール15の接する部分の一方の端部
から他方の端部にかけて、複数のフローノズルで構成さ
れた塗布液供給部材30を配置し、これら複数のノズル
から、ロールの長さ方向に対してほぼ均一に塗布液が供
給されるようにしてもよい。塗布液の供給量は特に限定
されないが、通常は、塗布ロール10の全体に塗布液が
付着すれば十分であり、例えば、0.1〜5L/分程度
の範囲から適宜選択される。この量は、塗布ロール10
及びバックアップロール15の径や長さに応じて変化す
る。通常、塗布ロール10とバックアップロール15の
接する部分の全域に渡って、塗布液の液溜りが形成され
ていれば十分である。
【0028】図12は、塗布ロールに塗布液を供給する
方法の他の例を示している。この例では、バックアップ
ロール15の下部にロール下タンク20を設け、バック
アップロール15の下端をロール下タンク20中の塗布
液に浸漬してバックアップロール15上に塗布液が供給
され、塗布ロール10とバックアップロール15の接す
る部分で塗布ロール10上に塗布液が転写されるように
なっている。図12に示す方法は、バックアップロール
15上に微細な溝又は微細な穴を設けた場合に特に有効
である。またこの例からわかるように、塗布液供給手段
による塗布ロールへの塗布液の供給は、塗布ロールに直
接塗布液を供給する形態はもとより、間接的に供給する
形態をも包含する。なお、図10〜図12では、塗布ロ
ール10とバックアップロール15を片側についてだけ
示しているが、被塗布物1を挟んで反対側にも、図示の
ものと対称にもう一方の塗布ロール及びバックアップロ
ールが配置されていることは、容易に理解されるであろ
う。
【0029】本発明において、塗布液は、ポンプ等の循
環手段により循環させるのが好ましい。具体的には、塗
布液を収容するタンクを設け、このタンクから塗料槽を
経て再びタンクへと塗布液が戻るように、また塗布ロー
ルへも塗布液を供給する場合は、同じタンク又は異なる
タンクから塗布ロール手段を経て、再びタンクへと塗布
液が戻るように循環される。図13に、塗布液を循環さ
せる場合のフローチャートの一例を示す。この例では、
塗料槽2とは別に塗布液の入った主タンク22を設け、
そこからポンプ31を介して塗布液を汲み上げ、その後
に分岐して、塗料槽2用の塗布液供給経路32へ、ロー
ル用塗布液供給経路33,33から塗布ロール10とバ
ックアップロール15の接する部位へ、又はタンク用塗
布液供給経路34,34からロール下タンク20,20
へと供給するようになっている。
【0030】塗料槽2は、被塗布物1を浸漬し、上昇さ
せるときには、内部の塗布液が静置された状態でなけれ
ばならない。塗布液が塗料槽2内で流動状態にあると、
被塗布物1上に形成される塗布液膜はその形状が乱れ、
製品としての外観が悪くなってしまう。一方で、塗布を
多数回繰り返すと、塗料槽2中の塗布液にごみ等の異物
が入り込み、塗布液が汚れるため、製品の外観が悪化す
るおそれがある。そこで塗料槽2内の塗布液も、被塗布
物1が浸漬されていない状態のときに循環させるのが好
ましい。通常、ごみ等は塗布液の上方に浮かぶため、下
方から塗布液を供給し、上方から回収経路35を経由し
て循環させる方法が好ましい。塗布液の種類や環境に応
じて、回収経路35の位置や回収方法は、適宜変更して
も構わない。図13において、ポンプ31は、塗布ロー
ル10,10への供給と塗料槽2への供給を兼ねている
が、別個のポンプを用いた別系列としてもよい。
【0031】図9〜図11に示すようなフローノズル方
式で塗布ロール10とバックアップロール15の間に塗
布液を供給する場合は、図13におけるロール用塗布液
供給経路33,33の先端をフローノズルとし、そこか
ら塗布液が流下される。この場合でも、塗布ロール10
とバックアップロール15の下方には、バックアップロ
ールと接触しない程度の位置にロール下タンク20を配
置し、塗布ロール10とバックアップロール15の間の
液溜りで余った液が、そのロール下タンク20に流れ落
ちるようにしておく。一方、図12に示すような、バッ
クアップロール15の下端をロール下タンク20内の塗
布液に浸漬して塗布液をバックアップロール15に付着
させる方式を採用する場合は、ロール下タンク20を図
13に示すようにバックアップロール15のすぐ下に配
置して、タンク用塗布液供給経路34,34からロール
下タンク20,20へ塗布液を供給すればよい。この場
合には、ロール用塗布液供給経路33,33からの塗布
液の供給はなくてよい。
【0032】またいずれの場合も、ロール下タンク20
の余分な塗布液は、オーバーフローとして回収経路3
6,36を経由し、主タンク22に回収される。また塗
料槽2から回収される塗布液も、同様に主タンク22に
回収される。塗料槽2への塗布液の供給と塗布ロール1
0への塗布液の供給を別経路とした場合には、回収用の
タンクを別個に設けてもよい。図13の例では、主タン
ク22、ポンプ31、供給経路32,33,34、回収
経路35,36などで、塗布液供給手段と循環系統が構
成されていることになる。
【0033】この例では、ポンプ31により汲み上げら
れた塗布液の圧力を、バルブを介して圧力計37で検知
するようになっており、この圧力計37は、配管の詰ま
り等の異常を検知するために、設けるのが好ましい。ま
た塗布液は、ポンプ31により汲み上げられた直後又
は、塗料槽2、ロール10,15間若しくはロール下タ
ンク20へ供給する前に、フィルター38等で清浄化す
ることにより、塗布液中に含まれる可能性のあるゴミ等
を除去するようにしておくのが好ましい。
【0034】循環方式として、図13に示したフローチ
ャート中の主タンク22を経由せずに、ロール下タンク
20,20から回収経路36,36を経由して直接、ポ
ンプ31で汲み上げるようにしても構わない。また塗布
液供給経路33及び34における具体的供給手段は、設
備構成等に応じて適宜選択することができる。なお、図
13には、図9〜図12に示した形態のロールへの塗布
液供給方式を採用する場合の塗布液循環系統を示し、こ
れに基づいて説明してきたが、他の塗布液供給方式を採
用した場合でも、図13に示した例に準じて塗布液の循
環を行うことができる。例えば、図8に示すような、塗
布ロール10,10を直接、ロール下タンク20中の塗
布液に浸漬して塗布液の供給を行う場合は、図13にお
いてバックアップロール15,15を省略し、塗布ロー
ル10,10の直下にロール下タンク20,20を配置
し、その中の塗布液中に塗布ロール10,10の下端を
浸漬する以外は、この図とほぼ同様にして塗布液の循環
を行えばよい。
【0035】以上述べた方法により、被塗布物1に塗布
液の被膜が形成される。被塗布物1はその後、塗布液に
含まれる溶剤等を乾燥除去し、製品化される。あるいは
溶剤の除去後、必要に応じて、加熱するか、又は紫外線
や電子線等の活性化放射線の照射により、被膜を架橋・
重合等で硬化して製品化される。
【0036】本発明の方法及び装置は、被塗布物の両面
を塗布するのに適しているが、所望により片面だけの塗
布に適用することも可能である。例えば、被塗布物2枚
を重ね、その端部を両面接着テープ等で固定して、2枚
の被塗布物の隙間に塗布液が入り込まないように密着さ
せた状態で、本発明により配置された塗料槽中の塗布液
に浸漬し、次いで2本のロールの間を通過させて塗布を
行い、塗布後、又は場合により必要な後処理を行った
後、2枚の被塗布物を剥がすことで、片面塗工品を得る
ことができる。この方法によれば、2枚同時に塗工でき
るため、従来の方法に比べて生産性が向上する。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。例中にある%は、特にことわらないかぎり重量基
準である。また、硬さはすべて JIS K 6301 のスプリン
グ式硬さ試験(A形)により測定された値である。
【0038】実施例1 塗布液として、反射防止塗料“オプスター JM5022”
〔ジェイエスアール(株)製;フッ素系の樹脂3%含有塗
料〕を、メチルイソブチルケトンで2%濃度に希釈した
ものを用いた。また、被塗布物として、幅200mm、長
さ300mm、厚さ2mmのポリメチルメタクリレート樹脂
板〔住友化学工業(株)製の“スミペックスE 000”)を
用いた。このポリメチルメタクリレート樹脂板の幅方向
一辺を上辺として、図2に示す搬送装置に固定した。
【0039】塗料槽2及び塗布ロール10,10を図1
に示すように配置した。塗布ロール10,10には回転
のための駆動手段を設けず、被塗布物1の上方への移動
に追随して塗布ロール10,10が回転するようにし
た。塗料槽2は、幅250mm、奥行き50mm、高さ30
0mmのステンレス製の容器とし、その中に上端から20
mmの位置まで塗布液を充填した。塗布ロール10,10
としては、硬さ40度のブチルゴムで約10mm厚の表層
が形成された、長さ230mm、直径50mmのロールを2
本使用した。塗布ロール10,10の表面は、研磨によ
り平滑にし、図6(D)に示すようなロール長さ方向に
平行に溝加工を行った。溝の形状は90°の角度を有す
るV字型、深さは0.15mm、溝間隔は0.5mmとした。
2本の塗布ロール10,10の間隙は、塗布時(ただし
無負荷状態を想定)に1.0mm となるように調整した。
このロール間隙は、ロールの回転軸11,11の中心間
隔が51.0mm であることに相当する。
【0040】被塗布物1は、2本の塗布ロール10,1
0の間隔を30mmに開いた状態で、まず5m/分の速度
で塗布ロール10,10の間に一旦下降させ、被塗布物
1を固定する固定枠6の下端が、塗料槽2中の塗布液3
の液面より10mm上の位置で停止させた。この状態で1
0秒間静止した後、被塗布物1を上昇させ、被塗布物1
を固定する固定枠6の下端が、塗布ロールの最上端より
も10mm上の位置で停止させた。次に、塗布ロール1
0,10の間隔を狭めて、上記のとおり1.0mm間隙と
し、直ちに被塗布物1を5m/分の速度で上昇させるこ
とにより、被塗布物1の表面に塗膜を形成させた。得ら
れた塗工物は、40℃で10分間乾燥後、500mJ/cm
2 の紫外線を照射して、被膜を硬化させた。
【0041】硬化被膜の膜厚は、得られた塗工物の裏面
を黒ペンキで塗った後に、分光光度計“UV-3100PC”
〔(株)島津製作所製〕を用いて、入射角5度の絶対鏡面
反射スペクトルを測定することにより算出した。膜厚d
(nm)は、反射率が最も小さくなる波長又は最も大きく
なる波長λ(nm)から、次式により算出した。
【0042】d=Aλ/4n 〔ただし、nは硬化被膜の屈折率=1.437、Aは定
数で、反射率が最小値となる波長の場合は1、最大値と
なる波長の場合は2である。〕
【0043】膜厚は、塗工物の長さ方向(搬送時の垂直
方向)に30mm間隔で測定し、結果を図14に示した。
この結果から、ほぼ均一な厚さで塗布膜が形成されてい
ることがわかる。
【0044】比較例1 塗布ロール10,10の間隔を30mmに広げたまま、す
なわち被塗布物1が塗布ロール10,10に接触しない
状態で、被塗布物1を上昇させた以外は、実施例1と同
様にして塗布及び硬化を行った。得られた被膜の膜厚
は、塗工物の長さ方向(搬送時の垂直方向)に30mm間
隔で測定し、結果を図15に示した。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来よりも速い
生産速度で、両面同時に塗布が可能であり、かつ外観も
良好で、膜厚の均一性の高い塗膜を形成することができ
る。また本発明によれば、この方法に適した塗布装置も
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従い、塗料槽及び塗布ロールを用いて
板状の被塗布物に塗布している状態を模式的に示すもの
であって、(A)は斜視図、(B)は(A)のX−X線
に沿う縦断面図である。
【図2】被塗布物の把持状態及び搬送手段の一例を模式
的に示すものであって、(A)は正面図、(B)は側面
図である。
【図3】固定手段の一例を模式的に示すものであって、
(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図4】別の固定手段の例を模式的に示すものであっ
て、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図5】塗布ロールの表面に設けられる溝の断面形状に
ついて、いくつかの例を示す塗布ロールの部分拡大断面
模式図である。
【図6】塗布ロールの表面に設けられる溝の方向につい
て、いくつかの例を模式的に示す正面図である。
【図7】バックアップロールを設ける場合の例を図1に
対応させて模式的に示すものであって、(A)は斜視
図、(B)は(A)のY−Y線に沿う縦断面図である。
【図8】塗布ロールの下に設けられた塗布液タンクから
塗布液を塗布ロールに供給する例を模式的に示す側面図
である。
【図9】塗布ロールとバックアップロールの接する部位
に塗布液を供給する例を模式的に示す側面図である。
【図10】塗布ロールとバックアップロールの接する部
位に塗布液を供給する状態の一例を模式的に示す斜視図
である。
【図11】塗布ロールとバックアップロールの接する部
位に塗布液を供給する状態の別の例を模式的に示す斜視
図である。
【図12】バックアップロールの下に設けられた塗布液
タンクから塗布液をバックアップロールに供給し、その
塗布液を塗布ロールに転写する例を模式的に示す側面図
である。
【図13】塗布液を循環する場合の一例を示すフローチ
ャートである。
【図14】実施例1で得られた塗工物表面の垂直方向の
膜厚分布を表すグラフである。
【図15】比較例1で得られた塗工物表面の垂直方向の
膜厚分布を表すグラフである。
【符号の説明】
1……被塗布物、 2……塗料槽、 3……塗布液、 4……モーターと連結したボールネジ、 5……ガイドレール、 6……固定枠、 7……吊り具、 8……固定枠取付け用の穴、 9……挟持手段、 10……塗布ロール、 11……塗布ロールの回転軸、 12……塗布ロール上の溝、 15……バックアップロール、 20……ロール下タンク、 22……主タンク、 30……塗布液供給部材(配管及びノズル)、 31……ポンプ、 32……塗料槽用塗布液供給経路、 33……ロール用塗布液供給経路、 34……タンク用塗布液供給経路、 35,36……塗布液回収経路、 37……圧力計、 38……フィルター。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状の被塗布物をその被塗布面が重力方向
    とほぼ平行になるように把持し、該被塗布物を塗料槽中
    の塗布液に浸漬した後、一定速度で上方へ移動させなが
    ら、この被塗布物を両面から挟むように配置された、回
    転軸がほぼ水平な2本の塗布ロールの間を通過させるこ
    とにより、被塗布物の両面に同時に塗布膜を形成させる
    ことを特徴とする、板状塗工物の製造方法。
  2. 【請求項2】塗布ロールの表面が弾性体で構成されてお
    り、被塗布物が2本の塗布ロールの間を通過するときの
    該塗布ロールの間隙は、場合により該弾性体の弾性変形
    でほぼ被塗布物の厚さと同じに保たれているが、その弾
    性変形が解かれた状態では該被塗布物の厚さと同じか又
    はそれより小さい請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】塗布ロールに、被塗布物との接触で付着す
    る塗布液とは別の経路で塗布液を適用する請求項1又は
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】板状の被塗布物をその被塗布面が重力方向
    とほぼ平行になるように把持する被塗布物の固定手段;
    回転軸がほぼ水平であり、互いに異方向に回転し、該被
    塗布物が通過しうる間隔に保たれた2本の塗布ロールを
    有する塗布ロール手段;塗布ロール手段のほぼ真下に配
    置された塗布液を収容する塗料槽;及び被塗布物を垂直
    方向に移動させる搬送手段を備え、該被塗布物を塗料槽
    中の塗布液に浸漬した後、被塗布物を上方へ移動させな
    がら、該2本の塗布ロールの間を通過させることによ
    り、被塗布物の両面に同時に塗布膜を形成させるように
    構成したことを特徴とする塗布装置。
  5. 【請求項5】塗布ロールの表面が弾性体で構成されてい
    る請求項4に記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】塗布ロールの表面に微細な溝が形成されて
    いる請求項4又は5に記載の塗布装置。
  7. 【請求項7】塗布ロール手段が、塗布ロールの被塗布物
    とは反対側に、塗布ロールと同調してそれとは異方向に
    回転するバックアップロールを有する請求項4〜6のい
    ずれかに記載の塗布装置。
  8. 【請求項8】さらに、塗料槽及び/又は塗布ロール手段
    に塗布液を供給するための塗布液供給手段を備える請求
    項4〜7のいずれかに記載の塗布装置。
  9. 【請求項9】塗布液供給手段が、塗料槽とは別の塗布液
    用タンクを備え、該タンクから塗料槽へ塗布液を供給
    し、そこから該タンクへと塗布液を循環させる手段を備
    える請求項8に記載の塗布装置。
  10. 【請求項10】塗布液供給手段が、塗料槽とは別の塗布
    液用タンクを備え、該タンクから塗布ロール手段へ塗布
    液を供給し、そこから該タンクへと塗布液を循環させる
    手段を備える請求項8に記載の塗布装置。
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