JP2002305030A - シート状リチウム二次電池 - Google Patents

シート状リチウム二次電池

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JP2002305030A JP2001108598A JP2001108598A JP2002305030A JP 2002305030 A JP2002305030 A JP 2002305030A JP 2001108598 A JP2001108598 A JP 2001108598A JP 2001108598 A JP2001108598 A JP 2001108598A JP 2002305030 A JP2002305030 A JP 2002305030A
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positive electrode
sheet
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JP2001108598A
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Toshihiro Zushi
敏博 厨子
Shogo Tanno
昌吾 丹野
Mitsuhiro Marumoto
光弘 丸本
Seiji Okada
聖司 岡田
Itaru Gosho
至 御書
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた初回充放電容量を安定して有する、袋
状の固体電解質フィルムを用いたシート状リチウム二次
電池を提供する。 【解決手段】 塩と相溶性溶媒とビニリデンフルオライ
ドを主単位とするフッ素ポリマーとを主体成分とし、厚
み方向一方側から厚み方向他方側に向かうにつれて径が
小さくなるような空孔が複数個形成された多孔質体であ
る固体電解質フィルムを介して、正極シートと負極シー
トとを重ねた単位を1または複数個含む積層構造体を発
電要素としてなり、該固体電解質フィルムが、厚み方向
一方側が外側となるように袋状に正極シートまたは負極
シートを包囲して、正極シートと負極シートとの間に介
されてなるシート状リチウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状リチウム
二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池は、通常、正極と負極
の間に電解質を介在させて構成される。また、正極およ
び負極は、それぞれ、集電体の表面に、活物質、導電
材、結着剤等を含む層を設けて構成される。正極用の活
物質としては、Li−Mn系複合酸化物、Li−Ni系
複合酸化物、Li−Co系複合酸化物等が使用される。
一方、負極用の活物質としては、通常、炭素材料が使用
されている。
【0003】近時では、正極と負極との間に固体電解質
フィルムを介在させたタイプのリチウム二次電池(「ポ
リマー電池」ともいう。)が注目され、研究がなされて
いる。固体電解質フィルムとは、ポリマー基質に電解液
(リチウム塩(電解質)+相溶性溶媒)が含浸してゲル
化し、それ自体がイオン伝導性を示すように調製された
ものであり、固体電解質フィルムを使用すれば、電池内
で電解液が液体状(それ自体が流動する状態)で存在し
ないので、電池からの液漏れの心配がないという大きな
利点が得られる。
【0004】また上記リチウム二次電池の中でも、小型
化ならびに軽量化の点から、シート状の外装材(例え
ば、アルミニウムラミネートフィルム等)を用いて、発
電要素を外装してなる、いわゆるシート状リチウム二次
電池に関心が高まっている。該シート状リチウム二次電
池における発電要素の形態としては、例えば、矩形の正
極シートと負極シートとの間に、固体電解質フィルムが
挟まれた単位を1または複数個繰り返した積層構造体を
形成する積層型や、帯状正極と帯状負極の間に固体電解
質フィルムの帯状体を介在させ、これら3者を渦巻状に
捲回して捲回体を形成する捲回型が挙げられる。
【0005】また積層型の一つのバリエーションとし
て、袋状に形成した固体電解質フィルムにて正極シート
を包囲し、該正極シートを袋詰めした固体電解質フィル
ムに負極シートを積層してなる袋詰めタイプが知られて
いる。該袋詰めタイプの発電要素を用いたシート状リチ
ウム二次電池では、袋状の固体電解質フィルムで正極シ
ートを完全に包囲して、正極シートと負極シートとの物
理的接触がないため、正極シートと負極シートとを完全
に絶縁できるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記袋詰
めタイプのシート状リチウム二次電池では、同じ材料を
用いて製造されたものであっても、初回充放電容量が優
れたものであったり不充分であったりと、安定して高品
位なシート状リチウム二次電池を製造することができな
いという問題があった。本発明は、上記問題点を鑑みな
されたものであって、優れた初回充放電容量を安定して
有する、袋状の固体電解質フィルムを用いたシート状リ
チウム二次電池を提供することをその目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、袋詰めタイプの
発電要素を形成するにあたり、特定の固体電解質フィル
ムを袋状に形成し、これを用いて正極シートまたは負極
シートを包囲させることで、上記目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は
以下のとおりである。 (1)塩と相溶性溶媒とビニリデンフルオライドを主単
位とするフッ素ポリマーとを主体成分とし、前記フッ素
ポリマーが厚み方向一方側から厚み方向他方側に向かう
につれて径が小さくなるような空孔が複数個形成された
多孔質体である固体電解質フィルムを介して、正極シー
トと負極シートとを重ねた単位を1または複数個含む積
層構造体を発電要素としてなるシート状リチウム二次電
池であって、該固体電解質フィルムが、前記厚み方向一
方側が外側となるように袋状に正極シートまたは負極シ
ートを包囲して、正極シートと負極シートとの間に介さ
れてなることを特徴とするシート状リチウム二次電池。 (2)固体電解質フィルムは前記厚み方向一方側表面お
よび他方側表面に複数の開口をそれぞれ有し、厚み方向
一方側表面における開口の口径が0.1μm〜10μm
から選ばれ、かつ厚み方向他方側表面における開口の口
径が0.01μm〜3μmから選ばれることを特徴とす
る上記(1)に記載のシート状リチウム二次電池。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい一例のシート状リチウム二次
電池20を簡略化して示す断面図である。本発明のシー
ト状リチウム二次電池20は、正極シート1と負極シー
ト2とが固体電解質フィルム3を介して重ねられた単位
を1または複数個(図1に示す例では、6個)含む積層
構造体10を発電要素としてなるものである。本発明に
おける固体電解質フィルム3は、厚み方向一方側から厚
み方向他方側に向かうにつれて径が小さくなるような空
孔が複数個形成された多孔質体であるポリマー基質を有
し、該ポリマー基質の厚み方向一方側が外側となるよう
に袋状に正極シートまたは負極シートを包囲して(図1
に示す例では、正極シート1を包囲して)、正極シート
1と負極シート2との間に介されてなる。上記固体電解
質フィルム3とは、ポリマー基質に電解液(リチウム塩
(電解質)+相溶性溶媒)が含浸してゲル化し、それ自
体がイオン伝導性を示すように調製されたものである
が、本発明においては、この固体電解質フィルムのポリ
マー基質として、ビニリデンフルオライドを主単位とす
るフッ素ポリマーとを主体成分とするものが用いられ
る。なお、本明細書中において固体電解質フィルムの厚
み方向とフッ素ポリマー(ポリマー基質)の厚み方向と
は、同じ方向をさすものとする。
【0009】本発明において、固体電解質フィルム3の
フッ素ポリマー中における空孔は、上述のように厚み方
向一方側から厚み方向他方側に向かって径が小さくなる
ように形成されたものであるならばその形状は特に限定
はなく、略球状、この略球状の空孔が部分的に連通した
ような形状、厚み方向一方側表面から厚み方向他方側表
面にかけて貫通するような形状が挙げられるが、中でも
略球状の空孔が部分的に連通して、厚み方向一方側表面
から厚み方向他方側表面にかけて貫通するような形状で
あるのが好ましい。なお本発明において、「厚み方向一
方側から厚み方向他方側に向かって径が小さくなる」と
は、全ての空孔の径が該固体電解質フィルムの厚み方向
一方側から厚み方向他方側に向かって厳密に小さくなっ
ていなくともよく、全体的に概ねそのような傾向にあれ
ばよい。この空孔が厚み方向一方側から厚み方向他方側
に向かって径が概ね小さくなる傾向にあるか否かは、た
とえば任意の厚みによる複数の断面における空孔をSE
M観察することにより確認できる。また本発明において
各空孔の「径」とは、固体電解質フィルムの厚み方向に
略垂直な断面における最大長さを指すものとする。
【0010】本発明においては、上記のような固体電解
質フィルムを、厚み方向一方側(空孔の径が大きい側)
を外側となるように袋状にして正極シートまたは負極シ
ートを包囲することで、正極シートと負極シートとの間
に固体電解質フィルムを介在させる。このように外側か
ら内側に向かって空孔の径が小さくなるような袋状の固
体電解質フィルムにて正極シートまたは負極シートを包
囲することによって、袋状の固体電解質フィルムの外側
に電解液の染み込み易い側が必ず配置されることとな
り、大小の径の空孔がランダムに形成されていた従来の
固体電解質フィルムを袋状に形成して用いた場合とは異
なり、製品のばらつきが少なく(歩留まりを向上で
き)、確実に電解液が短時間で染み込んで優れた初回充
放電容量を安定して有するシート状リチウム二次電池を
得ることができる。また袋状の固体電解質フィルムの内
側に空孔の小さな側が配置されることによって、袋状の
外側から固体電解質フィルム中に染み込んだ電解液が固
体電解質フィルムから染み出にくいため、袋状の固体電
解質フィルムにて電解液を良好に保持できるという利点
もある。
【0011】本発明における固体電解質フィルムは、一
部の空孔が厚み方向両面において複数の凹部を各々形成
していることが好ましい。この凹部の開口の口径(開口
の大きさ)は、厚み方向一方側表面における各凹部の大
半(約50%以上)が厚み方向他方側表面における各凹
部よりも大きな口径を有するならば特には限定されな
い。固体電解質フィルムへの電解液の染み込み性が良好
である観点からは、厚み方向一方側表面における開口の
口径は0.1μm〜10μmから選ばれるのが好まし
く、1μm〜8μmから選ばれるのがより好ましい。厚
み方向一方側表面における開口の口径が0.1μm未満
であると、電解液の含浸性が著しく低下し、作業性が大
きく劣る傾向にあるため好ましくなく、また厚み方向一
方側表面における開口の口径が10μmを超えると、固
体電解質フィルムの機械的強度が低下し、マイクロショ
ートなどの短絡が発生する確率が高くなる傾向にあるた
め好ましくない。固体電解質フィルムの電解液の保持性
が良好である観点からは、厚み方向他方側表面における
開口の口径は0.01μm〜3μmから選ばれるのが好
ましく、0.1μm〜1μmから選ばれるのがより好ま
しい。厚み方向他方側表面における開口の口径が0.0
1μm未満であると、イオン伝導度が低下し、ハイレー
ト特性やサイクル特性が劣る傾向にあるため好ましくな
く、また厚み方向他方側表面における開口の口径が3μ
mを超えると、固体電解質フィルムの機械的強度が低下
し、短絡が発生する確率が高くなる傾向にあるため好ま
しくない。上記厚み方向一方側表面および他方側表面に
おける開口の口径は、電子顕微鏡を用いて固体電解質フ
ィルムの表面を観察することで測定できる。
【0012】本発明において、上記開口が形成される場
合、厚み方向一方側および他方側における各開口率(固
体電解質フィルム厚み方向一表面に対する開口の面積
比)は、厚み方向一方側表面が20%〜80%であり、
厚み方向他方側表面が10%〜50%であるのが好まし
い。本発明においては、厚み方向一方側の開口率が厚み
方向他方側の開口率よりも大きく選ばれることが好まし
い。
【0013】ビニリデンフルオライドを主単位とするフ
ッ素ポリマーとは、ビニリデンフルオライドの単独重合
体(ポリビニリデンフルオライド(PVdF))、また
は、ビニリデンフルオライドとその他のフッ素原子を有
するビニル系モノマーとの共重合体を意味し、これらは
それぞれ単独でも混合して用いてもよい。上記ビニリデ
ンフルオライド以外のフッ素原子を有するビニル系モノ
マーとしては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、
クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフル
オロエチレン(TFE)等が挙げられる。また、共重合
体の形態はランダム、ブロックのいずれの形態でもよ
い。共重合体である場合、ビニリデンフルオライド(の
単位)の割合が70モル%以上が好ましく、特に好まし
くは75モル%以上である。
【0014】また、ビニリデンフルオライドを主単位と
するフッ素ポリマーは、カルボキシル基(−COO
H)、スルホン酸基(−SO2OH)、カルボン酸エス
テル基(−COOR)、アミド基(−CONH2)また
はリン酸基(−PO(OH)2)等からなる官能基を有
するビニル系モノマーの重合体がグラフトされていても
よい(カルボン酸エステル基(−COOR)における置
換基Rは、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数が
1〜4の低級アルキル基である。)。フッ素ポリマーを
かかる官能基を含有する重合体がグラフトしたポリマー
形態にすると、正極シートまたは負極シートへの固体電
解質フィルムの接着性が向上し、電極間の抵抗がより低
下するため、電池性能がより向上する。すなわち、ハイ
レート特性および低温特性が更に向上する。上記官能基
を有するビニル系モノマーとしては、官能基を除く部分
の炭素数が4以下の化合物からなるモノマーが好適であ
る。カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル
酸、メタアクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アリル
酢酸等のカルボキシル基を1個有するものの他、イタコ
ン酸、マレイン酸等のカルボキシル基を2個以上有する
ものも使用可能である。スルホン酸基含有モノマーとし
ては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等が好適
である。カルボン酸エステル基含有モノマーとしては、
メチルアクリレート、ブチルアクリレート等が好適であ
る。アミド基含有モノマーとしては、アクリルアミド等
が好適である。リン酸基含有モノマーとしては、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレシルなどが好適である。
これらのうち最も好ましいものは、アクリル酸またはメ
タクリル酸である。
【0015】グラフト化する方法としては、放射線法が
好適である。例えば、ポリマー鎖基質(グラフトされる
側のポリマー)とグラフトモノマー材料とを共存させ
て、放射線を連続的または間欠的に照射する、または、
より好ましくは両者を共存させる前にポリマー基質に放
射線を予備照射しておく。放射線は、電子ビーム、X線
またはγ線が使用される。放射線の照射により、ポリマ
ー基質は遊離基を発生して活性化する。
【0016】グラフト化の程度は、いくつかの因子によ
り決定することができるが、最も重要なのは、活性化し
た基質がグラフトモノマーと接触している時間の長さ、
放射線による基質の予備活性の程度、グラフトモノマー
材料が基質を透過できるまでの程度、および、基質およ
びモノマーが接触しているときの温度である。例えば、
グラフトモノマーが酸であるとき、モノマーを含有する
溶液をサンプリングして、塩基に対して滴定し、残留す
るモノマー濃度を測定することにより、グラフト化の程
度を観測することができる。グラフト化の程度は最終重
量の2%〜20%が好ましく、特に好ましくは3%〜1
2%、とりわけ好ましくは5%〜10%である。なお、
グラフト化は、ポリマー基質の活性化(遊離基の発生)
を光照射または熱によって行う方法で行ってもよい。
【0017】本発明において上記フッ素ポリマー(ポリ
マー基質)の密度は特には限定されないが、0.60g
/cm3〜1.30g/cm3であるのが好ましく、0.
70g/cm3〜0.80g/cm3であるのがより好ま
しい。フッ素ポリマーの密度を上記範囲内とすると、固
体電解質フィルムにおける電解液の保持性が向上し、イ
オン移動量が増大することによって、ハイレート特性お
よび低温特性が改善される利点がある。上記フッ素ポリ
マーの密度が0.60g/cm3未満の場合、機械的強
度の低下により電池の組み立て時に取り扱いにくくなる
等の傾向にあるため好ましくない。また上記フッ素ポリ
マーの密度が1.30g/cm3を超えると、十分なハ
イレート特性および低温特性の向上効果が得られにくく
なる傾向にあるため好ましくない。
【0018】ビニリデンフルオライドを主単位とするフ
ッ素ポリマーは、230℃、10kgにおけるメルトフ
ローインデックスが1.0g/10min以下であるの
が好ましく、0.2g/10min〜0.7g/10m
inであるのがより好ましい。なお、該メルトフローイ
ンデックスは、標準ASTM D 1238に説明され
ている方法で測定した値である。メルトフローインデッ
クスがかかる1.0g/10min以下であることによ
り、固体電解質フィルムはより優れた機械的強度を示す
とともに、室温でのイオン伝導性もより向上する。
【0019】固体電解質フィルムに含まれる塩(電解
質)は、特に限定されるものではないが、LiCl
4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3
SO3、LiAlCl4およびLi(CF3SO22Nか
らなる群から選ばれる一種または二種以上を使用するの
が好ましい。また、相溶性溶媒としては特に限定はな
く、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネート、ジエトキシエタン、ジエチル
カーボネート、ジメトキシエタン、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロ
ラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒド
ロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテルなどから選ばれるいずれ
か1種または2種以上が例示されるが、中でもエチレン
カーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネート、ジエトキシエタン、プロピレンカーボネー
ト、ジエチルカーボネートおよびジメトキシエタンから
選ばれる1種または2種以上を使用するのが好ましい。
溶液中の塩(電解質)濃度は、特に限定されないが0.
5モル/リットル〜1.5モル/リットルであるのが好
ましく、0.7モル/リットル〜1.3モル/リットル
であるのがより好ましく、0.8モル/リットル〜1.
2モル/リットルであるのが特に好ましい。塩(電解
質)の濃度が0.5モル/リットル未満であると、イオ
ン伝導性が低下して電池容量が十分に得られなくなった
り、ハイレート特性が低下する虞があるため好ましくな
い。また塩の濃度が1.5モル/リットルを超えると、
粘度上昇によってハイレート特性、低温特性が低下する
傾向を示すため好ましくない。
【0020】なお、電池の使用温度(特に低温使用時)
での溶液の結晶化防止等を目的に、上記相溶性溶媒とと
もに、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、N
−メチルピロリドン(NMP)、エチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等の可塑剤を使用するのが好ましい。該可塑剤の使用
量は相溶性溶媒に対して1重量%〜50重量%程度が好
ましい。当該可塑剤を添加することで、フッ素ポリマー
に浸透(含浸)させた溶液の結晶化が起こりにくく、固
体電解質フィルムの十分なイオン伝導性を確保すること
ができる。
【0021】相溶性溶媒に混合溶媒を使用する場合は、
特に、ジエチルカーボネート(DEC)およびエチルメ
チルカーボネート(EMC)から選ばれる少なくとも一
種を含み、更にエチレンカーボネート(EC)と、プロ
ピレンカーボネート(PC)と、ジメチルカーボネート
(DMC)とを含む混合物が好適である。かかる混合物
を構成する各成分の混合比は、ジエチルカーボネートお
よびエチルメチルカーボネートから選ばれる少なくとも
一種においては、25体積%〜50体積%であるのが好
ましく、30体積%〜35体積%であるのがより好まし
い。エチレンカーボネートにおいては混合比が4体積%
〜20体積%であるのが好ましく、6体積%〜18体積
%であるのがより好ましい。プロピレンカーボネートに
おいては混合比が3体積%〜17体積%であるのが好ま
しく、5体積%〜15体積%であるのがより好ましい。
また、ジメチルカーボネートにおいては混合比が40体
積%を超えて60体積%以下であるのが好ましく、45
体積%〜55体積%であるのがより好ましい。
【0022】ジエチルカーボネートおよびエチルメチル
カーボネートから選ばれる少なくとも一種においては、
上記混合比が25体積%未満であると塩(電解質)を溶
解させた溶液の凝固点が上昇して、特に−20℃以下の
低温下において、電池の内部抵抗が増大し、低温特性お
よび充放電サイクル特性が低下する傾向となり、一方、
上記混合比が50体積%を超えると塩(電解質)を溶解
させた溶液の粘度が上昇して電池の内部抵抗が増大し、
充放電サイクル特性が低下する傾向となる。
【0023】エチレンカーボネートにおいては、上記混
合比が4体積%未満であると負極シート表面で安定な皮
膜が形成されにくく、充放電サイクル特性が低下する傾
向となり、上記混合比が20体積%を超えると、塩(電
解質)を溶解させた溶液の粘度が上昇して電池の内部抵
抗を増大させ、充放電サイクル特性が低下する傾向とな
る。
【0024】プロピレンカーボネートにおいては、上記
混合比が3体積%未満であると充放電サイクルに伴うイ
ンピーダンスの増加の抑制効果が小さくなり、充放電サ
イクル特性が低下する傾向となり、上記混合比が17体
積%を超えると、塩(電解質)を溶解させた溶液の粘度
が上昇して電池の内部抵抗を増大させ、充放電サイクル
特性が低下する傾向となる。
【0025】ジメチルカーボネートにおいては、上記混
合比が40体積%以下であると塩(電解質)を溶解させ
た溶液の粘度が上昇して電池の内部抵抗が増大し、充放
電サイクル特性が低下する傾向となり、上記混合比が6
0体積%を超えると、塩(電解質)を溶解させた溶液の
凝固点が上昇して、特に−20℃以下の低温下におい
て、電池の内部抵抗を増大させ、充放電サイクル特性お
よび低温特性が低下する傾向となる。
【0026】固体電解質フィルムの厚みは、正極シート
および負極シートの形状、サイズ等によっても相違する
が、一般に平均厚みが5μm〜100μmが好ましく、
特に好ましくは8μm〜50μm、とりわけ好ましくは
10μm〜30μmである。なお、ここでいう固体電解
質フィルムの厚みは正極シートおよび負極シートの間に
介在させた状態(実際に電池を組み立てた状態)での厚
みであり、正極シートと負極シートの離間距離に等し
い。
【0027】本発明における固体電解質フィルムの作製
方法は特に限定されないが、例えば、(a)ポリマー基
質であるビニリデンフルオライドを主単位とするフッ素
ポリマーを押出発泡成形等の公知の発泡成形方法でフィ
ルム状に成形して多孔質ポリマーとする、若しくは、フ
ッ素ポリマーと適当な溶媒と発泡剤を混合した塗液(ペ
ースト)を調製して、該塗液(ペースト)を適当なコー
ターで剥離用基材の表面に塗工して塗膜を形成し、該塗
膜を加熱、乾燥後、剥離用基材から剥離することで多孔
質ポリマーとし、得られた多孔質ポリマーを塩を相溶性
溶媒に溶解させた溶液に浸漬してゲル化する方法(電池
の作製工程において正極シートおよび負極シートととも
に溶液に浸漬する場合も含む。)、(b)塩と相溶性溶
媒と発泡剤を適当な溶剤に溶解し、さらにフッ素ポリマ
ーを添加し、必要に応じて加温しながら、フッ素ポリマ
ーを溶解して塗液(ペースト)を調製し、これを剥離用
基材の表面に適当なコーターで塗工して塗膜を形成し、
該塗膜を段階的に温度を上げて加熱、乾燥して前記溶剤
を蒸発させるとともに気泡を発生させ、剥離用基材から
固体電解質フィルムを剥離する方法、(c)正極シート
および/または負極シートの少なくとも一方の面に直
接、上記の塩、相溶性溶媒、発泡剤、フッ素ポリマーが
溶解した溶液の塗膜を形成し、溶剤の蒸発、気泡発生を
行って、固体電解質フィルムを形成する方法等が挙げら
れる。なお、上記(b)の方法では、塗膜が形成された
剥離用基材を温度が異なる加熱室を通過させるようにし
て乾燥させてもよい。
【0028】上記(a)〜(c)の方法で用いる発泡剤
としては、分解性発泡剤、気体発泡剤、および揮発性発
泡剤のいずれも使用できるが、上記(a)の方法では気
体発泡剤または揮発性発泡剤が好ましく、気体の発泡剤
としては、窒素、炭酸ガス、プロパン、ネオペンタン、
メチルエーテル、二塩化二フッ化メタン、n−ブタン、
イソブタン等が好適であり、揮発性の発泡剤としては、
n−オクタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1
−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−ペン
タノール、3−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノ
ール、3−メチル−2−ブタノール等が好適である。ま
た、上記(b)および(c)の方法では、揮発性発泡剤
が好ましく、なかでもn−オクタノール、1−ペンタノ
ール、3−メチル−1−ブタノール等が特に好ましく、
n−オクタノールがとりわけ好ましい。また、上記
(b),(c)の方法における溶剤としては、例えば、
テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド等が使用される。
【0029】フッ素ポリマーに形成された空孔を、厚み
方向一方側から厚み方向他方側に向かうにつれて径が小
さくなるように形成する方法としては、従来公知の方法
が挙げられ特に限定はないが、例えば剥離用基材の材料
となるアルミニウム箔の加熱によって塗液の粘性を高め
る、あるいは乾燥炉内の温度を上昇していくことによっ
て行う。
【0030】また多孔質体の密度は、発泡剤の量や製造
時の各種条件を変えることによって調整される。例え
ば、(a)の方法の場合、発泡剤の量以外で密度(発泡
度)に大きく影響する製造条件としては、成形温度、成
形速度、成形圧力等である。また、(b),(c)の方
法の場合、発泡剤の量以外で密度(発泡度)に大きく影
響する製造条件としては、塗工速度、乾燥温度プロファ
イル、排気の程度、成形速度等である。
【0031】本発明において固体電解質フィルムを袋状
に形成する方法としては、当分野において従来から広く
行われてきた各種方法を挙げることができる。たとえば
熱プレス、ヒートシーラー、真空熱プレスなどの装置を
用いて適宜の寸法で折り曲げた固体電解質フィルムの外
周部を加熱して外周部を固着する方法、プレス、プレス
ロールなどの装置を用いて上記外周部を加圧する方法、
熱プレス、ホットロールプレス、真空プレスなどを用い
て上記外周部を加熱しながら加圧する方法、などが挙げ
られる。
【0032】本発明におけるシート状リチウム二次電池
20を構成する正極シート1および負極シート2として
は、従来公知のものを使用することができる。以下にこ
れらの一例を示す。
【0033】正極シート1および負極シート2は、正極
活物質または負極活物質に導電材や結着剤などを混合し
た正極活物質組成物または負極活物質組成物を集電体
4,5上に塗布し、乾燥・圧延を施して、正極活物質層
6または負極活物質層7を形成してなるものである。
【0034】正極活物質としては、Li−Co系複合酸
化物、Li−Mn系複合酸化物、Li−Ni系複合酸化
物などを用いることができ、中でも化学的に安定で取り
扱いが容易であり、しかも高容量の二次電池を製造し得
る点から、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を用い
るのが好ましい。導電材としては、人造あるいは天然の
黒鉛類や、アセチレンブラック、オイルファーネスブラ
ック、イクストラコンダクティブファーネスブラックな
どのカーボンブラックなどの粒状の炭素材(「粒状」と
は、鱗片状、球状、擬似球状、塊状、ウィスカー状など
が含まれ、特に限定されない。)を用いることができ
る。また正極シート1における結着剤としては、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、
エチレン−プロピレン−ジエン系ポリマー等を用いるこ
とができる。正極活物質組成物において、正極活物質と
導電材と結着剤との合計量100重量部に対して、導電
材が3重量部〜15重量部程度、結着剤が1重量部〜1
0重量部程度配合されるのが好ましい。
【0035】負極活物質としては、繊維状黒鉛、鱗片状
黒鉛、球状黒鉛などの黒鉛類、好ましくは繊維状のメソ
フェーズ系黒鉛化炭素を用いることができる。負極シー
ト2における結着剤としては、上記正極活物質の結着剤
と同じものを用いることができる。負極活物質の使用量
は、負極活物質と結着剤との合計量100重量部あたり
80重量部〜96重量部程度とすれば良い。
【0036】集電体としては、導電性金属で形成された
箔または穴あき箔などを用いることができ、その厚みを
5μm〜100μm程度とすれば良い。正極集電体4の
材料としては、アルミニウム、ステンレスなどが用いら
れ、負極集電体5の材料としては、銅、ニッケル、銀、
ステンレスなどが用いられる。
【0037】正極シート1および負極シート2は、公知
の方法に従って製造することができる。例えば、正極シ
ート1は、正極活物質、結着剤および導電材を混合加工
し、N−メチルピロリドンなどの有機溶媒に分散させて
ペーストとし、正極集電体4にこのペーストを塗布、乾
燥させた後、加圧して適当な形状に切断して得ることが
できる。
【0038】本発明において、積層構造体10を外装す
るシート状外装材8としては、金属箔の少なくとも片面
に樹脂層をラミネートしたものを用いることができる。
金属箔としては、アルミニウム、銅、鉄等が挙げられ
る。樹脂としては、ポリエステル、ポリプロピレン等の
熱可塑性樹脂が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂層を有
するものであれば、上記積層構造体10にこれを外装し
てその周縁を熱溶着するだけで封止でき、電池の作製作
業が簡単である。金属箔の厚みは、好ましくは10μm
〜100μm、より好ましくは20μm〜70μmであ
り、樹脂層の厚みは、好ましくは5μm〜100μm、
より好ましくは10μm〜50μmであり、そして全体
の厚みは、好ましくは20μm〜200μm、より好ま
しくは40μm〜150μmである。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。 実施例1 〔正極シートの作製〕正極活物質としてのコバルト酸リ
チウム粒状物90重量部、結着剤としてのポリビニリデ
ンフルオライド5重量部、導電材としての人造黒鉛5重
量部およびN−メチルピロリドン70重量部を混合して
スラリーとした。このスラリーを正極集電体としてのア
ルミニウム箔(厚み:20μm)の両面上に塗布、乾燥
し、次いで圧延処理(圧延温度:25℃、圧延率:30
%)して、アルミニウム箔の片面あたり20mg/cm
2の正極活物質層(厚み:70μm)を有する正極シー
ト(幅:30mm、長さ:50mm)を作製した。
【0040】〔負極シートの作製〕繊維状黒鉛化炭素9
5重量部、ポリビニリデンフルオライド5重量部および
N−メチルピロリドン60重量部を混合してスラリーと
した。このスラリーを負極集電体としての銅箔(厚み:
14μm)の両面に塗布、乾燥し、次いで圧延処理(圧
延温度:100℃、圧延率:20%)して、銅箔の片面
あたり10mg/cm2の負極活物質層(厚み:75μ
m)を有する負極シート(幅:32mm、長さ:52m
m)を作製した。
【0041】〔固体電解質フィルム用袋体の作製〕ポリ
ビニリデンフルオライド(PVdF)30重量部と、N
−メチルピロリドン(NMP)170重量部と、発泡剤
としてのn−オクタノール35重量部とをスクリュー型
混合機で混合して塗液(ペースト)を調製し、該塗液
(ペースト)を転写型塗工機により、Alからなる剥離
用基材の表面に塗工速度1m/minで塗工した後、得
られた塗膜を熱風式の乾燥炉内にて、15℃/minの
昇温条件で60℃から120℃まで加熱乾燥すること
で、溶剤の揮散および発泡を行い、得られたフィルム状
の多孔質ポリマーを剥離用基材から剥離した。多孔質ポ
リマーは、厚みが25μm、厚み方向一方側における開
口の口径が3μm〜7μm、厚み方向他方側における開
口の口径が0.05μm〜0.1μm、厚み方向一方側
の開口率が60%、厚み方向他方側の開口率が30%、
密度が0.70g/cm3であった。かかるフィルム状
多孔質ポリマーを所定寸法に切断し、熱プレス機を用い
て、上記1枚の正極シートを収容し得る大きさであり、
前記厚み方向一方側が外側となるような袋体を作製し
た。
【0042】〔電解液の調製〕エチレンカーボネート
(EC)20体積%と、プロピレンカーボネート(P
C)10体積%と、ジエチルカーボネート(DEC)1
0体積%と、エチルメチルカーボネート(EMC)60
体積%とからなる混合溶媒に、LiPF6を、その濃度
が1.0モル/リットル(調製後の電解液に対し)とな
るように溶解させて電解液を調製した。
【0043】〔シート状リチウム二次電池の組み立て〕
上記で作製した正極シートおよび負極シート、ならびに
ポリビニリデンフルオライド(PVdF)のフィルム状
多孔質ポリマーの袋体を用い、各袋体内に1枚の正極シ
ートを収容した状態で正極シートと負極シートの間にフ
ィルム状多孔質ポリマーが挟まれた単位が8回繰り返さ
れるように、正極シート、多孔質ポリマーおよび負極シ
ートを重ね、積層構造体を作製した。この積層構造体
を、上記で調製した電解液に1時間浸漬し、多孔質ポリ
マーをゲル化させ、固体電解質フィルムとした。
【0044】次に、上記多孔質ポリマーがゲル化した積
層構造体(発電要素)を、外装材である熱可塑性樹脂を
片面あるいは両面にラミネート加工したAl−ラミネー
トフィルム内に収容して、袋詰めタイプのシート状リチ
ウム二次電池のサンプルを作製した。
【0045】比較例1 実施例1と同じ多孔質ポリマーを厚み方向他方側が外側
となるように袋体として用いて積層構造体を形成した以
外は、実施例1と同様にしてシート状リチウム二次電池
のサンプルを作製した。
【0046】比較例2 積層構造体において、半数の正極シートと負極シートと
を固体電解質フィルムを介して重ねた単位に実施例1と
同じ袋体、残りの半数の単位に比較例1と同じ袋体を用
いた以外は、実施例1と同様にしてシート状リチウム二
次電池のサンプルを作製した。
【0047】確認試験 上記の実施例1、比較例1,2のシート状リチウム二次
電池の各サンプルを10個ずつ用意し、以下の手順にて
初回充放電容量試験を行い、各サンプルの充放電容量の
バラつきをみた。600mAの定電流で電圧が4.2V
となるまで電流を流した後、続いて全充電時間が3.5
時間となるまで4.2V定電圧で電流を流して充電を行
い、次に25℃雰囲気下において600mAで電圧が
2.75Vになるまで放電を行って、初回充放電の放電
容量〔mA・H〕を求めた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、優れた初回充放電容量を安定して有する、袋状
の固体電解質フィルムを用いたシート状リチウム二次電
池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における積層型で実現された場合のシー
ト状リチウム二次電池20を簡略化して示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 正極シート 2 負極シート 3 固体電解質フィルム 8 シート状外装材 10 積層構造体 20 シート状リチウム二次電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸本 光弘 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 岡田 聖司 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 御書 至 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 5H021 AA06 CC05 CC08 CC18 EE10 HH03 HH10 5H029 AJ02 AK03 AL07 AL08 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ12 DJ12 DJ13 DJ15 EJ01 EJ04 EJ11 EJ12 HJ06 HJ12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩と相溶性溶媒とビニリデンフルオライ
    ドを主単位とするフッ素ポリマーとを主体成分とし、前
    記フッ素ポリマーが厚み方向一方側から厚み方向他方側
    に向かうにつれて径が小さくなるような空孔が複数個形
    成された多孔質体である固体電解質フィルムを介して、
    正極シートと負極シートとを重ねた単位を1または複数
    個含む積層構造体を発電要素としてなるシート状リチウ
    ム二次電池であって、 該固体電解質フィルムが、前記厚み方向一方側が外側と
    なるように袋状に正極シートまたは負極シートを包囲し
    て、正極シートと負極シートとの間に介されてなること
    を特徴とするシート状リチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 固体電解質フィルムは前記厚み方向一方
    側表面および他方側表面に複数の開口をそれぞれ有し、
    厚み方向一方側表面における開口の口径が0.1μm〜
    10μmから選ばれ、かつ厚み方向他方側表面における
    開口の口径が0.01μm〜3μmから選ばれることを
    特徴とする請求項1に記載のシート状リチウム二次電
    池。
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