JP2002302932A - 軟弱地盤改良工法 - Google Patents

軟弱地盤改良工法

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JP2002302932A
JP2002302932A JP2001107124A JP2001107124A JP2002302932A JP 2002302932 A JP2002302932 A JP 2002302932A JP 2001107124 A JP2001107124 A JP 2001107124A JP 2001107124 A JP2001107124 A JP 2001107124A JP 2002302932 A JP2002302932 A JP 2002302932A
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sheet
drain material
airtight
airtight sheet
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JP2001107124A
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Hidemasa Tanaka
英正 田中
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MIRAI GROUP CO Ltd
T and T KK
Chikami Miltec Inc
Original Assignee
MIRAI GROUP CO Ltd
T and T KK
Chikami Miltec Inc
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空ポンプに必要以上の負荷がかかったり、
保護シートに漏気が生じることなく、効率良く地盤の水
分を除去することができる軟弱地盤改良工法を提供す
る。 【解決手段】 地盤改良を行う地盤11aの領域を囲ん
で地中に垂直に難透水性連続地中壁25を打設する工程
と、鉛直ドレーン材13を地盤11a中に鉛直方向に伸
びるよう打設する工程と、鉛直ドレーン材13の上端部
と接触して地盤11aの上面に水平ドレーン材15を配
置する工程と、その長さ途中が鉛直ドレーン材13の上
端部や水平ドレーン材15と接触し、このように接触し
ない側の端部に直空ポンプ21を連結した有孔集水管1
7を地盤の上面に配置する工程と、前記領域の地盤11
a及び水平ドレーン材15並びに有孔集水管17を気密
シート20により覆う工程と、気密シート20と地盤1
1aとの間を負圧状態にする工程とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分を多く含んで
いる軟弱地盤からその水分を除去して密度が高くせん断
強度の大きい地盤に改良するための軟弱地盤改良工法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の軟弱地盤改良工法としては、たと
えば図4に示すようなものがあった。同図に示す軟弱地
盤改良工法は、ボード系ドレーン、サンドドレーン等の
鉛直ドレーン材13を地盤11中に打設し、その鉛直ド
レーン材13の地盤から突出した上端部に不織布等の水
平ドレーン材15が接触するように地盤11上に水平ド
レーン材15を寝かせて配置し、さらにその水平ドレー
ン材15の長さ途中に有孔集水管17の長さ途中が接触
するように地盤11上に有孔集水管17が寝かせて配置
される。
【0003】これらの水平ドレーン材15や有孔集水管
17及びそれらの間から露出した地盤11の上面の上
は、気密シート19により気密状態にできるように覆わ
れ、有孔集水管17の気密シート19を貫いてその外側
に突出した端部には真空ポンプ21が連結されている。
【0004】気密シート19はプラスチックにより形成
されており、この気密シート19の下側には水平ドレー
ン材15や有孔集水管17を保護する毛布状の保護シー
ト20が配置される。気密シート19は非常に広い面積
の地盤11の領域を覆うので既製の1枚もののプラスチ
ックシートでは覆いきれないため、既製の所定幅のプラ
スチックシートを何枚もそれらの隣接部を接着剤で接着
させることにより1枚の大きな気密シート19を作り、
広い地盤11の領域全体をこの大きな1枚の気密シート
19で覆うようになっている。
【0005】このような従来の軟弱地盤改良工法によれ
ば、真空ポンプ21により有孔集水管17内の空気を吸
引して排出すると、有孔集水管17の肉厚に多数あいて
いる孔から気密シート19と地盤11の上面との間の空
気を吸引してそれらの間を負圧にすると共に、鉛直ドレ
ーン材13及び水平ドレーン材15を伝ってくる地盤1
1内部の水分も有孔集水管17内に吸引されて排出され
る。このようにして水分を多く含んでいる軟弱地盤の上
から大気圧により押圧することにより、軟弱地盤からそ
の水分を除去して密度が高くせん断強度の大きい地盤に
改良することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の軟弱地盤改良工法においては、図5に示すよ
うに、地盤11の深さ途中に砂層等の透水層23があっ
てこの透水層23が地下水層と連通している場合は、地
盤改良の対象となる地盤11の領域外からもその地盤改
良の対象となる地盤11の領域内に地下水が導入される
ため、真空ポンプ21に必要以上の負荷がかかるだけで
なく、必要な領域内の地盤11のみの水分を除去するこ
とができず、ひいてはその領域内の地盤11の地盤改良
を行うことができない。
【0007】また、地盤改良を行う地盤11の近傍に既
存の建物等の構造物がある場合は、地盤改良により生じ
ることが避けられない地盤沈下の影響で、その構造物が
傾いたり、沈下したりして、その構造物の使用に重大な
支障を来たすおそれが出てくる。
【0008】また従来は、気密シート19の周端部19
a及び保護シート20の周端部20aを地中に埋設する
ことにより、気密シート19と地盤11との間の気密を
保持していたが、その周端部19aを地中に埋設するだ
けでは気密を保持するに充分ではなく漏気が避けられな
い。このため、地盤11の水分を効率良く除去すること
ができない。
【0009】また気密シート19は、所定幅のシートを
何枚も互いの隣接部を接着剤で接着させて作る大きな1
枚の気密シート19を用いるが、この大きな1枚の気密
シート19を作る作業は大変手間がかかる。また有孔集
水管17等のパイプ等が気密シート19を貫通する箇所
では気密を維持するための接着作業に大変手間がかか
る。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、真
空ポンプに必要以上の負荷がかかったり、気密シートに
漏気が生じることなく、効率良く地盤の水分を除去する
ことができると共に、地盤改良に係る地盤の近傍の構造
物に悪影響が及ぶのを防止することができる軟弱地盤改
良工法を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の軟弱地盤改良工法は、地盤改良を行う地盤
の領域を囲んで地中に垂直に難透水性連続地中壁を打設
する工程と、水平方向において所定の間隔をおいて鉛直
ドレーン材を地盤中に鉛直方向に伸びるよう打設する工
程と、前記鉛直ドレーン材の地盤から突出した上端部と
接触するようにして地盤の上面に沿って寝かせるよう水
平ドレーン材を配置する工程と、その長さ途中が前記鉛
直ドレーン材の上端部や前記水平ドレーン材と接触し、
このように接触しない側の端部に直空ポンプを連結した
有孔集水管を地盤の上面に沿って寝かせるよう配置する
工程と、前記領域の地盤及び前記水平ドレーン材並びに
前記有孔集水管を気密シートにより気密にして覆う工程
と、前記難透水性連続地中壁の上端部と前記気密シート
の周端部との間に気密手段を施す工程と、前記真空ポン
プにより前記気密シートと地盤との間を負圧にして地盤
を大気圧により押圧する工程とを備えたことを特徴とす
るものである。
【0012】このような軟弱地盤改良工法によれば、地
盤改良を行う地盤の領域を囲んで地中に垂直に難透水性
連続地中壁を打設するため、地盤の深さ途中に砂層等の
透水層があってもそれを難透水性連続地中壁により遮断
することができるので、地盤改良の対象となる地盤の領
域外から地下水が導入されるのを防止でき、真空ポンプ
に必要以上の負荷がかかることを防止することができ
る。
【0013】また気密シートの周端部と難透水性連続地
中壁の間に気密手段を施すことにより、確実にそれらの
間の気密化を実現して気密シートの周端部において漏気
が生じるのを確実に防止することができる。
【0014】また地盤改良を行う地盤の領域を囲んで地
中に垂直に難透水性連続地中壁を打設するため、その難
透水性連続地中壁より内側の地盤のみが沈下するので、
その地盤の近傍で難透水性連続地中壁の外側にある構造
物が傾いたり沈下したりするのを確実に防止することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明
による軟弱地盤改良工法の第1の実施の形態について説
明するために参照する図である。前記従来の軟弱地盤改
良工法の説明における部品と同様の部品には同一の符号
を用いて説明し、前記従来の軟弱地盤改良工法の説明と
重複する説明は省略する。
【0016】図1に示す本発明の第1の実施の形態に係
る軟弱地盤改良工法においては、地盤11を、例えば5
0m×70m位の適当な大きさの領域毎に分割し、その
分割された領域内の地盤11aの周囲には地中に垂直に
難透水性連続地中壁25が打設される。この難透水性連
続地中壁25は、所定の難透水性と剛性を有する、例え
ばコンクリートにより形成することができる。
【0017】また、このような難透水性連続地中壁25
の上端部には溝27が形成され、この溝27内にベント
ナイト液等の難透水材料を充填し、この難透水材料内に
は気密シート19の周端部19a、及び保護シート20
の周端部20aが浸漬される(気密手段)ことにより、
気密シート19の周端部19aと難透水性連続地中壁2
5との間の気密を実現することができる。
【0018】気密シート19は、所定幅のシートを何枚
も隣接部を接着させて作った大きな1枚の気密シート1
9を用いるが、その接着には、所定幅のシート材の側部
に、例えばウレタン等の合成樹脂の液剤をスプレーガン
及びコンプレッサを用いて吹き付けた上に、他のシート
材の側部を重ね合わせて圧着することにより行う。
【0019】また上記所定幅のシート相互間の接着は、
シート材の側部同士を重ね合わせてからその重ね合わせ
部の上から、上記合成樹脂の液剤を吹き付けることによ
りシート同士を接着することもできる。或は、一方のシ
ート材の側部に合成樹脂の液剤を吹き付け、その上に他
方のシート材の側部を重ね合わせて圧着し、それからそ
の重ね合わせ部の上から上記合成樹脂の液剤を吹き付け
ることによりシート同士を接着するようにしてもよい。
【0020】また、有孔集水管17等のパイプ等が気密
シート19を貫通する箇所には、そのパイプ等との間の
小さな隙間に上記合成樹脂の液剤を吹き付け、その合成
樹脂の液剤が乾燥して固化することにより容易に気密性
をもたせることができる。
【0021】また地盤11aの各所には、各種データの
管理を行う管理システムを構成する各種センサ、すなわ
ち図2に示すような、地中の圧力を検出する変位計3
1、地盤11aの沈下量を検出する沈下計33、地盤1
1aからの排水量を検出する水量計35、地中の水の温
度を検出する水温計37、気密シート19と地盤11a
との間の真空度を検出する真空計39、地下水位を検出
する水位計40等が設けられていて、これらのセンサは
各々が検出した値に相当する信号を、パソコン等のCP
U41に向けて出力するようになっている。
【0022】CPU41は各センサからの出力データに
基づいて管理図を作成したり、そのデータや管理図をF
D(フロッピーディスク)やMO(光磁気ディスク)等
の記録媒体43に記録したり、或はそのデータや管理図
をプリンタ45により印刷することができるようになっ
ている。また、各センサからの出力データに基づいて好
ましくない状態にあることが分かったときは、CPU4
1はそのことを人に知らせる警告の表示を警報装置47
に行わせる。
【0023】またCPU41はモデム49を制御するこ
とにより、公衆通信回線51を介して遠隔地等の別の場
所のモデム50にデータを送ることができ、このモデム
50に接続されたパソコン等のCPU53は前記CPU
41と同様に、前記データや管理図を記録媒体55に記
録したり、或はそのデータや管理図をプリンタ57によ
り印刷することができる。
【0024】このような本発明の軟弱地盤改良工法によ
れば、地盤改良を行う地盤11aの領域を囲んで地中に
垂直に難透水性連続地中壁25を打設するため、地盤1
1aの深さ途中に砂層等の透水層23があってもそれを
難透水性連続地中壁25により遮断することができるの
で、地盤改良の対象となる地盤11aの領域外から地下
水が導入されるのを防止でき、真空ポンプ21に必要以
上の負荷がかかることを防止することができる。このた
め真空ポンプ21は本来の能力、台数で足り、必要以上
の能力、台数は不要となる。
【0025】また、難透水性連続地中壁25によりその
外側から地下水が導入されなくなることにより、地盤1
1aの沈下量と排水量の関係が明確になり、正確な施工
管理が可能となる。さらに真空ポンプ21に無駄な負荷
がかからなくなり、その真空性や排水量が確保できるこ
とにより、地盤11aの沈下量や沈下速度がほぼ計算通
りの値となる。
【0026】また気密シート19の周端部19aと難透
水性連続地中壁25の間に上記のような気密手段を施す
ことにより、確実にそれらの間の気密化を実現して気密
シート19の周端部19aにおいて漏気が生じるのを確
実に防止することができる。
【0027】また地盤改良を行う地盤11aの領域を囲
んで地中に垂直に難透水性連続地中壁25を打設するた
め、その難透水性連続地中壁25より内側の地盤11a
のみが沈下するので、その地盤11aの近傍で難透水性
連続地中壁25の外側にある構造物が傾いたり沈下した
りするのを確実に防止することができる。
【0028】また、気密シート19の接着には、所定幅
のプラスチックのシート材の側部に、例えばウレタン等
の合成樹脂の液剤をスプレーガン及びコンプレッサを用
いて吹き付けた上に、他のシート材の側部を重ね合わせ
て圧着すること等により行うことができるので、気密シ
ート19の接着作業を容易にすることができる。
【0029】このように複数の所定幅のプラスチックの
シート材の側部間にウレタン等の合成樹脂の液剤を吹き
付けて連続する気密シート19を形成することにより、
気密シート19の移動時や敷設時の破損を減少させるこ
とができ、その破損の修理も容易に行うことができる。
すなわち、一度使った気密シート19を隣の地盤に移動
して再利用でき、地盤改良面積が大規模になるほどこれ
らの効果は大きくなって経済的に有利となる。
【0030】また、気密シート19をパイプが貫通する
箇所には、そのパイプ等との間の小さな隙間に上記合成
樹脂の液剤を吹き付け、その合成樹脂の液剤が乾燥して
固化することにより容易に気密性をもたせることができ
る。
【0031】また、各種データの管理を行う管理システ
ムを有するので、各種データの管理が容易となると共
に、遠隔地のような他の場所でも各種データの管理を容
易に行うことが可能となるので、作業現場にいる人だけ
でなく、他の場所の管理センター等にいる人も現場の状
況を正確に把握することができる。
【0032】また各種データの管理を行う管理システム
により、ポンプの運転停止、リバウンド(沈下量の低
減)量の計測、運転再開または終了等を自動的に行うこ
とができる。このため、地盤改良工事における適切な判
断、指示や施工管理が可能となる。
【0033】また、道路のように幅が限られて長く続く
ような地盤の場合は、その幅の両側に難透水性連続地中
壁25を設けないときは大気圧により地盤を押圧して水
を押し出す圧密荷重が直下方向だけに向かわないで幅方
向に逃げてしまう成分も出てくるので、地盤の上面は幅
方向の中心部よりも外側が盛上る側方変形が生じるだけ
でなく、上記中心部において圧密荷重が作用する深さも
深部に迄達しなくなってしまい、排水作用の効果もあま
り向上できない。
【0034】これに対し本発明のように地盤11a中に
難透水性連続地中壁25を設けることにより、圧密荷重
は直下方向だけに向けて作用するので、上記側方変形を
防止できると共に、上記圧密荷重が作用する深さは深部
に迄達し排水作用の効果を向上することができる。
【0035】また従来は、地盤改良の対象領域が大きす
ぎると場所によって地盤の沈下量に差が生じる等の不都
合が生じ、逆にその対象領域を小さく区分けして地盤改
良を行うとその対象領域の境界付近は中央付近よりも圧
密沈下量の不足が生じて地表の平面度が低減する。
【0036】これに対し本発明のように地盤11a中に
難透水性連続地中壁25を設けることにより、上記対象
領域の境界付近と中央付近の圧密沈下量は均等となって
地表の平面度を向上させることができる。
【0037】図3は、本発明による軟弱地盤改良工法の
第2の実施の形態について説明するために参照する図で
ある。この第2の実施の形態においては、地盤中に鉛直
方向に伸びるよう打設した鉛直ドレーン材13の他に、
鉛直ドレーン材13の幅よりも大きな径を有する孔を地
盤中に鉛直方向にあけて、その中に筒状部材63を打設
し、地中からこの筒状部材63内に滲み出してきた水
を、筒状部材63内に挿入した排水ホース64を介して
直接ポンプ65により吸い出して排水する(排水手段)
ようにしたものである。
【0038】地盤11aの水平面内の縦横両方向におけ
る鉛直ドレーン材13の間隔がたとえば1mだとする
と、上記筒状部材63はその間隔がたとえば5m位で配
置される。筒状部材63は直径がたとえば5cm程度
で、適度の透水性と土中でつぶれない強度をもっている
ものを用いる。
【0039】このような第2の実施の形態は、地盤11
aが腐植土のように圧縮性や沈下速度や排水量が大きい
地盤の場合に、鉛直ドレーン材13だけでは排水能力が
不足するために、前記第1の実施の形態よりも適してい
る。
【0040】なお、前記実施の形態においてはプラスチ
ックの気密シート19と共に、毛布状の保護シート20
を用いる場合について説明したが、プラスチックの気密
シートの代りに、保護シート20の上からウレタン等の
合成樹脂の液剤を直接全面に隙間なく吹き付けて、それ
を乾燥させて気密シートとして用いることも可能であ
る。
【0041】また、前記実施の形態においては地盤11
を50m×70m位の大きさの領域毎に分割する場合に
ついて説明したが、地盤11の分割される領域の面積は
それより広くとも、或は狭くともよいことはもちろんで
ある。
【0042】また、前記実施の形態においては気密シー
ト19の上に何も載せない場合について説明したが、大
気圧の影響が及びにくい地盤の深部への加圧力や、その
ような加圧力を生じさせる気密シート19内の負圧力が
不足する場合において、気密シート19の上に盛土や、
容器に入れた水等による載荷重を加えるようにしてもよ
い。
【0043】また、前記実施の形態においては気密手段
として、難透水性連続地中壁25の上端部に溝27を形
成し、その溝27内に難透水材料を充填し、その難透水
材料内に気密シート19の周端部19aや保護シート2
0の周端部20aを浸漬するように構成したが、難透水
性連続地中壁25の上端面を溝のない平面にして、その
上の半分位の面積に気密シート19の周端部19aを重
ね合せて、その上端面と周端部19aの重ね合せ部の上
からウレタン等の合成樹脂の液剤を吹き付けて両者間を
接着することにより気密手段を構成してもよい。
【0044】また前記第2の実施の形態においては、筒
状部材63及び排水ホース64による排水動作は、鉛直
ドレーン材13、水平ドレーン材15及び有孔集水管1
7による排水動作より先行してもよいし、或は同時に行
なってもよい。筒状部材63及び排水ホース64による
排水動作の終了は、鉛直ドレーン材13、水平ドレーン
材15及び有孔集水管17による排水動作より前でもよ
いし、或は同時でもよい。
【0045】また前記第2の実施の形態においては、筒
状部材63及び排水ホース64による排水動作用のポン
プ65を、鉛直ドレーン材13、水平ドレーン材15及
び有孔集水管17による排水動作用の真空ポンプ21と
別に設けた場合について説明したが、同一の真空ポンプ
で共用してもよい。
【0046】このような本発明の適用が有効なケースと
しては、構造物としては軟弱地盤上に設置する道路盛り
土や湖岸堤防の築造、場所としては周囲が宅地等の既存
構造物がある地域等が考えられる。
【0047】以上、本発明の実施の形態について具体的
に述べてきたが、本発明は上記の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の技術的思想に基づいて、その
他にも各種の変更が可能なものである。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
地盤改良を行う地盤の領域を囲んで地中に垂直に難透水
性連続地中壁を打設するため、地盤の深さ途中に砂層等
の透水層があってもそれを難透水性連続地中壁により遮
断することができるので、地盤改良の対象となる地盤の
領域外から地下水が導入されるのを防止でき、真空ポン
プに必要以上の負荷がかかることを防止することができ
る。
【0049】また気密シートの周端部と難透水性連続地
中壁の間に気密手段を施すことにより、確実にそれらの
間の気密化を実現して気密シートの周端部において漏気
が生じるのを確実に防止することができる。
【0050】また地盤改良を行う地盤の領域を囲んで地
中に垂直に難透水性連続地中壁を打設するため、その難
透水性連続地中壁より内側の地盤のみが沈下するので、
その地盤の近傍で難透水性連続地中壁の外側にある構造
物が傾いたり沈下したりするのを確実に防止することが
できる。
【0051】また、各種データの管理を行う管理システ
ムにより、施工管理の自動化、省力化を図ることができ
ると共に、人為的ミスを排除することができる。また、
施工管理値の設定により地盤の沈下量、水温、排水量、
圧力の変化傾向を常時監視して、沈下の終息や漏気の発
生、排水異常等を警報値で即時に知ることができる。
【0052】このため真空ポンプの停止や台数の削除、
漏洩箇所の補修、地下水への対応等、時機を逸すること
なく早期の対応が可能となる。さらに、総合的に施工管
理の高度化と、施工管理費用の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る軟弱地盤改良
工法を説明するための地盤の断面側面図である。
【図2】軟弱地盤改良工法における各種データの管理を
行う管理システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る軟弱地盤改良
工法を説明するための地盤の断面側面図である。
【図4】従来の軟弱地盤改良工法を説明するための地盤
の断面側面図である。
【図5】従来の軟弱地盤改良工法の問題点を説明するた
めの地盤の断面側面図である。
【符号の説明】
11,11a 地盤 13 鉛直ドレーン材 15 水平ドレーン材 17 有孔集水管 19 気密シート 19a 周端部 20 保護シート 20a 周端部 21 真空ポンプ 23 透水層 25 難透水性連続地中壁 27 溝 31 変位計 33 沈下計 35 水量計 37 水温計 39 真空計 40 水位計 41 CPU 43 記録媒体 45 プリンタ 47 警報装置 49,50 モデム 51 公衆通信回線 53 CPU 55 記録媒体 57 プリンタ 63 筒状部材 64 排水ホース 65 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 英正 埼玉県浦和市中島4丁目15番13号602 Fターム(参考) 2D043 CA07 DA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤改良を行う地盤の領域を囲んで地中
    に垂直に難透水性連続地中壁を打設する工程と、 水平方向において所定の間隔をおいて鉛直ドレーン材を
    地盤中に鉛直方向に伸びるよう打設する工程と、 前記鉛直ドレーン材の地盤から突出した上端部と接触す
    るようにして地盤の上面に沿って寝かせるよう水平ドレ
    ーン材を配置する工程と、 その長さ途中が前記鉛直ドレーン材の上端部や前記水平
    ドレーン材と接触し、このように接触しない側の端部に
    直空ポンプを連結した有孔集水管を地盤の上面に沿って
    寝かせるよう配置する工程と、 前記領域の地盤及び前記水平ドレーン材並びに前記有孔
    集水管を気密シートにより気密にして覆う工程と、 前記難透水性連続地中壁の上端部と前記気密シートの周
    端部との間に気密手段を施す工程と、 前記真空ポンプにより前記気密シートと地盤との間を負
    圧にして地盤を大気圧により押圧する工程とを備えたこ
    とを特徴とする軟弱地盤改良工法。
  2. 【請求項2】 前記気密シートは、複数の所定幅のシー
    ト材の側部を互いに接着して作り、前記接着には合成樹
    脂の液剤を一方のシート材の側部に沿って吹き付けてか
    らここに他方のシート材の側部を圧着することにより行
    う請求項1に記載の軟弱地盤改良工法。
  3. 【請求項3】 前記領域の地盤及び前記水平ドレーン材
    並びに前記有孔集水管の上に前記気密シートを設ける前
    にまず保護シートを設け、この保護シートの上から合成
    樹脂の液剤を吹付けて乾燥したものを気密シートとして
    用いる請求項1に記載の軟弱地盤改良工法。
  4. 【請求項4】 前記鉛直ドレーン材の他に、地盤中に鉛
    直方向に伸びるような孔を掘削して地盤中からより直接
    的に排水するための排水手段を併用した請求項1に記載
    の軟弱地盤改良工法。
  5. 【請求項5】 前記気密シートの上に盛土や水等の載置
    による荷重を付加する請求項1に記載の軟弱地盤改良工
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100679601B1 (ko) * 2005-12-16 2007-02-06 김수삼 초 연약 지반내의 간극수를 배수하기 위한 석션드레인 공법
JP2014145157A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Penta Ocean Construction Co Ltd 砂層の振動締固め工法およびその管理方法
JP2016069793A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 株式会社P・V・C 地盤改良工法及び地盤改良システム

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