JP2002302784A - 固体高分子電解質膜を用いた水電解装置とその運転方法 - Google Patents

固体高分子電解質膜を用いた水電解装置とその運転方法

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JP2002302784A
JP2002302784A JP2001281127A JP2001281127A JP2002302784A JP 2002302784 A JP2002302784 A JP 2002302784A JP 2001281127 A JP2001281127 A JP 2001281127A JP 2001281127 A JP2001281127 A JP 2001281127A JP 2002302784 A JP2002302784 A JP 2002302784A
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anode chamber
operating
cathode
water electrolysis
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Mikimasa Yamaguchi
幹昌 山口
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Fuji Electric Co Ltd
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    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子電解質膜に不純物イオンの付着・
蓄積が、ある程度進行しても、電解性能が安定して良好
に維持され、かつ高価な耐熱性イオン交換樹脂を使用せ
ずに長期継続運転が可能な水電解装置とその運転方法を
提供する。 【解決手段】 電解質膜3を介して陽極室と陰極室とに
区画された水電解槽1と、陽極側および陰極側気液分離
器25,11と、純水供給装置20とを備えた水電解装
置において、陽極室内の水の比抵抗値を測定するために
陽極室出口ラインに設けた比抵抗計18と、陽極室内の
水を排出するための排出管32および排出制御弁34
と、純水供給制御弁16と、前記比抵抗計の比抵抗測定
値が所定値に到達した際に、排出制御弁34を操作して
陽極室内の水を排出し、かつ純水供給制御弁16を操作
して純水供給装置20から純水を補給するための制御装
置40とを備えるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体高分子電解
質膜を用いた水電解装置とその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質膜を隔膜として陽極側
と陰極側とに分離し、陽極側に純水、又はイオンを含む
水を供給しながら電気分解して、陽極側から酸素ガス
を、陰極側から水素ガスをそれぞれ発生するように構成
した水電解装置の開発が、近年進められ、そのシステム
構成,スタックの構造,運転方法等々に関して、種々の
提案が行なわれている(例えば、実開平2−51263
号の全文明細書、特開平7−252682号公報、特開
平8−311676号公報、特開2000−54175
号公報など参照)。
【0003】前記特開2000−54175号公報に
は、模式的なシステム構成が記載されており、また、前
記実開平2−51263号の全文明細書には、供給水入
口にイオン交換樹脂槽を設けることにより、電解される
水に含まれる不純物イオンが、固体高分子電解質膜に付
着蓄積して電解性能が低下するのを防止するシステム構
成が記載されている。
【0004】図3は、前記先行技術を参照して模式的に
記載した従来の固体高分子電解質膜を用いた水電解装置
のシステム系統図を示す。図3において、水電解槽1は
固体高分子電解質膜3により陰極室1aと陽極室1bと
に内部が区画されている。前記陰極室1aと陽極室1b
は、それぞれ、図示しない触媒電極と多孔質給電体とを
備える。
【0005】ポンプ5によって入口ライン7を通して水
電解槽1に流入する純水は、電気分解され、これにより
水素は陰極室1aに発生する。一方酸素は陽極室1bに
発生する。水素イオンが陽極室1bから陰極室1aへ移
動する際に、電気浸透現象により、水も同時に陰極室1
aへ移動する。
【0006】陰極室1aからの水素/水二相流は、出口
ライン9を通って陰極側気液分離器11に入り、気体の
水素と水とに分けられる。陰極側気液分離器11におい
て分離された水は、陰極水戻りライン13を通ってポン
プ5の吸込み側へ至り、ポンプ5により再び入口ライン
7を通して水電解槽1に供給される。
【0007】一方、分離された水素(気体)は、出口ラ
イン15、圧力制御弁17を順次通過して水素ライン1
9に流出し、適宜な回収装置に向かう。尚、出口ライン
15には、圧力逃し弁21が設けられ、過大な圧力上昇
を防止している。
【0008】他方、陽極室1bからの酸素/水二相流は
出口ライン23を通って陽極側気液分離器25に入り、
気体の酸素と水とに分けられる。セパレータ25におい
て分離された水は、戻りライン27を通ってポンプ5の
吸込み側へ至り、ポンプ5により再び入口ライン7を通
して水電解槽1に供給される。
【0009】一方、分離された酸素(気体)は、出口ラ
イン29、圧力制御弁31を順次通過して酸素ライン3
3に流出し、適宜な回収装置に向かう。尚、出口ライン
29にも、圧力逃し弁35が設けられ、過大な圧力上昇
を防止している。更に、出口ライン15,29間の差圧
を測定する差圧変換器37が設けられ、その差圧信号を
用いて圧力制御弁31を操作し、水電解槽1内の陰極室
1aと陽極室1bとを微少差圧に保持している。
【0010】図3において、20は純水供給装置、14
は純水供給ポンプ、30はイオン交換樹脂槽を示す。こ
のイオン交換樹脂槽30を設ける意義について、以下に
述べる。
【0011】図3の構成において、純水供給装置20か
ら純水供給ポンプ14を用いて陽極側気液分離器25内
に供給された純水は、電解により分解され酸素と水素に
変化する。この過程で水の中に含まれる微量の不純物は
陽極室1b内に残留するが、陽極室1b内の水は陽極室
1bから引きぬかれ、ライン23および陽極側気液分離
器25を経由して、イオン交換樹脂槽30の中を通り再
び陽極室1bに返送される。これにより、電解により消
費された分の水からの不純物イオンは、イオン交換樹脂
槽30により除去される。即ち、イオン交換樹脂槽30
を設けることにより、陽極室1b内に供給される電解用
の水の中の不純物イオンの濃度が高くなるのが防止され
る。
【0012】前記不純物イオンの濃度が高くなると、電
解電圧が上昇し、電解性能が低下するが、前述のよう
に、純水の循環流路にあるイオン交換樹脂槽30に電解
槽内の水を通し電解槽に返送することにより不純物イオ
ンが除去され、固体高分子電解質膜に不純物イオンが蓄
積して電解性能が低下するのを防止することができる。
【0013】なお、前述のように、水素イオンが陽極室
1bから陰極室1aへ移動する際に、電気浸透現象によ
り、水も同時に陰極室1aへ移動するが、この水内に不
純物イオンがあっても、固体高分子電解質膜に付着して
除去される。従って、陰極側気液分離器11に貯液され
る水には、不純物イオンが含まれることはなく、そのた
め、図3に示すように、陰極側気液分離器11の水は、
イオン交換樹脂糟30を経ずに、直接、陽極室1bに還
流することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図3に
示す水電解装置の構成においては、下記のような問題が
ある。即ち、従来の水電解装置において用いるイオン交
換樹脂は、耐熱性を要し、高価である。また、一定時間
継続使用すると、不純物イオンの除去性能が低下するの
で、水電解装置から取り外し、酸で洗浄した後、純水で
洗浄する再生処理が必要となり、連続した水電解運転が
できない問題がある。
【0015】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、本発明の課題は、固体高分子
電解質膜に不純物イオンの付着・蓄積が、ある程度進行
しても、電解性能が安定して良好に維持され、かつ高価
な耐熱性イオン交換樹脂を使用せずに長期継続運転が可
能な水電解装置とその運転方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、この発明は、固体高分子電解質膜によって内部が陽
極室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分
離器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備え
た水電解装置の運転方法において、前記陽極室内の水の
比抵抗値が低下して所定値に到達した際に、前記陽極室
内の水を排出し、この排出に伴って前記純水供給装置か
ら純水を補給することとする(請求項1の発明)。
【0017】前記請求項1の発明の実施態様としては、
下記請求項2の発明が好適である。即ち、請求項1に記
載の水電解装置の運転方法において、前記比抵抗の所定
値は、0.3MΩcmとする(請求項2の発明)。
【0018】上記運転方法により、陽極室内の水の比抵
抗値が所定値に到達した際に、陽極室内の水を排出し、
排出した分の純水を補給することにより、電解用の水に
含まれる不純物が電解槽の外に排出されるので、電解槽
内の水の不純物イオン濃度を所定値以下に保つことがで
きる。
【0019】ところで、電解槽1に用いられる純水の不
純物イオンの許容濃度は、比抵抗で示され、この許容濃
度は電解条件により異なる。これまで、発明者が行なっ
た電解実験によれば、不純物イオンの濃度が所定値以下
であれば、電解性能が低下しないことが把握されてい
る。例えば、厚さ50μmのフッソ樹脂系イオン交換膜
を固体高分子電解質膜とした電解槽の場合に、電流密度
1A/cm2、温度80℃の条件下で、供給する純水の
比抵抗が0.3MΩcm以上であれば、電圧は1.55
Vに保たれ、電圧が上昇して電解性能が低下することが
ないことが検証されている。
【0020】従って、前記発明によれば、固体高分子電
解質膜に不純物イオンが付着し蓄積がある程度進行して
も、電解電圧を所定値以下に保つことができ電解性能が
低下することがない。また、運転を停止する必要が無い
ので連続した電解運転を行うことができる。
【0021】また、前記請求項1または2の発明の実施
態様として、下記請求項3ないし4の発明が好ましい。
即ち、請求項1または2に記載の水電解装置の運転方法
において、前記陰極側気液分離器内の水を前記陽極室内
に還流する(請求項3の発明)。
【0022】さらに、請求項3に記載の水電解装置の運
転方法において、常時は、前記陰極側気液分離器内の水
を前記陽極室内に還流し、前記比抵抗値が所定値に到達
し前記排水および補給を行なう際には、前記還流を一旦
停止する(請求項4の発明)。
【0023】前記請求項3の発明によれば、不純物イオ
ンが除去された陰極水を陽極室へ返送するので、陽極室
内の水の不純物イオンの濃度を、所定値以下に、より長
時間保つことができ、補給する純水が節減できる。補給
する純水は、常温ではあるが、やはりイオン交換樹脂に
よって製造されるので、補給純水の節減により、イオン
交換樹脂のメンテナンス間隔が延長できる。
【0024】また、前記請求項4の発明によれば、陽極
室内の水と不純物イオンが除去された陰極水とを混合す
ることがないので、濃縮された陽極室内の水のみを補給
純水により交換することができ、不純物イオンの濃度を
所定値以下に、さらに長時間保つことができ、補給純水
の節減効果が大きい。
【0025】また、前記運転方法を実施するための装置
としては、下記請求項5ないし7の発明が好適である。
即ち、固体高分子電解質膜によって内部が陽極室と陰極
室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分離器および
陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備えた水電解装
置において、前記陽極室内の水の比抵抗値を測定するた
めに陽極室出口ラインに設けた比抵抗計と、陽極室内の
水を排出するための排出管および排出制御弁と、純水供
給制御弁と、前記比抵抗計の比抵抗測定値が所定値に到
達した際に、前記排出制御弁を操作して陽極室内の水を
排出し、かつ前記純水供給制御弁を操作して前記純水供
給装置から純水を補給するための制御装置とを備えるも
のとする(請求項5の発明)。
【0026】さらに、前記請求項5に記載の水電解装置
において、前記陰極側気液分離器内の水を前記陽極室内
に還流する陰極水戻りラインを備えるものとする(請求
項6の発明)。
【0027】さらにまた、前記請求項6に記載の水電解
装置において、前記比抵抗測定値が所定値に到達した際
に前記還流を一旦停止するための制御弁を前記戻りライ
ンに設けるものとする(請求項7の発明)。
【0028】前記請求項1ないし請求項7の発明は、い
ずれも陽極室内の水を排出し純水と置換することを骨子
とするが、固体高分子電解質膜に付着・蓄積した不純物
イオンを除去して、さらに積極的に電解質膜を洗浄する
観点から、下記請求項8ないし請求項12の発明が好ま
しい。
【0029】即ち、固体高分子電解質膜によって内部が
陽極室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液
分離器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備
えた水電解装置の運転方法において、電解電圧が上昇し
て所定値に到達した際に、固体高分子電解質膜に付着蓄
積した陽イオンを除去洗浄するために、前記陽極室内に
酸を供給する(請求項8の発明)。また、請求項8に記
載の水電解装置の運転方法において、前記電解電圧の所
定値は、定格電圧より100mV高い値とする(請求項
9の発明)。
【0030】例えば、定格電解電圧を1.55Vとし、
電解電圧が1.65Vとなった場合に酸を供給すれば、
イオン交換膜としての固体高分子電解質膜表面が酸で洗
浄され、Naイオン、Kイオン、Caイオン、Mgイオン、金
属イオンが酸の中に溶出される。このようにして固体高
分子電解質膜陽と陽極に付着蓄積していた不純物イオン
が除去されるので、再び純水を供給すると低い電圧で電
解を行うことができる。
【0031】酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、蓚酸、酢
酸などを用いることができ、Na,K,Ca,Mg,金属など
が不純物として含まれていないものが好ましい。
【0032】さらに前記請求項8または9に記載の水電
解装置の運転方法において、前記陽極室内に酸を供給し
て固体高分子電解質膜に付着蓄積した陽イオンを除去洗
浄後、所定時間後にもしくは前記電解電圧が所定の値低
下後に、前記陽極室内に純水を供給し、酸を排出する
(請求項10の発明)。これにより、固体高分子電解質
膜,陽極等に付着した酸が、洗浄後に陽極室外に速やか
に排出されるので、構成材料の酸腐食の進行をできる限
り抑制し、通常運転に復帰できる。
【0033】また、下記請求項11の発明のように、前
記酸洗浄を、比抵抗の測定値に基づいて行なうこともで
きる。即ち、固体高分子電解質膜によって内部が陽極室
と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分離器
および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備えた水
電解装置の運転方法において、前記陽極室内の水の比抵
抗値が低下して所定値に到達した際に、前記陽極室内に
酸を供給して固体高分子電解質膜に付着蓄積した陽イオ
ンを除去洗浄後、所定時間後にもしくは前記水の比抵抗
値が所定の値上昇後に、前記陽極室内に純水を供給し、
酸を排出する。
【0034】さらに、前記酸洗浄の方法を実施するため
の装置としては、下記請求項12の発明が好ましい。即
ち、固体高分子電解質膜によって内部が陽極室と陰極室
とに区画された水電解槽と、陽極側気液分離器および陰
極側気液分離器と、純水供給装置とを備えた水電解装置
において、前記電解電圧を測定するために水電解槽に設
けた電圧計もしくは陽極室内の水の比抵抗値を測定する
ために陽極室出口ラインに設けた比抵抗計と、陽極室内
に酸を供給するための酸貯槽と、陽極室内に純水または
酸を切り換えて供給するための切り換え用の弁および配
管と、前記電圧計の電圧測定値もしくは前記比抵抗計の
比抵抗測定値が所定値に到達した際に、前記切り換え用
の弁を操作して陽極室内に酸を供給するための制御装置
とを備えるものとする。
【0035】
【発明の実施の形態】図1および図2に基づき、この発
明の実施の形態について以下に述べる。なお、図1およ
び図2において、図3に示す部材と同一の機能を有する
部材には、同一番号を付して詳細説明を省略する。ま
た、図1および図2においては、図3における水素ガス
および酸素ガスの系統を一部省略して示す。
【0036】まず、図1の実施の形態について述べる。
図1の系統において、図3と異なる点は、陽極室1b内
の水の比抵抗値を測定するために陽極室出口ライン23
に比抵抗計18を設け、陽極室1b内の水を排出するた
めの排出管32および排出制御弁34を設け、また、純
水供給装置20から純水を陽極室1bに補給するライン
上に純水供給制御弁16を設け、さらに前記比抵抗計1
8の比抵抗測定値が低下して所定値(0.3MΩcm)
に到達した際に、前記排出制御弁34を操作して陽極室
内の水を排出し、かつ前記純水供給制御弁16を操作し
て純水供給装置20から純水を補給するための制御装置
40とを備える構成とした点である。
【0037】さらにまた、図1の系統においては、陰極
水戻りライン13には、前記比抵抗測定値が所定値に到
達した際に前記還流を一旦停止するための制御弁を設け
ている。
【0038】上記構成において、純水を電解槽1の陽極
室1bに供給し、陽極室内の水の比抵抗値が所定値以上
になった時点で陽極室内の水を必要量排出し、排出した
分の純水を供給すれば、電解槽内の水の不純物イオンの
濃度は所定値より高くなることはない。このため、固体
高分子電解質膜への不純物イオンの付着・蓄積が、ある
程度進行しても、電解電圧が上昇して電解性能が低下す
ることを防止することができる。また固体高分子電解質
膜を透過した陰極水を陽極室に返送することができるの
で、陽極室内の水に含まれる不純物イオンの濃度を所定
値以下に長期間保つことができる。
【0039】次に、図2の実施の形態について述べる。
図2の系統において、図3と異なる主な点は、電解電圧
を測定するために水電解槽に設けた電圧計50と、陽極
室内に酸を供給するために設けた酸貯槽41と、陽極室
内に純水または酸を切り換えて供給するために設けた切
り換え用の弁および配管と、電圧計50の電圧測定値が
所定値に到達した際に、前記切り換え用の弁を操作して
陽極室内に酸を供給するための制御装置40aとを設け
た点である。
【0040】さらに、図2においては、42で示す酸吸
い込みラインと、43,45,46,47で示す前記切
り換え用の仕切り弁と、44で示す酸返送ラインと、4
9で示す洗浄水排出ラインと、48で示す排出ライン用
の仕切り弁とを設け、前述のように、陽極室内に酸を供
給して固体高分子電解質膜に付着蓄積した陽イオンを除
去洗浄後、所定時間後にもしくは前記電解電圧が所定の
値低下後に、前記陽極室内に純水を供給し、酸を排出す
ることができるような構成としてある。
【0041】なお、図2に示す電圧計50に代えて、図
1に示す比抵抗計18を設け、前述のように、陽極室内
の水の比抵抗値が低下して所定値、例えば、0.3MΩ
cmに到達した際に、前記陽極室内に酸を供給して固体
高分子電解質膜に付着蓄積した陽イオンを除去洗浄後、
所定時間後にもしくは水の比抵抗値が所定の値上昇後
に、前記陽極室内に純水を供給し、酸を排出するように
することもできる。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば前述のように、固体高
分子電解質膜によって内部が陽極室と陰極室とに区画さ
れた水電解槽と、陽極側気液分離器および陰極側気液分
離器と、純水供給装置とを備えた水電解装置の運転方法
において、前記陽極室内の水の比抵抗値が低下して所定
値に到達した際に前記陽極室内の水を排出し、この排出
に伴って前記純水供給装置から純水を補給することと
し、また、上記装置において、前記陽極室内の水の比抵
抗値を測定するために陽極室出口ラインに設けた比抵抗
計と、陽極室内の水を排出するための排出管および排出
制御弁と、純水供給制御弁と、前記比抵抗計の比抵抗測
定値が所定値に到達した際に、前記排出制御弁を操作し
て陽極室内の水を排出し、かつ前記純水供給制御弁を操
作して前記純水供給装置から純水を補給するための制御
装置とを備えるものとし、さらに、電解電圧が上昇して
所定値に到達した際、もしくは前記陽極室内の水の比抵
抗値が低下して所定値に到達した際に、固体高分子電解
質膜に付着蓄積した陽イオンを除去洗浄するために、前
記陽極室内に酸を供給(酸洗浄)することとし、また、
前記酸洗浄の方法を実施するための装置として、前記電
解電圧を測定するために水電解槽に設けた電圧計もしく
は陽極室内の水の比抵抗値を測定するために陽極室出口
ラインに設けた比抵抗計と、陽極室内に酸を供給するた
めの酸貯槽と、陽極室内に純水または酸を切り換えて供
給するための切り換え用の弁および配管と、前記電圧計
の電圧測定値もしくは前記比抵抗計の比抵抗測定値が所
定値に到達した際に、前記切り換え用の弁を操作して陽
極室内に酸を供給するための制御装置とを備えるものと
したので、固体高分子電解質膜に不純物イオンの付着・
蓄積が、ある程度進行しても、電解性能が安定して良好
に維持され、かつ高価な耐熱性イオン交換樹脂を使用せ
ずに、水電解装置の長期継続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の水電解装置の実施例の系統図
【図2】この発明の水電解装置の異なる実施例の系統図
【図3】従来の水電解装置の一例を示す系統図
【符号の説明】
1:水電解槽、1a:陰極室、1b:陽極室、3:固体
高分子電解質膜、11:陰極側気液分離器、13:陰極
水戻りライン、16:純水供給制御弁、18:比抵抗
計、20:純水供給装置、25:陽極側気液分離器、3
2:排出管、34:排出制御弁、36:制御弁、40,
40a:制御装置、41:酸貯槽、42:酸吸い込みラ
イン、43,45,46,47:仕切り弁、44:酸返
送ライン、50:電圧計。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜によって内部が陽極
    室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分離
    器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備えた
    水電解装置の運転方法において、 前記陽極室内の水の比抵抗値が低下して所定値に到達し
    た際に、前記陽極室内の水を排出し、この排出に伴って
    前記純水供給装置から純水を補給することを特徴とする
    水電解装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水電解装置の運転方法
    において、前記比抵抗の所定値は、0.3MΩcmとす
    ることを特徴とする水電解装置の運転方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水電解装置の
    運転方法において、前記陰極側気液分離器内の水を前記
    陽極室内に還流することを特徴とする水電解装置の運転
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の水電解装置の運転方法
    において、常時は、前記陰極側気液分離器内の水を前記
    陽極室内に還流し、前記比抵抗値が所定値に到達し前記
    排水および補給を行なう際には、前記還流を一旦停止す
    ることを特徴とする水電解装置の運転方法。
  5. 【請求項5】 固体高分子電解質膜によって内部が陽極
    室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分離
    器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備えた
    水電解装置において、 前記陽極室内の水の比抵抗値を測定するために陽極室出
    口ラインに設けた比抵抗計と、陽極室内の水を排出する
    ための排出管および排出制御弁と、純水供給制御弁と、
    前記比抵抗計の比抵抗測定値が所定値に到達した際に、
    前記排出制御弁を操作して陽極室内の水を排出し、かつ
    前記純水供給制御弁を操作して前記純水供給装置から純
    水を補給するための制御装置とを備えることを特徴とす
    る固体高分子電解質膜を用いた水電解装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の水電解装置において、
    前記陰極側気液分離器内の水を前記陽極室内に還流する
    陰極水戻りラインを備えることを特徴とする固体高分子
    電解質膜を用いた水電解装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の水電解装置において、
    前記比抵抗測定値が所定値に到達した際に前記還流を一
    旦停止するための制御弁を前記戻りラインに設けること
    を特徴とする固体高分子電解質膜を用いた水電解装置。
  8. 【請求項8】 固体高分子電解質膜によって内部が陽極
    室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分離
    器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備えた
    水電解装置の運転方法において、 電解電圧が上昇して所定値に到達した際に、固体高分子
    電解質膜に付着蓄積した陽イオンを除去洗浄するため
    に、前記陽極室内に酸を供給することを特徴とする水電
    解装置の運転方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の水電解装置の運転方法
    において、前記電解電圧の所定値は、定格電圧より10
    0mV高い値とすることを特徴とする水電解装置の運転
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の水電解装置
    の運転方法において、前記陽極室内に酸を供給して固体
    高分子電解質膜に付着蓄積した陽イオンを除去洗浄後、
    所定時間後にもしくは前記電解電圧が所定の値低下後
    に、前記陽極室内に純水を供給し、酸を排出することを
    特徴とする水電解装置の運転方法。
  11. 【請求項11】 固体高分子電解質膜によって内部が陽
    極室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分
    離器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備え
    た水電解装置の運転方法において、 前記陽極室内の水の比抵抗値が低下して所定値に到達し
    た際に、前記陽極室内に酸を供給して固体高分子電解質
    膜に付着蓄積した陽イオンを除去洗浄後、所定時間後に
    もしくは前記水の比抵抗値が所定の値上昇後に、前記陽
    極室内に純水を供給し、酸を排出することを特徴とする
    水電解装置の運転方法。
  12. 【請求項12】 固体高分子電解質膜によって内部が陽
    極室と陰極室とに区画された水電解槽と、陽極側気液分
    離器および陰極側気液分離器と、純水供給装置とを備え
    た水電解装置において、 前記電解電圧を測定するために水電解槽に設けた電圧計
    もしくは陽極室内の水の比抵抗値を測定するために陽極
    室出口ラインに設けた比抵抗計と、陽極室内に酸を供給
    するための酸貯槽と、陽極室内に純水または酸を切り換
    えて供給するための切り換え用の弁および配管と、前記
    電圧計の電圧測定値もしくは前記比抵抗計の比抵抗測定
    値が所定値に到達した際に、前記切り換え用の弁を操作
    して陽極室内に酸を供給するための制御装置とを備える
    ことを特徴とする固体高分子電解質膜を用いた水電解装
    置。
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