JP2002301791A - ハードコート積層板 - Google Patents

ハードコート積層板

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JP2002301791A
JP2002301791A JP2001107061A JP2001107061A JP2002301791A JP 2002301791 A JP2002301791 A JP 2002301791A JP 2001107061 A JP2001107061 A JP 2001107061A JP 2001107061 A JP2001107061 A JP 2001107061A JP 2002301791 A JP2002301791 A JP 2002301791A
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Japan
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hard coat
acrylic resin
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resistance
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Application number
JP2001107061A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kurokawa
正弘 黒川
Toshikazu Hirota
俊積 広田
Yasumitsu Higuchi
泰光 樋口
Masahiro Harada
正広 原田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋外の厳しい太陽光線、雨、湿度、高温及び
低温の温度差に耐えうる性能を有するハードコート積層
体を提供する。 【解決手段】 プラスチック基材の少なくとも一方の面
に紫外線吸収剤を0.01〜20%含有するアクリル系
樹脂を1〜100μmの厚みで設けたアクリル積層基板
にコロイダルシリカを含有するポリオルガノシロキサン
組成物組成物を塗布して、硬化させてなるハードコート
積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードコートを施し
た積層板及びその製造方法に関し、より詳細には高い透
明性を維持し、表面硬度、耐擦傷性、耐摩耗性、耐熱
性、耐水性、耐候性、耐汚染性に優れたハードコート層
/アクリル系樹脂層/プラスチック基材からなるハード
コート積層板及びその製造方法に関する。本発明の積層
板は各種グレージング剤、光学部材、看板、自動車の
窓、道路の防音壁、自動販売機の前面板、カーポート等
の耐候性が要求される分野に使用される。
【0002】
【従来の技術】有機透明プラスチックス材料、特にポリ
カーボネート樹脂は優れた耐衝撃性、及び高い熱変形温
度を有し、寸法安定性、加工性及び自己消火性に優れる
ことより光学材料として多くの用途で使用されている。
しかしながら、表面硬度が低く、耐擦傷性、耐摩耗性に
劣るため透明材料として最も重要な透明度が損なわれる
と云う問題点を有している。
【0003】また、他の透明プラスチックス材料、例え
ばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニルなどはその透明性、軽量性、易加工性、及び耐衝
撃性に優れるため種々の用途に使用されているが、これ
ら材料からなる成形体も他の素材と比較して耐摩耗性、
耐薬品性、及び耐溶剤性が乏しく、且つ表面が傷つき易
いという問題点を有している。
【0004】これらの問題点を解決するためにポリオル
ガノシロキサン系樹脂がポリカーボネート樹脂やアクリ
ル樹脂等のプラスチックス成形品の表面硬度や耐擦傷性
を向上させるコーティング剤として使用されてきてい
る。
【0005】しかしながら、ポリオルガノシロキサン系
樹脂をコーティングした透明プラスチックスを、例えば
自動車及び車両の窓やランプカバー、温室等の透明な屋
根や採光窓、眼鏡レンズ及び、カメラレンズなどを屋外
で使用した場合、屋外の厳しい太陽光線、雨、湿度、高
温及び低温の温度差に耐えうる性能を有するコーティン
グ剤は未だに十分ではない状況にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、厳し
い環境下でも、初期の性能を維持する透明プラスチック
基材、アクリル系樹脂の中間層とポリオルガノシロキサ
ン系樹脂コーティング組成物からなるハードコート積層
板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記欠点を解決するために鋭意検討した結果、プラスチ
ック基材の少なくとも一方の面に紫外線吸収剤を0.0
1〜20%含有するアクリル系樹脂を1〜100μmの
厚みで設けたアクリル系樹脂積層基板にコロイダルシリ
カを含有するポリオルガノシロキサン組成物を塗布し
て、硬化させることを特徴とするハードコート積層板で
ある。このとき、プラスチック基材と中間層のアクリル
系樹脂、及びアクリル系樹脂とハードコート層の線膨張
率を種々変更したものを塗膜化してその性能を評価した
ところ、驚くべきことに各層間の線膨張率の差が0.0
1×10-5〜10×10-5/℃にすることにより厳しい
耐候性試験後においても耐擦傷性、密着性に優れた塗膜
を得ることができることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、プラスチック基材の少
なくとも一方の面に紫外線吸収剤を0.01〜20%含
有するアクリル系樹脂を1〜100μmの厚みで設けた
アクリル積層基板にコロイダルシリカを含有するポリオ
ルガノシロキサン組成物を塗布して、硬化させてなるハ
ードコート積層板である。
【0009】本発明で使用する熱硬化型ポリオルガノシ
ロキサンは、一般式R1 n (OR2)4-nで表される通常のオル
ガノシランを加水分解、縮合して得られ加水分解物及び
/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物中
においては結合剤として作用する。このオルガノシロキ
サン中のR1は炭素数1〜8の有機基であり、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、sec-ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチ
ル基などのアルキル基、その他γ−クロロプロピル基、
ビニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グ
リシキドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル
基、γ―メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチル基などが挙げられる。ま
た、オルガノシラン中のR2は、炭素数1〜5のアルキル
基又は炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基などが挙げられる。
【0010】これらのオルガノシランの具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルト
リエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、
i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシキドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシキドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ―
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ―メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキ
シシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、ジn−プロピルジメトキシ
シラン、ジn−プロピルジエトキシシラン、ジi−プロ
ピルジメトキシシラン、ジi−プロピルジエトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシランなどを挙げることができ、好ましくはテトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシランである。
【0011】これらのオルガノシランは、1種類単独、
もしくは2種以上を併用して使用することができる。
又、上記オルガノシランのうち、好ましくは40モル%
以上、さらに好ましくは50モル%以上がCH3Si(OR2)
3(但し、R2は、前記記載のものに同じ)である場合が好
ましい。なお、これらオルガノシラン類は所定量の水を
用いて加水分解・縮合され、オリゴマー化され、単量体
はほぼ消費されており、反応系内には存在しない。その
後、所望のオリゴマー組成となるように更に反応を進め
る。その反応温度は、通常25℃〜70℃、好ましくは
30℃〜60℃、更に好ましくは30℃〜50℃で、徐
々に後段の反応を進める。しかし、25℃未満では所望
のオリゴマー組成にするたのに長時間を要するため、好
ましくない。70℃を越えると架橋反応が起こることが
あるので、好ましくない。
【0012】本発明で使用するポリシロキサン樹脂を得
るためのアルコキシシランの加水分解は、通常の方法に
より行うことができ、酸性の加水分解性触媒を含有した
水の存在下で行うことが好ましい。上記加水分解触媒と
しては、pH2〜5の酸性を示す公知の触媒から選択使
用できる。
【0013】前記の加水分解触媒の具体例としては、フ
ッ化水素、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸に代表
される有機酸、メチルスルホン酸、表面にスルホン酸
基、又はカルボン酸基を有するカチオン交換樹脂などが
挙げられる。又、加水分解触媒の添加量は各種用途に従
って適宜調整するば良いが、本発明においては、アルコ
キシシランに対して0.001〜5モル%の範囲である
ことが好ましい。
【0014】また、pHを調節するための緩衝剤となる
酸・塩基性化合物の組合せ(酢酸と酢酸ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウムとクエン酸など)、分散溶媒、或
いは優れた被膜性能を付与するために有機樹脂、顔料、
染料、レベリング剤、紫外線吸収剤、保存安定剤などを
適宜添加して使用することができる。
【0015】分散溶媒は本発明の効果を損なわない範囲
で使用することができ、分散溶媒としてはゾルの安定性
や入手のし易さの観点から、水、或いは低級アルコール
であるメタノール、エタノール、イソプロノール、n−
ブタノール、イソブタノール、ケトン類であるメチルエ
チルケトン、ジアセチルアセトンなどを用いることが好
ましい。又、本発明において前記溶媒効果を発現させる
ためには、組成物中の水分含有量が15%以下とするこ
とが好ましい。15%以上では水がシラノール基に選択
的に配位するため、シラノール基の安定性が損なわれ
る。
【0016】ここで得られたポリオルガノシロキサン組
成物の保存温度は、通常25℃以下、好ましくは15℃
以下、更に好ましくは5℃以下である。25℃を越える
と、保存期間が長い場合、加水分解・縮合反応が徐々に
進行するので好ましくない。
【0017】本発明のコーティング用組成物を用いて硬
化被膜を形成させる際、硬化被膜の硬度や耐擦傷性の向
上、又は高屈折率化などの光学的機能性を付与させるた
めに、公知の硬化触媒や金属酸化物及びその他の添加物
を適宜加えても良い。
【0018】前記の硬化触媒の具体例としては、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリ
ウムメチラート、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、蟻酸
ナトリウム、蟻酸カリウム、n−ヘキシルアミン、プロ
ピオン酸カリウム、トリブチルアミン、ジアザビシクロ
ウンデセンのごとき塩基性化合物、テトライソプロピル
チタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムト
リイソブトキシド、アルミニウムトリイソプポキシド、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アルミニウム
アセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化ア
ルミニウム、コバルトオクチレート、コバルトアセチル
アセトナート、鉄アセチルアセトナート、錫アセチルア
セトナート、ジブトキシ錫オクチレートの如き金属化合
物類、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸の如き
酸性化合物類が挙げられる。硬化触媒の添加量は、ポリ
オルガノシロキサン樹脂100部に対して0.01〜1
0重量部であることが好ましい。
【0019】前記の金属酸化物の具体例としては、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化錫、酸
化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げら
れる。なお、耐擦傷性を目的としたコーティング剤とす
る場合には、特にシリカゾルが好適である。ハードコー
ト剤として使用する場合の金属酸化物の添加量は、ポリ
オルガノシロキサン樹脂100部に対して5〜500重
量部、特に10〜200重量部であることが好ましい。
これらの金属酸化物の存在下に縮合反応を行っても良
く、また縮合反応後に加えても良い。
【0020】本発明のコーティング積層板の構成は、プ
ラスチック基材/アクリル系樹脂/ハードコートからな
る。プラスチック基材は目的に応じて異なり、例えばフ
ェノール、エポキシ、ポリエステル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート、ABSなどの樹脂成型品、シート、フィルムな
どの基材に加え、これらの塗り替え塗装のための劣化し
た塗膜などが挙げられる。
【0021】次に、基材とポリオルガノシロキサンハー
ドコート層との中間に有るアクリル系樹脂について具体
的に述べる。基材とハードコートとの間にアクリル系樹
脂を介在させる手段として通常公知の方法を採用するこ
とができる。具体的には、(1)プラスチック基材、例
えばポリカーボネートとポリメチルメタクリレートとの
共押出によるポリカーボネート/アクリル樹脂シート及
びプレートを用いる方法、(2)ポリカーボネート基材
にアクリル系樹脂を含むプライマー塗料を塗布して、硬
化させた塗板を使用する方法、及び(3)ポリカーボネ
ート基材にアクリル系樹脂フィルムを熱圧着させる方法
とに分類される。これらの方法は、作業性、経済性及び
環境面の観点から適宜採用することができる。
【0022】また、上記アクリル系樹脂層の膜厚は、1
〜100μmが良く、好ましくは2〜80μm、更に好
ましくは3〜60μmである。1μm以下ではその効果
が発揮されず、100μm以上ではポリカーボネート樹
脂の耐衝撃性を著しく低下させる場合があり、さらには
経済性においても不利である。
【0023】プラスチック基材とハードコート層との中
間層にあるアクリル系樹脂中には、紫外線吸収剤を0.
1〜20%含有し、好ましくは0.5〜18%を含有
し、更に好ましくは1〜15%含有するのがよい。アク
リル系樹脂層へは紫外線吸収剤以外に、一般的に公知の
抗酸化剤、着色防止剤等を添加することができる。紫外
線吸収剤の添加量が0.1%以下の場合、十分な耐候性
を示さない。また、20%以上を添加してもさらなる耐
候性向上は期待できないばかりでなく、これら添加剤が
ブリードアウトを起こし、密着性を損ね場合も起こり得
る。
【0024】これらアクリル系樹脂層に添加される紫外
線吸収剤としてベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、サリチル酸フェニルエステル系、トリアジン系の紫
外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−
3,5−ビス(α,αジメチルベンジル)フェニル]−
2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラ
メチレンブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−
2−イル)フェノール]等を例示することができ、ベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’
−クロルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン等を例示することがで
きる。また、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収
剤としては、p−t−ブチルフェニルサリチル酸エステ
ル等が例示でき、トリアジン系紫外線吸収剤としては、
2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メト
キシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
フェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−
(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒド
ロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリア
ジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4
−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシル
オキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキ
シフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフ
ェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフ
ェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニ
ル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニ
ル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−
6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,
3,5−トリアジンなどを挙げることができるが、これ
らだけに限定されるものではなく、一般的に入手可能な
紫外線吸収剤、抗酸化剤、及び着色防止剤などが含まれ
る。
【0025】これらアクリル系樹脂層に添加される抗酸
化剤、着色防止剤としては、チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ(株)、住友化学工業(株)、旭電化工業
(株)などのカタログに記載の各種の抗酸化剤、着色防
止剤の使用が可能である。これらの例として、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2‘−メチレンビス(4−エチル−6−t−
フェノール)、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキ
サ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,
4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、エチレンビ
ス(オキシエチレン)ビス[3−(5−t−ブチル−4
−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサ
メチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−t
−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,
3,5−トリアジン−2−イルアミノ]フェノール、ペ
ンタエリスリトールテタラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプ
ロピオナミド]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5,−
トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオ
ン、1,3,5−トリス[(4−t−ブチル−3−ヒド
ロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−ト
リアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオ
ン、ジアリル−3,3‘−チオジプロピオネート、ペン
タエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、
トリス(ジノニルフェニル)フォスファイト、4,4’
−チオビス(3−6−t−ブチルフェノール)、チオジ
エチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、トリスノリルフ
ェニルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イトなどがある。更に、旭電化工業(株)カタログ記載
のPEP4C、PEP8,PEP24G、PEP36、
HP−10等の使用が可能であるが、これらに限定され
るものではない。
【0026】本発明のハードコート積層板及びその製造
方法における最大の特徴は、プラスチック基材、アクリ
ル系樹脂、およびハードコート樹脂硬化物における各材
料間の線膨張率の差が0.01〜10×10-5/℃であ
り、好ましくは0.02〜8×10-5/℃であり、更に
好ましくは0.03〜7×10-5/℃である。プラスチ
ック基材/アクリル系樹脂、およびアクリル系樹脂/ハ
ードコート樹脂硬化物間での線膨張率の差はできるだけ
小さい方が良く、10×10-5/℃を超えると所望の耐
候性を有するハードコート積層板を製造することが困難
となる。
【0027】アクリル系樹脂プライマーを用いてアクリ
ル系樹脂層を形成する場合、及びハードコート層の塗装
方法はその目的に応じて、刷毛、ロール、ディッピン
グ、流し塗り、スプレー、ロールコーター、フローコー
ター、遠心コーター、超音波コーター、スクリーンプロ
セス、電着塗装、蒸着塗装などがある。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を実施例によってさらに詳述
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。また、特に断らない限り、以下に記す「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
【0029】〔線膨張率(TMA)の測定方法〕塗料3
gをアルミカップに秤取り、約45℃のホットプレート
上で2時間放置、揮発成分を除去した。次いで、125
℃の乾燥器内で2時間硬化させ、これをTMA測定サン
プルとした。また、ポリカーボネートはシートを、ポリ
メチルメタクリレートはペレットをそのままTMA試料
とした。 分析機器:TMA100(セイコー電子工業(株)) 温度条件:30〜190℃、10℃/min で昇温 荷 重 :−1g 雰囲気 :N2 、300ml/min 測 定 :2回目以降の昇温時でのデータを採用した。
(1回目は熱履歴消去のため、不採用とした)。5回繰
り返し測定し、60〜90℃の温度範囲の値を平均し
た。
【0030】本実施例で用いた評価、試験方法を以下に
示す。 (1)耐候性:岩崎電気(株)製スーパーUVテスター
を使用し、光照射5時間(紫外線強度50mW/c
2 、ブラックパネル温度63℃、湿度50%)、結露
1時間(温度30℃以上、湿度100%)のサイクルで
試験を行い、更に光照射時に10分毎に10秒間シャワ
ーを行った。各時間におけるクラック、自然剥離等外観
変化を観察し、変化なしを合格とした。 (2)テーバー摩耗性:ASTM1044に準拠し、テ
ーバー摩耗試験機にて摩耗輪CS−10Fを装着し、荷
重500g下で500回転後のヘイズを測定し、試験前
のヘイズを引いた値を示した。 (3)初期密着性:JIS K5400に準拠し、サン
プルをカミソリの刃で2mm間隔に6本ずつ切れ目を入れ
て25個の碁盤目をつくり、市販のセロテープ(登録商
標)をよく密着させた後、90゜手前方向に急激に剥が
した時、塗膜が剥離せずに残存したマス目数をX/25
で表示した。 (4)光学特性/ヘイズ:日本電色工業(株)製ヘーズメ
ーターΣ80−NDHにて測定。 (5)耐煮沸性:評価サンプルを100℃の沸騰水に2
時間浸漬した後の外観変化、密着性を評価。 (6)耐熱性:評価サンプルを130℃の熱風循環乾燥
機中に1時間放置下の後の外観変化、密着性を評価。 (7)ポリオルガノシロキサン組成物のGPC分析:シ
ラノール溶液5gを氷浴中、10mmHg以下の減圧下で揮
発成分(主に水、及び有機溶剤;アルコール類、アセチ
ルアセトンなど)を除去する。次いでTHFに溶解して
濃度0.1%溶液にメスアップし、 0.1μのメンブラン
フィルターを通した後、GPC 分析した。 分析条件:機器 Shodex システム21(昭和電工) カラム(低分子量用):KF-803L×1本+KF-802.5×1本
+KF-801×2本 分子量測定範囲=200〜70,000 試料濃度:0.1%THF 溶離液:THF オーブン温度:40℃ 検量線標準物質:ポリスチレン
【0031】合成例1(ポリオルガノシロキサンの合
成) 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にメチルトリメトキ
シシラン272部、メタノール160部を加え、窒素雰
囲気下で氷冷して10℃以下とした。次に0.1%の酢
酸溶液400部を40分かけて滴下し、アルコキシシラ
ンの加水分解を行った。滴下終了後に、氷冷下で1時間
反応継続してから室温で3時間攪拌し、加水分解を完結
させた。得られたシラノール溶液に、メタノールシリカ
ゾル(粒径15μm、シリカ固形分30%)200部及
びイソプロパノール600部を加え、20〜50mmHgの
減圧下で、内温を35℃以下の条件でストリッピング
し、メタノール及び残存する水を除去した。最終的に得
られたポリオルガノシロキサン溶液(不揮発分20%)
は650部であった。さらに、この反応溶液を暗所40
℃、7日間縮合反応を徐々に進行させた。このポリオル
ガノシロキサン溶液のGPC分析を行った結果、1〜2
量体は存在せず、3量体が1.2%、4量体が13.5
%、5量体10.1%であった。このオリゴマー化反応
の間、各分子は直鎖状に連結したものと考えている。そ
して、この溶液を125℃、2時間硬化させた硬化物の
60〜90℃での線膨張率は10.0×10-5/℃であ
った。
【0032】合成例2(アクリル系樹脂プライマーの合
成) 攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、及び滴下ロート
を備えた反応器にジアセトンアルコール100部を加
え、攪拌しながら反応器内を窒素ガスにて十分置換し、
80〜90℃に加熱した。他方、トリメトキシプロピル
メタクリレート20部、メチルメタクリレート60部、
メチルアクリレート5部、酢酸ビニル5部、グリシジル
メタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリ
レート0.2部と開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)3部を滴下ロートに加え、1時間を要
して反応器内に徐々に加え、この間、攪拌と窒素ガスの
導入は継続した。その後、90℃で3時間反応継続し、
終了とした。そして、分子量(Mw)15万のポリメチル
メタクリレート20部と、溶剤としてのメチルイソブチ
ルケトン150部、酢酸セロソルブ150部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル110部、イソプロパ
ノール110部、ジアセトンアルコール50部を加え、
不揮発分15%とした。この反応溶液に紫外線吸収剤と
して2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノンを不揮発分
に対して12%と、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリ
アジン3%を加え、プライマー塗料組成物(P1)を得
た。このP1組成物100部に対してメチルメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
1,3−ブチレンジメタクリレート及重合開始剤として
のAIBNを表2に示した量で配合したプライマー塗料
組成物(P2〜P7)を得た。このP1〜P7組成物を
所定の方法によりアルミカップ中で硬化させ、これら硬
化物の線膨張率(60〜90℃)を測定し、結果を表2
に記した。また、本実験で使用したポリカーボネートシ
ート及びポリメチルメタクリレートペレットはそのまま
線膨張率の測定を行い、結果を表1に記した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1〜7 ポリカーボネートシート(0.5mm厚)に合成例2で得
たプライマー組成物P1〜P7を膜厚10μmで塗布
し、120℃、30分硬化させた後、合成例1で調整し
たポリオルガノシロキサン溶液を塗布し130℃、1時
間硬化させた。塗膜の1次評価(外観、密着性(碁盤目
試験)、耐熱性、耐煮沸性)及び耐候性試験結果を表3
にまとめた。
【0036】
【表3】
【0037】実施例8 ポリカーボネート樹脂(NF2000U、三菱ガス化学
(株)製)と2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−
トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノー
ル(チヌビン1577(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)社製))を3%含有するポリメチルメタクリ
レート(パラペットHR−L、クラレ(株)製)との共
押出を行い、シート厚0.5mm、ポリメチルメタクリレ
ート層の厚さ20μmの共押出シ−トを製造した。この
シートに合成例1で調整したポリオルガノシロキサン溶
液を塗布し130℃、1時間硬化させた。塗膜の1次評
価(外観、密着性(碁盤目試験)、耐熱性、耐煮沸性)
及び耐候性試験結果を表4にまとめた。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明のハードコート積層板及びその製
造方法は、プラスチック基材、アクリル系樹脂、及びハ
ードコート樹脂の線膨張率を特定の範囲にすることによ
り、プラスチック基材とアクリル系樹脂及び、アクリル
系樹脂とハードコートとの密着性に優れ、耐候性、耐薬
品性、耐擦傷性、耐汚染性に優れ、得られた塗膜は高光
沢で鮮映感のある仕上がりの良いハードコート積層板が
得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/00 C09D 183/00 G02B 1/10 G02B 1/10 Z (72)発明者 原田 正広 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 2K009 AA15 BB14 CC09 CC12 CC42 DD02 4F100 AA20C AA20H AK01A AK25B AK52C BA03 BA07 BA10A BA10C BA26 CA07B CA23C GB07 GB32 GB51 JA02 JB01 JK06 JK12 JL06 JL09 JN01 YY00 YY00B 4J002 BG001 BG061 EE036 EJ066 EU176 EU186 FD030 FD056 FD070 GC00 GF00 GL00 GN00 GP00 4J038 DL021 DL031 DL051 DL071 DL091 DL111 HA446 KA20 MA02 MA12 NA03 NA11 NA12 PA12 PB05 PB07 PB08 PC08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基材の少なくとも一方の面
    に紫外線吸収剤を0.01〜20%含有するアクリル系
    樹脂を1〜100μmの厚みで設けたアクリル積層基板
    にコロイダルシリカを含有するポリオルガノシロキサン
    組成物を塗布して、硬化させることを特徴とするハード
    コート積層板。
  2. 【請求項2】 プラスチック基材とアクリル系樹脂、及
    びアクリル系樹脂とポリオルガノシロキサン硬化物との
    線膨張率の差が0.01×10-5〜10×10-5/℃で
    あるハードコート積層板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012073803A1 (ja) * 2010-12-01 2012-06-07 富士フイルム株式会社 保護フィルム
JP2019194021A (ja) * 2014-12-18 2019-11-07 サン−ゴバン グラス フランスSaint−Gobain Glass France プラスチック製の車両付設部材を製造する方法

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