JP2002301336A - 気相反応方法及びその装置 - Google Patents

気相反応方法及びその装置

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JP2002301336A
JP2002301336A JP2001108345A JP2001108345A JP2002301336A JP 2002301336 A JP2002301336 A JP 2002301336A JP 2001108345 A JP2001108345 A JP 2001108345A JP 2001108345 A JP2001108345 A JP 2001108345A JP 2002301336 A JP2002301336 A JP 2002301336A
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gas
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Seiichi Kashiwabara
誠一 柏原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源と光触媒体を用いて気相中の有害物質や
悪臭を、気相反応により、簡便に、速やかに、長期間に
わたって連続的に分解除去する方法及びそのための装置
を提供する。 【解決手段】 光触媒体に光を照射させながら気相反応
を行う際に、光触媒体の表面に、断続的に水を塗布して
気相反応を行う。この装置は、光触媒体に水を散布する
手段及び水を散布する頻度を制御する手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相反応により空
気の浄化等を行う方法及びそれに用いる装置に関する。
詳しくは、例えば、家庭、オフィス、病院内等の室内空
間において、悪臭(調理臭、食品臭、タバコ臭、体臭、
ペット臭、トイレ臭、介護臭など)や揮発性の有害物質
(トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、パラジクロ
ロベンゼン、クロルピリホス、エチルベンゼン、スチレ
ン、フタル酸ブチルなど)を、連続的に、長期間にわた
って除去して、空気を浄化するための気相反応方法及び
それに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、酸化チタンをはじめとする光半導
体の光触媒作用を利用して、室内空間中の悪臭や有害物
質で汚染された空気を浄化する方法が数多く報告されて
いる。そのような例として、特開平2000−3257
98号公報に開示された光触媒装置などが挙げられる。
しかしながら、従来の技術にしたがって、長期間、連続
して利用しようとすると、触媒表面に付着した未反応物
や中間生成物によって、触媒による分解活性が徐々に劣
化するという問題があった。例えば、アセトアルデヒド
の気相分解においては、光触媒体の表面に過剰吸着した
未反応のアセトアルデヒドがアルドール縮合などによっ
て高沸点化合物として触媒表面に固着し、触媒表面に到
達する光量が減少して活性低下したり、トルエンの気相
分解においては、光触媒体表面に吸着したトルエンがベ
ンジルアルコールやベンズアルデヒドに変化して、アセ
トアルデヒドの場合と同様に、触媒活性を低下させる原
因となることが報告されている(Journal of Photochem
istry and Photobiology A: Chemistry 118, 197-204
(1998))。
【0003】一旦劣化した光触媒体の再生方法として、
420℃で触媒体を加熱処理することによって再生する
方法(Journal of Catalysis 196, 253-261(2000))、
アルカリ性水溶液で洗浄することによって再生する方法
(特開平10 −305214号公報)、洗浄された空
気を供給しつつ5mW/cm2以上の紫外線を照射する
ことによって再生する方法(特開平2 −284629
号公報)が開示されている。
【0004】しかしながら、これらの方法を用いて劣化
した光触媒を再生するには、主目的の光触媒分解反応を
中断し、再生のためだけの洗浄操作を講じる必要があっ
た。加熱やアルカリ水を使用して再生する場合は、光触
媒を固定した基材の耐熱性、耐アルカリ性などの物性に
関する条件も考慮する必要があった。また、光触媒反応
において、光触媒表面に存在する水は、従来いわれてい
るメカニズムにしたがえば、水酸基ラジカルの原料とし
て消費され、触媒反応に有利に働くことになるが、アセ
トアルデヒドガスの場合は、反応ガス中に含まれる水分
との競争吸着によって、水分子が触媒活性点を覆うため
か、むしろ湿度の高い条件では、分解活性が低下すると
いう現象があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光源
と光触媒体を用いて気相中の有害物質や悪臭を連続的に
分解除去する気相反応において、反応を中断することな
く、連続使用によって活性が劣化した光触媒体の触媒活
性を、簡便にしかも速やかに再生し、長期にわたって、
光触媒体の持つ初期分解活性を維持することのできる気
相反応方法及びそれに用いる気相反応装置を提供するこ
とである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、意外にも、光
触媒分解反応を中断することなく、光触媒体の表面に液
膜ができる程度もしくは湿る程度の水を塗布するだけ
で、速やかに触媒活性が初期の状態あるいはそれ以上に
再生できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1)光触媒体に光を照射させつつ気相反応を行う際
に、光触媒体の表面に、断続的に水を塗布することを特
徴とする気相反応方法。 (2)気相反応により室内の空気を浄化することを特徴
とする(1)記載の気相反応方法。 (3)気相反応により室内の空気中の悪臭や有害物質を
除去することを特徴とする(2)記載の気相反応方法。 (4)光触媒体が結晶性酸化チタンを主成分とする光触
媒体であることを特徴とする(1)記載の気相反応方
法。 (5)光触媒体がペルオキソチタン酸溶液を加熱して結
晶化することにより得られるペルオキソ基を含有するア
ナターゼ型酸化チタン分散液を用いて製造された光触媒
体であることを特徴とする(1)記載の気相反応方法。
【0007】(6)(A)気相反応器と、(B)気相反
応器内に設けられた、光触媒を担持した光触媒体、光触
媒を活性化する光源及び光触媒体に水を散布する手段
と、(C)光触媒体に散布する水を蓄えておく手段と、
(D)光触媒体への水の散布頻度を制御する手段とを有
する気相反応装置。 (7)(A)気相反応器と、(B)気相反応器内に設け
られた、光触媒を担持した光触媒体、光触媒を活性化す
る光源及び光触媒体に水を散布する手段と、(C)光触
媒体に散布する水を蓄えておく手段と、(D)光触媒体
への水の散布頻度を制御する手段と、(E)反応後の気
体成分を分析する手段とを有する気相反応装置。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、気相反応に供される気体としては、空気、特
に、家庭、オフィス、病院内等の室内空間において、悪
臭(調理臭、食品臭、タバコ臭、体臭、ペット臭、トイ
レ臭、介護臭など)や揮発性の有害物質(トルエン、キ
シレン、ホルムアルデヒド、パラジクロロベンゼン、ク
ロルピリホス、エチルベンゼン、スチレン、フタル酸ブ
チルなど)で汚染された空気が最も代表的である。本発
明で用いられる光触媒としては、TiO2、ZnO、S
rTiO3、CdS、CdTe、CdSe、GaP、I
nP、In23、WO3、Fe23、MoS2、Bi23
などの光半導体を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。これらの中でも、安定した光触媒
活性が得られる結晶性の酸化チタン(TiO2)が好ま
しい。
【0009】本発明で用いられる光触媒体は、上記の少
なくとも1つ以上の光触媒が、用途に応じて利用しやす
い形態に成形あるいは加工されたものである。例えば、
上記の光半導体が、粉末状、ペレット状、ディスク状、
繊維状などに成形されたもの、ガラス板、ガラス繊維、
タイル、セラミックス、無機多孔質体、布、不織布、金
網、樹脂板、繊維、紙、無機紙などの無機基材や有機基
材の表面あるいは内部に固定化されたものなどが挙げら
れる。基材に固定するために、光触媒体に無機バインダ
ーなどの難分解性の結着剤や界面活性剤などの添加物を
用いてもよい。
【0010】光触媒を固定するのに用いる基体の材料と
しては、特に限定されるものではないが、ガラス材とし
ては、例えば、ソーダガラス、石英ガラス、ホウ珪酸ガ
ラスなど、金属材としては、例えば、ステンレス、アル
ミニウム、銅、鉄、真鍮など、樹脂材としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポ
リアクリロニトリル、ポリカーボネート、ナイロン、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなどの熱可塑性
樹脂、及びエポキシ、メラミン、フェノール、ポリウレ
タン、ポリアミドなどの熱硬化性樹脂、さらにウレタン
ラバー、ブチルラバー、ニトリルラバーなどのエラスト
マーが挙げられ、またこれらの材料で被覆されたすべて
の基体、あるいはこれらの材料からなる塗料が塗布され
たすべての基体などが挙げられる。
【0011】コンクリート材としては、セメント硬化
体、発泡コンクリート、押出成型コンクリートなどが挙
げられ、タイル材として、無機焼結体、無機酸化物から
なる材料が挙げられる。光触媒を担体に固定化する方法
は、特に限定されるものではないが、例えば、酸化チタ
ンの固定化においては、有機チタネートを用いたゾルゲ
ル法により担体表面に固定化する方法や、加工成形した
金属チタンの表面を陽極酸化法により酸化チタンへ変性
させる方法や、超微粒子のアナターゼ酸化チタンを酸や
アルカリにより解膠し、バインダーを混合した水や有機
溶剤に分散した液を担体に塗布製膜する方法や、ペルオ
キソチタン酸溶液を加熱して結晶化することにより得ら
れるペルオキソ基を含有するアナターゼ型酸化チタン分
散液を担体に塗布製膜する方法などが挙げられる。
【0012】この中でも、ペルオキソチタン酸溶液を加
熱して結晶化することにより得られるペルオキソ基を含
有するアナターゼ型酸化チタン分散液を担体に塗布製膜
する方法は、担体の種類、形状、耐熱温度、耐アルカリ
性、耐酸性に影響されることが少なく、担体表面に密着
性よく、緻密なチタニア膜が形成できることから、より
好ましい。光触媒体の表面に塗布する水は、浄化された
水であれば特に限定されるものではないが、蒸留水など
水以外の添加物、イオン性物質をできるだけ含有してい
ないものが好ましい。
【0013】本発明で用いられる水の塗布方法は、光触
媒体全面に塗布できる方法であれば、特に限定されるも
のではなく、霧吹きなどを用いて手でスプレーしてもよ
く、スプレー、ローラー、滴下などの装置によって、機
械的に光触媒体に水を塗布する方法であってもよい。本
発明は、光触媒体の表面に断続的に水を塗布する点に特
徴があり、水を塗布する間隔は、浄化すべき汚染気体に
含まれる汚染物質の種類や濃度に依存し、また光触媒体
表面に接触する汚染気体の循環量に依存する。
【0014】本発明において「断続的に水を塗布する」
とは、光触媒体の触媒活性が無くなるまでの間に水を塗
布することを意味する。例えば、室内の空気浄化の場
合、光触媒体を用いて、単に気相反応を行っても触媒の
効果が発揮されない。触媒の効果を発揮させるために
は、光触媒体の表面に水を塗布して気相反応を行い、反
応系内の悪臭や揮発性の有害物質濃度が、気相反応の開
始前と開始後の間で、その差が無くなるまでの間に、水
を塗布する必要がある。好ましくは、塗布した水が十分
乾燥除去され、使用環境下での湿度と光触媒体表面の吸
着水が平衡状態になった時点から、悪臭などに対する効
果が長期使用によって実感されなくなった時点、より好
ましくは、汚染空気の光触媒によって浄化された空気
を、臭気センサーやガスクロマトグラフィー、ガス検知
管などで定量的に測定して、光触媒による浄化効果が無
くなった時点、又は著しく減少した時点までの間に水を
塗布する。
【0015】水塗布の間隔の目安として、光触媒体の色
で確認にすることもできる。光触媒体が、酸化チタンの
場合、通常、白色の色を呈しており、これが光触媒体の
連続使用によって、汚染物質が表面に付着してくると、
黄色へと変化していくので、イエローインデックスを用
いることができる。触媒活性劣化とイエローインデック
スとの定量的な相関関係は、用いられる光触媒体の形態
に依存するので明確な数式で表すことはできないが、定
性的に、光触媒体の初期状態のイエローインデックスと
反応経過後のイエローインデックスとの差が1を超えた
場合に、水を塗布することが好ましい。
【0016】イエローインデックス(YI)の測定方法
は、国際照明委員会(CIE)が採用しているXYZ表
色系(三刺激値)を測定できる色差計を用いて、次式で
表記される。 YI=100(1.28X-1.06Z)/Y 光触媒装置そのものを断続的に使用する場合は、使用開
始直前に上記方法に従って、光触媒体に水塗布すること
が好ましい。
【0017】一方、水塗布の間隔を設定する上で、湿度
の測定、ガス濃度測定、色差の測定などによる判定が装
置上、コスト上などの点から困難な場合は、便宜的に一
定の時間間隔で水塗布装置にタイマーなどを用いて塗布
することが可能である。この場合、塗布する具体的な時
間間隔は、処理するガスの濃度や種類にも依存するが、
例えば、数十ppb〜数十ppmのトルエン、アセトア
ルデヒド、ホルムアルデヒド、ベンゼン、キシレン、ジ
クロロベンゼン、エチルベンゼン、フタル酸エステル、
スチレン、メチルメルカプタン、硫化水素、イソ吉草
酸、アンモニア、トリメチルアミン、クロルピリホス、
トリクロロメタンなどが対象ガスである場合は、2時間
以上168時間以下が好ましく、より好ましくは、4時
間以上72時間以下、最も好ましくは6時間以上48時
間以下である。
【0018】本発明に用いられる水の塗布量は、光触媒
体の形状にも依存するが、平板の光触媒体であれば、そ
の表面が液膜で濡れた状態になる程度でよく、光触媒体
が繊維状、あるいは粉体状であれば湿る程度で十分であ
る。それより多いと液だれによる液滴を除外するための
処置が必要となり、少なすぎると触媒活性の再生が不十
分となる。水を光触媒体に塗布することによる、光触媒
体としての活性の効果の確認は、光励起された光触媒体
によって浄化された空気中に含まれる汚染ガス濃度の低
減度及び、汚染物質が分解されることによって発生する
炭酸ガスの発生量の定量によって評価される。特に、発
生する炭酸ガスの定量は、光触媒体によって、完全分解
に至った汚染物質の量を定量することになり、活性を評
価する上で、単純な光触媒体への吸着量も加味される汚
染ガス濃度の低減度を評価するよりも好ましい。
【0019】光触媒を活性化するのに用いられる光源
は、光触媒を活性励起する波長を持った光源であれば、
特に限定されるものではないが、光触媒として、酸化チ
タンを用いる場合は、380nm以下の波長を持った光
源を用いることが好ましく、白色蛍光灯、ブラックライ
ト、ケミカルランプ、殺菌灯、冷陰極菅、高圧水銀灯、
低圧水銀灯などが用いられる。光触媒体に水を散布する
手段としては、光触媒体の表面に均一に水を塗布できる
ものであれば、特に限定されるものではないが、エアー
スプレー、エアレススプレー、ロールコート、滴下装置
などが挙げられる。好ましくは、エアースプレー、エア
レススプレーなど水を霧状にして散布する手段が好まし
い。
【0020】散布する水を蓄えておく手段としては、光
触媒空気浄化装置を連続運転するに当たり、その運転期
間において、散布される水が積算量を賄うに十分な大き
さを備えた容器であればよく、水を蓄えておく容器の材
質は、プラスチック製、金属製、ガラス製など水で腐食
されないものであれば、特に限定されない。水の散布頻
度を制御する手段としては、光触媒空気浄化装置を使用
する空間の温度、湿度、汚染空気中に含まれる汚染物質
の種類、濃度、汚染空気の通風量、通風速度に依存し、
あらかじめ選択した運転条件で、運転した場合に想定さ
れる触媒劣化時間を推算し、その推算時間ごとに自動的
に、光触媒体に水を散布する手段に水を散布するように
信号を送る装置であればよい。
【0021】さらに好ましくは、光触媒体表面の色差を
測定する装置や通風路出口の空気の清浄度を測定するセ
ンサーなどが装備されており、それらの装置からの信号
を処理し、初期値との差から一定の閾値を超えると自動
的に光触媒体に水を散布する手段に、水を散布するよう
に信号を送る装置であればよい。気相反応器としては、
公知のものを用いることができる。気相反応器に気体、
例えば、汚染された空気を導入する場合、通風口の入口
において、光触媒体の活性をより効果的に用いるため
に、汚染空気中に浮遊する粉塵やオイルミストなどを除
去する除塵フィルターなどを設けることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0023】
【実施例1】テンパックス製の板ガラス(縦50mm×
横50mm×厚み2mm)に(株)アリテックス社製の
アナターゼ型酸化チタンゾル(TO240)をミカサ製
スピンコーターを用いて、膜厚約0.3μmに製膜し、
80℃、30分間の加熱乾燥した光触媒体Aを得た。こ
の光触媒体Aを内容積が長さ100mm、幅50mm、
高さ6mmの大きさで、上面が石英ガラス製である反応
セルに設置し、トルエンガス濃度16.7ppmの合成
空気を湿度50%RH、温度25℃、流速100ml/
minの反応条件で通気して、松下電器製のブラックラ
イトブルー蛍光灯10W×3本で上面の石英ガラス越し
に光触媒体に照射して、トルエンガスの光触媒による分
解試験を行った。
【0024】分解活性の評価に当たり、出口側のトルエ
ンガス濃度、及び炭酸ガス濃度をそれぞれ、島津製のガ
スクロマトグラフィー装置GC―14BとGC−8Aで
測定した。それぞれのガスクロマトグラフィーの測定条
件は、下記の通りである。 (GC−14B) 検出器:水素炎イオン化法 カラム:キャピラリーカラム DB―624(J&Wサ
イエンス社製) インジェクション/ディテクション温度:150℃ カラム温度:50℃、5分ホールド、10℃/min昇
温、200℃、1分ホールド (GC−8A) 検出器:水素炎イオン化検出法 カラム:パックドカラム(Porapak Q) メタナイザー:MTN―1 インジェクション/ディテクション温度:60℃ カラム温度:60℃
【0025】測定結果を図1に示す。図1によると、ト
ルエンの光分解反応開始直後、光触媒分解反応によって
発生した炭酸ガスの発生量は約14ppmであったが、
反応経過とともに、その発生量は徐々に低下し、反応開
始後700分では、約2ppmとなり初期の1/7まで
低下した。ここで、触媒表面に霧吹きにて蒸留水を光触
媒体の表面が液だれなく濡れる程度に塗布し、光分解反
応を継続した。水塗布20分後には、炭酸ガスの発生量
は約16ppmとなり、初期と同等かそれ以上の分解活
性を示した。すなわち、活性劣化した光触媒体に水を塗
布するだけで、光触媒反応を中断することなく、速やか
に触媒活性を再生できることがわかった。
【0026】
【実施例2】図2に示す気相反応装置を用いて気相反応
を行った。気相反応装置10は、光触媒を担持した光触
媒体1、光触媒体1の光触媒を活性化する光線を照射す
る光源2、光触媒体1の表面に水を散布する手段3、光
触媒体1に散布する水を貯めておく手段4、光触媒体1
に水を散布する頻度を制御する手段5を備えている。通
風する手段6により気相反応器7に送風された汚染され
た空気は、光源2により活性化された光触媒体1によっ
て分解浄化される。装置の運転を継続しながら、長期に
わたり光触媒体1の初期活性を維持するために、水を散
布する頻度を制御する手段5からの信号を受けて、3時
間周期に1秒間、断続的に、水を散布する手段3によっ
て、光触媒体1の表面に水を均一に塗布した。
【0027】散布する水は、蒸留水を散布する水を貯め
ておく手段4に注入して用いた。光源には、東芝ライテ
ック社製の冷陰極菅FC7BLB/300T12を2本
用いた。光触媒体には、ケージーパック社製のハニカム
型光触媒体を用いた。通風する手段6には、市販入手で
きるシロッコファンを用いて、風量1m3/hrに設定
した。水を散布する手段3には、アネスト岩田製のスプ
レーガンを用いた。水を散布する頻度を制御する手段5
は、タイマー制御されたON―OFFリレーに接続され
たエアーコンプレッサーを使用した。
【0028】
【発明の効果】本発明によると、光触媒体表面に水を塗
布するだけで、煩わしい操作をすることなく、速やかに
触媒活性の再生を実現し、長期にわたって光触媒体の持
つ初期分解活性を維持し、気相中の有害物質や悪臭を光
触媒反応によって連続的に分解除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による、ガスクロマトグラフィー分析
の結果を示す図。
【図2】実施例2で用いる本発明の気相反応装置の模式
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 B01D 53/36 ZABJ F24F 7/00 H G Fターム(参考) 4C080 AA07 AA10 BB02 BB04 CC02 CC05 CC12 CC13 CC14 HH05 HH09 JJ03 JJ06 KK08 LL03 LL10 MM01 MM02 NN01 NN02 NN22 NN26 NN27 QQ01 QQ17 4D048 AA17 AA21 AA22 AC10 BA07X BA13X BA41X BB01 BB02 BB03 BB07 BB08 CC61 EA01 4G069 AA01 AA08 BA00 BA04A BA04B BA14A BA14B BA17 BA22A BA48A CA17 EA01X EA02X EA03X EA09 EA10 EA11 EB14Y EB15Y EC22X EC22Y FA03 FB23 FB24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒体に光を照射させつつ気相反応を
    行う際に、光触媒体の表面に、断続的に水を塗布するこ
    とを特徴とする気相反応方法。
  2. 【請求項2】 気相反応により室内の空気を浄化するこ
    とを特徴とする請求項1記載の気相反応方法。
  3. 【請求項3】 気相反応により室内の空気中の悪臭や有
    害物質を除去することを特徴とする請求項2記載の気相
    反応方法。
  4. 【請求項4】 光触媒体が結晶性酸化チタンを主成分と
    する光触媒体であることを特徴とする請求項1記載の気
    相反応方法。
  5. 【請求項5】 光触媒体がペルオキソチタン酸溶液を加
    熱して結晶化することにより得られるペルオキソ基を含
    有するアナターゼ型酸化チタン分散液を用いて製造され
    た光触媒体であることを特徴とする請求項1記載の気相
    反応方法。
  6. 【請求項6】 (A)気相反応器と、(B)気相反応器
    内に設けられた、光触媒を担持した光触媒体、光触媒を
    活性化する光源及び光触媒体に水を散布する手段と、
    (C)光触媒体に散布する水を蓄えておく手段と、
    (D)光触媒体への水の散布頻度を制御する手段とを有
    する気相反応装置。
  7. 【請求項7】 (A)気相反応器と、(B)気相反応器
    内に設けられた、光触媒を担持した光触媒体、光触媒を
    活性化する光源及び光触媒体に水を散布する手段と、
    (C)光触媒体に散布する水を蓄えておく手段と、
    (D)光触媒体への水の散布頻度を制御する手段と、
    (E)反応後の気体成分を分析する手段とを有する気相
    反応装置。
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