JP2002301154A - 酸素療法に用いられる酸素吸入流量決定支援システム - Google Patents

酸素療法に用いられる酸素吸入流量決定支援システム

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JP2002301154A
JP2002301154A JP2001108004A JP2001108004A JP2002301154A JP 2002301154 A JP2002301154 A JP 2002301154A JP 2001108004 A JP2001108004 A JP 2001108004A JP 2001108004 A JP2001108004 A JP 2001108004A JP 2002301154 A JP2002301154 A JP 2002301154A
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oxygen
flow rate
saturation
oxygen saturation
patient
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Akira Makuta
章 幕田
Mika Sasakura
美香 笹倉
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】医師や患者への過剰な負担をなくしつつ,適切
な酸素吸入量を決定することができる酸素流量決定支援
システムを提供する。 【解決手段】人体から動脈血酸素飽和度を測定する測定
器16と,酸素ボンベや酸素濃縮器などの人体に酸素を吸
入する酸素吸入器の酸素吸入流量を前記測定器が検出す
る動脈血酸素飽和度に応じて自動可変制御する酸素流量
制御器20と,測定された動脈血酸素飽和度と制御された
酸素吸入流量とを記録する記録手段22と,記録された動
脈血酸素飽和度と酸素吸入流量とをグラフ化するグラフ
作成手段24とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素療法に用いら
れる酸素吸入流量決定支援システムに関し、特に、医師
や患者の負担を軽くしつつ最適な酸素吸入流量を決定す
ることができる支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】高度慢性呼吸不全を患っている患者に対
して,一定量の酸素を体内に吸入して呼吸不全に伴う様
々な臓器障害を回避する酸素療法が広く普及している。
特に,病態が安定し動脈血酸素ガスが一定値以下などの
条件を満たす患者には,患者宅に酸素吸入が可能な設備
を提供して,通常の生活を可能にする在宅酸素療法が適
用される。
【0003】かかる酸素療法において,酸素吸入流量を
適切に決定することが必要になる。過剰な酸素吸入流量
をできるだけ回避しながら,動脈血酸素ガスが一定のレ
ベルを下回らないような最低の酸素吸入流量を決定する
ことが要求されている。
【0004】また,動脈血酸素ガスを測定するために
は,患者から採血する必要があることから,採血を必要
としない動脈血酸素飽和度SpO2をパルスオキシメータを
利用して測定することが行われている。動脈血酸素飽和
度とは,血中のヘモグロビンと酸素との結合度であり,
一般に動脈血酸素ガス分圧と1対1に対応する。パルス
オキシメータに接続されたフィンガープローブに指先を
挿入することにより,酸素飽和度SpO2の測定を行うこと
ができ,採血を必要としないので患者の負担を軽くし,
安静時,労作時(歩行時),睡眠時の測定に便利であ
る。
【0005】慢性呼吸不全の患者は,安静時に酸素飽和
度が一定値を超えていても,歩行などの労作時や睡眠時
に著しい低酸素血症をきたす場合があり,労作時と睡眠
時において,適切な流量の酸素を吸入する必要がある。
労作時は,運動により酸素が消費され動脈血酸素飽和度
が低下し,また,睡眠時においては,深い眠りに入った
時に呼吸がなくなり酸素不足に陥るからである。それぞ
れの状況において,適切な酸素吸入流量を決定して,酸
素療法を実施する必要がある。そして,酸素吸入流量の
決定は,医師が行う医療行為である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】労作時の酸素吸入流量
を決定するために,患者にパルスオキシメータのプロー
ブを装着させて6分間歩行させ,連続的に酸素飽和度を
測定することが行われている。その場合,酸素吸入流量
を変えて,歩行中の酸素飽和度が一定値以上になる場合
の酸素吸入流量を見いだす必要がある。その場合,医師
が患者に付き添って,パルスオキシメータの酸素飽和度
をモニタしながら,酸素吸入流量を制御し,最適の酸素
吸入流量を決定することが行われる。
【0007】従って,最適の酸素吸入流量の決定には,
医師に過剰な負担をかけることになり,入院中の患者で
あれば可能かもしれないが,外来時の多忙な医師にかか
る負担を課すことは好ましくない。
【0008】また,睡眠時における酸素吸入流量の決定
は,睡眠時に所定の酸素吸入流量に設定した上で,睡眠
中の酸素飽和度のデータをパルスオキシメータのメモリ
に記憶させ,その後記憶した酸素飽和度データをグラフ
化して,酸素飽和度が一定値未満になる割合がチェック
される。そして,複数の酸素吸入流量に対するデータか
ら,最適な酸素吸入流量が決定される。従って,複数回
の睡眠時において,かかる酸素飽和度の測定を行う必要
があり,患者にとっても時間のかかるプロセスになって
おり,好ましくない。
【0009】そこで、本発明の目的は、医師や患者への
過剰な負担をなくしつつ,適切な酸素吸入量を決定する
ことができる酸素流量決定支援システムを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によれば、酸素流量決定支援システムにお
いて,人体から動脈血酸素飽和度を測定する測定器と,
酸素ボンベや酸素濃縮器などの人体に酸素を吸入する酸
素吸入器の酸素吸入流量を前記測定器が検出する動脈血
酸素飽和度に応じて自動可変制御する酸素流量制御器
と,前記測定された動脈血酸素飽和度と制御された酸素
吸入流量とを記録する記録手段と,前記記録された動脈
血酸素飽和度と酸素吸入流量とをグラフ化するグラフ作
成手段とを有することを特徴とする。
【0011】上記発明によれば、医師でなくても看護婦
や検査技師による検査により,酸素流量制御器が酸素飽
和度に応じて患者への酸素吸入流量を可変制御し,デー
タを記録し,グラフ化することができるので,医師はか
かる測定結果を参照して,患者の様態を考慮した上で適
切な酸素吸入流量を決定することができる。従って,医
師に過度の負担を課すことなく適切な酸素吸入流量を決
定することができる。また,睡眠時においても,かかる
酸素流量決定支援システムを利用することにより,睡眠
時における最低必要な酸素吸入流量の決定を容易にする
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。
【0013】図1は,本実施の形態例における酸素吸入
流量決定支援システムの構成図である。酸素ボンベや酸
素濃縮器からなる酸素吸入器10は,吸入バルブ12を
介してカニューラ14と呼ばれる吸入口から患者の体内
に酸素を吸入する。また,パルスオキシメータ16は,
動脈血酸素飽和度を測定する測定器であり,接続された
プローブを患者の指先に装着することで,採血すること
なく,動脈血酸素飽和度を測定することができる。な
お,パルスオキシメータ16は,酸素飽和度に加えて患
者の脈拍も測定することができ,測定データを記憶し後
に読み出すことができる。
【0014】酸素吸入流量決定支援システムは,更に,
パルスオキシメータ16が測定した酸素飽和度をモニタ
しながら,それに応じてバルブ12の開口を制御して,
酸素飽和度に応じて酸素吸入流量を自動で可変制御する
酸素流量制御器20を有する。従って,酸素流量制御器
20は,パルスオキシメータ16の測定データ出力端子
に接続され,流量制御出力が酸素吸入器10のバルブ1
2に供給される。
【0015】酸素流量制御器20は,可変制御した酸素
吸入流量とモニタした酸素飽和度とをメモリカード22
に記録する。このメモリカード22をグラフ化手段24
に装着することで,測定時間に対する酸素飽和度と酸素
吸入流量の変化がグラフ化されて,出力される。グラフ
化手段24は,例えばパーソナルコンピュータなどにイ
ンストールされたアプリケーションプログラムにより実
現される。
【0016】なお,メモリカード22は,必ずしも酸素
流量制御器20に脱着可能である必要はなく,酸素流量
制御器20とグラフ化手段24とをデータケーブルで接
続して,記録したデータをグラフ化手段に供給してもよ
い。或いは,可変制御した酸素吸入流量のデータは,パ
ルスオキシメータ16が内蔵するメモリに,酸素飽和度
データと共に記録されても良い。その場合は,パルスオ
キシメータ16がシリアルケーブルなどを介してグラフ
化手段24に接続され,記録データが提供される。
【0017】図2は,酸素流量制御器20の構成図であ
る。酸素流量制御器20は,内部バス36を介して,CP
U30と,酸素流量制御プログラムが格納されたROM32
と,ワークメモリ34と,医療機器インターフェース3
8と,メモリカードインターフェース40とが接続され
る。メモリカードインターフェース40には,メモリカ
ード22が装着され,医療機器インターフェース38に
は,パルスオキシメータ16の出力用シリアルケーブル
42と,酸素ボンベのバルブ12に接続される流量制御
用出力ケーブル44とが接続される。
【0018】図3は,酸素流量制御プログラムのフロー
チャート図である。患者の鼻にカミューラ14を,指に
パルスオキシメータ16のプローブ18をそれぞれ装着
した状態で,酸素流量制御器20に,最大酸素流量と,
目標酸素飽和度SpO2と,目標脈拍とを設定する。酸素流
量制御は,労作時または睡眠時において目標酸素飽和度
を下回らないような最低限の酸素流量を検出するため
に,最低の酸素流量を初期値として,モニタしている酸
素飽和度が目標値に達していなければ,一定時間毎に酸
素流量を増加するようにする。
【0019】理想的な酸素飽和度が,例えば95%であ
っても,肺の機能が低下した患者などは,酸素流量をい
くら高くしても酸素飽和度が理想値まで達することはな
い。そこで,医師の判断により理想値よりも低い酸素飽
和度の目標値があらかじめ設定され,過度に酸素流量が
高くならないようにする。また,医師の判断によりある
目標酸素飽和度に設定しても,患者の様態によっては,
酸素流量をいくら高くしても酸素飽和度が目標値に達し
ない場合もある。そこで,安全のために最大酸素流量値
をあらかじめ設定して,過度の酸素が体内に吸入されな
いようにする。
【0020】長期にわたる呼吸不全による低酸素状態が
続いた患者は,脈拍が高くなりがちで心臓が悪化してい
る場合がある。かかる患者の場合は,酸素吸入流量をい
くら高くしても脈拍数が一定値を下回ることがない。従
って,そのような患者に対しては,目標脈拍数があらか
じめ設定される。そして,パルスオキシメータが検出す
る脈拍数が目標値より下回らなければ,一定時間毎に酸
素流量を増加するように制御される。その場合でも,最
大酸素流量以上に酸素が吸入されないように制御され
る。
【0021】図3に戻り,最初は酸素流量が最低レベル
に制御され,単位時間経過するたびに(S12),酸素
流量制御器20は,パルスオキシメータ16からの酸素
飽和度SpO2が目標値未満か否かチェックし(S14),
目標値未満であれば,設定した最大酸素流量に達するま
で(S18)酸素流量を増加する(S20)。また,酸
素流量制御器20は,単位時間が経過するたびに,パル
スオキシメータ16が検出する脈拍数が目標値を超えて
いるか否かをチェックし,超えていれば,設定した最大
酸素流量に達するまで酸素流量を増加する(S20)。
そして,上記測定された酸素飽和度SpO2と脈拍数及び制
御された酸素流量とが,メモリカード22に記録される
(S22)。既に酸素流量が設定最大値に達している
と,それ以上の増量は行われない。
【0022】上記のように一定時間毎に酸素飽和度と脈
拍に応じて,酸素流量が制御され,測定時間を経過する
まで(S24)かかる酸素流量の制御が繰り返される。
そして,記録されたデータは,グラフ化手段24によ
り,医師による酸素流量決定を容易にするようにビジュ
アル化され,医師に提供される。
【0023】図4は,労作時における酸素飽和度の測定
例を示す図である。図4中,横軸は時間,縦軸は,酸素
飽和度SpO2と脈拍と酸素流量O2を示す。図4には,患者
Aと患者Bの測定例が示される。患者Aに対して,医師
の指示により最大酸素流量が2.0リットル,目標酸素飽
和度が95%,目標脈拍数が100と設定されている。患
者は,カミューラとフィンガープローブを装着して,歩
行を開始する。開始時は,酸素吸入流量O2は,最低レベ
ルの0.5リットルに制御される。
【0024】図3の制御プログラムに従い,酸素流量制
御器20は,一定時間経過後の時刻tにおいて,酸素飽
和度と脈拍数をチェックする。図4に示される通り,歩
行を開始した患者の酸素飽和度は90%から85%に低
下している。また,脈拍は100から120に増加している。
そこで,測定された酸素飽和度が目標値95%未満であ
ったため,酸素流量を1.0リットルに増加する。更に,
酸素流量制御器20は,一定時間経過後の時刻3tにお
いて,酸素飽和度と脈拍数をチェックする。ここでも,
酸素飽和度は回復しているものの目標値95%未満であ
るので,再度酸素流量を1.5リットルに増加する。その
結果,酸素飽和度SpO2は目標値の95%まで回復し,脈
拍も目標値の100を下回っている。そのため,次の時刻
5tにおいては,酸素流量制御器20は,酸素流量の増
加制御は行わない。そして,測定時間6tが経過して,
患者Aへの測定が終了する。
【0025】測定が終了すると,その間のデータが記録
されたメモリカードが,グラフ化手段24のパーソナル
コンピュータや携帯情報端末に装着され,図4のように
時間経過に対応してグラフとしてビジュアル化される。
その場合,グラフ化手段は,図示されるとおり,推奨す
る酸素流量値をあわせて表示することが好ましい。
【0026】医師は,図4のグラフを検討し,患者Aの
様態を考慮した上,適切な酸素流量を決定する。医師
は,看護婦や検査技師による検査により6分間歩行で測
定された酸素飽和度の測定値のグラフを見ながら,適切
な酸素流量を決定することができ,医師に過度の負担を
課すことが回避される。
【0027】患者Bに対して,患者Aと同じように初期
値が設定されたとする。患者Bの場合は,測定開始時は
患者Aと同様に酸素飽和度が低下し,脈拍が増加する。
それに応じて,酸素流量制御器20は,酸素流量を0.
5,1.0,1.5リットルと増加制御する。しかし,時刻5
tにおいて酸素流量が1.5リットルになっているにもか
かわらず,酸素飽和度は目標値の95%までしか上昇し
ていない。そこで,酸素流量を2.0リットルに上昇す
る。それにもかかわらず,酸素飽和度は93%程度まで
しか回復しないが,酸素流量が2.0リットルと設定した
最大流量に達しているので,酸素流量制御器20は,そ
れ以上酸素流量を増加することは行わない。それによ
り,患者の安全が確保される。
【0028】上記の例では,医師は,患者Aに対して,
適正酸素流量を1.5リットルと処方し,患者Bに対し
て,2.0リットルと処方することになる。或いは,医師
は,患者の病歴や様態を考慮して,測定結果とは若干異
なる酸素流量をそれぞれに決定する場合もある。
【0029】図5は,本実施の形態例における酸素流量
決定と機器発注処理のフローチャート図である。医療機
関では,患者に対して酸素吸入流量を酸素流量制御器2
0により制御させながら,パルスオキシメータ16が測
定する酸素飽和度SpO2と脈拍数を測定し記録する(S3
0)。この測定は,入院患者であれば,入院中の適切な
時間に行われ,外来患者であれば,例えば治療を待って
いる間やレントゲン室への移動時に医師が付き添うこと
なく行われる。
【0030】記録が終了すると,医療機関に設置されて
いるパーソナルコンピュータの酸素療法プログラムを起
動する(S32)。酸素療法プログラムは,図示しない
が,測定データのグラフ化メニューと発注メニューとを
有する。そこで,医療機関は,グラフ化メニューを選択
し,メモリカード22を酸素流量制御器20から抜き取
り,図示しないパーソナルコンピュータに装着して,測
定結果を入力する(S34)。その結果,酸素療法プロ
グラムのグラフ化機能により,図4に示したような測定
データがグラフ化される(S36)。
【0031】グラフ化された測定時間に対する酸素飽和
度,脈拍,酸素流量の変化を示した測定結果が表示さ
れ,或いはプリンタから出力され,医師に示される(S
38)。医師は,かかる測定結果を参照し,患者個々の
状態を考慮して,最適な酸素吸入流量を決定する(S3
8)。
【0032】次に,医療機関は,酸素療法プログラムの
機器発注メニューを選択し,機器発注フォームを表示す
る(S40)。機器発注フォームには,患者の氏名,住
所などの個人情報と共に,酸素療法に必要な労作時の酸
素吸入流量値が記入される。そして,機器発注要求ボタ
ンを押すことにより,その機器発注フォームに記入され
た情報が,機器発注要求とともに在宅医療管理センター
の管理コンピュータに送信される(S42)。管理セン
ターでは,かかる機器発注要求を受信すると(S4
6),同時に送られてきた情報を参照して,必要な酸素
吸入流量値に対応できる酸素濃縮器などの酸素供給器を
発注し,患者宅への配送を手配する(S48)。医療機
関は,機器発注フォームをプリンタなどで印刷出力し
て,保管する(S44)。
【0033】図6は,本実施の形態例における酸素流量
決定と機器発注処理の別のフローチャート図である。こ
の例は,医療機関に設置されたパーソナルコンピュータ
に酸素療法プログラムをインストールすることなく,測
定結果のグラフ化と発注を行うことができる。そのため
に,医療機関は,パーソナルコンピュータに標準的にイ
ンストールされているブラウザを利用して,在宅医療管
理センターのホームページにアクセスして,測定結果の
グラフ化と機器発注処理を行う。
【0034】図6に示されるとおり,医療機関は,酸素
流量制御器20を利用して,酸素流量を自動で可変制御
しながら酸素飽和度と脈拍のデータを記録する(S3
0)。そして,医療機関は,ブラウザを立ち上げて,管
理センターのホームページにアクセスする(S50)。
管理センターの管理コンピュータは,管理センターのホ
ームページを活性化し,その画像を返信する(S5
2)。管理センターのホームページには,測定結果をグ
ラフ化する解析ボタンが設けられ,医療機関は,ホーム
ページ上の解析ボタンをクリックし,要求メッセージに
従って,測定結果をメモリカード22から読み出して送
信する(S54)。
【0035】管理センターの管理コンピュータは,受信
した測定データをグラフ化し,更に解析して推奨酸素供
給流量を求め,それらを表示した画像データを返信する
(S56)。医療機関は,図4のような測定結果を表示
し,医師に提示する。医師は,その測定結果を参照しつ
つ,患者の様態などを考慮して最適な酸素吸入流量を決
定する(S58)。そして,医療機関は,機器発注フォ
ームを要求するボタンをクリックして,機器発注フォー
ム要求信号を管理センターのウエブサーバ(管理コンピ
ュータ)に送信する(S60)。管理コンピュータは,
機器発注フォームを返信する(S62)。このとき,医
療機関から患者IDが機器発注フォーム要求信号と共に送
信されていれば,管理コンピュータは,患者・機器デー
タベース50を検索して,患者の住所や病歴データなど
の患者情報を抽出し,発注フォームと共にそれらのデー
タも医療機関のコンピュータに返信する。
【0036】医療機関は,発注フォームに必要事項を記
入すると共に,医師が決定した酸素吸入流量値を入力す
る(S64)。このとき,前述したように患者情報が抽
出されていれば,発注フォーム内の患者名や住所などは
既に記入されて表示されるので,医療機関は,単に医師
が決定した酸素吸入流量を入力するだけでよい。
【0037】その後の処理は,機器発注要求の送信S4
2と,機器発注要求の受信S46と,機器の発注S48
と,機器発注フォームの出力S44とは,図5と同じで
ある。従って,図6の例では,測定データのグラフ化手
段は,管理センター内の管理コンピュータで実現され
る。
【0038】図7は,睡眠時の酸素飽和度の測定例を示
す図である。図4と同様に,横軸が時間,縦軸に酸素飽
和度と酸素流量とが示される。図7の例では,夜22時
から朝の6時までの測定された酸素飽和度と酸素流量制
御器により制御された酸素流量とが,グラフ化されてい
る。夜の23時過ぎに一時的に酸素飽和度SpO2が低下し
たため,酸素流量制御器20が酸素流量を0.5リットル
に増加している。更に,午前1時過ぎに再度一時的に酸
素飽和度が低下して,酸素流量が1.0リットルに増加し
ている。その後は,酸素飽和度の低下はあまりなく,明
け方の5時過ぎに酸素飽和度がわずかに85%を下回
り,酸素流量が1.5リットルに増加している。
【0039】この例の場合,グラフ化手段は,測定結果
を解析して推奨酸素流量を最後に制御された1.5リット
ル/分と表示している。しかし,医師は,例えば明け方
の酸素流量の増加はあまり必要ないと判断して,酸素吸
入流量を1.0リットル/分と処方する場合もある。あく
までも,酸素吸入流量の最終判断は医師に委ねられる。
【0040】図7のように,睡眠時において,酸素流量
制御器20が,患者の酸素飽和度や脈拍をモニタしなが
ら,自動的に酸素流量を増加するように制御するので,
その測定結果は,医師による最低必要な酸素流量の決定
に大いに役立てることができる。しかも,医師は,睡眠
時に患者に付き添う必要もない。尚,睡眠時の酸素吸入
器は,長時間に及ぶので,一般に酸素濃縮器が利用され
る場合が多い。従って,その場合,酸素流量制御器20
が酸素濃縮器に取り付けられる。
【0041】以上のように,本実施の形態例における酸
素流量決定支援システムを利用することにより,医師で
なくても看護婦や検査技師による検査により,酸素流量
を自動で可変制御しながらそのときの酸素飽和度データ
を取り,記録することができるので,医師による酸素吸
入流量の最終決定時において,その測定結果を示すこと
で,最適な酸素流量の決定に役立てることができ,医師
の負担を軽くすることができる。また,睡眠時の酸素飽
和度の測定も,1回の測定で,種々の酸素流量でのデー
タを得ることができ,睡眠時の最適な酸素流量値を見つ
けるための測定工程を減らすことができ,患者の負担も
軽くすることができる。
【0042】以上の実施の形態例をまとめると,以下の
付記の通りである。
【0043】(付記1)酸素療法における患者への酸素
吸入流量を決定する酸素流量決定支援システムにおい
て,人体への動脈血酸素飽和度を測定する測定器と,人
体に酸素を吸入する酸素吸入器の酸素吸入流量を前記測
定器が検出する動脈血酸素飽和度に応じて自動可変制御
する酸素流量制御器と,前記測定された動脈血酸素飽和
度と制御された酸素吸入流量とを記録する記録手段と,
前記記録された動脈血酸素飽和度と酸素吸入流量とをグ
ラフ化するグラフ作成手段とを有することを特徴とする
酸素流量支援決定システム。
【0044】(付記2)付記1において,前記酸素流量
制御器は,目標動脈血酸素飽和度を設定する手段を有
し,前記測定された動脈血酸素飽和度が当該目標値に達
していない場合に,前記酸素吸入流量を増加するように
自動可変制御することを特徴とする酸素流量決定支援シ
ステム。
【0045】(付記3)付記2において,前記酸素流量
制御器は,更に最大酸素吸入流量を設定する手段を有
し,前記測定された動脈血酸素飽和度が前記目標値に達
していない場合であっても,前記設定された最大酸素吸
入流量を超えて酸素吸入流量を増加しないことを特徴と
する酸素流量決定支援システム。
【0046】(付記4)付記1において,更に,人体か
ら脈拍数を検出する検出手段を有し,前記酸素流量制御
器は,目標脈拍数を設定する手段を有し,前記測定され
た脈拍数が当該目標脈拍数に達していない場合に,前記
酸素吸入流量を増加するように自動可変制御することを
特徴とする酸素流量決定支援システム。
【0047】(付記5)付記4において,前記酸素流量
制御器は,更に最大酸素吸入流量を設定する手段を有
し,前記測定された脈拍数が前記目標値に達していない
場合であっても,前記設定された最大酸素吸入流量を超
えて酸素吸入流量を増加しないことを特徴とする酸素流
量決定支援システム。
【0048】
【発明の効果】以上、本発明によれば、慢性呼吸不全の
患者に対する医師による酸素療法の酸素吸入流量の決定
を効果的に支援することができる。また,医師や患者の
負担を軽減することができる。
【0049】本発明の技術的範囲は,上記の実施の形態
例に限定されることはなく,特許請求の範囲に記載され
たものとその均等物に及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例における酸素吸入流量決定支援
システムの構成図である。
【図2】酸素流量制御器20の構成図である。
【図3】酸素流量制御プログラムのフローチャート図で
ある。
【図4】労作時における酸素飽和度の測定例を示す図で
ある。
【図5】本実施の形態例における酸素流量決定と機器発
注処理のフローチャート図である。
【図6】本実施の形態例における酸素流量決定と機器発
注処理の別のフローチャート図である。
【図7】睡眠時の酸素飽和度の測定例を示す図である。
【符号の説明】
10 酸素吸入器 16 パルスオキシメータ,酸素飽和度測定器,脈
拍測定器 20 酸素流量制御器 22 記録手段 24 グラフ化手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C038 KK01 KL05 KL07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素療法における患者への酸素吸入流量を
    決定する酸素流量決定支援システムにおいて,人体から
    動脈血酸素飽和度を測定する測定器と,人体に酸素を吸
    入する酸素吸入器の酸素吸入流量を前記測定器が検出す
    る動脈血酸素飽和度に応じて自動可変制御する酸素流量
    制御器と,前記測定された動脈血酸素飽和度と制御され
    た酸素吸入流量とを記録する記録手段と,前記記録され
    た動脈血酸素飽和度と酸素吸入流量とをグラフ化するグ
    ラフ作成手段とを有することを特徴とする酸素流量決定
    支援システム。
  2. 【請求項2】請求項1において,前記酸素流量制御器
    は,目標動脈血酸素飽和度を設定する手段を有し,前記
    測定された動脈血酸素飽和度が当該目標値に達していな
    い場合に,前記酸素吸入流量を増加するように自動可変
    制御することを特徴とする酸素流量決定支援システム。
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