JP2002301133A - 医薬用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いるゴム組成物又はその架橋体 - Google Patents
医薬用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いるゴム組成物又はその架橋体Info
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Abstract
用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いられるゴム組成物又
はその架橋体を提供すること。 【解決手段】 イソブチレン共重合体を主成分とし、密
度が0.95以下である、ゴム組成物であって放射線処
理が容易な医薬用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いるゴ
ム組成物又はその架橋体。
Description
ム組成物並びにその架橋体に関し、詳しくは医療用、医
薬品用器具に使用するゴム組成物で、特に放射線処理が
容易な主成分がイソブチレン共重合体からなる医薬用ゴ
ム栓、医療用ゴム製品に使用するゴム組成物及びその架
橋体に関する。
けるゴム類の使用は、古くは天然ゴムから始まったが、
漸次合成ゴム類が多用されるようになり、現在では熱可
塑性エラストマーや合成樹脂類等との混合物までもが広
く用いられている。この種のゴム組成物製品(以下ゴム
製品と略す)の試験法としては「日本薬局方」第13改
正(JP13と略す)に48輸液用ゴム栓試験法、49
輸液用プラスチック容器試験法があり規格合格値が定め
られている。また、日進月歩の医療用品、医薬品用具分
野においては、更に高品質の素材、製品が要求されてい
る現状である。
ン共重合ゴム(以下「IIR」と略すこともある)が衛
生ゴム製品に好適な素材として推奨されているが、II
Rの架橋は極めて困難であるため、強力な架橋剤、架橋
助剤の組合せが必要とされている。そのような組合せ
は、例えば、R.T.Vanderbilt, "RUBBER HANDBOOK", the
Vanderbilt (1968年発行) 、合成ゴム加工技術全書第8
巻,「ブチルゴム」,(株)大成社(昭48年刊)等に記
載されている。
る接着剤の製法(特開昭60−130665号公報)、
キノイド,有機過酸化物,アクリロイルモノマーの三者
を共存させるIIRの架橋方法(特開昭62−7493
4号公報)、有機過酸化物と電子吸引基を有する多官能
性モノマー共存によるIIRの架橋(特開平6−172
547号公報)などの技術がある。特に高い衛生性を要
求される分野のゴム製品用としては、IIRに超高分子
量ポリエチレンの微粉末を配合してなるゴム製品(特開
昭60−144346号公報)、特殊な有機過酸化物と
マレイミド類との併用によるIIRの架橋(特開平4−
213347号公報)等が知られている。
耐気体透過性に最も優れたブチルゴムの使用が、高度な
密封度を要求される医薬用ゴム栓の素材として最適であ
ることも明らかである。また、注射剤用容器(日本薬局
方ではゴム栓も容器として定義されている)や、医療用
具滅菌の方法として、ISOガイドラインや日本薬局方
に高圧スチーム滅菌、酸化エチレンによるガス滅菌及び
放射線滅菌が記載され、医薬用ゴム栓には専ら高圧スチ
ーム滅菌法が用いられ、プラスチック製の医療用具等に
はガス滅菌及び放射線滅菌が行われている。しかし、ガ
ス滅菌は容器や用具内の残留ガスの安全性がFDA等で
問題視されており、また、滅菌工程の管理項目が、ガス
濃度、ガスの温度分布等そのコントロールやバリデーシ
ョンが困難で、滅菌完全性 (Sterilization Integrity)
の検証が難しいとされている。古くより注射剤のガラス
容器やそのゴム栓、耐熱性プラスチック製医療用具では
その滅菌は、通常、高圧スチーム滅菌(オートクレーブ
滅菌)で行われているが、オートクレーブ内温度の均一
性管理の面で問題があり、そのシステムの改善がされて
いる。
際しては、最終製品で無菌試験が義務付けられており、
この試験に適合しなければ製品の出荷は出来ない。これ
は医療用具の製造工程で生産性向上に大きなネックとな
っている。無菌試験はその試験結果が分かるまでに2週
間を要し、その間、無菌製剤用容器の場合などにおいて
は、次工程である薬剤の充填工程に進めないことにな
る。近年、米国FDAなどよりParametric Release(係
数管理で出荷出来る)、つまり、その工程の精度を決定
する重要要因(Parameter) をコントロールし、管理状態
を確認、記録することが、無菌試験での適合結果と等価
であるとの考え方が提唱され、その最初の事例として、
放射線利用による滅菌操作があり、この方法で滅菌した
製品の場合には、注射剤容器や医療用具などの被滅菌物
の吸収線量の測定、記録によって無菌試験の結果を待た
ずに製品の使用、及び出荷が認められる様になってい
る。この考え方をDosimetric Release(線量測定で出荷
出来る)と言う。
結合やビニリデン型構造の有無、架橋方法、四級炭素の
有無など、によって耐放射線性に大きな違いがあり、主
鎖に二重結合のないEPM、EPDM(エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロピレン−ターポリマー)
は、ゴムの加工上加硫性に問題があるが、耐放射線性に
優れた合成ゴムである為、医療用具用ゴム製品の素材に
用いられている。特開昭62−176455号公報とし
て、本発明者らによって開示されている。一方、医薬用
ゴム栓の素材として最適なブチルゴムの化学構造は、主
鎖のイソブチレン部分に四級炭素を持っており、そのた
め放射線など高いエネルギーをゴム分子に与えた時、ポ
リマーラジカルが発生し、イソブチレン部分から切断さ
れ、結果的に酸化劣化を起こす。この化学現象は、塩素
や臭素で化学修飾したブチルゴムの場合には、より起こ
り難い傾向にはあるが、他のどの合成ゴムに較べても耐
放射線性に劣ることは変わらない。
(SAL)は、通常、10-6で設定されており、放射線
の照射線量も25kGyで運用している場合が多い。放
射線にはα線(ヘリウムの原子核)、β線(電子流)及
びγ線があるが、滅菌には加速器で作られたβ線(電子
線)や、60Coや 137Csから発生するγ線が用いられ
ている。電子線はその線量率が極めて高いので(γ線の
数万倍)、滅菌処理時間は短いが、粒子線である為に透
過力が小さい。一方、γ線(X線も同じ)は電磁波の一
種であって、透過力は大きいが、線量率が電子線に較べ
て小さいので、処理時間が長い。透過力の大きいγ線で
ゴム製品を滅菌する場合、ダンボール箱で外包した見掛
けの容量の大きな物品も容易に照射滅菌が可能である
が、γ線は線量率が低いので、所定の線量を照射するに
要する処理時間も数時間に及ぶ。照射時間が長いこと
は、被照射物(被滅菌物)である医薬用ゴム栓に対する
延べ照射時間が長いことであり、その分、ゴム中のポリ
マーラジカルや、パーオキシラジカルに(ゴム自体が)
長時間曝されることであり、前述した酸化劣化を引き起
こすこととなる。
を上げて滅菌保証レベルを高めることと、ゴム材質の劣
化を抑制することはゴム技術において二律背反的な命題
であって、放射線滅菌をする上で解決しなければならな
い重要な課題であった。本発明は上記従来技術の課題を
解決するためになされたものであって、滅菌のために行
われる放射線処理に適する医薬用ゴム栓又は医療用ゴム
製品用のゴム組成物又はその架橋体を提供することを目
的とする。更に本発明は、イソブチレン共重合体を主成
分とし、密度が0.95以下であるゴム組成物に放射線
を照射し、該組成物の架橋又はその架橋体の滅菌を行う
処理方法を提供することを目的とする。
る各発明により達成することができる。 (1)イソブチレン共重合体を主成分とし、密度が0.9
5以下である、ゴム組成物であって放射線処理が容易な
医薬用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いるゴム組成物又
はその架橋体。 (2)主成分のイソブチレン共重合体がイソブチレン−イ
ソプレン共重合体(IIR)、塩素化イソブチレン−イ
ソプレン共重合体(C−IIR)、臭素化イソブチレン
−イソプレン共重合体(B−IIR)、架橋イソブチレ
ン−イソプレン−ジビニルベンゼン三元共重合体(XL
−IIR)であり、イソブチレン共重合体が臭素化イソ
ブチレン−パラメチルスチレン共重合体(BIMS)で
あって、且つこれらの群から選ばれた単独又は2種以上
を併用してなる上記(1)に記載のゴム組成物又はその
架橋体。 (3)イソブチレン共重合体を主成分とし、密度が0.9
5以下であるゴム組成物に放射線を照射し、該組成物の
架橋又はその架橋体の滅菌を行うことを特徴とする処理
方法。
合体とはイソブチレン基95〜99.5重量%と、イソ
プレン基0.5〜5質量%とからなる共重合体を意味
し、通常IIRと略されている。米国特許第23561
28号、米国特許第3816371号明細書には、イソ
プレン基含有量が30重量%に増量されたIIRが提案
され、このような商品が市販されていた時期もあった
が、重合物の価格と用途が適合せず現在市場からは消え
ている。そこで本発明ではIIRとして一般的に市販さ
れているものを対象としている。IIRの特徴はそのイ
ソブチレン基に由来するところが大きく、不飽和度は
0、気体透過性が極めて少なく、濃硫酸、濃塩酸等の強
酸、濃NaOH等の強アルカリ、H2 O2 等の過酸化物
等により侵されることがなく化学的に安定であり、耐熱
性を有し、粘着性の強い、優れたゴムである。本発明に
係るイソブチレン共重合体においてイソブチレン基は下
記化1の一般式で示される繰り返し単位で表される。
50,000である。IIRは架橋が極めて困難である
ため、易架橋性とするために、IIRを溶媒に溶解した
後に塩素ガス、又は臭素ガスを通すことにより塩素置換
又は臭素置換したイソブチレン・イソプレン共重合体の
塩素化物(CIIR)又はイソブチレン・イソプレン共
重合体の臭素化物(BIIR)とするかあるいはイソブ
チレン・パラメチルスチレン共重合体の臭素化物(BI
MS)とするか、そのほかにも、IIRをジビニルベン
ゼンにより部分架橋したイソブチレン・イソプレン・ジ
ビニルベンゼン三元共重合体(XL−IIR)とするこ
とが知られている。従って、本発明にいうイソブチレン
・イソプレン共重合ゴム類としては、具体的には上記I
IR、BIIR、CIIR及びXL−IIRが挙げら
れ、以下これらを総称して「IIR類」と言う。
R、XL−IIR及び New type BIIRの構造式を示
す。
ブチレン−イソプレン共重合体(IIR)やそれらの塩
素化物(C−IIR)及び臭素化物(B−IIR)又は
臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体(B
IMS)を用いる事が出来るが、なかんずく耐放射線性
に優れたイソブチレン・イソプレン・ジビニルベンゼン
三元共重合体(XL−IIR)の使用が最も好ましい。
共重合体を主成分として用いるが、通常高密度ポリエチ
レン、超高分子量ポリエチレン、メチルペンテンポリマ
ー(TPX)、ポリブテン−1、スチレン−エチレン−
ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、エ
チレン−プロピレン共重合体(EPM)、環状オレフィ
ンホモポリマー(COP)、環状オレフィン−エチレン
共重合体(COC)等の熱可塑性樹脂(プラスチック又
は熱可塑性ゴム(TPR)を10〜50質量%の割合で
配合することができる。
合体が当該医療用・医薬品用ゴム組成物全量中70〜8
0質量%であることが特に好ましい実施態様である。ま
た、本発明においては上記ブチルゴム又はイソブチレン
共重合体100重量部に対しさらに、無機系補強剤及び
/又は充填剤が3〜7質量部配合され、重金属化合物が
配合されていないことが他の特に好ましい実施態様であ
る。本発明はさらに本発明の上記ゴム組成物が架橋され
てなることを特徴とする医療用、医薬品用ゴム製品を提
供するものであり、上記架橋は自然架橋、加熱、光照射
及び/又は放射線照射から選ばれる1以上の架橋手段を
用いて静的及び/又は動的に1回以上架橋することが特
に好ましい。
とができる。架橋剤としては通常は有機過酸化物を用い
る。例えば、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルク
ミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、又は同ヘキシン−3,t−ブチルペルオキシイソプ
ロピルカルボナート、ベンゾイルペルオキシド、ジt−
ブチルペルオキシド、2,2’−ジt−ブチルペルオキ
シブタン、ジイソブチルペルオキシド、3−ベンゾイル
ペル−オキシ−3−メチルブチルトリエチルシラン、過
トリメリット酸トリ−t−ブチルエステル、3,3’,
4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)
ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルペルオキサイド、t−
ブチルペルオキシベンゾエート、2,5−ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン等が挙げら
れる。
ン共重合体の割合は70〜80質量%である。70質量
%未満では該共重合体類の特性、即ちポリイソブチレン
の気体不透過性、耐熱性、高粘調性、化学的安定性など
の特徴がなくなり、80質量%を超えると製品の変形、
圧縮歪量などが大きくなるため、医療用、医薬品用器具
材料として好ましくないからである。
の存在割合は、IIR類又はイソブチレン共重合体10
0質量部に対し0.5〜5質量部である。0.5質量部
未満では圧縮歪量などの歪量が大きくなり、本発明の用
途には不適当となる。また5質量部を超えると高価格な
添加剤の配合量が多くなり経済上不適当である。
他の配合剤として無機系補強剤及び/又は充填剤、有機
系補強剤及び/又は充填剤、老化防止剤、安定剤等から
選ばれる1種以上を、IIR類又はイソブチレン共重合
体100質量部に対し合計量で0.5〜50質量部添加
することができる。該無機系補強剤としては、例えばシ
リカ系充填剤、クレー類、酸化チタン等が挙げられ、ゴ
ム類の架橋の際の熱電導性を良くするので架橋が均一に
行われ、製品の変形防止効果を示す。配合量は、IIR
類又はイソブチレン共重合体100質量部に対して、無
機系補強剤は3〜7質量部が好ましい。7質量部を超え
るとゴム製品表面から微粒子を生ずる原因を生じ好まし
くなく、3質量部未満では上記の効果を奏し難い。
鉛、カドミウム、白金など比重6.0以上の重金属類は
配合しない。鉛系化合物、例えば過酸化鉛、酸化鉛等や
塩化白金酸、コロイド白金、塩化スズなどは、IIR類
又はイソブチレン共重合体の架橋時間を短縮したり架橋
密度を向上する架橋助剤として作用する例が知られてい
るが、本発明においては、最終ゴム製品としての使用分
野において重金属の存在は避けるべきものであるから、
架橋効果があっても使用しないのである。また、この不
使用により衛生性が高く、各種公定書の規格に合格する
ゴムとなるのである。
機系補強剤、老化防止剤、安定剤等を加えることができ
る。特に好ましい有機系補強剤としては、超高分子量ポ
リエチレン粉末(例えば、商品名ハイゼックスミリオン
メター240)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレ
ン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブタジエ
ン(BR)、1,2−結合スチレンブタジエンゴム(S
BR)、ポリスルホン系樹脂(例えば、商品名VDE
L)などが挙げられ、1種以上をIIR類又はイソブチ
レン共重合体100質量部に対して20〜30質量部使
用することができる。
グ剤(例えば、ビニルトリメキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、テトラキス(2−
エチルヘキシ)チタネート、ジプロポキシ−ビス(アセ
チルアセトナト)チタン〔チタンアセチルアセトナー
ト〕、硫黄、ステアリン酸、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、1,2−ポリブタジェン、m−フ
ェニレンビスマレイミド、酸化マグネシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、ビス(2−ジエチルアミノ)−4,6−
ジメルカプト−s−トリアジン)などから選ばれる1種
以上をIIR類又はイソブチレン共重合体100重量部
に対し、0〜5重量部添加することができる。
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、n−オクタデシル
−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−
3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕メタン等から選ばれる1種以
上をIIR類又はイソブチレン共重合体100重量部に
対して0.05〜1重量部添加することができる。
薬品用具の種類、要望される性質、効果、成形加工の機
械、機具、生産性、単価など多くの要因によって変動す
るからである。IIR類は成形、架橋が最も困難なもの
の一つであるので、製品の設計には多くの要因を組合せ
て医療用、医薬品用に最適な特性を有するゴム製品とす
ることが肝要である。
する静的架橋、あるいは押出機、インターナルミキサ
ー、カールなどによる動的架橋の後に成形する方法のい
ずれによってもよい。架橋手段としては加熱、光照射、
放射線照射を用いることができる。熱架橋の場合、金型
中で温度140〜200℃に加熱して架橋成形する方
法、あるいはインターナルミキサーや押出機中で140
〜300℃で加熱して動的架橋した後に成形する方法が
ある。
0kGyの照射、特に電子線照射により行うのが好まし
い。特別なケースとして、架橋剤を通常実施の範囲の組
成物100質量部に対して0.5質量部以上の静的架橋
及び動的架橋に必要な最小量を使用して成形した物品
を、成形金型から取り出した後、架橋体の打ち抜き前の
シート状或いは、個別の架橋体に打ち抜いた上で、その
組成物の特性に従い吸収線量が50kGy〜200kG
yの範囲で、電子線を照射して再架橋してもよい。架
橋、成形して得られた本発明のゴム製品は、その後洗
浄、場合によれば殺菌等の公知医療用品、医薬品用製品
としての処理を行う。具体的な架橋条件、後処理等は後
述の本発明実施例で具体的に説明される。
組成物の架橋又はその架橋体の滅菌処理のため放射線処
理を行うが、その耐放射線性は構成樹脂成分の物性化学
構造、二重結合やビニリデン型構造の有無、架橋方法、
四級炭素の有無等によって異なる。ここで放射線として
は、α線(ヘリウムの原子核)、β線(電子線)及びγ
線があるが、滅菌には加速器で作られたβ線(電子線)
や、60Coや 137Csから発生するγ線が好ましい。電
子線はその線量率が極めて高いので(γ線の数万倍)、
滅菌処理時間は短いが、粒子線である為に透過力が小さ
い。一方、γ線(X線も同じ)は電磁波の一種であっ
て、透過力は大きいが、線量率が電子線に較べて小さい
ので、処理時間が長い。透過力の大きいγ線でゴム製品
を滅菌する場合、ダンボール箱で外包した見掛けの容量
の大きな物品も容易に照射滅菌が可能であるが、γ線は
線量率が低いので、所定の線量を照射するに要する処理
時間も数時間に及ぶ。先に述べたように、ゴム加硫物
(ゴム製品)を滅菌するために、放射線を照射する時、
照射線量(吸収線量)が大きい程、ゴム製品に与える影
響が大きく、特にブチルゴム(IIR類)の場合は、こ
の傾向があるので被滅菌品の微生物汚染度が高い(付着
菌数が大きい)時は必然的にその照射線量の下限値が高
く設定されなければならない。
具(Medical Devices)や、Helth Care Products (注射
剤容器)を放射線滅菌しようとする場合、製品1個当た
りの全付着菌数が100個以下でなければならないとい
う規定がある。Bacillus PumilusのDo値が1.7kG
yであり、全付着菌が総て容器の内面に在るとして、理
論的に生き残り菌数は3.4kGyの線量で、99×1
0-2個>、10.2kGyでは99×10-6個>と予測
される。現在、ポリプロピレン製注射器や、ポリカーボ
ネート製人工透析器などのプラスチック製医療用具の放
射線滅菌には25kGy照射されているが、本発明にお
いて、医薬用ゴム栓又は医療用ゴム製品の滅菌が目的で
放射線照射を行う場合には、一般的にはその照射線量と
して5kGy〜30kGyの照射が適当である。ガンマ
ー線はその透過率が高い(減衰率が小さい)ことから、
ガンマー線の入射面とその裏面上や隣接する再入射面の
吸収線量の間に、あまり差が生じないため、つまり、多
数の被照射物品を単一包装した包装形態のまま、均質に
滅菌する方法として好ましい手法であり、電子線の照射
はその線量率が大きいので、生ゴムの架橋法(ポリマー
・ラジカルの生成を利用した)として、従来技術の架橋
剤の添加量を極度に低減させることができるため、成形
済みのTPE(TPR)の二次架橋(又は、後架橋とも
云う)や、実施例4〜6(表1)の様に、予備成形(一
次成形段階で加熱)加圧により架橋して、原形のみ成形
するのに必要な、極く微量な架橋剤を添加して得た成形
物に対し、更に電子線を照射する事(二次架橋)によっ
て、医薬、医療用ゴム製品の最終的な目標品質、特性レ
ベルまで高める事可能な手法である。
性に優れたブチルゴムから成る医薬用ゴム栓などを、放
射線の照射によって滅菌する時、その最適な滅菌条件と
しては、線源が電子線であって、被滅菌物の表面の微生
物汚染度が低いことを一義的条件として、滅菌可能な限
り低い線量を短時間の照射することで、十分に電子線を
透過させる為にゴム材質の比重を小さく設計したゴム
栓、特に密度を0.95以下とする場合に放射線の透過
が容易で放射性処理が効果的に進み樹脂の酸化劣化が少
ないという事実を発見し本発明に到達したものである。
ここで、酸化劣化はポリマーラジカルが、溶存又は外部
より拡散して来た酸素と反応してパーオキシラジカル
(−O* *O−)となるとき、四級炭素部分が切れて、
R〜−C=Oとなり、分子主鎖が切れて低分子量化する
現象(経時で起きる現象)と、放射線(γ線、電子線)
が直接、主鎖を切断する現象(照射直後に起きる現象)
により起こる。
密度を0.95以下とするには、IIR類の中で密度の
大きさはIIR<C−IIR,B−IIR<XL−II
Rの関係にあるからこれらの配合成分割合を調節する
か、そのほか配合される熱可塑性樹脂、有機系補助剤、
充填剤等の配合割合を調節することによりd≦0.95
を実現することができる。
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に
示される処理方法、測定方法を以下に説明する。
方に従って、配合した(未架橋又は未加硫の)組成物
を、架橋条件によって厚さ10mm、タテ×ヨコ、10
0mm×100mmの架橋(又は加硫)ゴム板を架橋成
形して試料aとした。また、更に試料aを縦10mm×
横10mmに切断し、医薬用ゴム栓の公定基準(日本薬
局方第13改正、輸液用ゴム栓試験法、溶出物試験)に
適合する様、洗浄処理を施して、試料bとする。同様に
して、笠径(又はフランジ径)が20mmφ、脚径が1
3mmφ、フランジ厚3mmの医薬用ゴム栓を成形し、
所定の洗浄処理したものを調製し、試料c(ゴム栓型)
とした。試料aは電子線又はガンマー線の透過線量(照
射面の裏面に到達した)の測定用として用い、また、試
料bは公定法試験(日本薬局方)の化学試験に、試料c
はゴム栓の物理試験(機能性試験)に供した。
件:ガンマー線照射条件 ガンマー線照射用箱型台車中に、垂直に固定した支持板
(厚さ40mmのダンボール板)に、試料a(板状)又
は試料c(ポリエチレン袋入りのゴム栓形状)を装着す
る。試料の照射表面の一部及び、その裏面に測定線量計
(Harwell RedPerspex Dosimeter Type4034 Batch FC)
を貼付した後、照射用箱型台車を線源6 0Co(コバルト
60)の前を通過させて、試料に表面予定線量25kG
yのガンマー線を照射した。
m×950mmSUS製カート)のカート支持材(厚さ
40mmのダンボール板)上に、試料a、又は試料b、
あるいは試料cを乗せる。試料の照射表面の一部及び、
その裏面にCAT線量計FTR−125(富士写真フィ
ルム社製)を設置し、各照射パラメータを、加速電圧
5.0MV、電流25mA、カート外周速度15m/m
inに設定した5MeVダイナミトロン型電子加速器
(米国・RDI社製)で、表面予定線量25kGyで電
子線を照射した。
の測定:線量測定装置U−2000分光光度計(日立製
作所製)を用いて、ガンマ線照射及び電子線照射試験に
用いた、全ての線量計について、吸光度を測定し、予め
作成した検量線に基づき、吸収線量を算出する。
さ10mmのゴム片から、厚さ1mm×幅2mm×長さ
10mmのサンプルゴム片を切り出し、サンプルゴム片
の約10〜20倍の容量のシクロヘキサンを注いで、サ
ンプルゴム片が試験管内壁に接触しない様に絹糸で吊る
した状態で浸積し、密栓する。試験管全体を20〜30
℃に保ちながら時々(8時間おき位の間隔で)サンプル
ゴム片を取り出して、濾紙でその表面を素早く拭き取
り、秤量瓶に入れて重量を精秤し、記録する。以上の操
作を繰り返して平衡膨潤に達したサンプル片の重量増加
が止まった時点で、溶媒浸積を終了する。平衡膨潤に達
した時のサンプルゴム片の重量より、下記のフローリー
・レナーの式1)を用いて、架橋密度を算出する。架橋
密度とは、単位体積中に存在する架橋点の数をいう。
ムゲルの容量/膨潤したゴムゲルの容量 V:溶媒(シクロヘキサン)の分子容(cm3 /mo
l) μ:溶媒−ゴム相互作用係数
aを、長さ約10mm、幅約1mm、そして厚さ約1m
mの大きさに切断する。切断した試料aの小片の出来る
だけ端部に、極細の絹糸を通して結び、適当な長さ約1
5cmの長さを残し切る。絹糸付きの試料a小片を9号
秤量瓶(自重約8g)に入れ、共栓で密閉する。デジタ
ル式化学天秤を用いて、の全重量をmgの単位まで精秤
する。シクロヘキサン20mLを入れた容量30mLガ
ラス製ネスラー管(PyrexR製、長さ200mm、外径2
1mmφ)に、ガラス製共栓を使わず、別に用意したゴ
ム栓を用いて密封状態で吊るす。この時、試料a(ゴム
小片)がガラス管の内壁や底部に接触しない様に注意す
る。ネスラー管を試験管立てに差込んで、室温、20〜
25℃で、試料aが平衡膨潤に達するまで(ゴム処方や
架橋密度に応じて3日〜5日かかる)、静置する。試料
aが平衡膨潤に達した段階で、ネスラー管より絹糸が付
いたままの試料aを取り出し、試料部分に付着したシク
ロヘキサンをリント・フリーの布で素早く拭い、秤量瓶
に入れ密封し、全重量を精秤する。
(フローリー・レナー)の基本式式2)に、各測定値を
代入して、各試料aの架橋密度を算出する。
ムの網目鎖濃度(mol/cm3 ) V:膨潤溶媒(シクロヘキサン)の分子容、すなわち分
子量/密度(cm3 /mol) g:膨潤前の試験片(試料a小片)中のゲルゴムの容量
分率 μ:試験片(試料a小片)と膨潤溶媒(シクロヘキサ
ン)の相互作用定数Bawn et al Trans.Faraday Soc.5
2(1956),1664のPIBのμ値が0.55 (Cyc
lohexane )を引用した。また、三元架橋ブチルゴムに
ついては、Bayer社のμ実測値0.6(Cyclohexane)を
用いた。 VR :膨潤ゲル中のゴムの容量分率 f:4
度の高いゴム組成物(=架橋体)は、照射した放射線や
電子線が減衰し易く、被照射体(医薬用ゴム栓、ゴム製
医療用具、医療器具用のゴム部品など)の入射面とその
内部や裏面への到達エネルギーが小さく、その吸収線量
に大きな格差が出て、被照射体の表面近傍に強い劣化を
もたらすことになる。照射線量の増加によって減衰分
を、補うことは可能ではあるが、そうすれば益々前述し
た、被照射体の表面近傍部と、その裏面、および内部に
おける吸収線量の差が増大し、さらに問題が大きくなっ
て来る。本発明で特定のゴム組成物(=ゴム架橋体)の
密度と、照射線量および透過線量(=照射線量−吸収線
量、減衰分)の関係を、明確に示すためには、照射線量
(吸収線量で代用して表現する)を、通常、医療用具に
対して、滅菌保証レベルの10-6の実現に十分な(オー
バーキル)照射線量、25kGy以上の照射が理解し易
い条件といえる。
ガラス製バイアル(市販品)に注射用水(WFI、市販
品)10mLを入れ、試料c(医薬用ゴム栓)を施栓
し、アルミ製キャップ(市販品、プラスチック製でも
可)を被せ、ハンド・クリンパー(手動型巻締め器)で
巻締め、密封する。前述の調製したバイアルを倒立状態
で、40℃の加速条件下で、6ヶ月以上保存した時のW
FIを試験液とする。
験液(WFI)を、日本薬局方、第13改正、輸液用ゴ
ム栓試験法、溶出物試験の準拠し、そのpH値を測定す
る。
アル(市販品)に水10mLを入れ、試料c(医薬用ゴ
ム栓)を施栓し、アルミ製キャップ(市販品、プラスチ
ック製でも可)を被せ、ハンド・クリンパー(手動型巻
締め器)で巻締め、密封する。アルミキャップ(プラス
チック製でも可)の上蓋部を取り除き、ディスポーザブ
ル注射器に18Gの注射針を装着し、空気2mLを吸引
したのち、試料c(医薬用ゴム栓)に垂直に貫通(刺
針)した後、バイアル内に前述の空気2mLを注入す
る。空気注入後、速やかにバイアルを倒立状態として、
水2mLを吸引し、静かに注射針を引き抜き、その後に
洩れた液の重量を測定する。一般的な許容値としては、
その総洩れ量は0.1mL(0.1g)以下である。
イアル(市販品)に水10mLを入れ、試料c(医薬用
ゴム栓)を施栓し、アルミ製キャップ(市販品、プラス
チック製でも可)を被せ、ハンド・クリンパー(手動型
巻締め器)で巻締め、密封する。アルミキャップの(プ
ラスチック製でも可)の上蓋部を取り除き、ディスポー
ザブル注射器に水2mLを吸引したのち、18Gの注射
針を装着し、無作為に4回試料c(医薬用ゴム栓)に垂
直に貫通(刺針)する。その後、注射器内部の水をバイ
アル内に射出し、注射針を引き抜く。そして、バイアル
を上下に数回振ったあと、バイアル内の試料c(医薬用
ゴム栓)の脱落片の数を数える。また、同時に試料c
(医薬用ゴム栓)の表面状態についても、顕微鏡を用い
て目視観察して、(脱落の)痕跡の有無を確認する。一
般的な許容値としては、無作為に40回の刺針に対し、
試料c(医薬用ゴム栓)の脱落数は2個以内である。
の清浄なビーカーに、試料b(1個の重量が0.93g
〜1.3g)を総重量で20g以上(16〜22個)を
取り、その重量の10倍容量の蒸留水を加える。ビーカ
ー上部を適当な蓋でゆるく覆い、オートクレーブ中に置
き、121℃、60分間加熱する。直ちにオートクレー
ブより取り出し、室温に放置した後、試料bの溶出液を
デカントして、試験液とする。
溶出液)を、日本薬局方、第13改正、輸液用ゴム栓試
験法、溶出物試験の準拠して、その液性(過マンガン酸
カリ消費量、ペーハー値の差、紫外線部分の吸光度、可
視光線部の透過率、)について、評価する。
価法により行った。4段階評価法: ◎:規格値より大いに優れる ○:規格値に適合 △:規格値に適合さない ×:規格値より非常に悪い
IR(商品名エッソブチルHT1066、エッソ化学社
製商品名)100重量部、高密度ポリエチレン粉末(商
品名ミラソン68P、三井化学(株)製商品名)15重
量部、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン熱可塑
性ゴム(クレイトンG1650,シェル化学社製商品
名)、酸化マグネシウム(商品名キョーワマグ150酸
化マグネシウム、協和化学工業(株)製商品名)1重量
部及びs−トリアジン2重量部配合した(実施例1)。
配合操作はSRIS〔日本ゴム協会標準規格3604
(1980)〕に準拠して、ロール温度60〜90℃に
て操作した。また表1に示すように、本発明の範囲内で
類似配合のもの及び本発明の範囲外のものをそれぞれ実
施例2〜6及び比較例1〜6として配合し、同様に操作
した。得られた結果を表1に示す。
ッソ化学社製商品名 2)バイエルブチルXL−10000、イソプレン−イ
ソブチレン−ジビニルベンゼン三元共重合体架橋ブチル
ゴム、バイエル社製(カナダ)商品名 3)エッソブチル365、イソプレン−イソブチレン共
重合型ブチルゴム、エッソ化学社製商品名 4)ニプシールVN−3、湿式シリカ、日本シリカ工業
社製商品名 5)ホワイトテックスクレー#2、焼成クレー、サウザ
ンクレー社製(アメリカ) 6)ミペロン220、超高分子量ポリエチレン樹脂の微
粉末、三井化学社製商品名 7)ミラソン68P、高密度ポリエチレン樹脂のペレッ
ト、三井化学社製商品名 8)クレイトンG1650、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレン、熱可塑性ゴム、シェル化学社製(アメ
リカ)商品名 9)タイペークA100、アナタース型二酸化チタン、
石原産業社製商品名 10)サームブラックMT、メディアムサーマルカーボ
ンブラック、キャンカーブ社製(カナダ)商品名 11)キョーワマグ150、活性酸化マグネシウム、協
和化学工業社製商品名 12)JIS規格1種酸化亜鉛、三井金属鉱山社製 13)ルナックS30、ステアリン酸、花王社製商品名 14)ノックセラーTRA、ジペンタメチレンチウラム
テトラスルフィド、大内新興化学工業社製商品名 15)アクセルBZ、ジブチルジチオカルバミン酸亜
鉛、川口化学工業社製商品名 16)ジスネットDB、2−ジ−n−ブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、三協化成社製
商品名 17)スミファインBM、N,N’−m−フェニレンビ
スマレイミド、住友化学工業社製商品名 18)TAIC(又はタイク)、トリアリルイソシアヌ
レート、日本化成社製商品名 19)微粉末硫黄、軽井沢精錬所社製 20)パーヘキサ2.5B100%品、2,5−ジメチ
ル−2,5−ビス−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、日本油脂社製商品名
較例1〜6の結果を評価すると次のとおりである。実施
例1〜実施例3は、各種ブチルゴム(生ゴム)を、その
標準的な処方で組成物の密度(架橋物の密度と同じ)を
最大0.95になる様に調製した実施例であり、実施例
4〜実施例6は、それら(実施例1〜実施例3)の架橋
剤を、一次架橋体(又は予備成形体)得るに必要な下限
値近くにまで減量した組成物の架橋体に、50kGy〜
200kGyの吸収線量の電子線を照射して、同等又は
それ以上の架橋密度(加硫度とも云う)が得られること
を開示した実施例である。これら実施例に対して(対立
関係にある)、組成物又は架橋体の密度が0.95を超
える場合(実際には1.09〜1.30)の比較例1〜
比較例3および比較例4〜比較例6を開示している。前
述した様に、ガンマー線の照射目的は、架橋体を滅菌す
る手法としてであり、電子線は架橋体(正確には一次架
橋体又は予備架橋体)を目標の架橋密度に高めるための
手法である。これらの結果から組成物又は架橋体の密度
0.95以下の臨界性は明らかである。
配合成分、配合割合を表2に示されるように変更したほ
かは実施例1と同様に操作して表2に示されるような結
果を得た。(実施例1〜6、及び比較例1〜6)とほぼ
同様の結果が得られた。
いては、密度を0.95以下とする簡単な構成により放
射線による2次架橋を低線量で行うことができ、放射線
の透過が容易なので放射線処理が効果的に進み樹脂の酸
化劣化が少ないという効果が得られる。更に線量分布の
分布幅が小さいので高度の滅菌精度を確保することがで
き、特にフッ素樹脂をラミネートした架橋体への放射線
照射時のフッ素樹脂へのダメージを低減することができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 イソブチレン共重合体を主成分とし、密
度が0.95以下である、ゴム組成物であって放射線処
理が容易な医薬用ゴム栓又は医療用ゴム製品に用いるゴ
ム組成物又はその架橋体。 - 【請求項2】 主成分のイソブチレン共重合体がイソブ
チレン−イソプレン共重合体(IIR)、塩素化イソブ
チレン−イソプレン共重合体(C−IIR)、臭素化イ
ソブチレン−イソプレン共重合体(B−IIR)、架橋
イソブチレン−イソプレン−ジビニルベンゼン三元共重
合体(XL−IIR)であり、イソブチレン共重合体が
臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体(B
IMS)であって、且つこれらの群から選ばれた単独又
は2種以上を併用してなる請求項1に記載のゴム組成物
又はその架橋体。 - 【請求項3】 イソブチレン共重合体を主成分とし、密
度が0.95以下であるゴム組成物に放射線を照射し、
該組成物の架橋又はその架橋体の滅菌を行うことを特徴
とする処理方法。
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