JP2002301083A - 血管吻合器具 - Google Patents

血管吻合器具

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JP2002301083A
JP2002301083A JP2001110492A JP2001110492A JP2002301083A JP 2002301083 A JP2002301083 A JP 2002301083A JP 2001110492 A JP2001110492 A JP 2001110492A JP 2001110492 A JP2001110492 A JP 2001110492A JP 2002301083 A JP2002301083 A JP 2002301083A
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blood vessel
anastomosis device
vascular anastomosis
shape maintaining
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Masao Suzuki
正夫 鈴木
Akihisa Furukawa
明久 古川
Shigeru Sato
成 佐藤
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Tokin Corp
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NEC Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管の形状維持を容易にし、病的血管におい
ても安全な吻合が可能である血管吻合器具を提供するこ
と。 【解決手段】 第1の血管1の開口部1aに第2の血管
3の端部を吻合するために、前記開口部1aから前記第
1の血管1内へ挿入して前記開口部1aの内壁面に対向
させ前記第1の血管1に係止させるよう前記第2の血管
3の開口端部3aに一体に設けた変位可能な吻合部材4
と、前記第1の血管1内で前記内壁面の曲率に沿った形
状に前記吻合部材4の形状を維持するために前記吻合部
材4に配置した形状維持部材8とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、双方の血管を接合
する際に、これらの血管を補綴する血管吻合器具に属
し、特に、一方の血管の側面に設けられた開口部に、も
う一方の血管の端部を吻合するために適する血管吻合器
具に属する。
【0002】
【従来の技術】生体の血管に閉塞性あるいは拡張性等の
病変が発生した場合には、生体の血管あるいは人工血管
により置換するバイパス手術が行われる。この際、いず
れの手術においても血管の吻合が必要になる。
【0003】なお、閉塞性病変手術の場合、宿主血管の
側面に開口部を形成して、人工血管の端部を開口部に吻
合する端面−側面血管吻合が一般的である。
【0004】また、適当なステープラーまたは他の吻合
器具が開発されていない外科処置分野、例えば、大動
脈、大静脈のバイパス手術、置換修復手術を含む、多く
の分野の外科手術における血管吻合方法は、針糸による
縫合が一般的である。
【0005】血管などの生体の管状器官を接合する器具
としては、ステープラーが代表的で各種のステープラー
が提案されており、消化管、腸管、一部血管用のステー
プラーがある。このステープル吻合、縫合法は針糸を用
いた手作業縫合に比較し作業が容易、処置時間の短縮等
種々利点がある。
【0006】しかし、適当なステープラーまたは他の吻
合器具が開発れていない外科処置分野があり、大動脈、
大静脈のバイパス手術、置換修復手術等、多くの分野に
わたる。このような分野の外科手術における血管吻合方
法は、針糸による縫合にならざるを得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】双方の血管を吻合する
際には、血管の一方の側面に吻合するもう一方の血管の
端部の形状を維持するのが困難であるという問題があ
る。即ち、一方の宿主血管の側面ともうー一方の人工血
管の端部とを吻合する際には、宿主血管及び人工血管の
形状の維持が特に重要な課題となる。
【0008】宿主血管の側面と人工血管の端部とを吻合
する場合には、人工血管の端部を糸により宿主血管に縫
合し係止されるが、針糸による吻合には、特殊で且つ高
度な熟練と器用さが必要であり、また手術には比較的長
い時間を要す。したがって、患者への負担も大きくな
る。
【0009】血管吻合に際しては、血流の遮断が必要で
あり、個々の吻合に要する時間と吻合の数が増すにつれ
て、血流を遮断する時間の延長してくる。さらに、臓器
ごとの血流遮断時間の許容時間を超える場合は、対外循
環や低体温などの補助手段が必要となる。
【0010】また、動脈硬化血管での糸針あるいはステ
ープラーによる血管吻合では、石炭化が見られると縫合
が困難な場合や、脆弱な血管では補強を加えないと危険
な場合も少なくない。
【0011】それ故に、本発明の技術的課題は、上記問
題点を解決するため、第1の血管の側面に吻合する第2
の血管の形状維持を容易にし、比較的簡単な吻合が可能
であり、また病的血管においても安全な吻合が可能であ
る血管吻合器具を提供することにある。
【0012】さらに、本発明の他の技術的課題は、病的
血管においても安全な吻合が可能であり、また、短時間
で血管の吻合が可能であり、針糸による縫合を主としな
い端面−側面同士の血管吻合器具を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1の
血管の側面に形成されている第1の開口部に、第2の血
管の端部を吻合するための血管吻合器具において、前記
第1の開口部よりも小さな形状に縮小され前記第1の開
口部から前記第1の血管内へ挿入して前記第1の開口部
の近傍の内壁面に対向させ前記第1の血管の少なくとも
一部分に止着させるために、前記第2の血管の開口端部
に一体に設けた変位可能な板状の吻合部材と、前記第1
及び第2の血管の吻合時に形状回復して、該吻合部材の
第1の面を前記第1の開口部の近傍の前記内壁面に対向
させて整合させるよう前記第1の血管内で予め前記内壁
面の曲率に沿った形状に前記吻合部材の形状を維持する
ために、前記吻合部材に配置した第1の形状維持部材と
を有していることを特徴とする血管吻合器具が得られ
る。
【0014】また、前記血管吻合器具において、前記第
1の開口部よりも小さな形状に縮小され前記第1の開口
部から前記第1の血管内に設置されかつ前記第1及び第
2の血管の吻合時に管状に形状回復し、前記吻合部材の
前記第2の面に対向させて前記第1の血管の形状を維持
するよう形成した第2の形状維持部材を有し、該第2の
形状維持部材は、前記開口端部の開口に対向する側面に
第2の開口部を有していることを特徴とする血管吻合器
具が得られる。
【0015】また、本発明によれば、第1の血管の側面
に形成されている第1の開口部に、第2の血管の端部を
吻合するための血管吻合器具において、前記第1の開口
部よりも小さな形状に縮小され前記第1の開口部から前
記第1の血管内へ挿入して前記開口部近傍の内壁面に対
向させ前記第1の血管の少なくとも一部に止着させるた
めに前記第2の血管の開口端部に一体に設けた変形可能
な円筒形状あるいは円筒の一部が欠落した形状を有する
吻合部材を有し、第2の吻合部材の内側に配置され、前
記第1および第2の血管の吻合時に管状に形状回復し、
前記吻合部材の外側の面を前記第1の開口部近傍の内壁
面に対向させて圧着させるように形成した形状維持部材
を有することを特徴とする血管吻合器具が得られる。
【0016】
【作用】本発明の血管吻合器具にると、第1及び第2の
血管の吻合時に、吻合部材が一旦折り畳まれ、第1の血
管の開口部から内部へ挿入された後、第1の血管内で形
状維持部材によって元の形状を維持するように戻る。吻
合部材は、第1の血管の内壁面に対向して整合する。
【0017】また、血管吻合器具は、吻合部材を形状維
持部材によって元の形状に形状回復そ、その後、第1の
血管と第2の血管とは吻合部材とともに止着部材によっ
て縫合し密着させ。これにより、第1及び第2の血管の
形状維持を容易にした血管吻合が可能となる。
【0018】更に、第1の形状維持部材とともに拡張性
を有する第2の形状維持部材を有する血管吻合器具にお
いては、第1の開口部に吻合部材を挿入する際に、容易
に挿入可能なように第1の開口部よりも小さな形状に形
状を維持し、前記血管端部との吻合時に元の形状に回復
する。これにより、吻合部材を押し付けさらに第1の血
管を拡張した状態に維持できる。
【0019】さらに、第2の血管の開口端部に一体に設
けた変形可能な円筒形状あるいは円筒の一部が欠落した
形状を有する吻合部材を有し、吻合部材の内側に拡張性
を有する形状維持部材を配置される血管吻合器具におい
ては、第1の開口部に吻合部材と形状維持部材とを容易
に一緒に縮小・挿入可能であり、第1の血管内でも所要
の位置関係を容易に調整可能であり、従って形状回復さ
せた際も、各血管、吻合部材、形状維持部材も容易に所
要の位置関係とする事が出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る血管吻合器
具における第1実施の形態例を説明する。図1(A)、
図1(B)及び図1(C)は、本発明の第1実施の形態
例に係における血管吻合器具を示している。
【0021】図1(A)乃至図1(C)に示した血管吻
合器具(以下、吻合器具と呼ぶ)の説明においては生体
の血管である宿主血管(第1の血管)1と、バイパス用
の人工血管(第2の血管)3との吻合を例として採用す
る。
【0022】図1(A)乃至図1(C)を参照して、吻
合器具は、人工血管3の開口端部3aに一体に設けた変
位可能な板状の吻合部材4と、吻合部材4に止着した形
状維持部材8とを有している。吻合部材4は、人工血管
3と同じ材質のもので可撓性をもっている材質のものを
使用することが望まし。
【0023】吻合部材4は、宿主血管1に形成した第1
の開口部1aの近傍で宿主血管1の内壁面に対向させる
第1の面4aを有している。この第1の面4aは、宿主
血管1の内壁面に当接される。形状維持部材8は、宿主
血管1内で宿主血管1の内壁面の曲率に沿った形状に吻
合部材4の形状を維持する役目を果たす。
【0024】この実施の形態例における形状維持部材8
は、宿主血管1の内壁面の曲率に沿った形状に形状記憶
させた形状記憶合金部材を使用している。なお、形状維
持部材8としては、ステンレス鋼材のようなバネ材を採
用することもできる。
【0025】形状維持部材8は、所定温度以上の吻合部
材4の温度条件において、記憶せしめた形状に回復し超
弾性特性を示すように設定されている。吻合部材4に
は、第1の面4aに対して反対面となる第2の面4bに
形状維持部材8が設置されている。
【0026】さらに、吻合器具は、形状維持部材8を吻
合部材4に止着した第1の止着部材5を有している。形
状維持部材8は、後述する線条部材もしくは帯状部材で
ある。図2に示すように、少なくとも一本の形状維持部
材8は、人工血管3の開口端部3aの周囲を囲むように
環状に配置されている。
【0027】吻合部材4の一部には、形状維持部材8が
糸、若しくは帯のような止着部材15によって係止され
ている。形状維持部材8は、吻合部材4の近傍に配置さ
れて吻合部材4の形状を維持する。
【0028】さらに、吻合部材4は、人工血管3の直径
寸法よりも大きな寸法であって、人工血管3の開口端部
3aの周縁に接続されており、宿主血管1の内壁面の曲
率に整合する形状となっている。止着部材16は、吻合
部材4の湾曲した外面が宿主血管1の内壁面に当接する
ように吻合部材4と宿主血管1とを縫合している。
【0029】次に、第1実施の形態例をさらに具体的な
寸法をもって説明する。宿主血管1は、内径寸法が9m
m、外径寸法が10mmであった。この宿主血管1の側
面には、縦寸法が6.5mm、横寸法が5.5mmの長
穴状の開口部1aを形成した。
【0030】人工血管3は、外径が4.5mm、内径が
3.5mmのものを採用した。吻合部材4は、宿主血管
1の開口部1aから内部へ挿入された後、宿主血管1の
内壁面に密着させるように当接させるように曲率が宿主
血管1の内径にほぼ同一とする。この吻合部材4の寸法
は、幅寸法12mm、長さ寸法12mmとする。
【0031】形状維持部材8は、吻合部材4を宿主血管
1の内壁面に密着するように当接させるために吻合部材
4の第2の面4bに配置させる。形状維持部材8は、例
えば、51at%Ni−49at%Tiの直径寸法が
0.5mmの線材を楕円状かつ吻合部材4の曲率形状に
沿って形状記憶させている。第1の形状維持部材8は、
部分的に止着部材15を針によって吻合部材4に縫い付
けて固定されている。形状維持部材8は、25℃以上に
おいて、記憶せしめた形状に回復し超弾性特性を示すよ
うに調整される。
【0032】次に、第1実施の形態例の具体的な吻合方
法について述べ前に、宿主血管1及び人工血管3の吻合
時における吻合部材4の形状維持の必要性について述べ
ることにする。
【0033】宿主血管1の側面と人工血管3の吻合部材
4とを吻合する際には、宿主血管1の側面に吻合する人
工血管3における吻合部材4の形状の維持が特に重要な
課題となる。
【0034】即ち、宿主血管1の側面と人工血管3の吻
合部材4とを吻合する場合には、人工血管3の吻合部材
4を宿主血管1の内壁面の曲率に整合させる必要があ
る。吻合時には一旦、吻合部材4は折り畳まれ、宿主血
管1の第1の開口部1aから宿主血管1の内部に挿入さ
れる。そして、吻合部材4は、宿主血管1の内部で元の
形状に戻す必要がある。
【0035】この際、宿主血管1の第1の開口部1aか
ら内部へ挿入する折り畳んだ状態の吻合部材4の形状
は、宿主血管の内部にて復帰しなければ、吻合部材4と
宿主血管1の内壁面との間に隙間が生じ、縫合が困難に
なる。
【0036】したがって、第1実施の形態例における吻
合方法では、宿主血管1の血流を遮断した後、開口部1
aを形成する。次に、宿主血管1の吻合箇所やその近
傍、及び人工血管3の吻合部材4を冷水によって4℃に
冷却してこの温度を維持する。次に、吻合部材4は、第
1の開口部1aへ挿入しやすいように、図3(A)のよ
うな宿主血管1の内径に対応する円弧形状の状態から図
3(B)に示すようにU字形に折り畳み、開口部1aよ
り宿主血管1の内部へ挿入する。このとき、形状維持部
材8は、マルテンサイト相であるためバネ性を持たず柔
らかいため、吻合部材4を折り畳んだ形状に維持するこ
とが可能であるので挿入が容易となる。
【0037】次に、吻合箇所の近傍及び吻合部材4を温
水により25℃以上とし、第1の形状維持部材8を形状
回復させることにより、人工血管3の吻合部材4を図3
(A)の形態のように、元の形状に復帰させることが可
能となる。次に、宿主血管1と人工血管3の吻合部材4
とは、これらを止着部材16によって縫合される。これ
により、血管吻合が可能となる。
【0038】図4乃至図7は、図1及び図2において説
明した吻合部材4における第1の形状維持部材8に代わ
る変形例を示している。
【0039】図4における吻合器具では、形状記憶合金
線材または帯材の形状維持部材38を吻合部材4及び人
工血管3の内壁面の形状に沿って記憶させ、吻合部材4
の第2の面4bに止着部材39によって縫い付けたもの
である。
【0040】図4に示した形状維持部材38は、複数が
開口端部3aの開口中心を含む向きで放射状に配置され
ている。さらに、形状維持部材38は、開口端部3aか
ら人工血管3の内壁面へ延在して設けた部分をも止着部
材39によって縫い付けたものである。
【0041】図5に示した吻合部材4では、形状維持部
材48を吻合部材4の外縁近傍で外縁に沿って配置し、
吻合部材4の曲率に沿った形状に記憶させ、吻合部材4
の第2の面4bに止着部材49によって縫い付けたもの
である。
【0042】図6は形状維持部材58をジグザグ状にか
つ吻合部材4の曲率に沿った形状に記憶させ、吻合部材
4の第2の面4bに止着部材59によって縫い付けたも
のである。
【0043】図7に示した吻合部材4では、形状維持部
材68としてステンレス鋼線(SUS316)からなる
バネ材を採用している。また、形状維持部材68は、互
いに平行に所定間隔をもって互いに平行に配置した複数
の第1の形状維持部材68aと、これら形状維持部材6
8aに直交する向きに複数が開口端部3aの開口を交わ
る線上に向けられている形状維持部材68bとが吻合部
材4に配置されている。
【0044】形状維持部材68は、開口端部3aの近傍
の第2の面4bで吻合部材4に止着部材25によって止
着されている。
【0045】図8(A)乃至図8(C)は、本発明の第
2実施の形態例に係わる吻合器具を示している。なお、
この実施の形態例においては、第1実施の形態例におい
て説明した吻合部材4及び吻合部材4に止着した形状維
持部材(第1の形状維持部材)8,38,48,58,
68のいずれかの構成を有する吻合器具を採用すること
が可能である。
【0046】図8(A)乃至図8(C)に示した第2実
施の形態例における吻合器具では、生体の血管としての
宿主血管1と、バイパス用の人工血管3とを具体例とし
て採用している。なお、この第2実施の形態例におい
て、第1実施の形態例の吻合器具と同じ部分には、同じ
符号を付して説明を省略する。
【0047】第2実施の形態例に係わる構成において、
第1実施の形態例と異なる点は、径方向で縮小した状態
から、自己拡張した際に管状となる第2の形状維持部材
21が宿主血管1内に配置される点にある。また、止着
部材16としての糸を針による縫合を吻合の主たる役割
としない点である。
【0048】図8(A)乃至図8(C)を参照して、吻
合器具は、宿主血管1の内部に設置されかつ吻合部材4
の第2の面4b及び内壁面へ対向させて宿主血管1の形
状を維持するように形成した第2の形状維持部材21を
有している。この第2の形状維持部材21は、人工血管
3の開口端部3aの開口位置に整合する側面に第2の開
口部21aを有している。
【0049】この第2実施の形態例における宿主血管1
の寸法は内径が8mm、外径が9mmのものである。こ
の宿主血管1の側面には、縦6mm、横5mmの長穴状
とした第1の開口部1aが形成されている。
【0050】即ち、第2実施の形態例における吻合器具
では、図1(A)〜図7において具体例として示した吻
合器具に第2の形状維持部材21が付加されている。第
2の形状維持部材21は、板状のシート材を円筒状にま
るめた形状のものである。第2の形状維持部材21は、
ステンレス鋼板(SUS316)からなるバネ材を採用
している。また、第2の形状維持部材21が拡張して管
状の形態となったときのサイズは、例えば、長さ寸法が
30mm、厚み寸法が0.15mm、直径が10mmで
ある。
【0051】第2の開口部21aは、宿主血管1と人工
血管3との間の血流を確保する目的と、事後の診断治療
におけるカテーテル・ガイドワイヤー等の器具の通過を
可能にするための処置でもある。特に後者の目的のため
には可能な限り大きな径の開口部を確保することが手術
の容易性上及び患者に対する負荷低減のためにも望まし
い。
【0052】本実施の形態例では、第2の開口部21a
を宿主血管1の第1の開口部1aとほぼ同じ寸法とす
る。第2の形状維持部材21は、宿主血管1に密着する
吻合部材4の第1の面4aとは反対側の第2の面4bに
密着するように当接する。
【0053】次に、本実施の形態例の具体的な血管吻合
方法について述べる。宿主血管1には、血流が遮断され
た後に、第1の開口部1aを形成する。次に,第2の形
状維持部材21の径を縮径し、第1の開口部1aから宿
主血管1の内部へ挿入する。次に、人工血管3の吻合部
材4を折り畳み、第1の開口部1aから宿主血管1に吻
合部材4を挿入する。ここで、吻合部材4には、図7に
おいて説明した第1の形状維持部材68を止着したもの
を一具体例として採用する。
【0054】この際、吻合箇所近傍及び吻合部材4は、
第1の形状維持部材68のバネ力によって元の状態に形
状回復することにより、人工血管3の吻合部材4も元の
形状に復帰させることが可能となる。また、第2の形状
維持部材21は、自己のバネ力によって元の状態に形状
回復する。
【0055】第2の形状維持部材21が拡張した時に
は、図8(A)及び図8(C)に示した状態になるよう
第2の形状維持部材21及び人工血管3の位置関係を調
整する。この状態において、吻合部材4は第2の形状維
持部材21によって宿主血管1の内壁面へ押されること
によって圧着され、宿主血管1に大きな径の開口が確保
されるので、糸針を用いなくても、宿主血管1の側面と
人工血管3の吻合部材4との吻合が可能となる。
【0056】また、宿主血管1の内壁面と吻合部材4の
第1の面4aとの止着を強くする必要があるときには、
宿主血管1における第1の開口部1aの近傍を、第2の
止着部材27としての糸或いは帯等を用いて縛り、第2
の形状維持部材21による圧着力を増加させても良い。
【0057】なお、第2の形状維持部材21の形状は、
宿主血管1の第1の開口部1aから内部へ挿入可能な径
収縮性と、宿主血管1の内部に配置され拡張した場合に
人工血管3の吻合部材4を宿主血管1の内壁面に押しつ
け圧着して固定が可能な拡張性を有する管状のものであ
れば良く、この実施の形態例に限定されるものではな
い。例えば、第1の形状維持部材68及び第2の形状維
持部材21は、いずれか一方をバネ材として、他方を形
状記憶合金部材としてもよい。
【0058】以下に、第2実施の形態例における第1及
び第2の形状維持部材68,21を、共に形状記憶合金
部材とした具体例を挙げて説明する。第1の形状維持部
材68は、第1実施の形態例によって説明した第1の形
状維持部材68と同様な材料を用いた形状記憶合金部材
を採用する。第2の形状維持部材21は、宿主血管1の
内壁面の曲率に沿って形状に拡張可能に形状記憶されて
いる形状記憶合金部材を採用する。
【0059】第1の形状維持部材68の形状を回復させ
るための温度は、第2の形状維持部材21の形状回復温
度よりも低い温度に設定されている。第1の形状維持部
材68は、例えば、20℃以上の吻合部材4の温度条件
において、記憶せしめた形状に回復し超弾性特性を示す
ように設定されている。
【0060】第2の形状維持部材21は、宿主血管1の
側面に形成した開口部1aから宿主血管1の内部に配置
され、宿主血管1の内部において拡張した場合に管状と
なる。第1の形状維持部材68は、第1の開口部1a近
傍の内壁面に吻合部材4とともに少なくとも一部分で第
1の止着部材25によって止着されている。第1の形状
維持部材68の形状回復温度は、拡張した場合に管状と
なる第2の形状維持部材の形状回復温度よりも低い温度
に設定されている。
【0061】第2の形状維持部材21は、生体温度近傍
で形状回復し超弾性を示すTiNi系の形状記憶合金か
らなる。この第2の形状維持部材21の管状に拡張時し
たときの寸法関係は、例えば、長さ寸法が30mm、厚
み寸法0.24mmであり、回復温度以上においては直
径が11mmになるよう形状記憶されてある。第2の形
状維持部材21の形状回復温度は、35℃に設定されて
ある。第2の形状維持部材21の側面には第2の開口部
21aが形成されている。
【0062】なお、第2の形状維持部材21の形状回復
温度は、生体温度を約37℃とすると、生体の温度近傍
に設定されていることが望ましいが、25℃〜37℃範
囲でもよく、また、第1の形状維持部材68と同程度の
温度に設定されていてもよい。
【0063】第2の形状維持部材21は、宿主血管1に
当接する吻合部材4の第1の面4aとは反対側の第2の
面4bに密着するように当接する。この第1の形状維持
部材668は、51at%Ni−49at%Tiの厚さ
0.1mm、幅0.7mmの帯材を吻合部材4の曲率形
状に沿った形状に記憶させ、これを部分的に糸のような
止着部材25(図7を参照)によって吻合部材4に縫い
つけ固定する。第1の形状維持部材68は、20℃にお
いて記憶せしめた形状に回復し超弾性特性を示すように
調整される。その他の構成及び寸法は、第1実施の形態
例と同様である。
【0064】次に、本実施の形態例における血管吻合方
法について述べる。宿主血管1は、血流が遮断された
後、第1の開口部1aを形成する。次に。吻合箇所及び
その近傍、吻合部材4、第1及び第2の形状維持部材6
8,21を冷水によって4℃に冷却維持する。次に,第
2の形状維持部材21の径を縮小し、第1の開口部1a
から宿主血管1の内部へ吻合部材4を挿入する。第2の
形状維持部材21は、形状回復温度が35℃に設定され
ているため、4℃の環境下では径縮小状態が維持され
る。
【0065】次に、人工血管3の吻合部材4を折り畳
み、第1の開口部1aから宿主血管1に吻合部材4を挿
入する。このとき、第1の形状維持部材68も第2の形
状維持部材21と同様にマルテンサイト相であるためバ
ネ性を持たず柔らかいため、吻合部材4を折り畳んだ形
状に維持可能であり、挿入が容易となる。
【0066】次に、吻合箇所近傍及び吻合部材4は、温
水により20℃とし、第1の形状維持部材68を形状回
復させることにより、人工血管3の吻合部材4を元の形
状に復帰させることが可能となる。この時点で第2の形
状維持部材21の形状回復温度には達していないため径
縮小状態を維持している。
【0067】次に、第2の形状維持部材21に形成され
ている第2の開口部21aと宿主血管1の第1の開口部
1aとの位置合わせを行いつつ、次第に環境温度を高く
し、35℃以上に第2の形状維持部材21が拡張した時
には、図8(A)及び図8(C)に示した状態になるよ
う第2の形状維持部材21及び人工血管3の位置関係を
調整する。35℃以上の温度では、拡張した第2の形状
維持部材21が吻合部材4を宿主血管1の内壁面へ押し
付けるので、各々が密着して維持される。これによっ
て、糸針を必要としない、宿主血管1の側面と人工血管
3の吻合部材4との吻合が可能となる。
【0068】さらに、第1及び第2の形状維持部材6
8,21との回復温度に差を設けることにより、被吻合
血管の形状維持を容易にしつつ作業性の良い血管吻合が
可能となる。
【0069】さらにまた、宿主血管1の内壁面と吻合部
材4の第1の面4aとの止着を強くするため、宿主血管
1における第1の開口部1aの近傍を別な止着部材27
としての糸或いは帯等で縛り、第2の形状維持部材21
による圧着力を増加させても良い。
【0070】なお、第2の形状維持部材21の形状は、
宿主血管1の第1の開口部1aから内部へ挿入可能な径
収縮性と、宿主血管1の内部に配置され拡張した場合に
人工血管3の吻合部材4を宿主血管1の内壁面に押しつ
け圧着して固定が可能な拡張性を有する管状のものであ
れば良く、この実施の形態例に限定されるものではな
い。
【0071】また、第1の形状維持部材68も吻合部材
4の形状を宿主血管1の内部にて回復可能な形状であれ
ば良く、第1及び第2の実施の形態例に限定されるもの
ではなく、例えば図2乃至図6に示すような形状も適用
できる。
【0072】図9(A)乃至図9(C)は、本発明の第3の
実施例に係わる吻合器具を示している。図9(A)乃至図
9(C)に示した、第3実施の形態例における吻合器具で
は、生体の血管としての宿主血管1とバイパス用の人工
血管3とを具体例として採用している。なお、この第3
実施の形態例において、第1,第2の形態の吻合器具と
同じ部分は、同じ符号を伏して説明を省略する。
【0073】第3実施の形態例に係わる構成において、
第1,第2実施の形態例と異なる点は、人工血管3の開
口端部3aに一体に設けた吻合部材81が変形可能な円
筒形状の第2の吻合部材81を有する点にある。また、
自己拡張した際に管状となる形状維持部材71が吻合部
材81の内側に配置される点である。さらに、形状維持
部材71が、第1及び第2実施の形態例における吻合部
材4の形状を維持するための、第1の形状維持部材18
の役割をも兼ねる点である。
【0074】図9(A)乃至図9(C)を参照して、形状維
持部材71は吻合部材81の内部に挿入され、その側面
の第2の開口部71aと人工血管3の開口端部3aは位
置が整合している。この第3実施の形態例における宿主
血管1および第1の開口部1aおよび人工血管3の寸法
は、第1実施の形態例と同様である。
【0075】第2の吻合部材81は長さが20mm、外
径が8.5mm、内径が7.5mmとした。
【0076】形状維持部材71は、板状シート材を円筒
状にまるめた形状のものである。さらに形状維持部材7
1は、ステンレス鋼板SUS316からなるバネ材を採
用している。
【0077】また、形状維持部材71か拡張して管状の
形態となったときのサイズは、たとえば、長さが30m
m、厚み寸法が0.15mm、直径が9.5mmであ
る。形状維持部材71の側面には、第2実施の形態例と
同様の目的で、開口部71aが形成されている。本実施
例の形態における第2の開口部71aは縦横6mmの開
口部を確保している。
【0078】次に、第3実施の形態例の具体的な血管吻
合方法について述べる。予め形状維持部材21を吻合部
材81に挿入する。このとき、これらを糸針等でいくつ
かの箇所を縫合し一体化しても良い。宿主血管1には、
血液が遮断された後に、第1の開口部1aを形成する。
次に吻合部材81と形状維持部材71を一緒に折り畳み
・縮小し、第1の開口部1aから宿主血管1に挿入す
る。
【0079】次に、宿主血管1内にて、形状維持部材7
1は形状回復し、図9(A)及び図9(B)に示した状
態にする。この状態において、吻合部材81は形状維持
部材71によって宿主血管1の内壁面へ押されることに
よって隙間なく圧着され、お互いに止着される。つま
り、糸針を用いず宿主血管1の側面と人工血管と吻合部
材81は吻合される。
【0080】また、宿主血管1内面と吻合部材81の止
着、密着度を強くする必要がある場合には第2実施の形
態例と同様に、宿主血管1の開口部1a近傍を、止着部
材27としての糸あるいは帯び等にて縛っても良い。吻
合部材はこの際、第2実施の形態例と比較して、形状維
持部材71と吻合部材81を一緒に挿入、位置決め、拡
張吻合する事が可能となるため、より作業が平易にな
る。
【0081】次に、第3実施の形態例における形状維持
部材71を形状記憶合金とした具体例を挙げて説明す
る。第2の形状維持部材71は生体温度近傍にて形状回
復し超弾性を示すTiNi合金からなる。たとえば形状
はバネ材と時と同様であり、寸法は長さ30mm、厚み
0.18mm、拡張時の直径が10mmとなるよう形状
記憶されている。その他はバネ材の場合の実施例と同様
である。
【0082】具体的吻合例を述べる。予め形状維持部材
71を吻合部材81に挿入する。このとき、これらを糸
針等でいくつかの箇所を縫合し一体化しても良い。宿主
血管1には、血液が遮断された後に、第1の開口部1a
を形成する。次に吻合箇所およびその近傍、吻合部材8
1および形状維持部材71を、冷水によって4℃に冷却
維持する。
【0083】次に、図10(A)を参照し、吻合部材5
および形状維持部材71を縮小する。図10(B)を参
照し、第1の開口部1aから宿主血管1に挿入する。図
10(C)を参照し、宿主血管1で形状維持部材71と
吻合部材81とを所要の位置にきめる。形状維持部材7
1は、回復温度を35℃に設定してあるため、4℃の環
境下ではマルテンサイト相でありバネ性を持たず柔らか
いため縮小した形状を維持する事ができ、この時点まで
の縮小挿入位置決めの作業が、バネ材の場合よりも遙か
に容易である。
【0084】次に、図10(B)を参照し、徐々に環境
温度を高くしてゆき、35℃以上にて形状維持部材71
が形状回復拡張し、吻合部材81は形状維持部材71に
よって宿主血管1の内壁面へ押されることによって隙間
なく圧着され、お互いに止着される。つまり、糸針を用
いず宿主血管1の側面と人工血管3と吻合部材81は吻
合される。バネ材の実施例と同様に、宿主血管1内面と
吻合部材81の止着、密着度を強くするために、宿主血
管1の開口部1a近傍を、止着部材27としての糸ある
いは帯び等にて縛っても良い。なお、吻合部材81は、
完全な円筒だけだなく、あるいは図11のような円筒の
一部が欠落した部分81aをもつ形状であっても良い。
【0085】形状維持部材71は、その形状を宿主血管
1の内部にて回復可能な形状であれば良く、第3の実施
の形態例に限定されるものではなく、例えば図12乃至
図15に示すような形状も適用できる。
【0086】図12に示した形状維持部材101は、線
材を格子状に形成した部材を管状に丸めることによって
作られている。この形状維持部材101の側面には、宿
主血管1の第1の開口部1aに対応するように、第2の
開口部101aが形成されている。
【0087】図13に示した形状維持部材111は、曲
線状に曲けられている線材を格子状に形成した部材を管
状に丸めることによって作られている。この形状維持部
材111の側面には、宿主血管1の第1の開口部1aに
対応するように、第2の開口部111aが形成されてい
る。
【0088】図12及び図13に示した形状維持部材1
01,111は、バネ線材の編み込みまたは溶接、ある
いはバネシート材のエッチング加工、放電加工、レーザ
加工、あるいはバネチューブのエッチング加工、放電加
工、レーザ加工等にて実現できる。
【0089】図14に示した形状維持部材121は、波
型に絞り加工を施した板部材を管状に丸めることによっ
て作られている。この形状維持部材121の側面には、
宿主血管1の第1の開口部1aに対応するように、第2
の開口部121aが形成されている。
【0090】さらに、図15に示した二つの形状維持部
材131,132は、宿主血管1の開口部1aを避けて
宿主血管1の内部で上下に配置されている。二つの形状
維持部材131,132は、図8(C)に示したの形状
維持部材21と同じ部材及び形成方法によって作られて
いる。
【0091】なお、図12乃至図15では、形状維持部
材101,111,121,131を吻合部材81に挿
入しているが、形状維持部材101,111,121,
131を宿主血管1に挿入して用いることも可能であ
る。
【0092】第1及び第2実施の形態例に用いる形状維
持部材8,18、38,48、58及び形状維持部材2
1,71,101,121,131,132の材質は、
バネ材の他、少なくとも生体温度(37℃)近傍にて超
弾性を持つTiNi合金及び第3元素添加のTiNiX
合金(X=Cr,V,Cu,Fe,Coなど)を採用
し、またCu系などの多種の形状記憶合金についても適
用可能である。更に、形状維持部材の表面には、生体適
合性或いは毒性を考慮した、チタンなどをコーティング
処理したものであってもよい。
【0093】上述したように、第1乃至第3実施の形態
例では、宿主血管1と人工血管3との吻合について説明
してきたが、生体の血管同士、あるいは人工血管同士の
吻合にも同様に適用できる。
【0094】
【発明の効果】以上、各実施の形態例によって説明した
ように、本発明に係る血管吻合器具によれば、変位させ
た状態で内部へ第1の開口部から第1の血管の内部へ挿
入される吻合部材を、第1の形状維持部材によって元の
状態に復帰できるので、吻合部材の形状維持を容易にし
た血管吻合が可能でとなる。
【0095】また、血管吻合器具は、形状維持部材を用
いて、変位させた状態で内部へ第1の開口部から第1の
血管の内部へ挿入される吻合部材を、第1の形状維持部
材によって元の状態に復帰させ、形状維持部材によって
吻合部材を第1の血管の内壁面に押し付け固定できるの
で、縫合手段を用いなくても血管を吻合することが可能
である。
【0096】また、変形可能な円筒形状の吻合部材を有
し、形状維持部材21が吻合部材の内側に配置され、さ
らに、形状維持部材が、吻合部材の形状維持の為の形状
維持部材の役割をも兼ね、より平易な血管吻合が可能で
ある。
【0097】また、血管吻合器具は、動脈硬化血管での
石炭化が見られるような病的血管においても安全な血管
の吻合が可能となる。
【0098】さらに、血管吻合器具は、特殊で且つ高度
な熟練を要する技術が必要なく、作業性の良い血管の端
面−側面同士の吻合が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血管吻合器具に係る第1実施の形態例
を示しており、(A)は血管吻合部材を示す断面図、
(B)は吻合後を示した斜視図、(C)は吻合部材を分
解して示した斜視図である。
【図2】図1に示した第2の血管の吻合部材に配置した
第1の形状維持部材の形状を示す斜視図である。
【図3】図1(A)に示した宿主血管に挿入する吻合部
材を示し、(A)は形状を維持した状態の斜視図、
(B)は、吻合部材を折り畳んだ状態を示す斜視図であ
る。
【図4】図1(A)に示した第2の血管の吻合部材に配
置した第1の形状維持部材の形状に代わる例を示した斜
視図である。
【図5】図1(A)に示した第2の血管の吻合部材に配
置した第1の形状維持部材の形状に代わる例を示した斜
視図である。
【図6】図1(A)に示した第2の血管の吻合部材に配
置した第1の形状維持部材の形状に代わる例を示した斜
視図である。
【図7】図1(A)に示した第2の血管の吻合部材に配
置した第1の形状維持部材の形状に代わる例を示した斜
視図である。
【図8】本発明の血管吻合器具に係る第2実施の形態例
を示しており、(A)は血管吻合部材を示す断面図、
(B)は吻合後を示した斜視図、(C)は吻合部材を分
解して示した斜視図である。
【図9】本発明の血管吻合器具に係る第3実施の形態例
を示しており、(A)は血管吻合部材を示す断面図、
(B)は吻合後を示した斜視図、(C)は吻合部材を分
解して示した斜視図である。
【図10】(A)〜(D)は、図8(A)〜図8(C)
に示した吻合部材を宿主血管へ挿入する工程を説明した
説明図である。
【図11】図9(A)に示した吻合部材に代わる例を示
した斜視図である。
【図12】図9(A)に示した形状維持部材の変形例を
示す人工血管を断面して示した側断面図である。
【図13】図9(A)に示した形状維持部材の変形例を
示す人工血管を断面して示した側断面図である。
【図14】図9(A)に示した形状維持部材の変形例を
示す人工血管を断面して示した側断面図である。
【図15】図9(A)に示した形状維持部材の変形例を
示す人工血管を断面して示した側断面図である。
【符号の説明】
1 第1の血管(宿主血管) 1a 第1の開口部 3 第2の血管(人工血管) 3a 開口端部 4,5 吻合部材 8、18、21,38,48、58,71,81,10
1,111,121,131 形状維持部材 15,16,27,39,49,59 止着部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 成 宮城県仙台市太白区八木山香澄町14−1 Fターム(参考) 4C060 BB05 DD03 MM25

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の血管の側面に形成されている第1
    の開口部に、第2の血管の端部を吻合するための血管吻
    合器具において、前記第1の開口部よりも小さな形状に
    縮小されて前記第1の開口部から前記第1の血管内へ挿
    入し前記第1の開口部の近傍の内壁面に対向させて前記
    第1の血管の少なくとも一部分に止着させるために前記
    第2の血管の開口端部に一体に設けた変位可能な板状の
    吻合部材と、前記第1及び第2の血管の吻合時に形状を
    回復させて前記吻合部材の第1の面を前記第1の開口部
    の近傍の前記内壁面に対向させて整合させるよう前記第
    1の血管内で予め前記内壁面の曲率に沿った形状に前記
    吻合部材の形状を維持するために前記第1の血管内に配
    置した第1の形状維持部材とを有していることを特徴と
    する血管吻合器具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の血管吻合器具において、
    前記第1の形状維持部材が、前記内壁面の曲率に沿った
    形状に形成したバネ材であることを特徴とする血管吻合
    器具。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の血管吻合器具において、
    前記第1の形状維持部材が、前記内壁面の曲率に沿った
    形状に形状記憶させた形状記憶合金部材であることを特
    徴とする血管吻合器具。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の血管吻合器具において、
    前記第1の形状維持部材が、20℃以上の前記吻合部材
    の温度条件において、記憶せしめた形状に回復し超弾性
    特性を示すように設定されていることを特徴とする血管
    吻合器具。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の血管吻合器具において、
    前記第1の形状維持部材が、NiTi系合金であること
    を特徴とする血管吻合器具。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の血管吻合器具において、
    前記吻合部材には、前記第1の面とは反対側となる第2
    の面に前記第1の形状維持部材が設置されていることを
    特徴とする血管吻合器具。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の血管吻合器具において、
    前記第1の形状維持部材を前記吻合部材に止着されてお
    り、前記吻合部材に止着した止着部材を有していること
    を特徴とする血管吻合器具。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の血管吻合器具において、
    前記第1の形状維持部材が、線条部材もしくは帯状部材
    であることを特徴とする血管吻合器具。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の血管吻合器具において、
    前記吻合部材には、少なくとも一つの前記第1の形状維
    持部材が、前記開口端部の周囲を囲むように環状に配置
    されていることを特徴とする血管吻合器具。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の血管吻合器具におい
    て、前記吻合部材には、前記第1の形状維持部材の複数
    が、互いに平行な方向と、前記開口端部の開口を交わる
    方向とに配置されていることを特徴とする血管吻合器
    具。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の血管吻合器具におい
    て、前記吻合部材には、前記第1の形状維持部材の複数
    が、前記開口端部の開口中心を含む向きで放射状に配置
    されていることを特徴とする血管吻合器具。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の血管吻合器具におい
    て、前記第1の形状維持部材が、前記開口端部から前記
    第2の血管の内壁面へ延在して設けられた状態で配置さ
    れていることを特徴とする血管吻合器具。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の血管吻合器具におい
    て、前記第1の血管内に第2の形状維持部材が配置さ
    れ、該第2の形状維持部材によって前記吻合部材が前記
    第1の血管の前記内壁面に係止されていることを特徴と
    する血管吻合器具。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が前記第2の血管の内壁面
    及び前記吻合部材に沿った形状に形成したバネ材である
    ことを特徴とする血管吻合器具。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が前記第2の血管の内壁面
    及び前記吻合部材に沿って管状に拡張するよう形状記憶
    されている形状記憶合金部材であることを特徴とする血
    管吻合器具。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第1の形状維持部材が前記吻合部材に配置され
    ており、前記第2の形状維持部材が前記第1の血管内で
    前記吻合部材に沿って配置されており、さらに前記第1
    の形状維持部材が前記第2の血管の内壁面に沿った形状
    に記憶された形状記憶合金部材であり、前記第2の形状
    維持部材の形状を回復する温度が、前記第1の形状維持
    部材の形状回復温度よりも低い温度に設定されているこ
    とを特徴とする血管吻合器具。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の血管吻合器具におい
    て、前記第1の形状維持部材が、20℃以上の温度条件
    において、記憶せしめた形状に回復し超弾性特性を示す
    ように設定されており、前記第2の形状維持部材の形状
    が、25℃以上の温度条件において、記憶せしめた形状
    に回復するように設定されていることを特徴とする血管
    吻合器具。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が、NiTi系合金である
    ことを特徴とする血管吻合器具。
  19. 【請求項19】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が板部材を管状に丸めるこ
    とによって作られていることを特徴とする血管吻合器
    具。
  20. 【請求項20】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が板部材を管状に丸めるこ
    とによって作られており、前記第1の開口部を避けて前
    記宿主血管の内部で上下に二つが配置されていることを
    特徴とする血管吻合器具。
  21. 【請求項21】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材は、線材を格子状に形成し
    た部材を管状に丸めることによって作られていることを
    特徴とする血管吻合器具。
  22. 【請求項22】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が曲線状に曲けられている
    線材を格子状に形成した部材を管状に丸めることによっ
    て作られていることを特徴とする血管吻合器具。
  23. 【請求項23】 請求項13記載の血管吻合器具におい
    て、前記第2の形状維持部材が波型に絞り加工を施した
    板部材を管状に丸めることによって作られていることを
    特徴とする血管吻合器具。
  24. 【請求項24】 第1の血管の側面に形成されている第
    1の開口部に、第2の血管の端部を吻合するための血管
    吻合器具において、前記第1の開口部よりも小さな形状
    に縮小され、前記第1の開口部から前記第1の血管内へ
    挿入して前記第1の開口部の近傍の内壁面に対向させて
    前記第1の血管の少なくとも一部に止着させるために前
    記第2の血管の開口端部に一体に設けた変形可能な円筒
    形状若しくは円筒の一部が欠落した形状を有する吻合部
    材を有し、該吻合部材の内側に配置され前記第1および
    第2の血管の吻合時に管状に形状回復し前記吻合部材の
    外側の面を前記第1の開口部の近傍の内壁面に対向させ
    て圧着させるよう設けた形状維持部材を有していること
    を特徴とする血管吻合器具。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の血管吻合器具におい
    て、前記形状維持部材が、前記第1の開口部と前記第2
    の血管の端部とに整合する側面位置に第2の開口部を有
    していることを特徴とする血管吻合器具。
  26. 【請求項26】 請求項24記載の血管吻合器具におい
    て、前記吻合部材と前記形状維持部材とを、前記第1の
    血管の外側から止着するための止着部材を有しているこ
    とを特徴とする血管吻合器具。
  27. 【請求項27】 請求項24記載の血管吻合器具におい
    て、前記形状維持部材が、前記内壁面の曲率に沿った形
    状に形成したバネ材であることを特徴とする血管吻合器
    具。
  28. 【請求項28】 請求項24記載の血管吻合器具におい
    て、前記形状維持部材が、前記内壁面の曲率に沿った形
    状に拡張するように形状記憶されている形状記憶合金部
    材であることを特徴とする血管吻合器具。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の血管吻合器具におい
    て、前記形状維持部材が、少なくとも37℃近傍の生体
    温度において超弾性特性を有するTiNi系形状記憶記
    憶合金であることを特徴とする血管吻合器具。
  30. 【請求項30】 請求項24記載の血管吻合器具におい
    て、前記形状維持部材は、板部材を管状に丸めることに
    よって作られていることを特徴とする血管吻合器具
  31. 【請求項31】 請求項24記載の血管吻合器具におい
    て、前記形状維持部材が、板部材および線材を管状に丸
    めることによって作られており、前記第2の血管の端部
    を避けて、前記吻合部材の内部で分割されて配置されて
    いることを特徴とする血管吻合器具。
  32. 【請求項32】 請求項24の血管吻合器具において、
    前記形状維持部材が、線材を格子状に形成し円筒形状に
    作られていることを特徴とする血管吻合器具。
  33. 【請求項33】 請求項24の血管吻合器具において、
    前記形状維持部材が、曲線状に曲げられている線材を格
    子状に形成し円筒形状に繋いで作られていることを特徴
    とする血管吻合器具。
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