JP2002299009A - セラミックヒーター - Google Patents

セラミックヒーター

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JP2002299009A
JP2002299009A JP2001097255A JP2001097255A JP2002299009A JP 2002299009 A JP2002299009 A JP 2002299009A JP 2001097255 A JP2001097255 A JP 2001097255A JP 2001097255 A JP2001097255 A JP 2001097255A JP 2002299009 A JP2002299009 A JP 2002299009A
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metal
ceramic heater
thermal expansion
ceramic
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JP2001097255A
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Masahito Taniguchi
雅人 谷口
Koji Yonekura
耕治 米倉
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックヒーターにおけるリード線接合用
端子とリード線との接合で、緩衝板を要することなく、
信頼性の高いリード線の接合構造を得る。 【解決手段】 リード線15をクラッド金属で形成し、
そのクラッド金属は、体積抵抗率が小さく熱膨張系数が
大きい銅の層15aと、体積抵抗率が大きく熱膨張系数
の小さいFe−Ni合金の層15bとを含む構成のもの
とし、その銅の層15aをリード線接合用端子11に接
合した。Fe−Ni合金の層15bにより、強度の低下
を招かず、しかもその銅の層15aにて緩衝作用もあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックヒータ
ーに関し、詳しくはディーゼルエンジンの始動促進用な
どに使用されるグロープラグ或いは石油ファンヒーター
の着火用ヒーターなどに使用されるセラミックヒーター
に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素質セラミックヒーターは、常温
強度、高温強度が大きく、熱膨張係数が小さいため、グ
ロープラグなどに広く使用されている。 図6は、グロ
ープラグとして使用される窒化珪素質セラミックヒータ
ー72の一例を示したものである。このものは、窒化珪
素質セラミックからなるセラミック基体75の先端72
a寄り部位に、導電性セラミックからなり、折り返し状
(U字状)に形成された発熱体76を埋設している。こ
の発熱体76のU字の両端部(両脚の端部)76cに
は、タングステンやモリブデンなどの高融点金属からな
る中継線78、79の一端部が夫々接合され、その他端
部をセラミックヒーター72の後端72c寄りの側面に
露出させて一対のリード線接合用端子(以下、単に端子
ともいう)81、81としている。そして、リード線接
合用端子81近傍のセラミック基体75の表面には、メ
タライズ層(図示せず)が形成され、リード線15、1
5がロウ材により接合されている。
【0003】このようなセラミックヒーター72は、グ
ロープラグとしてエンジンの副燃焼室に取り付けられる
などより、耐熱性が要求されるため、リード線接合用端
子81には、Ag系の活性ロウなどの高温用のロウ材
(高融点のロウ材)を使用してリード線15、15を接
合している。このような接合構造では、そのロウ付け接
合時に高温に加熱されることから、その後の冷却過程で
セラミック基体75をなすセラミックとリード線(金
属)15との熱膨張差により残留応力が生じて両者間の
接合強度が低下するということがあった。すなわち、セ
ラミックヒーターを構成する窒化珪素質セラミックなど
の非酸化物系セラミックは、リード線を構成するニッケ
ルなどの金属に比較すると、熱膨張係数が1/5〜1/
4と極端に小さいため、残留応力が生じてセラミックと
金属間の接合が分離することがあった。
【0004】そこで、従来はこのような熱膨張係数の相
違に基づいて発生する応力を緩和するため、次のような
手段が講じられていた。例えば、リード線接合用端子8
1とリード線15との間にCu等の比較的低強度(軟
質)の金属(応力緩衝板又は緩衝板ともいう)を介在さ
せてロウ付けし、発生する応力を緩衝板を変形させるこ
とで緩和するというものである。また、別の手段として
は、リード線接合用端子81とリード線15との間にF
e−Ni合金やFe−Ni−Co合金などの熱膨張係数
の小さい金属(応力の緩衝板)をパッドとして介在させ
てロウ付けすることも行われている。さらに、リード線
自体をこのような熱膨張係数の小さい金属製のものとす
ることも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の対策のうち前者
のようにリード線にNi線を用い、緩衝板を介して接合
する構造では、応力の緩衝板をなすCu等の変形容易性
によってロウ付け時の応力緩和作用はある。しかし、セ
ラミックヒーターの使用過程で加わる熱サイクルを想定
した耐久試験には不充分であった。Cu等の比較的低強
度(軟質)の金属は、熱膨張係数が大きいため、その後
の冷却加熱の繰り返しにより、セラミックにクラックを
発生させ、そのクラックが成長して接合強度が低下し、
その結果、緩衝板の剥離や成長したクラックから酸化し
て抵抗変化等を生じて耐久性が劣化するためである。な
お、リード線に銅線を用いることも考えられるが、グロ
ープラグでは、その使用過程での振動などによる疲労に
対して強度が確保できず、破断する危険性が高いため使
用できないのが実情である。
【0006】また、後者のようにFe−Ni合金やFe
−Ni−Co合金を用いる接合構造では、それらの熱膨
張係数が小さいものの、体積抵抗率が大きい。このた
め、電流印加時に発熱し、電力損失(熱エネルギー損
失)が大きいため、基本的にリード線には不向きであ
る。また、こうしたFe基合金は、Cu、Ni等の軟質
金属と比較すれば硬度が高く、耐力も高いため、リード
線の接合時において発生する残留応力が大きい。残留応
力が大きいと、クラックが発生しやすいため、熱サイク
ル耐久試験に弱く、抵抗値変化が大きくなる。このよう
に、従来のセラミックヒーターにおいては、そのリード
線接合用端子(電極取出し部)とリード線との接合にお
ける信頼性が必ずしも十分ではなかった。
【0007】本発明は、セラミックヒーターにおけるリ
ード線接合用端子とリード線との接合において、こうし
た問題点を解消し、信頼性の高いリード線の接合構造を
得ることをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明にかかる請求項1に記載のセラミックヒータ
ーは、絶縁セラミック基体中に発熱体を埋設し、この発
熱体に導通を保持して連なるリード線接合用端子にリー
ド線を接合してなるセラミックヒーターにおいて、前記
リード線をクラッド金属で形成し、そのクラッド金属
は、体積抵抗率が小さく熱膨張系数が大きい金属の層
と、体積抵抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の層と
を含む構成のものとし、前記金属の層のうち、体積抵抗
率が小さく熱膨張系数が大きい金属の層をリード線接合
用端子に接合したことをことを特徴とする。
【0009】本発明では、クラッド金属(クラッド材)
をリード線として用い、それを構成する金属の層のう
ち、体積抵抗率が小さく熱膨張系数が大きい金属の層
(以下、接合側の金属層ともいう)をリード線接合用端
子に接合したものである。このような接合側の金属層
は、比較的強度が小さく軟質であるため、熱サイクルに
対する耐久試験には弱いが、変形しやすいため、ロウ付
け時の応力を吸収する緩衝板の作用をする。一方、上記
クラッド金属を構成する、体積抵抗率が大きく熱膨張系
数の小さい金属の層(以下、非接合側の金属層ともい
う)は、接合側の金属層とは逆に、比較的強度が高い。
したがって、リード線全体としての強度アップを図るこ
とができる。
【0010】つまり、上記したクラッド金属を用いてリ
ード線として接合した本発明の接合構造によれば、接合
側の金属層によって接合時の応力を吸収できる。また、
非接合側の金属層によってその後の熱サイクルに対する
耐久性ないし強度が保持される。このように、本発明で
は、セラミックヒーターのリード線として上記したクラ
ッド金属を用いることで、リード線接合部に要求される
応力の緩衝作用とリード線の強度を兼ね備えたものとな
ることから、信頼性の高い電気的接続を構造の複雑化を
招くことなく実現できる。なお、本発明に用いるクラッ
ド金属からなるリード線は、横断面が四角の線材(帯板
板材)とするのが好ましい。ただし、その金属の層の数
はとくに限定されるものではない。
【0011】本発明において、クラッド金属を構成す
る、体積抵抗率が小さく熱膨張系数が大きい金属の層を
なすものは、Cu、Ni、Ag、Pt又はAuのいずれ
かとするのが適切である。これらは、延性に富み、体積
抵抗率は10μΩ・cm以下と小さく電気的特性にも優
れる上に、熱膨張系数も12×10−6/℃以上と大き
いためである。とくに、Cu又はNiはコストが低く好
ましい。すなわち、上記手段においては、請求項2に記
載のように、前記金属の層のうち、前記リード線接合用
端子に接合した金属の層が、Cu、Ni、Ag、Pt又
はAuのうちのいずれかからなるものを選択するとよ
い。
【0012】また、本発明において、クラッド金属を構
成する、体積抵抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の
層をなすものは、42%Ni鋼、36%Ni鋼等のFe
−Ni合金又はコバール等のFe−Ni−Co合金から
なるものとするのが適切である。これらは、体積抵抗率
が50μΩ・cm以上と大きく、熱膨張形数が7×10
−6/℃以下と小さいためである。すなわち、上記手段
においては、請求項3に記載のように、前記金属の層の
うち、体積抵抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の層
が、Fe−Ni合金又はFe−Ni−Co合金からなる
ものとするとよい。
【0013】さらに、後述する試験結果からすると、ク
ラッド金属を構成する、体積抵抗率が小さく熱膨張系数
が大きい金属の層、及び体積抵抗率が大きく熱膨張系数
の小さい金属の層はつぎのようなものとしてもよい。前
記金属の層のうち、前記リード線接合用端子に接合した
金属の層は、ビッカース硬度Hv100以下の金属から
なるものとするとよい。また、記金属の層のうち体積抵
抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の層に、Fe−N
i合金又はFe−Ni−Co合金を用いた場合に好まし
い結果が得られたことからして、前記金属の層のうち、
体積抵抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の層は、0
℃〜500℃までにおける線膨張形数が7×10−6
℃以下の金属からなるものとするとよい。
【0014】本発明においてクラッド金属は、その金属
の層の数が2層のものでよいが、請求項4に記載のよう
に3層のものとしてもよい。このものを使用する場合に
は、接合時において、いずれの表面層で接合することも
可能となるため、作業性が極めてよい。そして、3層構
造からなるクラッド金属を用いる場合には、請求項5に
記載のように、前記クラッド金属の両方の表面層が同一
素材からなりかつ同一厚さからなるものとするのが好ま
しい。このようにしておけば、その横断面の層間に関す
る対称性に基づき、熱変化による曲げモーメントが発生
しないことから、ヒーター装置の設計において反りを考
慮する必要がないためである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図3
に基いて詳細に説明する。図中2は、本形態のセラミッ
クヒーターであり、直径φ3.5mmで長さ25mmの
丸棒状をなす窒化珪素質のセラミック基体5中に、略U
字状に形成された導電性セラミックからなるセラミック
発熱体6を、U字状の折り返し部を先端側にして鋳ぐる
み状に埋設した構造とされている。このセラミック発熱
体6は、セラミックヒーター2の先端2a寄りの折り返
し部7aから後端2c寄り部位まで延びるように形成さ
れている。ただし、本形態では、折り返し部7aを含む
先端2a側には抵抗値の高い組成のセラミック発熱体7
が配置され、折り返し部7aを含まない後端2c側には
抵抗値の低いセラミック発熱体8が配置されてなる複合
構造のセラミック発熱体6とされている。
【0016】そして、セラミック発熱体6の両脚9の端
部(後端)6c寄り部位の対向する両外側面が本形態で
はセラミックヒーター2の軸線Gと平行にかつ同方向に
一定長さにわたって露出するように、セラミック基体5
及びセラミック発熱体6が平面(平坦)状に研削され、
研削されて露出したセラミック発熱体6の両脚の表面を
リード線接合用端子11としている。なお、リード線接
合用端子11の軸線G方向に沿う長さは、リード線1
5、15との接合に適切な強度が得られるように設定す
ればよい。ただし、本例ではリード線接合用端子11の
軸線G方向に沿う長さは6mm、幅は3mmとされてい
る。また本形態では、両リード線接合用端子11は互い
に平行な平面とされている。
【0017】このようなセラミックヒーター2をなすセ
ラミック発熱体6の両脚の露出面をリード線接合用端子
11とし、本例では、矩形断面のクラッド金属からなる
リード線15がその端部寄りの主面を当接した形でロウ
材20により接合されている。ただし、本形態ではリー
ド線15は、その幅Wが1.5mmで、厚さが0.3m
mの一定の横断面形状を呈し、銅の層15aと、コバー
ルの層15bとの2層構造をなすクラッド金属が使用さ
れている。ただし、各金属層の厚さT1、T2はともに
0.15mmとされている。そして、その銅の層15a
を介してリード線接合用端子11にロウ材20にて接合
されている。なお、その接合には本例ではCu:90%
で、活性金属としてSi:3%、Pd:3%及びTi:
4%を含むロウ材(以下、銅ロウともいう)20が使用
されている。因みに、ロウ材層(以下、銅ロウ材層とも
いう)20の厚さは50〜150μmの範囲となるよう
に設定されている。
【0018】さて次に、このようなクラッド金属からな
るリード線15を銅ロウによって接合してなる接合構造
の作用ないし効果について説明する。本形態では、リー
ド線接合用端子11に、銅ロウ20を用い、クラッド金
属からなるリード線15をその銅の層15aを端子11
に当接するようにして接合したものである。したがっ
て、そのロウ付け時にはリード線15と端子11との間
で、セラミックとの熱膨張差により両者には従来の接合
構造によるならば残留応力が発生するところ、本形態で
は、その銅の層15aが軟質なために変形する。このた
め、ロウ付け時の残留応力の発生が緩和、吸収される。
すなわち、本形態では、銅とコバールからなるクラッド
金属をリード線15として用い、体積抵抗率が小さく熱
膨張系数が大きい銅の層15aを端子11側に当接させ
るようにして接合したものである。このような銅は、強
度が小さく軟質であるため、応力を吸収する緩衝板の作
用をする。
【0019】一方、リード線15を構成する非接合側の
金属層15bはコバールからなっているため、リード線
15全体としての強度アップが図られる。すなわち、非
接合側の金属層15bは体積抵抗率が大きく熱膨張系数
の小さいコバールであり、このような金属は、接合側の
金属層すなわち銅とは異なり、強度が高いため、その後
に熱サイクルが加えられても、リード線15の破断を招
かない。したがって、耐久性及び信頼性の高い接合構造
となすことができる。
【0020】なお、このようなクラッド金属を用いたリ
ード線15の他端部は、ヒーター装置内に配置される別
の端子、例えば図示しない中軸といわれる部品の側面に
接合することになる。その際には、コバールからなる非
接合側の金属層15bを同端子に当接して抵抗溶接する
ことで簡単にその接合をすることができる。
【0021】さて次に本発明の別の実施の形態について
図4及び図5に基づいて説明する。ただし、本形態は、
リード線25をなすクラッド金属を3層構造のものとし
た点のみが前記形態と相違するだけであり、本質的相違
点はないので、同一の部位には同一の符号を付し、その
相違点のみ説明する。
【0022】すなわち、本形態では銅、コバール、及び
銅の3層構造(15a、15b、15a)のクラッド金
属からなるリード線25をセラミックヒーターにおける
端子11に接合したものである。しかして、本形態では
接合時に、いずれの面でもロウ付けできるため作業性に
優れる。このような3層構造のものでは、両表面をなす
銅の層15aの厚さT1、T3を一定とするとよい。こ
のようにしておけば、熱変化があっても基本的に曲げモ
ーメントが作用しないためである。なお、このように3
層構造とする場合において、リード線25の他端部を前
記した中軸と接合する場合には、表面の金属層(銅)が
あると、その接合に抵抗溶接が困難となることから、そ
の接合個所のみ銅の層を削り落とせばよい。もっとも、
この部分の接合は機械的な接合構造としてもよいし、ロ
ウ付けで接合してもよい。
【0023】本発明においてクラッド金属の構成素材
(層)又はその各金属層の厚さ、或いは接合に用いたロ
ウ材は、セラミックヒーターの用途ないし熱環境に応じ
て適宜のものとすればよい。さらに、本発明は、上記し
た実施形態のものに限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない限りにおいては適宜に変更して具体化でき
る。例えば、クラッド金属からなるリード線のうち、セ
ラミックヒーターにおける端子との接合部をなす端部寄
り部位についてのみ、幅広のパッド形状にしておいても
よい。また、リード線接合用端子が円筒面であれば、リ
ード線のうちセラミックヒーターにおける端子との接合
部をなす端部寄り部位を、これに倣う円筒面として接合
すればよい。さらに、ロウ付けに使用するロウ材は銀ロ
ウなど、セラミックヒーターの用途に応じて適宜のもの
を使用すればよい。
【0024】以下、上記の各形態において、クラッド金
属の層の構成素材(金属)又はその各金属の層の厚さ比
等を変えた各種のリード線(クラッド金属)を用い、銅
ロウ又は金ロウで接合した接合体(セラミックヒータ
ー)の試料を作った。そして、ロウ付け後のリード線の
接合強度(破断強度)を測定し、その後、耐久試験を実
施し、熱サイクル評価を試験した。なお、リード線の横
断面の寸法は、クラッド金属でない比較例(従来技術)
の金属線も含め、その幅(全幅)Wが1.5mmで、厚
さ(全厚)が、0.3mmで一定のものである。
【0025】熱サイクル評価の試験内容は、各試料を気
相の冷熱試験機にかけ、−30℃で1分間保持と、50
0℃で5分間保持の繰り返しによる熱サイクルを100
0サイクル加えた。そして、評価は試験後において、セ
ラミックにおける接合部近傍のクラックの発生の様子
(有無)と抵抗値変化をみた。結果は表1に示した通り
である。ただし各試験結果とも5個の試験の平均値であ
る。
【0026】なお、銅ロウは前記した組成のものであ
り、金ロウはAu:96%、Ni:3%、Ti:1%の
ものを使用した。因みに、ロウ付けの条件は、銅ロウに
よる場合には1060℃×1時間真空保持、金ロウによ
る場合には1020℃×1時間真空保持である。なお、
セラミックヒーターのセラミック基体をなす絶縁性セラ
ミックは、窒化珪素を主成分とするもの(Si
85質量%、希土類酸化物:10質量%、SiO:5
質量%)であり、先端側のセラミック発熱体は、WC:
50質量%、Si:44質量%、希土類酸化物:
4質量%、SiO :2質量%とし、後端側のセラミッ
ク発熱体は、WC:60質量%、Si :35質量
%、希土類酸化物:3質量%、SiO:2質量%とし
た。
【0027】
【表1】
【0028】試料No.1〜3のように、体積抵抗率が
小さく、熱膨張系数の大きい素材(Ni、Pt、Cu)
からなるリード線を接合した試料では、耐久試験後でも
抵抗値の変化は見られなかった。しかし、試料No.
1、3のNi、Cuのリード線ではロウ付け後の引張り
強度が低かった。そして、いずれも耐久試験後において
セラミックにクラックの発生が見られた。
【0029】また、試料No.4〜6のように体積抵抗
率が大きく、熱膨張系数の小さい素材(コバール、42
%Ni鋼、又は36%Ni鋼のいずれかからなる単線)
からなるリード線を接合した試料では、ロウ付け後のリ
ード線の引張り強度は十分であり、耐久試験後における
セラミックのクラック発生も見られなかった。しかし、
耐久試験後における抵抗値変化が13%以上と大きかっ
た。これは、この種の素材からなるリード線は高強度材
のため、ロウ付け時の残留応力が大きく、耐久試験にお
いて接合部にハガレが発生したものである。
【0030】一方、本発明範囲である試料No.7〜1
7のものにおいては、試料No.11のものを除き、い
ずれの試験内容についても問題はなかった。なお、試料
No.11のものにおいて、ロウ付け後のリード線の引
張り強度が低かったのは、高強度材であるコバールの厚
さが銅の厚さの1/2と薄かったためである。ただし、
リード線の引張り強度(破断荷重)は破断荷重が70N
あれば実用上の問題はない。
【0031】また、上記の試験に使用した本発明範囲の
クラッド金属からなるリード線における、リード線接合
用端子に接合した金属の層は、その硬度がいずれもビッ
カース硬度においてHv100以下であった。これよ
り、リード線接合用端子に接合した金属の層はビッカー
ス硬度においてHv100以下の金属とすることで、緩
衝作用が得られることが分かった。
【0032】なお、前記形態では、セラミックヒーター
を構成する、発熱体及びリード線接合用端子を導電性セ
ラミックとしたが、これらはW、Moなどの高融点金
属、或いはWC、TiN等の高融点金属化合物であって
もよいことはいうまでもない。また、本発明において、
セラミック基体をなす絶縁性セラミックについては、セ
ラミックヒーターの用途などに応じて適宜の材質、組成
の絶縁性セラミックで形成すればよい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明及び試験結果からも明らかな
ように、本発明によれば、セラミックヒーターのリード
線として上記したようにクラッド金属を用いて接合した
ことで、Cu、Ni等の緩衝板を介在させることなく、
リード線接合部に要求される応力の緩衝作用とリード線
の強度を兼ね備えたものとなることから、信頼性の高い
電気的接続を構造の複雑化を招くことなく実現できる。
しかも、緩衝板を要する接合構造に比べると、そのよう
な別途、独立の部品が不要となるから、その分、コスト
の低減も期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックヒーターの実施形態の
正面縦断面図及びそのリード線接合用端子とリード線と
のリード線接合部の拡大図。
【図2】図1の拡大図を矢印A方向から見た図。
【図3】図1の拡大図のB−B線断面図。
【図4】別形態のリード線接合用端子とリード線との接
合部の拡大図。
【図5】図4の拡大図のB−B線断面図。
【図6】従来のセラミックヒーターの正面縦断面図。
【符号の説明】
2 セラミックヒーター 5 窒化珪素セラミック基体 6 発熱体 7、8 導電性セラミック 11 リード線接合用端子 15、25 リード線 15a 体積抵抗率が小さく熱膨張系数が大きい金属の
層 15b 体積抵抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の
層 20 リード線接合用端子とリード線を接合するロウ材
(ロウ材層) G セラミックヒーターの軸線
フロントページの続き Fターム(参考) 3K092 PP16 PP20 QA01 QB03 QC02 QC05 QC19 QC38 QC43 QC52 VV01 VV26 VV35 VV36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁セラミック基体中に発熱体を埋設
    し、この発熱体に導通を保持して連なるリード線接合用
    端子にリード線を接合してなるセラミックヒーターにお
    いて、 前記リード線をクラッド金属で形成し、そのクラッド金
    属は、体積抵抗率が小さく熱膨張系数が大きい金属の層
    と、体積抵抗率が大きく熱膨張系数の小さい金属の層と
    を含む構成のものとし、 前記金属の層のうち、体積抵抗率が小さく熱膨張系数が
    大きい金属の層をリード線接合用端子に接合したことを
    ことを特徴とするセラミックヒーター。
  2. 【請求項2】 前記金属の層のうち、前記リード線接合
    用端子に接合した金属の層が、Cu、Ni、Ag、Pt
    又はAuのうちのいずれかからなることを特徴とする請
    求項1記載のセラミックヒーター。
  3. 【請求項3】 前記金属の層のうち、体積抵抗率が大き
    く熱膨張系数の小さい金属の層が、Fe−Ni合金又は
    Fe−Ni−Co合金からなることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のセラミックヒーター。
  4. 【請求項4】 前記クラッド金属は、3層構造からなる
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のセラミッ
    クヒーター。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記クラッド金属
    の両方の表面層が同一素材からなりかつ同一厚さからな
    ることを特徴とするセラミックヒーター。
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