JP2002298570A - 磁気記録・再生システム - Google Patents

磁気記録・再生システム

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JP2002298570A
JP2002298570A JP2001096570A JP2001096570A JP2002298570A JP 2002298570 A JP2002298570 A JP 2002298570A JP 2001096570 A JP2001096570 A JP 2001096570A JP 2001096570 A JP2001096570 A JP 2001096570A JP 2002298570 A JP2002298570 A JP 2002298570A
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JP2001096570A
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Yoshiteru Kabaya
美輝 蒲谷
Tadashi Osue
匡 尾末
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗形ヘッドの再生機能が低下すること
のない磁気記録・再生システムを提供する。 【解決手段】 筐体2内において、MRヘッド12a、
12bと共通雰囲気の周辺の所定領域内に存在する金属
部品の表面に防護膜が形成されることにより、金属部品
から筐体2内へのH2Sガスの放出が防止されており、
筐体2内の気体の水分によって所定領域内に存在する金
属部品が酸化され、この酸化に伴って、所定領域内に存
在する金属部品に含まれるSがHと反応してH2Sガス
として筐体2内に放出されることが大幅に抑制され、発
生するH2SガスによつてMRヘッド12a、12bが
変質し、磁気抵抗効果が変動して再生機能が低下するこ
とを防止することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録・再生シス
テム、特に磁気抵抗効果型素子を含む磁気抵抗効果型ヘ
ッド(以下では磁気抵抗型ヘッドという)を備えた磁気
記録・再生システムに関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗率が流れる電流の方向と磁化方向の
角度によって変化する現象は、異方性磁気抵抗効果(A
nisotropic magnetoresista
nceeffect)と呼ばれるが、室温近傍の温度で
この効果の大きいNi−Co系合金やNi−Fe系合金
を使用した磁気抵抗型ヘッドは、電磁誘導を利用するイ
ンダクティブ型磁気ヘッドよりも、高感度で再生出力が
大きいので、磁気抵抗型ヘッドを再生用ヘッドとする磁
気ヘッドユニットによって、高密度の記録・再生動作を
行なう磁気記録・再生装置が広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の磁気記録・再
生装置では、各種の電気回路が配設される固定ドラム、
及び各種の電気回路や磁気ヘッドユニットが配設される
回転ドラムからなるドラムユニットと、磁気記録媒体の
走行駆動・巻取系機構とが装置の筐体内に配設されてい
る。これらのドラムユニットや走行駆動・巻取系機構を
構成する金属部品には、加工時の切削性を向上させるた
めに、Sを含む材質の金属部品が使用されることがあ
る。ドラムユニットや走行駆動・巻取系機構の金属部品
にSを含む金属材が使用されていると、筐体内の気体中
の水分によって金属部品が酸化する際に、金属部品の表
面がSリッチの状態となり、筐体内のHガスと反応して
2Sガスとなり、金属部品からH2Sガスが筐体内に放
出される。このように、金属部品にSが含まれている
と、金属部品から発生したH2Sガスによって、磁気抵
抗型ヘッドの抵抗体が変質して異方性磁気抵抗効果が変
化してしまい、再生出力が低下して再生動作能力が低減
することがある。
【0004】本発明は、前述したような磁気抵抗形型ヘ
ッドを含む磁気ヘッド手段を備えた磁気記録・再生シス
テムの再生動作の現状に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、磁気抵抗型ヘッドの再生機能が低下すること
のない磁気記録・再生システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、筐体内に磁気抵抗効果型ヘ
ッドが搭載された磁気記録・再生システムにおいて、前
記磁気抵抗効果型ヘッドと雰囲気を共有する範囲に存在
する金属部材に、H2Sガスの発生のない金属部材が選
択使用されていることを特徴とするものである。
【0006】このような手段によると、筐体内の水分に
よる金属部材の表面の酸化時に、金属部材からH2Sガ
スが放出されることはなく、筐体内の磁気抵抗効果型ヘ
ッドが、H2Sガスに侵されて変質することにより磁気
抵抗値が変化することがなくなり 、情報再生時の再生
機能が低下することなく記録・再生動作が行われる。
【0007】同様に前記目的を達成するために、請求項
2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記磁
気抵抗効果型ヘッドと雰囲気を共有する範囲が、前記筐
体内の全域であることを特徴とするものである。
【0008】このような手段によると、磁気抵抗効果型
ヘッドと雰囲気を共有する範囲を筐体内の全域として、
請求項1記載の発明での作用が実行される。
【0009】同様に前記目的を達成するために、請求項
3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記H
2Sガスの 発生のない金属部材が、H2Sガスの発生を
抑制する処理が施された金属部材であることを特徴とす
るものである。
【0010】このような手段によると、H2Sガスの発
生を抑制する処理が施された金属部材をH2Sガスの発
生のない金属部材として、請求項1記載の発明での作用
が実行される。
【0011】同様に前記目的を達成するために、請求項
4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記S
ガスの発生のない金属部材が、H2Sを含まない金属部
材であることを特徴とするものである。
【0012】このような手段によると、H2Sを含まな
い金属部材をH2Sガスの発生のない金属部材として、
請求項1記載の発明での作用が実行される。
【0013】同様に前記目的を達成するために、請求項
5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記磁
気抵抗効果型ヘッドが、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘ
ッド)、または巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRヘッ
ド)、またはトンネル磁気抵抗効果型ヘッド(TMRヘ
ッド)であることを特徴とするものである。
【0014】このような手段によると、磁気抵抗効果型
ヘッドを、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)、また
は巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRヘッド)、または
トンネル磁気抵抗効果型ヘッド(TMRヘッド)とし
て、請求項1記載の発明での作用が実行される。
【0015】同様に前記目的を達成するために、請求項
6記載の発明は、請求項1記載の磁気記録・再生システ
ムにおいて、円筒状の固定ドラム及び該固定ドラムと共
通の軸芯を有し、前記固定ドラムに隣接して回転自在に
配設される円筒状の回転ドラムからなるドラムユニット
と、該ドラムユニットに巻掛けられ、所定方向に走行駆
動される磁気記録媒体と、前記回転ドラムにその周面か
ら僅かに突出して取り付けられ、再生用の磁気抵抗型ヘ
ッドと記録用の磁気ヘッドの少なくとも1組からなり、
前記磁気記録媒体に対して情報の記録・再生を行なう磁
気ヘッドユニットとが筐体内に配設されていることを特
徴とするものである。
【0016】このような手段によると、円筒状の固定ド
ラム及び該固定ドラムと共通の軸芯を有し、固定ドラム
に隣接して回転自在に配設される円筒状の回転ドラムか
らなるドラムユニットに、磁気記録・媒体が巻掛けら
れ、所定方向に走行駆動され、回転ドラムにその周面か
ら僅かに突出して取り付けられ、再生用の磁気抵抗形ヘ
ッドと記録用の磁気ヘッドの少なくとも1組からなる磁
気ヘッドユニットによって、磁気記録媒体に対して情報
の記録・再生が行われるが、磁気抵抗効果型ヘッドと雰
囲気を共有する範囲に存在する金属部材には、H2Sガ
スが発生することのない金属部材が選択使用されている
ので、筐体内の水分による金属部材の表面の酸化時に、
金属部材からH2Sガ スが放出されることはなく、筐体
内の磁気抵抗効果型ヘッドが、H2Sガスに侵されて変
質して磁気抵抗値が変化して、磁気抵抗効果が変動し情
報再生時の再生機能が低下することがなくなり、安定し
た記録・再生動作が行われる。
【0017】同様に前記目的を達成するために、請求項
7記載の発明は、請求項6記載の発明に対して、前記磁
気ヘッドユニットの前記磁気記録媒体に対する接触圧条
件を変化させる振動手段が、前記回転ドラムにさらに設
けられていることを特徴とするものである。
【0018】このような手段によると、請求項6記載の
発明での作用に加えて、回転ヘッドに磁気ヘッドユニッ
トの磁気記録媒体に対する接触圧条件を変化させる振動
手段が設けられているので、振動手段によって磁気ヘッ
ド手段と磁気記録媒体との接触圧条件が変化され、両者
間の摩擦を低減させることによって、磁気ヘッド手段の
磨耗を減少させ、磁気ヘッド手段へのステイン(堆積
物)の付着量を減少させる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施の形態を、
図1ないし図5を参照して説明する。図1は本実施の形
態の全体構成を示す説明図、図2は図1の要部の構成を
示す斜視説明図、図3は本実施の形態の磁気記録媒体に
対する磁気ヘッドの接触圧条件の変化動作の説明図、図
4は本実施の形態のMRヘッドの構成を示す斜視説明
図、図5は本実施の形態の再生動作の説明図である。
【0020】本実施の形態では、図1に示すように、磁
気記録媒体として磁気テープ5が用いられ、この磁気テ
ープ5の長手方向に所定の角度で傾斜した記録トラック
が形成されるヘリカルスキャン磁気記録・再生装置が、
筐体2内に配設定されて、磁気記録・再生システム1が
構成されている。筐体2内には、巻装された磁気テープ
5を送り出す供給リール6、記録または再生が行なわれ
た磁気テープ5が巻き取られる巻取リール7、及び駆動
走行する磁気テープ5が、図2に示すように、斜めに巻
掛けられる固定ドラム16及び回転ドラム17からなる
ドラムユニット3が配設されており、固定ドラム16の
側面には、磁気テープ5の走行を案内するガイド部20
が形成されている。また、筐体2内において、供給リー
ル6から供給される磁気テープ5を、ドラムユニット3
に巻き掛けて走行させ、巻取リール7に巻き取るため
に、走行の案内をするガイドローラ8a、8bが、供給
リール6とドラムユニット3間に、ガイドローラ8c、
8dが、ドラムユニット3と回転ドラム17間にそれぞ
れ配設されている。さらに、ローラ8dと巻取リール7
間には、磁気テープ5を所定の張力で所定速度で走行駆
動するキャプスタンモータ10とキャプスタン11とが
配設されている。
【0021】ドラムユニット3は固定ドラム16及び、
固定ドラム16と軸芯を共通にして固定ドラム16に隣
接配設され、固定ドラム16とほぼ同径の回転ドラム1
7からなり、モータ18によって、図2に矢印で示すθ
方向に回転されるように構成されている。そして、回転
ドラム17の周面の固定ドラム16側には、周面から僅
かに(数μm〜数10μm)先端を突出させて、MRヘ
ッド12a、12bが、回転ドラム17の中心を挟ん
で、互いに対向配設されており、MRヘッド12aは、
MRヘッド12aを磁気テープ5の面に直角に振動さ
せ、磁気テープ5とMRヘッド12aとの接触圧条件を
変化させる圧電素子からなるアクチュエータ14aに保
持されている。同様にして、MRヘッド12bは、MR
ヘッド12bを、図3(b)に示すように磁気テープ5
の面に直角に振動させ、磁気テープ5とMRヘッド12
bとの接触圧条件を変化させる圧電素子からなるアクチ
ュエータ14bに保持されている。
【0022】また、回転ドラム17の周面の固定ドラム
16側には、周面から僅かに(数μm〜数10μm)先
端を突出させて、インダクティブ形の磁気ヘッド13
a、13bが、MRヘッド12a、12bと90゜位相
を異にして互いに対向配設されており、磁気ヘッド13
aは、磁気ヘッド13aを磁気テープ5の面に直角に振
動させ、磁気テープ5と磁気ヘッド13aとの接触圧条
件を変化させる圧電素子からなるアクチュエータ15a
に保持されている。同様にして、磁気ヘッド13bは、
磁気ヘッド13bを磁気テープ5の面に直角に振動さ
せ、磁気テープ5と磁気ヘッド13bとの接触圧条件を
変化させる圧電素子からなるアクチュエータ15bに保
持されている。
【0023】ところで、インダクティブ型の磁気ヘッド
13a、13bは、同一の構成を有し、高透磁性の軟磁
性材のコアに巻線がN回巻回され、磁気テープ5と接す
る先端に非磁性材で隔てられた狭いギャップが形成され
ており、情報に対応する信号電流Iを巻線に流して起磁
力NIを加えると、ギャップの近傍に生じる漏洩磁界に
よつて、磁気テープ5の磁性層が磁化されて、磁気テー
プ5に対する記録が行なわれるように構成されている。
また、これらの磁気ヘッド13a、13bは、磁気テー
プ5に対してアジマス記録を行なうように、アジマス角
が互いに逆になるように設定されている。
【0024】一方、MRヘッド12a、12bは同一の
構成を有し、図4にMR磁気ヘッド12aを取り上げて
説明すると、軟磁性材からなる一対の磁気シールド2
2、23の磁気テープ5との摺動面25側に、ほぼ長方
体状のMR素子部21が、絶縁体24を介して露呈状態
で挟持されており、MR素子部21は、長手方向を磁気
テープ5の長さ方向に直角にして、磁気テープ5に対接
するように、磁気シールド22、23に挟持されてい
る。ここで、MR素子部21は、磁気抵抗効果を有する
軟磁性材からなるMR素子と、低保磁力で高透磁率の磁
性材からなり、MR素子にバイアス磁界を印加するSA
L(Soft Adjacent Layer)膜と、
MR素子とSAL膜間に配される絶縁体膜とが積層され
た構成となっている。このMR素子部21には、図5に
示すように端子T1、T2が接続され、端子T1、T2
を介してMR素子部21にセンス電流が供給され、また
抵抗変化に応じる電圧変化が端子T1、T2を介して検
出されるように構成されている。
【0025】さらに、図示はしないが、固定ドラム16
には、発振器を含む駆動信号出力回路が設けられ、回転
ドラム17には、各種信号を出力する信号出力回路が設
けられ、固定ドラム16と回転ドラム17間には、駆動
信号出力回路からの信号を、信号出力回路に入力するロ
ータリートランスが設けられている。
【0026】ところで、この種の磁気記録・再生システ
ムに使用する金属部品の材質には、前述したように、加
工時の切削性を高めるためにSが含まれることがある
が、本実施の形態においては、筐体2内において、MR
ヘッド12a、12bと共通雰囲気の予め設定される所
定領域に存在する金属部品の表面に、筐体2内気体の水
分によって金属部品が酸化することを防止し、且つこの
酸化に伴って、金属部品内のSが筐体2内に放出され、
2Sが生成されることを防止するための防護膜が形成
されている。このようにして、本実施の形態では、筐体
2内において、MRヘッド12a、12bの周辺の予め
設定される所定領域に存在する金属部品の材質には、こ
の種の処理が施されたフェライト系ステンレス鋼やマル
テンサイト系ステンレス鋼が使用されている。
【0027】このような構成の本実施の形態の動作を説
明する。本実施の形態では、供給リール6から巻き戻さ
れる磁気テープ5が、キャプスタンモータ10とキャプ
スタン11によって、所定の張力及び速度で、図1及び
図2に矢印A、Bに示すように、所定方向に回転ドラム
17に所定の巻掛け角で巻掛けられた状態で駆動走行さ
れ、回転ドラム17が図2矢印θに示す方向に回転さ
れ、磁気ヘッド13a、13bが、磁気テープ5上をヘ
リカルスキャンすることにより情報の記録が行なわれ、
MRヘッド12a、12bが、磁気テープ5上をヘリカ
ルスキャンすることにより、磁気テープ5に記録されて
いる情報の再生が行なわれる。
【0028】この場合、記録時には、磁気ヘッド13
a、13bの高透磁性の軟磁性材のコアに巻回されてい
る巻線に、情報に対応する信号電流Iが流され、起磁力
NIが加えられると、ギャップの近傍に生じる漏洩磁界
によって、磁気テープ5の磁性層が磁化されて磁気テー
プ5に対する記録が行なわれるまた、再生時には、端子
T1、T2を介してMR素子部21にセンス電流が供給
されると、磁気テープ5の記録磁界に応じて、MR素子
部21の抵抗値が変化し、この抵抗変化に応じた電圧が
端子T1、T2を介して検出され、磁気テープ5に記録
されている情報が再生される。
【0029】一方、記録・再生時には、固定ドラム16
の駆動信号出力回路の発振器から、50kHz程度の発
振信号が出力され、この発振信号が、ロータリートラン
スを介して、回転ドラム17の信号出力回路に供給さ
れ、信号出力回路から出力される駆動信号が、アクチュ
エータ13a、14b、15a、15bに入力される。
これによって、磁気ヘッド13a、13bが、アクチュ
エータ15a、15bによって、回転ドラム17の外周
面から突出する方向にそれぞれ微小振動する。この時の
磁気ヘッド13a、13bの微小振動の振幅は、磁気ヘ
ッド13a、13bと磁気テープ5との間隔(スペーシ
ング量)数10nmに対して50nm以下に設定されて
いる。同様にして、MRヘッド12a、12bは、アク
チュエータ14a、14bによって、図3(b)に示す
ように、回転ドラム17の外周面から突出する方向に、
それぞれ50nm以下の振幅で微小振動する。
【0030】このようにして、磁気ヘッド13a、13
bとMRヘッド13a、13bとが、微小振動すること
により、磁気ヘッド13a、13b及びMRヘッド13
a、13bと磁気テープ5との接触圧が絶えず変動する
ために、磁気ヘッド13a、13b及びMRヘッド13
a、13bと磁気テープ5間の摩擦係数が減少し、磁気
ヘッド13a、13b及びMRヘッド13a、13bと
磁気テープ5との磨耗が低減し、磁気ヘッド13a、1
3b及びMRヘッド13a、13bへのステインの付着
量が減少する。
【0031】また、本実施の形態においては、筐体2内
において、MRヘッド12a、12bの周辺の所定領域
に存在する金属部品の表面に防護膜が形成され、筐体2
内でのH2Sガスの生成を防止する処理が施されている
ので、筐体2内の気体の水分による金属部品の酸化と、
この酸化に伴って、所定領域に存在する金属部品に含ま
れるSが筐体2内に放出され、筐体2内に生じるHと結
合してH2Sガスが発生することが阻止され、筐体2内
へのH2Sガスの発生が大幅に抑えられ、H2Sガスによ
って磁気抵抗形ヘッドが変質して磁気抵抗効果が変動し
再生機能が低下することが防止される。
【0032】このように、本実施の形態によると、磁気
テープ5が、回転ドラム17に所定の巻掛け角で巻掛け
られた状態で所定方向に駆動走行され、回転ドラム17
の回転によって、磁気ヘッド13a、13bが、磁気テ
ープ5上をヘリカルスキャンして情報の記録が行なわ
れ、MRヘッド12a、12bが、磁気テープ5上をヘ
リカルスキャンして磁気テープ5に記録されている情報
の再生が行なわれるので、再生感度を高めて高密度の記
録・再生動作が可能になる。
【0033】また、記録・再生時には、固定ドラム16
の駆動信号出力回路の発振器から、50kHz程度の発
振信号が出力され、この発振信号が、ロータリートラン
スを介して、回転ドラム17の信号出力回路に供給さ
れ、磁気ヘッド13a、13bが、アクチュエータ15
a、15bによって、回転ドラム17の外周面から突出
する方向に、50nm以下の振幅でそれぞれ微小振動
し、MRヘッド12a、12bが、アクチュエータ14
a、14bによって、回転ドラム17の外周面から突出
する方向に、それぞれ50nm以下の振幅で微小振動す
るので、磁気ヘッド13a、13b及びMRヘッド13
a、13bと磁気テープ5との接触圧が絶えず変動し、
磁気ヘッド13a、13b及びMRヘッド13a、13
bと磁気テープ5間の摩擦係数が減少し、磁気ヘッド1
3a、13b及びMRヘッド13a、13bと磁気テー
プ5との磨耗を低減することが可能になり、磁気ヘッド
13a、13b及びMRヘッド13a、13bへのステ
インの付着量を減少させることが可能になる。
【0034】さらに、本実施の形態では、筐体2内にお
いて、MRヘッド12a、12bと共通雰囲気の周辺の
所定領域に存在する金属部品の表面に防護膜が形成さ
れ、筐体2内でのH2Sガスの生成が防止されているの
で、例えば、筐体2内の気体の水分による金属部品の酸
化と、この酸化に伴って、所定領域に存在する金属部品
に含まれるSが筐体2内に放出され、筐体2内に生じる
Hと結合してH2Sガスが発生することが阻止され、筐
体2内でのH2Sガスの発生が大幅に抑えられ、H2Sガ
スによって磁気抵抗形ヘッドが変質して磁気抵抗が変化
し、磁気抵抗効果が変動し再生機能が低下することを防
止することが可能になる。
【0035】なお、以上の実施の形態では、MRヘッド
として、SALバイアス方式でシールド形のMRヘッド
を使用した場合を説明したが、本発明はこの実施の形態
に限定されるものではなく、積層構造で磁気抵抗効果を
高めた巨大磁気抵抗形MR(GMR)ヘッドや、トンネ
ル磁気抵抗効果を利用したトンネル磁気抵抗形MR(T
MR)ヘッドを使用することが可能であり、また、バイ
アス印加も永久磁石バイアス方式、シャント電流バイア
ス方式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバ
ーポール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式など
各種の方式を取ることができる。また、実施の形態で
は、筐体内において、MRヘッドの周辺の所定領域に存
在する金属部品の表面に防護膜を形成して、筐体内での
2Sガスの生成を防止する場合を説明したが、本発明
は、この実施の形態に限定されるものではなく、MRヘ
ッドの周辺の所定領域に存在する金属部品として、Sを
含まない金属材の金属部品を選択することにより、筐体
内でのH2Sガスの生成を防止することも可能である。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、筐体内に
磁気抵抗効果型ヘッドが搭載された磁気記録・再生シス
テムにおいて、磁気抵抗効果型ヘッドと雰囲気を共有す
る範囲に存在する金属部材には、H2Sガスが発生する
ことのない金属部材が選択使用されているので、筐体内
の水分による金属部材の表面の酸化時に、金属部材から
2Sガスが放出されることはなく、筐体内の磁気抵抗
効果型ヘッドが、H2Sガスに侵されて変質して磁気抵
抗値が変化し、磁気抵抗効果が変動して情報再生時の再
生機能が低下することが防止可能になる。
【0037】請求項2記載の発明によると、磁気抵抗効
果型ヘッドと雰囲気を共有する範囲を筐体内の全域とし
て、請求項1記載の発明で得られる効果を実現すること
が可能になる。
【0038】請求項3記載の発明によると、H2Sガス
の発生を抑制する処理が施された金属部材をH2Sガス
の発生のない金属部材として、請求項1記載の発明で得
られる効果を実現することが可能になる。
【0039】請求項4記載の発明によると、H2Sを含
まない金属部材をH2Sガスの発生のない金属部材とし
て、請求項1記載の発明で得られる効果を実現すること
が可能になる。
【0040】請求項5記載の発明によると、磁気抵抗効
果型ヘッドを、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド)、
または巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRヘッド)、ま
たはトンネル磁気抵抗効果型ヘッド(TMRヘッド)と
して、請求項1記載の発明で得られる効果が実現可能に
なる。
【0041】請求項6記載の発明によると、円筒状の固
定ドラム及び該固定ドラムと共通の軸芯を有し、固定ド
ラムに隣接して回転自在に配設される円筒状の回転ドラ
ムからなるドラムユニットに、磁気記録・媒体が巻掛け
られ、所定方向に走行駆動され、回転ドラムにその周面
から僅かに突出して取り付けられ、再生用の磁気抵抗形
ヘッドと記録用の磁気ヘッドの少なくとも1組からなる
磁気ヘッドユニットによって、磁気記録媒体に対して情
報の記録・再生が行われるが、磁気抵抗効果型ヘッドと
雰囲気を共有する範囲に存在する金属部材には、H2
ガスが発生することのない金属部材が選択使用されてい
るので、筐体内の水分による金属部材の表面の酸化時
に、金属部材からH2Sガスが放出されることはなく、
筐体内の磁気抵抗効果型ヘッドが、H2Sガスに侵され
て変質して磁気抵抗値が変化し、磁気抵抗効果が変動し
て情報再生時の再生機能が低下することが防止可能にな
る。
【0042】請求項7記載の発明によると、請求項6記
載の発明で得られる効果に加えて、回転ヘッドに磁気ヘ
ッドユニットの磁気記録媒体に対する接触圧条件を変化
させる振動手段が設けられているので、振動手段によっ
て磁気ヘッド手段と磁気記録媒体との接触圧条件が変化
され、両者間の摩擦を低減させることによって、磁気ヘ
ッド手段の磨耗を減少させることが可能になると共に、
磁気ヘッド手段へのステイン(堆積物)の付着量を減少
させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の全体構成を示す説明図
である。
【図2】図1の要部の構成を示す斜視説明図である。
【図3】同実施の形態の磁気記録媒体に対する磁気ヘッ
ドの接触圧条件の変化動作の説明図である。
【図4】同実施の形態のMRヘッドの構成を示す斜視説
明図である。
【図5】同実施の形態の再生動作の説明図である。
【符号の説明】
1・・磁気記録・再生システム、2・・筐体、3・・ド
ラムユニット、5・・磁気テープ、12a、12b・・
MRヘッド、13a、13b・・磁気ヘッド、14a、
14b、15a、15b・・アクチュエータ、16・・
固定ドラム、17・・回転ドラム、21・・MR素子
部、22、23・・磁気シールド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D034 BA03 CA00 DA07 5D036 AA01 AA07 AA10 BB02 BB12 CC72

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体内に磁気抵抗効果型ヘッドが搭載さ
    れた磁気記録・再生システムにおいて、前記磁気抵抗効
    果型ヘッドと雰囲気を共有する範囲に存在する金属部材
    に、H2Sガスの発生のない金属部材が選択使用されて
    いることを特徴とする磁気記録・再生システム。
  2. 【請求項2】 前記磁気抵抗効果型ヘッドと雰囲気を共
    有する範囲が、前記筐体内の全域であることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録・再生システム。
  3. 【請求項3】 前記H2Sガスの発生のない金属部材
    が、H2Sガスの発生を抑制する処理が施された金属部
    材であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録・再
    生システム。
  4. 【請求項4】 前記Sガスの発生のない金属部材が、H
    2Sを含まない金属部材であることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録・再生システム。
  5. 【請求項5】 前記磁気抵抗効果型ヘッドが、磁気抵抗
    効果型ヘッド(MRヘッド)、または巨大磁気抵抗効果
    型ヘッド(GMRヘッド)、またはトンネル磁気抵抗効
    果型ヘッド(TMRヘッド)であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録・再生システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の磁気記録・再生システム
    において、円筒状の固定ドラム及び該固定ドラムと共通
    の軸芯を有し、前記固定ドラムに隣接して回転自在に配
    設される円筒状の回転ドラムからなるドラムユニット
    と、 該ドラムユニットに巻掛けられ、所定方向に走行駆動さ
    れる磁気記録媒体と、 前記回転ドラムにその周面から僅かに突出して取り付け
    られ、再生用の磁気抵抗形ヘッドと記録用の磁気ヘッド
    の少なくとも1組からなり、前記磁気記録媒体に対して
    情報の記録・再生を行なう磁気ヘッドユニットとが筐体
    内に配設されていることを特徴とする磁気記録・再生シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁気記録・再生システム
    に対して、前記磁気ヘッドユニットの前記磁気記録媒体
    に対する接触圧条件を変化させる振動手段が、前記回転
    ドラムにさらに設けられていることを特徴とする磁気記
    録・再生システム。
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