JP2002297212A - 工作機械の数値制御装置 - Google Patents
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Abstract
記第1の送り軸と直交して結合した第2の送り軸は、加
速度の影響で振動し変位する。この変位量を抑制し、か
つ加速度に対する応答を高める工作機械の数値制御装置
の提供を目的とする。 【解決手段】 工作機械の数値制御装置200Aは、加工プ
ログラムおよびY軸21と直交して結合したZ軸31の複数
の繰り出し量に対応して加減速時の振動による変位を抑
制するためにY軸の複数の許容加速度を第1データ10A
として入力する入力部110Aと、これらを記憶する記憶部
120Aと、これらを解析して工作機械の指令値を生成する
解析部130Aと、この指令値からZ軸の算出繰り出し量に
対応したY軸の算出許容加速度を算出する算出部140A
と、Y軸の算出許容加速度と前記指令値から移動量を算
出し、駆動部160の各サーボモータ22、32に出力し、Y
軸とZ軸の位置と速度を制御するサーボ出力部150Aとで
構成される。
Description
を加速または減速するとき、工作機械の送り軸が加速度
に影響されて変位することを抑制し、かつ工作機械の送
り軸の加速または減速における時間的応答を高める工作
機械の数値制御装置に関するものである。
本発明に共通する事柄を図19および図20を用いて説
明する。図19と図20は工作機械の送り軸であるY軸
が移動するとき、Y軸と直交して結合したZ軸は、Y軸
に載って一緒に移動する場合を想定している。Y軸が加
速または減速して移動する時に、Z軸は振動の影響を受
けて変位する。図19は、Z軸の繰り出し量L1が図2
0に比べて大きい場合を表し、図20は、Z軸の繰り出
し量L2が図19に比べて小さい場合を表している。同
一加速度の場合、図19と図20を比べた場合、回転中
心からの繰り出し量L1がL2より大きい分だけ、変位
量d1はd2より大きくなる。この変位は、工作機械の
送り軸を移動させるとき、振動となって切削加工面に悪
影響を及ぼす。従来は、Z軸の繰り出し量の全域におい
て、振動を抑制するために、Z軸の繰り出し量が最大の
ときのY軸に対する加減速時間を単一で数値制御装置に
設定して対応していた。しかし、Z軸の繰り出し量が小
さいときには、変位量d1およびd2は小さいためにY
軸の加減速時間をより短く設定すべきであった。ところ
が、従来においては、前述のとおりZ軸の繰り出し量が
最大のときのY軸の加減速時間を用いているので、加速
または減速のときの時間的応答が必要以上に低く、従っ
て、ワークを切削して加工する時間が余分にかかるとい
う問題点があった。
来の構成について図18を用いて説明する。詳細につい
ては後述するが、従来の工作機械の数値制御装置200
は、入力部110、記憶部120、解析部130、サーボ出力部1
50で構成されている。
ベット文字および「/」などの特殊記号を入力するとき
に用いる数字キー、アルファベットキーおよび特殊キー
をそれぞれ有するキーボードを備えている。工作機械の
オペレータ17は入力部110のキーボードのキーを操作す
ることで、工作機械を作動する手順またはワークを加工
する手順を指令する加工プログラムを入力部110に入力
する。また、加減速時の振動によるZ軸31の変位量を加
工精度内にするためにZ軸31の繰り出し位置の全域に対
して単一でY軸21の加減速時間を入力部110に入力す
る。Z軸31に対しては、単一の加減速時間を入力部110
に入力する。さらに、入力部110には、前記加減速時間
以外に工作機械固有の制御用パラメータなど工作機械の
制御に関係する数値情報も入力される。これらの加工プ
ログラム、加減速時間および数値情報は従来のデータ10
に用意され、入力部110から記憶部120に記憶される。ま
た、入力部110には、従来のデータ10をテープ18、また
は、ディスク19にて入力することもできる。また、入力
部110では記憶部120に記憶された一連の加工プログラム
を指定して保持する。加工プログラムが指定されて実行
されると、解析部130は、この加工プログラムを解析し
て、工作機械の指令値(すなわち、Y軸21とZ軸31の送
り速度ならびに移動量、工作機械の主軸の回転速度およ
び切削工具を選択するための工具番号など)を生成す
る。
時間と前記指令値から単位時間毎の移動量を生成し、Y
軸21とZ軸31を駆動するための第1および第2サーボモ
ータ22、32に出力する。さらに、Y軸21とZ軸31の移動
した位置および速度(または第1および第2サーボモー
タ22、32の回転部の回転移動した位置および速度)を第
2および第4の検出器24、34(または第1および第3の
検出器23、33)からフィードバックして制御する。
位置および速度を検出する第2および第4の検出器24、
34(または第1および第2サーボモータ22、32の回転部
の回転移動した位置および速度を検出する第1および第
3の検出器23、33)を有し、Y軸21とZ軸31を駆動す
る。
を解決しようとするものであって、その目的は、工作機
械の第1の送り軸と直交して結合した第2の送り軸が、
前記第1の送り軸の加減速移動時に加速度の影響で振動
し変位するので、この変位量を抑制し、かつ前記第1の
送り軸の加速または減速における時間的応答を高める数
値制御装置を提供することにある。
発明は、加工プログラムおよび工作機械の第1の送り軸
と直交して結合している第2の送り軸の複数の繰り出し
位置に対応して加減速時の振動による前記第2の送り軸
の変位量を加工精度内に抑制すべく前記第1の送り軸に
関する複数の許容加速度を第1データとして入力する入
力部と、前記第1データを記憶する記憶部と、前記第1
データを解析して工作機械を制御する指令値を生成する
解析部と、前記指令値から前記第2の送り軸の算出繰り
出し量を算出して前記算出繰り出し量に対応した前記第
1の送り軸に関する算出許容加速度を算出する算出部
と、前記算出許容加速度と前記指令値から単位時間毎の
移動量を算出して各送り軸を駆動する第1および第2サ
ーボモータに出力すると共に前記各送り軸に関する位置
および速度をフィードバック制御するサーボ出力部とを
備えた工作機械の数値制御装置とした。
求項1において、加減速時間を許容加速度として用い、
算出加減速時間を算出許容加速度として算出したことを
特徴とする工作機械の数値制御装置とした。このように
繰り出し量に対応して算出許容加速度または算出加減速
時間を算出し第1の送り軸の加速または減速時の時間的
応答を高めたので工作機械の切削加工時間を短縮するこ
とが可能になった。
す図面に基づいて説明する。請求項1および請求項2の
発明にかかる以下の説明においては、Y軸を請求項1記
載の第1の送り軸とし、Z軸を請求項1記載の第2の送
り軸として説明する。
明に対する一実施形態としての構成を示すブロック図で
ある。図1の各部についての詳細は後述するが、この工
作機械の数値制御装置200Aは、図1のように入力部110
A、記憶部120A、解析部130A、算出部140A、サーボ出力
部150Aで構成されている。
18における従来の工作機械の数値制御装置200と図1
における本発明にかかる工作機械の数値制御装置200Aと
の異なる点について、両者を比較して説明する。図18
の従来のデータ10および図1の第1データ10Aは、工作
機械の数値制御装置が指令値を生成するために入力する
データの集まりを指している。まず、図18の従来のデ
ータ10と図1の第1データ10Aの相違点を説明する。従
来の工作機械の数値制御装置200は、Y軸の加減速時間
が単一で用意されるのに対して、図1では、加減速時の
振動によるZ軸の変位量を加工精度内にするために許容
加速度が複数で用意されている点である。さらに、加減
速時間を単一で使用するために、算出繰り出し量と算出
許容加速度を算出する図1の算出部が、図18において
は存在しない点である。そのほか、異なる種類のデータ
(すなわち従来のデータ10と第1データ10A)をそれぞ
れ入力、記憶および解析する点において、図1と図18
の工作機械の数値制御装置200A、200の入力部110、110
A、記憶部120、120A、解析部130、130Aは互いに異な
る。
の発明を詳細に説明する。図1の入力部110Aには、数
字、アルファベット文字および「/」などの特殊記号を
入力するときに用いる数字キー、アルファベットキーお
よび特殊キーをそれぞれ有するキーボードを備えてい
る。工作機械のオペレータ17は入力部110Aのキーボード
のキーを操作することで、工作機械を作動する手順また
はワークを加工する手順を指令する加工プログラムを入
力部110Aに入力する。また、加減速時の振動によるZ軸
31の変位量を加工精度内にするためにZ軸31の複数の繰
り出し位置において予め測定して得たY軸21の複数の許
容加速度を入力部110Aに入力する。さらに、入力部110A
には、前記許容加速度以外に工作機械固有の制御用パラ
メータなど工作機械の制御に関係する数値情報も入力さ
れる。これらの加工プログラム、許容加速度、繰り出し
量および数値情報は第1データ10Aとして用意され、入
力部110Aから記憶部120Aに記憶される。また、入力部11
0Aには、前記第1データ10Aをテープ18、または、ディ
スク19にて入力することもできる。また、入力部110Aで
は記憶部120Aに記憶された一連の加工プログラムを指定
して保持する。加工プログラムが指定され、指定された
加工プログラムが実行されると、解析部130Aは、指定さ
れた加工プログラムを解析して、工作機械の指令値(す
なわち、Y軸21とZ軸31の送り速度ならびに移動量、工
作機械の主軸の回転速度および切削工具を選択するため
の工具番号など)を生成する。算出部140Aは、解析部13
0Aで解析して得られたZ軸31の移動量を計算して、Z軸
31の実際の繰り出し量を算出する。さらに、算出部140A
では、記憶部120Aに記憶された図12の例に示すような
Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の表から、該当す
る値(すなわち、Z軸31の実際の繰り出し量の前後にあ
る記憶されたZ軸31の繰り出し量とY軸21の許容加速度
の値)を読込んで、のちほど説明する(式2)に従って
計算し、Z軸31の実際の繰り出し量に対するY軸21の算
出許容加速度を算出する。(図12については、後出の
(0018)の項で詳述する。)
過程を図3、図5、図6、図7および図8を用いて説明
する。図5は、Z軸の基準座標の位置Pz、加工プログラ
ムが解析されて得られたZ軸の基準座標に対する位置
P、Z軸の繰り出しの位置(繰り出し量)Dの関係を示
した図である。図5のようにZ軸の繰り出し量を算出す
るための工作機械のZ軸31の基準座標に対する位置をPz
とする。解析部130Aで加工プログラムを解析して得られ
た前記基準座標に対する位置をPとすると、繰り出し量D
は、D=P−Pzとなる。
の許容加速度Aとの関係を、図6を用いて説明する。図
6は、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係を表
した図であるが、図6のようにZ軸の繰り出し量とY軸
の許容加速度の関係が、直線と仮定するとZ軸の繰り出
し量D1とD2との間のZ軸の繰り出し量Dに対するY軸の
算出許容加速度は、下の(式1)に示されるように比例
式が成り立つ。下の(式1)をAについて展開すると、
下の(式2)で表される。図7は、Z軸の繰り出し量と
Y軸の許容加速度の関係において誤差を表した図である
が、実際の場合においては、Z軸の繰り出し量とY軸の
許容加速度の関係は図7のように曲線である。このよう
に曲線の場合、下の(式2)を用いるとZ軸の繰り出し
量D1とD2の距離が長い場合、Z軸の繰り出し量Dに対す
るY軸の算出許容加速度Aは、ポイントPの近くのポイ
ントP'におけるY軸の算出許容加速度A'として求ま
る。すなわち、(A'−A)の分だけY軸の算出許容加
速度は誤差が生じる。そこで、実際には、記憶部に設定
するZ軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の数を増やし
て、Z軸の繰り出し量が、Z軸のどの繰り出し量の間に
あるかを求めて算出しY軸の算出許容加速度A''に対し
ては、近似線分から下の(式2)を用いて近似値を求
め、その近似値を用いる。図8を用いてY軸の算出許容
加速度Aに対する近似値A''を求める様子を説明する。図
8は、Z軸の繰り出し量とY軸の許容加速度の関係にお
いて線分に分割して誤差を減じたことを表した図である
が、図8のポイントPとポイントP''、すなわちAと
A''の関係のように、Y軸の実際の許容加速度Aの近似
値A''として十分使用が可能となる。
速度の設定の数を増やした場合を図3に示す。図3は、
Z軸の複数の繰り出し位置(繰り出し量)D1、D2、・・
・、Dnに対するY軸の複数の許容加速度A1、A2、・・
・、Anとの関係をグラフに表した図であるが、例えば、
図3のように、Z軸の繰り出し量D1に対するY軸の許容
加速度をA1とし、Z軸の繰り出し量D2に対するY軸の許
容加速度をA2とし、・・・、Z軸の繰り出し量Dnに対す
るY軸の許容加速度をAn(ここで、Z軸の繰り出し量D
1、D2、・・・、Dnの大きさの関係には、D1<D2<・・
・<Dnを持たせている。)とすると、Z軸の繰り出し位
置の全域に対して、下の(式3)に数値を当てはめてY
軸の許容加速度Aを求めることができる。
る各項は、 A:求めるY軸の算出許容加速度 A1:Z軸の繰り出し量D1のときのY軸の許容加速度 A2:Z軸の繰り出し量D2のときのY軸の許容加速度 Ai:Z軸の繰り出し量DiのときのY軸の許容加速度 Ai+1:Z軸の繰り出し量Di+1のときのY軸の許容加速度 D:Z軸の実際の繰り出し量 D1:Z軸の繰り出し量 D2:Z軸の繰り出し量 Di:Z軸の繰り出し量 Di+1:Z軸の繰り出し量 i:1、2、・・・、nのいずれかの整数 n:2以上の整数 を意味する。
度との関係を示した具体的数値の例を、図12の表と図13
のグラフに示す。図12は、Z軸の繰り出し量とY軸の許
容加速度の一例を表に表した図である。図13は、図12の
表をグラフに表した図である。Z軸の繰り出し量が0mm
から100mm未満のとき、Y軸の許容加速度は300mm/sec
2 、Z軸の繰り出し量が100mmのときY軸の許容加速度
は300mm/sec2、・・・、Z軸の繰り出し量が500mmの
ときY軸の許容加速度は60mm/sec2というように図12
の表が示すように、Z軸の複数の繰り出し位置に対応し
たY軸の許容加速度が記憶部120Aに設定されている。Z
軸の繰り出し量が100mmから500mmまでの任意の点につい
ては上の(式2)を用いてY軸の算出許容加速度Aを求
めることができる。例えば、250mmの点についてY軸の
算出許容加速度Aを算出すると A={(250−200)/(300−200)}×(180−240)+
240=210 (mm/sec2) となる。
明する。サーボ出力部150Aは、前記算出許容加速度と前
記指令値から各軸の移動量を生成し、Y軸21とZ軸31を
駆動するための第1および第2サーボモータ22、32に出
力する。さらに、Y軸21とZ軸31の移動した位置および
速度(または第1および第2サーボモータ22、32の回転
部の回転移動した位置および速度)を第2および第4の
検出器24、34(または第1および第3の検出器23、33)
からフィードバックして制御する。
位置および速度を検出する第2および第4の検出器24、
34(または第1および第2サーボモータ22、32の回転部
の回転移動した位置および速度を検出する第1および第
3の検出器23、33)を有し、Y軸21とZ軸31を駆動す
る。(ここでは4台の検出器を有すると記述したが、第
1から第4の検出器は、1つの送り軸に対してサーボモ
ータか送り軸のどちらか一方に1台あれば位置および速
度のフィードバックは可能である。)
明に対する一実施形態としての構成を示すブロック図で
あるが、次項の説明のように図1の構成において一部の
項目を置き換えると図2の構成になる。従って、図2の
説明は図1と相違する事柄を中心に説明し、図1と共通
する部分については一部説明を省略する。
0Aは、図1と同じ構成である。この数値制御装置200Aの
外部には、図1の「第1データ10A」における許容加速
度に対して、図2においては、加減速時間が用意されて
いる。入力部110A、記憶部120Aおよび解析部130Aの各部
においては、「第1データ」を入力し、記憶し、解析す
る点においては同じだが加減速時間を許容加速度として
入力、記憶および解析する点で相違がある。また、図2
の算出部140AがZ軸の繰り出し量とY軸の「加減速時
間」とZ軸の算出繰り出し量からY軸の「算出加減速時
間」を算出するのに対して、図1の算出部140AはZ軸の
繰り出し量とY軸の「許容加速度」とZ軸の算出繰り出
し量からY軸の「算出許容加速度」を算出する点におい
て相違がある。さらに、図2のサーボ出力部150Aが「算
出加減速時間」と「指令値」から加減速時における単位
時間毎の移動量を生成するのに対して、図1では「算出
許容加速度」と「指令値」から加減速時における単位時
間毎の移動量を生成する点において相違がある。これら
の相違により、具体的には、請求項1に関連して説明し
た「図3、図6、図7、図8、図12、図13」に対し
て、のちほど説明する請求項2に関連した「図4、図
9、図10、図11、図14、図15」の相違が生じ
る。
過程を図4、図9、図10および図11を用いて説明す
る。
Dに対するY軸の許容加速度との関係を、図6を用いて
説明したが、同様に、Z軸の繰り出し量Dに対するY軸
の加減速時間Taとの関係を、図9を用いて説明する。図
9は、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の関係を表
した図であるが、図9のようにZ軸の繰り出し量とY軸
の加減速時間の関係が、直線と仮定するとZ軸の繰り出
し量D1とD2との間のZ軸の繰り出し量Dに対するY軸の
算出加減速時間は、下の(式4)に示されるように比例
式が成り立つ。下の(式4)をTaについて展開すると、
下の(式5)で表される。図10は、Z軸の繰り出し量
とY軸の加減速時間の関係において誤差を表した図であ
るが、実際の場合においては、Z軸の繰り出し量とY軸
の加減速時間の関係は図10のように曲線である。この
ように曲線の場合、下の(式5)を用いるとZ軸の繰り
出し量D1とD2の距離が長い場合、Z軸の繰り出し量Dに
対するY軸の算出加減速時間Taは、ポイントPの近くの
ポイントP'におけるY軸の算出加減速時間Ta'として求
まる。すなわち、(Ta'−Ta)分だけY軸の算出加減速
時間は誤差が生じる。そこで、実際には、記憶部に設定
するZ軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の数を増やし
て、Z軸の繰り出し量が、Z軸のどの繰り出し量の間に
あるかを求めて算出し、Y軸の算出加減速時間Ta''に対
しては、近似線分から下の(式5)を用いて近似値を求
め、その近似値を用いる。図11を用いてY軸の算出加
減速時間Taに対する近似値Ta''を求める様子を説明す
る。図11は、Z軸の繰り出し量とY軸の加減速時間の
関係において線分に分割して誤差を減じたことを表した
図であるが、図11のポイントPとポイントP''、すな
わちTaとTa''の関係のように、Y軸の実際の加減速時間
Taの近似値Ta''として十分使用が可能となる。
時間の設定の数を増やした場合を図4に示す。図4は、
Z軸の複数の繰り出し位置(繰り出し量)D1、D2、・・
・、Dnに対するY軸の複数の加減速時間Ta1、Ta2、・・
・、Tanとの関係をグラフに表した図であるが、例え
ば、図4のように、Z軸の繰り出し量D1に対するY軸の
加減速時間をTa1とし、Z軸の繰り出し量D2に対するY
軸の加減速時間をTa2とし、・・・、Z軸の繰り出し量D
nに対するY軸の加減速時間をTan(ここで、Z軸の繰り
出し量D1、D2、・・・、Dnの大きさの関係には、D1<D2
<・・・<Dnを持たせている。)とすると、Z軸の繰り
出し位置の全域に対して、下の(式6)に数値を当ては
めてY軸の加減速時間Taを求めることができる。
る各項は、 Ta:求めるY軸の算出加減速時間 Ta1:Z軸の繰り出し量D1のときのY軸の加減速時間 Ta2:Z軸の繰り出し量D2のときのY軸の加減速時間 Tai :Z軸の繰り出し量DiのときのY軸の加減速時間 Ta(i+1):Z軸の繰り出し量Di+1のときのY軸の加減速
時間 D:Z軸の実際の繰り出し量 D1:Z軸の繰り出し量 D2:Z軸の繰り出し量 Di:Z軸の繰り出し量 Di+1:Z軸の繰り出し量 i:1、2、・・・、nのいずれかの整数 n:2以上の整数 を意味する。
間との関係を示した具体的数値の例を、図14の表と図15
のグラフに示す。図14は、Z軸の繰り出し量とY軸の加
減速時間の一例を表に表した図である。図15は、図14の
表をグラフに表した図である。Z軸の繰り出し量が0mm
から100mm未満のとき、Y軸の加減速時間は56msec、Z
軸の繰り出し量が100mmのときY軸の加減速時間は56mse
c、・・・、Z軸の繰り出し量が500mmのときY軸の加減
速時間は278msecと図14の表が示すように、Z軸の複数
の繰り出し位置に対応したY軸の加減速時間が記憶部12
0Bに設定されている。Z軸の繰り出し量が100mmから500
mmまでの任意の点については上の(式5)を用いてY軸
の算出加減速時間Taを求めることができる。例えば、25
0mmの点についてY軸の算出加減速時間Taを算出すると Ta={(250−200)/(300−200)}×(70−93)+93
≒82 (msec) となる。
応答の向上と切削加工時間の短縮について説明する。図
16および図17は、工作機械の送り軸の切削加工にお
ける送り速度が変化(すなわち、加速または減速)した
とき、算出許容加速度または算出加減速時間の違いによ
る時間的応答の違いを示した図である。今、図16およ
び図17において算出許容加速度A1およびA2または算出
加減速時間Ta1およびTa2とし、切削加工における送り
速度をF1からF2さらにF1へと加速して減速させたときの
所要時間をT1およびT2とすると、所要時間T1とT2の差が
所要時間差T3となる。図16および図17においては、
所要時間差T3の分だけ、時間的応答は向上している。切
削加工を長期間繰り返すうちに、所要時間差T3の短縮分
は合計されて何時間も切削加工時間が短縮される。
械の第1の送り軸、Z軸を工作機械の第2の送り軸とし
て説明したが、別の実施の例としては、Z軸を第1の送
り軸、Y軸を第2の送り軸としてもよく、また、X軸を
用いてX軸とY軸で実施してもよいし、さらに送り軸の
数を増加して本発明が実施されてもよい。
速するとき、前記第1の送り軸に直交して結合した第2
の送り軸は加速度に影響されて振動し変位する。その変
位量を抑制しながらも、前記第2の送り軸の複数の繰り
出し位置に対応して前記第1の送り軸に対して複数の算
出許容加速度または算出加減速時間を算出して用いるこ
とで前記第1の送り軸の加速または減速における時間的
応答を高め切削加工時間を短縮することが可能になっ
た。
実施形態としての構成を示すブロック図である。
実施形態としての構成を示すブロック図である。
D2、…、Dnに対するY軸の複数の許容加速度A1、A2、・
・・、Anとの関係をグラフに表した図である。
D2、・・・、Dnに対するY軸の複数の加減速時間Ta1、T
a2、・・・、Tanとの関係をグラフに表した図である。
析されて得られたZ軸の基準座標に対する位置P、Z軸
の繰り出しの位置(繰り出し量)Dの関係を示した図で
ある。
表した図である。
おいて誤差を表した図である。
おいて線分に分割して誤差を減じたことを表した図であ
る。
表した図である。
において誤差を表した図である。
において線分に分割して誤差を減じたことを表した図で
ある。
を表に表した図である。
を表に表した図である。
度が変化(すなわち、加速または減速)したとき、算出
許容加速度の違いによる時間的応答の違いを示した図で
ある。
度が変化(すなわち、加速または減速)したとき、算出
加減速時間の違いによる時間的応答の違いを示した図で
ある。
ブロック図である。
がY軸の加速度の影響を受けて変位する様子を示した図
である。(図20に比べて、Z軸の繰り出し量が大きい
場合を表した図である。)
がY軸の加速度の影響を受けて変位する様子を示した図
である。(図19に比べて、Z軸の繰り出し量が小さい
場合を表した図である。)
Claims (2)
- 【請求項1】 加工プログラムおよび工作機械の第1の
送り軸と直交して結合している第2の送り軸の複数の繰
り出し位置に対応して加減速時の振動による前記第2の
送り軸の変位量を加工精度内に抑制すべく前記第1の送
り軸に関する複数の許容加速度を第1データとして入力
する入力部と、前記第1データを記憶する記憶部と、前
記第1データを解析して工作機械を制御する指令値を生
成する解析部と、前記指令値から前記第2の送り軸の算
出繰り出し量を算出して前記算出繰り出し量に対応した
前記第1の送り軸に関する算出許容加速度を算出する算
出部と、前記算出許容加速度と前記指令値から単位時間
毎の移動量を算出して各送り軸を駆動する第1および第
2サーボモータに出力すると共に前記各送り軸に関する
位置および速度をフィードバック制御するサーボ出力部
とを備えたことを特徴とする工作機械の数値制御装置。 - 【請求項2】 請求項1において、加減速時間を許容加
速度として用い、算出加減速時間を算出許容加速度とし
て算出したことを特徴とする工作機械の数値制御装置。
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---|---|---|---|
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- 2001-03-30 JP JP2001101168A patent/JP4754708B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP4754708B2 (ja) | 2011-08-24 |
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