JP2002294485A - 溶融塩および溶融塩を用いたケイ素含有膜の形成方法 - Google Patents

溶融塩および溶融塩を用いたケイ素含有膜の形成方法

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JP2002294485A JP2001096818A JP2001096818A JP2002294485A JP 2002294485 A JP2002294485 A JP 2002294485A JP 2001096818 A JP2001096818 A JP 2001096818A JP 2001096818 A JP2001096818 A JP 2001096818A JP 2002294485 A JP2002294485 A JP 2002294485A
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Yasushi Katayama
山 靖 片
Masakazu Yokomizo
溝 正 和 横
Takashi Miura
浦 隆 美
Tomiya Kishi
富 也 岸
Makoto Aritsuka
塚 眞 在
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の溶融塩は、4級アンモニウムまた
はその誘導体(A)とヘキサフルオロケイ酸またはその
誘導体(B)から得られる。本発明の溶融塩を用いたケ
イ素含有膜の形成方法は、上記溶融塩を電気分解するこ
とにより行われる。 【効果】本発明によれば、ケイ素の様な電気化学的ポテ
ンシャルが卑な材料であっても電析に供することがで
き、またイオン導電性が高く、室温付近で電析操作が可
能な電析用溶融塩、および該溶融塩を用いた電析技術に
よるケイ素含有膜の形成方法を提供することができる。
さらに、本発明の電析技術を用いた場合、CVD法やス
パッタリング法と比較して簡便な装置であっても基材に
成膜させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、溶融塩および該溶融塩を
用いたケイ素含有膜の形成方法に関する。詳しくは、本
発明は、電析に用いることのできる新規な溶融塩、およ
び該溶融塩を用い、電気化学的方法によりケイ素膜を被
着(電析)するケイ素膜の形成方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】現在、一般的なケイ素膜の形成方
法としては、CVD(Chemical Vapor
Deposition)法やスパッタリング法が良く知
られている。CVD法は、モノシラン(SiH4)ガス
やジシラン(Si26)ガスを熱あるいはグロー放電に
より分解し、基材にケイ素を被着させる方法である。ま
た、スパッタリング法は、ケイ素のターゲットにアルゴ
ンイオンなど衝突させ、飛散したケイ素を基材に被着さ
せる方法である。
【0003】これらの技術は、大規模集積回路(LS
I)やTFT(Thin FilmTransisto
r)液晶素子、太陽電池など、産業上重要な製品の製造
に広く応用されている。しかし、CVD法、スパッタリ
ング法の装置は、被着対象物である基材が大きくなるに
伴い大型化し、幅が20〜30cmの基材であってもか
なり大がかりな装置となる。TFT液晶素子などを製造
する場合、さらに大きなサイズの基材を用いるため、装
置は一層大型化し、簡便な方法によって膜形成できない
のが現状である。
【0004】さらに上記方法は、ケイ素被着に用いた場
合、基材温度が比較的高くなるため、被着対象物(基
材)の材質が制限され好ましくない。一方、電気化学的
手法により基材に膜を形成する方法(以下、電析とす
る。)は、例えば、金、銀、銅、ニッケルなどを基材表
面にメッキする技術として広く使用されている。電析を
行う装置は、上記の様な比較的大面積の基材を用いるこ
とができ、さらに室温付近で金属膜を被着させることが
できる等の利点があるため、電析によるケイ素含有膜を
形成する方法の開発が望まれている。
【0005】しかし、電析にケイ素の様な電気化学ポテ
ンシャルが卑な材料を用いる場合、該材料は酸素との親
和性が非常に強くなるので、いわゆるメッキ液に水溶液
を使用することができず、ケイ素含有膜の形成に電析を
用いることは困難である。そのため、ケイ素の電析につ
いての前例は少なく、四フッ化珪素(SiF4)のアル
コール溶液を用いて水銀上に電析を試みた例(H.N.
Warren;Chem.News.,67,303
(1993))、ハロゲン化ケイ素(HnSiX4-n
n=0〜3,X=Cl,Br,I)の有機溶媒溶液から
電析を試みた例(A.E.Austin;U.S.Pa
t.3990953)、ケイ酸エチルの酢酸溶液から電
析を試みた例(Y.Takeda他;J.Electr
ochem.Soc.,128,1211(198
1))、ケイフッ化カリウム、ケイフッ化アンモニウム
の有機溶媒溶液から電析を試みた例(武田保雄ほか;電
気化学,51,215(1983))、ケイフッ化カリ
ウムとアルカリ金属フッ化物からなる高温溶融塩から電
析を試みた例(U.Cohenほか;J.Electr
ochem.Soc.,123,381(1976))
などが知られている程度である。
【0006】ケイ素成分を含有する溶液を用いる電析に
おいては、溶媒自体の電気化学的安定性に制限を受ける
ため、電析に適用できる電位範囲(電気化学的電位窓)
は狭くなり、電位がこの範囲を越えると溶媒自体の分解
が起こるという問題が生じる。また、溶媒はイオン導電
性が一般的に低いため、比較的小さい電流密度において
も電解電圧が上がりやすく、ひいては溶媒の電気化学的
電位窓の制約を受けやすいといった問題があった。
【0007】一方、溶融塩を用いる電析では、前記の問
題は軽減されるものの、塩を溶融状態とするために数百
℃以上の高温に加熱し、さらに、電析時においても溶融
状態を維持するために高温に保つ必要がある。そのた
め、常温操作が可能な上記電析と比較して、溶融塩の高
温維持や溶融塩の固結防止などに対する装置への配慮、
さらに高温に耐えうる基材の選択等を行わなければなら
ないといった問題があった。
【0008】このため、ケイ素の様な電気化学的ポテン
シャルが卑な材料であっても電析に供することができ、
イオン導電性が高く、また従来法に比べより低温条件で
電析操作が可能な電析用溶融塩の開発が望まれていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、ケイ素の様な電気化学的ポテ
ンシャルが卑な材料であっても電析に供することがで
き、イオン導電性が高く、また従来法に比べより低温条
件で電析操作が可能な電析用溶融塩、および該溶融塩を
用いた電析技術を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る溶融塩は、(A)4級アン
モニウムまたはその誘導体と、(B)ヘキサフルオロケ
イ酸またはその誘導体とから得られることを特徴として
いる。
【0011】本発明に用いられる前記4級アンモニウム
は、(a1)下記一般式[I]で表わされる非環状4級
アンモニウム NR1234 ・・・[I] (式[I]中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に
1価のアルキル基を示す。)および/または(a2)下
記一般式[II]で表されるイミダゾリウム
【0012】
【化2】
【0013】(式[II]中、R5およびR7は、それぞれ
独立に1価のアルキル基を示し、R6は水素またはメチ
ル基を示す。)であることが望ましい。本発明に用いら
れるイミダゾリウム(a2)は、1−エチル−3−メチ
ルイミダゾリウムであることが望ましい。
【0014】本発明に係るケイ素含有膜の形成方法は、
上記の溶融塩を電気分解することを特徴としている。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の溶融塩は、4級アンモニウムまたはそ
の誘導体(A)と、ヘキサフルオロケイ酸またはその誘
導体(B)から得られる。4級アンモニウムまたはその誘導体(A) 本発明の溶融塩を得るには、4級アンモニウムまたはそ
の誘導体(A)が用いられる。まず、4級アンモニウム
について説明する。
【0016】4級アンモニウム 本発明に用いられる4級アンモニウムは、非環状4級ア
ンモニウム(a1)であってもよく、また、イミダゾリ
ウム(a2)であってもよく、これらを任意の割合で組
み合わせて用いたものであってもよい。以下、このよう
な非環状4級アンモニウム(a1)およびイミダゾリウ
ム(a2)について、さらに詳しく説明する非環状4級アンモニウム(a1) 本発明に用いられる4級アンモニウムとして、好ましく
用いることのできる非環状4級アンモニウム(a1)
は、下記一般式[I]で表される。
【0017】NR1234 …[I] (式[I]中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に
1価のアルキル基を示す) 式[I]中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に1
価のアルキル基であればよく、特に限定されるものでは
ないが、炭素数5以下、好ましくは3以下のアルキル基
であることが望ましく、特に好ましくは、R1、R2、R
3およびR4のうち、3つがメチル基であり、1つがメチ
ル基以外のアルキル基(炭素数5以下、好ましくは2ま
たは3である。)であることが望ましい。
【0018】このような非環状4級アンモニウム(a
1)としては、具体的には、たとえば、エチルトリメチ
ルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム、ブ
チルトリメチルアンモニウム、ペンチルトリメチルアン
モニウムなどを挙げることができ、なかでもエチルトリ
メチルアンモニウム、プロピルトリメチルアンモニウム
が好ましい。
【0019】このような非環状4級アンモニウム(a
1)から得られる溶融塩は、後述する温度範囲において
溶融した状態で得ることができ、取り扱いが容易であり
好ましい。イミダゾリウム(a2) 本発明に用いられる4級アンモニウムとして、好ましく
用いることのできるイミダゾリウム(a2)は、下記一
般式[II]で表される。
【0020】
【化3】
【0021】(式[II]中、R5およびR7は、それぞれ
独立に1価のアルキル基を示し、R6は水素またはメチ
ル基を示す。) イミダゾリウムは、上記一般式[II]において、R5
7の一方がメチル基、もう一方が炭素数2以上のアル
キル基、さらにR6が水素であることが好ましく、本発
明においては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム
を用いることが特に好ましい。
【0022】4級アンモニウム(A)がこのようなイミ
ダゾリウム(a2)を含有する場合には、電気化学的な
安定性の面から好ましく、また、そのような4級アンモ
ニウム(A)から得られる溶融塩は、後述する温度範囲
において溶融した状態で得ることができ、取り扱いが容
易であり好ましい。また、本発明では、イミダゾリウム
(a2)の他に、環状4級アンモニウムであるピリジニ
ウムを用いることもできる。そのようなピリジニウムは
下記一般式[III]で表される。
【0023】
【化4】
【0024】(式[III]中、R8〜R12は、水素または
アルキル基を示す。)4級アンモニウム誘導体 本発明に用いられる4級アンモニウム誘導体は、上記記
載の4級アンモニウムの誘導体としてなる。4級アンモ
ニウム誘導体としては、たとえば、上述した4級アンモ
ニウムのフッ化物、塩化物、臭化物などのハロゲン化
物;上述した4級アンモニウムの水酸化物などが挙げら
れる。
【0025】本発明の溶融塩の調製には、これらの4級
アンモニウム誘導体のうち、4級アンモニウムのハロゲ
ン化物、特に塩化物を用いるのが、ヘキサフルオロケイ
酸またはその誘導体(B)との反応性がよく好ましい。
このような化合物としては、具体的には、たとえば、1
‐エチル−3‐メチルイミダゾリウムクロライド、1−
プロピル−3−メチルイミダゾリウムクロライドなどが
挙げられる。
【0026】ヘキサフルオロケイ酸またはその誘導体
(B) 本発明の溶融塩を得るには、ヘキサフルオロケイ酸また
はその誘導体(B)が用いられる。ヘキサフルオロケイ
酸の誘導体としては、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウ
ム、ヘキサフルオロケイ酸ソーダ、ヘキサフルオロケイ
酸カリウムなどが挙げられる。本発明においては、ヘキ
サフルオロケイ酸を用いることが望ましい。
【0027】溶融塩 本発明の溶融塩は、上述した4級アンモニウムまたはそ
の誘導体(A)とヘキサフルオロケイ酸またはその誘導
体(B)から得られる。本発明の溶融塩を調製する方法
は、特に限定されるものではなく、たとえば、4級アン
モニウムまたはその誘導体(A)と、ヘキサフルオロケ
イ酸またはその誘導体(B)とを混合反応させることで
容易に得ることができる。
【0028】本発明の溶融塩は、具体的には以下の方法
により調製することができる。例えば、1−エチル−3
−メチルイミダゾリウム=ヘキサフルオロシリケート
は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド
とヘキサフルオロケイ酸水溶液を混合し、一定時間攪拌
をし、その後、HClとH2Oを除去することにより得
ることができる。この際、反応を促進するために適宜加
熱することができる。また、HClとH2Oを除去する
に際しては、減圧下で加熱しながら除去することも可能
である。
【0029】本発明において溶融塩とは、0〜300
℃、好ましくは0〜200℃、さらに好ましくは0〜1
50℃、特に好ましくは0〜100℃の温度範囲におい
て溶融状態である塩を指す。本発明の溶融塩は、本発明
の目的を損なわない範囲で、必要に応じて溶融塩溶媒を
含有していてもよい。
【0030】そのような溶融塩溶媒としては、1−エチ
ル−3−メチルイミダゾリウム=テトラフルオロボレー
トや、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=ビス
(トリフルオロメタンスルフォン)イミドなどのイミダ
ゾリウム系溶融塩溶媒が挙げられる。これらは電気化学
的に不活性であるため、電気化学的反応の溶融塩溶媒と
して使用されることがある。
【0031】また、本発明において、溶融塩には、本発
明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて硼素、リ
ン、砒素などを含む化合物を含有していてもよい。該溶
融塩を用いてケイ素含有膜を形成する際に、これらの元
素がケイ素含有膜に取り込まれることは、本発明におい
ては何ら制限するものではない。ケイ素含有膜の形成方法 本発明のケイ素含有膜の形成方法は、上述した本発明の
溶融塩を電気分解することにより行われる。
【0032】このような形成方法には、最も簡単な方法
として、本発明の溶融塩に浸漬した一対の導電性電極を
用い、電極間に直流成分を含む電流を通じさせる方法を
挙げることができ、この方法により容易に元素状ケイ素
を含む膜を形成することができる。この場合、カソード
(還元反応の起こる電極)が作用極であり、カソードに
元素状ケイ素を含む膜が形成する。作用極には各種導電
性材料が使用可能であり、目的に応じて金属材料や導電
性酸化物を適宜使用できる。
【0033】金属材料の例としては、鉄、ニッケル、コ
バルト、銅、銀、金、白金などが挙げられ、好ましくは
銅、ニッケル、銀である。また、金属材料に替えて、不
純物を高濃度でドープしたケイ素を用いることもでき
る。導電性酸化物の例としては、インジウム−錫系酸化
物、ルテニウム酸化物などが挙げられ、好ましくはイン
ジウム−錫系酸化物である。
【0034】一方、対極は電気を通じる機能があればよ
いが、対極自身が溶解し、作用極側に電析することによ
り不都合が生じることは考慮する必要がある。対極とし
ては、一般的な例として白金などの安定な貴金属が挙げ
られるが、高濃度の不純物をドープしたケイ素を使用す
ることも可能である。本発明のケイ素含有膜を形成させ
る場合、作用極と対極だけでなる系で電気分解を行う
と、条件によっては作用極の電位が安定しない場合があ
る。このような場合、電位を安定させるために、参照電
極を用いる3電極系として電気分解を行うことも可能で
ある。参照電極は、電気分解を行う溶融塩系内で電位が
安定していることが必要である。
【0035】本発明の様な溶融塩を用いる系で安定な電
位を示す参照電極としては、銀線と銀のビス(トリフル
オロメタンスルフォン)イミド銀塩の1−エチル−3−
メチルイミダゾリウム=ビス(トリフルオロメタンスル
フォン)イミド溶液からなる参照電極が使用できる。前
記参照電極を使用する場合は、参照電極に対する作用極
の電位を一定に保ちながら電気分解を行うことが可能で
あり、電気分解で起こる反応の制御が比較的容易にな
る。この場合、市販のポテンシオスタット等を用いるこ
とが好ましい。
【0036】作用極の電位範囲としては、−1〜−3
V、好ましくは−2〜−3V、さらに好ましくは−2.
3〜−2.8Vであることが望ましく、参照電極を使用
する場合は、その範囲から選ばれる電位を一定に保ちな
がら行われる。本発明のケイ素含有膜の形成時における
溶融塩の温度は、電気分解の際に直流電流が流れること
に支障がない限り特に制限されず、溶融塩が固化しない
上述の温度範囲以上であれば問題がなく、温度上限も特
に制限されないが、使用する装置機械および基板材質が
制限を受けない温度範囲であればよい。
【0037】そのような温度範囲としては、0〜300
℃、好ましくは0〜200℃、さらに好ましくは0〜1
50℃、特に好ましくは0〜100℃であることが望ま
しい。その形成された膜は、X線光電子分光法(XP
S)によるケイ素膜の同定によりケイ素含有膜であるこ
とが確認され、また、ケイ素含有膜の膜厚は、必要に応
じて所望の範囲で得ることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ケイ素の様な電気化学
的ポテンシャルが卑な材料であっても電析に供すること
ができ、またイオン導電性が高く、室温付近で電析操作
が可能な電析用溶融塩、および該溶融塩を用いた電析技
術によるケイ素含有膜の形成方法を提供することができ
る。
【0039】さらに、本発明の電析技術を用いた場合、
CVD法やスパッタリング法と比較して簡便な装置であ
っても基材に成膜させることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下の製造例、実施例および比較
例において、構成元素比率の測定はパーキンエルマー2
400型元素分析装置、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ICP発光分光分析を併用して行い、ケイ素の同定
はX線光電子分光法(XPS)により行った。
【0041】
【製造例】[1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=
ヘキサフルオロシリケートの調製]1−メチルイミダゾ
ール40gとエチルクロライド60gを容器に仕込み、
70℃還留下において72時間反応させた。反応後、ア
セトニトリルと酢酸エチルを用いて再結晶させ、1―エ
チル−3−メチルイミダゾリウムクロライド45gを得
た。
【0042】得られた1−エチル−3−メチルイミダゾ
リウムクロライド22gとヘキサフルオロケイ酸の20
重量%水溶液72gを混合し、2時間攪拌した後、約3
0mmHg減圧下、温度130℃の条件で揮発成分を除
去した。得られた溶融塩は室温で粘調な流動体であっ
た。得られた溶融塩は、その構成元素比率を測定したと
ころ、C:24.4モル%、H:49.5モル%、N:
8.0モル%、Si:2.5モル%、F:15モル%で
あり、溶融塩は1−エチル−3−メチルイミダゾリウム
=ヘキサフルオロシリケートであることが確認された。
【0043】
【実施例1】製造例で得られた1−エチル−3−メチル
イミダゾリウム=ヘキサフルオロシリケート20gを小
型セルに仕込み、温度を50℃に保ちながら、見かけの
面積2cm2の銀製板を作用極、白金スパイラルコイル
を対極、Ag/ビス(トリフルオロメタンスルフォン)
イミド銀塩の飽和1−エチル−3−メチルイミダゾリウ
ム=ビス(トリフルオロメタンスルフォン)イミド溶液
電極を参照電極として、該参照電極に対して−1〜−3
Vの範囲でサイクリックボルタンメトリーを行った。そ
の結果、図1に示す様に−2.0〜−2.5Vの範囲に
還元電流のピークが認められた。
【0044】そこで、サイクリックボルタンメトリーの
場合と同じ温度、電極構成にて、参照電極に対して−
2.2Vで定電位電解を行った。作用極の銀板上に膜の
形成が認められたため、該膜をX線光電子分光法(XP
S)にて分析したところ、ケイ素に起因するピークが認
められ、ケイ素含有膜であることが確認された。
【0045】
【実施例2】製造例で得られた1−エチル−3−メチル
イミダゾリウム=ヘキサフルオロシリケート3.6gと
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=ビス(トリフ
ルオロメタンスルフォン)イミド39gを混合し、2時
間攪拌し、溶融塩を得た。
【0046】得られた溶融塩20gを用い、温度を25
℃とした以外は、実施例1と同様の方法でサイクリック
ボルタンメトリーを行った。その結果、図2に示す様に
−2.0〜−2.5Vの範囲に還元電流のピークが認め
られた。そこで、サイクリックボルタンメトリーの場合
と同じ温度、電極構成にて、参照電極に対して−2.2
Vで定電位電解を行った。
【0047】作用極の銀板上に膜の形成が認められたた
め、該膜をX線光電子分光法(XPS)にて分析をした
ところ、ケイ素に起因するピークが認められ、ケイ素含
有膜であることが確認された。
【0048】
【比較例1】1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=
ビス(トリフルオロメタンスルフォン)イミド 20モ
ル溶液20gを小型セルに仕込み、実施例2と同じ温
度、電極構成にて参照電極に対する電位で+1〜−3V
の範囲でサイクリックボルタンメトリーを行った。
【0049】その結果、全ての電位領域において還元電
流のピークは認められず、また、ケイ素含有膜の形成も
認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のサイクリックボンタンメトリーに
よる電流−電位曲線を示す。
【図2】 実施例2のサイクリックボンタンメトリーに
よる電流−電位曲線を示す。
【図3】 比較例1のサイクリックボンタンメトリーに
よる電流−電位曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美 浦 隆 神奈川県横浜市港北区日吉3−14−1 慶 應義塾大学理工学部応用化学科内 (72)発明者 岸 富 也 神奈川県横浜市港北区日吉3−14−1 慶 應義塾大学理工学部応用化学科内 (72)発明者 在 塚 眞 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)4級アンモニウムまたはその誘導体
    と、(B)ヘキサフルオロケイ酸またはその誘導体とか
    ら得られることを特徴とする溶融塩。
  2. 【請求項2】前記4級アンモニウムが、(a1)下記一
    般式[I]で表わされる非環状4級アンモニウム NR1234 …[I] (式[I]中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に
    1価のアルキル基を示す。)および/または(a2)下
    記一般式[II]で表されるイミダゾリウム 【化1】 (式[II]中、R5およびR7は、それぞれ独立に1価の
    アルキル基を示し、R6は水素またはメチル基を示
    す。)であることを特徴とする請求項1に記載の溶融
    塩。
  3. 【請求項3】前記イミダゾリウム(a2)が1−エチル
    −3−メチルイミダゾリウムであることを特徴とする請
    求項2に記載の溶融塩。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩を
    電気分解することを特徴とするケイ素含有膜の形成方
    法。
JP2001096818A 2001-03-29 2001-03-29 溶融塩および溶融塩を用いたケイ素含有膜の形成方法 Withdrawn JP2002294485A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007049960A1 (en) * 2005-10-28 2007-05-03 Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno A method for applying at least one silicon containing layer onto an electron conductive layer
JP2010525161A (ja) * 2007-04-17 2010-07-22 ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパストナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー バリヤー層及びその製造方法

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