JP2002294445A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JP2002294445A
JP2002294445A JP2001101740A JP2001101740A JP2002294445A JP 2002294445 A JP2002294445 A JP 2002294445A JP 2001101740 A JP2001101740 A JP 2001101740A JP 2001101740 A JP2001101740 A JP 2001101740A JP 2002294445 A JP2002294445 A JP 2002294445A
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power supply
apparatus main
chamber
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JP2001101740A
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English (en)
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Kazuhiko Imagawa
和彦 今川
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Shibaura Mechatronics Corp
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Shibaura Mechatronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク放電が発生しても確実に消弧すること
ができるスパッタリング装置を提供すること。 【解決手段】 装置本体12と電源装置11を分離し両
者をケーブルで接続して構成するスパッタリング装置に
おいて、装置本体12は、装置本体内に設けられたチャ
ンバ内のアーク放電を検出するアーク放電検出手段と、
このアーク放電検出手段により、アーク放電が検出され
ると前記チャンバにスパッタ電流の供給を停止する停止
手段とを具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク(CD)やディジタル・バーサタイル・ディスク(DV
D)等を製造するためのスパッタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)やディジタル
・バーサタイル・ディスク(DVD)製造用のスパッタ
リング装置が普及されている。このスパッタリング装置
によるコンパクトディスクやディジタル・ビデオ・ディ
スクへの膜の形成は、マグネトロンスパッタ技術により
成膜している。
【0003】通常、スパッタリング装置は、装置本体と
電源装置と本体・電源接続ケーブル(以降ケーブルと呼
称)から構成されている。電源装置は外部から交流電源
をスパッタ電源と動力・制御用電源に分け、各ケーブル
によって装置本体へ供給している。
【0004】装置本体は、下記の電源装置機能以外の全
機能(搬送、真空、成膜、制御等)を有している。装置
の成膜レートは投入電力で決まるので、これを一定にす
るため電源装置は定電力で運転している。
【0005】スパッタ電源は、商用電源の交流を直流に
変換し、高周波インバータ・絶縁トランス・整流回路で
直流に再変換し、本体制御装置の電力指令に基づいた出
力(電力)になる様にインバータをフィードバック制御
して、本体へ供給される。膜厚は電源装置で観測した出
力電流と出力電圧を本体制御で積算し、規定電力量にな
ると電源の出力を停止するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、成膜時にア
ーク放電した場合、急激な供給電圧の低下または電流の
上昇が起きる。電源装置が電圧低下または電流上昇を検
出すると、アーク放電を解消するためスパッタ電源の出
力を停止している。この検出条件は電源装置の内部に固
定されている。
【0007】電源装置は出力容量に比例した大きさのイ
ンバータ・高周波トランス・インダクタを内蔵するので
大きい。このため本体との距離を離して配置し、長いケ
ーブルで装置本体を接続することがある。ケーブル長が
長くなるとケーブルに存在するインダクタンス(0.2
5μH/m)とキャパシタンス(100pF/m)が無
視出来ずに下記の不具合が現れる。
【0008】1)電圧や電流の速い変化が電源装置に伝
わり難く、特にアーク放電の検知が遅れる。
【0009】2)アーク放電を検知して電源供給を遮断
しても、チャンバに入る電流はすぐに下がらない。
【0010】3)チャンバへの供給電圧・電流が電源装
置での観測値と異なるので、正確な電力供給が出来ず膜
厚品質が変動してしまう。
【0011】例えば、ケーブルの長さが10mの場合、
波長圧縮率が65%ぐらいなのでアーク放電によるチャ
ンバの電圧低下は、10m÷(300m/μ秒×65
%)=50n秒程度遅れて電源側に伝わる。またスパッ
タ電流=12Aのスパッタ中にアーク放電電圧=150
Vに変化すると、出力遮断で電流が低下するにはdt=
L×di÷V=0.25μH/m×10m×12A÷1
50V=200n秒要する。検出・判定・スイッチング
素子の動作に100n秒要すると、アーク発生からスパ
ッタ電流の遮断には350n秒が必要である。アーク放
電中は投入エネルギーがアークの発生点に集中し、遮断
するまで被害が増大する。被害は成膜対象だけでなく、
ターゲット材や装置部品の破損にまで及ぶことがある。
アーク発生から200n秒以内にスパッタ電流を遮断し
たい場合、検出・判定・素子の動作に100n秒要する
ので、ケーブル13での電圧低下の伝達遅れと電流遮断
の伝達遅れは合わせて100n秒しか許容されず、アー
クを検出する機能とスパッタ電流を停止する機能はチャ
ンバから10m÷250n秒×100n秒=4m以内に
配置しなければならない。
【0012】しかし、電源装置と装置本体とを4m以内
のケーブルで接続できない場合もあり、このように4m
以内のケーブルで接続できない場合でも迅速、確実にア
ーク放電を消弧させることが望まれている。
【0013】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、アーク放電が発生しても確実に消弧す
ることができるスパッタリング装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のスパッタ
リング装置は、装置本体と電源装置を分離し両者をケー
ブルで接続して構成するスパッタ装置において、前記装
置本体は、装置本体内に設けられたチャンバ内のアーク
放電を検出するアーク放電検出手段と、このアーク放電
検出手段により、アーク放電が検出されると前記チャン
バにスパッタ電流の供給を停止する停止手段とを具備し
たことを特徴とする。
【0015】このように、チャンバ内のアーク放電の発
生を検出するアーク放電検出手段と、スパッタ電流の供
給を停止する停止手段とを電源装置から分離してスパッ
タリング装置本体に組み込むことにより、動作速度を向
上させ、アーク放電の発生から消失するまでの時間を短
縮することができる。従って、電源装置と装置本体を4
m以上の長いケーブルで接続した場合でも、アーク放電
の発生から消失するまでの時間を短縮することができ
る。
【0016】請求項2記載のスパッタリング装置は、請
求項1記載の装置本体と電源装置との間は複数並列接続
したケーブルで接続されていることを特徴とする。
【0017】このように、装置本体と電源装置との間は
複数並列接続したケーブルで接続することにより、装置
本体と電源装置間のインダクタンスを低減することによ
り、動作速度を向上させ、迅速、確実にアーク放電を停
止させることができる。
【0018】請求項3記載のスパッタリング装置は、装
置本体と電源装置を分離し両者をケーブルで接続して構
成するスパッタ装置において、前記装置本体は、装置本
体内に設けられたチャンバ内のアーク放電を検出するア
ーク放電検出手段と、このアーク放電検出手段により、
アーク放電が検出されると前記チャンバにスパッタ電流
の供給を停止する停止手段とを備え、前記電源装置は、
アーク放電検出手段で検出されるチャンバに供給される
電圧及び電流から算出された供給電力が設定電力となる
ようにフィードバック制御することを特徴とする。
【0019】このように、電源装置はチャンバへの供給
電力が設定電力となるようよに制御しているので、チャ
ンバ内で成膜される層の厚さを均一に保つことができ
る。
【0020】請求項4記載のスパッタリング装置は、装
置本体と電源装置を分離し両者をケーブルで接続して構
成するスパッタ装置において、前記装置本体は、装置本
体内に設けられたチャンバ内のアーク放電を検出するア
ーク放電検出手段と、このアーク放電検出手段により、
アーク放電が検出されると前記チャンバにスパッタ電流
の供給を停止する停止手段と、アーク放電検出手段で検
出されるチャンバに供給される電圧及び電流から供給電
力量を積算する手段と、その積算値が設定電力になる
と、電源装置にその旨を出力する手段とを備えているこ
とを特徴とする。
【0021】このように、チャンバに供給される電圧及
び電流から供給電力量を積算し、その積算値が設定電力
になると、チャンバへの電力の供給を停止するようにし
たので、チャンバ内で成膜される層の厚さを均一に保つ
ことができる。
【0022】請求項5記載のスパッタリング装置は、請
求項1記載のアーク放電検出手段は、装置本体の制御部
から出力されるアーク放電情報に基づいて、アーク判定
基準値を作成し、検出されたチャンバへの供給電圧ある
いは供給電圧のうち少なくともいずれか一方と判定基準
値と比較することによりアーク放電を検出していること
を特徴とする。
【0023】このようにすることにより、アーク放電の
発生を確実に検出することができる。さらに、アーク放
電の判定基準値を装置本体の制御部から出力されるアー
ク放電情報に基づいて、アーク放電検出手段で作成して
いるので、ターゲットの種類に応じてアーク放電情報を
適宜設定することにより、あらゆるターゲットに対して
アーク放電の発生を確実に検出することができる。
【0024】請求項6記載のスパッタリング装置は、請
求項1記載の停止手段は、アーク放電が連続する間は、
スパッタ電流の供給を繰り返し遮断することを特徴とす
る。
【0025】このように、アーク放電が連続する間は、
スパッタ電流の供給を繰り返し遮断するようにしたの
で、アーク放電が発生しても確実にアーク放電を消弧さ
せることができる。
【0026】請求項7記載のスパッタリング装置は、複
数のスパッタリング装置本体と1台の電源装置で構成し
たシステムにおいて、各スパッタリング装置本体は装置
本体内に設けられたチャンバ内のアーク放電を検出する
アーク放電検出手段と、このアーク放電検出手段によ
り、アーク放電が検出されると前記チャンバにスパッタ
電流の供給を停止する停止手段とを具備したことを特徴
とする。
【0027】このように、1台の電源装置で複数のスパ
ッタリング本体装置に電源を供給することができるの
で、電源装置の有効利用を計ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態について説明する。図1において、11は電
源装置、12はスパッタリング装置本体である。この電
源装置11とスパッタリング装置本体12間は互いに分
離するようにシールドケーブル13で接続されている。
【0029】商用電源は電源装置11内のコンバータ2
1及び電源制御部22に供給されると共に、電源装置1
1内を経由してスパッタリング装置本体12内の本体電
源部31に供給される。
【0030】コンバータ21は入力される商用電源を直
流に変換し、高周波インバータ、絶縁トランス、整流回
路(いずれも図示しない)で直流に再変換して出力す
る。例えば、800Vのスパッタリング用直流電圧Va
を出力する。
【0031】電源制御部22には本体制御部32から出
力される電力指令値Pi及び真空チャンバ35に供給さ
れる電圧V、電流I及びアーク信号cが入力されてい
る。
【0032】電源制御部22は本体制御部32から電圧
V及び電流Iを受けて供給電力Pを計算し、供給電力P
が電力指令値Piに応じた電力となるように、コンバー
タ21内の高周波インバータ(図示しない)に制御信号
Vfを出力する。
【0033】ところで、コンバータ21から出力される
直流電圧Vaは出力遮断部23、インダクタンス24を
介してシールドケーブル13に出力される。出力遮断部
23は電源制御部22からのスイッチング信号Sに応じ
てコンバータ21から出力される直流電圧Vaをインダ
クタ24に出力するかあるいは遮断している。ここで、
電源制御部22がアーク信号cを受信すると、出力遮断
部23は電源制御部22からのスイッチング信号Sによ
り遮断される。
【0034】このインダクタ24は電源装置11の出力
電流の安定化と真空チャンバ35内でのアーク放電が発
生した際の回路短絡に耐え得るために設けられている。
【0035】32はスパッタリング装置本体12に設け
られたアーク制御ユニットである。スパッタリング装置
本体12の(−)端子及び(+)端子はアーク制御ユニ
ット32のラインL1、L2にそれぞれ接続されてい
る。なお、(+)端子は接地される。
【0036】つまり、スパッタリング装置本体12の
(−)端子は電流検出器33、回路遮断用のスイッチン
グ素子SW2を介してターゲット34に接続され、スパ
ッタリング装置本体12の(+)端子は真空チャンバ3
5に接続される。なお、この真空チャンバ35にはこの
真空チャンバ35を真空にする真空装置35aが接続さ
れると共に、真空チャンバ35内で成膜された成膜品を
搬送する搬送装置35bが隣接して設けられている。こ
れら真空装置35a及び搬送装置35bには本体装置3
1の電源が供給されると共に、本体制御部37からの制
御信号が入力されている。
【0037】真空チャンバ35直前にあるアーク制御ユ
ニット32内のラインL1とL2との間には抵抗r1と
r2が直列接続されている。そして、抵抗r1とr2と
の接続点の電圧Vがアーク制御ユニット32の制御部3
6に出力されている。この電圧Vが真空チャンバ35へ
の供給電圧Vとして検出される。
【0038】さらに、電流検出器33により真空チャン
バ35に供給される供給電流Iが検出される。この供給
電流Iは制御部36に出力される。
【0039】また、スイッチング素子SW2とターゲッ
ト34との中間位置とラインL2との間には、短絡用の
スイッチング素子SW1が接続されている。このスイッ
チング素子SW1及び前述したスイッチング素子SW2
は例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transis
tor)で構成されている。
【0040】制御部36は、例えばマイクロプロセッサ
で構成されており、スイッチング素子SW1及びSW2
を開閉制御する。さらに、第1のタイマT1及び第2の
タイマT2を有している。
【0041】アーク制御ユニット32の制御部30には
スパッタリング装置本体12の本体制御部37が接続さ
れる。この本体制御部37には本体電源部31からの電
源が供給される。
【0042】本体制御部31は制御部36に対してアー
ク放電情報としてアーク判定の基準となる判定基準値と
して閾値電圧Vthを出力する。真空チャンバ35内でス
パッタ放電が発生している場合の供給電圧Vは300V
以上であるが、アーク放電が発生すると供給電圧Vは1
50V以下に低下する。従って、通常閾値電圧Vthは1
50Vに設定されている。制御部36は供給電圧Vを監
視(アーク監視)し、供給電圧Vが150V以下になる
と、真空チャンバ35にアークが発生したことを検知す
る(アーク放電検出手段)。なお、アーク放電情報とし
て本体制御部37からのアーク放電情報に基づいて判定
基準値を作成しても良い。例えば、アーク放電情報から
他の閾値電圧を作成しても良いし、閾値電流を作成する
ようにしても良い。このアーク放電情報をターゲットの
種類に応じて適宜設定しておくことにより、あらゆるタ
ーゲット34の種別に対して確実にアークの発生を検出
することができる。
【0043】制御部36は本体制御部37に供給電圧V
及び供給電流Iを出力する。本体制御部37は供給電圧
Vと供給電流Iと経過時間から真空チェンバ35に投入
された投入電力量を積算し、その投入電力量が規定値に
達すると、電源制御部22に出力する電力指令値Piを
ゼロにする。ここで、投入電力の積算は、スパッタ電流
を遮断しているときは積算しないようにしている。
【0044】ところで、アーク制御ユニット32は、ア
ーク監視中に供給電圧Vが閾値電圧Vthより低下するア
ーク放電を検出した場合には下記のアーク遮断を開始す
る(停止手段)。
【0045】1)スイッチング素子SW1を導通させる
ことにより、電源線を短絡させ、真空チャンバ35への
電流供給を遮断(迂回)する。
【0046】2)アーク信号cを本体制御部37に出力
し、回路を短絡したことを通知する。
【0047】3)第1のタイマT1(2μ秒)を起動後
にアーク監視を中止する。また、同時に第2のタイマT
2をリセットする。
【0048】ところで、本体制御部37からアーク信号
cを受けた電源制御部22は、出力遮断部23にスイッ
チング信号Sを出力して、インダクタ24の上流側で出
力電圧を遮断して電流の上昇を防止する。この間、電力
フィードバックや電流フィードバックは中止される、コ
ンバータ21内の高周波インバータ(図示しない)の出
力は遮断前の電圧を維持するように制御される。
【0049】次に、アーク制御ユニット32の制御部3
6の第1のタイマT1が計時処理を開始してから2μ秒
経過したと判断されるとアーク遮断を終了する以下に記
述するような処理が行われる。
【0050】1)制御部36の制御により、スイッチン
グ素子1をOFFすることにより、真空チャンバ35へ
の電力供給を再開する。
【0051】2)アーク信号cの本体制御部37への出
力を停止する。これに連動して、本体制御部37から電
源制御部22へのアーク信号cの出力は停止されるた
め、電源制御部22は定電力制御に復帰する、従って、
電源装置11からスパッタリング電圧の出力を再開され
る。
【0052】3)第2のタイマ回路T2(1μ秒)を起
動して、第1のタイマ回路T1をリセットする。
【0053】そして、この第2のタイマ回路2で1μ秒
経過したと判定されると、放電状態が安定したと見なし
て、アーク制御ユニット32によるアーク監視が再開さ
れる。このアーク監視は以下のようにして行われる。
【0054】1)供給電圧Vは閾値電圧Vthより低い場
合は、アーク放電と判定し、第1のタイマ回路T1を起
動して再度アークの消弧動作に入る。
【0055】2)供給電圧Vが閾値電圧Vth以上150
0V未満の場合、アーク放電は解消したと判断し、定電
力運転を継続する。
【0056】3)供給電圧Vが1500V以上の時は、
グロー放電が再開しなかったと判断し、アーク消弧と同
じ動作をする。
【0057】また、アーク遮断から復帰する時にグロー
放電もインダクタ24の電流も継続する場合、正常であ
り、インダクタ24の充電エネルギーは真空チャンバ3
5に吸収される。グロー放電は継続したがインダクタ2
4の電流が無い場合、一時的に供給電流Iが低下するが
電源装置11の制御により復帰する。グロー放電もイン
ダクタ電流も無い場合、電源装置11の出力電圧がその
まま供給され、再点火(電圧上昇)へ移行する。グロー
放電は停止したがインダクタ24の電流は継続する場
合、サージ電圧によって再点火すればグロー放電は復帰
する。再点火しない場合は上記(3)の動作に移行する
(つまり、スイッチング素子SW1を2μs閉路後、そ
の後開路する)。
【0058】また、スイッチング素子SW2は、本体制
御部37の指令によってアーク制御ユニット32の制御
部36が開閉動作する。本体制御部37は、インダクタ
24によるサージ電圧からトランジスタを保護するため
下記の禁止期間はスイッチング素子SW2をOFFしな
い。つまり、 1)アーク制御ユニット32からのアーク信号cが入力
中、つまりスイッチング素子SW1がONしている間。
【0059】2)アーク制御ユニット32からの供給電
流が所定の値を上回る場合、つまり、真空チャンバ35
に電流が供給されている間。
【0060】ところで、電源装置11の(−)端子とス
パッタリング装置本体12の(−)端子、電源装置11
の(+)端子とスパッタリング装置本体12の(+)端
子間をそれぞれn本のケーブルで接続した場合には、ケ
ーブルのインダクタンスは1/nに軽減される。
【0061】電源装置11の(−)端子とスパッタリン
グ装置本体12の(−)端子、電源装置11の(+)端
子とスパッタリング装置本体12の(+)端子間をそれ
ぞれn本のケーブルで接続した場合には、より一層動作
速度を向上させ、迅速、確実にアーク放電を停止させる
ことができる。
【0062】ところで、前述した実施の形態では、電源
装置11に対して1対1にスパッタリング装置本体12
を接続した例について説明したが、1つの電源装置11
に対して複数のスパッタリング装置本体12を接続する
ことができる。従って、各スパッタリング装置本体12
の真空チャンバ35に異なった特性のターゲット材を用
いてスパッタすることができる。つまり、複数のスパッ
タリング装置本体12を1つの電源装置11だけで稼動
させるむことができる。この場合において、各スパッタ
リング装置本体12において、本体制御部37から制御
部36に出力する電圧閾値Vthを異ならせることによ
り、アークの遮断条件を各スパッタリング装置本体12
毎に別個に設定することができる。
【0063】なお、前述した実施の形態では、アーク制
御ユニット32は、供給電圧Vが閾値電圧Vthより低下
するとアーク放電を検出するようにしたが、供給電流I
が閾値電流以上となった場合にアーク放電を検出するよ
うにしても良い。さらに、供給電圧V及び供給電流Iの
両方を検出することにより、アーク放電の発生を検出す
るようにしても良い。
【0064】さらに、前述した実施の形態では、電源制
御部22は本体制御部37から電源指令値がゼロを受け
ると、出力遮断部23を遮断するようしたが、アーク放
電の発生が本体制御部37から受けると、電源装置11
からの出力電圧及び電流を低減したり、出力電圧のみを
低減したり、出力電流のみを低減させるようにしても良
い。
【0065】さらに、前述した実施の形態では、制御部
36はアーク放電の発生を検出すると、スイッチング素
子SW1を閉路することにより、スパッタ電流をターゲ
ット34に供給しないように遮断するようにしたが、ア
ーク放電が発生した場合に、スイッチング素子SW2を
開路したり、ターゲット34に印加する供給電圧の極性
を反転させたり、ターゲット34への供給電源元を別電
源に切り替えるようにしても良い。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載のスパッタリング装置によ
れば、チャンバ内のアーク放電の発生を検出するアーク
放電検出手段と、スパッタ電流の供給を停止する停止手
段とを電源装置から分離してスパッタ装置本体に組み込
むことにより、動作速度を向上させ、アーク放電の発生
から消失するまでの時間を短縮することができる。従っ
て、電源装置と装置本体を4m以上の長いケーブルで接
続した場合でも、アーク放電の発生から消失するまでの
時間を短縮することができる。
【0067】請求項2記載のスパッタリング装置によれ
ば、装置本体と電源装置との間は複数並列接続したケー
ブルで接続することにより、装置本体と電源装置間のイ
ンダクタンスを低減することにより、動作速度を向上さ
せ、迅速、確実にアーク放電を停止させることができ
る。
【0068】請求項3記載のスパッタリング装置によれ
ば、電源装置はチャンバへの供給電力が設定電力となる
ようよに制御しているので、チャンバ内で成膜される層
の厚さを均一に保つことができる。
【0069】請求項4記載のスパッタリング装置によれ
ば、チャンバに供給される電圧及び電流から供給電力量
を積算し、その積算値が設定電力になると、チャンバへ
の電力の供給を停止するようにしたので、チャンバ内で
成膜される層の厚さを均一に保つことができる。
【0070】請求項5記載のスパッタリング装置によれ
ば、アーク放電の発生を確実に検出することができる。
さらに、アーク放電の判定基準値を装置本体の制御部か
ら出力されるアーク放電情報に基づいて、アーク放電検
出手段で作成しているので、ターゲットの種類に応じて
アーク放電情報を適宜設定することにより、あらゆるタ
ーゲットに対してアーク放電の発生を確実に検出するこ
とができる。
【0071】請求項6記載のスパッタリング装置によれ
ば、アーク放電が連続する間は、スパッタ電流の供給を
繰り返し遮断するようにしたので、アーク放電が発生し
ても確実にアーク放電を消弧させることができる。
【0072】請求項7記載のスパッタリング装置によれ
ば、1台の電源装置で複数のスパッタリング本体装置に
電源を供給することができるので、電源装置の有効利用
を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わるスパッタリング
装置のブロック図。
【図2】従来のスパッタリング装置のブロック図。
【符号の説明】
11…電源装置 12…スパッタリング装置本体、 13…ケーブル、 32…アーク制御ユニット。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体と電源装置を分離し両者をケー
    ブルで接続して構成するスパッタリング装置において、 前記装置本体は、装置本体内に設けられたチャンバ内の
    アーク放電を検出するアーク放電検出手段と、 このアーク放電検出手段により、アーク放電が検出され
    ると前記チャンバにスパッタ電流の供給を停止する停止
    手段とを具備したことを特徴とするスパッタリング装
    置。
  2. 【請求項2】 上記装置本体と電源装置との間は複数並
    列接続したケーブルで接続されていることを特徴とする
    請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 装置本体と電源装置を分離し両者をケー
    ブルで接続して構成するスパッタリング装置において、 前記装置本体は、装置本体内に設けられたチャンバ内の
    アーク放電を検出するアーク放電検出手段と、 このアーク放電検出手段により、アーク放電が検出され
    ると前記チャンバにスパッタ電流の供給を停止する停止
    手段とを備え、 前記電源装置は、アーク放電検出手段で検出されるチャ
    ンバに供給される電圧及び電流から算出された供給電力
    が設定電力となるようにフィードバック制御することを
    特徴とするスパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 装置本体と電源装置を分離し両者をケー
    ブルで接続して構成するスパッタリング装置において、 前記装置本体は、装置本体内に設けられたチャンバ内の
    アーク放電を検出するアーク放電検出手段と、 このアーク放電検出手段により、アーク放電が検出され
    ると前記チャンバにスパッタ電流の供給を停止する停止
    手段と、 アーク放電検出手段で検出されるチャンバに供給される
    電圧及び電流から供給電力量を積算する手段と、 その積算値が設定電力になると、電源装置にその旨を出
    力する手段とを備えていることを特徴とするスパッタリ
    ング装置。
  5. 【請求項5】 アーク放電検出手段は、装置本体の制御
    部から出力されるアーク放電情報に基づいて、アーク判
    定基準値を作成し、検出されたチャンバへの供給電圧あ
    るいは供給電圧のうち少なくともいずれか一方と判定基
    準値と比較することによりアーク放電を検出しているこ
    とを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  6. 【請求項6】 前記停止手段は、アーク放電が連続する
    間は、スパッタ電流の供給を繰り返し遮断することを特
    徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  7. 【請求項7】 複数のスパッタ装置本体と1台の電源装
    置で構成したシステムにおいて、 各スパッタ装置本体は装置本体内に設けられたチャンバ
    内のアーク放電を検出するアーク放電検出手段と、 このアーク放電検出手段により、アーク放電が検出され
    ると前記チャンバにスパッタ電流の供給を停止する停止
    手段とを具備したことを特徴とするスパッタリング装
    置。
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