JP2002293790A - フッ化糖クロリド誘導体の製造法 - Google Patents

フッ化糖クロリド誘導体の製造法

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JP2002293790A
JP2002293790A JP2001098233A JP2001098233A JP2002293790A JP 2002293790 A JP2002293790 A JP 2002293790A JP 2001098233 A JP2001098233 A JP 2001098233A JP 2001098233 A JP2001098233 A JP 2001098233A JP 2002293790 A JP2002293790 A JP 2002293790A
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fluorinated sugar
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Hironori Komatsu
小松  弘典
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来技術における、低収率や精製が困難である
といった欠点を解消し、効率的なフッ化糖クロリド誘導
体の製造方法を提供する。 【解決手段】特定の溶媒を用い、反応を行いながら、目
的物のみを晶析単離することにより、簡便な製造方法を
提供する。 【効果】抗ウイルス剤などの製造原料となるフッ化糖ク
ロリド誘導体の、高収率、高純度で、効率的な製造方法
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ化糖クロリド
誘導体の製造法に関する。フッ化糖クロリド誘導体は、
制癌剤、抗ウイルス剤をはじめとする医薬品原料として
有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】これまでフッ化糖クロリド誘導体および
その製造法としては、特開平5−97885に記載され
ている、反応式〔1〕[化4]
【0003】
【化4】 で示される製造法が知られている。この方法では、後処
理操作として単に反応溶媒であるジクロロメタンを留去
して反応生成物を濃縮乾固しているが、反応系内に残存
する酢酸を除去することができないため、濃縮中に原料
が再生してしまい、収率や純度を低下させる原因となっ
ている。実際、実施してみると(比較例1)、生成物の
純度が低く、実用的ではない。また、フッ化糖クロリド
誘導体は、熱や酸に不安定であるため、精製は困難であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来は、効
率的で収率や純度の高い、実用的なフッ化糖クロリド誘
導体の製造法は存在しなかった。本発明は、フッ化糖ク
ロリド誘導体を効率的に、高収率、高純度で製造するた
めの製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、化合物〔1〕と塩酸
との反応を、フッ化糖クロリド誘導体〔2〕が、その生
成と共に析出してくるような条件で行うことで、高い収
率で純度よく、安定に生成することを見出し、単離精製
容易なフッ化糖クロリド誘導体の製造方法を確立し、本
発明を完成した。即ち、本発明は、[1]一般式〔1〕
[化5]
【0006】
【化5】 (式中、Rは置換されていてもよいフェニル基を表
し、Rは置換されてもよいフェニル基および炭素数1
〜5のアルキル基を表す。)で示されるフッ化糖アシレ
ート誘導体を塩酸で処理し、生成してくる一般式〔2〕
[化6]
【0007】
【化6】 (式中、Rは前記と同義である。)で示されるフッ化
糖クロリド誘導体を晶析することを特徴とする該化合物
の製造方法であり、[2]Rが、4−ビフェニル基で
ある[1]に記載のフッ化糖クロリド誘導体誘導体の製
造方法であり、[3][1]あるいは[2]において、
トルエン、ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、
ヘキサンおよびヘプタンからなる群から選択された1種
以上の溶媒混合物を反応溶媒とすることを特徴とするフ
ッ化糖クロリド誘導体の製造方法であり、[4][1]
から[3]に記載の製造法で製造できる、一般式〔3〕
[化7]
【0008】
【化7】 (式中、Rは置換されていてもよいフェニル基を表
す。)で示されるフッ化糖クロリド誘導体に関する。
【0009】
【発明実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。一
般式〔1〕で表されるフッ化糖アシレート誘導体や一般
式〔2〕で表されるフッ化糖クロリド誘導体中のR
よびRのフェニル基は無置換のフェニル基でもよいし
フェニル基上の2位、3位、4位のいずれかの位置に置
換基があってもよい。また、複数の位置に置換基があっ
てもよい。置換基としては例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基
などのアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基、エト
キシ基、プロピルオキシ基などのアルキルオキシ基、フ
ルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲ
ノ基、ニトロ基、シアノ基等があげられる。
【0010】具体的にはフェニル基、4−メチルフェニ
ル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、
4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2
−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、3−ク
ロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフ
ェニル基、3−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル
基、4−ビフェニル基、4−(4−クロロフェニル)フ
ェニル基、4−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル
基、2−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基、3
−シアノフェニル基、2−シアノフェニル基等があげら
れる。好ましくは4−メチルフェニル基、4−クロロフ
ェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ニトロフェニル
基、4−シアノフェニル基、4−ビフェニル基である。
【0011】また、Rにおける炭素数1〜5のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基、アミル基、イソアミル
基、t−アミル基などがあげられる。好ましくはメチル
基である。
【0012】塩酸での処理操作としては、塩酸ガスを吹
き込んでも良いし、溶媒の塩酸溶液として添加しても良
く、限定されない。濃度としては、目的物のフッ化糖ク
ロリド誘導体が安定に存在する限り限定されないが、原
料に対して、1から10当量が好ましく、1.1から3
当量使用するのがさらに好ましい。
【0013】反応や晶析で使用される溶媒としては、原
料が溶解し、目的物が析出する限り限定されないが、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオ
キサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族系溶媒などが
使用でき、溶解度に応じて、2種から3種の混合物とし
て使用することもできる。
【0014】反応終了後には、減圧することにより過剰
の塩酸を除去するなど、フッ化糖クロリド誘導体がより
安定に存在できる環境下に濾取することが望ましいが、
安定に取り出す限り、この方法に限定されるものではな
い。
【0015】反応溶媒の使用量は、化合物〔1〕に対し
て2倍から100倍であり、好ましくは5倍から30倍
である。反応初期に高濃度で処理し、その後に、より晶
析効率を高める目的で、さらに溶媒を添加することもで
きる。反応温度は−30℃から50℃であり、好ましく
は−10℃から20℃である。反応時間は15分から2
4時間である。
【0016】以上本発明によりフッ化糖クロリド誘導体
〔2〕をより効率的に、収率や純度よく製造できるよう
になった。
【0017】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 参考例1 1−O−アセチル−2,3−ジデオキシ−3−フルオロ
−5−O−(4−フェニルベンゾイル)ペンタフラノー
スの製造 メチル 2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−5−O−
(4−フェニルベンゾイル)ペンタフラノシド17.0
g(51.5mmol)の酢酸無水物42.5mL溶液
に、氷冷攪拌下、濃硫酸1.07mL(21.0mmo
l)の酢酸42.5mL溶液を27分間かけて滴下し
た。4℃にて3時間攪拌後、酢酸ナトリウム3水和物2
8.6g(210mmol)および水187mLを添加
し、トルエン170mLおよび100mLで抽出した。
有機層を5%重曹水100mLで2回洗浄後、水100
mLで洗浄し、有機層を濃縮し、表題化合物18.4g
を淡褐色油状物として得た。収率100%。NMRよ
り、1位アノマー異性体の1対2混合物であることがわ
かった。1 H NMR (CDCl3, 400 MHz) d 8.18 - 8.04 (m, 2 H), 7.
71 - 7.65 (m, 4 H), 7.65 - 7.42 (m, 3 H), 6.50 (m,
1/3 H), 6.48 (m, 2/3 H), 5.37 (m, 1/3 H), 5.27
(m, 2/3 H), 4.79 (m, 2/3 H), 4.65 (m, 1/3 H), 4.52
- 4.43 (m, 2 H),2.7 - 2.3 (m, 2 H), 2.11 (s, 2/3
of 3 H), 2.00 (s, 1/3 of 3 H):FT-IR (cm-1, KBr) 29
61, 1724, 1609, 1378, 1270, 1187, 1100, 1065, 100
8,748, 699.
【0018】実施例1 2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−5−O−(4−フ
ェニルベンゾイル)−D−ペンタフラノシルクロリドの
製造 参考例1で得た、1−O−アセチル−2,3−ジデオキ
シ−3−フルオロ−5−O−(4−フェニルベンゾイ
ル)ペンタフラノ−ス1.02g(2.85mmol)
のトルエン2mL溶液に、氷冷攪拌下、14.2%塩酸
−ジイソプロピルエーテル1.6mL(6.4mmo
l)を滴下した.4℃で1時間攪拌後、シクロヘキサン
10mLを加え、氷冷攪拌下、さらに5.5時間攪拌し
た。氷冷減圧下(260mmHg)、30分間攪拌して
塩酸を除去した後に、窒素雰囲気下に析出物を濾取し、
シクロヘキサンで洗浄した。得られた粗結晶を室温で減
圧乾燥し、表題化合物0.81gを微灰色粉末として得
た。収率85%。NMRより、1位アノマー異性体の1
対2混合物であることがわかった。1 H NMR (CDCl3, 400 MHz) d 8.2 - 8.0 (m, 2 H), 7.7
- 7.6 (m, 4 H), 7.5 -7.4 (m, 3 H), 5.77 (dd, J =
5.3 & 5.3 Hz, 1/3 H), 5.68 (d, J = 4.6 Hz, 2/3 H),
5.4 - 5.2 (m, 1 H), 5.0 - 4.7 (m, 1 H), 4.6 - 4.4
(m, 2 H):FT-IR (cm-1, KBr) 3406, 2951, 1714, 1609,
1406, 1279, 1183, 1098, 951, 857, 747, 699:mp 90
- 93 ℃.さらに、純度測定のため、得られた粉末をメタ
ノールに溶解し、下記条件でHPLC分析を行った結
果、純度93.4%であった。 HPLC条件: カラム:YMC TMS A−102,4.6×150
mm 流速:0.6mL/min カラム温度:40℃ 検出波長:254nm 流動相:(A液)リン酸ナトリウム水溶液(pH7.
0)/メタノール(98/2),(B液)リン酸ナトリ
ウム水溶液(pH7.0)/メタノール(10/90) グラジェント条件: 時間(min) 0 20 27 30.5 32 48 A液(%) 80 15 0 0 80 80 B液(%) 20 85 100 100 20 20 保持時間:26.4minおよび27.5min(1位アノマー異性体)
【0019】比較例1 2,3−ジデオキシ−3−フルオロ−5−O−(4−フ
ェニルベンゾイル)−D−ペンタフラノシルクロリドの
製造 参考例1で得た、1−O−アセチル−2,3−ジデオキ
シ−3−フルオロ−5−O−(4−フェニルベンゾイ
ル)ペンタフラノ−ス9.5mgを氷冷攪拌下、塩酸−
ジクロロメタン0.3mL(6.4mmol)で処理し
た.反応終了後、減圧濃縮し、表題化合物を無色油状物
として得た。純度測定のため、得られた油状物をメタノ
ールに溶解し、実施例1と同様の条件でHPLC分析を
行った結果、純度58.7%であった。
【0020】
【発明の効果】本発明により、従来の方法に比べて、収
率や純度よく、効率的にフッ化糖クロリド誘導体を製造
することができるようになった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔1〕[化1] 【化1】 (式中、Rは置換されていてもよいフェニル基を表
    し、Rは置換されてもよいフェニル基または炭素数1
    〜5のアルキル基を表す。)で示されるフッ化糖アシレ
    ート誘導体を塩酸で処理し、生成してくる一般式〔2〕
    [化2] 【化2】 (式中、Rは前記と同義である。)で示されるフッ化
    糖クロリド誘導体を晶析することを特徴とする該化合物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】Rが、4−ビフェニル基である請求項1
    に記載のフッ化糖クロリド誘導体誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1あるいは2において、トルエン、
    ジイソプロピルエーテル、シクロヘキサン、ヘキサンお
    よびヘプタンからなる群から選択された1種以上の溶媒
    混合物を反応溶媒とすることを特徴とするフッ化糖クロ
    リド誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式〔3〕[化3] 【化3】 (式中、Rは、置換されていてもよいフェニル基を表
    す。)で示されるフッ化糖クロリド誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103347871A (zh) * 2011-02-21 2013-10-09 美迪维尔公司 Flg的合成

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