JP2002293546A - リチウム複合金属窒化物の製造方法 - Google Patents

リチウム複合金属窒化物の製造方法

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JP2002293546A
JP2002293546A JP2001290549A JP2001290549A JP2002293546A JP 2002293546 A JP2002293546 A JP 2002293546A JP 2001290549 A JP2001290549 A JP 2001290549A JP 2001290549 A JP2001290549 A JP 2001290549A JP 2002293546 A JP2002293546 A JP 2002293546A
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metal nitride
heat treatment
atmosphere
composite metal
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Takuya Tsuda
拓也 津田
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、製造工程にて発火の可能性が低く、
また安価で純度が高く、リチウムイオン二次電池の負極
材料として比較的良好な電気化学的特性を有するリチウ
ム複合金属窒化物の製造方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】一般式Li3−xN(MはTi、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Alより選ばれ
た少なくとも一種の金属元素、xは0<x<0.8の範
囲の値)で表されるリチウム複合金属窒化物の製造方法
であり、リチウムアミド粉末と金属Mの粉末とを混合
し、加熱処理する構成とする。特に前記加熱処理は真空
中にて200〜500℃で加熱処理する第1の工程と、
前記第1の工程の後に窒素ガス雰囲気中にて450〜8
50℃で加熱処理する第2の工程とを含むことで効率よ
く製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合金属窒化物の製
造方法に係り、特にリチウムイオン二次電池の負極活物
質として優れた特性を有するリチウム複合金属窒化物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複合金属窒化物のうち一般式Li3−x
N(MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cu,Alより選ばれた少なくとも一種の金属元
素、xは0<x<0.8の範囲の実数)で表されるリチ
ウム複合金属窒化物は、六方晶の窒化リチウム(Li
N)の結晶構造においてリチウム(Li)の一部が金属
元素によって置換された構造をもつ。
【0003】このリチウム複合金属窒化物は層状構造を
もち、その層の間にリチウムイオンを保持している。電
気化学的な分極を行うことで、この結晶構造中のリチウ
ムイオンを挿入脱離できる。この特性を生かして様々な
分野への応用が期待されており、なかでもリチウムイオ
ン二次電池の負極活物質としての利用が注目され、実用
化に関する種々の技術報告が提案されている(特開平7
−78609,特開平11−1308,特開2000−
67858)。
【0004】リチウムイオン二次電池は、従来のニッケ
ルカドミウム二次電池やニッケル水素二次電池などに比
べてエネルギー密度が高く、特にモバイル電子機器の電
源として広く利用されている。近年では電子機器の更な
る小型化、軽量化、高機能化に伴い電源となるリチウム
イオン二次電池も更なる高エネルギー密度化が望まれて
いる。
【0005】現在リチウムイオン二次電池の負極活物質
としては、炭素材料のみが実用化に至っている。この炭
素材料の理論容量は370mAh/gであるが、このリ
チウム複合金属窒化物は700〜800mAh/gを有
する。更に炭素材料とほぼ同等の比重であるため、この
リチウム複合金属窒化物を負極活物質として用いること
により、リチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化
を達成できる。
【0006】従来このリチウム複合金属窒化物は、窒化
リチウム粉末と構成元素の金属粉末とを混合し、窒素ガ
ス雰囲気中で加熱処理することで合成されていた。リチ
ウム複合金属窒化物及び原料となる窒化リチウムは、大
気下で酸化されやすく、微量の水分や酸素と激しく反応
し発火する。大型設備にて大量にリチウム複合金属窒化
物を製造する場合、十分な安全性を確保する必要があ
る。
【0007】またこの従来の合成方法にて原料となる窒
化リチウムは、主として窒化ホウ素を製造する際の触媒
として使用されるが、利用用途は少ない。また純度の高
い窒化リチウムは需要がないこともあり、リチウム複合
金属窒化物を数百kg、数ton/月の単位で製造する
ことを想定した場合、現在原料として入手できる窒化リ
チウム粉末は純度が93%と低く、また高価である。
【0008】リチウム複合金属窒化物を合成する原料に
金属リチウムを用いることもできる。この方法では加熱
処理を低温度で行えるなどの利点はあるが、金属リチウ
ムは非常に柔らかく、粉砕、混合などのハンドリングが
難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た問題を解決することにある。すなわち従来原料として
用いられていた窒化リチウム、金属リチウムよりも発火
の危険性が少なく、かつ比較的安価に入手できるリチウ
ムアミドを原料として用い、リチウムイオン二次電池の
負極材料として比較的良好な特性を有するリチウム複合
金属窒化物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、合成に関わる反応機構を鋭意検討した結果、発火の
危険性が従来用いられていた化合物よりも少なく、しか
も比較的安価に入手できるリチウムアミドを出発原料と
する反応機構を見出した。この反応機構を用い、反応条
件を特定の範囲に制御することで生産性に優れ、また従
来品と同等の電池活物質の特性を有するリチウム複合金
属窒化物を製造できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち本発明の目的は、下記(1)〜
(8)の構成によって達成することができる。 (1)リチウムアミド粉末と金属粉末とを混合し、加熱
処理することを特徴とするリチウム複合金属窒化物の製
造方法。
【0012】(2)前記金属粉末はTi,V,Cr,M
n,Fe,Co,Ni,Cu,Alより選ばれた少なく
とも一種であることを特徴とする前記(1)に記載のリ
チウム複合金属窒化物の製造方法。
【0013】(3)200〜850℃で加熱処理するこ
とを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のリチウム
複合金属窒化物の製造方法。
【0014】(4)前記加熱処理は200〜500℃に
て加熱処理する第1の工程と、第1の工程の後に450
〜850℃にて加熱処理する第2の工程とを含むことを
特徴とする前記(3)に記載のリチウム複合金属窒化物
の製造方法。
【0015】(5)組成中に窒素を含む化合物ガス雰囲
気、窒素ガス雰囲気、水素ガス雰囲気、組成中に窒素を
含む化合物ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気、組成中
に窒素を含む化合物ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲
気、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気、組成中に
窒素を含む化合物ガスと窒素ガスと水素ガスとの混合ガ
ス雰囲気、真空雰囲気より選ばれる少なくとも一種の雰
囲気にて加熱処理することを特徴とする前記(1)及至
(4)に記載のリチウム複合金属窒化物の製造方法。
【0016】(6)前記加熱処理における第1の工程は
窒素ガス雰囲気、水素ガス雰囲気、窒素ガスと水素ガス
との混合ガス雰囲気、真空雰囲気より選ばれた雰囲気で
加熱処理し、前記第2の工程は窒素ガス雰囲気で加熱処
理することを特徴とする前記(4)に記載のリチウム複
合金属窒化物の製造方法。
【0017】(7)前記組成中に窒素を含む化合物ガス
はアンモニアガスであることを特徴とする前記(5)又
は(6)に記載のリチウム複合金属窒化物の製造方法。
【0018】(8)前記リチウム複合金属窒化物は一般
式Li3−xN(MはTi,V,Cr,Mn,F
e,Co,Ni,Cu,Alより選ばれた少なくとも一
種の金属元素、xは0<x<0.8の範囲の実数)で表
されることを特徴とする前記(1)及至(7)に記載の
リチウム複合金属窒化物の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のリチウム複合金属窒化物
の製造方法について詳細に説明する。本発明の製造方法
では、リチウム原料としてリチウムアミド粉末を使用す
る。このリチウムアミドは窒化リチウムよりも反応性が
低いため大気下で発火する危険性が少なく、また種々の
分野で利用されており、比較的安価に入手できる。表1
に文献(化学大辞典(東京化学同人出版)及び化合物の
辞典(朝倉書店出版))に記載されたリチウム化合物の
水との反応性を示した。リチウムアミドは冷水に溶け、
徐々に反応しアンモニアガスが発生する。熱水とは激し
く反応し、発火の可能性があり、水酸化リチウム(Li
OH)とアンモニアに分解する。
【0020】
【表1】
【0021】これに対して、従来のリチウム複合金属窒
化物の製造方法にて原料として使用される窒化リチウム
は、冷水と激しく反応し、水酸化リチウム(LiOH)
とアンモニアに分解する。このとき急激な発熱を伴い、
発火する可能性がある。また金属リチウムも水と激しく
反応し、水素を発生する。このとき急激な発熱を伴い、
発火する。このように従来の製造方法において原料とし
て使用されていた窒化リチウムや金属リチウム粉末に比
べて、リチウムアミドは危険性が低いメリットがある。
【0022】本発明ではリチウムアミド粉末と金属粉末
とを混合し、加熱処理する。加熱処理の際、リチウムア
ミド粉末と金属粉末とが反応し、目的とするリチウム複
合金属窒化物となる。本発明のリチウム複合金属窒化物
の合成に関わる反応機構は、次の2つの過程によって構
成される。 1.原料であるリチウムアミドがイミド化されてリチウ
ムイミド(LiNH)となる過程。 2.リチウムイミドと金属粉末とが反応し、リチウム複
合金属窒化物が生成する過程。
【0023】原料のリチウムアミドは反応の過程で中間
体のリチウムイミドとなる。そしてこの活性な中間体で
あるリチウムイミドが金属粉末と反応することで、リチ
ウム複合金属窒化物が生成する。
【0024】原料として使用する金属粉末は、目的とす
るリチウム複合金属窒化物を構成する金属元素の粉末で
あり、各金属元素の粉末の混合物及び/又は2種以上の
金属元素を含有した合金の粉末が使用できる。特に本発
明ではTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,C
u,Alより選ばれた少なくとも一種の金属粉末であ
る。
【0025】加熱処理は200〜850℃が好ましい。
200℃未満では反応が十分行われず好ましくない。ま
た850℃よりも高い温度ではリチウムの蒸発が激し
く、組成のずれを生じて好ましくない。
【0026】リチウム複合金属窒化物を構成する窒素は
加熱処理時に供給する必要があり、組成中に窒素を含む
化合物ガス及び/又は窒素ガスを含有する雰囲気で加熱
処理することが好ましい。組成中に窒素を含む化合物ガ
スとしては、アンモニアガスが高純度でかつ安価に入手
しやすく、本発明には好ましい。また組成中に窒素を含
む化合物ガス及び/又は窒素ガスに水素ガスを混合した
雰囲気で加熱処理しても構わない。
【0027】本発明では加熱処理を2回以上行っても構
わない。また多段階的に炉内の温度、雰囲気を変えて加
熱処理しても構わない。このとき組成中に窒素を含む化
合物ガス又は窒素ガスを含有しない雰囲気や真空雰囲気
で加熱処理する工程を設けても構わない。
【0028】前述した本発明のリチウム複合金属窒化物
の製造方法に関わる反応機構より、加熱処理の初期段階
において原料のリチウムアミドを効率よく反応させ、中
間体であるリチウムイミドとする必要があることが分か
る。そこで本発明の製造方法では、前記した反応機構の
2つの過程に合わせて、少なくとも2つの加熱処理の工
程を設け、各工程において加熱処理の温度、時間、雰囲
気を制御することが好ましい。
【0029】まず第1の工程では、200〜500℃に
て加熱処理することが好ましい。窒素ガス雰囲気、水素
ガス雰囲気、窒素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気、
真空雰囲気より選ばれた雰囲気で加熱処理することが好
ましい。特に真空雰囲気にて加熱処理することが更に好
ましい。この第1の工程では、原料のリチウムアミドか
らリチウムイミド(LiNH)が生成する。このとき
分解ガスとしてアンモニアが発生する。このため雰囲気
を真空とし、アンモニアガスの濃度を低く保つことによ
りイミド化の分解反応が進行しやすくなる。加熱温度が
200℃未満では、反応に時間がかかりすぎるため好ま
しくない。また500℃より高い場合、リチウムアミド
や生成したリチウムイミドが蒸発しやすくなるため好ま
しくない。
【0030】また第2の工程は450〜850℃にて加
熱処理することが好ましい。特に500〜800℃にて
加熱処理することが更に好ましい。窒素ガス雰囲気で加
熱処理することが好ましい。この第2の工程では、前記
第1の工程にて生成したリチウムイミドと金属粉末とか
らリチウム複合金属窒化物が生成する。加熱温度が45
0℃未満では、窒化反応が進みにくく好ましくない。ま
た850℃よりも高い場合、リチウムの蒸発が激しくな
り、組成のずれを生じ目的とするリチウム複合金属窒化
物が得られず、好ましくない。
【0031】更に純度の高いリチウム複合金属窒化物を
製造するためには、不純物となる酸素をほとんど含まな
い原料を使用し、かつ製造工程において酸素、水分の混
入を抑える必要がある。本発明の製造方法では、加熱処
理にて使用するガスは露点−40℃以下、酸素濃度10
0ppm以下であることが好ましい。また製造にかかる
すべての作業工程は、露点−40℃以下の窒素などの不
活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。このように酸
素や水分との接触を少なくすることで、不純物となる酸
化物の混入を抑えることができ、高純度のリチウム複合
金属窒化物が得られる。
【0032】また本発明において合成されるリチウム金
属複合窒化物は、一般式Li3−xNで表され、M
はTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,A
lより選ばれた少なくとも一種の金属元素を示す。また
xは0<x<0.8の範囲の実数を示す。0.8≦xで
は不純物相が生成してしまい、単一相が得られない。ま
た分子中のLi量が少なくなるため、電池容量が著しく
低下してしまう。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこの具体的な実施例に限定されるものではな
い。 [実施例1]一般式Li3−xNで表されるリチウ
ム複合金属窒化物の金属元素Mがコバルト(Co)、添
加量がx=0.4の場合、つまり化学式Li2.6Co
0. Nで表されるリチウムコバルト複合窒化物を以下
の方法により合成した。
【0034】原料のリチウムアミド、コバルト金属粉末
及び合成物のリチウムコバルト複合窒化物が水蒸気、酸
素と接触することによって変質するのを防止するため
に、秤量、混合、粉砕等の作業は露点−50℃、酸素濃
度50ppmの窒素ガス雰囲気下で行った。
【0035】リチウムアミド粉末(純度97%)とコバ
ルト金属粉末(純度99.8%)とをモル比がLi/C
o=2.6/0.4となるように所定量を秤量し、混合
した。混合原料をアルミナ製のボート型るつぼに充填
し、管状炉にて以下のように加熱処理を行った。
【0036】まず第1の工程として、真空ポンプにより
炉内を0.1Torr以下の真空状態とし、この真空中
にて380℃で3時間加熱処理した。その後炉内に露点
−50℃の窒素ガスを送気し、昇温速度10℃/分にて
炉内を700℃まで昇温した。そして第2の工程とし
て、この窒素ガス雰囲気中にて700℃で15時間加熱
処理した。加熱処理によって得られたリチウムコバルト
複合窒化物を粉砕し、200メッシュのフルイを行っ
た。
【0037】[実施例2]コバルトの添加量を一般式L
3−xNにおいてx=0.2又は0.6とする以
外は実施例1と同様にして、化学式Li2.8Co
0.2N,Li2.4Co0.6Nで表されるリチウム
コバルト複合窒化物を合成した。
【0038】[実施例3]第2の工程にて加熱処理を4
50℃,500℃,550℃,650℃,750℃,8
00℃,850℃のいずれかの温度で行う以外は、実施
例1と同様にして化学式Li2.6Co0.4Nで表さ
れるリチウムコバルト複合窒化物を合成した。
【0039】[比較例1]窒化リチウム粉末(純度93
%)とコバルト金属粉末(純度99.8%)とをモル比
がLi/Co=2.6/0.4となるように所定量を秤
量し、混合した。混合原料を窒素ガス雰囲気中にて70
0℃で15時間加熱処理した。リチウム原料と加熱処理
の条件以外は実施例1と同様にして、化学式Li2.6
Co0.4Nで表されるリチウムコバルト複合窒化物を
合成した。
【0040】本実施例では以下のようにして、リチウム
複合金属窒化物の結晶相の同定、組成比の定量、コイン
セルによる充放電試験を行った。まず実施例1〜3及び
比較例1で得られたリチウム複合金属窒化物の結晶相の
同定を粉末X線回折法により行い、また組成比の定量を
プラズマ発光分光(以下ICPと示す)分析法により行
った。なお上記の分析を行うための試料調製は、リチウ
ム複合金属窒化物を合成するときと同様に露点−50
℃、酸素濃度50ppmの窒素ガス雰囲気下で行った。
【0041】実施例1で得られたLi2.6Co0.4
NのXRDパターンを図1に示す。酸化物及び未反応
物、副生成物相などの不純物相は存在せず、Li3−x
Nの六方晶構造を有する単一相であることが分かっ
た。同様に実施例1〜3で得られた全てのリチウム複合
金属窒化物はLi3−xNの六方晶構造を有する単
一相であることが分かった。
【0042】比較例1で得られたリチウムコバルト複合
窒化物のXRDパターンを図1に示す。2θ=33.5
°付近にピークが現れており、不純物として少量の酸化
リチウムが存在することが確認された。ただし大部分は
Li3−xNの六方晶構造を有する結晶相であっ
た。
【0043】実施例1,3で得られたリチウムコバルト
複合窒化物のICP分析の結果を図2に示す。加熱処理
の温度が450〜850℃のときLi/Coのモル比は
ほぼ2.6/0.4(=6.5)であり、加熱処理時の
リチウムの蒸発、昇華に起因する組成の変動は起きてい
ないことが分かった。
【0044】次に内径20mm、高さ3.2mmのコイ
ンセルを作製し、充放電試験を行い、リチウムイオン二
次電池の負極活物質としての電気化学特性を評価した。
コインセル組み立ての作業についても同様に、露点−5
0℃、酸素濃度50ppmの窒素ガス雰囲気下で行っ
た。
【0045】リチウム複合金属窒化物100重量部に、
導電剤として炭素粉末を25重量部と結着剤としてポリ
テトラフルオロエチレンを5重量部加え混練した。でき
た混練物をシート状に圧延し、直径20mmの円盤状に
打ち抜いて極板とした。得られた極板をコイン型ケース
の内面に溶接したステンレス鋼のメッシュに圧着し、こ
の上にセパレーターを設置した。ケース内に有機電解液
を注入し、内面に直径20mmの金属リチウムを圧着し
た封口板をケースに組み合わせて、コイン型セルとし
た。有機電解液としては、エチレンカーボネートとジエ
チルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒に、六フッ
化酸リチウムを1mol/L濃度で溶解して使用した。
【0046】電流密度0.5mA/cm、電圧範囲
0.1V〜1.4Vにて定電流充放電試験を行った。な
お本実施例では、リチウム複合金属窒化物は、リチウム
イオン二次電池の負極材料として利用されることを想定
し、リチウムイオンがリチウムコバルト複合窒化物から
対極の金属リチウムへ移動する方向を放電側として評価
した。
【0047】実施例1で得られたリチウムコバルト複合
窒化物と、比較例1の窒化リチウムを出発原料として合
成したリチウムコバルト複合窒化物の2サイクル目の充
放電カーブを図3に示す。充放電カーブ曲線はほぼ一致
し、実施例1においてリチウムアミドを原料として合成
したリチウムコバルト複合窒化物は、比較例1とほぼ同
等の充放電特性を有することが分かった。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のリチウム
複合窒化物の製造方法を用いることによって、製造工程
にて発火の可能性が低くなり、安全性が向上する。また
安価で純度が高く、リチウムイオン二次電池の負極材料
として比較的良好な電気化学的特性を有するリチウム複
合金属窒化物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1で合成したリチウムコバ
ルト複合窒化物のXRDパターンを示す図である。
【図2】実施例1,3で合成したリチウムコバルト複合
窒化物のLi/Co比と加熱処理の温度との関係を示す
図である。
【図3】実施例1及び比較例1で合成したリチウムコバ
ルト複合窒化物のコインセル試験での2サイクル目の充
放電カーブを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 37/00 C01G 37/00 5H050 45/00 45/00 49/00 49/00 A 53/00 53/00 A H01M 4/58 H01M 4/58 // H01M 4/02 4/02 D 10/40 10/40 Z Fターム(参考) 4G002 AA06 AA12 AB01 AE05 4G047 CA06 CA10 CB04 CC03 CD07 4G048 AA01 AB05 AC06 AD06 AE05 AE08 4G076 AA18 AA30 AB11 AB16 BA38 BA40 CA29 DA30 5H029 AJ03 AJ12 AJ14 AL03 AM03 AM05 AM07 BJ03 CJ02 CJ08 CJ28 DJ17 EJ01 EJ09 EJ11 HJ02 HJ14 5H050 AA08 AA15 AA19 BA17 CB01 FA19 GA02 GA10 GA26 GA27 HA02 HA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムアミド粉末と金属粉末とを混合
    し、加熱処理することを特徴とするリチウム複合金属窒
    化物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属粉末はTi,V,Cr,Mn,F
    e,Co,Ni,Cu,Alより選ばれた少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム複
    合金属窒化物の製造方法。
  3. 【請求項3】200〜850℃で加熱処理することを特
    徴とする請求項1又は2に記載のリチウム複合金属窒化
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】前記加熱処理は200〜500℃にて加熱
    処理する第1の工程と、第1の工程の後に450〜85
    0℃にて加熱処理する第2の工程とを含むことを特徴と
    する請求項3に記載のリチウム複合金属窒化物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】組成中に窒素を含む化合物ガス雰囲気、窒
    素ガス雰囲気、水素ガス雰囲気、組成中に窒素を含む化
    合物ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気、組成中に窒素
    を含む化合物ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気、窒素
    ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気、組成中に窒素を含
    む化合物ガスと窒素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲
    気、真空雰囲気より選ばれる少なくとも一種の雰囲気に
    て加熱処理することを特徴とする請求項1及至4に記載
    のリチウム複合金属窒化物の製造方法。
  6. 【請求項6】前記加熱処理における第1の工程は窒素ガ
    ス雰囲気、水素ガス雰囲気、窒素ガスと水素ガスとの混
    合ガス雰囲気、真空雰囲気より選ばれた雰囲気で加熱処
    理し、前記第2の工程は窒素ガス雰囲気で加熱処理する
    ことを特徴とする請求項4に記載のリチウム複合金属窒
    化物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記組成中に窒素を含む化合物ガスはアン
    モニアガスであることを特徴とする請求項5又は6に記
    載のリチウム複合金属窒化物の製造方法。
  8. 【請求項8】前記リチウム複合金属窒化物は一般式Li
    3−xN(MはTi,V,Cr,Mn,Fe,C
    o,Ni,Cu,Alより選ばれた少なくとも一種の金
    属元素、xは0<x<0.8の範囲の実数)で表される
    ことを特徴とする請求項1及至7に記載のリチウム複合
    金属窒化物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7740982B2 (en) 2004-06-16 2010-06-22 Panasonic Corporation Active material, manufacturing method thereof, and non-aqueous electrolyte secondary battery including the active material
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