JP2002293530A - 合成無定形ケイ酸塩 - Google Patents

合成無定形ケイ酸塩

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度の研磨性と優れたフッ素との相溶性を有
する歯磨用シリカ基剤として有用な合成無定形ケイ酸塩
を提供する。 【解決手段】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性ジ
ルコニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たジ
ルコニウムがZrOとしてSiOに対し1.5〜
3.5重量%の範囲で結合し、900℃で1時間焼成し
た場合の粉末X線回折角2θ=21〜23°(d=4.07〜
4.09)と2θ=35〜37°(d=2.48〜2.50)に回折ピー
クを有し、且つ5重量%スラリーのpHが8.8〜1
0.5である合成無定形ケイ酸塩である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成無定形ケイ酸塩に関
し、特に歯磨用基剤として有用な合成無定形ケイ酸塩を
提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、歯磨用基剤としては、湿式法ある
いは乾式法により製造した微粉末ケイ酸あるいは炭酸カ
ルシウム、リン酸カルシウム、水酸化アルミニウムが用
いられ、これまでに多くの新製法の開発、品質改良、使
用法の改良が行われている。ところで、近年歯のう蝕を
防ぐ目的でフッ素入り歯磨きが主流になりつつあり、上
記基剤の中でもフッ素との相溶性に最も優れた微粉末ケ
イ酸が基剤の主位を占めるようになっている。
【0003】現在使用されている微粉末ケイ酸は、主に
湿式法により製造される微粉末ケイ酸であり、一般に沈
降微粉末ケイ酸と称され、乾式法により製造される微粉
末ケイ酸と区別されている。このような沈降微粉末ケイ
酸は、通常水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と硫酸、塩酸、
硝酸等の鉱酸を50〜100℃の範囲で反応させ、沈降
ケイ酸を濾過、乾燥することにより製造される。この反
応工程で沈降するケイ酸は、通常平均一次粒子径が0.
01〜0.5μmで、これらは凝集して二次粒子と称さ
れる凝集体を形成するがその平均粒子径は大略1.5〜
30μm程度で、多数の微細孔を有する。しかし、これ
らを歯磨基剤として使用した場合、このような沈降微粉
末ケイ酸は一般に4.5〜5.0のモース硬度を有する
ため、研磨性が高きにすぎる。この研磨性を反応条件等
を変えることにより制御するためには、相当のノウハウ
を蓄積することが必要であった。また、練歯磨において
は、歯磨基剤として適度な吸液量を要求されるがその制
御も困難であった。
【0004】そこで、本願出願人は、先に、水溶性アル
カリ金属ケイ酸塩と無機の水溶性ジルコニウム塩と鉱酸
とを主原料として反応させることにより得られるジルコ
ニウム結合珪酸塩が歯牙を損傷させない適度な研磨性を
有し、歯磨用基剤として最適であることを提案した。
(特公平4−35402号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前期の通り近
年練歯磨の一層の性能向上の要請から、フッ素含有練歯
磨が要求されており、練歯磨中に各種フッ素化合物を添
加して使用されている。このことから、一般に通常の微
粉末ケイ酸はフッ素との反応性には問題はないものの、
特公平4−35402号公報で開示したジルコニウム結
合珪酸塩の使用では、歯磨組成物中の可溶性フッ素が低
下するという問題を生じた。
【0006】一方、特開平11−140428号公報
で、本願出願人の一人はジルコニウムに代え、チタニウ
ムを用いた合成無定形チタニウム結合ケイ酸塩からなる
研磨剤を提案したが、このケイ酸塩は歯磨剤として適度
の研磨特性とフッ素との相溶性を兼ね備えた特性を有す
るものの、これを白色練歯磨に用いると特定の香料と反
応し着色する問題のあることが判った。そこで本発明者
らは更に検討を重ねた結果、後述する物性を有する合成
無定形ケイ酸塩が、歯磨用シリカ基剤として使用したと
きに適度の研磨性を有すること、更にまた優れたフッ素
との相溶性を有することを見出し、かかる知見に基づき
本発明を完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は水溶性ア
ルカリ金属ケイ酸塩と水溶性ジルコニウム塩と鉱酸とを
主原料として反応させて得たジルコニウムがZrO
してSiOに対し1.5〜3.5重量%の範囲で結合
し、900℃で1時間焼成した場合の粉末X線回折角2
θ=21〜23°(d=4.07〜4.09)と2θ=35〜37°
(d=2.48〜2.50)に回折ピークを有し、且つ5重量%スラ
リーのpHが8.8〜10.5である合成無定形ケイ酸
塩に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の合成無定形ケイ酸
塩について詳述する。本発明の合成無定形ケイ酸塩を、
その製造方法に基づき説明すると、先ず本発明で使用す
る水溶性アルカリ金属ケイ酸塩としては、ナトリウム、
カリウム及びリチウムのケイ酸塩を挙げることができる
が、比較的安価な点からケイ酸ナトリウムの使用が一般
的である。そのモル比、即ちSiO/MO(但し、
Mはアルカリ金属を示す)は2〜4の範囲の水溶性アル
カリ金属ケイ酸塩を用いることができる。また、本発明
において、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の酸性化剤とし
て鉱酸、例えば塩酸、硫酸あるいは硝酸が用いられる。
【0009】ジルコニウム供与物質としては、後述の水
溶性ジルコニウム塩を用いることができ、その使用方法
としては、水溶性ジルコニウム塩溶液を所定濃度に希釈
して直接反応させても良いが、本発明者らが推奨する方
法は、あらかじめ水溶性ジルコニウム塩を鉱酸に添加し
てジルコニウム含有鉱酸とし、これを水溶性アルカリ金
属ケイ酸塩溶液と反応せしめる方法である。この方法に
よるときは、他の方法に比べてシリカ中に極めて均一に
ジルコニウムを結合した状態でこれを製造することがで
きる。本発明に用いられる水溶性ジルコニウム塩として
は、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコ
ニウム等を例示できるが、これらに限定されるものでは
ない。また、ジルコニウムを含有せしめた鉱酸を用いる
場合、その鉱酸中のジルコニア(ZrO)濃度に関し
ては、原料である水溶性アルカリ金属ケイ酸塩及び鉱酸
の濃度、組成等によって異なり特に限定されないが、合
成無定形ケイ酸塩中のジルコニウムがZrOとしてS
iOに対して1.5〜3.5 重量%になるように反
応に供すればよい。この場合に、この範囲が下限を下廻
ると、ジルコニウムの添加効果が充分でなく、上限を超
えると歯磨基剤として必要な研磨力を有しなくなり、併
せてフッ素との相溶性も損なうことから望ましくない。
【0010】ところで、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と
水溶性ジルコニウム塩と鉱酸との反応は、酸側、アルカ
リ側のどちらからでも反応を開始できるが、反応を酸性
側から開始した場合には、単一粒子の凝集体、即ち二次
粒子が形成されずゲル状物質が生成するため、できれば
アルカリ側から反応を開始することが好ましい。尚、本
発明で云う反応をアルカリ側から開始するとは、核生成
をアルカリ側で行わせることを云い、具体的には、例え
ば、反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を仕込
んでおき、これに水溶性ジルコニウム塩及び鉱酸を添加
反応せしめる方法、反応槽に水溶性ジルコニウム塩含
有鉱酸と水溶性アルカリ金属ケイ酸塩とを同時添加する
方法に於いて、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の添加量比
を水溶性ジルコニウム塩含有鉱酸の当量以上とする方
法、反応槽に予め水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を仕込
み、鉱酸と水溶性ジルコニウム塩を所望量、同時若しく
は別々に添加する方法等であり、要はシリカの核生成を
アルカリ側で行わせることを云う。
【0011】反応温度及びpHに関して云えば、温度は
60〜100℃で行い、反応終了pHは6〜9となるこ
とが重要である。即ち、他の反応条件が同一である場
合、反応温度が60℃を下廻ると一次粒子の生成が起こ
り難く、しかも二次粒子の凝集力が弱くジルコニウムの
使用効果が充分発揮されない。また、反応終了pHが9
を越えると、合成無定形ケイ酸塩の析出が完全に行われ
ず、反応収率は悪くなり、pHが6以下になると本発明
の目的とする合成無定形ケイ酸塩を製造することが困難
となる。即ち、反応終了pHが6以下になると研磨性が
小さくなり、歯磨用基剤として好ましくないものとな
る。また、フッ素との相溶性も極度に低下する。しかし
ながら、フッ素相溶性との関係に於いて最も肝要なこと
は、後述する、製品5重量%スラリーのpHである。例
えば、反応終了pHを7.0に調整しても製品5重量%
スラリーpHは濾過時の洗浄の程度、あるいはリパルプ
時の水と濾過ケーキの割合、撹拌の程度等により7〜1
1まで変化する。
【0012】製品pHに関しては、反応終了後のリパル
プ洗浄工程で調整することが特に重要である。即ち濾過
して得られたウェットケーキをその数倍量の水に分散さ
せて洗浄する際に、このスラリーpHを調整することに
より、製品の5重量%スラリーを8.8〜10.5に調
整することができる。このスラリーpHの調整に際して
は、所望のpHよりも高いときは、本発明で用いている
鉱酸で調整することができ、逆にpHが低きに過ぎると
きは、別途水溶性アルカリ金属塩を添加すればよい。こ
れに使用する水溶性アルカリ金属塩としては、ナトリウ
ムの水酸化物や炭酸塩、重炭酸塩が好例として挙げられ
る。このようにして最終製品で得られる本発明ケイ酸塩
の5重量%スラリーpHが8.8〜10.5となるよう
に調整することにより、所望するフッ素との相溶性が良
好で、歯磨基剤としての適度の研磨性を有する本発明の
合成無定形ケイ酸塩を得ることができる。
【0013】次いで、鉱酸を添加する際の水溶性アルカ
リ金属ケイ酸塩溶液のSiO濃度について云えば5〜
15重量%程度であることが望ましく、更に鉱酸濃度も
5〜25重量%程度が製造上好ましい。また水溶性ジル
コニウム塩含有鉱酸を使用する場合に於いても同様であ
る。原料濃度は他の条件を適宜選択することにより、こ
の範囲内で目的とする本発明の合成無定形ケイ酸塩を得
ることができる。
【0014】このようにして製造した本発明の合成無定
形ケイ酸塩は、上記の通り適度の研磨性を有すると共
に、フッ素との相溶性に優れ歯磨用基剤として極めて好
適なものである。また、先に述べた通り、ジルコニウム
量に関して云えば、ジルコニウム量が多くなるに従って
研磨性は小さくなり、他方BET比表面積は大きくなる
傾向にある。本発明においてその目的を更によく達成さ
せるためには、即ち所望する研磨性を得るためには、合
成無定形ケイ酸塩を析出させる工程において、電解質物
質を介在せしめることが有益である。
【0015】前記の通り、ジルコニウム量が多くなると
研磨性は小さくなる。そこで、電解質物質を介在させる
と、フッ素との相溶性を損なうことなしに研磨性も大き
くなる。電解質物質の存在下で水溶性アルカリ金属ケイ
酸塩溶液と水溶性ジルコニウム塩と鉱酸とを反応せしめ
て得られる合成無定形ケイ酸塩は、電解質物質の不存在
下で得られる合成無定形ケイ酸塩に比べて研磨性が一層
向上する。その傾向は電解質物質のある一定の範囲内に
於いては、略比例関係にある。即ち電解質物質の使用量
増大とともに研磨性も増大する。
【0016】本発明に用いられる電解質物質としては、
水溶性アルカリ金属の鉱酸塩が好ましく、例えばナトリ
ウム、カリウム等の鉱酸塩であり、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム等を例示することができる。ま
た、その使用量に関しては、SiOに対して5〜50
重量%までの範囲内で適宜用いられる。使用量が5重量
%以下ではその効果が充分でなく、また50重量%を超
えても添加量に見合う効果は得られない。その実施態様
としては、電解質物質を予め水溶性アルカリ金属ケイ酸
塩溶液に含有させることが好ましいが、電解質物質量、
反応温度、反応時間等を適宜選択することにより、鉱酸
に電解質物質を添加し、反応させることを妨げるもので
はない。
【0017】さて、本発明の合成無定形ケイ酸塩の製造
上の留意点としては、水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液
中のシリカ(SiO)分が完全に析出し終えるまでの
工程で水溶性ジルコニウム塩を添加、反応させることに
あり、望ましくは水溶性ジルコニウム塩を予め鉱酸中に
含有せしめる方法が良い。即ち、全シリカが析出し終わ
った時点から水溶性ジルコニウム塩を添加しても本発明
の合成無定形ケイ酸塩を得ることができない。例えば、
水溶性アルカリ金属ケイ酸塩溶液と鉱酸とを同時に添加
する方法においては、両者の添加終了時までに水溶性ジ
ルコニウム塩を添加すべきである。水溶性ジルコニウム
塩の添加終了後、用途により所望するpHまで鉱酸を添
加すればよい。
【0018】反応終了後は、前述のようにスラリーを濾
過後、リパルプ洗浄を行い、得られた合成無定形ケイ酸
塩を液から分離し、乾燥、粉砕して製品とする。
【0019】このようにして得られた合成無定形ケイ酸
塩は、未焼成の場合、X線回折では無定形である。(図
1) ところで、後述する実施例の如く製造した本発明の合成
無定形ケイ酸塩は、900℃で1時間焼成した場合、粉
末X線回折角2θ=21〜23°(d=4.07〜4.09)と2θ
=35〜37°(d=2.48〜2.50)に回折ピークを有すると
いう特徴を有する。(図2) 殊に本発明に於いては、5重量%スラリーのpHが8.
8〜10.5となることは重要であり、5重量%スラリ
ーのpHが8.8以下の場合では、本発明ケイ酸塩のフ
ッ素との相溶性が悪くなる。また反対に、pHが10.
5以上の場合では、歯磨組成に悪影響を及ぼすこととな
る。従って、5重量%スラリーのpHが8.8〜10.
5の範囲は厳守されるべきである。
【0020】このように製造される本発明の合成無定形
ケイ酸塩は、歯磨基剤としてフッ素との相溶性が極めて
高いものであり、更にまた、その研磨力も適正な範囲に
調整されているため秀抜した歯磨用基剤となる。
【0021】本発明を更に詳細に説明するに当たり、本
発明に用いる用語、5重量%スラリーpH、吸液量、B
ET法による比表面積、フッ素相溶性、X線解析、研磨
減量、平均一次粒子径、凝集体の二次平均粒子径につい
て説明する。
【0022】1.5重量%スラリーpH 5gの合成無定形ケイ酸塩を95mlの脱イオン水に入
れ、攪拌し懸濁液を調製し、化粧品原料基準一般試験法
のpH測定法により攪拌二分経過後の読み値を5重量%
スラリーpHとした。
【0023】2.吸液量 試料1.0gを清浄なガラス板上に秤り取り、ミクロビ
ュレットを用いて予想吸液量の約1/3量の42.5重
量%のグリセリン溶液を滴下し、ステンレス製のへらで
液が均一に全体に行き渡るように試料を混合した。さら
に約1/3量のグリセリン溶液を加え、同様の操作を繰
り返した後、さらに少量づつ滴下しながら液が均一にな
るように混合した。次第に試料は粒状となり、急激に容
積が減少するようになるため、滴下の速度を遅くし試料
が1つの塊となり、へらでガラス板より綺麗に剥がれる
ようになったときを終点とした。この試験を3回繰り返
して平均値を求め、使用したグリセリン液量(ml)で
吸液量を表した。尚、この測定は経時により測定値が異
なるため、各3分以内に終了するように測定を行った。
【0024】3.BET法による比表面積 液体窒素を冷却剤に用い、−196℃における窒素ガス
吸着量から分子量面積を16.2(オンク゛ストローム)2としてB
ET法により無水物グラム当たりの比表面積を算出し
た。試料の脱ガスは140℃で60分間行った。
【0025】4.フッ素相溶性 50ml容サンプル瓶にFとして1000ppm含有す
るNaF溶液25mlと試料5gを添加混合し、50℃
の孵卵機で7日間保存した後、遠心分離器で固液分離を
行い、液層中のF量をイオンメータで測定し、残存フッ
素量を求めた。
【0026】5.X線解析 X線回折装置は、理学電気(株)製ガイガーフレックス
RAD−IA型を使用し、Cu管球を用いて30KV、
20mAの条件下で行った。
【0027】6.研磨減量 水平往復ブラッシング式研磨機を使用し、試料25%を
含む60%グリセリン水溶液を表面平滑な銅板上に載
せ、荷重400gをかけて18,000回研磨した後、
銅板の減量を測定し、これを研磨減量とした。
【0028】7.平均一次粒子径 走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、電子プローブマ
イクロアナライザー、JXA−840A)観察により単
位粒子径を測定し、その結果を基に算術平均値を求め
た。
【0029】8.凝集体の二次平均粒子径 レーザー式粒度分布測定装置(HONEYWELL社製
マイクロトラックHRA、Model:9320−X1
00)により、水を分散媒に使用し、粒度分布を測定
し、累積分布が50重量%における粒子径を二次平均粒
子径とした。
【0030】さて、本発明合成無定形ケイ酸塩は、以上
説明した如き物性を有するものであり、歯磨用基剤とし
て殊に適度の研磨性とフッ素相溶性を兼ね備えた基剤と
して有用であるが、プラスチック研磨剤、金属研磨剤、
ガラス研磨剤等各種研磨に使用するときも極めて有益で
ある。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて更に説明する
が、特に断らない限り%は全て重量%を示す。
【0032】(実施例1)150mmφタービン翼を有
する撹拌機を設けた20L容邪魔板付き反応容器に、1
0%ケイ酸ナトリウム(NaO・3.14SiO
水溶液10Kgを入れ、反応温度90℃に保持し、これ
に塩化ナトリウム105gを混合し、更に表1のような
割合になるように、オキシ塩化ジルコニウム溶液(Zr
:21.6%)と10%硫酸の混合溶液を添加し、
次いで10%硫酸をpH7.0になるまで添加した。次
に、生成したスラリーを濾過し、得られたウエットケー
キをリパルプした。このリパルプ時に10%硫酸を添加
してスラリーpHを8.0に調整した。その後、ろ過・
乾燥を行いジルコニウム含有量の異なる合成無定形ケイ
酸塩を製造した。尚、製品の5%スラリーpHは、いず
れも9.3〜9.6の範囲であった。その結果を表1に
示す。
【0033】
【表1】
【0034】本発明の合成無定形ケイ酸塩は、粉末X線
回折に於いて図2の回折ピーク即ち、2θ=21〜23
°と2θ=35〜37°を有する。また、ZrOの割
合が1.5〜3.5重量%の範囲では、フッ素相溶性が
800〜1000ppmの適正なフッ素相溶性を示して
いる。更に、研磨減量も1.5〜4.5mgの範囲の適
正な研磨減量の値を示している。
【0035】しかし、比較例で示した図3のX線回折ピ
ークを示すジルコニウムを含有しない沈降性微粉末ケイ
酸塩は、フッ素相溶性は極めて優れているが研磨減量の
値は適正値を大きく超えたものになり、歯磨用シリカ基
剤としては不適当である。更に、比較例に示した製品中
のSiOに対するZrOの割合が5.0%と、ジル
コニウムを多含するケイ酸塩は、フッ素相溶性、研磨減
量共に適正値から大きく逸脱し、歯磨用シリカ基剤とし
て不適当である。
【0036】(実施例2)実施例1の反応容器に10%
珪酸ナトリウム(SiO2/Na2Oモル比3.14)水
溶液8.92Kgを入れ、反応温度95℃に保持し、S
iO2に対するZrO2の添加割合が3%になるようにオ
キシ塩化ジルコニウム溶液(ZrO2:20.7%)を
添加すると共に、10%硫酸を反応液の反応終了pHが
表2に示す所定pHになるまで添加し、添加終了後その
まま15分間熟成した。このスラリーをろ過後、リパル
プ水洗し、これをろ過した後110℃に保った乾燥機中
で乾燥後、粉砕し、本発明合成無定形ケイ酸塩を得た。
こうして得られた合成無定形ケイ酸塩について、5%ス
ラリーpHとBET比表面積を測定した。その結果を表
2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】尚、本発明製品は2θ=21〜23°と2
θ=35〜37°に回折ピークを有していた。
【0039】(実施例3)実施例1の反応容器に10%
珪酸ナトリウム(SiO2/Na2Oモル比3.14)水
溶液8.92Kgを入れ、反応温度95℃に保持し、S
iO2に対するZrO2の添加割合が3%になるようにオ
キシ塩化ジルコニウム溶液(ZrO2:20.7%)を
添加すると共に、10%硫酸を反応液の反応終了pHが
3.5になるまで添加し、添加終了後そのまま15分間
熟成した。このスラリーをろ過後、リパルプ水洗し10
%水酸化ナトリウムを使用してスラリーpHを9に調整
した。これをろ過した後110℃に保った乾燥機中で乾
燥後、粉砕し、本発明合成無定形ケイ酸塩を得た。こう
して得られた合成無定形ケイ酸塩について、製品中のS
iOに対するZrOの割合は2.5%であり、5%
スラリーpHを測定した結果、pH10.4であった。
また、フッ素相溶性は900ppm、BET比表面積は
100m/gであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合成無定形ケイ酸塩の未焼成の場合のX
線回折図である。
【図2】本発明合成無定形ケイ酸塩を900℃で1時間
焼成の場合のX線回折図である。
【図3】ジルコニウムを含有しない沈降微粉末ケイ酸を
900℃で1時間焼成の場合のX線回折図である。
【図4】ジルコニウムを含有せず、5%スラリーpHが
本発明の範囲外の沈降微粉末ケイ酸を900℃で1時間
焼成の場合のX線回折図である。
【図5】ジルコニウムを含有し、5%スラリーpHが本
発明の範囲外の沈降微粉末ケイ酸を900℃で1時間焼
成の場合のX線回折図である。
フロントページの続き (72)発明者 海老根 慶周 東京都墨田区本所1−3−7 ライオン株 式会社内 (72)発明者 山本 幸夫 東京都墨田区本所1−3−7 ライオン株 式会社内 Fターム(参考) 4C083 AB171 AB211 EE07 EE31 FF01 4G073 BA02 BA04 BA21 BA75 BA76 BA81 BB26 BD03 FB19 FC13 FC22 FC25 GA03 GA11 GA12 GA14 GA16 GA19 GA26 GA35 GA40

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性アルカリ金属ケイ酸塩と水溶性ジ
    ルコニウム塩と鉱酸とを主原料として反応させて得たジ
    ルコニウムがZrOとしてSiOに対し1.5〜
    3.5重量%の範囲で結合し、900℃で1時間焼成し
    た場合の粉末X線回折角2θ=21〜23°(d=4.07〜
    4.09)と2θ=35〜37°(d=2.48〜2.50)に回折ピー
    クを有し、且つ5重量%スラリーのpHが8.8〜1
    0.5である合成無定形ケイ酸塩。
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