JP2002293233A - さや管推進工法及びそれに使用する台車 - Google Patents

さや管推進工法及びそれに使用する台車

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JP2002293233A
JP2002293233A JP2001102481A JP2001102481A JP2002293233A JP 2002293233 A JP2002293233 A JP 2002293233A JP 2001102481 A JP2001102481 A JP 2001102481A JP 2001102481 A JP2001102481 A JP 2001102481A JP 2002293233 A JP2002293233 A JP 2002293233A
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pipe
sheath
main pipe
propulsion
main
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Kazuhito Hanano
一仁 花野
Tetsuji Shimoyasu
哲二 下保
Masazumi Konaka
正純 小仲
Yoshinori Yoshida
義徳 吉田
Naoki Tomita
直岐 冨田
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Kurimoto Ltd
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Kurimoto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水道、ガス、下水道等に用いる流体輸送配管
を地下に埋設する非開削推進工法において、推進中のロ
ーリングに対応可能で、しかも耐震性の最大の要件であ
る十分な伸縮量を確保した状態で管及び継手を挿入する
ことができる経済的なさや管推進工法を提供すること。 【解決手段】 管の挿し口を先行する管の後端部に設け
られた受口に挿入して継合わせつつさや管内に本管によ
る管路を新設する推進工法であって、オムニホイールを
走行車輪として備えた台車を所定の間隔で複数台互いに
変向可能に連結し、該台車に設けた受台で本管を支持し
て、当該台車に推進力を付与することにより、本管をさ
や管内に推進し、推進終了後は前記台車による本管の支
持を解除して当該台車をさや管内から引き出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道、ガス、下水
道等に用いる流体輸送用配管を非開削で布設するパイプ
インパイプ工法及びさや管方式推進工法、並びにこれら
に使用する本管推進用の台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダクタイル鋳鉄管等の流体輸送用
配管を埋設する工法としては、地面を開削して布設する
開削工法が一般的であったが、近来は幹線道路だけでは
なく一般道路においても交通量が増加しているので、開
削工法のために交通を遮断することは困難となってい
る。そこで、発進立坑と到達立坑だけを開削し、さや管
としてヒューム管や鋼管等を推進埋設した後にダクタイ
ル鋳鉄管を挿入するさや管推進工法や、既設管をさや管
として、その中に口径の小さい本管を挿入して管路を更
新するパイプインパイプ工法等の推進工法が慣用化して
いるほか、発進立坑から地中を掘削しながら順次後続管
を推進させて管路を布設する推進工法も広く採用されて
いる。
【0003】この種の流体輸送配管においては、近年、
地震等によって管路に非定常的な外力が直撃したときで
も、継手内で伸縮作用が可能で外力を吸収緩和すること
のできる耐震性が強く求められるようになった。これら
のニーズを満たすものとして、従来パイプインパイプ工
法等に用いられてきた継手の一つに、例えば図16に示
すような耐震管継手がある。この継手100は、PII形
継手と呼ばれるもので、挿し口101、受口102、ロ
ックリング103、セットボルト104、ゴム輪105
等で構成される。
【0004】また、図17は従来のパイプインパイプ工
法の概要を表すもので、この工法は、発進立坑Sと到達
立坑Rとの間に埋設されている既設管(さや管)P’内
にこれよりも径の小さな本管Pを挿入する工法である。
発進立坑には油圧ジャッキJが設置されており、該油圧
ジャッキの後部は反力受けHに当接し、前部は押角Bを
介して本管Pを押圧するようになっている。本管Pは、
その先端部の挿し口101を先行の本管の後端部の受口
102に挿入することによって順次接合され、既設管
P’内に押し込まれて行く。なお、先頭の本管の先端部
には挿入抵抗を小さくするための先導ソリKが取り付け
られている。
【0005】上記本管P,…の接合は、次のようにして
行われる。まず、ロックリング103及びゴム輪105
を受口内面に装着する。然る後、油圧ジャッキJを作動
させて、受口102に挿し口101を挿入し、セットボ
ルトを締め付ける。これにより、後端部が発進立坑に臨
んでいる先行の本管の後部に後続の本管が接合される。
後続の本管が接合されたら、油圧ジャッキJで押圧し
て、接合された一連の管列を到達立坑に向かって進行さ
せる。油圧ジャッキの推進力は、上記ロックリング10
3と、ロックリング溝106の側端面107との当接に
よって伝達される。なお、これらの図では既設管内に本
管を挿入することにより管路を更新しているが、まず地
下にさや管を推進し、さらにこのさや管内にパイプイン
パイプ工法にて本管を挿入するさや管推進工法も同様に
行われている。
【0006】上記パイプインパイプ工法に使用されるP
II形継手以外にも、管路新設のためにまずさや管を推進
し、さらにさや管内に管路の布設を行うパイプインパイ
プ工法に使用される耐震性を考慮した管継手としては、
図18に示すS形継手や図19に示すUS形継手等があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記パイプ
インパイプ工法用PII形継手の構成では、推進工が終了
した後は、図16に示すようにロックリング103の側
面と挿し口101に設けたロックリング溝106の側端
面107が接触した状態、すわなち継手が押し込まれた
状態となっているので、引き抜き代のみは確保されてい
るが、挿し口が受口に嵌り込む方向には移動できない。
また、図18に示すS形継手では、推進が終了した状態
では、挿し口の先端部201aが鎖線で示すように受口
奥端面202aに当接した状態となっており、図19に
示すUS形継手では、推進が終了した状態では、挿し口
の後方寄りに設けられたフランジ111と受口開口部の
側端面114が接触している状態となっているので、P
II形継手と同様に、挿し口が受口に嵌り込む方向には移
動できない。このため、継手が両方向に伸縮する必要が
ある耐震管継手としての性能を半ばしか満たしていない
という問題点がある。この点は、NS形、SII形等の継
手の場合も同様である。
【0008】この問題点を解決する従来技術として、特
開平5−20636号公報に記載の技術が公知である。
この技術は、新規挿入管を支持するそり体を隣接する管
同士の継手部に配置し、挿入管の全長にわたってそり体
同士を連結棒によって連結して既設管内に引き込むもの
である。この方法によると、管の継手部に押し込み力を
作用させずに本管を推進することができるので、推進後
の管路の継手部に収縮代を残しておくことができる。
【0009】この種の推進工法では、推進中に挿入管に
ローリングが発生することが多いが、上記そり体で挿入
管を移動させる方法では、このローリングに対応するの
が困難であるという問題点があった。このため、特にさ
や管に曲がりがある場合等にはローリングの発生によっ
て円滑な推進が行われなくなるのみならず、場合によっ
ては推進不可能となるおそれもあった。なお、上記特開
平5−20636号公報には、挿入管にローリングが発
生してそり体が管底から外れるという問題は、そり体の
構成を適宜なものとすることで容易に解決できるとされ
ているが、具体的にどのように構成するのか開示されて
いないので、上記公報記載の発明ではローリングの問題
は未解決であると言える。
【0010】さらに、管内を移動する台車のローリング
を防止するものとして、自由にスライドするバランスウ
エイトの重量を梃の原理を介してキャスターに舵角を与
えるものが提案されている(特開平10−152045
号)。しかしながら、この方法では、スライドするバラ
ンスウエイトが何らかの理由で動かなくなったり、キャ
スターの舵角を切る装置にトラブルが生じた場合に、ロ
ーリングを防止できなくなるおそれがある。そこで本発
明は、上記のような問題点を解決し、小口径から大口径
まで広範囲な管径に使用することができ、ローリングに
対応可能で、しかも耐震性の最大の要件である十分な伸
縮量を確保した状態で管及び継手を挿入することができ
る経済的なさや管推進工法を提供することを課題として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、本
発明にかかる推進工法は、管の挿し口を先行する管の後
端部に設けられた受口に挿入して継合わせつつさや管内
に本管による管路を新設する推進工法であって、オムニ
ホイールを走行車輪として備えた台車を所定の間隔で複
数台互いに変向可能に連結し、該台車に設けた受台で本
管を支持して、当該台車に推進力を付与することによ
り、本管をさや管内に推進し、推進終了後は前記台車に
よる本管の支持を解除して当該台車をさや管内から引き
出すことを特徴としている。
【0012】また、本発明にかかる台車は、箱体と、該
箱体に取り付けられた全方向に転動可能なオムニホイー
ルの車輪と、該箱体に昇降可能に設けられ上昇位置で本
管を載せて支持することのできる受台と、該受台を箱体
に対し昇降させる昇降手段とを具備することを特徴とし
ている。このオムニホイールにより、ローリングに対す
る自己補整機能を持たせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に表された本発明の実
施の形態に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
【0014】図1は、本発明の推進工法の実施形態にお
ける管継手部の側面断面図である。この管継手は、水道
の耐震継手として通常使用されているNS形継手であ
り、挿し口1と受口2からなる。挿し口1は、ダクタイ
ル鋳鉄管の先端部外周面にリング状の挿し口突起3が一
体に設けられている。
【0015】受口2の内周面には、シール用のゴム輪4
を納めるゴム輪溝4aとロックリング溝5aが設けられ
ている。このロックリング溝5aには、一つ割りの環状
体として形成されたロックリング5がロックリング芯出
し用ゴム6を介して挿嵌されており、地震等による過大
な引き抜き力が作用したときには、このロックリング5
と前記挿し口突起3とが係合することによって挿し口1
の逸脱が防止されるようになっている。
【0016】また、挿し口1の先端部1bと受口2の奥
端面2bとの間には押し込み余裕量L1 が確保されてお
り、前記挿し口突起3とロックリング5との間には引き
抜き余裕量L2 が確保されている。この推進工法では、
これらの伸縮余裕量を維持したまま管を挿入するのであ
り、推進完了後に地震等の過大な力が作用したときは、
上記伸縮量の分だけ管継手が伸縮してその過大な力を吸
収緩和することができるのである。
【0017】挿入管(本管)の下面側には、図2に示す
ように架台10が接着剤、金属ベルト等の固着手段で取
り付けられている。この架台10は、鋼材、樹脂等の材
質で成形されており、鋼材で成形する場合は、図3に示
すように、比較的薄肉の板材を折り曲げて形成されてい
て、正面視円弧状に湾曲した受け部10aと該受け部の
左右両側に設けられた脚部10b,10bとを備えてい
る。受け部10aの上面形状は、それが取り付けられる
本管の外面に密着するように凹面となっている。なお、
架台10の形状は図示例のものに限らず、ブロック状等
他の形状のものでもよい。架台として、図示例のように
本管の外周部に密着する形状のものを使用すれば、推進
中に架台に対する管の自由動が規制され、位置ずれ等を
防止することができる。
【0018】一方、本管Pの継手部には推進装置Mが配
置されている。推進装置Mは複数のロッド40,…を自
在継手41,…を介して互いに連結して構成した紐体
(ロッド列)に所定間隔(本管の有効長さ)で台車5
0,…が取り付けられている。図示例ではロッド40は
本管の有効長さに近い長さを持ち、台車50の前後両側
に取り付けた自在継手41,41で屈曲自在に連結され
ている。紐体はある程度フレキシブルなもので、図示例
のような自在継手で連結したロッド40を用いる代り
に、ワイヤロープを用いてもよい。
【0019】台車50は、枠51a,51b,53等で
構成される平面視概略方形のメインフレームをなす箱体
51を備え、該箱体の左右両側の枠53,53にはそれ
ぞれが車軸54によって回転自在に支持された複数(図
示例では2個、左右合わせて4個)の車輪55,…が前
後方向に直列に取り付けられている。なお、さや管の内
面は曲面となっているので、該曲面に適応するように枠
53は斜め上向きに傾斜している。
【0020】車輪55は、図6、図7に示すようなオム
ニホイール60で構成されるもので、各車輪55は、2
個のオムニホイール60,60を内外に重ね合わせて構
成されている。オムニホイール60は、概略樽形の3個
のローラ61,…を支持枠62に軸63によって回転自
在に取り付けたもので、支持枠62の中心軸65に対し
120度づつずらせて等間隔で配置されている。支持枠
62は概略正三角形状の本体の各頂部に軸受け部66,
66を設け、両軸受け部で軸63を支持していて、両軸
受け部66,66の間隔部は凹部67となっている。こ
の凹部67の位置にはローラが存在しないので、一つの
オムニホイール60では完全な円周は形成されないが、
図示例では、二つのオムニホイール60,60が互いに
60度づつ位相をずらせて重ね合わされているので、側
面視では樽型のローラの外形線によって完全な円周Rが
形成されている。なお、図6に示すローラ61は、二つ
割りした構造で、互いに対称的な二つの部材61a,6
1aを突き合わせて樽状としているが、一体で樽状に構
成してもよい。
【0021】図8は上記と異なる実施形態を表すもの
で、この実施形態では、車輪55を構成するオムニホイ
ール60のローラ61’が、直径の異なる複数の円盤を
重ね合わせた形状となっていて、該ローラの外周面Sが
複数段の階段状となっている。このため、車輪55の外
周面は引っ掛かりの多いギザギザ状を呈している。図6
に示すローラ61の外周部をこのように段状に加工して
もよい。なお、ローラの外周部をギザギザ状にしておく
と、車輪55の回転時に大きな摩擦力が作用するので、
スリップが生じにくく、接地性がよいという利点があ
る。
【0022】台車50の箱体51の中部には、前後方向
のフレーム70が設けられており、該箱体51の下部材
51bに前後のリンク71,72が軸73によって回動
自在に取り付けられている。推進方向に対し前側のリン
ク71は直線状の棒体であるが、後側のリンク72の下
部はカギ形に屈曲した形状となっている。箱体51の後
部上側には推進力伝達用の概略三角形の押圧部材75が
軸76によって上下回動自在に取り付けられていて、当
該軸76に取り付けたトルクスプリング77によって常
時上向きに付勢されている。この押圧部材75は通常の
状態ではトルクスプリング77に付勢され上向きに張出
した位置にあって、その前端面が本管の受口後端面に当
接して推進力を伝達するが、上方から下向きに加圧され
たときは、該トルクスプリングの付勢力に抗して下向き
に回動し、前記受口に当接しないようになる。
【0023】前後のリンク71,72の上端部には受台
90が軸91,91で取り付けられている。このためこ
れらリンク71,72を軸73回りに回動させると、受
台90が箱体51に対して平行に上下動する。受台90
の上面形状は、本管の受口2の外周面に適応する凹状曲
面となっている。なお、さや管の屈曲部等での台車と管
の動きを補正するため、受台90と台車の各接合部にゴ
ム等の可撓材でできたブッシュ等を介装しておくのが好
ましい。
【0024】箱体51の前後端部の枠51a,51aに
は前後方向の可動軸95が挿入されてフレーム70に取
り付けられている。その前後両端部には自在継手41,
41が取り付けられている。自在継手41の基部41a
は、可動軸の移動により箱体51の前後端面に当接し
て、当該可動軸の移動範囲を規制するストッパとなって
いる。また、可動軸95と一体となって移動するストッ
パ96がフレーム70に設けられている。このストッパ
96は、前記リンク71,72が直立状態にあるとき、
すなわち受台90が最高位置にあるとき、左右の後側リ
ンク72の屈曲部72aの上面に当接するように設けら
れている。このストッパ96が後側リンク72の屈曲部
72a上にあるときは、屈曲リンク72の回動が規制さ
れるため、受台90は最高位置に維持される。
【0025】次に、紐体を構成するロッド40が推進方
向と逆向きに牽引されると、まず可動軸95が後向きに
所定量移動するので、ストッパ96がリンク72の屈曲
部72a上から離脱し、屈曲リンク72は平行リンクを
構成する前側のリンク71とともに図4の時計回りに回
動可能な状態となる。
【0026】次に、この推進装置Mを用いて本管Pをさ
や管P’内に推進する方法について説明する。まず、到
達立坑側から紐体40をさや管P’内に挿通し、発進立
坑側で台車を自在継手41を介して接続する。一方、さ
や管内の先行の本管の受口2に後続の本管の挿し口1を
挿入し、新たな本管を先行の管に接続する。接続する本
管には架台10を金属ベルト、接着剤等、溶接の固定手
段(図示例では溶接)で取り付けて、推進終了後にさや
管内で支持できるようにしておく。この架台10は、図
2に示すように、管を支持して挿し口1に押し込み方向
の力が作用しないようにすることが肝要である。
【0027】一方、さや管内に挿通された紐体(自在継
手で連結されたロッド列)の端部に自在継手41を介し
て台車50(可動軸95)を連結し、該台車50の受台
90上に後続の本管の受口部分を載せて支持する。この
とき、リンク71,72で支持される受台90がストッ
パ96により最上昇位置で固定され、前記押圧部材75
の前端面が受台90上の本管の受口後端面2cに当接し
た状態としておく。なお、台車50の可動軸後端部には
さらに自在継手41を介して新たなロッド40を連結し
ておく。この状態で、上記紐体を到達立坑側からウイン
チやジャッキ等で推進方向に牽引すると、前記押圧部材
75が本管の受口後端部を押圧するので、該本管を載せ
た台車50が前進する。このとき、本管の受口2部分が
台車によって支持されているので、挿し口1には押し込
み方向の力が作用せず、継手の押し込み余裕量が維持さ
れたまま推進される。
【0028】所定距離だけ推進したら新たな本管を接続
し、最後尾のロッド40の端部に新たな台車50を自在
継手41を介して連結する。以下同様にして順次本管を
継ぎ足しつつ推進していく。
【0029】推進が終了したら、推進装置Mの紐体40
を推進方向と逆方向(後向き)に牽引する。すると、図
10に示すように、可動軸95が後向きに所定量移動す
るので、ストッパ96がリンク72の屈曲部72a上か
ら離脱し、屈曲リンク72は平行リンクを構成する前側
のリンク71とともに図の時計回りに回動可能な状態と
なる。さらに紐体を牽引すると、箱体51が移動するた
め、図11に示すように、本管を載せた受台90が相対
的に図の右方向へ移動する力を受け、平行リンク71,
72が図の時計回りに回動する。このため受台90が下
降するが、本管には適当高さの架台10が取り付けられ
ているので、当該架台によって本管がさや管内に支持さ
れる。受台90はその支持高さよりも低位となるので、
さらに紐体を牽引することにより、図12ないし図13
に示すように受台90が管の受口2から外れるので、受
台90には荷重がかからなくなり、台車50の列を紐体
とともに発進立坑側へ容易に引き出すことができるので
ある。本管の列は各架台によって支持された状態でさや
管内に残留させられる。なお、台車50の後退によっ
て、押圧部材75が図14に示すように後続の管の受口
の拡径部に当たるが、押圧部材75はトルクスプリング
77で付勢されているだけなので、図15に示すように
その傾斜上面が受口外面に沿って摺動し、下向きに回動
して該受口の下部を通過する。
【0030】この推進工法は、挿入管の受口部分を台車
の受台90に載せて支持し、該受口後端面に当接させた
押圧部材75で推進力を伝達しつつさや管内を推進する
ので、継手に押し込み力が作用せず、所望の押し込み代
を維持したまま推進することができる。台車には車輪が
設けられているので、さや管内での移動が容易かつ円滑
に行われる。
【0031】特に本発明では、台車の車輪55,…がオ
ムニホイール60で構成されているので、推進方向と交
差する方向にも自在に転動することができる。このた
め、さや管P’に曲がりや傾斜があっても、車輪が当該
曲がりや傾斜にうまく追従し、ローリングによるトラブ
ルが生じることなく、円滑に推進することができるので
ある。
【0032】なお、フレキシブルな紐体として自在継手
で連結されたロッドやワイヤを使用することにより、左
右のカーブや上下傾斜にも柔軟に対応することができ、
円滑な推進を行うことができる。上記架台は安価な材質
例えば鋼材や樹脂ブロック等で製作することができ、し
かも紐体であるワイヤ、ロッド、台車等は推進後に回収
するので、経済的である。
【0033】なお、以上の説明では、紐体で外部から推
進力を伝達して台車を移動させているが、台車に搭載し
た電動モータで車輪を回転駆動することにより、自走式
の台車として構成することも可能である。また、管を支
持する受台90の昇降装置として上記実施形態では平行
リンク装置を採用しているが、他の機械的な昇降機構
や、電動・油圧ジャッキ、あるいはエアによって膨張・
収縮するエアバルーン等の機構を用いることができる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、管継手の伸縮代を十分に確保した状態で、小
口径から大口径に至る広範囲な本管及び多種多様な継
手、並びに鋼管、樹脂管等ダクタイル鋳鉄管以外の管で
あっても簡単にさや管内に挿入することが可能となり、
さや管内に耐震性に優れた管路を経済的に形成すること
が可能となった。特に本発明では、管を支持して移動す
る台車の車輪として、全方向に転動可能なオムニホイー
ルを利用するので、推進中にローリングによるトラブル
が生じず、円滑に推進を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の推進工法における管継手の1例を表す
側面断面図である。
【図2】さや管内を表す縦図(a)及びそのX−X矢視
図(b)である。
【図3】架台の正面図(a)及び側面図(b)である。
【図4】台車の要部の側面図である。
【図5】台車の構造を表す要部の斜視図である。
【図6】車輪の側面図である。
【図7】車輪の平面図である。
【図8】上記と異なる車輪の側面図である。
【図9】推進終了時の状態を表す要部の側面図である。
【図10】紐体を少し引き戻した状態を表す要部側面図
である。
【図11】押圧部材が受口端面から外れた状態を表す要
部側面図である。
【図12】受台が最下位に下降した状態を表す要部側面
図である。
【図13】受台が受口から外れた状態を表す要部側面図
である。
【図14】台車が後続の継手部付近に達した状態を表す
要部側面図である。
【図15】押圧部材が受口部分を後方へ通過する状態を
表す要部側面図である。
【図16】従来のPII形継手の断面図である。
【図17】従来のさや管推進工法の説明図である。
【図18】従来のS形継手の断面図である。
【図19】従来のUS形継手の断面図である。
【符号の説明】
1 挿し口 2 受口 3 挿し口突起 5 ロックリング 10 架台 40 ロッド 41 自在継手 50 台車 51 箱体 55 車輪 60 オムニホイール 61 ローラ 71,72 リンク 90 受台 95 可動軸 96 ストッパ
フロントページの続き (72)発明者 小仲 正純 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 吉田 義徳 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 (72)発明者 冨田 直岐 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式会社栗本鐵工所内 Fターム(参考) 2D054 AC18 AD28 AD37 EA01 2D055 AA04 BA04 BB01 EB07 GA01 GA06 GB01 LA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管の挿し口を先行する管の後端部に設け
    られた受口に挿入して継合わせつつさや管内に本管によ
    る管路を新設する推進工法であって、オムニホイールを
    走行車輪として備えた台車を所定の間隔で複数台互いに
    変向可能に連結し、該台車に設けた受台で本管を支持し
    て、当該台車に推進力を付与することにより、本管をさ
    や管内に推進し、推進終了後は前記台車による本管の支
    持を解除して当該台車をさや管内から引き出すことを特
    徴とするさや管推進工法。
  2. 【請求項2】 箱体と、該箱体に取り付けられた全方向
    に転動可能なオムニホイールの車輪と、該箱体に昇降可
    能に設けられ上昇位置で本管を載せて支持することので
    きる受台と、該受台を箱体に対し昇降させる昇降手段と
    を具備することを特徴とする台車。
  3. 【請求項3】 昇降手段として、回動により高さが変化
    する平行リンクと、該平行リンクの回動を規制するスト
    ッパとが設けられ、該ストッパは紐体の牽引操作により
    平行リンクに対し離脱可能とされている請求項2に記載
    の台車。
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