JP2002292992A - インクジェット記録シート及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録シート及びその製造方法

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JP2002292992A
JP2002292992A JP2001094005A JP2001094005A JP2002292992A JP 2002292992 A JP2002292992 A JP 2002292992A JP 2001094005 A JP2001094005 A JP 2001094005A JP 2001094005 A JP2001094005 A JP 2001094005A JP 2002292992 A JP2002292992 A JP 2002292992A
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ink jet
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JP2001094005A
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Kenji Yabuta
健次 藪田
Takao Chiga
孝雄 千賀
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高光沢で、記録された画像や文字の耐水性、耐
オゾン性および耐光性などの保存性が良好で、インクジ
ェット記録シートの経時による画像滲みの改良されたイ
ンクジェット記録シートを提供すること。 【解決手段】防水性支持体上に、少なくとも1層以上の
インク受理層を設けてなるインクジェット記録シートに
おいて、該インク受理層が無機超微粒子とバインダーお
よびカチオン性染料定着剤からなるものであって、該イ
ンク受理層が酸化防止剤を含有する透明高分子膜で被覆
されたインクジェット記録シート。また防水性支持体上
に設けられたインク受理層に、色素を定着させて画像を
形成した後、該インク受理層に透明仕上がりになる塗膜
を形成する塗料を塗布乾燥して酸化防止剤を含有する透
明高分子膜による被覆を形成することで特に耐オゾン性
の保存性は改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関するものであり、さらに詳しくは、高光沢
で記録された画像や文字の耐水性、耐オゾン性、耐光性
などの保存性が良好で、経時での画像滲みの改良された
透過材料用、高光沢反射材料用インクジェット記録シー
ト及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音がなく、高
速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近
年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを
使用することにより、多色記録を行うことも容易であ
り、各種のインクジェット記録方式による多色インクジ
ェット記録が行われている。特にコンピューターにより
作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハード
コピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成
する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目
されている。更に、これらコンピューターで作成した画
像情報をインクジェットプリンターにより透明な記録シ
ートに記録し、これをOHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)等の原稿としても利用されている。また、近年
特に注目されているインクジェットプリンターの利用分
野としては、写真に近い画質が要求される印刷分野にお
けるカラー版下の用途やデザイン部門でのデザインイメ
ージのアウトプットと大型のインクジェットプロッター
を用いて簡便に作成することができる大判のポスター、
ディスプレイ、旗等である。さらに、近年デジタルカメ
ラに代表される様にデジタル写真画像が身近になりこれ
らの画像を安価なインクジェットプリンターで出力する
試みがなされており、写真専用のモードやインクを具備
したインクジェットプリンターも発売されてきている。
【0003】更に、インクジェット記録シートは用途の
多様化が進み、ポスターやPOPアート等に使用される
のみでなく、裏面に粘着層を設けてタック加工が施さ
れ、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)表示用
ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣
伝用ラベル(ステッカーなど)などのラベル用途として
使用することが増加している。特にバーコード用ラベル
では、インクジェット記録の高解像度が生かせるし、広
告宣伝用ラベルであれば鮮鋭性や色彩性に優れているこ
とから良好な広告宣伝媒体として好適に用いることがで
きる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベル
で、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優
れた画像を簡単に得ることが可能である昨今の背景がイ
ンクジェット記録シートを多用する理由となっている。
特にタック加工することにより、広範囲の被着体によく
接着し、貼り付け作業が簡単なことから、他面に粘着層
を介して感熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性を付
与されたシートなどと貼り合わせて複合機能化すること
も可能となる。これらの用途では、光沢度や耐水性、耐
オゾン性、耐光性等の画像保存性がより一層重要視され
ることは言うまでもない。
【0004】従来、インクジェット記録方式に使用され
るインクジェット記録シートとしては、通常の紙やイン
クジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ
等の顔料をポリビニルアルコール等の水溶性バインダー
からなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録用シー
トが使用されてきた。
【0005】しかし、これら従来のインクジェット記録
シートを高光沢で、さらに耐水性、耐オゾン性、耐光性
等の画像保存性が求められる屋内外の大判展示ポスター
や表示用ラベル等に用いた場合にはいくつかの大きな問
題点があった。すなわち、これら従来のインクジェット
記録シートを用いて印字すると、インクのにじみが大き
く、かつ光沢が低いばかりでなく支持体である紙自身が
水に弱いために特に屋外使用で問題となる耐水性が低
く、使用に耐えるものではなかった。
【0006】さらに、支持体を紙の代わりにポリエチレ
ンテレフタレート樹脂等からなるフィルムを用いた場合
は支持体自体の耐水性はあるが、光沢を有するインク吸
収層として一般に水溶性高分子が用いられていることか
らこのインク吸収層に耐水性が無く、そのためにこのイ
ンク吸収層が水に溶けて流れ落ちる為に使用できない等
の欠点があった。また、フィルムベースの上に従来から
用いられてきた非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアル
コール等の水溶性バインダーやラテックス等のバインダ
ーからなる多孔質のインク吸収層を設けた場合は前述し
た水溶性高分子からなる層よりは耐水性は高いものの塗
層表面の強度が弱く、わずかな衝撃でも塗層が剥がれる
ばかりでなく光沢も著しく低くものであった。さらに、
インクが不透明なインク吸収層に深く浸透してしまい印
字の鮮鋭度が著しく低下してしまう場合がある。
【0007】また、このようなインクジェット記録方式
で使用されるインクは、水性インク、すなわち水或いは
水と親水性溶剤の混合溶媒中に各種の水溶性染料を溶解
し、必要により各種の添加剤を添加したものが大半を占
めている。水性インクは、印字後の色調が鮮やかで明る
いこと、インクドットのコントラストが大きいこと、イ
ンク粘度の調整が容易であること、比較的高濃度溶解が
可能なことやヘッドノズルの目詰まりが起きにくいこと
などの利点を有している。
【0008】しかしながら、耐水性、耐オゾン性、耐光
性などの画像部の保存性に劣ると云う欠点があった。
【0009】インク吸収性に優れて、しかも高光沢なイ
ンク受理層としては、例えば、特開平1−97678号
公報、同2−276670号公報、同3−215082
号公報などに無機超微粒子を主体とするようなインク受
理層が提案されている。
【0010】無機超微粒子としては、例えば、球状、数
珠状、カチオン変性などのコロイダルシリカ、気相法に
より合成されたシリカや不定形、ベーマイト、擬ベーマ
イト、γ−アルミナなどのアルミナ化合物、シリカ/ア
ルミナハイブリッドゾル、スメクタイト粘土などの種々
なものが知られている。
【0011】しかしながら、かかる無機超微粒子を用い
たインクジェット記録シートの欠点としては、耐水性が
劣ったり、またオゾン、光などによる色素の退色が進行
しやすく、耐オゾン性、耐光性などの保存性に劣ること
などが挙げられ、これらの問題は未だに解決はなされて
いなかった。
【0012】かかる要望に対して、特開昭62−261
477号公報、特開平1−18684号公報、特開平1
−95091号公報等にインク受理層中に酸化防止剤を
含有させてオゾンによる画像退色を防止する技術が開示
されているが、画像記録後、画像を形成する色素が常に
空気との接触にさらされているために、オゾンによる色
素の劣化を長期に亘って防止する事が出来ず、その効果
は不十分であった。
【0013】また、特開平7−237348号公報等に
はインク受理層に色素を定着記録後に、透明高分子膜で
被覆する技術が開示されている。オゾンによる色素の退
色を促進する無機超微粒子を透明高分子膜で被覆する事
で、耐オゾン性は若干改良するものの、水性インクで記
録後に水系溶媒の高分子化合物を塗布して被覆を形成し
た場合には、水系溶媒と共に色素が拡散して、経時での
画像滲みが発生する問題があり、それを回避するために
有機溶媒系の高分子化合物を使用した場合は安全性や環
境の観点から好ましくなかった。
【0014】一方、水の付着や、高湿度条件下での長期
保存における色素の滲みを防止するための手段として
は、例えば、特開平4−320877号公報、同4−3
23075号公報などに提案されているようなカチオン
変性ポリビニルアルコールを含有させたり、架橋剤を添
加したり、更に別にカチオン性染料定着剤を添加した場
合でも、その改良効果は満足できるものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高光
沢で且つ記録された画像や文字の耐水性、耐オゾン性お
よび耐光性などの保存性が良好で、経時での画像滲みの
改良された透過材料用、高光沢反射材料用インクジェッ
ト記録シート及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インクジ
ェット記録シートにおける上記の問題について鋭意検討
を重ねた結果、防水性支持体上に、少なくとも1層以上
のインク受理層を設けてなるインクジェット記録シート
において、該インク受理層が無機超微粒子とバインダー
およびカチオン性染料定着剤からなるものであって、該
インク受理層を酸化防止剤を含有する透明高分子膜で被
覆することで、高光沢で且つ記録された画像や文字の耐
水性、耐オゾン性および耐光性などの保存性が良好で且
つ経時での画像滲みの改良された透過材料用、高光沢反
射材料用インクジェット記録シートを得ることが出来
た。
【0017】防水性支持体上に設けられたインク受理層
に、色素を定着させて画像を形成した後、該インク受理
層に透明仕上がりになる塗膜を形成する塗料を塗布乾燥
して酸化防止剤を含有する透明高分子膜による被覆を形
成するインクジェット記録シートの製造方法により、予
めインク受理層上に設けられた酸化防止剤を含有する透
明高分子膜による被覆上に画像色素を形成するよりも更
に、画像濃度が高く、耐オゾン性等の保存性の良好なイ
ンクジェット記録シートを製造することが出来た。
【0018】該塗料が最低造膜温度50℃以下の合成高
分子エマルジョンを主成分とすることで保存性の良好な
インクジェット記録シートを製造することが出来た。
【0019】該被覆が合成高分子エマルジョンの最低造
膜温度以上の加熱処理で行われる事で更に保存性の良好
なインクジェット記録シートを製造することが出来た。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるインクジェット記録シートは、防水性支
持体上に少なくとも1層以上のインク受理層を設けてな
り、該インク受理層が無機超微粒子とバインダーおよび
カチオン性色素定着剤からなるものであって、該インク
受理層が酸化防止剤を含有する透明高分子膜で被覆され
たインクジェット記録シートである。
【0021】本発明におけるインクジェット記録シート
では、光沢度や耐水性、耐オゾン性、耐光性の保存性、
更に経時での画像滲みを改良する目的でインク受理層上
に酸化防止剤を含有する透明高分子膜を被覆するが、特
にインク色素を定着させてインク受理層に画像を形成し
た後に、該インク受理層に透明仕上がりになる塗膜を形
成する塗料を塗布乾燥して酸化防止剤を含有する透明高
分子膜による被覆を形成することで画像濃度が高く、保
存性にも優れると同時に高光沢なインクジェット記録シ
ートを得る事が出来た。
【0022】本発明における酸化防止剤を含有する透明
高分子膜とは、上記インク受理層の表面に形成され、こ
れを被覆する。酸化防止剤を含有する透明高分子膜は、
色素の定着した無機超微粒子を被覆することにより、色
素が直接水に触れたり、空気中の酸素、オゾン、NOx
と反応したり、あるいは揮発するのを防止し、さらに紫
外線を遮蔽する機能を有する。支持体が高分子フィルム
や樹脂被覆紙等空気遮断性に優れた防水性支持体であれ
ば、酸化防止剤を含有する透明高分子膜からの保護効果
のみでなく、支持体側からの画像保護効果も得られる事
から、特に画像の保存性に優れた効果が得られる。画像
記録後にラミネートやフィルム張り合わせで画像を保護
する方法でも、画像保存性は改良するものの、記録物が
厚くなったり、コスト高になり、好ましいものではな
い。本願発明の方法では、そのような欠点はなく簡便な
方法で記録画像の保存性を向上できる利点がある。ま
た、本発明の酸化防止剤を含有する透明高分子膜の被覆
によって、経時の画像滲みが改良される機構に関しては
必ずしも明確ではないが、本発明のインク受理層に用い
るカチオン性染料定着剤はインク受理層中の水性インク
の染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のス
ルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩
を形成するため、インク受理層にて染料を捕獲し、色彩
性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や吸湿による
インクの流れだしや滲みだしを抑制し耐水性が向上させ
ることができる為であると考えられが、特に透明高分子
膜がカチオン性又はアニオン性のイオン性を有する場合
は、透明高分子膜も単なる被覆効果のみでなく、カチオ
ン性染料定着剤との相互作用で経時による画像滲みの改
良に効果をもたらしていると考えられる。
【0023】本発明において使用する酸化防止剤は、ラ
ジカル連鎖反応による色素の劣化、生成する過酸化物の
分解または大気中のオゾンによる色素の劣化を防止する
機能を有する物質である。
【0024】酸化防止剤としては、市販の酸化防止剤が
いずれも好適に使用し得るが、具体的には、例えば2,
6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,2´−メチ
レン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4´−チオ−ビス(3−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)などの親油性のヒンダードフ
ェノール、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)フタレート、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−ベンゾエ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−カル
ボニルオキシピペリジノ)−p−ジメチルベンジルなど
の親油性のヒンダードアミンなどが選ばれる。水可溶性
のもの、例えばアスコルビン酸なども好適に使用出来
る。
【0025】本発明では酸化防止剤が溶液である場合は
そのまま合成高分子エマルジョンに混合して使用可能で
ある。例えばアスコルビン酸、エリソルビン酸及びその
一部の誘導体等は水に可溶である。水に不溶のものは、
粉体やエマルジョンとして添加されるが、透明高分子膜
の透明性や平滑性を損なわないために、平均粒径を50
0nm以下に調整することが好ましい。平均粒径に特に
下限はなく、1nm程度のものまで得られる。500n
m以下に調整するのは通常の機械的手段による分散や乳
化法で達成出来る。
【0026】透明高分子膜中の酸化防止剤の含有量は合
成高分子エマルジョンの固形分に対して0.01〜10
重量%であるのが好ましい。酸化防止剤が0.01重量
%未満であると、耐オゾン性改良による画像退色防止の
向上効果が十分に達成できず、10重量%を超えてもそ
れに応じた効果の向上が得られない。透明高分子膜中の
酸化防止剤のより好ましい含有量は0.1〜1.0重量
%である。本願発明の空気遮断性に優れる防水性支持体
の使用は、インク受理層中の画像色素の上に形成された
透明高分子膜との両面からの画像に対する保護効果と相
まって、添加する酸化防止剤もインク受理層に添加され
た場合よりも少ない量で画像退色防止効果を発揮する。
【0027】透明高分子膜の厚さは0.5〜30μmが
好ましく、2〜10μmがより好ましい。透明高分子膜
の厚さが0.5μm未満ではオゾンカット効果が不十分
であり、一方30μmを超えてもオゾンカット効果は飽
和して、さらなる向上が得られない。
【0028】本発明に係る合成高分子エマルジョンとし
ては、例えば、ビニルポリマー系エマルジョンとして、
ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニル等の単独重合体やアクリル、酢酸ビニル、塩化
ビニル等の共重合体などが挙げられる。また、合成ゴム
系エマルジョンとして、ポリイソブチレン、クロロプレ
ンゴム、ポリブタジエンゴム等の単独重合体やスチレン
・ブタジエン、アクリロニトリル・ブタジエン、メチル
メタクリレート・ブタジエン、アクリル酸エステル等の
共重合体などが挙げられる。さらにこれら各種重合体を
カルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン性官能基や
カチオン性官能基で修飾して変性したものも含まれる。
【0029】また、本発明に於いて要求される該合成高
分子エマルジョンの特性は最低造膜温度であって、上記
の組成を変量する事によって、50℃以下の所望の最低
造膜温度を得ても良い。また複数の合成高分子エマルジ
ョンをブレンドして調節しても良い。最低造膜温度が5
0℃以上の場合には、インク受理層上に被覆を形成する
為には当然加熱処理を必要とするが、その加熱温度を高
くする必要があり、加熱温度が高くなるとインク色素の
拡散を起こし易く、画像滲みの問題が発生する。また合
成高分子エマルジョンのガラス転移点温度は特に限定す
るものではないが、20〜90℃程度が好ましい。ガラ
ス転移点温度が20℃以下においては、耐ブロッキング
性の劣化という問題を生じる。またガラス転移温度が9
0℃以上であると良好な皮膜を形成出来ないと云う問題
がある。特に好ましいガラス転移温度の範囲は30〜6
0℃である。又、更に耐ブロッキング性を改良するため
に皮膜の透明性を阻害しない範囲でシリカ、アルミナ等
の無機超微粒子を添加しても良い。
【0030】塗料中の樹脂成分は、20〜60重量%で
あることが好ましい。塗料中の樹脂成分が20重量%に
満たない場合は、形成される酸化防止剤を含有する透明
高分子膜による被覆が薄く、耐水性、耐オゾン性、耐光
性等の保存性向上の効果が十分でなく、また塗布量を多
くすると水系溶媒量が多くなり、水性インクの印字物の
場合には画像の滲み等の問題が発生するので好ましくな
い。逆に、塗料中の樹脂成分が60重量%を超える場合
は、塗料の粘度が上昇して、均一な塗布が困難になるた
め、画質が低下するおそれがあるので好ましくない。特
に、本発明の場合、多孔質表面に塗膜を形成するため、
塗料中の溶媒が多孔質インク受理層に吸収されて塗布時
に粘度が上昇するので、樹脂成分が60重量%を超える
場合に塗布が困難になる。同じ理由で、合成高分子エマ
ルジョンではなく水溶性の高分子化合物をインク受理層
を被覆する素材として使用した場合には、塗料粘度との
関係で高い固形分濃度が達成できずに水分が多いために
画像の滲みが発生しやすいと云う問題がある。
【0031】酸化防止剤を含有する透明高分子膜による
被覆を形成する手段の一例として、画像形成後にインク
受理層に、実質的に顔料成分を含まない塗料、すなわ
ち、透明仕上がりになる塗料を塗布する方法が挙げられ
る。塗料としては、油性塗料、繊維系誘導体塗料、合成
樹脂塗料、フッ素樹脂塗料など種々のものを使用するこ
とができる。画像形成に水性インクを使用したものに対
しては、画像を滲ませたりすることがない点で、油性塗
料などの油性溶媒を使用する塗料が好ましいが、油性溶
媒は安全性や環境への観点からは好ましくない。
【0032】塗料の塗布方法は、刷毛塗り、スプレー塗
り、ローラー塗りなど特に限定されない。画像形成に使
用したインクジェット記録装置を用いて、画像形成後に
酸化防止剤を含有する合成高分子エマルジョンをノズル
から吐出して全面に塗布しても良い。乾燥は、自然乾燥
でよく、必要に応じて加熱してもよい。
【0033】本発明において用いられる防水性支持体と
しては、透明な支持体も不透明な支持体も用いることが
できる。透明な支持体としては、従来公知のものがいず
れも使用でき、例えばポリエステル樹脂、ジアセテート
樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のフィルムもしくは板およびガラス板
等が挙げられ、これらの中でもポリエチレンテレフタレ
ートからなるフィルムが最も好ましく用いられる。
【0034】このような透明な防水性支持体はその厚さ
が約10〜200μm程度のものであることが好まし
い。
【0035】不透明な防水性支持体としては、合成紙、
樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発砲フィルム等
の従来公知のものがいずれも使用できる。光沢、平滑性
の点から樹脂被覆紙、各種フィルムがより好ましいが、
手触り感、高級感から樹脂被覆紙と白色度と強度が高い
顔料入りのポリエチレンテレフタレートからなるフィル
ムがさらに好ましく用いられる。
【0036】本発明において好ましく用いられる防水性
支持体としての樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限
はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より
好ましくは平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパル
プとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1
種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には
一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填
料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合さ
れる。
【0037】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0038】また、原紙の厚味に関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0039】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0040】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0041】本発明において好ましく用いられる防水性
支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレ
フィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、い
わゆる押出コーティング法により製造され、その両面が
樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹
脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど
一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電
子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂
を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処
理などの活性化処理を施すことが好ましい。防水性支持
体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途
に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優
位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、
カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面
は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏
両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施
すことができる。また、被覆樹脂層の厚味としては特に
制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または
表裏両面にコーティングされる。
【0042】本発明における防水性支持体には帯電防止
性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバック
コート層を塗設することができる。バックコート層には
無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、
ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み
合わせて含有せしめることができる。
【0043】本発明のインクジェット記録シートのイン
ク受理層に使用される無機超微粒子としては、例えば、
特開平1−97678号公報、同2−275510号公
報、同3−281383号公報、同3−285814号
公報、同3−285815号公報、同4−92183号
公報、同4−267180号公報、同4−275917
号公報などに提案されている擬ベーマイトゾル、特開昭
60−219083号公報、同61−19389号公
報、同61−188183号公報、同63−17807
4号公報、特開平5−51470号公報などに記載され
ているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037
号公報、特開昭62−286787号公報に記載されて
いるようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、その他
にもヘクタイト、モンモリナイトなどのスメクタイト粘
土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、
クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾ
ル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的な
ものとして挙げることができ、市販の無機超微粒子を好
適に用いることができる。
【0044】特に光沢度の観点からは微細な無機超微粒
子である擬ベーマイトやγ−アルミナからなるアルミナ
ゾルや気相法シリカが好適に使用できる。
【0045】上記において微粒子の平均粒径は、粒子そ
のもの或いはインク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で
観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純
平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒
径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表し
たものである。
【0046】本発明のインクジェット記録シートでイン
ク受理層において無機超微粒子と組み合わせて用いられ
るバインダーでは、水溶性高分子よりなるバインダーが
好ましい。合成高分子エマルジョンでは特に水性インク
による記録ではインクとのなじみが悪く印字濃度低下の
原因になる。本発明で用いられるバインダーとしては、
ゼラチン又はゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、
プルラン、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリ
エチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリ
ン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κーカラギーナ
ン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテン
ガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴ
ム、特開平7−195826号及び同7−9757号に
記載のポリアルキレンオキサイド系共重合性ポリマー、
水溶性ポリビニルブチラール、或いは、特開昭62−2
45260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を
有するビニルモノマーの単独又はこれらのビニルモノマ
ーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げるこ
とができる。これらのバインダーは単独で使用しても良
く、2種以上を併用しても良い。
【0047】中でも、ポリビニルアルコールを含有する
ことが皮膜の吸湿性、高湿下のベタツキ、インクジェッ
ト記録時の染料の滲みが少ない事などから好ましい。
【0048】このポリビニルアルコールにはカチオン変
性、ノニオン変性及びアニオン変性の各変性ポリビニル
アルコールも含まれる。ポリビニルアルコールの平均重
合度は造膜性の観点から500〜5000のものが好ま
しく用いられ、特に平均重合度が1000以上のものが
好ましい。
【0049】ポリビニルアルコールのケン化度は70〜
100%のものが好ましく、80〜100%のものが特
に好ましい。カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号公報に記載されて
いるような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム
基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0050】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメ
チルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0051】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、特に好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0052】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号公報、及び同63−30797
9号公報に記載されているような、ビニルアルコールと
水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開
平7−285265号公報に記載されているような水溶
性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0053】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0054】本発明のインクジェット記録シートにおい
てインク受理層に含有される無機超微粒子のバインダー
に対する重量比率は4〜20倍である。4倍未満の時は
インク吸収性の低下を、20倍を越えると皮膜の脆弱性
が大きく劣化し、高画質のインクジェット記録が出来な
くなる。
【0055】本発明において、インク受容層は、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、
米国特許3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許3,
635,718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ
化合物、米国特許2,732,316号記載のN−メチ
ロール化合物、米国特許3,103,437号記載の如
きイソシアナート類、米国特許3,017,280号、
同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物
類、米国特許3,100,704号記載の如きカルボジ
イミド系化合物類、米国特許3,091,537号記載
の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカ
ルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如き
ジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジ
ルコニウムの如き無機硬膜剤等があり、これらを1種ま
たは2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤
の添加量はインク受容量を構成するバインダー100g
に対して0.01g〜10gが好ましく、より好ましく
は0.1〜5gである。バインダーとしてポリビニルア
ルコールを用いたときはホウ酸、ホウ素化合物の使用が
特に好適である。
【0056】本発明のインクジェット記録シートのイン
ク受理層に使用するカチオン性染料定着剤としては2級
アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩などが挙げら
れ、これらのカチオン性染料定着剤はインク受理層中の
水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性
染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基など
と不溶な塩を形成するため、インク受理層にて染料を捕
獲し、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や
吸湿によるインクの流れ出しや滲み出しを抑制し耐水性
が向上させることができる。
【0057】インク受理層は単層で塗設しても良いが、
ある一定の塗工量を数回に分けて塗設することもでき
る。数回に分割してインク受理層を塗工する方法として
は、1層ごとに乾燥して塗工する場合と、複数層をウェ
ット・オン・ウェットで同時に塗工する方法を挙げるこ
とができる。数回に分割してインク受理層を塗工する場
合、カチオン性染料定着剤は特開平6−183131、
特開平6−183134号公報等の如くに支持体に近い
インク受理層に添加したり、または特開平9−2630
41号公報等の如くに支持体より遠い最外層に添加する
事も、当然各インク受理層に添加する事も出来る。
【0058】本発明におけるインク受理層には、さら
に、その他の添加剤として顔料分散剤、増粘剤、流動性
改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着
色染料、着色顔料、蛍光増白剤、防腐剤、防バイ剤、耐
水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、紫外線吸収
剤および酸化防止剤などを本発明の目的を害しない範囲
で適宜添加することもできる。
【0059】本発明におけるインク受理層を防水性支持
体上に設ける方法としては、水またはアルコールなどの
親水性有機溶剤、あるいはこれらの混合溶媒を用いて、
例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコ
ーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロー
ルコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコ
ーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレー
ドコーター、サイズプレスなどの各種装置により防水性
支持体上に塗工することができる。また、インク受理層
の塗工後には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ス
ーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー
装置を用いて平滑化処理を行うことができる。
【0060】本発明のインク受理層の塗工量は特に制限
はないが、1〜50g/m2が好ましい。塗工量が1g
/m2未満であると十分な印字濃度およびインク吸収性
が得られないため好ましくなく、塗工量が50g/m2
を超えるとインクジェット記録シートのカール性が悪化
する場合があるため好ましくない。
【0061】本発明で云うインクとは、下記の色素、溶
媒、その他の添加剤からなる記録液体であり、色素とし
ては、発色性、鮮明性、安定性などが良好な、例えば、
C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 24、C.I.Di
rect Yellow 26、C.I.DirectYellow 44、C.I.Direct Ye
llow 86、C.I.Direct Yellow 98、C.I.Direct Yellow 1
00、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct red 1、C.I.D
irect red 4、C.I.Direct red 17、C.I.Direct red 2
8、C.I.Direct red 83、C.I.Direct Orenge 34、C.I.Di
rect Orenge 39、C.I.Direct Orenge 44、C.I.Direct O
renge 46、C.I.Direct Orenge 60、C.I.Direct Violet
47、C.I.Direct Violet 48、C.I.DirectBlue 6、C.I.Di
rect Blue 22、C.I.Direct Blue 25、C.I.Direct Blue
71、C.I.Direct Blue 86、C.I.Direct Blue 90、C.I.Di
rect Blue 106、C.I.Direct Blue 199、C.I.Direct Bla
ck 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Black 32、
C.I.Direct Black 51、C.I.Direct Black 62、C.I.Dire
ct Black 71、C.I.DirectBlack 108、C.I.Direct Black
146、C.I.Direct Black 154などの直接染料、C.I.Acid
Yellow 11、C.I.Acid Yellow 17、C.I.Acid Yellow 2
3、C.I.Acid Yellow25、C.I.Acid Yellow 29、C.I.Acid
Yellow 42、C.I.Acid Yellow 49、C.I.Acid Yellow 6
1、C.I.Acid Yellow 71、C.I.Acid red1、C.I.Acid red
6、C.I.Acidred 8、C.I.Acid red 32、C.I.Acid red 3
7、C.I.Acidred 51、C.I.Acid red 52、C.I.Acid red 8
0、C.I.Acid red 85、C.I.Acid red 87、C.I.Acid red
92、C.I.Acid red 94、C.I.Acid red 115、C.I.Acid re
d 180、C.I.Acid red 256、C.I.Acid red 317、C.I.Aci
d red 315、C.I.Acid Orenge 7、C.I.AcidOrenge 19、
C.I.Acid Violet 49、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue
22、C.I.Acid Blue 40、C.I.Acid Blue 59、C.I.Acid
Blue 93、C.I.Acid Blue 102、C.I.Acid Blue104、C.I.
Acid Blue 113、C.I.Acid Blue 117、C.I.Acid Blue 12
0、C.I.Acid Blue167、C.I.Acid Blue 229、C.I.Acid B
lue 234、C.I.Acid Blue 254、C.I.AcidBlack 2、C.I.A
cid Black 7、C.I.Acid Black 24、C.I.Acid Black 2
6、C.I.Acid Black31、C.I.Acid Black 52、C.I.Acid B
lack 63、C.I.Acid Black 112、C.I.Acid Black118 な
どの酸性染料、その他にも塩基性染料、反応性染料或は
食品用色素などの水溶性染料あるいは、カーボンブラッ
クなどの顔料を用いることができる。
【0062】インクの溶媒としては、水および水溶性の
各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ルなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1、2、6
ーヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基
が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エ
チレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級
アルキルエーテル類などが挙げられる。
【0063】上記の水溶性有機溶剤の中でも、特にジエ
チレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アル
キルエーテルが好ましい。
【0064】上記の水溶性の有機溶剤以外にも、高沸点
脂肪族炭化水素に代表される引火性、毒性などの安全性
に優れた非水溶性絶縁溶剤を用いる場合があり、各種無
機顔料、有機顔料などが色素として用いられることが多
い。
【0065】本発明におけるインクジェット記録シート
のインク受理層への記録では、記録時に液状であるイン
クを使用するどのような記録シートとして用いてもかま
わない。例えば、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液
適化、飛翔記録するインクジェット記録シートなどが挙
げられる。
【0066】これら記録シートの共通点は、記録時にイ
ンクが液体状態である点である。液状インクは硬化、固
定または定着までに記録シートのインク受理層の深さ方
向または水平方向に対して浸透または拡散していく。上
述した記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収性を
必要とするもので、本発明のインクジェット記録シート
を上述した各種の記録用タックシートとして利用しても
構わない。
【0067】インク中に添加されるその他の添加剤とし
ては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、
防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面
活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【0068】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り重量部および重量%を示す。
【0069】〔評価方法〕 (1)光沢度 各インクジェット記録シートの表面について、JIS−
Z−8741に規定される60度鏡面光沢度を測定し
た。 A:81゜以上 B:71〜80゜ C:61〜70゜ D:51〜60゜ E:50゜以下
【0070】(2)耐水性 各インクジェット記録シートのインク受理層上にインク
ジェットプリンター(EPSON製、MJ−700V2
C)でブラックインクのベタ印字を行った後に酸化防止
剤を含有する透明高分子膜で被覆したインクジェット記
録シートを用いて、白紙と印字の境界部分にシリンジを
用いて水を1ml滴下後、24時間放置した。放置した
後の滲み程度を目視評価した。実用上、耐水性が問題に
なるのはCとDである。 A:滲みは全く観察されない。 B:滲みが極わずかに観察された。 C:滲みが発生し、部分的にしみが観察された。 D:滲みが酷く、水滴下全体がしみとなった。
【0071】(3)耐オゾン性 各インクジェット記録シートのインク受理層上にインク
ジェットプリンター(EPSON製、MJ−700V2
C)でブラックインクのベタ印字を行った後に酸化防止
剤を含有する透明高分子膜で被覆したインクジェット記
録シートを、オゾン導入口および排出口の付いたガラス
容器中に入れ、三菱電機製オゾナイザOS−1にて発生
させたオゾンを15分間連続して導入した。この時のオ
ゾン濃度は約80ppmであった。これらのインクジェ
ット記録用シートのオゾン処理前後のマゼンタインク色
の色差を測定した。色差は、L***(CIE197
6)に従って光照射前後のサンプルの色を測定した結果
を基に規定することができる。色差が大きいほど、色劣
化が生じていることを示し、色差が3.0未満であれば
視覚上、色の違いに大差はない。
【0072】
【数1】△E={(△L*2+(△a*2+(△
*21/2 ここで、△Eは色差、△L*および△a*と△b*は、各
々光照射前後のL*およびa*とb*の差である。
【0073】(4)耐光性 各インクジェット記録シートのインク受理層上にインク
ジェットプリンター(EPSON製、MJ−700V2
C)でブラックインクのベタ印字を行った後に酸化防止
剤を含有する透明高分子膜で被覆したインクジェット記
録シートを、キセノンアークフェードメーター、アトラ
ス製Ci−35fを用い、ブラックパネル温度63℃、
相対湿度65%RHの環境下で30時間の光照射した前
後のブラックインク色の色差を測定した。色差の測定法
は耐オゾン性試験に準ずる。
【0074】(5)画像滲み 耐水性試験と同様にして、各インクジェット記録シート
のインク受理層に、インクジェットプリンター(EPS
ON製、MJ−700V2C)でブラックインクのベタ
印字を行った後に、酸化防止剤を含有する透明高分子膜
による被覆を形成した。各インクジェット記録シートに
マゼンタの1ピクセル格子画像を印字した。印字直後に
画像滲みの程度を目視評価し、次いで30℃、65%の
環境下に3日間、7日間と放置した後の画像滲みの程度
をさらに目視評価した。実用上、画像滲みが問題になる
のは×である。 ◎:光学顕微鏡による観察でも滲みは全く観察されず良
好であった。 ○:光学顕微鏡による観察で、極わずかな滲みだしが観
察できたが、画像品質には影響しない。 △:裸眼で、わずかな滲みが部分的に観察できた。 ×:画像全体に渡って滲みが酷く、画像品質の低下は避
けられない。
【0075】防水性支持体として以下の樹脂被覆紙を使
用した。 樹脂被覆紙;LBKP(50部)とLBSP(50部)
のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に低
密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(2
0部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を2
5g/m2塗布し、裏面に高密ポリエチレン(50部)
と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を
25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙。
【0076】実施例1 防水性支持体を用い、下記配合の第一のインク受理層塗
工液(固形分濃度15%)をエアーナイフコータによ
り、乾燥塗工量10g/m2となるように防水性支持体
上に塗工・乾燥した。 [第一のインク受理層の塗工液] 合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:徳山曹達株式会社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製) 30部 カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製) 15部
【0077】第一のインク受理層表面に、下記配合の第
二のインク受理層を塗設した。 [第二のインク受理層の塗工液] 気相法シリカ(アエロジル200:日本アエロジル社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製) 15部 この組成物を固形分濃度20%として調液し、エアーナ
イフコータで、乾燥塗工量5g/m2となるように塗
工、乾燥し、該塗被面がチルドロールに接するように、
チルドロール表面温度50℃、線圧100kg/cmの
条件でカレンダー処理を行い、 実施例1の記録シート
を得た。
【0078】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成した後、透明高分子膜を形成する下記配合の塗
料Aを固形分30重量%に希釈したものを刷毛により塗
布し、常温乾燥して厚さ約10μmの酸化防止剤を含有
する透明高分子膜による被覆を形成し、実施例1のイン
クジェット記録シートを得た。 [塗料A] ノニオン性合成高分子エマルジョン(固形分45%) 100部 (モビニール966:ヘキスト合成社製。最低造膜温度0℃以下) 酸化防止剤(スミライザ−BNN:住友化学社製) 2.0部
【0079】実施例2 実施例1において透明高分子膜を形成する塗料を下記配
合の塗料Bとする以外は実施例1と同様にして実施例2
のインクジェット記録シートを得た。 [塗料B] アニオン性合成高分子エマルジョン(固形分41%) 100部 (モビニール967:ヘキスト合成社製。最低造膜温度0℃) 酸化防止剤(エルソルビン酸ナトリウム:藤沢薬品社製) 0.5部
【0080】実施例3 防水性支持体上に、無機顔料を用いた下記配合のインク
受理層塗工液をワイヤーバーにより乾燥塗工量が15g
/m2となるように塗工して、乾燥温度80℃で10分
間の乾燥を行った。 (インク受理層塗工液配合) 合成非晶質シリカ(ミズカシルP78A、水沢化学製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製) 20部 染料定着剤(ポリフィックス601,昭和高分子製) 10部
【0081】次いで、実施例1で示したインク受理層を
ワイヤーバーにより乾燥塗工量が10gとなるように積
層塗工して、乾燥温度90℃で5分間乾燥を行った。
【0082】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成した後、透明高分子膜を形成する下記配合の塗
料Cを固形分35重量%に希釈したものを刷毛により塗
布し、80℃の雰囲気で加熱乾燥して厚さ約5μmの酸
化防止剤を含有する透明高分子膜による被覆を形成し、
実施例3のインクジェット記録シートを得た。 [塗料C] アニオン性合成高分子エマルジョン(固形分46%) 100部 (モビニール975:ヘキスト合成社製。最低造膜温度30℃) 酸化防止剤(スミライザ−TNP:住友化学社製) 0.4部
【0083】<カチオン性合成高分子エマルジョンの作
製>最低造膜温度の異なるカチオン性エマルジョンA〜
Cを以下の通りに作製した。メチルメタアクリレート、
ブチルアクリレートの比率を変量し、カチオン性界面活
性剤を用いて、これらのモノマーを共重合してエマルジ
ョンA〜Cを得た。カチオン性エマルジョンA(以下、
エマルジョンAと略す)は、最低造膜温度が45℃であ
る。カチオン性エマルジョンB(以下、エマルジョンB
と略す)は、最低造膜温度が60℃である。カチオン性
エマルジョンC(以下、エマルジョンCと略す)は、最
低造膜温度が102℃である。
【0084】実施例4 防水性支持体上に、無機顔料を用いた下記配合のインク
受理層塗工液をワイヤーバーにより乾燥塗工量が20g
/m2となるように塗工して、乾燥温度90℃で5分間
の乾燥を行った。 (インク受理層塗工液配合) 気相法シリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製) 100部 ポリビニルピロリドン(PVPK−80、ISP社製) 20部 カチオン性染料定着剤(スミレッツレジン1001:住友化学社製) 20部
【0085】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成した後、透明高分子膜を形成する下記配合の塗
料Dを固形分35重量%に希釈したものを刷毛により塗
布し、100℃の雰囲気で加熱乾燥して厚さ約15μm
の酸化防止剤を含有する透明高分子膜による被覆を形成
し、実施例4のインクジェット記録シートを得た。 [塗料D] カチオン性合成高分子エマルジョン(固形分45%) 100部 (エマルジョンA最低造膜温度45℃) 酸化防止剤(スミライザ−TNS:住友化学社製) 0.4部
【0086】比較例1 支持体として143g/m2の上質紙を用いた以外は実
施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録シー
トを得た。
【0087】比較例2 143g/m2の上質紙上に下記配合の第一のインク受
理層塗工液(固形分濃度15%)をエアーナイフコータ
により、乾燥塗工量10g/m2となるように塗工・乾
燥した。 [第一のインク受理層の塗工液] 合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:徳山曹達株式会社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製) 30部 コロイダルシリカ(スノーテックス−O:日産化学工業株式会社製) 30部 カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友化学社製) 20部
【0088】第一のインク受理層表面に、下記配合の第
二のインク受理層を塗設した。 [第二のインク受理層の塗工液] 気相法シリカ(アエロジル200:日本アエロジル社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製) 15部 この組成物を固形分濃度20%として調液し、エアーナ
イフコータで、乾燥塗工量5g/m2となるように塗
工、乾燥し、該塗被面がチルドロールに接するように、
チルドロール表面温度50℃、線圧100kg/cmの
条件でカレンダー処理を行い、比較例2の記録シートを
得た。
【0089】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成した後、透明高分子膜を形成する下記配合の塗
料Eを固形分30重量%に希釈したものを刷毛により塗
布し、常温乾燥して厚さ約5μmの透明高分子膜による
被覆を形成し、比較例2のインクジェット記録シートを
得た。 [塗料E] ノニオン性合成高分子エマルジョン(固形分45%) 100部 (モビニール966:ヘキスト合成社製。最低造膜温度0℃以下)
【0090】比較例3 143g/m2の上質紙上に、無機顔料を用いた下記配
合のインク受理層塗工液をワイヤーバーにより乾燥塗工
量が20g/m2となるように塗工して、乾燥温度90
℃で5分間の乾燥を行った。 (インク受理層塗工液配合) 気相法シリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製) 100部 ポリビニルピロリドン(PVPK−80、ISP社製) 20部 カチオン性染料定着剤(スミレッツレジン1001:住友化学社製) 20部
【0091】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成した後、透明高分子膜を形成する下記配合の塗
料Fを固形分35重量%に希釈したものを刷毛により塗
布し、100℃の雰囲気で加熱乾燥して厚さ約10μm
の透明高分子膜による被覆を形成し、比較例3のインク
ジェット記録シートを得た。 [塗料F] カチオン性合成高分子エマルジョン(固形分45%) 100部 (エマルジョンB最低造膜温度60℃)
【0092】比較例4 比較例2において透明高分子膜を形成する塗料を下記配
合の塗料Gとする以外は比較例2と同様にして比較例4
のインクジェット記録シートを得た。 [塗料G] カチオン性合成高分子エマルジョン(固形分45%) 100部 (エマルジョンC最低造膜温度102℃) 酸化防止剤(スミライザーTNS:住友化学社製) 2.0部
【0093】比較例5 143g/m2の上質紙上に、無機顔料を用いた下記配
合のインク受理層塗工液をワイヤーバーにより乾燥塗工
量が20g/m2となるように塗工して、乾燥温度10
0℃で5分間の乾燥を行った。 (インク受理層塗工液配合) 気相法シリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製) 20部 カチオン性染料定着剤(スミレッツレジン1001:住友化学社製) 10部
【0094】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成した後、水溶性高分子膜を形成する下記配合の
塗料Eを固形分8重量%に希釈したものを刷毛により塗
布し、100℃の雰囲気で加熱乾燥して厚さ約10μm
の酸化防止剤を含有する水溶性高分子による被覆を形成
し、比較例5のインクジェット記録シートを得た。 [塗料H] ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製。10%水溶液) 100部 酸化防止剤(スミライザ−TNS:住友化学社製) 0.4部
【0095】比較例6 143g/m2の上質紙上に、無機顔料を用いた下記配
合のインク受理層塗工液をワイヤーバーにより乾燥塗工
量が20g/m2となるように塗工して、乾燥温度10
0℃で5分間の乾燥を行った。 (インク受理層塗工液配合) 気相法シリカ(アエロジル200、日本アエロジル社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製) 20部 カチオン性染料定着剤(スミレッツレジン1001:住友化学社製) 10部 酸化防止剤(スミライザ−TNS:住友化学社製) 0.5 部
【0096】この記録シートに、インクジェットプリン
ター(EPSON製、MJ−700V2C)を用いて画
像を形成して、比較例6のインクジェット記録シートを
得た。
【0097】以上に挙げた実施例1〜4および比較例1
〜6の各インクジェット記録シートの評価結果をまとめ
て表1に記した。
【0098】
【表1】
【0099】本発明において酸化防止剤を含有する透明
高分子膜は、無機超微粒子を被覆することにより、色素
が水に触れたり、空気中の酸素、オゾン、NOx と反応
したり、あるいは揮発するのを防止し、さらに紫外線を
遮蔽する機能を有する。本発明による実施例1〜4のイ
ンクジェット記録シートでは、空気遮断性を有する防水
性支持体上のインク受理層中の色素が酸化防止剤を含有
する透明高分子膜による被覆で保護されている為に、光
沢度、インク受理層の膜強度、耐水性、耐オゾン性、耐
光性および経時による画像滲みに優れていた。
【0100】しかしながら、比較例は支持体が通常の上
質紙である為にインク受理層の支持体側からの空気の浸
透の為にいずれも耐オゾン性に劣っていた。比較例1で
は酸化防止剤含有の透明高分子膜を形成するがやや耐オ
ゾン性に劣り、比較例2では透明高分子膜に酸化防止剤
を含有しない場合で更に耐オゾン性に劣り、比較例3で
は被膜の最低造膜温度が高い為に皮膜の形成が不十分で
耐オゾン性に劣り、比較例4では酸化防止剤を加えても
更に最低造膜温度が高い合成高分子エマルジョンを使用
した為に、皮膜形成が不十分で耐オゾン性防止の効果は
少なく、比較例5では合成高分子エマルジョンの代わり
に水溶性高分子で保護膜を作ったために画像滲みが発生
した。比較例6ではインク受理層に酸化防止剤を含有す
るが合成高分子エマルジョンによる被覆が形成されず、
酸化防止剤添加の効果はインク受理層上に被覆する場合
に比べて劣り、十分な耐オゾン性改良効果は認められな
かった。
【0101】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは、
耐水性、耐オゾン性、耐光性などの保存性に優れ、長期
間にわたって高画質を維持する保存安定性を有する。特
に、水性インクを用いた記録に対して好適である。ま
た、本発明の製造方法は、記録物に好ましい光沢度を付
与することができるという効果も有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防水性支持体上に、少なくとも1層以上
    のインク受理層を設けてなるインクジェット記録シート
    において、該インク受理層が無機超微粒子とバインダー
    およびカチオン性色素定着剤からなるものであって、該
    インク受理層が酸化防止剤を含有する透明高分子膜で被
    覆されたインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 防水性支持体上に設けられたインク受理
    層に、色素を定着させて画像を形成した後、該インク受
    理層に透明仕上がりになる被膜を形成する塗料を塗布乾
    燥して、酸化防止剤を含有する透明高分子膜による被覆
    を形成する請求項1のインクジェット記録シートの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 該塗料が最低造膜温度50℃以下の合成
    高分子エマルジョンを主成分とすることを特徴とする請
    求項2のインクジェット記録シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 該被覆が合成高分子エマルジョンの最低
    造膜温度以上の加熱処理で形成される請求項2〜3のい
    ずれかに記載のインクジェット記録シートの製造方法。
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