JP2002292700A - 射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型 - Google Patents

射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型

Info

Publication number
JP2002292700A
JP2002292700A JP2001098927A JP2001098927A JP2002292700A JP 2002292700 A JP2002292700 A JP 2002292700A JP 2001098927 A JP2001098927 A JP 2001098927A JP 2001098927 A JP2001098927 A JP 2001098927A JP 2002292700 A JP2002292700 A JP 2002292700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
space
air
flow path
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001098927A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemi Umezawa
茂美 梅沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Optical Co Ltd
Priority to JP2001098927A priority Critical patent/JP2002292700A/ja
Publication of JP2002292700A publication Critical patent/JP2002292700A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業用ロボットを用いずにランナー・スプル
ー部を取り出すことができる射出成形方法、射出成形装
置、及び射出成形用金型を提供する。 【解決手段】 スリープレート形式の射出成形用金型を
用い、テーパー状開口40とテーパー状凸部30aによ
りテーパー状開口40の小径端部41を開放させ、圧縮
空気を被圧部62aに噴射させ、ランナー・スプルー成
形体60を外部へ押し出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂材料を加
熱・溶融して金型内に圧入・充填した後に冷却・固化を
待って取り出し成形品を得るための射出成形方法、射出
成形装置、及び射出成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図6(A)に示すように、成形品
のための第1型面S1Aを有する第1型82Aと、成形
品のための第2型面S2Aを有するとともに第1型82
Aに接して配置されて成形型空間86Aを構成する第2
型83Aを有する射出成形用金型81Aを用い、合成樹
脂材料、例えば、熱可塑性樹脂等を加熱して溶融状態と
し(以下、溶融状態の合成樹脂材料を「溶融樹脂」とい
う。)、この溶融樹脂90Aを注入口88Aから圧入し
て充填し、その後に成形型空間86A内の合成樹脂材料
が冷却されるのを待ち、固化状態となった後に、第1型
82Aと第2型83Aを開いて成形品を取り出す射出成
形方法が知られている。
【0003】図6(A)において、符号87Aで示す部
分は、注入口88Aから注入された溶融樹脂90Aが、
成形型空間86Aへ流入するまでに誘導されて通る流路
をなす空間(以下、「流路型空間」という。)であり、
樹幹状の部分は「スプルー」と呼ばれる。また、スプル
ーの流路型空間内に充填された溶融樹脂90Aが、その
後冷却され固化してできた成形体(以下、「流路部樹脂
成形体」という。)も「スプルー」と呼ばれる。
【0004】また、他の構成の射出成形用金型として、
図6(B)に示す構成のものも用いられている。この場
合は、合成樹脂材料、例えば、熱可塑性樹脂等を加熱し
溶融状態の溶融樹脂90Bとし、一方、射出成形用金型
81Bとしては、成形品のための第1型面S1Aを有す
る第1型82Aと、成形品のための第2型面S2Bを有
するとともに第1型82Aに接して配置されて成形型空
間86Bを構成する第2型83Bと、成形型空間86B
へ溶融樹脂90Bを誘導するための流路型空間87B1
及び87B2を有するとともに第2型83Bに接して配
置される第3型84Bを有するものを用いる。また、こ
の場合は、溶融樹脂90Bは、注入口88Bから圧入さ
れ、流路型空間87B1及び87B2によって誘導され
た後に成形型空間86B内に充填され、その後に成形型
空間86Bと流路型空間87B1及び87B2の内部の
合成樹脂材料が冷却されるのを待ち、固化状態となった
後に、第1型82Aと第2型83Bを開くとともに、第
3型84Bも開くことにより成形品が取り出される。
【0005】図6(B)において、流路型空間のうち、
樹幹状の部分である87B1は「スプルー」と呼ばれ
る。また、符号87B2で示される部分が樹枝状に構成
されている場合は「ランナー」と呼ばれる。また、スプ
ルーの流路型空間内に充填された溶融樹脂90Bが冷却
され固化してできた流路部樹脂成形体も「スプルー」と
呼ばれ、ランナーの流路型空間内に充填された溶融樹脂
90Bが冷却され固化してできた流路部樹脂成形体も
「ランナー」と呼ばれる。また、図6(B)の形式の射
出成形用金型81Bは、3つの板状の部材を少なくとも
有することから、「スリープレート形式」又は「スリー
プレートタイプ」と呼ばれる。あるいは、「ピンゲート
方式」と呼ばれる場合もある。以下、この形式の射出成
形用金型を「スリープレート形式」という。
【0006】また、上記したスリープレート形式の射出
成形用金型の応用例として、図7に示す構成のものも用
いられている。この場合の射出成形用金型81Cは、第
1型82Cと、第2型83Cと、第3型84Cのほか、
突出し部材85Cを有して構成されている。第1型82
Cは、成形品91C1のための一方の型面である第1型
面S1C1と、成形品91C2のための一方の型面であ
る第1型面S1C2を有している。また、第2型83C
は、成形品91C1のための他方の型面である第2型面
S2C1と、成形品91C2のための他方の型面である
第2型面S2C2を有している。また、第2型83C
は、第1型82Cに接して配置され、成形型空間86C
1と86C2を構成している。また、第3型84Cは、
成形型空間86C1及び86C2へ溶融樹脂90Cを誘
導するための流路型空間87C1及び87C2及び87
C3を有するとともに、第2型83Cに接して配置され
ている。また、突出し部材85Cは、第1型82Cと第
2型83Cの間に介在するように配置されている。
【0007】この場合には、合成樹脂材料、例えば、熱
可塑性樹脂等を加熱し溶融状態の溶融樹脂90Cとし、
この溶融樹脂90Cを、注入口88Cから圧入し、流路
型空間87C1及び87C2及び87C3を経て成形型
空間86C1及び86C2内に充填し、その後に成形型
空間86C1及び86C2と流路型空間87C1及び8
7C2及び87C3の内部の合成樹脂材料が冷却される
のを待ち、固化状態となった後に、図7(B)に示すよ
うに、第1型82Cと第2型83Cを開くとともに、第
3型84Cを開き(以下、「金型の開成」という。)、
かつ、突出し部材85Cを駆動することにより、成形品
91C1及び91C2が取り出される。
【0008】図7(B)において、流路型空間のうち、
樹幹状の部分である87C1は「スプルー」と呼ばれ
る。また、符号87C2、87C3で示される樹枝状の
部分は「ランナー」と呼ばれる。また、スプルーの流路
型空間内に充填された溶融樹脂90Bが冷却され固化し
てできた流路部樹脂成形体92C1も「スプルー」と呼
ばれ、ランナーの流路型空間内に充填された溶融樹脂9
0Cが冷却され固化してできた流路部樹脂成形体92C
2及び92C3も「ランナー」と呼ばれる。
【0009】上記したスリープレート形式の射出成形用
金型を用いる射出成形方法においては、図7(B)に示
すように、例えば、第2型83Cの位置はそのままと
し、第1型82Cを、第2型83Cから離れるように、
図における右から左へ向かう方向d1へ動かすととも
に、突出し部材85Cを、第1型82Cから離れるよう
に、図における左から右へ向かう方向d2へ動かし、第
3型84Cを、第2型83Cから離れるように、図にお
ける左から右へ向かう方向d3へ動かすことにより、成
形品91C1、91C2とランナー92C3を、それぞ
れゲートG1、G2の位置でちぎって分裂させ、成形品
91C1と91C2を下方に落下させて取り出すことが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のスリープレート形式の射出成形用金型を用いる射出成
形方法においては、金型の開成時に、ランナー92C2
の背部(図7(B)における右側の部分)は、第3型8
4Cの流路型空間87C2の内壁に密着したり、スプル
ー92C1の周囲の部分は、第3型84Cの流路型空間
87C1の内壁に密着することが多い。このため、従来
は、第3型84Cに貼り付いたランナー92C2等のた
めに産業用ロボットを1台配置し、これによってランナ
ー92C2等の取り出しを行っていた。
【0011】また、成形品として高品位のものを作製す
る場合には、外観上の傷や、部材の変形等を防止するた
め、金型の開成時に成形品を落下させず、成形品の取り
出し作業にも産業用ロボットを用いる場合がある。この
場合には、ランナー92C2等の取り出し用に産業用ロ
ボットを1台配置するとともに、高品位成形品の取り出
し用にも産業用ロボットを1台配置しなければならなか
った。産業用ロボットは、高価な機械であり、これによ
り、射出成形工程のコストが増大する、という問題があ
った。
【0012】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、産
業用ロボットを用いずにランナー・スプルー部を取り出
すことができる射出成形方法、射出成形装置、及び射出
成形用金型を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る射出成形方法は、合成樹脂材料を加熱
して溶融樹脂を形成し、成形品のための第1型面を有す
る第1型と、前記成形品のための第2型面を有するとと
もに前記第1型に接して配置されて成形型空間を構成す
る第2型と、前記成形型空間へ前記溶融樹脂を誘導する
ための流路型空間を有するとともに前記第2型に接して
配置される第3型を少なくとも備えるスリープレート形
式の射出成形用金型の前記各型空間内に前記溶融樹脂を
圧入して充填した後に冷却・固化を待って取り出し成形
品を得るための射出成形方法であって、前記流路型空間
内に充填された前記溶融樹脂が冷却・固化して形成され
た流路部樹脂成形体の背後付近となる箇所に空気噴射孔
が設けられるとともに、前記空気噴射孔まで圧縮空気を
供給する圧縮空気供給手段と、前記空気噴射孔を開放す
ることにより前記流路部樹脂成形体の背後の被圧部に前
記圧縮空気を噴射させ、又は前記空気噴射孔を閉塞させ
る開閉切換手段を用い、前記流路部樹脂成形体の取り出
しにあたっては、前記開閉切換手段により前記空気噴射
孔を開放させ、前記流路部樹脂成形体を前記流路型空間
内から外部へ押し出すことを特徴とする。
【0014】上記した射出成形方法において、好ましく
は、前記第2型と前記第3型とを相対的に引き離して前
記流路型空間を開く流路型空間開成工程と略同時に、前
記開閉切換手段により前記空気噴射孔を開放させる。
【0015】また、本発明に係る射出成形装置は、合成
樹脂材料を加熱して溶融樹脂を形成し、成形品のための
第1型面を有する第1型と、前記成形品のための第2型
面を有するとともに前記第1型に接して配置されて成形
型空間を構成する第2型と、前記成形型空間へ前記溶融
樹脂を誘導するための流路型空間を有するとともに前記
第2型に接して配置される第3型を少なくとも備えるス
リープレート形式の射出成形用金型の前記各型空間内に
前記溶融樹脂を圧入して充填した後に冷却・固化を待っ
て取り出し成形品を得るための射出成形装置であって、
前記流路型空間内に充填された前記溶融樹脂が冷却・固
化して形成された前記流路部樹脂成形体の背後付近とな
る箇所に空気噴射孔が設けられるとともに、前記空気噴
射孔まで圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、前記
空気噴射孔を開放することにより前記流路部樹脂成形体
の背後の被圧部に前記圧縮空気を噴射させ、又は前記空
気噴射孔を閉塞させる開閉切換手段を備え、前記流路部
樹脂成形体の取り出しにあたっては、前記開閉切換手段
により前記空気噴射孔を開放させ、前記流路部樹脂成形
体を前記流路型空間内から外部へ押し出すことを特徴と
する。
【0016】また、本発明に係る射出成形用金型は、合
成樹脂材料を加熱して溶融樹脂を形成し、型空間内に前
記溶融樹脂を圧入して充填した後に冷却・固化を待って
取り出し成形品を得るための射出成形用金型であって、
前記成形品のための第1型面を有する第1型と、前記成
形品のための第2型面を有するとともに前記第1型に接
して配置されて前記型空間の一部をなす成形型空間を構
成する第2型と、前記型空間の一部をなすとともに前記
成形型空間へ前記溶融樹脂を誘導するための流路型空間
を有しかつ前記第2型に接して配置される第3型を少な
くとも備えるスリープレート形式の射出成形用金型であ
り、前記流路型空間内に充填された前記溶融樹脂が冷却
・固化して形成された前記流路部樹脂成形体の背後付近
となる箇所に空気噴射孔が設けられるとともに、前記空
気噴射孔まで圧縮空気を供給する圧縮空気経路と、前記
空気噴射孔を開放することにより前記流路部樹脂成形体
の背後の被圧部に前記圧縮空気を噴射させ、又は前記空
気噴射孔を閉塞させる開閉切換手段を備え、前記流路部
樹脂成形体の取り出しにあたっては、前記開閉切換手段
により前記空気噴射孔を開放させ、前記流路部樹脂成形
体を前記流路型空間内から外部へ押し出すことを特徴と
する。
【0017】上記した射出成形用金型において、好まし
くは、前記第3型は、基盤部材と、前記流路型空間を構
成するための第3型面の一部を有するとともに前記基盤
部材に当接又は離斥可能に構成されかつ前記流路部樹脂
成形体を突き出し可能に構成された突出し部材を有し、
前記基盤部材には前記開閉切換手段の一方を構成する第
1嵌合部が設けられるとともに前記突出し部材には前記
開閉切換手段の他方を構成する第2嵌合部が設けられ、
前記基盤部材と前記突出し部材が相対的に引き離された
場合には、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部との間に形
成されるとともに前記空気噴射孔に連通する空気噴出空
間が前記被圧部の背後に形成される。
【0018】また、上記した射出成形用金型において、
好ましくは、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部は、前記
基盤部材から前記被圧部に接近するにつれて部材寸法が
縮小又は拡大するテーパー状に形成される。
【0019】また、上記した射出成形用金型において、
好ましくは、前記圧縮空気経路の開孔は、前記テーパー
状の部分に配置される。
【0020】また、上記した射出成形用金型において、
好ましくは、前記空気噴射孔付近の前記圧縮空気経路の
方向は、前記基盤部材から前記被圧部に向かう方向に略
平行となるように構成される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である射出成形用金型の
構成及び作用を示す第1の断面図である。また、図2
は、図1に示す射出成形用金型に接続する圧縮空気生成
部の構成を示す図である。また、図3は、図1に示す射
出成形用金型の構成及び作用を示す第2の断面図であ
る。また、図4は、図3に射出成形用金型のさらに詳細
な構成及び作用を示す拡大断面図である。
【0023】図1、3、4に示すように、この射出成形
用金型1Aは、スリープレート形式の射出成形用金型で
あり、上記した射出成形用金型81B又は81Cの場合
と同様な第1型(図示せず)及び第2型(図示せず)に
加え、第3型として、本体部材2Aと、中核部材3A
と、突出し部材4Aを備えている。
【0024】また、図1、3、4に示すように、本体部
材2Aは、板状又は塊状の部材であり、中央部付近に貫
通した孔である係合開口20が形成されている。係合開
口20は、図1、4に示すように、円柱状の空間である
小径円柱部20aと、内径が小径円柱部20aの径より
も大きな円柱状の空間で小径円柱部20aと連通する空
間である大径円柱部20bを有している。
【0025】また、本体部材2Aは、側部(図1、3に
おける上部)と、係合開口20の小径円柱部20aを連
通する管状の貫通孔である第1空気経路21を有してい
る。第1空気経路21は、図1、3、4における上下方
向に延設されている。また、図1に示すように、第1空
気経路21の外部と連通する端部は、接続端部21aと
なっており、後述する圧縮空気生成部5の接続バルブ5
6と接続するようになっている。また、図1、4に示す
ように、第1空気経路21の小径円柱部20aと連通す
る端部は、連絡端部21bとなっており、後述する中核
部材3Aの第2空気経路32と接続するようになってい
る。
【0026】また、図1、3に示すように、中核部材3
Aは、円錐台形状の部分であるテーパー状凸部30a
と、テーパー状凸部30aに接続する円柱状の部分であ
る円柱部30bと、円柱部30bに接続する円盤状の部
分である鍔部30cを有している。
【0027】中核部材3Aのテーパー状凸部30aは、
円錐台形状の部分である。テーパー状凸部30aは、外
径の小さな小径端部と、外径が小径端部の径よりも大き
な大径端部を有している。したがって、テーパー状凸部
30aの外側面は、図4の右から左へ向かうにつれて外
径寸法が縮小するテーパー状の円錐台形の側面と同様の
凸曲面となっている。
【0028】また、中核部材3Aの円柱部30bは、円
柱状の部分であり、その外径は、本体部材2Aの係合開
口20の小径部20aの内径よりもわずかに小さな値に
設定されている。また、円柱部30bの一端は、テーパ
ー状凸部30aの大径端部に接続している。また、中核
部材3Aの鍔部30cは、円柱部30bの外径よりも大
きな外径を有しており、円柱部30bの他端と接続して
いる。また、鍔部30cの外径は、本体部材2Aの係合
開口20の大径部20bの内径よりもわずかに小さな値
に設定されている。
【0029】また、中核部材3Aの円柱部30bの側部
には、円周を一巡する環状の溝である第2空気経路32
が形成されている。第2空気経路32の溝幅又は溝深さ
は、第1空気経路21の内径よりも小さい値に設定され
ている。
【0030】また、中核部材3Aには、テーパー状凸部
30aの側部の箇所と、第2空気経路32を連通する管
状の貫通孔である第3空気経路33が1個又は複数個、
設けられている。第3空気経路33は、図1、3、4に
おける左右方向(円柱部30bの回転対称中心線の延び
る方向に平行な方向)に延設されている。また、第3空
気経路33の端部の開口のうち、第2空気経路32に連
通する端部とは反対側の端部の開口は、開孔33aとな
っている。
【0031】また、中核部材3Aには、その回転対称中
心線に沿って中核部材3Aを貫通する孔である流路型空
間34が設けられている。流路型空間34は、図1、3
における右端の開口径が小さく、図1、3における左端
の開口径が大きなテーパー状の空間となっている。ま
た、流路型空間34の図における右端34aは、溶融樹
脂(図示せず)を圧入するための注入口となっている。
【0032】また、図1、3、4に示すように、突出し
部材4Aは、板状又は塊状の部材であり、中央部付近に
テーパー状開口40が形成されている。テーパー状開口
40は、円錐台形状の貫通した開口である。テーパー状
開口40は、図4に示すように、開口径の小さな小径端
部41と、開口径が小径端部41の径よりも大きな大径
端部42を有している。したがって、テーパー状開口4
0の内側面は、図4の右から左へ向かうにつれて内径寸
法が縮小するテーパー状の円錐台形の側面と同様の凹曲
面となっている。また、テーパー状開口40は、中核部
材3Aのテーパー状凸部30aと相似な形状となってお
り、テーパー状開口40の内径寸法は、中核部材3Aの
テーパー状凸部30aの外径寸法よりもわずかに大きな
値に設定されている。
【0033】また、突出し部材4Aの図における左側の
面には、ランナー・スプルー成形体60のランナー部6
2の図における右側の型面の一部をなすランナー背部型
面46が形成されている。また、中核部材3Aのテーパ
ー状凸部30aの先端面は、ランナー・スプルー成形体
60のランナー部62の図における右側の型面の他の一
部を構成している。
【0034】上記のような構成により、本体部材2Aの
係合開口20の小径部20aには、中核部3Aの円柱部
30bを嵌合させることができる。また、本体部材2A
の係合開口20の大径部20bには、中核部3Aの鍔部
30cを嵌合させることができる。この状態で、本体部
材2Aと中核部材3Aを固定し一体化させる。両者の固
定には、例えば、鍔部30cの図における右側からボル
トやネジ等(図示せず)により締め付ける方法、溶接、
溶着、接着等が採用可能である。
【0035】上記した状態では、本体部材2Aの中央付
近から、中核部材3Aのテーパー状凸部30aが突出し
た状態となっている。この状態で、突出し部材4Aのテ
ーパー状開口40の大径端部42が、中核部材2Aのテ
ーパー状凸部30aの先端と対向するように配置し、中
核部材2Aのテーパー状凸部30aをテーパー状開口4
0の内部へ挿入することにより、図1に示す状態とする
ことができる。
【0036】この場合、本体部材2Aと突出し部材4
A、及び中核部材3Aと突出し部材4Aについては、固
定・一体化は行われず、突出し部材4Aは、本体部材2
Aに対して、図1の右から左へ向かう方向に移動可能な
ように構成されている。また、突出し部材4Aには、駆
動部材(図示せず)が取り付けられており、電動モータ
等の公知の駆動源(図示せず)の駆動力を利用し公知の
制御方法により、突出し部材4Aを図1の状態(本体部
材2Aに当接された状態)に維持し、又は図1の右から
左へ向かう方向に突き出すように移動させて突出し部材
4Aを本体部材2Aから離斥させ、あるいは図3の状態
に維持することができるように構成されている。
【0037】また、図2に示すように、上記の射出成形
用金型1Aには、圧縮空気生成部5が接続する。圧縮空
気生成部5は、空気圧縮機50と、空気タンク51と、
制御弁52と、空気パイプ53、54、55と、接続バ
ルブ56を有して構成されている。
【0038】空気圧縮機50は、電動モータ等の駆動源
(図示せず)の駆動力を利用し、シリンダ(図示せず)
でピストン(図示せず)を往復させ、又は空気を収容し
た収容室(図示せず)の内部で回転部材(図示せず)を
回転させることにより、シリンダ又は収容室の内部の空
気を圧縮し、空気パイプ53へ送出する。
【0039】空気圧縮機50で生成された圧縮空気は、
空気パイプ53により空気タンク51に送られ、空気タ
ンク51内に収容される。空気タンク51には、他の空
気パイプ54が接続している。また、空気パイプ54の
他端は、制御弁52を介して空気パイプ55に接続して
いる。また、空気パイプ55の他端には、接続バルブ5
6が取り付けられており、この接続バルブ56により、
空気パイプ55は、上記した射出成型用金型1Aの本体
部材2Aの第1空気経路21の接続端部21aに接続し
ている。なお、図示はしていないが、接続バルブ56と
接続端部21aの接続は、例えば、接続バルブ56の外
壁に雄ネジを形成するとともに、接続端部21aの内壁
に雌ネジを形成し、相互の螺合による方法等が採用可能
である。
【0040】制御弁52は、電気信号等によって公知の
方法により開閉制御され、制御弁52が開状態となった
場合には空気パイプ54と空気パイプ55が互いに連通
し、制御弁52が閉状態となった場合には空気パイプ5
4と空気パイプ55の間は塞がれるように構成されてい
る。
【0041】次に、上記した第1実施形態の射出成型用
金型1Aと、図2に示す圧縮空気生成部5を用いてラン
ナー・スプルー成形体60を取り出す方法について説明
する。
【0042】図1は、図7(B)に示す従来例における
金型の開成工程の直後の状態を示している。この場合、
第3型に相当する射出成形用金型1Aの左側に隣接する
第2型(図示せず)は、図1の左方へ移動し、突出し部
材4Aからは離れているものとする。これにより、合成
樹脂材料が冷却・固化して形成されたランナー・スプル
ー成形体60のランナー部61及び62が外部に露出し
ている。
【0043】しかし、ランナー部62の図における右側
の面であるランナー背部は、ランナー背部型面46に貼
り付いている。また、ランナー部62の背部の62aの
部分(以下、「被圧部」という。)は、中核部材3Aの
テーパー状凸部30aの先端面に貼り付いている。ま
た、中核部材3Aの中央の流路型空間34の内壁面に
は、ランナー・スプルー成形体60のスプルー部63の
外壁面が密着した状態となっている。なお、図1に示す
状態では、図2の空気圧縮機50が始動され、空気タン
ク51内には十分な量の圧縮空気が貯留されている。
【0044】次に、図2に示す制御弁52を開状態とす
ると、空気タンク51内の圧縮空気は、空気パイプ54
から制御弁52と空気パイプ55を経て送られ、接続バ
ルブ56から、射出成型用金型1Aの本体部材2Aの第
1空気経路21の内部へ流入する。
【0045】第1空気経路21内へ流入した圧縮空気
は、図1における上から下へ向かう方向に移動する。次
に、圧縮空気は、第1空気経路21の下端である連絡端
部21bから第2空気経路32に入る。その後、圧縮空
気は、第3空気経路33に流入し、第3空気経路33の
中を、図1における右から左へ向かう方向へ移動する。
【0046】しかし、図1に示す状態では、第3空気経
路33の端部である開孔33aの前方は、テーパー状開
口40の内壁によって閉塞されている。このため、圧縮
空気は、テーパー状開口40の内壁によって移動を阻止
されている。
【0047】次に、突出し部材4Aに取り付けられてい
る駆動部材(図示せず)を、電動モータ等の公知の駆動
源(図示せず)の駆動力を利用し公知の制御方法によ
り、図1の右から左へ向かう方向に移動させる。これに
より、本体部材2A及び中核部材3Aと、突出し部材4
Aは、引き離された状態となり、図3、4に示す状態と
なる。
【0048】すなわち、突出し部材4Aが図1の右から
左へ向かう方向に移動することにより、突出し部材4A
のテーパー状開口40の内壁と、中核部材3Aのテーパ
ー状凸部30aとの間には、開孔33aに連通する間隙
V1と、間隙V1に連通するとともに外部に連通する凹
陥空間V3が形成される。間隙V1の厚みは、第3空気
経路33の内径と同じか、それよりも小さい値となって
いる。また、凹陥空間V3の外部への開放端となってい
るテーパー状開口40の小径端部41は、ランナー・ス
プルー成形体60の被圧部62aの背後付近の位置とな
っている。
【0049】これにより、開孔33aの前方は開放さ
れ、第3空気経路33内の圧縮空気は、開孔33aか
ら、間隙V1へ噴出し、凹陥空間V3を経て、突出し部
材4Aのテーパー状開口40の小径端部41から、ラン
ナー・スプルー成形体60のランナー部62の背後の被
圧部62aに向けて噴射される。
【0050】上述したように、第2空気経路32の内径
は、第1空気経路21の内径よりも小さいから、圧縮空
気は、第2空気経路32に流入する際に、さらに圧力が
高まる。また、間隙V1の厚みは、第3空気経路33の
内径以下であるから、この箇所においても、圧縮空気の
圧力は増大するようになっている。したがって、圧縮空
気が被圧部62aに吹き付ける際には、ランナー・スプ
ルー成形体60のランナー部62の被圧部62aは、か
なり高い圧力で押圧されることになる。
【0051】この作用により、ランナー・スプルー成形
体60は、図3、4において符号D1で示す方向に押し
出される。これにより、ランナー・スプルー成形体60
の取り出しが行われる。
【0052】上記した第1実施形態において、ランナー
・スプルー成形体60は、特許請求の範囲における流路
部樹脂成形体に相当している。また、本体部材2Aと、
中核部材3Aは、特許請求の範囲における基盤部材を構
成している。また、圧縮空気生成部5と、第1空気経路
21と、第2空気経路32と、第3空気経路33は、特
許請求の範囲における圧縮空気供給手段を構成してい
る。また、第1空気経路21と、第2空気経路32と、
第3空気経路33は、特許請求の範囲における圧縮空気
経路を構成している。
【0053】また、中核部材3Aのテーパー状凸部30
aと、突出し部材4Aのテーパー状開口40は、特許請
求の範囲における開閉切換手段を構成している。また、
中核部材3Aのテーパー状凸部30aは、特許請求の範
囲における第1嵌合部に相当している。また、突出し部
材4Aのテーパー状開口40は、特許請求の範囲におけ
る第2嵌合部に相当している。また、間隙V1と、凹陥
空間V3は、特許請求の範囲における空気噴出空間を構
成している。また、凹陥空間V3の開口端となっている
テーパー状開口40の小径端部41は、特許請求の範囲
における空気噴射孔に相当している。
【0054】上記したように、第1実施形態の射出成形
用金型1Aと、圧縮空気生成部5を用いれば、圧縮空気
の圧力を利用してランナー・スプルー部を取り出すこと
ができる。このため、成形品として低品位のものを作製
する場合には、成形品を落下により取り出すとともに、
ランナー・スプルー部も落下により取り出すことができ
る。したがって、従来、ランナー・スプルー部の取り出
し用に1台配置されていた産業用ロボットがまったく不
要となり、射出成形品の製造コストを低減させることが
できる、という利点がある。
【0055】また、成形品として高品位のものを作製す
る場合には、成形品を取り出すために産業用ロボットは
必要であるが、ランナー・スプルー部の取り出し用に1
台配置されていた産業用ロボットが上記のように不要に
なるので、これを成形品取り出し用に転用することがで
きる。したがって、従来、2台必要であった産業用ロボ
ットは1台で済み、この場合も、射出成形品の製造コス
トを低減させることができる、という利点を有してい
る。
【0056】(2)第2実施形態 本発明は、上記以外の他の構成によっても実現可能であ
る。以下、他の実施形態について説明する。図5は、本
発明の第2実施形態である射出成形用金型の構成及び作
用を示す拡大断面図である。
【0057】図5に示すように、この射出成形用金型1
Bは、スリープレート形式の射出成形用金型であり、上
記した射出成形用金型81B又は81Cの場合と同様な
第1型(図示せず)及び第2型(図示せず)に加え、第
3型として、本体部材2Bと、中核部材3Bと、突出し
部材4Bを備えている。
【0058】また、図5に示すように、本体部材2B
は、板状又は塊状の部材であり、中央部付近に貫通した
孔である係合開口20が形成されている。係合開口20
の構成及び作用は、上記した第1実施形態の場合と同様
である。第2実施形態の本体部材2Bが、第1実施形態
の本体部材2Aと異なるのは、第1空気経路21が設け
られていない点であり、他の要素の構成と作用について
は、第1実施形態の本体部材2Aの場合と同様である。
【0059】また、図5に示すように、中核部材3B
は、円錐台形状の部分であるテーパー状凸部31aと、
テーパー状凸部31aに接続する円柱状の部分である円
柱部31bと、円柱部31bに接続する円盤状の部分で
ある鍔部31cを有している。また、中核部材3Bに
は、その回転対称中心線に沿って中核部材3Bを貫通す
る孔であるテーパー状の流路型空間35が設けられてお
り、流路型空間35の図5における右端35aは、溶融
樹脂(図示せず)を圧入するための注入口となってい
る。
【0060】第2実施形態の中核部材3Bが、第1実施
形態の中核部材3Aと異なるのは、第2空気経路32
と、第3空気経路33が設けられていない点であり、他
の要素の構成と作用については、第1実施形態の中核部
材3Aの場合と同様である。
【0061】また、図5に示すように、突出し部材4B
は、板状又は塊状の部材であり、中央部付近にテーパー
状開口40が形成されている。第2実施形態の突出し部
材4Bが、第1実施形態の突出し部材4Aと異なるの
は、第4空気経路44と、第5空気経路45が設けられ
ている点であり、他の要素の構成と作用については、第
1実施形態の中核部材4Aの場合と同様である。
【0062】以下、第4空気経路44と、第5空気経路
45の構成と作用について、さらに詳細に説明する。
【0063】第4空気経路44は、突出し部材4Bの側
部(図5における上部。図示せず。)から、図5におけ
る下方に向けて延設された管状の凹部である。また、図
示はしていないが、第4空気経路44の外部と連通する
端部は、第1実施形態における接続端部21aと同様
に、圧縮空気生成部5の接続バルブ56と接続するよう
になっている。
【0064】また、図5に示すように、第4空気経路4
4の図5における下端からは、テーパー状開口40へ向
けて、斜め方向(テーパー状開口40の小径端部41に
向けて傾斜した方向)に、貫通した第5空気経路45が
開設されている。第5空気経路45の内径は、第4空気
経路44の内径よりも小さい値に設定されている。ま
た、第5空気経路45の端部の開口のうち、第4空気経
路45に連通する端部とは反対側となるとともにテーパ
ー状開口40と連通する端部の開口は、開孔45aとな
っている。
【0065】次に、上記した第2実施形態の射出成型用
金型1Bと、図2に示す圧縮空気生成部5を用いてラン
ナー・スプルー成形体60を取り出す方法について説明
する。
【0066】第2実施形態の場合も、最初は、ランナー
部62の図における右側の面であるランナー背部は、ラ
ンナー背部型面47に貼り付いている。また、ランナー
部62の背部の被圧部62aは、中核部材3Bのテーパ
ー状凸部31aの先端面に貼り付いている。また、中核
部材3Bの中央の流路型空間35の内壁面には、ランナ
ー・スプルー成形体60のスプルー部63の外壁面が密
着した状態となっている。なお、この状態では、図2の
空気圧縮機50が始動され、空気タンク51内には十分
な量の圧縮空気が貯留されている。
【0067】次に、図2に示す制御弁52を開状態とす
ると、空気タンク51内の圧縮空気は、空気パイプ54
から制御弁52と空気パイプ55を経て送られ、接続バ
ルブ56から、射出成型用金型1Bの突出し部材4Bの
第4空気経路44の内部へ流入する。
【0068】第4空気経路44内へ流入した圧縮空気
は、図5における上から下へ向かう方向に移動する。次
に、圧縮空気は、第4空気経路44の下端から第5空気
経路45に入る。
【0069】しかし、図5に示す状態となる前の段階で
は、第5空気経路45の端部である開孔45aの前方
は、テーパー状開口40の内壁によって閉塞されてい
る。このため、圧縮空気は、テーパー状開口40の内壁
によって移動を阻止されている。
【0070】次に、突出し部材4Bに取り付けられてい
る駆動部材(図示せず)を、電動モータ等の公知の駆動
源(図示せず)の駆動力を利用し公知の制御方法によ
り、図5の右から左へ向かう方向に移動させる。これに
より、本体部材2B及び中核部材3Bと、突出し部材4
Bは、引き離された状態となり、図5に示す状態とな
る。
【0071】すなわち、突出し部材4Bが図5の右から
左へ向かう方向に移動することにより、突出し部材4B
のテーパー状開口40の内壁と、中核部材3Bのテーパ
ー状凸部31aとの間には、開孔45aに連通する間隙
V2と、間隙V2に連通するとともに外部に連通する凹
陥空間V4が形成される。間隙V2の厚みは、第5空気
経路45の内径と同じか、それよりも小さい値となって
いる。また、凹陥空間V4の外部への開放端となってい
るテーパー状開口40の小径端部41は、ランナー・ス
プルー成形体60の被圧部62aの背後付近の位置とな
っている。
【0072】これにより、開孔45aの前方は開放さ
れ、第5空気経路45内の圧縮空気は、開孔45aか
ら、間隙V2へ噴出し、凹陥空間V4を経て、突出し部
材4Bのテーパー状開口40の小径端部41から、ラン
ナー・スプルー成形体60のランナー部62の背後の被
圧部62aに向けて噴射される。
【0073】上述したように、第5空気経路45の内径
は、第4空気経路44の内径よりも小さいから、圧縮空
気は、第5空気経路45に流入する際に、さらに圧力が
高まる。したがって、圧縮空気が被圧部62aに吹き付
ける際には、ランナー・スプルー成形体60のランナー
部62の被圧部62aは、かなり高い圧力で押圧される
ことになる。
【0074】この作用により、ランナー・スプルー成形
体60は、図5において符号D2で示す方向に押し出さ
れる。これにより、ランナー・スプルー成形体60の取
り出しが行われる。
【0075】上記した第2実施形態において、ランナー
・スプルー成形体60は、特許請求の範囲における流路
部樹脂成形体に相当している。また、本体部材2Bと、
中核部材3Bは、特許請求の範囲における基盤部材を構
成している。また、圧縮空気生成部5と、第4空気経路
44と、第5空気経路45は、特許請求の範囲における
圧縮空気供給手段を構成している。また、第4空気経路
44と、第5空気経路45は、特許請求の範囲における
圧縮空気経路を構成している。
【0076】また、中核部材3Bのテーパー状凸部31
aと、突出し部材4Bのテーパー状開口40は、特許請
求の範囲における開閉切換手段を構成している。また、
中核部材3Bのテーパー状凸部31aは、特許請求の範
囲における第1嵌合部に相当している。また、突出し部
材4Bのテーパー状開口40は、特許請求の範囲におけ
る第2嵌合部に相当している。また、間隙V2と、凹陥
空間V4は、特許請求の範囲における空気噴出空間を構
成している。また、凹陥空間V4の開口端となっている
テーパー状開口40の小径端部41は、特許請求の範囲
における空気噴射孔に相当している。
【0077】すなわち、第2実施形態では、圧縮空気経
路の空気噴射孔(41)は、第1嵌合部(31a)と第
2嵌合部(40)のテーパー状の部分に配置されるが、
第1実施形態の場合には基盤部材(3A)の側に開孔
(33a)が設けられていたのに対し、これとは逆に、
突出し部材(4B)の側に開孔(45a)が設けられる
点が異なっている。
【0078】上記したように、第2実施形態の射出成形
用金型1Bと、圧縮空気生成部5を用いても、圧縮空気
の圧力を利用してランナー・スプルー部を取り出すこと
ができ、第1実施形態の場合と同様の利点を有してい
る。
【0079】なお、本発明は、上記した各実施形態に限
定されるものではない。上記各実施形態は、例示であ
り、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と
実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するも
のは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包
含される。
【0080】例えば、上記各実施形態においては、射出
成形用型として、成形品のための第1型面を有する第1
型と、成形品のための第2型面を有するとともに第1型
に接して配置されて成形型空間を構成する第2型と、成
形型空間へ溶融樹脂を誘導するための流路型空間を有す
るとともに第2型に接して配置される第3型を備えるス
リープレート形式のものを例に挙げて説明したが、本発
明はこれには限定されず、他の構成、例えば、第1型と
第2型と第3型に加え、射出成形用金型81Cにおける
突出し部材85Cと同様な部材を備えていてもよく、一
般に、少なくとも第1型と第2型と第3型からなるスリ
ープレート形式の射出成形用型であればどのようなもの
であってもよいのである。
【0081】また、上記各実施形態においては、基盤部
材として、本体部材(例えば2A)と中核部材(例えば
3A)からなる部材を例に挙げて説明したが、本発明は
これには限定されず、他の構成、例えば、基盤部材は一
体形成で作製されてもよい。
【0082】また、上記各実施形態においては、基盤部
材(例えばテーパー状凸部30a)と突出し部材(例え
ばテーパー状開口40)との嵌合面が円錐台形の側面で
ある例について説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の構成、例えば、これらの嵌合面は、多角形錐台
(三角錐台、四角錐台、N角錐台(N:5以上の自然
数))の側面であってもよい。
【0083】また、上記各実施形態においては、基盤部
材(例えば2A及び3A)を移動させずに突出し部材
(例えば4A)を移動させる例について説明したが、本
発明はこれには限定されず、他の構成、例えば、突出し
部材を移動させずに基盤部材を移動させるように構成し
てもよい。あるいは、突出し部材と基盤部材の両方を離
れるように移動させるように構成してもよい。要は、基
盤部材と突出し部材が相対的に引き離されるように移動
するような構成であれば、どのような構成であってもよ
いのである。
【0084】また、上記各実施形態においては、第2型
と第3型を相対的に引き離して流路型空間を開く流路型
空間開成工程の後に、開閉切換手段により空気噴射孔を
開放させる例について説明したが、本発明はこれには限
定されず、他の構成、例えば、流路型空間開成工程と略
同時に、開閉切換手段により空気噴射孔を開放させるよ
うにしてもよい。
【0085】また、上記各実施形態においては、第1嵌
合部(例えば30a)と第2嵌合部(例えば40)は、
基盤部材(例えば3A)から被圧部(例えば62a)に
接近するにつれて部材寸法が縮小するテーパー状に形成
された例について説明したが、本発明はこれには限定さ
れず、他の構成、例えば、上記とは逆に、第1嵌合部と
第2嵌合部が、基盤部材から被圧部に接近するにつれて
部材寸法が拡大するようなテーパー状に形成されるよう
にしてもよい。このように構成しても、開成空間(例え
ばV1とV3)を形成することができる。
【0086】また、上記した第2実施形態においては、
第4空気経路44と第5空気経路45と開孔45aを1
組設ける例について説明したが、本発明はこれには限定
されず、他の構成、例えば、第4空気経路44と第5空
気経路45と開孔45aの組を複数個設けるようにして
もよい。また、第4空気経路44と第5空気経路45と
開孔45aの組を1個設け、第2空気経路32のような
環状の溝を、開孔45aに対向するテーパー状凸部31
aの部分に設けてもよい。
【0087】また、上記した第1実施形態においては、
本体部材2Aに第1空気経路21を設け、中核部材3A
に設けた第2空気経路32と第1空気経路21を連通さ
せ、さらに第2空気経路32と第3空気経路33を連通
させるように構成した例について説明したが、本発明は
これには限定されず、他の構成、例えば、第3空気経路
33を、開孔33aとは逆方向(図1における左から右
に向かう方向)に延長して外部と連通させ、この新たな
空気経路に圧縮空気生成部5を接続するように構成して
もよい。
【0088】また、上記各実施形態においては、開閉切
換手段として、開孔33a又は45aの前方をテーパー
状開口40の内壁面の移動によって機械式に開閉する構
成を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の構成、例えば、被圧部62aの背後に設けた開
孔(図示せず)へ圧縮空気を誘導する空気経路(図示せ
ず)の途中に開閉切換弁を設け、この開閉切換弁をCP
U(図示せず)等を有するコンピュータ等によって電子
的に開閉制御するように構成してもよい。
【0089】また、上記各実施形態の各構成要素は、個
々、別々に適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スリープレート形式の射出成形用金型を用い、開閉切換
手段により空気噴射孔を開放させ、圧縮空気供給手段か
ら供給される圧縮空気を空気噴射孔から噴射させて流路
部樹脂成形体を流路型空間内から外部へ押し出すように
構成したので、成形品として低品位のものを作製する場
合には、成形品を落下により取り出すとともに、ランナ
ー・スプルー部も落下により取り出すことができる。し
たがって、従来、ランナー・スプルー部の取り出し用に
1台配置されていた産業用ロボットがまったく不要とな
り、射出成形品の製造コストを低減させることができ
る、という利点を有している。
【0091】また、成形品として高品位のものを作製す
る場合には、成形品を取り出すために産業用ロボットは
必要であるが、ランナー・スプルー部の取り出し用に1
台配置されていた産業用ロボットが不要になるので、こ
れを成形品取り出し用に転用することができる。したが
って、従来、2台必要であった産業用ロボットは1台で
済み、この場合も、射出成形品の製造コストを低減させ
ることができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である射出成形用金型の
構成及び作用を示す第1の断面図である。
【図2】図1に示す射出成形用金型に接続する圧縮空気
生成部の構成を示す図である。
【図3】図1に示す射出成形用金型の構成及び作用を示
す第2の断面図である。
【図4】図3に射出成形用金型のさらに詳細な構成及び
作用を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態である射出成形用金型の
構成及び作用を示す拡大断面図である。
【図6】従来の射出成形用金型の構成を示す第1の図で
ある。
【図7】従来の射出成形用金型の構成を示す第2の図で
ある。
【符号の説明】
1A、1B 射出成形用金型 2A、2B 本体部材 3A、3B 中核部材 4A、4B 突出し部材 5 圧縮空気生成部 20 係合開口 20a 小径円柱部 20b 大径円柱部 21 第1空気経路 21a 接続端部 21b 連絡端部 30a テーパー状凸部 30b 円柱部 30c 鍔部 31a テーパー状凸部 31b 円柱部 31c 鍔部 32 第2空気経路 33 第3空気経路 33a 開孔 34 流路型空間 34a 注入口 35 流路型空間 35a 注入口 40 テーパー状開口 41 小径端部 42 大径端部 44 第4空気経路 45 第5空気経路 45a 開孔 46、47 ランナー背部型面 50 空気圧縮機 51 空気タンク 52 制御弁 53〜55 空気パイプ 56 接続バルブ 60 ランナー・スプルー成形体 61、62 ランナー部 62a 被圧部 63 スプルー部 81A〜81C 射出成形用金型 82A、82C 第1型 83A〜83C 第2型 84B、84C 第3型 85C 突出し部材 86A〜86C2 成形型空間 87A〜87C3 流路型空間 88A〜88C 注入口 90A〜90C 溶融樹脂 91C1、91C2 成形品 92C1 スプルー 92C2、92C3 ランナー S1A、S1C1、S1C2 第1型面 S2A、S2C1、S2C2 第2型面 G1、G2 ゲート V1、V2 間隙 V3、V4 凹陥空間

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂材料を加熱して溶融樹脂を形成
    し、成形品のための第1型面を有する第1型と、前記成
    形品のための第2型面を有するとともに前記第1型に接
    して配置されて成形型空間を構成する第2型と、前記成
    形型空間へ前記溶融樹脂を誘導するための流路型空間を
    有するとともに前記第2型に接して配置される第3型を
    少なくとも備えるスリープレート形式の射出成形用金型
    の前記各型空間内に前記溶融樹脂を圧入して充填した後
    に冷却・固化を待って取り出し成形品を得るための射出
    成形方法であって、 前記流路型空間内に充填された前記溶融樹脂が冷却・固
    化して形成された流路部樹脂成形体の背後付近となる箇
    所に空気噴射孔が設けられるとともに、前記空気噴射孔
    まで圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、 前記空気噴射孔を開放することにより前記流路部樹脂成
    形体の背後の被圧部に前記圧縮空気を噴射させ、又は前
    記空気噴射孔を閉塞させる開閉切換手段を用い、 前記流路部樹脂成形体の取り出しにあたっては、前記開
    閉切換手段により前記空気噴射孔を開放させ、前記流路
    部樹脂成形体を前記流路型空間内から外部へ押し出すこ
    とを特徴とする射出成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出成形方法において、 前記第2型と前記第3型とを相対的に引き離して前記流
    路型空間を開く流路型空間開成工程と略同時に、前記開
    閉切換手段により前記空気噴射孔を開放させることを特
    徴とする射出成形方法。
  3. 【請求項3】 合成樹脂材料を加熱して溶融樹脂を形成
    し、成形品のための第1型面を有する第1型と、前記成
    形品のための第2型面を有するとともに前記第1型に接
    して配置されて成形型空間を構成する第2型と、前記成
    形型空間へ前記溶融樹脂を誘導するための流路型空間を
    有するとともに前記第2型に接して配置される第3型を
    少なくとも備えるスリープレート形式の射出成形用金型
    の前記各型空間内に前記溶融樹脂を圧入して充填した後
    に冷却・固化を待って取り出し成形品を得るための射出
    成形装置であって、 前記流路型空間内に充填された前記溶融樹脂が冷却・固
    化して形成された前記流路部樹脂成形体の背後付近とな
    る箇所に空気噴射孔が設けられるとともに、前記空気噴
    射孔まで圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、 前記空気噴射孔を開放することにより前記流路部樹脂成
    形体の背後の被圧部に前記圧縮空気を噴射させ、又は前
    記空気噴射孔を閉塞させる開閉切換手段を備え、 前記流路部樹脂成形体の取り出しにあたっては、前記開
    閉切換手段により前記空気噴射孔を開放させ、前記流路
    部樹脂成形体を前記流路型空間内から外部へ押し出すこ
    とを特徴とする射出成形装置。
  4. 【請求項4】 合成樹脂材料を加熱して溶融樹脂を形成
    し、型空間内に前記溶融樹脂を圧入して充填した後に冷
    却・固化を待って取り出し成形品を得るための射出成形
    用金型であって、 前記成形品のための第1型面を有する第1型と、前記成
    形品のための第2型面を有するとともに前記第1型に接
    して配置されて前記型空間の一部をなす成形型空間を構
    成する第2型と、前記型空間の一部をなすとともに前記
    成形型空間へ前記溶融樹脂を誘導するための流路型空間
    を有しかつ前記第2型に接して配置される第3型を少な
    くとも備えるスリープレート形式の射出成形用金型であ
    り、 前記流路型空間内に充填された前記溶融樹脂が冷却・固
    化して形成された前記流路部樹脂成形体の背後付近とな
    る箇所に空気噴射孔が設けられるとともに、前記空気噴
    射孔まで圧縮空気を供給する圧縮空気経路と、 前記空気噴射孔を開放することにより前記流路部樹脂成
    形体の背後の被圧部に前記圧縮空気を噴射させ、又は前
    記空気噴射孔を閉塞させる開閉切換手段を備え、 前記流路部樹脂成形体の取り出しにあたっては、前記開
    閉切換手段により前記空気噴射孔を開放させ、前記流路
    部樹脂成形体を前記流路型空間内から外部へ押し出すこ
    とを特徴とする射出成形用金型。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の射出成形用金型におい
    て、 前記第3型は、基盤部材と、前記流路型空間を構成する
    ための第3型面の一部を有するとともに前記基盤部材に
    当接又は離斥可能に構成されかつ前記流路部樹脂成形体
    を突き出し可能に構成された突出し部材を有し、前記基
    盤部材には前記開閉切換手段の一方を構成する第1嵌合
    部が設けられるとともに前記突出し部材には前記開閉切
    換手段の他方を構成する第2嵌合部が設けられ、前記基
    盤部材と前記突出し部材が相対的に引き離された場合に
    は、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部との間に形成され
    るとともに前記空気噴射孔に連通する空気噴出空間が前
    記被圧部の背後に形成されることを特徴とする射出成形
    用金型。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の射出成形用金型におい
    て、 前記第1嵌合部と前記第2嵌合部は、前記基盤部材から
    前記被圧部に接近するにつれて部材寸法が縮小又は拡大
    するテーパー状に形成されることを特徴とする射出成形
    用金型。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の射出成形用金型におい
    て、 前記圧縮空気経路の開孔は、前記テーパー状の部分に配
    置されることを特徴とする射出成形用金型。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の射出成形用金型におい
    て、 前記空気噴射孔付近の前記圧縮空気経路の方向は、前記
    基盤部材から前記被圧部に向かう方向に略平行となるよ
    うに構成されることを特徴とする射出成形用金型。
JP2001098927A 2001-03-30 2001-03-30 射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型 Pending JP2002292700A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001098927A JP2002292700A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001098927A JP2002292700A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002292700A true JP2002292700A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18952532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001098927A Pending JP2002292700A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002292700A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114801023A (zh) * 2021-01-22 2022-07-29 精工爱普生株式会社 注射成型装置以及注射成型用的成型模具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114801023A (zh) * 2021-01-22 2022-07-29 精工爱普生株式会社 注射成型装置以及注射成型用的成型模具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100189857B1 (ko) 스프루레스 디스크 금형 및 그 디스크 성형방법
US20050200048A1 (en) Apparatus for valve-gate injection molding and method for the same
JP3310271B1 (ja) 射出成形方法
JP4876684B2 (ja) 射出成形用金型
US5962042A (en) Injection mold
JP2002292700A (ja) 射出成形方法、射出成形装置、及び射出成形用金型
CN207736657U (zh) 一种前三角窗左右装饰盖板
CN108035782A (zh) 汽车、汽车发动机、机油冷却设备及其制造方法
CN204398249U (zh) 斜推块推出针点浇口凝料的模具
CN109109273B (zh) 一种内外抽芯式注塑模具及其内抽芯成型结构
CN110385828B (zh) 模具装置
JPH11333858A (ja) 成形用金型装置
JP2002347085A (ja) 射出成形金型
US5851254A (en) Method for molding vitreous optical elements
JP2007307818A (ja) ダイレクトゲート射出成形金型及びダイレクトゲート射出成形方法
CN213947302U (zh) 一种用于生产冰箱门把手的注塑模具
CN214605694U (zh) 一种汽车气管接头的注塑模具
CN217393713U (zh) 汽车后视镜转轴一体成型模具
JPH11333898A (ja) 射出成形用金型
JP4600980B2 (ja) 射出成形機及び射出成形方法
WO2011091592A1 (zh) 微型内置高压往复油缸
JP2003025392A (ja) プラスチック製品の射出成形方法
JP4576504B2 (ja) 射出成形機及び射出成形方法
JP3711911B2 (ja) 射出成形機
JP2510318B2 (ja) 射出成型用金型