JP2002289963A - 半導体発光素子の光反射端面の形成方法 - Google Patents

半導体発光素子の光反射端面の形成方法

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JP2002289963A
JP2002289963A JP2001086568A JP2001086568A JP2002289963A JP 2002289963 A JP2002289963 A JP 2002289963A JP 2001086568 A JP2001086568 A JP 2001086568A JP 2001086568 A JP2001086568 A JP 2001086568A JP 2002289963 A JP2002289963 A JP 2002289963A
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Masahiro Okuda
昌宏 奥田
Seiichi Miyazawa
誠一 宮澤
Migaku Ezaki
琢 江崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的安価な基板を用いて、半導体発光素子の
光反射端面をへき開によって形成する技術である。 【解決手段】半導体発光素子構造を、多孔質領域101を
有する半導体基板100上に積層した後、半導体発光素子
構造のへき開面に平行な方向に半導体発光素子構造105
−113および多孔質領域101、104を部分的にエッチング
する。その後、多孔質領域101、104の一部を選択的にエ
ッチングして、半導体発光素子構造105−113の下部の多
孔質領域101、104を一部除去した後に、該下部の多孔質
領域101、104が除去された半導体発光素子構造の部分に
力を加えて、該下部の多孔質領域が除去された半導体発
光素子構造105−113の部分をへき開によって取り除く。
こうして、半導体発光素子の平行な一対の対向する光反
射端面を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に光通信、CD、
DVDなどの光記録、及びレーザプリンタなどに用いられ
る半導体レーザなどの半導体発光素子の光反射端面の形
成方法に関し、特に、GaNなどの窒化物系半導体で構成
された半導体発光素子の光反射端面の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】GaN、AlGaN、InGaN、InGaNAs、InAlN、I
nAlNAsなどの窒化物系のIII-V族化合物半導体は、その
バンドギャップ幅が紫外光域から赤色域にわたってい
て、特に青色〜紫外線領域の発光素子として開発が進め
られている。この様な窒化物系の化合物半導体を導波型
のスーパールミネッセントLEDや半導体レーザなどとし
て製造する場合には、通常、共振器を構成するために、
光反射端面を作る必要がある。こうした光反射端面の形
成は、その平坦性や垂直性に優れることから、通常、へ
き開により行われていて、窒化物系の半導体において
も、へき開を用いて共振器の端面を構成することが試み
られている。
【0003】一方、一般に窒化物系の発光素子には、六
方晶(Wurzite)の晶系を持つ物が用いられる。この様な
晶系の結晶基板としては、主にc面((0001)面)のサファ
イア基板が用いられて来た。このサファイア基板は、安
価で比較的大面積の物が得られることから、既に市販さ
れる程度まで開発が進められている。
【0004】しかしながら、このc面のサファイア基板
は、その面内には、へき開性のある軸を持っていない。
このため、このc面サファイア基板上に窒化物系半導体
によってレーザ構造を作製した後に、基板をへき開して
反射端面を作製することができない。
【0005】そこで、これまでに試作されている窒化物
系の化合物半導体レーザでは、一度c面サファイア上に
レーザ構造を作製してから、これらの窒化物系化合物を
反応性イオンエッチング法によりエッチングすることに
よって、光反射端面を形成している(たとえば、Japanes
e Journal of Applied Physics, vol.35, L74,(1
996)参照)。
【0006】しかしながら、一般に窒化物系の化合物半
導体は、非常に硬い物質であることから、反応性イオン
エッチングによって良好な反射端面を作ることが非常に
難しい。したがって、端面の凹凸の存在や、端面の垂直
性が良くないことによって、光の過剰な損失の原因とな
っている。こうして、レーザの発振しきい電流値が大き
くなり、結果として、レーザの信頼性が悪くなるという
欠点があった。
【0007】このような欠点を解決するために、サファ
イア基板上に100μm程度の厚い窒化物系の化合物半導体
層を積層した後に、この窒化物系の化合物半導体層のみ
を基板から剥離してへき開することによって、良好な光
反射端面を形成することが試みられている。
【0008】しかしながら、この様な方法では、厚い窒
化物系の化合物半導体層を予め結晶成長させる必要があ
り、生産コストが高くなると言う欠点があった。また、
厚い窒化物層を積層した後に、この窒化物層を剥がすた
めに工夫を要するため、更に生産コストが高くなると言
う欠点があった。
【0009】一方、窒化物系の化合物半導体層を結晶成
長させるための基板として、6HSiCの(0O01)面を用いる
ことも試みられている。この6HSiC基板は、この上に成
長するGaN系半導体と面内の軸方向が互いに一致し、A面
((2-1-1O)面)に沿ってへき開される。
【0010】しかしながら、SiC基板は一般に高価で、
半導体レーザを多量に生産する用途に対しては、あまり
適していないと考えられる。
【0011】本発明は、以上のような点に鑑み、比較的
安価な基板を用いて、ファブリ−ペロー型の半導体レー
ザなどの発光素子の光反射端面をへき開によって形成す
る技術を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為
に、本発明の半導体発光素子の光反射端面の形成方法
は、半導体発光素子構造を、多孔質領域を有する半導体
基板上に積層した後、半導体発光素子構造のへき開面に
平行な方向に前記半導体発光素子構造および前記多孔質
領域を部分的にエッチングし、その後に、前記多孔質を
選択的にエッチングするエッチング液を用いて、前記多
孔質領域の一部をエッチングすることによって、前記半
導体発光素子構造の下部の多孔質領域を一部除去した後
に、前記半導体発光素子構造の内、該下部の多孔質領域
が除去された部分に力を加えて、前記半導体発光素子構
造の内の該下部の多孔質領域が除去された部分をへき開
によって取り除くことにより、半導体発光素子の平行な
一対の対向する光反射端面を形成することを特徴とす
る。
【0013】より具体的には、多孔質領域を持つ半導体
基板を作製し、この多孔質領域の表面部の孔を封止する
表面層を準備し、この表面層で封止された基板上に窒化
物系の化合物半導体の半導体レーザ構造を積層し、さら
に、半導体レーザ構造のへき開面に平行な方向に前記半
導体レーザ構造および多孔質領域を部分的にエッチング
した後に、選択エッチングによって、該半導体レーザ構
造領域の下部の多孔質領域を一部取り除いて、半導体レ
ーザ構造が突き出した構造を作製し、その後に、機械的
に力を加えて、この突き出した領域をへき開する。
【0014】上記本発明の方法において、典型的には、
多孔質領域を持つ基板は、基本的に多孔質領域が形成さ
れ、かつ、その上に窒化物系の化合物半導体が形成され
得るものであれば、その種類が限定されるものではない
が、発明の趣旨からして、比較的安価に入手ができるも
のが望ましい。具体的には、シリコン(Si)、ガリウム
砒素(GaAs)、インジウムリン(InP)基板が、比較的
安価で良質の基板が手に入ることから望ましい。
【0015】また、上記本発明の方法において、半導体
発光素子構造は窒化物系化合物半導体以外の材料から構
成されることも可能であるが、発明の趣旨からして、典
型的には、窒化物系化合物半導体層から成る。該窒化物
系化合物半導体層は、少なくともNをV族元素として含
み、場合により、V族元素としては更にAs又は/及びPを
含む物である。また、III族元素としては、Ga、In、A
l、およびBのうちから一種類以上の元素を含む物であ
る。
【0016】また、上記本発明の方法において、六方晶
系の窒化物系化合物半導体は、(0001)面方位の成長層を
持つものである。したがって、基板として、シリコン、
ガリウム砒素、インジウム燐等の立方晶系の半導体を用
いる場合は、基本的に(111)面方位を持つものを用いる
ことが、六方晶系の窒化物系化合物半導体を整合性良く
結晶成長する上で望ましい。
【0017】前記半導体発光素子構造のうち前記下部の
多孔質領域が除去された部分に力を加える方法は、微小
な先端を持つ針(プローブ)により、該多孔質領域が除
去された部分を基板方向に押し付けることであったり、
前記半導体発光素子構造の形成された多孔質領域を有す
る半導体基板を液体内に保持した後に、液体に超音波を
印加することであったりする。
【0018】更に、上記課題を解決する為に、本発明の
光反射端面を有する半導体発光素子は、上記の半導体発
光素子の光反射端面を形成する方法によって作製された
へき開面を平行な一対の対向する光反射端面として持つ
ことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ説明する。なお、ここでは、GaAs基板を
用いてAlGaN/InGaN系の半導体レーザについて説明する
が、本発明の発光素子は前述の様にこれに限るものでは
なく、AlxGayIn1-x-yNで表される一般の窒化物半導体を
活性層とした構造や、AlxGayIn1-x-yAszN1-zあるいはAl
xGayIn 1-x-yPzN1-zなどの窒化物半導体を活性層とした
構造等でもよい。
【0020】図1、図2、図3は本発明の実施の形態の発
光素子の反射端面の作製方法を示す模式的な断面図であ
る。
【0021】図1において、100は多孔質領域101を有す
るGaAs基板であり、多孔質領域は孔102と該孔102を形成
する壁部分103とからなっている。この様な基板100を作
製するためには、例えば、n-GaAs基板をイソプロピルア
ルコールおよびメチルアルコールによって超音波洗浄し
た後に、基板の裏面に、Inによって電気的な接触をとる
電極を形成する。そして、この後に、HCl溶液の中で陽
極化成処理を行ない、GaAs基板表面に多孔質領域101を
形成する。
【0022】次に、図1(b)に示すように、多孔質GaAs層
101の表面にこの孔102が封止ないし閉塞(孔102の中に
は空洞が残ったままで孔が閉じられること)された表面
層104を形成する。この様な層104を形成する為に、ここ
では、多孔質の形成されたGaAs基板100を分子線エピタ
キシー(MBE)装置の中に搬入し、砒素ビームを照射しな
がら、基板100の温度を600℃以上に加熱する。このと
き、GaAs表面に形成された自然酸化膜は、除去される。
そして、更に、多孔質GaAs表面では、微小な荒れを平滑
化して表面エネルギーを下げる様に表面のGa原子のマイ
グレーションが生じ、表面の孔102が封止されて孔密度
が著しく減少した表面部104が形成される。なお、この
際、小量のGaビームを照射させて、孔102の封止をさら
に促進させてもよい。
【0023】この次に、図1(c)に示すように、表面部10
4上に窒化物系の化合物半導体層1055を形成する。ここ
では、GaNを分子線エピタキシー装置(MBE装置)によって
成膜する。この時、成膜する化合物半導体層105の厚さ
は表面部104の厚さに比較して十分、厚く形成する。こ
れには、まず、MBE装置(不図示)内に、表面の孔102の封
止され、孔密度が著しく減少された表面部104を持つ多
孔質GaAs基板100を入れた後に、Asビームを照射しなが
ら、基板温度を600℃程度に上昇させ、表面の酸化膜を
除去する。この化合物半導体層105は、これ以降の半導
体層の結晶質を良くする為に形成される。
【0024】さらにこの次に、図2(a)に示すように、半
導体レーザ構造を作製する。MBE装置によって、n-GaNコ
ンタクト層106を5μm、n-AlGaNクラッド層107を0.5μ
m、n-GaNを光導波層108をO.5μm、InGaN活性層109を0.0
5μm、p-GaN光導波層110を0.5μm、p-AlGaNクラッド層1
11を0.5μm、p-GaNコンタクト層112を3μm、順次、積層
する。それぞれのAlGaN層107、111のAlの組成比は0.1
5、InGaN活性層109のInの組成比はO.02とした。これは
所望のバンドギャップ構造を実現する為である。ここ
で、化合物半導体層105の厚さが表面部104の厚さに比較
して十分、厚く形成されているので、格子不整合に起因
する応力による欠陥は表面部104に生じるのみでその上
の層には殆ど生じない(これが表面部104中の線として
図2に示されている)。
【0025】この後、図2(b)に示すように、p型のオー
ミック電極113とn型のオーミック電極114を作製する。
ここでは、p型のオーミック電極113として、Ni(1OOOÅ)
/Au(3000Å)、n型のオーミック電極114としてSn(1000
Å)/Au(3000Å)を用いた。また、p型のオーミック電極1
13は次のエッチングの際のマスクの役割も果たすよう
に、図2(b)で示された幅で紙面垂直方向に伸びたストラ
イプ状にパターニングされている。このp型のオーミッ
ク電極113の形状は、最終的には、紙面垂直方向には極
く狭い幅を持ち図面左右方向(共振器方向)伸びたスト
ライプ状にされる。また、n型のオーミック電極114は、
最後に多孔質層101及び化合物半導体層105を全面的に除
去した後に露出する n-GaNコンタクト層106上に形成し
てもよい。
【0026】尚、p型のオーミック電極113を次のエッチ
ングの際のマスクとして用いる代わりに、このウエハを
結晶成長装置より取り出し、紙面垂直方向に伸びた例え
ば幅100μm(図面左右方向)のストライプをフォトリソ
グラフィーによってパターニングした後にリフトオフで
形成されるTiからなるエッチングマスクを用いてもよ
い。
【0027】この後、図2(c)に示すように、リアクティ
ブエッチング法により、多孔質層101に至るまでエッチ
ングを行う。この時、エッチングによって除去された溝
部115のストライプ方向(図の紙面垂直方向)は、GaNの
へき開面であるM面((1-100)面)に平行になるように設定
されている。
【0028】さらに、図3(a)に示すように、ウエットエ
ッチング法により、ポーラス層101、104のみを選択エッ
チングして、空洞部116を形成する。この選択エッチン
グは制御性良く実行できて、半導体レーザ構造下の空洞
部116の図面左右方向の幅を正確に設定できる。これに
より、発光素子の共振器長を正確に設定できる。
【0029】その後、下側のポーラス層の除去された半
導体レーザ構造部分に、図4に示す様に針202により、或
いは図5の様に液体302中で超音波を印加することによ
り、力を加え、この部分をへき開により除去して、光反
射面117を形成する(図3(b)参照)。
【0030】以下に、本発明の実施の形態の半導体発光
素子の作製法に採用される各工程について、更に詳しく
説明する。
【0031】[多孔質半導体層]多孔質GaAsは、近年、Sc
hmukiらによって、n型の(1OO)GaAa基板をHCl中で陽極化
成することによって (P.Schmuki et al, Electroche
m. Soc. 143, p.3316 (1996))、さらに、和田らに
よって、n型の(111)B-GaAs基板を20〜40%のHF水溶液中
で陽極化成することによって(1998年春季応用物理学会
予稿集29a-PC-25)形成されることが報告されている。こ
れらの研究は、主に多孔質シリコンの類似性から、発光
現象を見る為に成されているものであるが、本発明の実
施の形態で対象とする多孔質GaAsは、これら、今までに
報告されている多孔質GaAsと、本質的に異なる所はな
く、基板の面方位、不純物、作製方法について限定され
るものではない。
【0032】また、多孔質シリコンは、1964年にUhlir
らが発見して以来、1970年代にはFIPOS(Full Isolatio
n by Porous Oxidized Silicon)法への応用を念頭
においた研究がなされ、また、1990年代には多孔質シリ
コンのPhotoluminescenceがL.T.Canhamらのグループお
よびU.Goseleらのグループにより発見されて以来、これ
の発光デバイスヘの応用を目指した研究がなされてい
る。
【0033】発光デバイス系の研究ではn-、p-のシリコ
ン基板が好まれる。一方、多孔質Si上に非多孔質単結晶
をエピタキシャル成長させる場合には、その構造の安定
性とエピタキシャルシリコン層の結晶性の良さからn-
p-よりはn+、p+基板が好まれる。本発明の実施の形態で
対象とする多孔質Siは、これら従来から研究されている
多孔質シリコンと本質的には同一であり、陽極化成など
の方法により作製されるが、多孔質Siである限り、基板
の不純物、面方位、作製方法等について限定されない。
多孔質表面の孔密度は、その作製方法と基板の不純物濃
度により変わるが、例えば1010〜1012/cm2程度である。
【0034】陽極化成により多孔質シリコンを形成する
場合、化成液はHFを主たる成分とする水溶液である。一
般には、エタノールなどのアルコールを添加することに
よりシリコン表面での気泡の接触角を大きくすること
で、シリコン表面に付着した気泡の脱離を加速し、化成
が均一に起こるようにしている。もちろん、アルコール
を添加せずとも多孔質は形成される。本発明の実施の形
態における多孔質シリコンの空孔率ないし多孔度(poros
ity)は、FIPOS法に用いられるよりも低い(概ね50%以
下、より好ましくは30%以下)方が好適であるが、これ
に限定されるものではない。この空孔率は、孔の封止さ
れる表面部の好適な形成、及び下側のポーラス層の除去
された半導体発光素子部分でのへき開の好適な達成の為
に望まれるものである。
【0035】[孔の封止]多孔質領域101の上部の表面の
孔102を封止する為に、本発明の実施の形態では、砒素
雰囲気中で基板を加熱する。本発明の実施の形態では、
例えば、多孔質GaAs領域101の形成されたGaAs基板100を
分子線エピタキシャル装置の中に保持し、Asビームを照
射させながら基板温度を600℃以上に上昇させる。この
時、表面のガリウム原子のマイグレーションが促進さ
れ、表面エネルギーを下げる効果により、多孔質領域10
1の表面の孔102が封止される。表面孔を封止するに要す
るGaAs層の厚みは極めて薄く、概ね、孔102の径と同程
度ないしはそれ以下、具体的には100nm以下、より好ま
しくは30nm以下である。
【0036】場合によっては、さらに孔102を封止する
効果を促進させる為、微量のガリウムビームを照射して
孔102の上部に形成されるGaAsの架橋を促進させること
も行なわれる。これは、やや過剰にガリウムを供給しな
がら熱処理することにより、孔102の封止をより効果的
に行なうものである。
【0037】本発明の実施の形態では、特に表面でのガ
リウム原子のマイグレーションを効果的に行なう為、こ
の時の基板温度は比較的高温であることが望ましい。ま
た、マイグレーション・エンハンスト・エピタキシー(M
EE)の手法を用いて、ガリウム原子のマイグレーション
を促進させると、更に効果的である。
【0038】また、ガリウム原子の供給が過剰である場
合、孔102が封止された上に更にガリウム砒素層が積層
されることになる。この場合、この上部に形成する化合
物半導体膜の膜厚によっては、格子不整合や熱膨張率差
によって生じる格子欠陥が上部に形成された化合物半導
体層にも導入されることとなる。この様なことを避ける
為、表面部104の膜厚は、この上部に形成する化合物半
導体層の膜厚より十分薄いことが望ましく、例えば、そ
の5分の1以下、より好ましくは10分の1以下であること
が望ましい。より具体的には、1nm〜100nmの範囲から、
化合物半導体層の層厚を考慮して選ぶと良い。
【0039】また、以上ではMBE装置を用いて、固体ソ
ースにより、ガリウムと砒素を供給すると説明したが、
ケミカルビームエピタキシャル(CBE)装置を用いて、そ
れぞれのソースとしてトリメチルガリウムやアルシンな
どの有機金属ソースを用いてもよい。また、もちろん、
MOCVD(有機金属気相成長法)装置を用いて表面の孔102
の封止を行なっても一向に構わない。
【0040】基板として多孔質Siを用いる場合の孔102
の封止に関しては、特開平10-321535号公報に詳述され
ている。基本的な工程は上記の方法と同一のものであ
る。
【0041】簡単に説明すると、熱処理において微量の
Si原子含有ガスを供給することで、微量のSi原子含有ガ
スが添加された雰囲気中で多孔質Siを熱処理する。熱処
理時の雰囲気は非酸化性雰囲気、より好ましくは水素、
ないしは、水素と不活性ガスからなる雰囲気であること
が望ましい。あるいは、真空中であってもよい。これら
の雰囲気で熱処理すると、多孔質Siの表面の孔が封止さ
れる。しかし、雰囲気中に残留酸素や水分が存在する
と、これらとシリコンが反応して酸化シリコンを形成
し、さらに反応が進行する結果、シリコンはエッチング
されてしまい、多孔質表面の孔は封止されないことがあ
る。そこで、エッチングにより失われるシリコンを補
い、あるいは、それよりやや過剰にシリコンを供給しな
がら熱処理することにより、多孔質の孔の封止を行う。
【0042】この熱処理では、多孔質シリコンの表面で
微小な荒れを平滑化し表面エネルギーを下げるべく、多
孔質表面のSi原子、および、気相から供給されたSi原子
のうち多孔質Si表面に吸着したSi原子がマイグレーショ
ンする結果、表面の孔が塞がれ、孔密度が著しく減少し
た表面が形成される。表面でのSi原子のマイグレーショ
ンは供給される熱エネルギーによりなされる。特に表面
Si原子のマイグレーションを効率よく行うため、該熱処
理の温度は、Siの融点以下の比較的高温であることが望
ましい。具体的には600℃以上1400℃以下、より好まし
くは800℃以上1200℃以下、さらに好ましくは1000℃以
上1200℃以下であることが望ましい。また、圧力は特に
限定されるものではないが、好ましくは大気圧以下であ
る。特に水素が含まれる雰囲気中では表面が平滑になり
やすい。
【0043】この熱処理の後、断面構造を観察すると多
孔質構造は残存しており、表面の孔のみが封止され、表
面に1nm〜100nmの極薄のSi薄膜が形成される。
【0044】[化合物半導体結晶のヘテロエピタキシャ
ル成長]表面の孔102を封止した多孔質GaAs層101を有す
るGaAs基板100上に化合物半導体をMBE法、CBE法あるい
はMOCVD法によって形成する。ここで用いる結晶成長装
置としては、孔102の封止に用いた装置をそのまま用い
て、孔102の封止後に真空を破らずに、連続して、結晶
成長を行なうことが望ましい。
【0045】Siを基板として用いた場合の化合物半導体
のヘテロエピタキシャル成長の方法に関しては、特開平
10-321535号公報に詳述されている方法と同一の方法を
用いる。これは、後述の実施例で説明されるように、水
素中熱処理の後に化合物半導体単結晶膜を形成するもの
である。
【0046】[化合物半導体発光素子構造のヘテロエピ
タキシャル成長]さらにこの次に、図2に示すように、半
導体発光素子構造を作製する。MBE装置、あるいはMOCVD
によって、上述した通り積層する。
【0047】[エッチング]この後、図2(c)に示すよう
に、Cl2を用いたリアクティブエッチング法により、多
孔質層101、104に至るまでエッチングを行う。この時、
エッチングを行うストライプ方向は、GaNのへき開面で
あるM面((1-100)面)に平行になるように設定する。
【0048】[ポーラス層の選択エッチング]エピタキシ
ャル成長層の下部の多孔質層101、104の選択エッチング
を行うことにより、エピタキシャル成長層が、突き出し
た部分を作製する。基板にGaAs、InP、あるいはSiを用
い、多孔質GaAs、InPあるいはSi層の上にGaN半導体レー
ザ構造を積層した場合は、GaN層が、GaAsやInPやSiをエ
ッチングする大部分の溶液に対して安定であるため、通
常のこれらのエッチング溶液を用いることができる。具
体的には、硫酸・過酸化水素系や塩酸・過酸化水素系の
エッチング溶液、あるいはフッ化水素系のエッチング溶
液を用いることができる。
【0049】[へき開]半導体発光素子構造201のうち、
下部のポーラス層の除去された部分をへき開によって除
去する。これは、図4のようにプローブ202を用いて、機
械的に下部のポーラス層の除去された半導体レーザ構造
の部分を機械的に基板100側へ押しつけることにより行
える。この時、前述のように、エッチングする際のスト
ライプ方向(図4の紙面垂直方向)が、六方晶の窒化物
半導体結晶系のM軸<1-100>方向(図4の左右方向)と垂
直な方向に形成されていれば、窒化物半導体結晶のへき
開面がM 面(1-100)面であるので、この様な方法によ
り、簡便に半導体レーザの反射端面を作製することが可
能となる。
【0050】さらに、図5のように、ポーラス層が一部
選択的にエッチングされて下部のポーラス層が一部除去
されている半導体レーザ基板301を、超音波洗浄器303に
保持して、純水あるいはアルコールなどの有機溶液302
中で、超音波発生器304で超音波を印加することによっ
ても、へき開を行うことが可能である。この場合も、前
述のように、エッチングする際のストライプ方向が、六
方晶の窒化物半導体結晶系のM軸<1-100>方向と垂直な方
向に形成されていれば、窒化物半導体結晶のへき開面が
(1-100)面であるので、半導体レーザの反射端面をへき
開により作製することが可能となる。
【0051】
【実施例】以下に、更に具体的な実施例をあげて、本発
明を詳述する。
【0052】(実施例1)450μmの厚みを持ったn型の(1
00)面方位を持つ2インチ径のGaAs基板を、イソプロピル
アルコール、メチルアルコールで、順次、超音波洗浄し
た後に、裏面にInを付け、電気的な接触をとった。さら
に、この基板をHCl水溶液にて陽極化成を行なった。こ
の時、加える電圧を徐々に増加させながら電流を測定し
て陽極化成を行なった。最終的に5mA/cm2の電流を流し
て10分間陽極化成を行なった後の多孔質層の厚さは10ミ
クロン、空孔率は20%であった、
【0053】次に、この基板をMBE装置の中に搬入し、
固体ソースにより砒素ビームを照射しながら、基板の温
度を徐々に上昇させ、最終的に600℃まで上げて、この
まま、20分間保持した。この時、同時にRHEED(Reflecti
on High Energy ElectronDiffraction)のパターンを
観察した所、ハロパターンからスポットパターン、スト
リークパターンヘと徐々に変化し、最終的に2×4の表面
再構成が確認され、表面の空孔を閉塞する層が形成され
たことが確認された。
【0054】さらにこの次に、続けて、RF励起のプラズ
マセルにより、原子状の窒素を供給し、GaAsの表面層を
窒化した。その後、原子状の窒素の供給を続けながら、
固体ソースによりGaの供給を行い、5μmの厚みにn-GaN
層105、およびn-GaNコンタクト層106のエピタキシャル
成長を行なった。この時の成長条件は、基板温度が700
℃、V/III比が500である。
【0055】さらに、この上に半導体レーザ構造を作製
する。MBE装置によって、n-AlGaNクラッド層O.5μm、n-
GaN光導波層O.5μm、InGaN活性層0.05μm、p-GaN光導波
層0.5μm、p-AlGaNクラッド層0.5μm、p-GaNコンタクト
層3μmを、順次、積層する。それぞれのAlGaN層のAlの
組成比はO.15、InGaN活性層のInの組成比はO.02とし
た。
【0056】次に、この構造上に、GaNの<1-100>方向に
レーザのストライプ方向が一致するように、ストライプ
をフォトリソグラフィーによってパターニングした後
に、リフトオフで形成されたTiからなるエッチングマス
クを用いて、リアクティブエッチング法により、多孔質
層に至るまでエッチングを行う。この時、エッチングに
よって除去された溝部のストライプ方向は、GaNのへき
開面であるM面((1-100)面)に平行になるように設定され
ている。
【0057】この後、上記エッチングマスクを除去して
から、p型GaNコンタクト層の上にNi/Au膜を真空蒸着法
などにより形成し、p型オーミックコンタクトをとる。
ここで、それぞれのNi膜およびAu膜の厚さは、10nmおよ
び100nmとした。
【0058】さらに、GaAs基板の裏面に、n型のオーミ
ックコンタクトをSn/Au膜により形成する。ここで、そ
れぞれのSn膜およびAu膜の厚さは、10nmおよび100nmと
した。
【0059】次に、この基板を硫酸過酸化水素系のエッ
チング溶液の中に保持して、多孔質GaAsの部分のみを選
択エッチングにより取り除いた。
【0060】その後、金属プローブを、下部の多孔質領
域が除去された半導体レーザ構造部に押し当てることに
より、この部分をへき開により除去した。
【0061】(実施例2)615μmの厚みをもった比抵抗
O.01Ω・cmのp型(n型とすることもできる)の6インチ径
の(100)単結晶Si基板を、HFをアルコールで希釈した溶
液中で陽極化成することにより、その鏡面である一方の
主面に多孔質Si層を形成した。
【0062】陽極化成条件は以下の通りである。 電流密度:7mA/cm2 陽極化成溶液:HF:H20:C2H50H=1:1:1 時間:12分 多孔質Si層の厚み:10μm 多孔度:20%
【0063】次に、この基板を酸素雰囲気中400℃で1時
間酸化した。この酸化により多孔質Siの孔の内壁表面は
極薄の熱酸化膜で覆われた。
【0064】次に、この基板を、露点がマイナス95℃の
H2雰囲気中で1050℃、760Torrで10分間熱処理した。こ
こでは昇降温時にも雰囲気は水素雰囲気とした。
【0065】次に、この多孔質Si上にMOCVD法により単
結晶GaN105を、および、n-GaNコンタクト層106を1μmの
厚みにエピタキシャル成長した。
【0066】成長条件は以下の通りである。 ソースガス:TMG/NH3/H2 ガス圧力:80Torr 温度:1050℃
【0067】さらに、この上に同じ条件で半導体レーザ
構造を作製する。MOCVD装置によって、n-AlGaNクラッド
層0.5μm、n-GaN光導波層0.5μm、InGaN活性層O.05μ
m、p-GaN光導波層O.5μm、p-AlGaNクラッド層O.5μm、p
-GaNコンタクト層3μmを、順次、積層する。それぞれの
AlGaN層のAlの組成比は0.15、InGaN活性層のInの組成比
はO.02とした、
【0068】次に、この構造上に、GaNの<1-100>方向に
レーザのストライプ方向が一致するように、ストライプ
をフォトリソグラフィーによってパターニングした後
に、リフトオフで形成されたTiからなるエッチングマス
クを用いて、リアクティブエッチング法により、多孔質
層に至るまでエッチングを行う。この時、エッチングに
よって除去された溝部のストライプ方向は、GaNのへき
開面であるM面((1-100)面)に平行になるように設定され
ている。
【0069】この後、上記エッチングマスクを除去して
から、p型GaNコンタクト層の上にNi/Au膜を真空蒸着法
などにより形成し、p型オーミックコンタクトをとる。
ここで、それぞれのNi膜およびAu膜の厚さは、10mmおよ
び100nmとした。
【0070】さらに、Si基板の裏面に、n型のオーミッ
クコンタクトをSn/Au膜により形成する。ここで、それ
ぞれのSn膜およびAu膜の厚さは、10nmおよび100nmとし
た。
【0071】次に、この基板をHF系のエッチング溶液の
中に保持して、多孔質Siの部分のみを選択エッチングに
より取り除いた。
【0072】その後、このウエハを純水の中に保持し、
超音波洗浄器にて超音波を印加した。ここでは、超音波
の印加時間を1分とした。
【0073】この工程を介したウエハを光学顕微鏡によ
り観察したところ、GaNのへき開面であるM面に沿ってへ
き開されたことが確認された。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
容易に半導体レーザなどの半導体発光素子の反射端面を
作製することができる。
【0075】さらに、この半導体発光素子の反射端面の
形成方法を利用して、安価で特性の良好な窒化物系化合
物半導体レーザなどの半導体発光素子を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体発光素子の光反射端面を形成する方法を
示した第1の工程図である。
【図2】半導体発光素子の光反射端面を形成する方法を
示した第2の工程図である。
【図3】半導体発光素子の光反射端面を形成する方法を
示した第3の工程図である。
【図4】プローブにより光反射端面を形成する方法を示
した図である。
【図5】超音波洗浄により光反射端面を形成する方法を
示した図である。
【符号の説明】
100 多孔質領域101を有するGaAs基板 101 多孔質領域 102 多孔質領域の孔 103 孔102を形成する壁部分 104 表面部 105 化合物半導体層 106 nコンタクト層 107 nクラッド層 108 n光導波層 109 活性層 110 p光導波層 111 pクラッド層 112 pコンタクト層 113 p型のオーミック電極 114 n型のオーミック電極 115 エッチングにより形成された溝部 116 ポーラス層の選択エッチングにより形成された
空洞部 117 光反射面 201 半導体レーザ基板 202 針(プローブ) 301 半導体レーザ基板 302 液体 303 容器 304 超音波発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江崎 琢 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F073 BA02 BA05 BA07 CA07 CB02 CB04 CB05 CB07 CB22 DA06 DA22 DA25 DA28 DA32 DA35

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体発光素子の光反射端面を形成する方
    法において、半導体発光素子構造を、多孔質領域を有す
    る半導体基板上に積層した後、半導体発光素子構造のへ
    き開面に平行な方向に前記半導体発光素子構造および前
    記多孔質領域を部分的にエッチングし、その後に、前記
    多孔質を選択的にエッチングするエッチング液を用い
    て、前記多孔質領域の一部をエッチングすることによっ
    て、前記半導体発光素子構造の下部の多孔質領域を一部
    除去した後に、前記半導体発光素子構造の内、該下部の
    多孔質領域が除去された部分に力を加えて、前記半導体
    発光素子構造の内の該下部の多孔質領域が除去された部
    分をへき開によって取り除くことにより、半導体発光素
    子の平行な一対の対向する光反射端面を形成することを
    特徴とする半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  2. 【請求項2】前記半導体発光素子構造を多孔質領域を有
    する半導体基板上に積層する前に、多孔質領域の表面に
    孔が封止された表面部を形成することを特徴とする請求
    項1に記載の半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  3. 【請求項3】前記多孔質領域を有する半導体基板が、Ga
    As、InP等の化合物半導体基板に多孔質領域が形成され
    ている基板であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  4. 【請求項4】前記多孔質領域を有する半導体基板が、多
    孔質シリコン領域が形成されているSiの基板であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子の
    光反射端面の形成方法。
  5. 【請求項5】前記半導体発光素子構造は、窒化物系化合
    物半導体層を積層して形成されることを特徴とする請求
    項1乃至4の何れかに記載の半導体発光素子の光反射端
    面の形成方法。
  6. 【請求項6】前記窒化物系化合物半導体層は、少なくと
    もNをV族元素として含むことを特徴とする請求項5に記
    載の半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  7. 【請求項7】前記窒化物系化合物半導体層は、V族元素
    として更にAs又は/及びPを含むことを特徴とする請求
    項6に記載の半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  8. 【請求項8】前記窒化物系化合物半導体層は、III族元
    素として、Ga、In、Al、およびBのうちから一種類以上
    の元素を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の
    半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  9. 【請求項9】前記多孔質領域を有する半導体基板は、
    (111)面方位を持つものであることを特徴とする請求項
    5乃至8の何れかに記載の半導体発光素子の光反射端面
    の形成方法。
  10. 【請求項10】前記半導体発光素子構造のうち前記下部
    の多孔質領域が除去された部分に力を加える方法が、微
    小な先端を持つ針により、該多孔質領域が除去された部
    分を基板方向に押し付けることであることを特徴とする
    請求項1乃至9の何れかに記載の半導体発光素子の光反
    射端面の形成方法。
  11. 【請求項11】前記半導体発光素子構造のうち前記下部
    の多孔質領域が除去された部分に力を加える方法が、前
    記半導体発光素子構造の形成された多孔質領域を有する
    半導体基板を液体内に保持した後に、液体に超音波を印
    加することであることを特徴とする請求項1乃至9の何
    れかに記載の半導体発光素子の光反射端面の形成方法。
  12. 【請求項12】前記半導体発光素子がファブリ−ペロー
    型の半導体レーザであることを特徴とする請求項1乃至
    11の何れかに記載の半導体発光素子の光反射端面の形
    成方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12の何れかに記載の半導
    体発光素子の光反射端面を形成する方法によって作製さ
    れたへき開面を平行な一対の対向する光反射端面として
    持つことを特徴とする半導体発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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