JP2002289624A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
層を含む半導体装置のチタン系金属配線層と絶縁膜との
界面において、配線膜の剥がれが生じない信頼性の高い
半導体装置を提供する。 【解決手段】基板と、この基板の上部に形成されたSi
−F結合基を含有する絶縁膜15と、この絶縁膜上に形
成されたチタン系金属金属層17aを有し、前記チタン
系金属配線層における弗素濃度が、1×1020atoms /c
m3未満であることを特徴とする半導体装置。
Description
系金属配線層を有する半導体装置に関し、特に前記配線
層と前記絶縁膜の密着性が改善された半導体装置および
その製造方法に関する。
が要求されるに伴い、最近では集積回路での配線容量の
抑制が大きな課題になってきている。配線間隔がサブミ
クロン領域となると、配線間の容量が急激に増大して信
号の伝搬遅延が増大するからである。特にCPU等に使
用される高速ロジック回路では、チップ上の配線が多層
配線となっており、集積回路チップに適した誘電率の低
い絶縁層を求めて検討が盛んに行われている。
酸化膜(SiO2 )が広く使用されてきている。一般的
なCVDにより形成されたシリコン酸化膜の誘電率は、
4.2〜5.0程度であり、これを略半減させるものと
して有機ポリマー(誘電率2.0〜3.1)が知られて
いる。しかし乍ら有機ポリマーは熱安定が不充分であ
り、パターニングが困難であるという問題がある。
(F)を加えてSi−F結合基を含む絶縁膜(誘電率
3.0〜3.6)を形成し、絶縁膜の誘電率を下げる試
みが為されている。Si−F結合基を含む絶縁膜は多層
配線における優れた埋め込み性により注目されている材
料であるが、酸化膜中に弗素を取り込むことにより、低
誘電率の絶縁膜も実現している。これに付いては例え
ば、”Reduction of Wiring Capacitance with New Low
Dielectric SiOF Interlayer Film for High Speed/Lo
w Power Sub-half Micron CMOS" (J.Ida et al, 1994 S
ymposium on VLSI (P.59)) に報告されている。この報
告書によれば、0.35μm CMOS 2NAND ゲートの伝搬遅延
時間(tpd)が、Si−F結合基を含む絶縁膜(誘電率
3.6)を用いた配線では通常のCVD酸化膜(誘電率
4.3)を用いた配線よりも13%改善されたと報告さ
れている。
誘電率が低く、配線容量を低下させる効果を有するが、
一方高信頼性を目的とした高融点金属配線層との密着性
が不充分で配線層の剥がれが生じるという欠点をも有し
ている。この間の事情を図面を参照して説明する。
半導体装置の一部断面図が示されている。すなわちシリ
コン基板111の表面には図示しない半導体素子が形成
されており、その上部全面が酸化シリコンによる第1の
絶縁膜112で覆われている。その表面にはチタン(T
i)による下地配線層113aが形成されており、下地
配線層113aの上にはCu、Al−Si−Cu等によ
る本配線層113bが積層され、この積層層で第1の金
属配線層113が形成されている。このように2層構造
を採ることにより配線の電気抵抗を増大させずに断線等
に対する機械的強度を増している。またこの第1の配線
は図示しないヴィア配線で基板111に形成された図示
しない半導体素子と接続されている。
む二酸化シリコン(SiO2 )の第2の絶縁膜115が
形成されており、前記第1の金属配線層113上の一部
にはヴィアホールが形成され、タングステン(W)によ
るプラグ116が埋め込まれている。この第2の絶縁膜
115の上部にはチタン(Ti)による第2の下地配線
層117aとCu、Al−Si−Cu等による第2の本
配線層117bが積層され第2の金属配線層117を形
成している。さらにその上に二酸化シリコン(SiO
2 )による第3の絶縁膜119が形成されている。
て、配線層に発生する残留熱応力や、あるいはボンディ
ング時の機械的衝撃により、表面の第2の金属配線層1
17が第2の絶縁層115から剥離することがあった。
これはSi−F基を含む絶縁層115とチタンの下地配
線層117との密着性の不足によるものと考えられてい
る。
F基を含む絶縁膜とチタンの配線層を含む半導体装置に
おいてはチタン配線層と絶縁膜との界面において密着性
の劣化が生じ、金属配線膜内に発生した熱応力や、ボン
ディング時の機械的応力によって、金属配線膜の剥がれ
が生じていた。本発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、金属配線膜の剥がれが生じない信頼性の高い
半導体装置およびその製造方法を提供しようとするもの
である。
に本発明の半導体装置では、基板と、この基板の上部に
形成されたSi−F結合基を含有する絶縁膜と、この絶
縁膜上に形成されたチタン系金属配線層を有し、前記チ
タン系金属配線層における弗素濃度が、1×1020atom
s/cm3 未満であることを特徴とする。
定は、SIMS(Secondary IonMass Spectrometry)分
析法が使用され、チタン層中の弗素の定量化はTiFを
検出イオンとして行われたものである。SIMSには、
Perkin Elmer 社製のModel 6600が使用され、Cs+
イオンのイオンエネルギーが5KeVの条件で実施され
た。
と、この基板の上部に形成されたSi−F結合基を含有
する絶縁膜と、この絶縁膜上に形成されたチタン系金属
配線層を有し、前記絶縁膜と前記下地層との間に、少な
くともチタン、シリコン、および酸素を含む反応層が形
成され、前記反応層は少なくとも前記反応層の膜厚の中
央部において、チタン濃度がシリコンおよび酸素のいず
れの濃度に対しても1以下である部分を含むことを特徴
とする。
第2領域を有する基板と、前記基板上に形成され、前記
第1領域上で第1の膜厚を有し、前記第2領域上で前記
第1の膜厚よりも大なる第2の膜厚を有し、Si−F結
合基を含有する第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に
形成されたチタン系金属配線層と、前記第1領域上の前
記金属配線上に形成され、ボンディングパッドを規定す
る開口を有する第2の絶縁膜とを具備することを特徴と
するまた本発明の半導体装置の製造方法は、基板上にS
i−F結合基を含む絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁
膜に熱処理を施して、遊離した弗素およびその化合物を
前記絶縁膜外部へ拡散させる工程と、前記絶縁膜上にチ
タン系金属配線層を形成する工程とを含むことを特徴と
する。
接あるいは他の絶縁膜を介してチタン系高融点配線層を
形成した場合、その後の熱工程等により絶縁膜中の弗素
が、チタン系金属配線層中に拡散し、前記配線層中ある
いは配線層と絶縁膜の界面で、TiF,Tix Fy を
形成すると共に、Six Fy やSix Fy Oz、S
ix Fy Cz 等を形成する。また前記界面にTix
Siy Oz からなる反応層を形成する。これらが前記
絶縁膜と前記チタン系配線層との密着性を劣化させる。
特に前記チタン系配線層中の弗素濃度が1×1020atom
s/cm3 以上となる場合、あるいは前記反応層においてS
i、Oに対するTiの比率が大となる場合、前記密着性
は著しく劣化する。
膜を堆積後、結合基を持たない遊離弗素,弗素イオン、
そして結合エネルギーの低いSix Fy やCx Fy 、
Si x Fy Oz 、Six Fy Cz 、Hx Fy 等
を加熱等の手段により前記絶縁膜より除去する。その後
チタン系高融点配線層を形成するので安定化したSiF
のみを前記絶縁膜中に定着させることができる。特に弗
素濃度は1×1020atoms/cm3 以下とすることが可能と
なる。
イヤ接続用の前記配線層と前記絶縁膜の界面に生成され
る反応層の組成を、Fの拡散量を抑制することにより元
素組成比においてSiとOに対してTiが1以下の状態
となるように形成させる。これにより前記界面における
密着性は著しく改善される。
を説明する。なお以下の実施例を通じ同一部分には同一
番号を付して、詳細な説明を省略する。
に係る半導体装置の金属配線部部の拡大図を示す。図に
おいてSi基板11上に第1の絶縁膜(SiO2 )12
が形成され、その表面の1部に第1の金属配線13が形
成されている。この金属配線13はチタン系金属の下地
層13aと例えばAl−Cu−Si合金の本配線層13
bとから成る積層体の配線である。前記第1の絶縁膜1
2のその他の領域上には第2の絶縁膜15が形成されて
いる。この絶縁膜15はSi−F基を含有するSiO2
膜である。前記金属配線13上には、ヴィア配線として
例えばタングステン(W)によるプラグ16が形成さ
れ、前記第2の絶縁膜15の表面に電極を引き出してい
る。
が形成されており、その1部はプラグ16に接続されて
いる。この金属配線17もチタン系金属の下地層17a
と例えばAl−Cu−Si合金の本配線17bとから成
る積層体の配線である。この絶縁膜15と金属配線17
は第3の絶縁膜(パッシベーション膜)19で覆われる
ことにより、表層金属配線部が構成される。
された。まず図2(a)に示すようにSi基板11上に
第1の絶縁膜12として、TEOS(Tetraethylortho-
silicate)、酸素(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中
にてSiO2 膜を1500nm堆積した。この場合O2
ガスに代えてO3 ガスを用いても良い。O3 ガスを用い
ると更に自己平坦化特性に優れたSiO2 膜が得られ
る。次に第1の金属配線を構成する高融点の下地配線層
13aを、Ti 50nm、TiN 70nmの順にス
パッタ法により堆積した。この場合スパッタ法にかえて
CVD法を用いてもよい。この下地配線層13aの上に
本配線層13bとしてAl−Cu−Si合金をスパッタ
法により600nm堆積して積層体の金属配線層を形成
した。なお本配線層13bの材料ととしては、CuやC
uの合金、WやWの合金を使用してもよい。続いてこの
積層体の金属配線層をリソグラフィ技術とRIE(Reac
tive Ion Etching)技術により加工し、第1の金属配線
13を形成した。
基15aを含有する第2の絶縁膜15を、TEOS、O
2 、窒化フロライド(NFx )ガスを用いて減圧プラズ
マ中にて弗素含有のSiO2 膜を2500nm堆積し
た。ここで用いるCVDSiO 2 膜の成膜ガスとして、
TEOSの代わりに非有機系のSiH4 等を用いてもよ
い。この場合窒化フロライドに代えてクロロフロライド
(Cx Fy )、シリコンの弗化物(Six Fy )等を用
いてもよい。第2の絶縁膜中には、Si−F結合基15
aと、例えばSi−F−C結合基15bのような重合
基、さらに結合基を持たない遊離弗素15cが存在す
る。次にこの絶縁膜の表面をレジストエッチバックRI
E技術により平坦化を行った。この場合CMP(Chemic
al MechanicalPolishing )技術を用いて平坦化しても
よい。
炉中に導入して15分間のアニールを行った。この結果
第2の絶縁膜15中に存在する結合エネルギーがSi−
F結合基15aより小さく不安定な結合状態にある重合
基、例えば前記Si−F−C結合基15bを分離させる
ことで生じたCFx や前記遊離の弗素15cとを、絶縁
膜15の外部へ拡散させた(図3(c))。
20秒の赤外線ランプによるランプアニールで短時間に
行うこともできる。あるいは200℃における減圧プラ
ズマ放電により処理してもよい。この場合の雰囲気は酸
素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等が使用できる。
線と第2の金属配線を接続するためのヴィアホールを開
口し、WF6 、SiH4 ガスを用いてタングステンを選
択的にヴィアホールへ堆積し、プラグ16を形成した。
続いて第2の下地金属層17aとして、第1の下地配線
層と同様にTi 50nm、TiN 70nmの順にス
パッタ法により堆積した。この下地配線層17aの上に
本配線層17bとしてAl−Cu−Si合金をスパッタ
法により1200nm堆積して積層体の金属配線層を形
成した。なお本配線層17bの材料としては、CuやC
uの合金、タングステンやタングステンの合金を使用し
てもよい。続いてこの積層体の金属配線層をリソグラフ
ィ技術とRIE(Reactive Ion Etching)技術により加
工し、第2の金属配線17を形成した。続いてシンター
熱工程として450℃5分の熱処理を行った。
(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中にて400℃で4
00nm堆積し、リードワイヤあるいはボンディングワ
イヤ接続用の開口部をリソグラフィ技術とRIE技術で
形成した。この場合NH4 F等による薬液処理で形成し
てもよい。この結果図1に示す表面金属配線部が得られ
た(但しリードワイヤ接続用の開口部は図示されていな
い)。
17と第2の絶縁膜15の界面近傍の波線A−A’で示
される断面における構成元素(Ti、F、C、Ox )の
濃度分布を図4に示す。この場合横軸はAからA’方向
の深さを表し、縦軸は夫々の構成元素の濃度を表す。チ
タンが高濃度を示している領域が下地層17aが存在す
る部分であり、炭素(C)が高濃度を示している領域が
第2の絶縁膜15の領域を示す。チタンと炭素が接して
いる深さ(この例では0.26μm、但し絶対値には意
味がない)が、下地層17aと第2の絶縁層15の界面
である。注目すべきは下地層17aの前記界面より充分
離れた領域(より詳細には50nm以上離れたチタン窒
化膜の領域)における弗素の濃度が約5×1017atoms/
cm3 であり、第2の絶縁膜中の弗素濃度(約5×1021
atoms/cm3 )に比較して、非常に少なくなっていること
である。また前記界面における弗素濃度も5×1019at
oms/cm3 程度と低くなっている。
形成された図1の状態で測定したが、前記絶縁膜19を
形成する前の図3(d)のA−A’線に沿った断面にお
いても同様な結果が得られることが確認されている。
を、従来技術で説明した半導体装置(図27、28で説
明した半導体装置)とともに、超音波ボンディング試験
に供した。ICチップ上に設けられた、上記第2の金属
配線17と同一構成のボンディングパッド(50×80
μm)と、このICチップが搭載されたパッケージ部品
の端子との間に、線径25μmの金属線を所定の超音波
出力、荷重のもとにワイヤボンディングを行った。10
0個のボンディングワイヤに対し引張試験を実施し、ボ
ンディングパッドと絶縁膜15の界面で発生する剥がれ
不良の有無を調べたところ、剥がれ不良は皆無であっ
た。この結果よりチタン系金属が最高濃度を示す範囲に
おいて、弗素濃度を1×1020atoms/cm3 程度以下にす
ることが、下地層17と絶縁膜15との密着度を向上さ
せる上で効果があることが明らかになった。下地層21
7への弗素の拡散を完全に抑えられれば、それが理想的
な状態であり、弗素濃度の下限は実質的にゼロであって
もよい。
施例に係る半導体装置の金属配線部部の拡大図を示す。
図5においてシリコン基板11上に第1の絶縁膜(Si
O2 )12が形成され、その表面の1部に第1の金属配
線13が形成されている。この金属配線13はチタン系
金属の下地層13aと例えばAl−Cu−Si合金の本
配線13bとから成る積層体の配線である。前記第1の
絶縁膜12のその他の領域上には第2の絶縁膜15が形
成されている。この絶縁膜15はSi−F基15aを含
有するSiO2 膜である。本実施例の特徴的なことは、
この絶縁膜15の上に第3の絶縁膜18が形成されてい
ることであり、この第3の絶縁膜18は成膜時に弗素を
添加されていない。前記金属配線13上には、ヴィア配
線として例えばタングステン(W)によるプラグ16が
形成され、前記第2の絶縁膜15、第3の絶縁膜18を
貫通して第3の絶縁膜18の表面に電極を引き出してい
る。
線17が形成されており、その1部はプラグ16に接続
されている。この金属配線17もチタン系金属の下地層
17aと例えばAl−Cu−Si合金の導体17bとか
ら成る積層体の配線である。この絶縁膜15と金属配線
17は第4の絶縁膜(パッシベーション膜)19で覆わ
れることにより、表層金属配線部が構成される。
された。まず図6(a)に示すようにシリコン基板11
上に第1の絶縁膜12として、TEOS(Tetraethyl-o
rthosilicate)、酸素(O2 )ガスを用い、減圧プラズ
マ中にてSiO2 膜を1500nm堆積した。次に第1
の金属配線を構成する高融点の下地配線層13aを、T
i 50nm、TiN 70nmの順にスパッタ法によ
り堆積した。この下地配線層13aの上に本配線層13
bとしてAl−Cu−Si合金をスパッタ法により60
0nm堆積して積層体の金属配線層を形成した。続いて
この積層体の金属配線層をリソグラフィ技術とRIE
(Reactive Ion Etching)技術により加工し、第1の金
属配線13を形成した。
基を含有する第2の絶縁膜15を、実施例1と同様にT
EOS、酸素ガス(O2 )、窒化フロライド(NFx )
を用いて減圧プラズマ中にて弗素含有のSiO2 膜を2
500nm堆積した。第2の絶縁膜15中には、Si−
F結合基15aと、例えばSi−F−C結合基15bの
ような重合基、さらに結合基を持たない遊離弗素15c
が存在する。次にこの絶縁膜の表面をレジストエッチバ
ックRIE技術により平坦化を行った。
炉中に導入して15分間のアニールを行った。この結果
第2の絶縁膜15中に存在する結合エネルギーがSi−
F結合基15aより小さく不安定な結合状態にある重合
基、例えば前記Si−F−C結合基15bを分離させる
ことで生じたCFx や前記遊離の弗素15cとを、絶縁
膜15の外部へ拡散させた。
S、酸素(O2 )ガスを用いて第3の絶縁膜18を減圧
プラズマ中にて300nm堆積した。ここで用いるCV
DSiO2 膜の成膜ガスとして、TEOSに代えて非有
機系のSiH4 を用いてもよい。さらにO2 ガスに代え
てO3 ガスを用いてもよい。
2の金属配線を接続するためのヴィアホールを開口し、
WF6 、SiH4 ガスを用いてタングステンを選択的に
ヴィアホールへ堆積し、プラグ16を形成した。続いて
第2の下地金属層17aとして、第1の下地配線層と同
様にTi 50nm、TiN 70nmの順にスパッタ
法により堆積した。この下地配線層17aの上に本配線
層17bとしてAl−Cu−Si合金をスパッタ法によ
り1200nm堆積して積層体の金属配線層を形成し
た。続いてこの積層体の金属配線層をリソグラフィ技術
とRIE技術により加工し、第2の金属配線17を形成
した。続いてシンター熱工程として450℃5分の熱処
理を行った。
(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中にて400℃で4
00nm堆積し、リードワイヤあるいはボンディングワ
イヤ接続用の開口部をリソグラフィ技術とRIE技術で
形成した。この結果、図5に示すような表面金属配線部
が得られた(但しパッケージ接続ピン用の開口部は図示
されていない)。
17と第3の絶縁層18の界面近傍の破線A−A’で示
される断面における構成元素(Ti、F、C、Ox )の
濃度分布を図8に示す。この場合横軸はAからA’方向
の深さを表し、縦軸は夫々の構成元素の濃度を表す。下
地層17aの前記界面より充分離れた領域(より詳細に
は50nm以上離れたチタン窒化膜の領域)における弗
素の濃度が約5×10 17atoms/cm3 であり、また前記界
面における弗素濃度も1×1018atoms /cm3程度と低く
なっている点は第1の実施例と同様であるが、注目すべ
きは第3の絶縁膜18に相当する部分(C濃度が1×1
020atoms/cm3 程度の値を示す領域)では弗素濃度が第
2の絶縁膜15(炭素(C)濃度が1×1021 atoms/c
m3 程度の値を示す領域)中の弗素濃度より低くなって
いることである。これはもともと第3の絶縁膜18中に
は弗素が添加されておらず、加熱処理中に第2の絶縁膜
15中より拡散し残留した弗素のみが存在するからであ
る。
形成された図5の状態で測定したが、前記絶縁膜19を
形成する前の図7のA−A’線に沿った断面においても
同様な結果が得られることが確認されている。
前記加熱処理条件や前記弗素添加絶縁膜の成膜条件を変
化させることにより、前記第2の金属配線17と前記第
3の絶縁膜18の界面における弗素濃度を変化させるこ
とができる。図9はこの界面における弗素濃度を変化さ
せて、ワイヤボンデイング時におけるパッド剥がれ不良
の発生率との関係を調査し、図示したものである。ワイ
ヤボンデイングにおける諸条件は第1の実施例における
ものと全く同じである。図9から明かなように、Ti系
金属が最高濃度を示す範囲において、弗素濃度が1×1
020atoms/cm3未満であれば、パッド剥がれが全く発生
しなくなる。このように界面における弗素濃度を制御す
ることにより、パッド剥がれを皆無にできることが明ら
かになった。
度の測定には、SIMS分析法が使用され、チタン層中
の弗素の定量化はTiFを検出イオンとして行われた。
SIMSには、Perkin Elmer社製の Model 6600 が使用
され、Cs+ イオンのイオンエネルギーが5KeVの
条件で実施された。
らに多層になった場合においても同様に発揮される。次
に多層配線の例として第3の実施例を図10を参照して
説明する。この実施例は第1の実施例の第2の金属配線
上部にさらにもう1層の金属配線を加えた例である。す
なわち第2の金属配線17の上に第2の絶縁膜15と同
様な第3の絶縁膜22が形成され、第2の金属配線の所
用部分にはタングステン等のプラグ26が形成されてい
る。さらにその上部には第3の金属配線20が第2の金
属配線と同様に形成され、さらにその上を第2の絶縁層
24が覆っている。
された。先ず第1の実施例と同様にして第2の金属配線
17までが形成された。この段階で断面A−A’線に沿
った各構成元素の濃度分布は図4と同様になった。次に
図11に示すように第2の絶縁層15と同様な工程で弗
素を添加した第3の絶縁膜22を2500nm成膜し
た。図中22aはSi−F結合基である。この絶縁膜2
2をレジストエッチバックRIE技術で表面平坦化を行
う。続いて図12のように、この基板を450℃の窒素
雰囲気の炉中に導入して15分間のアニールを行い、C
Fx や遊離の弗素を、絶縁膜22の外部へ拡散させた。
続するためのヴィアホールを開口し、WF6 、SiH4
ガスを用いてタングステンを選択的にヴィアホールへ堆
積し、プラグ26を形成した。続いて第3の下地配線層
20aとして、第1の下地配線層と同様にTi 50n
m、TiN 70nmの順にスパッタ法により堆積し
た。この下地配線層20aの上に本配線層24としてA
l−Cu−Si合金24をスパッタ法により1200n
m堆積して積層体の金属配線層を形成した。
フィ技術とRIE技術により加工し、第3の金属配線2
0を形成した。続いてシンター熱工程として450℃5
分の熱処理を行った。
(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中にて400℃で4
00nm堆積し、リードワイヤあるいはボンディングワ
イヤ接続用の開口部をリソグラフィ技術とRIE技術で
形成した。この結果、図10に示すような3層の多層金
属配線部が得られた(但しリードワイヤ接続用開口部は
図示されていない)。このとき図10のB−B’線に沿
った断面の各構成元素の濃度分布は図13のように第1
の実施例と同様な結果を示した。このようにして形成さ
れた表面層の金属配線に対し、第1の実施例と同様にボ
ンディングテストを行い、ボンディングによるパッド剥
がれ不良が生じないことが確認された。
参照して説明する。この実施例は第2の実施例の第2の
金属配線上部にさらにもう1層の金属配線を加えた例で
ある。すなわち第2の金属配線17の上に第2の絶縁膜
15と同様な第3の絶縁膜22が形成され、さらにその
上に第4の絶縁膜23が形成されている。第2の金属配
線の所用部分にはタングステン等のプラグ26が形成さ
れている。さらにその上部には第3の金属配線20が第
2の金属配線と同様に形成され、さらにその上を第2の
絶縁層24が覆っている。
された。先ず第2の実施例と同様にして第2の金属配線
17までが形成された。この段階で断面A−A’線に沿
った各構成元素の濃度分布は図8と同様になった。次に
図15に示すように第2の絶縁層15と同様な工程でF
を添加した第3の絶縁膜22を2500nm成膜した。
図中22aはSi−F結合基である。この絶縁膜22を
レジストエッチバックRIE技術で表面平坦化を行う。
続いて図16のように、この基板を450℃の窒素雰囲
気の炉中に導入して15分間のアニールを行い、CFx
や遊離の弗素22aを、絶縁膜22の外部へ拡散させ
た。
続するためのヴィアホールを開口し、WF6 、SiH4
ガスを用いてタングステンを選択的にヴィアホールへ堆
積し、プラグ26を形成した。続いて第3の下地配線層
20aとして、第1の下地配線層と同様にTi 50n
m、TiN 70nmの順にスパッタ法により堆積し
た。この下地配線層20aの上に本配線層20aとして
Al−Cu−Si合金をスパッタ法により1200nm
堆積して積層体の金属配線層を形成した。
フィ技術とRIE技術により加工し、第3の金属配線2
0を形成した。続いてシンター熱工程として450℃5
分の熱処理を行った。
(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中にて400℃で4
00nm堆積し、リードワイヤあるいはボンディングワ
イヤ接続用の開口部をリソグラフィ技術とRIE技術で
形成した。この結果、図15に示すような3層の多層金
属配線部が得られた(但しリードワイヤ接続用開口部は
図示されていない)。このとき図15のB−B’線に沿
った断面の各構成元素の濃度分布は図17のように第2
の実施例と同様な結果を示した。このようにして形成さ
れた表面層の金属配線に対し、第2の実施例と同様にボ
ンディングテストを行い、ボンディングによるパッド剥
がれ不良が生じないことが確認された。
るものではなく、種々の変形を採り得る。例えば3層配
線の第1層と第2層の配線層の間の絶縁層を第1の実施
例の方法で製作し、第2層と第3層の配線層間の絶縁層
を第2の実施例の方法を用いてもよい。
タン系金属を下地層とする積層型配線層の接着強度を、
下地層に含まれる弗素濃度に着目して改良した。前記下
地層と前記絶縁膜との接着メカニズムをさらに解析した
結果次のような事実を発見した。図1の円Sで示された
金属配線下地層と絶縁膜の境界を拡大すると、図18の
顕微鏡写真に示すように厚さ数nmの反応層30が介在
する。反応層30は絶縁膜15中に含まれるSiO2 と
下地層のTiが反応し、Tix Siy Oz なる反応物
を形成して構成されたものと思われる。本発明の実施例
1により得られた反応層と弗素除去処理を行わない従来
技術により得られた反応層の構成元素をEDXにて分析
したところ、表1に示す結果が得られた。
およびOに対するTiの比率を算出したものを表2に示
す。
においては、Siに対するTiの比率が0.2以下(T
i/Si<0.2)、Oに対するTiの比率も0.2以
下(Ti/O<0.2)と非常に小さいことがわかる。
一方弗素除去をしない従来技術による反応層では、いず
れの比率も0.8以上と大きい。
との関係を調査した結果、図19に示す結果が得られ
た。良好なボンディング状態と考えられている3g以上
の強度は、3.5nm以下の反応層において得られてい
る。ボンディング強度が7.5gに対応する反応層の構
成元素比をEDX分析した結果を図20に示す。反応層
におけるTiの量は、Si,Oに対して100%以下で
あることがわかる。ボンディング強度が1.5gに対応
する反応層の構成元素比をEDX分析した結果を図21
に示す。反応層におけるTiの量は、Si、Oの量を一
部を除き大幅に上回っていることがわかる。なお図2
0、21において横軸は測定点の位置関係を模式的に表
したもので、実際の距離は表していない。反応層30の
厚さは、図20の場合で2〜3nm、図21の場合で4
〜6nmである。
Si、Ti/Oの値を算出して、本発明と弗素除去処理
を行わない従来技術との比較をしたものである。少なく
とも反応層の膜厚の中央部において、本発明による上記
2種の元素比率は1.0以下であり、従来品は1.0以
上である。すなわちSiとOに対しTiの比率が小さい
反応層では接着強度が勝るという特徴的な関係が明らか
になった。このメカニズムは未だ明確ではないが、Ti
層に対するFの拡散が大きく関係しているためと考えら
れる。以上の知見から下地層の接着強度を上げるために
は、前記反応層へのFの拡散を防止すれば良いことが予
見された。以下の実施例は、このF拡散防止を達成する
ために前記実施例1ないし4とは異なる観点から考案さ
れたものである。
例に係る半導体装置の金属配線部の拡大図を示す。図に
おいてSi基板11上に第1の絶縁膜(SiO2 )12
が形成され、その表面の1部に第1の金属配線13が形
成されている。この金属配線13はチタン系金属の下地
層13aと例えばAl−Cu−Si合金の本配線層13
bとから成る積層体の配線である。前記第1の絶縁膜1
2のその他の領域上には第2の絶縁膜15が形成されて
いる。この絶縁膜15はSi−F基を含有するSiO2
膜である。本実施例の特徴的なことは、この絶縁膜15
の上に第1の弗素拡散抑制膜31を形成することにあ
る。この弗素拡散抑制膜31は、絶縁膜であっても導電
膜であってもよい。絶縁膜であれば、SiN膜、SiH
4 系ガスで成膜したSiH4-SiO2 膜、さらにSiN
成膜中に酸素を添加したSiON等が使用できる。導電
膜であれば、多結晶シリコン膜、W系・Ti系・Co系
・Ni系等の金属シリサイド膜、さらにAl系・Cu系
の金属膜等があげられる。あるいはこれらの積層構造で
あってもよい。
接続用の配線領域(ボンディングパッド)となる部分の
下に選択的に配置するように加工した後、その上および
第2の絶縁膜15の上に第3の絶縁膜18がたとえばS
iO2 で形成されている。前記金属配線13上には、ヴ
ィア配線として例えばタングステン(W)によるプラグ
16が形成され、前記第2の絶縁膜15および第3の絶
縁膜18を貫通して、第3の絶縁膜18の表面に電極が
引き出されている。
が形成されており、その1部はプラグ16に接続されて
いる。この金属配線17もチタン系金属の下地層17a
と例えばAl−Cu−Si合金の本配線17bとから成
る積層体の配線である。この絶縁膜18と金属配線17
は第4の絶縁膜(パッシベーション膜)19で覆われる
ことにより、表層金属配線部が構成される。
された。まず第1実施例の図2(a)および図2(b)
に示したと全く同じ方法で基板11上に、第1の絶縁膜
12、第1の金属配線13、第2の絶縁膜15が形成さ
れた。
基15aを含有する第2の絶縁膜15上に弗素拡散抑制
膜31として、例えば絶縁膜SiNを減圧プラズマCV
D法により200nm堆積した。続いて、後に形成され
るボンディングワイヤ接続用のパッド部の下部となる領
域のみに前記SiN膜を残すように、リソグラフィ技術
とCDEもしくはRIE技術を用いて前記SiN膜を加
工した。この弗素拡散抑制膜31として、SiH4-S
iO2 膜やSiON膜あるいは多結晶シリコン膜や金属
膜を用いる場合も同様となり、リソグラフィ技術を用い
て、ボンデイングパッド下領域にのみこれらを選択的に
配置するように加工される。続いて、TEOS、酸素
(O2 )ガスを用いて第3の絶縁膜18を減圧プラズマ
中にて300nm堆積した。
配線と第2の金属配線を接続するためのヴィアホールを
開口し、WF6 、SiH4 ガスを用いてタングステンを
選択的にヴィアホールへ堆積し、プラグ16を形成し
た。続いて第2の下地金属層17aとして、第1の下地
配線層と同様にTi 50nm、TiN 70nmの順
にスパッタ法により堆積した。この下地配線層17aの
上に本配線層17bとしてAl−Cu−Si合金をスパ
ッタ法により1200nm堆積して積層体の金属配線層
を形成した。続いてこの積層体の金属配線層をリソグラ
フィ技術とRIE技術により加工し、第2の金属配線1
7を形成した。続いてシンター熱工程として450℃5
分の熱処理を行った。
(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中にて400℃で4
00nm堆積し、ボンディングワイヤ接続用の開口部3
2をリソグラフィ技術とRIE技術で形成した。この結
果図23に示す表面金属配線部が得られた。
17と第3の絶縁膜18の界面近傍を解析したところ、
図18に示したような反応層30が形成されているのが
確認された。反応層の厚みは、図24(d)のC−C’
線においては、2.6nm、D−D’線においては4.
1nmであった。また反応層における構成元素の比率を
EDXで分析したところ、C−C’線の反応層の膜厚中
央部においてはTi/SiおよびTi/O構成比率がい
ずれも0.3程度と小さいのに対し、D−D’線の反応
層においては、いずれも1より大きかった。即ちTiと
SiO2 の密着性を高めたい領域(ボンデイングパッド
領域)において、Tiの構成比率が小さくなっているの
が確認された。また図18のTi下地層17aおよび反
応層30中の弗素濃度を調べたところ、1×1020atom
s/cm3 未満であった。
を、超音波ボンディング試験に供した。ICチップ上に
設けられた、上記第2の金属配線17と同一構成のボン
ディングパッド(50×80μm)と、このICチップ
が搭載されたパッケージ部品と端子との間に、線径25
μmの金属線を所定の超音波出力、荷重のもとにワイヤ
ボンディングを行った。100個のボンディングワイヤ
に対し引張試験を実施し、ボンディングパッドと絶縁膜
18との界面で発生する剥がれ不良の有無を調べたとこ
ろ、剥がれ不良は皆無であった。この結果よりTi/S
iおよびTi/O構成比率が1.0より小となる技術を
用いることにより、金属配線下地層17aと絶縁層18
の密着性を向上させる上で効果があることが明かになっ
た。
実施例に係る半導体装置の金属配線部の拡大図を示す。
図25においてシリコン基板11上に第1の絶縁膜(S
iO2 )12が形成され、その表面の1部に第1の金属
配線13が形成されている。この金属配線13はチタン
系金属の下地層13aと例えばAl−Cu−Si合金の
本配線13bとから成る積層体の配線である。前記第1
の絶縁膜12のその他の領域上には第2の絶縁膜15が
形成されている。この絶縁膜15はSi−F基15aを
含有するSiO2 膜である。本実施例の特徴的なこと
は、この絶縁膜15を部分的に除去することにある。T
iとSiO2 の密着性を高めたい領域であるボンディン
グワイヤ接続用配線領域となる部分の前記絶縁膜15を
リソグラフィ技術とCDEもしくはRIE技術等によ
り、前記領域での前記絶縁膜15の一部あるいは全部を
選択的に除去する。例えば絶縁膜15の通常の厚みが8
00nmである場合に、ボンディングパッド下の領域で
は、600nm分除去する。絶縁膜15の厚みを全体的
に薄くすることも考えられるが、配線層間のキャパシタ
ンスが増加して高速動作に支障がでるので、ボンディン
グパッド下のみ薄くするのが望ましい。ボンディングパ
ッド下の絶縁膜の望ましい膜厚は、100ないし600
nmであり、さらに望ましくは200ないし500nm
である。
された。まず第1実施例の図2(a)および図2(b)
に示したと全く同じ方法で基板11上に、第1の絶縁膜
12、第1の金属配線13、第2の絶縁膜15が形成さ
れた。ただし本実施例では第2の絶縁膜15の膜厚を8
00nmとした。
ディングパッドが形成される領域の下となる部分の前記
絶縁膜15をリソグラフィ技術とCDEもしくはRIE
技術等により、600nm選択的に除去する。続いてT
EOS、酸素(O2 )ガスを用いて第3の絶縁膜18を
減圧プラズマ中にて300nm堆積した。
配線と第2の金属配線を接続するためのヴィアホールを
開口し、WF6 、SiH4 ガスを用いてタングステンを
選択的にヴィアホールへ堆積し、プラグ16を形成し
た。続いて第2の下地金属層17aとして、第1の下地
配線層と同様にTi 50nm、TiN 70nmの順
にスパッタ法により堆積した。この下地配線層17aの
上に本配線層17bとしてAl−Cu−Si合金をスパ
ッタ法により1200nm堆積して積層体の金属配線層
を形成した。続いてこの積層体の金属配線層をリソグラ
フィ技術とRIE技術により加工し、第2の金属配線1
7を形成した。続いてシンター熱工程として450℃5
分の熱処理を行った。
(O2 )ガスを用い、減圧プラズマ中にて400℃で4
00nm堆積し、ボンディングワイヤ接続用の開口部3
2をリソグラフィ技術とRIE技術で形成した。この結
果図25に示す表面金属配線部が得られた。
17と第3の絶縁膜18の界面近傍を解析したところ、
図18に示したような反応層30が形成されているのが
確認された。反応層の厚みは、図25のE−E’線にお
いては、2.7nm、F−F’線においては4.0nm
であった。また反応層における構成元素の比率をEDX
で分析したところ、E−E’線の反応層においてはTi
/SiおよびTi/O構成比率がいずれも0.3程度と
小さいのに対し、F−F’線の反応層においては、いず
れも1より大きかった。即ちTiとSiO2 の密着性を
高めたい領域において、Tiの構成比率が小さくなって
いるのが確認された。
を、超音波ボンディング試験に供した。ICチップ上に
形成された、上記第2の金属配線17と同一構成のボン
ディングパッド(50×80μm)と、このICチップ
が搭載されたパッケージ部品の端子との間に、線径25
μmの金属線を所定の超音波出力、荷重のもとにワイヤ
ボンディングを行った。100個のボンディングワイヤ
に対し引張試験を実施し、ボンディングパッドと絶縁膜
18との界面で発生する剥がれ不良の有無を調べたとこ
ろ、剥がれ不良は皆無であった。この結果よりSi−F
基を含有する絶縁膜15の膜厚を減少させることによっ
ても、金属配線下地層17aと絶縁層18の密着性を向
上させる上で効果があることが明かになった。これは、
拡散の元になる弗素の含有量が、薄い膜厚の層ではもと
もと少ないことに依る。
ではなく、配線層が3層以上の多層配線においては、表
面配線層のみ第5もしくは第6の実施例の方法を用い、
他の下層は実施例1ないし4の方法あるいは従来技術に
よって多層配線を構成してもよい。また実施例5と6の
製造方法において、Si−F含有絶縁膜15と金属配線
17の間にSi−Fを含有しない絶縁膜18を介在させ
たが、これを省略することもできる。ただし弗素の金属
配線層17中への拡散を確実に抑制するためには、Si
ーFを含有しない絶縁膜18を介在させることが望まし
い。
いた例を示したが、基板はシリコンに限られるものでは
なく、SOI基板やSOS基板であってもよい。
縁膜に対し、(1)加熱処理あるいはプラズマ処理を行
って遊離弗素や結合エネルギーが不安定状態をとる弗素
化合結合基を除去する、(2)前記絶縁膜上に弗素拡散
抑制膜を設ける、(3)前記絶縁膜の膜厚を薄くすると
いった加工を行い、その後この絶縁膜上にTiを含む金
属配線を形成している。この結果このTiと絶縁膜の界
面での弗素濃度を1×1020atoms/cm3 未満とすること
により、あるいはその界面に形成される反応層において
SiおよびOに対するTiの比率を1.0以下とするこ
とにより、絶縁膜とTi系金属配線層との密着性を向上
し、両者間において剥がれ等が生じない信頼性の高い半
導体装置を得ることができる。
断面図。
に示した半導体装置の断面図。
続く段階を示した半導体装置の断面図。
素の濃度プロファイル。
断面図。
に示した半導体装置の断面図。
続く段階を示した半導体装置の断面図。
素の濃度プロファイル。
界面における弗素濃度とボンディングパッド剥がれ発生
率との関係を示すグラフ。
部断面図。
た半導体装置の断面図。
1に続く段階を示した半導体装置の断面図。
成元素の濃度プロファイル。
部断面図。
た半導体装置の断面図。
5に続く段階を示した半導体装置の断面図。
成元素の濃度プロファイル。
た反応層を示す顕微鏡写真。
示したグラフ。
る主要元素の構成比を示したグラフ。
る主要元素の構成比を示したグラフ。
に対する比率を、本発明と従来技術を比較して示したグ
ラフ。
要部断面図。
を示した半導体装置の断面図。
要部断面図。
を示した半導体装置の断面図。
配線の剥がれを説明した図。
成元素の濃度プロファイル。
の金属配線、13a…第1の下地配線層、13b… 第
1の本配線層、15…第2の絶縁層、15a…Si−F
結合基、16…プラグ、17…第2の金属配線、17a
…第2の下地配線層、17b…第2の本配線層、19…
第3の絶縁層、30…反応層、31…弗素拡散抑制膜
Claims (17)
- 【請求項1】 基板と、 この基板の上部に形成されたSi−F結合基を含有する
絶縁膜と、 この絶縁膜上に形成されたチタン系金属配線層を有し、 前記チタン系金属配線層における弗素濃度が、1×10
20atoms/cm3未満であることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 前記絶縁膜中の弗素濃度が、膜厚方向で
略均一であることを特徴とする請求項1記載の半導体装
置。 - 【請求項3】 前記絶縁膜中の弗素濃度が、前記下地層
より離れるに従って大となる分布を有することを特徴と
する請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項4】 前記絶縁膜は、その膜中の弗素濃度が1
×1021atoms/ cm3以上である領域を有することを特徴
とする請求項1、2または3に記載の半導体装置。 - 【請求項5】 前記絶縁膜が単層膜であることを特徴と
する請求項1、2または3に記載の半導体装置。 - 【請求項6】 前記絶縁膜が積層膜であることを特徴と
する請求項1、2または3に記載の半導体装置。 - 【請求項7】 前記絶縁膜が炭素を含有することを特徴
とする請求項1、2、3または4に記載の半導体装置。 - 【請求項8】 前記チタン系金属配線層がチタン窒化物
からなり、このチタン窒化物の膜中の弗素濃度が2×1
018atoms/cm3 未満となることを特徴とする請求項1、
2、3、4、5または6記載の半導体装置。 - 【請求項9】 基板と、 この基板の上部に形成されたSi−F結合基を含有する
絶縁膜と、 この絶縁膜上に形成されたチタン系金属配線層を有し、 前記絶縁膜と前記下地層との間に、少なくともチタン、
シリコン、および酸素を含む反応層が形成され、前記反
応層は少なくとも前記反応層の膜厚の中央部において、
チタン濃度がシリコンおよび酸素のいずれの濃度に対し
ても1以下である部分を含むことを特徴とする半導体装
置。 - 【請求項10】 前記反応層中のチタン濃度がシリコン
および酸素のいずれの濃度に対しても1以下である部分
が、ボンディングパッド下であることを特徴とする請求
項9に記載の半導体装置。 - 【請求項11】 前記反応層中のチタン濃度がシリコン
および酸素のいずれの濃度に対しても1以下である部分
が含有する弗素濃度、および前記金属配線中の弗素濃度
が、1×1020atoms/cm3 未満であることを特徴とする
請求項9に記載の半導体装置。 - 【請求項12】 前記反応層中のチタン濃度がシリコン
および酸素のいずれの濃度に対しても1以下である部分
の平均膜厚が、3.5nm以下であることを特徴とする
請求項9、10、または11に記載の半導体装置。 - 【請求項13】 前記反応層中のチタン濃度がシリコン
および酸素のいずれの濃度に対しても1以下である部分
は、その直下に弗素拡散抑制膜を具備することを特徴と
する請求項9、10、11、または12に記載の半導体
装置。 - 【請求項14】 前記弗素拡散抑制膜は、シリコン、シ
リコン窒化物、シリコン酸化物、金属およびこれらの積
層物のいずれか1つからなることを特徴とする請求項1
3に記載の半導体装置。 - 【請求項15】 前記反応層中のチタン濃度がシリコン
および酸素のいずれの濃度に対しても1以下である部分
は、その直下の前記絶縁膜の膜厚が他の部分の膜厚より
も薄いことを特徴とする請求項9、10、11、または
12に記載の半導体装置。 - 【請求項16】 基板上にSi−F結合基を含む絶縁膜
を形成する工程と、 前記絶縁膜に熱処理を施して、遊離した弗素およびその
化合物を前記絶縁膜外部へ拡散させる工程と、 前記絶縁膜上にチタン系金属配線層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項17】 第1領域および第2領域を有する基板
と、 前記基板上に形成され、前記第1領域上で第1の膜厚を
有し、前記第2領域上で前記第1の膜厚よりも大なる第
2の膜厚を有し、Si−F結合基を含有する第1の絶縁
膜と、 前記第1の絶縁膜上に形成されたチタン系金属配線層
と、 前記第1領域上の前記金属配線上に形成され、ボンディ
ングパッドを規定する開口を有する第2の絶縁膜と、 を具備することを特徴とする半導体装置。
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