JP2002289472A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JP2002289472A
JP2002289472A JP2001089479A JP2001089479A JP2002289472A JP 2002289472 A JP2002289472 A JP 2002289472A JP 2001089479 A JP2001089479 A JP 2001089479A JP 2001089479 A JP2001089479 A JP 2001089479A JP 2002289472 A JP2002289472 A JP 2002289472A
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electrolytic capacitor
valve metal
solid electrolytic
layer
electrode portion
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JP2001089479A
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Ryo Kimura
涼 木村
Katsumasa Miki
勝政 三木
Tatsuo Fujii
達雄 藤井
Yuji Mido
勇治 御堂
Hideki Masumi
英樹 益見
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波応答性と実装性に優れた固体電解コン
デンサを提供することを目的とする。 【解決手段】 片面と上面から下面にわたって多孔質化
されていない電極部2を必要数設けた多孔質化された弁
金属シート体3と、この弁金属シート体3の多孔質化さ
れた部分に形成された誘電体被膜と、この誘電体被膜上
に形成された固体電解質層とこの固体電解質層上に形成
された集電体層と上記電極部と集電体層とを電気的に絶
縁する絶縁部7とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に利用
される固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来における固体電解コンデンサとして
は、アルミニウムやタンタルなどの多孔質化された弁金
属シート体の厚み方向の片面あるいは中間の芯部を電極
部とし、この弁金属シート体の多孔質部の表面に誘電体
酸化被膜を形成し、その表面に機能性高分子などの固体
電解質層を設け、その固体電解質層の表面に集電体層、
この集電体層上に金属による電極層を設けてコンデンサ
素子を構成しこのコンデンサ素子を積層し、各コンデン
サ素子の電極部または電極層をまとめて外部端子に接続
し、この外部端子を表出するように外装を形成して構成
されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の固体電解コ
ンデンサにおいては、大容量化と等価直列抵抗(以下E
SRと称す)を下げることはできるが、一般的な固体電
解コンデンサと同様に、外部端子を介して回路基板上に
実装しなければならない。
【0004】このように半導体部品と同じように回路基
板に表面実装される固体電解コンデンサでは、実際の回
路を構成した状態でのESRや等価直列インダクタンス
(以下ESLと称す)特性が端子長や配線長が存在する
ために大きくなり、高周波応答性に劣るといった課題を
有するものであった。
【0005】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、半導体部品と直接接続でき、高周波応答性に優れた
大容量の固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、弁金属シート体の
片面から他方の面にわたって多孔質化されていない突起
状の電極部を必要数設けた多孔質化された弁金属シート
体と、この弁金属シート体の多孔質化された部分に形成
された誘電体被膜と、この誘電体被膜上に形成された固
体電解質層と、この固体電解質層上に形成された集電体
層と、上記電極部と集電体層とを電気的に絶縁する絶縁
部とからなる固体電解コンデンサであり、表面に電極部
と集電体層を有するため半導体部品を直接実装すること
ができて、高周波応答性に優れた固体電解コンデンサと
することができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、弁金属シート体
としてエッチングにより片面から他方の面にわたる突起
状の電極部を除いて多孔質化されたアルミニウム箔を用
いた請求項1に記載の固体電解コンデンサであり、生産
性に優れた構造を実現することができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、弁金属シート体
として弁金属箔と弁金属粉末の焼結体を用い、電極部と
して焼結された弁金属粉末自体を表出させるか、焼結体
に設けた凹部に弁金属導電体を充填して構成した請求項
1に記載の固体電解コンデンサであり、容量の大きなも
のを得ることができる。
【0009】請求項4に記載の発明は、固体電解質とし
て導電性高分子を用いた請求項1に記載の固体電解コン
デンサであり、より低ESRのものとすることができ
る。
【0010】請求項5に記載の発明は、固体電解質とし
て二酸化マンガンを用いた請求項1に記載の固体電解コ
ンデンサであり、確立された製造方法で安定した品質で
量産することができる。
【0011】請求項6に記載の発明は、電極部および集
電体層にそれぞれ接続される接続端子をコンデンサ素子
の同一面内に形成した請求項1に記載の固体電解コンデ
ンサであり、実装性に優れたものとすることができる。
【0012】請求項7に記載の発明は、電極部および集
電体層にそれぞれ接続される接続端子を交互に配列する
ように形成した請求項1に記載の固体電解コンデンサで
あり、より低ESLな性能を有するものとすることがで
きる。
【0013】請求項8に記載の発明は、多孔質化されて
いない面および電極部の表出面に別の金属層を形成して
一方の接続端子とした請求項1に記載の固体電解コンデ
ンサであり、この金属層を選択することにより接続端子
としての電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0014】請求項9に記載の発明は、多孔質化されて
いない面および電極部の表出面を粗面化し、この表出面
に別の金属層を形成して一方の接続端子とした請求項1
に記載の固体電解コンデンサであり、電極部に対する金
属層の接続強度を高めることができる。
【0015】請求項10に記載の発明は、集電体層上に
金属層を形成して他方の接続端子とした請求項1に記載
の固体電解コンデンサであり、接続の信頼性の向上と、
低ESLなものを得ることができる。
【0016】請求項11に記載の発明は、集電体層上に
開口部を形成した絶縁部を設け、この絶縁部の開口部に
金属層を設けて他方の接続端子とした請求項1に記載の
固体電解コンデンサであり、電極部側と集電体層側の接
続端子の絶縁の向上が図れるとともに他方の接続端子の
大きさを一定のものとすることができる。
【0017】請求項12に記載の発明は、電極部および
集電体層の上に形成した接続端子を接続バンプとした請
求項6または7に記載の固体電解コンデンサであり、実
装性に優れるとともに配線インピーダンスの低いものと
することができる。
【0018】請求項13に記載の発明は、コンデンサ素
子に外装を形成した請求項1に記載の固体電解コンデン
サであり、実装性に優れ、外力に対して補強を図ること
ができる。
【0019】請求項14に記載の発明は、アルミニウム
箔の片面と他方の面の突起状の電極部を形成する部分と
にレジスト膜を形成した後エッチング処理し、多孔質化
されない電極部を有する多孔質化された弁金属シート体
を形成し、この弁金属シート体の多孔質化された部分に
誘電体被膜を形成し、その後レジスト膜の周囲に絶縁部
を形成した後上記誘電体被膜上に固体電解質層を形成
し、さらにこの固体電解質層の上に集電体層を形成する
固体電解コンデンサの製造方法であり、高周波応答性に
優れたものを容易に生産することができる。
【0020】請求項15に記載の発明は、弁金属箔の片
面に弁金属粉末をシート状に焼結して弁金属シート体と
し、この弁金属シート体の片面に電極部となる部分を除
いて誘電体被膜を形成するか、もしくは弁金属シート体
にあらかじめ凹部を設けた部分に弁金属導電体を充填し
て電極部を形成し、この電極部を除いて他の部分に誘電
体被膜を形成し、その後上記電極部の表出部分の周囲に
絶縁部を形成した後誘電体皮膜上に固体電解質層を形成
し、さらにこの固体電解質層上に集電体層を形成する固
体電解コンデンサの製造方法の製造方法であり、大容量
で高周波応答性に優れたものを容易に生産することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の固体電解コンデン
サおよびその製造方法について実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0022】(実施の形態1)本発明の実施の形態1お
よび図1〜図4により請求項1,2,4〜6,8〜1
0,13に記載の発明を説明する。
【0023】図1は本発明の実施の形態1における固体
電解コンデンサの斜視図であり、図2は同断面図、図3
は同要部の拡大断面図、図4は同じく要部の拡大断面図
である。
【0024】図1〜図4において、1はシート状のコン
デンサ素子であり、このコンデンサ素子1は弁金属シー
ト体の片面と上面から下面にわたって多孔質化されてい
ない電極部2を複数個設けた多孔質化された弁金属シー
ト体3と、この弁金属シート体3の多孔質化された部分
の表面に誘電体被膜4を設け、この誘電体被膜4上に固
体電解質層5を設け、この固体電解質層5上に集電体層
6を設け、上記電極部2と誘電体被膜4、固体電解質層
5、集電体層6との間に設けた絶縁部7とにより構成さ
れている。
【0025】なお、このコンデンサ素子1として上記構
成であっても機能を発揮するが、上記電極部2の表出面
に別の金属層を形成して第1の接続端子8とし、絶縁部
7の周囲の集電体層6上に別の金属層を形成して第2の
接続端子9とすることが好ましい。このように構成され
たコンデンサ素子1の外周部にエポキシ樹脂などの外装
11をモールド成形によって形成して固体電解コンデン
サとしている。
【0026】上記弁金属シート体3としては、アルミニ
ウム箔を用いて箔の片面と電極部2に相当する部分を除
いてエッチングして多孔質化することで構成することが
でき、この弁金属シート体3の多孔質化された部分の表
面に形成する誘電体被膜4は、エッチングされたアルミ
ニウム箔を化成液中で陽極酸化することにより表面及び
孔表面に誘電体酸化被膜を形成して構成することができ
る。
【0027】また、固体電解質層5はポリピロールやポ
リチオフェンなどの機能性高分子を化学重合や電解重合
によって形成して導電性高分子層にしたものや、硝酸マ
ンガン溶液を含浸させてから熱分解することにより二酸
化マンガン層にしたもので構成することができる。
【0028】さらに集電体層6としては、カーボン層単
独あるいはカーボン層と銀ペースト層の積層構造とする
ことができる。また、絶縁部7としては、印刷性や撥水
性などに優れたシリコン樹脂を用いることができ、この
他にエポキシ樹脂、フッ素系樹脂を用いることもでき
る。
【0029】第1、第2の接続端子8,9としては銅、
半田、銀、金、ニッケルなどの金属を用いることがで
き、単層あるいはこれらの金属の積層構成としてもよ
い。
【0030】又、箔の表出面および電極部2の表出面に
第1の接続端子8を形成する場合、図4に示すように箔
の表出面および電極部2の表出面に凹凸部12を設けた
粗面加工を施すことにより、第1の接続端子8を強固に
箔の表出面および電極部2に結合でき、電気的接続の信
頼性を向上させることができる。
【0031】以上のように構成した固体電解コンデンサ
は、図1、図2に示すように上面に第1の接続端子8と
第2の接続端子9とが複数個ずつ設けられた構成とな
り、この上面に半導体部品を実装して利用することがで
きる。
【0032】この時、第1、第2の接続端子8,9の数
を半導体部品の接続バンプの数と一致させるか、それ以
上の数となるように設定し、半導体部品の接続バンプの
数より多い数としたときは、この固体電解コンデンサの
片面上に半導体部品の他にチップ抵抗器、チップコンデ
ンサ、チップインダクターなどのチップ部品を実装して
回路モジュール化することもできる。
【0033】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2により請求項7,11,12に記載の発明について説
明する。図5は実施の形態2における固体電解コンデン
サの上面図、図6は図5のA−A’断面図である。
【0034】この実施の形態2において、基本的な構成
は実施の形態1と同様であり、異なる点は第1の接続端
子8および第2の接続端子9上に半導体部品との接続を
容易にするため、金、半田あるいは錫から成る接続バン
プ13,14を設けた構成とした点にある。
【0035】この接続バンプ13,14はバンプピッチ
を一定に保つために接続バンプ14を形成する部分に開
口部15を設けた絶縁膜16を設けてから形成される。
【0036】このようにシート状の固体電解コンデンサ
の同じ面内に第1と第2の接続端子8,9を交互に配置
することによって低ESR化とともに低ESL化が図
れ、高周波でのインピーダンス特性を大きく改善でき、
その結果、高周波応答性の優れたものとすることができ
る。
【0037】図6に示すものはシート状の固体電解コン
デンサを示し、片面に接続バンプ13,14を設けた構
成としている。
【0038】このように実施の形態2の固体電解コンデ
ンサは、第1と第2の接続端子8,9上に接続バンプ1
3,14を設けることにより、半導体部品の実装および
回路基板への実装が容易になるとともに、より小型で容
量の大きな固体電解コンデンサを得ることができるため
に、部品の小型化と実装の効率化を図ることができる。
【0039】(実施の形態3)次に本発明の実施の形態
3により請求項3に記載の発明について説明する。図7
は実施の形態3の固体電解コンデンサを示す要部の断面
図である。
【0040】この実施の形態3におけるコンデンサ素子
1はタンタル箔10の上面にタンタル粉末をシート状に
形成し、これを焼結して弁金属シート体3とし、この弁
金属シート体3の粉末の焼結体面に形成する電極部2と
する部分に化成液が侵入しないようにして陽極酸化をし
て、他の部分に誘電体酸化被膜からなる誘電体被膜を形
成し、この誘電体被膜の上に導電性高分子あるいは二酸
化マンガンなどの固体電解質層、さらにこの固体電解質
層上にカーボンや銀ペーストの集電体層を形成し、上記
電極部2の表出面の周囲に絶縁部7を設け、この絶縁部
7内に電極部2と接続された第1の接続端子8を設け、
絶縁部7の周囲に集電体層に接続された第2の接続端子
9を設けた構成となっている。
【0041】このようにして構成されたコンデンサ素子
1に外装11を形成して固体電解コンデンサを構成す
る。
【0042】以上のように弁金属粉末を用いるのはエッ
チングによって多孔質化されたアルミニウム箔を弁金属
シート体3としてコンデンサ素子1を構成するものに比
べて固体電解コンデンサとしての容量を大きくできる効
果が得られるためである。
【0043】なお、このような弁金属箔の上面に弁金属
の粉末を焼結した弁金属シート体3を構成するに当たっ
て、電極部2を形成するのに上述のように陽極酸化して
誘電体被膜を形成させないようにして形成する以外に、
あらかじめ片面に凹部を設け、この凹部に誘電体被膜の
形成されない壁面を形成し、この凹部に同種の弁金属粉
末を圧入して形成することもできる。
【0044】(実施の形態4)次に本発明の請求項14
に記載の発明である固体電解コンデンサの製造方法につ
いて図8〜図16を用いて説明する。
【0045】まず、図8に示すようにアルミニウム箔1
7を準備し、次に図9に示すようにアルミニウム箔17
の両面に耐薬品性のフォトレジストやマスキングテープ
などのレジスト膜18をアルミニウム箔の下面と電極部
を形成する上面の位置に形成し、レジスト膜18を硬化
させる。
【0046】次に図10に示すようにレジスト膜18を
形成したアルミニウム箔17を化学エッチングによりエ
ッチングしてレジスト膜18の形成されていない部分を
多孔質化してレジスト膜18の形成された部分にアルミ
ニウム箔17の片面と上面から下面にわたって電極部2
を形成した弁金属シート体3を形成する。
【0047】続いて図11に示すようにレジスト膜18
を残した状態で弁金属シート体3を化成液中に陽極酸化
させて電極部2を除く多孔質化された部分の表面に誘電
体被膜4を形成する。次に図12に示すようにレジスト
膜18の周囲に電極部2とこれから形成する集電体層6
との短絡を防止するために絶縁部7を印刷などにより形
成する。
【0048】続いて図13に示すようにレジスト膜1
8、絶縁部7を形成し、多孔質化部に誘電体皮膜4を形
成した弁金属シート体3をポリピロールを含む溶液に浸
漬し、続いて酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合により
誘電体被膜4上に薄くポリピロール層を形成し、このポ
リピロール層を形成したものをポリピロールを含む溶液
に浸漬して、ポリピロール層を+側、溶液中の電極を−
側として電解重合することにより、上記薄いポリピロー
ル層上に十分な厚さのポリピロール層を形成して固体電
解質層5を形成する。
【0049】その後、この固体電解質層5上にカーボン
層及び銀ペースト層などの集電体層6を形成した後、図
14に示すようにレジスト膜18を除去し、続いて図1
5に示すように表出した電極部2および集電体層6上に
金、銀、銅、ニッケルなどの電極材料を蒸着法、スパッ
タリング法、めっき法などによって形成して電極部2上
に第1の接続端子8、集電体層6上に第2の接続端子9
を形成してコンデンサ素子1を完成させる。
【0050】次に図16に示すようにコンデンサ素子1
の外周と下面に電気的絶縁膜としてエポキシ樹脂などを
用いて外装11を形成する。このとき下面の外装11は
必ずしも必要ではなく、接続端子として利用しても良
い。特に大きな電流を流すときには上記の接続端子から
電流を供給することによって大きな電流を流すことがで
きる。
【0051】以上のように本実施の形態4による固体電
解コンデンサの製造方法によれば、既に確立されている
アルミニウム箔を用いた機能性高分子の固体電解コンデ
ンサの製造プロセスに少しの工夫を加えることによって
簡単に生産することができ、信頼性に富んだ固体電解コ
ンデンサを得ることができる。
【0052】(実施の形態5)次に本発明の請求項15
に記載の発明である固体電解コンデンサの製造方法につ
いて図17〜図24を用いて説明する。
【0053】まず、図17に示すように弁金属であるタ
ンタル粉末をバインダーと混練したものをタンタル箔1
0の上面にシート状に成型し、これを脱バイ処理後所定
の温度で焼結してシート状の多孔質化されたタンタル焼
結体19を得る。このときタンタル箔とタンタル粉末も
焼結している。
【0054】次に図18に示すようにタンタル焼結体1
9の焼結面に電極部2を形成する位置にエポキシ樹脂な
どの樹脂材20を含浸させ、しかも電極部2を形成する
位置の外表面にレジスト膜18を印刷などにより形成
し、これらを硬化させた後、図19に示すように化成液
中にて陽極酸化処理をして電極部2を除く多孔質化され
た部分に誘電体被膜4を形成する。
【0055】続いて図20に示すように上記レジスト膜
18の周囲に絶縁部7を形成するために印刷などの手段
で樹脂材を形成し、この状態のものをポリピロールを含
む溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬して化学酸化重合
により誘電体被膜4の表面に薄くポリピロール層を形成
し、このポリピロール層を形成したものをポリピロール
を含む溶液に浸漬してポリピロール層を+側、溶液中の
電極を−側として電解重合することにより上記の薄いポ
リピロール層の上に十分な厚さのポリピロール層を形成
して固体電解質層5を形成し、その固体電解質層5上に
カーボン層、銀ペースト層などから成る集電体層6を形
成して図21のようにする。
【0056】次に図22に示すようにレジスト膜18を
除去し、図23に示すようにタンタル箔10の外表面と
絶縁部7で絶縁分離された状態で電極部2の外表面と集
電体層6の外表面上に金、銀、銅、ニッケルなどの電極
材料を蒸着、スパッタリング、メッキなどの方法で形成
してタンタル箔10および電極部2上に第1の接続端子
8、集電体層6上に第2の接続端子9を形成してコンデ
ンサ素子1を構成する。
【0057】最後に図24に示すように、エポキシ樹脂
などを射出成形によって外装11を形成して固体電解コ
ンデンサの完成品とする。
【0058】以上のようにシート状のタンタル焼結体1
9を用いる方法とすることで実施の形態4で示したアル
ミニウム箔を利用した固体電解コンデンサに比べて容量
の大きな固体電解コンデンサを提供することができる。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明の固体電解コンデン
サは構成されるため、半導体部品を直接接続できること
になり、高周波応答性に優れ、しかも容量の大きなもの
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における固体電解コンデ
ンサの斜視図
【図2】同断面図
【図3】同要部の拡大断面図
【図4】同要部の拡大断面図
【図5】本発明の実施の形態2における固体電解コンデ
ンサの上面図
【図6】同断面図
【図7】本発明の実施の形態3における固体電解コンデ
ンサを示す断面図
【図8】本発明の実施の形態4における固体電解コンデ
ンサの製造方法を示すアルミニウム箔の断面図
【図9】同アルミニウム箔にレジスト膜を形成した状態
の断面図
【図10】同アルミニウム箔を多孔質化した弁金属シー
ト体の断面図
【図11】同弁金属シート体に誘電体被膜を形成した状
態の断面図
【図12】同弁金属シート体に絶縁部を形成した状態の
断面図
【図13】同弁金属シート体に固体電解質層、集電体層
を形成した状態の断面図
【図14】同弁金属シート体からレジスト膜を除去した
状態の断面図
【図15】同弁金属シート体に第1、第2の接続端子を
形成してコンデンサ素子とした状態の断面図
【図16】同コンデンサ素子の外周と下面に外装を形成
した固体電解コンデンサの断面図
【図17】本発明の実施の形態5における固体電解コン
デンサの製造方法を示すタンタル焼結体の断面図
【図18】同タンタル焼結体に電極部を形成する工程の
断面図
【図19】同誘電体被膜を形成した状態の断面図
【図20】同絶縁部を形成した状態の断面図
【図21】同固体電解質層、集電体層を形成した状態の
断面図
【図22】同レジスト膜を除去した状態の断面図
【図23】同接続端子を形成してコンデンサ素子とした
状態の断面図
【図24】同コンデンサ素子に外装を形成して固体電解
コンデンサとした状態の断面図
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 電極部 3 弁金属シート体 4 誘電体被膜 5 固体電解質層 6 集電体層 7 絶縁部 8 第1の接続端子 9 第2の接続端子 11 外装 12 凹凸部 13,14 接続バンプ 15 開口部 16 絶縁膜 17 アルミニウム箔 18 レジスト膜 19 タンタル焼結体 20 樹脂材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 達雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 御堂 勇治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 益見 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁金属シート体の片面から他方の面にわ
    たって多孔質化されていない突起状の電極部を必要数設
    けた多孔質化された弁金属シート体と、この弁金属シー
    ト体の多孔質化された部分に形成された誘電体被膜と、
    この誘電体被膜上に形成された固体電解質層と、この固
    体電解質層上に形成された集電体層と、上記電極部と集
    電体層とを電気的に絶縁する絶縁部とからなる固体電解
    コンデンサ。
  2. 【請求項2】 弁金属シート体としてエッチングにより
    片面から他方の面にわたる突起状の電極部を除いて多孔
    質化されたアルミニウム箔を用いた請求項1に記載の固
    体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 弁金属シート体として弁金属箔と弁金属
    粉末の焼結体を用い、電極部として焼結された弁金属粉
    末自体を表出させるか、粉末焼結体に設けた凹部に弁金
    属導電体を充填して構成した請求項1に記載の固体電解
    コンデンサ。
  4. 【請求項4】 固体電解質として導電性高分子を用いた
    請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 固体電解質として二酸化マンガンを用い
    た請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 電極部および集電体層にそれぞれ接続さ
    れる接続端子をコンデンサ素子の同一面内に形成した請
    求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 電極部および集電体層にそれぞれ接続さ
    れる接続端子を交互に配列するように形成した請求項1
    に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 多孔質化されていない面および電極部の
    表出面に別の金属層を形成して一方の接続端子とした請
    求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 【請求項9】 多孔質化されていない面および電極部の
    表出面を粗面化し、この表出面に別の金属層を形成して
    一方の接続端子とした請求項1に記載の固体電解コンデ
    ンサ。
  10. 【請求項10】 集電体層上に金属層を形成して他方の
    接続端子とした請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 【請求項11】 集電体層上に開口部を形成した絶縁部
    を設け、この絶縁部の開口部に金属層を設けて他方の接
    続端子とした請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 【請求項12】 電極部および集電体層の上に形成した
    接続端子を接続バンプとした請求項6または7に記載の
    固体電解コンデンサ。
  13. 【請求項13】 コンデンサ素子に外装を形成した請求
    項1に記載の固体電解コンデンサ。
  14. 【請求項14】 アルミニウム箔の片面と、他方の面の
    突起状の電極部を形成する部分とにレジスト膜を形成し
    た後エッチング処理し、多孔質化されない電極部を有す
    る多孔質化された弁金属シート体を形成し、この弁金属
    シート体の多孔質化された部分に誘電体被膜を形成し、
    その後レジスト膜の周囲に絶縁部を形成した後、上記誘
    電体被膜上に固体電解質層を形成し、さらにこの固体電
    解質層の上に集電体層を形成する固体電解コンデンサの
    製造方法。
  15. 【請求項15】 弁金属箔の片面に弁金属粉末をシート
    状に焼結して弁金属シート体とし、この弁金属シート体
    の片面に電極部となる部分を除いて誘電体被膜を形成す
    るか、もしくは弁金属シート体にあらかじめ凹部を設け
    た部分に弁金属導電体を充填して電極部を形成し、この
    電極部を除いて他の部分に誘電体被膜を形成し、その後
    上記電極部の表出部分の周囲に絶縁部を形成した後、誘
    電体皮膜上に固体電解質層を形成し、さらにこの固体電
    解質層上に集電体層を形成する固体電解コンデンサの製
    造方法。
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