JP2002285933A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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JP2002285933A
JP2002285933A JP2001090209A JP2001090209A JP2002285933A JP 2002285933 A JP2002285933 A JP 2002285933A JP 2001090209 A JP2001090209 A JP 2001090209A JP 2001090209 A JP2001090209 A JP 2001090209A JP 2002285933 A JP2002285933 A JP 2002285933A
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pressure
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JP2001090209A
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Yoshio Toyoshima
善生 豊島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出ポート17内の残圧を均一にする従来の
均圧ポート60は、分配ポート18に対して90°ずれ
た位置に1つだけ設けられていたため、プランジャ11
とシリンダ13の間のクリアランスに大小の差が生じる
と、均圧ポート60からクリアランスへ漏れる燃料の量
が各気筒毎において不均量となってしまう。 【解決手段】 吐出ポート17内の残圧を一定に保つた
めの均圧ポート60は、分配ポート18が4つの吐出ポ
ート17のいずれかに連通している時に、分配ポート1
8と連通していない全ての吐出ポート17に連通するよ
うに90°間隔で設けられている。分配ポート18の反
対側の幅狭均圧ポート60aは、他の幅広均圧ポート6
0bよりも回転方向のポート幅が狭く設けられ、幅広均
圧ポート60bはほぼ同じ幅に設けられている。これに
よって、クリアランスに大小の差が生じても、各気筒毎
における燃料リークの不均量を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分配型の燃料噴射ポ
ンプに関する技術であり、特に電磁スピル弁を搭載した
燃料噴射ポンプに関する技術である。
【0002】
【従来の技術】分配型の燃料噴射ポンプは、図8に示す
ように、プランジャJ1 が分配ボディJ2 内を回転しな
がら往復動することにより、圧縮室J3 で圧縮された燃
料がプランジャJ1 内の分配ポートJ4 を通り、分配ボ
ディJ2 の各吐出ポートJ5 に順次分配供給される。
【0003】一方、燃料噴射ポンプとして、圧縮中の燃
料を高圧室J3 から溢流(スピル)して、噴射量や噴射
時期等を制御する電磁スピル弁J6 を用いた燃料噴射ポ
ンプがある。電磁スピル弁J6 で制御される噴射量は、
車両走行状態によって変化する。つまり、車両走行状態
によって燃料噴射弁の噴射終了圧が変動する。この結
果、燃料噴射弁に燃料を供給する吐出ポートJ5 内の残
圧が変動する不具合が生じる。このように残圧が変動す
ると、次回の燃料噴射弁の開弁タイミングが変化してし
まう。
【0004】そこで、図8に示すように、吐出ポートJ
5 内の残圧をプランジャJ1 とシリンダJ7 の間へ逃が
すための均圧ポートJ8 をプランジャJ1 に形成したも
のが知られてる。この均圧ポートJ8 は、図8に示すよ
うに、4気筒エンジンの場合、分配ポートJ4 に対して
90°ずれた位置に設けられており、燃料噴射が終了し
た吐出ポートJ5 内の圧力をプランジャJ1 とシリンダ
J7 の間のクリアランスJ9 へ逃がすように設けられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電磁スピル弁J6 を搭
載した燃料噴射ポンプでは、電磁スピル弁J6 の作動熱
および高温高圧燃料(スピル燃料)が電磁スピル弁J6
側を流れる。このため、燃料分配部分は、図8に示すよ
うに、電磁スピル弁J6 を中心に温度が高くなってお
り、電磁スピル弁J6 に近い側と離れた側とで温度差が
発生してしまう。すると、プランジャJ1 とシリンダJ
7 の間においても、図8(b)に示すように、クリアラ
ンスJ9 に大小の差が生じてしまう。
【0006】このようなクリアランスJ9 に大小の差が
生じた状態で燃料の分配が行われる際の不具合を、図9
(a)〜(d)を参照して説明する。なお、この図9で
は図示上側が温度が高くてクリアランスJ9 が大きい状
態を示すものである。分配ポートJ4 が第1気筒Aの吐
出ポートJ5 と連通している状態(a)では、分配ポー
トJ4 と均圧ポートJ8 が大きいクリアランスJ9 に連
通することになり、分配ポートJ4 と均圧ポートJ8 か
ら大きいクリアランスJ9 へ燃料が少量漏れる。分配ポ
ートJ4 が第2気筒Bの吐出ポートJ5 と連通している
状態(b)では、均圧ポートJ8 が大きいクリアランス
J9 に連通することになり、均圧ポートJ8 から大きい
クリアランスJ9 へ燃料が僅かに漏れる。
【0007】分配ポートJ4 が第3気筒Cの吐出ポート
J5 と連通している状態(c)では、分配ポートJ4 と
均圧ポートJ8 は大きいクリアランスJ9 に連通せず、
分配ポートJ4 と均圧ポートJ8 からクリアランスJ9
へは燃料はほとんど漏れない。分配ポートJ4 が第4気
筒Dの吐出ポートJ5 と連通している状態(d)では、
分配ポートJ4 が大きいクリアランスJ9 に連通するこ
とになり、分圧ポートから大きいクリアランスJ9 へ燃
料が僅かに漏れる。上記に示したように、プランジャJ
1 の回転位置によって分配ポートJ4 および均圧ポート
J8 からクリアランスJ9 へ漏れる燃料の量が不均量
(少量漏れる時と、僅かに漏れる時と、ほとんど漏れな
い時とがある)となってしまう。このため、各気筒の噴
射弁に同量の燃料供給圧を発生させることができなくな
り、エンジン振動が発生したり、排気ガス性能が悪化す
る不具合があった。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、プランジャとシリンダの間に温度
差によるクリアランスの不均一が発生しても、各気筒毎
における燃料リークの不均量を抑制し、各気筒の噴射弁
に同量の燃料供給圧を発生させることができる燃料噴射
ポンプの提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕請求
項1の手段を採用することにより、プランジャとシリン
ダの間のクリアランスに温度差による不均一が発生した
状態であっても、均圧ポートは、クリアランスの大きい
部分とクリアランスの小さい部分の両方に常に連通する
ため、各気筒毎における燃料リークの不均量を抑制でき
る。また、分配ポートの反対側の均圧ポートは、分配ポ
ートからの燃料リークを補正するため、この補正による
燃料リークによっても燃料リークの不均量を抑制でき
る。この結果、各気筒の噴射弁に同量の燃料供給圧を発
生させることができるようになり、エンジン振動発生お
よび排気性能の悪化を防止できる。
【0010】〔請求項2の手段〕請求項2の手段を採用
して、分配ポートの反対側の均圧ポートを、他の均圧ポ
ートよりも回転方向のポート幅を狭く設けることによ
り、各気筒毎における燃料リークの不均量を抑制でき
る。
【0011】〔請求項3の手段〕請求項3の手段を採用
して、分配ポートの反対側の均圧ポートを除く他の均圧
ポートのポート幅をほぼ同じ幅に設けることにより、各
気筒毎における燃料リークの不均量を抑制できる。
【0012】〔請求項4の手段〕請求項4の手段を採用
することにより、プランジャとシリンダの間に温度差に
よるクリアランスの不均一が発生した状態であっても、
均圧ポートは、クリアランスの大きい部分とクリアラン
スの小さい部分の両方に常に連通するため、各気筒毎に
おける燃料リークの不均量を抑制できる。この結果、各
気筒の噴射弁に同量の燃料供給圧を発生させることがで
きるようになり、エンジン振動発生および排気性能の悪
化を防止できる。
【0013】〔請求項5の手段〕請求項5の手段を採用
して、均圧ポートのポート幅をほぼ同じ幅に設けること
により、各気筒毎における燃料リークの不均量を抑制で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、実施例と
変形例を用いて説明する。 〔実施例〕図1〜図7は実施例を説明するための図面で
あり、まず電磁スピル式分配型の燃料噴射ポンプ1の構
成を図4および図5を参照して説明する。ディーゼルエ
ンジンE/Gの各気筒ごとに燃料を圧送する燃料噴射ポ
ンプ1には、ディーゼルエンジンE/Gによって回転駆
動されるドライブシャフト2が設けられており、そのド
ライブシャフト2の先端にドライブプーリ3が取り付け
られる。ドライブシャフト2の途中には、ベーン式の燃
料フィードポンプ4が設けられている。なお、図4、図
5で燃料フィードポンプ4は、90度だけ展開された形
で開示されている。
【0015】フィードポンプ4は、ドライブシャフト2
の回転に伴って回転駆動される。ドライブシャフト2の
基端側には、円盤状のシグナルロータ5が取り付けられ
ている。このシグナルロータ5の外周面には、図6に示
すように所定間隔毎(例えば5.625°角毎)に凸状
歯5α、5β・・が複数個配置されるものであって、そ
のシグナルロータ5にはディーゼルエンジンE/Gの気
筒数と同数の、すなわち4気筒であれば4ヵ所の欠歯部
5a〜5dが等角度間隔をもって形成されたものであ
る。この欠歯部5a〜5dは、凸状歯が欠けることによ
って所定間隔の欠歯角(例えば11.25°)を形成す
るものである。
【0016】シグナルロータ5とカムプレート7との間
には、ローラリング8が設けられている。このローラリ
ング8には、カムプレート7のカム山フェイス7aに対
向する複数のカムローラ9が取り付けられている。カム
山フェイス7aは、ディーゼルエンジンE/Gの気筒数
と同数設けられている。また、カムプレート7は、スプ
リング10によってカムローラ9に押し付けられてい
る。
【0017】カムプレート7は、燃料加圧用のプランジ
ャ11が取り付けられており、カップリング6を介して
ドライブシャフト2と一体回転する。ドライブシャフト
2の回転により、カムプレート7が回転されながら気筒
数と同数だけ図中左右方向に往復駆動され、それに伴っ
てプランジャ11が回転しながら同方向へ往復駆動され
る。つまり、カム山フェイス7aがローラリング8のカ
ムローラ9に乗り上げる過程でプランジャ11が往動
(リフトアップ)され、逆にカム山フェイス7aがロー
ラリング8のカムローラ9を乗り下げる過程でプランジ
ャ11が復動(リフトダウン)される。
【0018】ポンプハウジング12に装着される分配ボ
ディ19には、プランジャ11が挿入した状態で配置さ
れるシリンダ13が組付けられている。そして、プラン
ジャ11の先端面とシリンダ13の底面を形成するヘッ
ドプラグ13aとの間が高圧室14となっている。プラ
ンジャ11の先端側の外周面には、気筒数と同数の吸入
溝15aが形成されている。この吸入溝15aは、プラ
ンジャ11が復動して高圧室14が減圧される時に、シ
リンダ13を含む分配ボディ19に形成された吸入ポー
ト15を介して後述する低圧室16に連通して、その低
圧室16の燃料を高圧室14に導くためのものである。
また、プランジャ11の先端側の内部には、圧縮された
燃料を分配ボディ19に形成された吐出ポート17に導
くための分配ポート18が形成されている。吐出ポート
17は、ディーゼルエンジンE/Gの気筒数だけ等間隔
(この実施例では90°間隔)にシリンダ13内に開口
するものである。
【0019】吐出ポート17の出口部分には、デリバリ
バルブ20が配置されている。このデリバリバルブ20
は、吐出ポート17から燃料圧送配管21へ圧送される
燃料の逆流を防ぐためのものであり、ある一定の燃料圧
力に達した際に開弁して、吐出ポート17に圧送された
高圧燃料を燃料圧送配管21へ導くものである。
【0020】また、ポンプハウジング12には、図示し
ない燃料タンクに連通されたインレット22が取り付け
られている。このインレット22は、フィードポンプ4
の吸入側と導入ポート23を介して連通する。なお、こ
の導入ポート23は、後述するタイマ装置24の内圧室
25にも連通されている。
【0021】ポンプハウジング12の内部には、フィー
ドポンプ4の導出ポート26から燃料の供給を受ける低
圧室16が形成されている。この低圧室16は、上述し
た高圧室14が吸引する燃料を蓄えるとともに、プラン
ジャ11、シリンダ13等の機械的な摺動部に燃料を満
たすものである。
【0022】導入ポート23の途中におけるフィードポ
ンプ4の入口付近には、フィルタ28が配置されてい
る。そして、ドライブシャフト2が回転されてフィード
ポンプ4が駆動されることにより、燃料は燃料タンクか
らインレット22を経て導入ポート23に導入され、フ
ィードポンプ4へ吸い込まれる。この時、燃料中に含ま
れる不純物がフィルタ28によって濾過される。そし
て、フィードポンプ4に吸い込まれた燃料は導出ポート
26に圧送されて低圧室16に供給される。
【0023】ここで、プランジャ11が復動されて高圧
室14が減圧される吸入行程では、プランジャ11の先
端外周に形成された吸入溝15aの1つが吸入ポート1
5を介して低圧室16に連通して、低圧室16の燃料が
高圧室14に吸入される。一方、プランジャ11が往動
して高圧室14が加圧される圧縮行程では、高圧室14
で加圧された高圧の燃料が、吐出ポート17、デリバリ
バルブ20、燃料圧送配管21を経て燃料噴射弁29に
圧送され、圧送された燃料の圧力がノズル開弁圧に達す
ると、その燃料噴射弁29が燃料を気筒内に噴射する。
【0024】分配ボディ19には、上述した吸入ポート
15の他に、高圧室14の高圧燃料を低圧室16に溢流
(スピル)するスピルポート30が形成されている。こ
のスピルポート30の途中には、スピルポート30を開
くことによって高圧室14で圧縮される燃料の一部を低
圧室16に逃がして、高圧室14から吐出ポート17に
圧送される燃料の圧送量を調整するための電磁スピル弁
31が設けられている。
【0025】この電磁スピル弁31は、常開型バルブで
あり、コイル32が無通電(OFF )の状態では弁体33
によりスピルポート30は開放され、高圧室14で圧縮
された燃料がスピルポート30を通って低圧室16にス
ピルする。一方、コイル32が通電(ON)されることに
より、弁体33がスピルポート30を閉塞して、高圧室
14から低圧室16への燃料のスピルが遮断される。
【0026】従って、電磁スピル弁31がON-OFF制御さ
れることによって、スピルポート30が開閉制御され、
高圧室14から低圧室16へのスピル量が制御される。
そして、プランジャ11の圧縮行程中に電磁スピル弁3
1が開弁されることにより、高圧室14内が減圧されて
燃料噴射が停止する。つまり、プランジャ11が往動し
ても電磁スピル弁31が開弁されている間は高圧室14
の内圧が上昇せず、燃料噴射が行われない。また、プラ
ンジャ11の往動中に電磁スピル弁31の開弁時期が制
御されることにより、燃料噴射時期が制御されることと
なり、気筒への燃料噴射量が制御される。
【0027】ポンプハウジング12の下側には、燃料噴
射時期を機械的に進角側あるいは遅角側へ調整するため
のタイマ装置24が設けられている。このタイマ装置2
4は、ドライブシャフト2の回転方向に対するローラリ
ング8の回転位置を変更させることにより、カム山フェ
イス7aがカムローラ9に乗り上げる時期および乗り下
げる時期、すなわちプランジャ11が往復動される時期
を変更させるものである。
【0028】このタイマ装置24は、油圧によって駆動
されるものであり、図4、図5において90度展開して
開示されるものである。タイマ装置24は、タイマハウ
ジング34と、その内部で軸方向へ移動可能に嵌め込ま
れたタイマピストン35とを備える。このタイマピスト
ン35は、スライドピン36を介してローラリング8に
連結されている。タイマピストン35の一端は、導入ポ
ート23に連通する内圧室25となっており、タイマハ
ウジング34の他端は加圧室37となっている。
【0029】タイマ装置24の内圧室25には、タイマ
ピストン35を加圧室37側に付勢するタイマスプリン
グ38が配置されている。一方、加圧室37には、フィ
ードポンプ4によって加圧された燃料が導入される。そ
して、その導入された燃料圧力とタイマスプリング38
の付勢力との釣合いによってタイマピストン35の位置
が決定される。このようにタイマピストン35の位置が
決定されることにより、ローラリング8の位置が決定さ
れ、プランジャ11が往復動される進角時期が決定され
る。
【0030】タイマ装置24の油圧制御としては、低圧
室16の燃料圧力が用いられている。この燃料圧力を調
整するために、タイマ装置24にはタイマ制御弁(以
下、TCV)39が設けられている。このTCV39
は、加圧室37と内圧室25との圧力差を制御するもの
であり、加圧室37と内圧室25とを連通する連通路4
0を開閉制御するものである。TCV39は、デューテ
ィ制御された電気信号により開閉して加圧室37と内圧
室25との圧力差を制御してタイマピストン35を駆動
し、プランジャ11の往復動時期を進角側あるいは遅角
側へ制御するものである。
【0031】ローラリング8の上部には、電磁ピックア
ップコイルを用いた回転角センサ41がシグナルロータ
5の外周面に対向して取り付けられている。この回転角
センサ41は、シグナルロータ5の凸状歯が横切る際の
磁界変化によってパルス信号を出力するものである。す
なわち、シグナルロータ5が回転すると、図6に示す凸
状歯5α、5β・・が回転角センサ41に対して接近・
離反するため、回転角センサ41が図7に示すように、
凸状歯5α、5β・・に応じたパルス信号NEを出力す
る。このパルス信号NEのうち、欠歯部5a〜5dによ
る幅広の谷部Dは各気筒の位置信号として利用されるも
のであり、その他のパルス信号NEは一定のクランク角
毎のエンジン回転信号として利用されるものである。ま
た、回転角センサ41は、一連のパルス信号NEを、エ
ンジン回転数を求めるための信号として出力する。
【0032】電磁スピル弁31およびTCV39を通電
制御するECU(電子制御装置)50には、エンジンの
運転状態を検出するために、上述した回転角センサ41
の他に、アクセルセンサ51、水温センサ52、ディー
ゼルエンジンE/Gのクランク軸における所定基準位置
(例えば上死点に対して設定されたTDC信号)を検出
するための基準位置センサ53等が接続されている。E
CU50は、周知部品によって構成されるコンピュータ
であり、図示しないCPU、RAM、ROM、AD変換
器、入力ポート、出力ポートなどからなる。
【0033】ECU50内に搭載されているROMに
は、電磁スピル弁31およびTCV39を制御するため
のプログラムが格納されている。電磁スピル弁31の制
御プログラムは、アクセルセンサ51で読み込んだアク
セル開度と、回転角センサ41で読み込んだ回転数によ
って電磁スピル弁31の開閉指令値を算出し、その値を
水温等によって開閉指令値を補正するものである。
【0034】TCV39の制御プログラムは、回転角セ
ンサ41で読み込んだ回転数と燃料噴射量から目標噴射
時期を算出するとともに、回転角センサ41で検出した
パルス信号NEによる回転角と基準位置センサ53で検
出したTDC信号との差から現在の噴射時期である実噴
射時期を算出し、その差が生じている時は、実噴射時期
が目標噴射時期になるようにTCV39をフィードバッ
ク制御するものである。
【0035】この実施例のように、電磁スピル弁31を
搭載した燃料噴射ポンプ1では、「発明が解決しようと
する課題」の欄でも説明したように、電磁スピル弁31
の作動熱、および高温高圧のスピル燃料が電磁スピル弁
31側の分配ボディ19に流れることにより、分配ボデ
ィ19は電磁スピル弁31を中心に温度が高くなってし
まい、図2に示すように、プランジャ11とシリンダ1
3の間にクリアランス61に差が生じてしまう。なお、
図2では図示上側が温度が高い側で、下側が温度が低い
側である。
【0036】一方、プランジャ11には、図1に示すよ
うに、噴射後の吐出ポート17に連通して、吐出ポート
17内の残圧をプランジャ11とシリンダ13の間のク
リアランス61へ逃がして、吐出ポート17内の残圧を
一定に保つための均圧ポート60が形成されている。こ
の均圧ポート60は、図2に示すように、分配ポート1
8が4つの吐出ポート17のいずれかに連通している時
に、分配ポート18と連通していない全ての吐出ポート
17に連通するように90°間隔で設けられている。こ
こで、分配ポート18の反対側の均圧ポート(以下、幅
狭均圧ポート60a)は、他の均圧ポート(以下、幅広
均圧ポート60b)よりも回転方向のポート幅が狭く設
けられている。また、分配ポート18の反対側の幅狭均
圧ポート60aを除く他の幅広均圧ポート60bは、回
転方向のポート幅がほぼ同じ幅に設けられている。
【0037】プランジャ11とシリンダ13の間に温度
差によってクリアランス61に差が生じた状態における
作動(クリアランス61への燃料リーク)を、図2
(a)〜(d)を参照して説明する。分配ポート18が
第1気筒Aの吐出ポート17と連通している状態(a)
では、分配ポート18と幅広均圧ポート60bが大きい
クリアランス61に連通することになり、分配ポート1
8と幅広均圧ポート60bからクリアランス61へ燃料
が少量漏れる。分配ポート18が第2気筒Bの吐出ポー
ト17と連通している状態(b)では、幅狭均圧ポート
60aと幅広均圧ポート60bが大きいクリアランス6
1に連通することになり、幅狭均圧ポート60aと幅広
均圧ポート60bからクリアランス61へ燃料が少量漏
れる。
【0038】分配ポート18が第3気筒Cの吐出ポート
17と連通している状態(c)では、幅狭均圧ポート6
0aと幅広均圧ポート60bが大きいクリアランス61
に連通することになり、幅狭均圧ポート60aと幅広均
圧ポート60bからクリアランス61へ燃料が少量漏れ
る。分配ポート18が第4気筒Dの吐出ポート17と連
通している状態(d)では、分配ポート18と幅広均圧
ポート60bが大きいクリアランス61に連通すること
になり、分配ポート18と幅広均圧ポート60bからク
リアランス61へ燃料が少量漏れる。
【0039】〔実施例の効果〕上記の作動で示したよう
に、プランジャ11の回転位置が変化しても、クリアラ
ンス61へ漏れる燃料のリーク量が全て均一化する。つ
まり、クリアランス61に差が生じても、各気筒毎にお
ける燃料リークの不均量を抑えることができる。このた
め、各気筒の燃料噴射弁29に同量の燃料供給圧を発生
させることができるようになり、エンジン振動の発生を
抑えることができるとともに、排気ガス性能の悪化を防
ぐことができる。
【0040】また、各幅広均圧ポート60bの幅を、ほ
ぼ同じ幅(ほぼ1:1)に設けたことにより、図3
(b)の実線に示すように、各気筒毎における燃料リー
クの不均量を抑制できる。なお、図3(b)の横軸は幅
広均圧ポート60bの幅の比率を示すものでり、縦軸は
各気筒毎における燃料リークの不均量を示すものであ
る。さらに、分配ポート18の反対側に幅狭均圧ポート
60aを設けたことにより、幅狭均圧ポート60aから
の燃料リークによって分配ポートからの燃料リークを補
正できるため、幅狭均圧ポート60aがない場合、つま
り図3(b)の破線に示す場合に比較して、燃料リーク
の不均量を抑制できる。
【0041】そしてさらに、幅狭均圧ポート60aの幅
を、図3(c)のの範囲に示すように、幅広均圧ポー
ト60bよりも狭く設けることにより、幅狭均圧ポート
60aからの燃料リーク量を適切、すなわち分配ポート
18からのリーク量とほぼ同じにでき、燃料リークの不
均量を効率的に抑制できる。なお、図3(c)の横軸は
幅広均圧ポート60bと幅狭均圧ポート60aの幅の比
率を示すものでり、縦軸は各気筒毎における燃料リーク
の不均量を示すものである。
【0042】〔変形例〕上記の実施例では、分配ポート
18が4つの吐出ポート17のいずれかに連通している
時に、分配ポート18と連通していない全ての吐出ポー
ト17に均圧ポート(幅狭均圧ポート60aと幅広均圧
ポート60b)が連通するように設けた例を示したが、
分配ポート18の反対側の幅狭均圧ポート60aを廃止
してもよい。この場合の各気筒毎の燃料リークの不均量
は上述したように図3(b)の破線で示されるものであ
るが、この場合であっても従来に比較して各気筒毎にお
ける燃料リークの不均量が低減できる。上記の実施例で
は、4気筒エンジンを例に示したが、他の多気筒エンジ
ンに燃料を供給するプランジャに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射ポンプにおける燃料分配部の説明図で
ある。
【図2】クリアランスへの燃料リークを示す説明図であ
る。
【図3】均圧ポートのポート幅の比と燃料リークの不均
量の関係を示すグラフである。
【図4】燃料噴射装置の概略図である。
【図5】燃料噴射ポンプの断面図である。
【図6】シグナルロータの詳細図である。
【図7】回転角センサの出力波形図である。
【図8】燃料噴射ポンプにおける燃料分配部の従来説明
図である。
【図9】クリアランスへの燃料リークを示す従来説明図
である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 11 プランジャ 13 シリンダ 14 高圧室 17 吐出ポート 18 分配ポート 19 分配ボディ 31 電磁スピル弁 60a 幅狭均圧ポート(分配ポートの反対側の均圧ポ
ート) 60b 幅広均圧ポート(他の均圧ポート) 61 クリアランス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴射燃料を圧縮する高圧室の容積を小さく
    するプランジャと、 このプランジャが挿通されるシリンダを備えた分配ボデ
    ィと、 この分配ボディに取り付けられ、前記高圧室内の燃料を
    溢流させる電磁スピル弁とを具備し、 前記プランジャが前記分配ボディ内を回転しながら往復
    動することにより、前記高圧室で圧縮された燃料が、前
    記プランジャ内に形成された分配ポートを通って、前記
    分配ボディに形成された複数の吐出ポートに順次分配供
    給される燃料噴射ポンプであって、 前記プランジャには、前記分配ポートが前記複数の吐出
    ポートのいずれかに連通している時に、前記分配ポート
    と連通していない全ての吐出ポートに連通し、それらの
    吐出ポート内の燃料圧力を、前記プランジャと前記シリ
    ンダとの間のクリアランスへ逃がす均圧ポートが設けら
    れていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】請求項1の燃料噴射ポンプにおいて、 前記分配ポートの反対側の前記均圧ポートは、他の均圧
    ポートよりも回転方向のポート幅が狭く設けられている
    ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の燃料噴射ポンプ
    において、 前記分配ポートの反対側の均圧ポートを除く他の均圧ポ
    ートは、回転方向のポート幅がほぼ同じ幅に設けられて
    いることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】噴射燃料を圧縮する高圧室の容積を小さく
    するプランジャと、 このプランジャが挿通されるシリンダを備えた分配ボデ
    ィと、 この分配ボディに取り付けられ、前記高圧室内の燃料を
    溢流させる電磁スピル弁とを具備し、 前記プランジャが前記分配ボディ内を回転しながら往復
    動することにより、前記圧縮室で圧縮された燃料が、前
    記プランジャ内に形成された分配ポートを通って、前記
    分配ボディに形成された複数の吐出ポートに順次分配供
    給される燃料噴射ポンプであって、 前記プランジャには、前記分配ポートが前記複数の吐出
    ポートのいずれかに連通している時に、前記分配ポート
    と連通していない全ての吐出ポートのうち、前記分配ポ
    ートの反対側を除く全ての吐出ポートに連通し、それら
    の吐出ポート内の燃料圧力を、前記プランジャと前記シ
    リンダとの間のクリアランスへ逃がす均圧ポートが設け
    られていることを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】請求項4の燃料噴射ポンプにおいて、 前記均圧ポートの全ては、回転方向のポート幅がほぼ同
    じ幅に設けられていることを特徴とする燃料噴射ポン
    プ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005006470A1 (ja) * 2003-07-15 2005-01-20 Techno Screw Co., Ltd. 燃料電池用の電極、該電極を用いた燃料電池、及び該電極の製造方法

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WO2005006470A1 (ja) * 2003-07-15 2005-01-20 Techno Screw Co., Ltd. 燃料電池用の電極、該電極を用いた燃料電池、及び該電極の製造方法

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