JP2002284790A - ルテニウム化合物、ジアミン配位子および光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

ルテニウム化合物、ジアミン配位子および光学活性アルコールの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ルテニウム化合物、そのジアミン配位子及び該
ルテニウム化合物を触媒として用いる光学活性アルコー
ル類の高立体選択的、高収率な製造方法を提供する。 【解決手段】式:Ru(X)(Y)(Px)n1[R12
*(NR34)−A−R56*(NR78)] 〔式中、X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、カルボキシル基、水酸基又はC1〜C20
アルコキシ基を表し、Pxは、ホスフィン配位子を表
し、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を
有してもよいC1〜C20アルキル基等を表す。Aは、
置換基を有していてもよくエーテル結合を有していても
よいC1〜C3アルキレン等を表わす。)で表される基
であり、*は不斉炭素原子であることを示し、n1は1
または2の整数を表す。〕で表されるルテニウム化合
物、式:R12*(NR34)−A−R56*(NR
78)で表されるジアミン化合物、及び該ルテニウム化
合物を用いて縮合環ケトン類又はα−アミノケトン類を
不斉水素還元する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルテニウム化合
物、該ルテニウム化合物の配位子として好適に用いられ
るジアミン化合物、及び該ルテニウム化合物を不斉還元
触媒として用いて、縮合環ケトン類又はα−アミノケト
ン類を不斉還元することを特徴とする光学活性アルコー
ル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性アルコール類は、医薬・農薬の
合成中間体として有用である。従来、縮合環ケトン類を
触媒的不斉還元することによって、対応する光学活性ア
ルコール類を得る方法としては、 イリジウム錯体を触媒に用いる水素化による方法
〔J.Am.Chem.Soc.,115,3318
(1993)〕、 ルテニウムを触媒に用いる水素移動による方法(特開
平10−130289号公報)、 ルテニウムを触媒に用いる水素化による方法(特開平
11−189600号公報)等が知られている。
【0003】また、α−アミノケトン類を水素化反応す
ることによって、対応する光学活性アミノアルコールを
得る方法としては、特願2000−208664号
や、J.Am.Chem.Soc.,122,510
(2000)に報告例がある。
【0004】しかしながら、の方法は、極めて高価な
イリジウム錯体を用いるため、コスト面から実用化は困
難であり、の方法は、水素源として蟻酸等の有機化合
物を用いなければならず、水素ガス等の安価な水素源を
用いる場合に比べ、操作的・コスト的に不利であり、
の方法は、ケトン類の不斉還元方法として優れたもので
あるが、環状ケトン類の不斉還元についての知見は従来
得られておらず、また、の方法は、α−アミノケトン
類の不斉還元に関するものであるが、触媒としては複数
の置換基を有する高価な2座ホスフィン配位子を用いな
ければ良好な結果が得られない等の問題があった。
【0005】従って、水素ガス等の安価な水素源を用い
て、縮合環ケトン類やα−アミノケトン類から対応する
光学活性アルコール類を高選択的、高収率に製造できる
不斉還元触媒の開発が望まれている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
に鑑みてなされたものであり、入手容易なルテニウム化
合物、該ルテニウム化合物の配位子として好適に用いる
ことができるジアミン化合物、及び該ルテニウム化合物
を不斉還元触媒として用いて、縮合環ケトン類又はα−
アミノケトン類を不斉還元して、対応する光学活性アル
コール類を高立体選択的、かつ高収率に製造する方法を
提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は第1に、一般式
(1): Ru(X)(Y)(Px)n1[R12*(NR34
−A−R56*(NR78)] 〔式中、X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、カルボキシル基、水酸基又はC1〜C20
アルコキシ基を表し、Pxは、ホスフィン配位子を表
し、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を
有してもよいC1〜C20アルキル基、置換基を有して
もよいC2〜C20アルケニル基、置換基を有してもよ
いC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有してもよい
アラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表
す。また、R1とR2のいずれかがR3とR4のいずれか
と、R5とR6のいずれかがR 7とR8のいずれかとが結合
して環を形成してもよい。Aは、置換基を有していても
よくエーテル結合を有していてもよいC1〜C3アルキ
レン、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアル
キレン、置換基を有していてもよいアリレンまたは置換
基を有していてもよい2価のヘテロ環を表わす。Aがア
ルキレンの場合はR1とR2のいずれかとR5とR6のいず
れかとが結合して環を形成してもよい。)で表される基
であり、*は不斉炭素原子であることを示し、n1は1
または2の整数を表す。〕で表されるルテニウム化合物
(請求項1)、一般式(1)中のジアミンが一般式
(2): [R12*(NR34)−A−R56*(NR34)] (式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6は請求項1
と同様である)であることを特徴とする請求項1記載の
ルテニウム化合物(請求項2)、一般式(1)中のジア
ミンが一般式(2’):[R12*(NR34)−A−
12*(NR34)](式中、A、R1、R2、R3
4は請求項1と同様である)であることを特徴とする
請求項1記載のルテニウム化合物(請求項3)、AがC
1〜C3アルキレンであることを特徴とする請求項1〜
3記載のルテニウム化合物(請求項4)、R 2、R3、R
4、R6、R7及びR8が水素原子である、請求項1、請求
項3または請求項4記載のルテニウム化合物である(請
求項5)。
【0008】本発明は第2に、一般式(2):R12
*(NR34)−A−R56*(NR34)〔式中、R
1〜R8、A及び*は、前記で示したいずれかの意味を表
す。〕で表されるジアミン化合物を提供する(請求項
6)。
【0009】本発明は第3に、一般式(3)又は
(3’)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、A環部は置換基を有してもよい3
〜8員環を表し、B環部は、置換基を有していてもよ
く、ヘテロ原子を含んでもよい、4〜8員環を表す。)
で表される縮合環ケトン類を、本発明のルテニウム化合
物のいずれか1種若しくは2種以上の存在下に、水素ガ
ス又は水素供与体を水素源として用いて不斉水素還元す
る工程を有することを特徴とする一般式(4)又は
(4’)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、A環部、B環部及び*は前記と同
じ意味を表す。)で表される光学活性アルコール類の製
造方法を提供する(請求項7)。
【0014】本発明は第4に、一般式(5):Ra−C
O−CH(Rb)−Rc〔式中、Ra及びRcは、それ
ぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいC1〜
C20アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C20
アルケニル基、置換基を有してもよいC3〜C8シクロ
アルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置
換基を有してもよいアリール基を表す。
【0015】Rbは、 一般式(6):R9CO(R11)N− 一般式(7):R9CO(R10CO)N− 一般式(8):R911N− で表されるいずれかの基を表す。(ここで、R9、R10
及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、ホルミル
基、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、置
換基を有してもよいC2〜C20アルケニル基、置換基
を有してもよいC1〜C20アルコキシ基、置換基を有
してもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有し
てもよいC3〜C8シクロアルコキシ基、置換基を有し
てもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
ルオキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換
基を有してもよいアリールオキシ基をそれぞれ表し、ま
た、R9とR11若しくはR9とR10は結合して、5〜8員
の含窒素ヘテロ環を形成してもよい。)〕で表されるα
−アミノケトン類を、本発明のルテニウム化合物のいず
れか1種若しくは2種以上の存在下に、水素ガス又は水
素供与体を水素源として用いて不斉水素還元する工程を
有する、一般式(10):Ra−C*H(OH)−CH
(Rb)−Rc〔式中、Ra、Rb、Rc及び*は前記
と同じ意味を表す。〕で表される光学活性β−アミノア
ルコール製造方法を提供する(請求項8)。
【0016】本発明のルテニウム化合物は、入手容易な
ルテニウム塩(化合物)を出発原料として用いるもので
あって、容易に製造をすることができる。また、本発明
のジアミン化合物は、本発明のルテニウム化合物の配位
子として好適に用いることができる。さらに、本発明の
光学活性アルコール類の製造方法によれば、該ルテニウ
ム化合物を不斉還元触媒として用い、縮合環ケトン類又
はα−アミノケトン類を出発原料として、医薬・農薬の
合成中間体として有用な前記一般式(4)、(4’)及
び(10)で表される光学活性アルコール類を、水素ガ
ス等の安価な水素源を用いて高立体選択的かつ高収率に
製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、一般式(1)で表されるルテニウム化合物、
該ルテニウム化合物の配位子として好適に用いること
ができる一般式(2)で表されるジアミン化合物、及
び該ルテニウム化合物を不斉還元触媒として用いて、一
般式(3)及び(3’)で表される縮合環ケトン類、又
は一般式(5)で表されるα−アミノケトン類を、不斉
還元して光学活性アルコール類を製造する方法である。
【0018】本発明は、一般式(1)で表されるルテニ
ウム化合物である。
【0019】一般式(1)において、Aは、メチレン、
エチレン、プロピレン等のC1〜C3のアルキレン;シ
クロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、
シクロヘキシレン等のC3〜C8のシクロアルキレン;
フェニレン、ナフチレン等のアリレン;または2価のヘ
テロ環を表し、該へテロ該としては、フラン、ピラン、
ジオキソラン、チオフェン、チオピラン、ピロール、イ
ミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、トリアゾー
ル、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、ピラジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾー
ル、ベンゾチアゾール、キノリン、インドリン、フェナ
ントロリン、ジオキソラン−2−オン、ジオキサン、オ
キサゾリジン、オキサゾリジノン、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロチオフェン、スルホラン等の飽和又は
不飽和のヘテロ環が挙げられる。また、アルキレン基は
任意の位置にエーテル結合を含んでいても良い。
【0020】これらの基は更に置換基を有していてよ
く、該置換基としては、メチル、エチル、プロピル等の
C1〜C6アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ等のC1〜C6アルコキシ基;フェニル、ナフチル等
のアリール基;フェノキシ等のアリールオキシ基;ベン
ジルオキシ基等のアラルキルオキシ基が挙げられる。
【0021】Aがアルキレンのとき、R1とR2のいずれ
かとR3とR4のいずれかが結合して環を形成してもよ
い。
【0022】Pxはホスフィン配位子を表す。Pxとし
ては、例えば、一般式:PRAB Cで表される単座ホ
スフィン配位子や、一般式:RDEP−W−PRFG
表される2座ホスフィン配位子等が挙げられるが、光学
活性であるのが好ましい。
【0023】一般式:PRABCで表される単座ホス
フィン配位子において、RA、RB及びRCは、それぞれ
独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル基等のC1〜C20アルキル基;置換基を
有してもよいフェニル基;シクロプロピル、シクロペン
チル、シクロヘキシル基等のC3〜C8シクロアルキル
基;等を表す。また、RA、RB及びRCのうちの2つが
結合して、置換基を有してもよい炭素環を形成してもよ
い。
【0024】前記フェニル基及び炭素環の置換基として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン
原子;水酸基;アミノ基;メチル、エチル、プロピル、
ブチル基等のC1〜C20アルキル基;エテニル、プロ
ペニル、ブテニル基等のC2〜C20アルケニル基;シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル基等のC
3〜C8シクロアルキル基;ベンジル、α−メチルベン
ジル、α,α−ジメチルベンジル基等のアラルキル基;
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル基等のアリール
基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ基等のC1〜C20アルコキシ基;アシ
ルオキシ基;アシル基;ヘテロ環基;等が挙げられる。
【0025】一般式:PRABCで表される単座ホス
フィン配位子の具体例としては、トリメチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィ
ン、トリ(p−トリル)ホスフィン、ジフェニルメチル
ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、イソプロピ
ルメチルホスフィン、シクロヘキシル(O−アニシル)
−メチルホスフィン、1−[2−(ジフェニルホスフィ
ノ)フェロセニル]エチルメチルエーテル、2−(ジフ
ェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナ
フチル等の3級ホスフィンが好適なものとして挙げるこ
とができる。また、エチルメチルブチルホスフィン、エ
チルメチルフェニルホスフィン、イソプロピルエチルメ
チルホスフィン等のRA、RB及びRCが3種とも異なる
置換基からなるホスフィン配位子を用いることもでき
る。
【0026】一般式:RDEP−W−PRFGで表され
る2座ホスフィン配位子において、RD、RE、RF及び
Gは、それぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等のC1〜C20アル
キル基;置換基を有してもよいフェニル基;又はシクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のC3
〜C8シクロアルキル基;等を表し、また、RDとRE
るいはRFとRGが結合して置換基を有してもよい炭素環
を形成してもよい。
【0027】前記フェニル基及び炭素環の置換基として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン
原子;水酸基;アミノ基;メチル、エチル、プロピル、
ブチル基等のC1〜C20アルキル基;エテニル、プロ
ペニル、ブテニル基等のC2〜C20アルケニル基;シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル基等のC
3〜C8シクロアルキル基;ベンジル、α−メチルベン
ジル、α,α−ジメチルベンジル基等のアラルキル基;
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル基等のアリール
基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ基等のC1〜C20アルコキシ基;アシ
ルオキシ基;アシル基;ヘテロ環基;等が挙げられる。
【0028】Wは、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、プロピレン基等のC1〜C5アルキレン基;シクロ
プロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シク
ロヘキシレン基等のC3〜C6シクロアルキレン基;フ
ェニレン、ナフチレン、1,1’−ビフェニル−2,
2’−ジイル、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイ
ル、1,1’−ビナフチル−7,7’−ジイル基等の置
換基を有してもよいアリレン基;エテニル、プロペニ
ル、イソプロペニル、ブテニル基等のC2〜C20アル
ケニル基;エチニル、プロピニル基等のC2〜C20ア
ルキニル基;を表す。
【0029】前記置換基を有してもよいアリール基の置
換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル基等のC1〜C20アルキル基;エテニル、プロペ
ニル、ブテニル等のC2〜C20アルケニル基;メトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ基等のC1〜C20アルコキシ基;等が挙げられ
る。
【0030】一般式:RDEP−W−PRFGで表され
る2座ホスフィン配位子の具体例としては、ビスジフェ
ニルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタ
ン、ビスジフェニルホスフィノプロパン、ビスジフェニ
ルホスフィノブタン、ビスジメチルホスフィノエタン、
ビスジメチルホスフィノプロパン等が挙げられる。
【0031】さらに本発明においては、2,2’−ビス
−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
(BINAP)、及びBINAPのナフチル環にアルキ
ル基やアリール基等の置換基をもつBINAP誘導体、
フッ素置換基を有するBINAP誘導体、リン原子上の
同一の2個のベンゼン環にそれぞれアルキルやアルコキ
シ基等の基置換基をそれぞれ1〜5個有するBINAP
等の誘導体等も好適な2座ホスフィン配位子として例示
できる。
【0032】これらの具体例としては、2,2’−ビス
−(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチ
ル(Tol−BINAP)、2,2’−ビス[ビス
(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’
−ビナフチル(Xylyl−BINAP)、1−
[1’,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニ
ル]エチルジアミン、2,2’−ビス−(ジシクロヘキ
シルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビ
フェニル、2,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブ
タン、1−シクロヘキシル−1,2−ビス−(ジフェニ
ルホスフィノ)エタン、1−置換−3,4−ビス−(ジ
フェニルホスフィノ)ピロリジン、2,3−O−イソプ
ロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス[(O
−メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン、置
換−1,2−ビス(ホスホラノ)ベンゼン、5,6−ビ
ス−(ジフェニルホスフィノ)−2−ノルボルネン、
N,N’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−N,N’
−ビス(1−フェニルエチル)エチレンジアミン、1,
2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,4
−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、[(5,
6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフ
ェニル−2,2’−ジイル]ビス(ジフェニルホスフィ
ン)、1,2−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)エ
タン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ペンタ
ン等が挙げられる。
【0033】なお、この発明に用いることのできるホス
フィン配位子は、安定してルテニウム化合物を形成し得
るものであれば、上記のものに限定されるものではな
い。
【0034】R1〜R8は、それぞれ独立して、水素原
子;メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘ
キシル基等の置換基を有してもよいC1〜C20アルキ
ル基(好ましくはC1〜C6のアルキル基);エテニ
ル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、
sec−ブテニル、t−ブテニル、ペンテニル、ヘキセ
ニル基等の置換基を有してもよいC2〜C20アルケニ
ル基(好ましくはC2〜C6のアルケニル基);シクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の置換
基を有してもよいC3〜C8シクロアルキル基;ベンジ
ル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、
α−エチルベンジル基等の置換基を有してもよいアラル
キル基;又は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル
基等の置換基を有してもよいアリール基;を表す。
【0035】前記C1〜C20アルキル基、C2〜C2
0アルケニル基、C3〜C8シクロアルキル基、アラル
キル基及びアリール基の置換基としては、例えば、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;水酸基;置
換若しくは無置換アミノ基;メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノ
ニル、デシル、ドデシル基等のC1〜C20アルキル
基;エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−
ブテニル、sec−ブテニル、t−ブテニル、1,3−
ブタジエニル、n−ペンテニル、2−ペンテニル、3−
ペンテニル、ヘキセニル基等のC2〜C20アルケニル
基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル基等のC3〜C8シクロアルキル基;ベ
ンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジ
ル、α−エチルベンジル基等のアラルキル基;フェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル基等のアリール基;メ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ基等の
C1〜C20アルコキシ基;アシルオキシ基;アシル
基;又はヘテロ環基;等が挙げられる。
【0036】前記置換アミノ基としては、例えば、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、フェニルアミノ、N−メチ
ル−N−フェニルアミノ基等の炭化水素基が1又は2個
置換したアミノ基;アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ
基等のアシルアミノ基;メタンスルホニルアミノ、トル
エンスルホニルアミノ基等のスルホニルアミノ基;N−
メチル−N−アセチルアミノ、N−エチル−N−アセチ
ルアミノ、N−メチル−N−ベンゾイルアミノ、N−エ
チル−N−アシルアミノ基等のN−アルキル−N−アシ
ルアミノ基;N−メチル−N−スルホニルアミノ基、N
−エチル−N−スルホニルアミノ基等のN−アルキル−
N−スルホニルアミノ基;フタルイミド基等の環状イミ
ド基;等が挙げられる。
【0037】前記アシルオキシ基としては、例えば、ア
セトキシ、エチルカルボニルオキシ、イソプロピルカル
ボニルオキシ基等のC1〜C12のアルキルカルボニル
オキシ基;ベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニル
オキシ基;フェニルメチルカルボニルオキシ基等のアラ
ルキルカルボニルオキシ基;等が挙げられ、前記アシル
基としては、例えば、プロパノイル、イソプロピルカル
ボニル基等のC1〜C12のアルキルカルボニル基、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキ
シカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル
基;フェニルメチルカルボニル基等のアラルキルカルボ
ニル基;等が挙げられる。
【0038】前記ヘテロ環基としては、例えば、フラニ
ル、ピラニル、ジオキソラニル基等の含酸素ヘテロ環
基;チエニル基等の含イオウヘテロ環基;ピロリル、イ
ミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾ
リル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピ
リジル、ピラダジル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾピラゾリル、ペンゾチアゾリル、キノリル、
アントラニル、インドリル、フェナントロニリル基等の
飽和若しくは不飽和の含窒素ヘテロ環基;等が挙げられ
る。
【0039】これらの置換基は、その置換位置、置換基
の種類、置換基の数等に特に制限はない。これらの中で
も、合成及び入手容易性の観点から、R2、R3、R4
6、R7及びR8が全て水素原子であるジアミン化合物
が好ましい。
【0040】また、本発明においては、R1とR2のいず
れかがR3とR4のいずれかと、あるいはR5とR6のいず
れかがR7とR8のいずれかと、あるいはR1とR2のいず
れかとR5とR6のいずれかとが結合して炭素環を形成し
たジアミン化合物を用いることもできる。
【0041】一般式(1)中、一般式:R12*(N
34)−A−R56*(NR78)で表されるジア
ミン配位子の好ましい具体例としては、光学活性2,4
−ジアミノペンタン、光学活性2,5−ジアミノヘキサ
ン、光学活性ビス(2−アミノプロピル)エーテル、光
学活性ビス(2−アミノ−2−フェニルエチル)エーテ
ル、光学活性1,3−ジアミノ−1,3−ジフェニルプ
ロパン、光学活性1,4−ジアミノ−1,4−ジフェニ
ルブタン、光学活性1,2−ビス(1−アミノエチル)
ベンゼン、光学活性1,2−ビス(1−アミノエチル)
シクロヘキサン、光学活性1,1−ビス(1−アミノエ
チル)シクロペンタン、3,4−O−イソプロピリデン
−(3R,4R)−ジヒドロキシ−(2R,5R)−ジ
アミノヘキサン等が挙げられる。
【0042】次に、本発明のルテニウム化合物の製造方
法について説明する。ルテニウム化合物の製造方法に用
いられる出発原料としては、0価、1価、2価、3価及
び、さらに高原子価のルテニウムを用いることができ
る。これらの中でも、Angew.Chem.Int.
Ed.,37,1703(1998)に記載の2価ルテ
ニウム錯体を用いる方法が簡便である。すなわち、2価
のルテニウム−ハライド錯体と2座ホスフィン配位子の
溶媒溶液を加熱後、ジアミン化合物を加えることで一般
式(1)で表されるルテニウム化合物を製造することが
できる。
【0043】以下、出発原料として2価のルテニウム−
ハライド錯体を用いた場合のルテニウム化合物の製造方
法についてより詳細に説明する。まず、出発原料の2価
のルテニウム−ハライド錯体とホスフィン配位子とを、
溶媒中、加熱し反応させ、対応するホスフィン−ルテニ
ウム−ハライド錯体を得る。
【0044】出発原料の2価のルテニウム−ハライド錯
体としては、ホスフィン配位子及びアミン配位子と置換
可能な配位子を有するルテニウム錯体であれば、特に制
限されるものではない。その具体例としては、[2塩化
ルテニウム(ノルボルナジエン)]多核体、[2塩化ルテ
ニウム(シクロオクタジエン)]多核体、[ビス(メチル
アリル)ルテニウム(シクロオクタジエン)]等のジエ
ンが配位したハロゲン化ルテニウム化合物;[2塩化ル
テニウム(ベンゼン)]二核体、[2塩化ルテニウム(p
−シメン)]二核体、[2塩化ルテニウム(トリメチルベ
ンゼン)]二核体、[2塩化ルテニウム(ヘキサメチルベ
ンゼン)]二核体等の芳香族化合物が配位したハロゲン
化ルテニウム;等が挙げられる。
【0045】ホスフィン配位子の使用量は、ルテニウム
−ハライド錯体1モルに対して、単座の場合は、通常2
〜3倍モル、好ましくは2倍モルであり、2座の場合
は、通常1〜2倍モル、好ましくは等モルである。
【0046】この反応に用いられる溶媒としては、例え
ば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタ
ン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、
クロロホルム、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2
−ジクロロエタン等のハロゲン炭化水素類;ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメ
トキシエタン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,
N−ジメチルアセタミド、1,3−ジメチルイミダゾリ
ジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−
メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド(H
MPT)等のアミド類;アセトニトリル、ベンゾニトリ
ル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)
等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、あるいは2種
以上を混合して使用することもできる。
【0047】溶媒の使用量は、基質1gに対して1ml
〜100ml、好ましくは、基質1gに対し、1ml〜
10mlの範囲である。反応温度は、通常、0〜200
℃、好ましくは、室温〜100℃の範囲である。
【0048】次に、得られたホスフィン−ルテニウム−
ハライド錯体とジアミン化合物とを反応させて、対応す
るアミン−ホスフィン−ルテニウム−ハライド錯体を得
ることができる。この反応に用いられるジアミン化合物
の使用量は、ホスフィン−ルテニウム−ハライド錯体に
対して、通常1〜2倍モル、好ましくは等モルである。
反応温度は、通常、−100〜200℃、好ましくは−
10〜50℃の範囲である。また、あらかじめ単離した
ホスフィン−ルテニウム−ハライド錯体に、前記と同様
の条件下にジアミン化合物を作用させることによって
も、アミン−ホスフィン−ルテニウム−ハライド錯体を
得ることができる。
【0049】次いで、得られたアミン−ホスフィン−ル
テニウム−ハライド錯体を、溶媒中、塩基と反応させる
ことによって一般式(1)で表される(n1=1、X=
Y=H)アミン−ホスフィン−ルテニウムヒドリド錯体
を得ることができる。
【0050】用いられる塩基としては、例えば、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、
1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DAB
CO)、1,4−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデ−
7−エン(DBU)等の有機塩基;ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシ
ド、マグネシウムエトキシド等の金属アルコキシド類;
n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド
(LDA)等の有機リチウム化合物;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;水素化ナトリウム
等の金属水素化物;等が挙げられる。塩基の使用量はア
ミン−ホスフィン−ルテニウム−ハライド錯体に対し
て、通常、2〜10,000倍モル、好ましくは、2〜
40倍モルの範囲である。
【0051】この反応に用いる溶媒としては、例えば、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン、
ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、クロ
ロホルム、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジ
クロロエタン等のハロゲン炭化水素類;ジエチルエーテ
ル、THF、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオ
キサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジ
ルアルコール等のアルコール類;アセトニトリル、ベン
ゾニトリル等のニトリル類;DMF、N,N−ジメチル
アセタミド、1,3−ジメチルイミダゾリジン、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリ
ドン等のアミド類;DMSO等が挙げられる。これらの
溶媒は単独で、あるいは2種以上を混合して使用するこ
とができる
【0052】溶媒の使用量は、アミン−ホスフィン−ル
テニウム−ハライド錯体1gに対して、1ml〜100
ml、好ましくは1ml〜10mlの範囲である。ま
た、反応温度は、通常、−100〜200℃、好ましく
は、−10〜50℃の範囲である。
【0053】一般式(1)中、X又はYがカルボキシ
基、水酸基、アルコキシ基等であるルテニウム化合物
は、上記の方法等で有られるアミン−ホスフィン−ルテ
ニウム−ハライド錯体にRCOONaやRONa(Rは
アルキル基等を表す。)等を反応させて得ることができ
る。
【0054】以上のようにして製造される一般式(1)
で表されるルテニウム化合物は、一般式(3)、
(3’)で表される縮合環ケトン類及び一般式(5)で
表されるα−アミノケトン類の不斉水素化触媒として有
用である。
【0055】次に本発明のジアミン化合物について説明
する。本発明のジアミン化合物は、一般式(2):R1
2*(NR34)−A−R56*(NR78)で表
されるものである。一般式(2)中、R1〜R8、A及び
*は前記と同じ意味を表す。かかるジアミン化合物は、
例えば、一般式(2a)で表されるジケトンを出発原料
として、下記に示す反応スキームにしたがって製造する
ことができる。
【0056】
【化5】
【0057】すなわち、ジケトン(2a)を不斉還元し
て光学活性ジオール(2b)とし(工程I)、該光学活
性ジオール(2b)を光学活性アジド(2c)に誘導し
(工程II)、光学活性アジド(2c)を還元すること
により(工程III)、容易にジアミン化合物(2)を
製造するこができる。また、ジケトン(2a)をジオキ
シム(2d)に変換し(工程IV)、このものを不斉還
元してジアミン化合物(2)を製造することもできる
(工程V)。
【0058】出発原料として用いられるジケトン(2
a)としては、例えば、2,4−ペンタンジオン、2,
5−ヘキサンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プ
ロパンジオン、1,4−ジフェニル−1,4−ブタンジ
オン、1,2−ジ(アセチル)ベンゼン等が挙げられ
る。
【0059】工程Iのジケトン(2a)の不斉還元反応
は、例えば、特開平11−189600号公報の記載と
同様にして行うことができる。すなわち、ジケトン(2
a)と不斉還元触媒とを有機溶媒中に混合し、さらに所
望により塩基を添加して、所定圧力の水素ガス又は水素
供与体の存在下に不斉還元する方法によって光学活性ジ
オール(2b)を得ることができる。
【0060】不斉還元触媒としては、例えば、本発明化
合物である光学活性アミン−ホスフィン−ルテニウム−
ハライド錯体を使用することができる。不斉還元触媒の
使用量は、ジケトン(2a)に対して1/50〜1/
2,000,000倍モル、好ましくは1/100〜1
/1,000,000倍モルの範囲である。
【0061】添加する塩基としては、例えば、トリエチ
ルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、D
ABCO、DBU等の有機塩基;ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシ
ド、マグネシウムエトキシド等の金属アルコキシド類;
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物;水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸
化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;水
素化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;
等が挙げられる。これら塩基の使用量は、不斉還元触媒
の1モルに対し、2〜10,000倍モル、好ましく
は、2〜40倍モルの範囲である。
【0062】有機溶媒としては、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ペン
タン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタ
ン、クロロホルム、トリクロロメタン、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン等のハロゲン炭化水素類;ジエ
チルエーテル、THF、1,2−ジメトキシエタン、
1,4−ジオキサン等のエーテル類;DMF、N,N−
ジメチルアセタミド、1,3−ジメチルイミダゾリジ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メ
チルピロリドン、HMPT等のアミド類;アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類;DMSO等を用い
ることができ、これらの溶媒は単独で、あるいは2種以
上を混合して使用することもできる。これらの中でも、
反応生成物がアルコール化合物であることからアルコー
ル類の使用が好ましい。
【0063】水素の圧力は、通常、1〜200気圧、好
ましくは3〜50気圧の範囲である。また、水素供与体
としては、例えば、水素貯蔵合金やジイミド等を用いる
ことができ、その使用量は、一般式(3)、(3’)又
は(5)で表されるケトン類に対して、通常、1〜10
0倍モルの範囲である。反応は15〜100℃、好まし
くは25〜40℃の温度範囲で円滑に進行する。反応時
間は、ジケトン(2a)濃度、温度、圧力等の反応条件
に依存するが、通常、数分〜1日である。
【0064】なお、本工程Iのジケトン(2a)の不斉
還元反応は、オキサザボロジンを触媒として不斉ホウ素
還元反応(Tetrahedron Lett.,
,601(1990))等の公知の方法に準じて行う
こともできる。
【0065】工程IIの光学活性ジオール(2b)のア
ジド化反応としては、溶媒中、アジド化剤及び塩基の
存在下に室温あるいは加熱下に反応させる方法や、ジ
オール(2b)とトシルクロリド、トリフルオロメチル
スルホニルクロリド等とを塩基存在下に反応させること
によりジスルホン酸エステルとした後、これとアジド化
剤を反応させる方法、ジオール(2b)と塩化チオニ
ル等のハロゲン化剤と反応させることによりジハライド
とした後、これとアジド化剤を反応させる方法等が挙げ
られる。
【0066】アジド化剤としては、ジフェニルホスホリ
ルアジド等の有機アジド化剤、アジ化ナトリウム等無機
アジド化剤等の一般式的に購入できるものを使用するこ
とができる。アジド化剤の使用量は、光学活性ジオール
(2b)に対して、通常2〜10倍モルの範囲である。
【0067】アジド化反応に添加する塩基としては、例
えば、トリエチルアミン、ピリジン、DABCO、DB
U等の有機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、カリウム t−ブトキシド、マグネシウムエ
トキシド等の金属アルコキシド類;水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;水素化ナトリウム、水
素化カルシウム等の金属水素化物;等が挙げられる。こ
れらの中でも、DBU等の有機塩基が好ましい。
【0068】アジド化反応に用いられる溶媒としては、
例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジ
クロロメタン、クロロホルム、トリクロロメタン、四塩
化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン炭化水素
類;ジエチルエーテル、THF、1,2−ジメトキシエ
タン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;DMF、
N,N−ジメチルアセタミド、1,3−ジメチルイミダ
ゾリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルピロリドン、HMPT等のアミド類;アセト
ニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;等を用いる
ことができる。これらの溶媒は単独で、あるいは2種以
上を混合して使用することもできる
【0069】反応は、通常−78℃〜溶媒の沸点、好ま
しくは−30℃〜室温の範囲で円滑に進行する。反応時
間は、通常、数分〜1日、好ましくは3〜18時間であ
る。
【0070】工程IIIの光学活性アジド(2c)の還
元反応は、溶媒中、還元剤の存在下に室温又は加熱下に
反応させて行う。還元剤としては、一般的に使用される
還元剤を用いることができるが、その具体例としては、
水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウ
ム、三水素化シアノホウ素ナトリウム、トリエチル水素
化ホウ素リチウム、ジボラン等を挙げることができる。
また、パラジウムや白金の炭素担持体を触媒として水添
条件下で反応を行うこともできる。
【0071】還元反応に用いられる溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール等のア
ルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素
類;ジエチルエーテル、THF、1,2−ジメトキシエ
タン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;DMF、
N,N−ジメチルアセタミド、1,3−ジメチルイミダ
ゾリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
N−メチルピロリドン、HMPT等のアミド類;DMS
O等を用いることができる。これらの溶媒は単独で、あ
るいは2種以上を混合して使用することもできる。
【0072】反応は、通常−78℃〜溶媒の沸点、好ま
しくは−30℃〜室温の温度範囲で円滑に進行する。反
応時間は、通常、数分〜1日、好ましくは、3〜18時
間である。
【0073】工程IVのジケトン(2a)のオキシム化
は、溶媒中、ジケトン(2a)と一般式:R12ONH2
(R12は、アルキル基等を表す。)で表されるアルコキ
シアミンとを室温又は加熱下に反応させて行う。なお、
アルコキシアミンは塩の形で用い、塩基で中和させなが
ら反応させることもできる。かかるアルコキシアミンの
塩としては、例えば、メトキシアミン塩酸塩、エトキシ
アミン塩酸塩、ベンジルオキシアミン塩酸塩等が挙げら
れる。その使用量は、ジケトン(2a)に対して、1〜
100倍モル、好ましくは2〜20倍モルの範囲であ
る。
【0074】この反応に用いられる溶媒としては、不活
性なものであればよく、工業的に使用できる一般的なも
のを用いることができる。その具体例としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロ
ロメタン、クロロホルム、トリクロロメタン、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン炭化水素類;
ジエチルエーテル、THF、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;DMF、N,
N−ジメチルアセタミド、1,3−ジメチルイミダゾリ
ジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−
メチルピロリドン、HMPT等のアミド類;アセトニト
リル、ベンゾニトリル等のニトリル類;DMSO、水等
が挙げられる。これらの溶媒は単独で、あるいは2種以
上を混合して使用することもできる。
【0075】反応は、通常−50℃〜溶媒の沸点、好ま
しくは、室温〜溶媒の沸点の温度範囲で円滑に進行す
る。反応時間は、通常、数分〜1日、好ましくは、8〜
18時間である。
【0076】工程Vのジオキシム光学活性(2d)の不
斉還元反応は、例えば、オキサザボロリジンによる不斉
ホウ素還元反応(J.Org.Chem.,65(1
8),5879(2000)参照。)等の公知の方法に
準じて行うことができる。
【0077】光学活性アルコールの製造方法 次に、本発明のルテニウム化合物を用いた光学活性アル
コール類の製造方法について説明する。
【0078】
【化6】
【0079】
【化7】
【0080】縮合ケトン類(3)、(3’)又はα−ア
ミノケトン類(5)を出発原料として、ルテニウム化合
物を触媒として不斉水素化還元反応により、それぞれに
対応する光学活性アルコール(4)、(4’)又は(1
0)を製造することができる。
【0081】まず、基質となる縮合ケトン類(3)及び
(3’)について説明する。 一般式(3)及び
(3’)において、A環部は置換基を有してもよい3〜
8員環を表し、B環部は、置換されていてもよく、ヘテ
ロ原子を含んでもよい、4〜8員環を表す。前記置換基
を有してもよい3〜8員環もしくは4〜8員環として
は、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペ
ンタン、シクロヘキサン環等の飽和炭化水素環;シクロ
プロペン、シクロブテン、シクロブタジエン、シクロペ
ンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロ
ヘキサジエン、ベンゼン環等の不飽和炭化水素環;等が
挙げられる。
【0082】前記ヘテロ原子を含んでもよい4〜8員ヘ
テロ環としては、例えば、フラン、ピラン、ジオキソラ
ン等の含酸素ヘテロ環;チオフェン等の含イオウヘテロ
環;ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、トリアゾール、チアゾール、イ
ソチアゾール、ピリジン、ピラダジン、ピラジン、ベン
ゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ペンゾチアゾー
ル、キノリン、インドリン、フェナントロニリン等の飽
和若しくは不飽和の含窒素ヘテロ環;等が挙げられる。
【0083】縮合環ケトン類の具体例としては、置換基
を有してもよいα−テトラロン類、置換基を有してもよ
いβ−テトラロン類、置換基を有してもよいクロモン
類、置換基を有してもよい4−クロマノン類、置換基を
有してもよいチオクロマン−4−オン類、置換基を有し
てもよい2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン
類、置換基を有してもよい2−イソチオクロマン−4−
オン類、置換基を有してもよい2,3−ジヒドロ−1H
−イソキノリン−4−オン類、置換基を有してもよい1
−インダノン類、置換基を有してもよい2H−ベンゾフ
ラン−3−オン類、置換基を有してもよい2H−ベンゾ
チオピラン−3−オン類、置換基を有してもよいインド
リン−3−オン類、置換基を有していてもよい4−ケト
−4,5,6,7−テトラヒドロチアナフテン類等が挙
げられる。
【0084】前記縮合環ケトン類の置換基としては、例
えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;
水酸基;アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アセ
チルアミノ等の置換されていてもよいアミノ基;メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等のC
1〜C20アルキル基;エテニル、n−プロペニル、イ
ソプロペニル、n−ブテニル、sec−ブテニル、t−
ブテニル、1,3−ブタジエニル、n−ペンテニル、2
−ペンテニル、3−ペンテニル、ヘキセニル基等のC2
〜C20アルケニル基;シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のC3〜C8
シクロアルキル基;ベンジル、α−メチルベンジル、
α,α−ジメチルベンジル、α−エチルベンジル基等の
アラルキル基;フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル
基等のアリール基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキ
シ、t−ブトキシ基等のC1〜C20アルコキシ基;ア
シルオキシ基;アシル基;ヘテロ環基;等が挙げられ
る。
【0085】前記アシルオキシ基としては、例えば、ア
セトキシ、エチルカルボニルオキシ、イソプロピルカル
ボニルオキシ基等のC1〜C12のアルキルカルボニル
オキシ基;ベンゾイルオキシ基等のアリールカルボニル
オキシ基;フェニルメチルカルボニルオキシ基等のアラ
ルキルカルボニルオキシ基;等が挙げられ、前記アシル
基としては、例えば、プロパノイル、イソプロピルカル
ボニル基等のC1〜C12のアルキルカルボニル基、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキ
シカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル
基;フェニルメチルカルボニル基等のアラルキルカルボ
ニル基;等が挙げられる。
【0086】前記ヘテロ環基としては、例えば、フラニ
ル、ピラニル、ジオキソラニル基等の含酸素ヘテロ環
基;チエニル基等の含イオウヘテロ環基;ピロリル、イ
ミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾ
リル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピ
リジル、ピラダジル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾピラゾリル、ペンゾチアゾリル、キノリル、
アントラニル、インドリル、フェナントロニリル基等の
飽和若しくは不飽和の含窒素ヘテロ環基;等が挙げられ
る。
【0087】これらの置換基は、その置換位置、置換基
の種類、置換基の数等に特に制限はない。また、例示し
た縮合環ケトン類のベンゼン環がこれらの置換基を有し
てもよい他の縮合環に置き換わってもよい。
【0088】さらに、前記した置換基は反応を阻害しな
い範囲において置換基をさらに有してもよい。かかる置
換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素等のハロゲ
ン原子;水酸基;カルボキシル基;アミノ基;メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブ
チル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等のC1〜C
6アルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基等のC1〜C6
アルコキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等
のC1〜C6アルコキシカルボニル基;ベンゼン環の任
意の位置に置換基を有してもよいフェニル基;ナフタレ
ン環の任意の位置に置換基を有してもよい、1−ナフチ
ル、2−ナフチル基等のナフチル基;環の任意の位置に
置換基を有してもよい、フラン、ピラン、ジオキソラ
ン、ジオキサン、ピロール、チオフェン、イミダゾー
ル、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ト
リアゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、
ピリダジン、ピラジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾピ
ラゾール、ベンゾチアゾール、キノリン等のヘテロ環
基;等が挙げられる。
【0089】次に、α−アミノケトン類(5)について
説明する。式中、Ra及びRcは、それぞれ独立して、
水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等の置
換基を有してもよいC1〜C20アルキル基;ビニル、
1−プロペニル、2−プロペニル、1−イソプロペニ
ル、1−ブテニル、1−イソプロペニル、2−ブテニ
ル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテ
ニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル基等の置換基を
有してもよいC2〜C20アルケニル基;シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基
等の置換基を有してもよいC3〜C8シクロアルキル
基;ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチル
ベンジル、α−エチルベンジル基等の置換基を有しても
よいC7〜C20アラルキル基;フェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチル基等の置換基を有してもよいアリール
基;置換基を有してもよいヘテロ環基等を表す。
【0090】かかる、置換基を有してもよいヘテロ環基
としては、例えば、フラニル、ピラニル、ジオキソラニ
ル基等の含酸素ヘテロ環基;チエニル基等の含イオウヘ
テロ環基;ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキ
サゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアゾリ
ル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラダジル、ピラジニ
ル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ペンゾチ
アゾリル、キノリル、アントラニル、インドリル、フェ
ナントロニリル基等の飽和若しくは不飽和の含窒素ヘテ
ロ環基;等が挙げられる。
【0091】前記アルキル基、アルケニル基、シクロア
ルキル基、アラルキル基、アリール基及びヘテロ環基の
置換基としては、本反応を阻害することのない置換基で
あれば、その置換位置、置換基の種類、置換基の数等に
特に制限はない。その具体例としては、フッ素、塩素、
臭素等のハロゲン原子;水酸基;カルボキシル基;アミ
ノ基;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル
基等のC1〜C6アルキル基;メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基
等のC1〜C6アルコキシ基;メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカ
ルボニル基等のC1〜C6アルコキシカルボニル基;ベ
ンゼン環の任意の位置に置換基を有してもよいフェニル
基;ナフタレン環の任意の位置に置換基を有してもよい
(1−ナフチル、2−ナフチル基等の)ナフチル基;環
の任意の位置に置換基を有してもよい(フラン、ピラ
ン、ジオキソラン、ジオキサン、ピロール、チオフェ
ン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオ
キサゾール、トリアゾール、チアゾール、イソチアゾー
ル、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ベンゾイミダゾ
ール、ベンゾピラゾール、ベンゾチアゾール、キノリン
等の)ヘテロ環基;等が挙げられる。
【0092】Rbは、一般式(6):R9CO(R11
N−、一般式(7):R9CO(R10CO)N−、一般
式(8):R911N−、のいずれかの基を表す。
【0093】ここで、R9、R10及びR11はそれぞれ独
立して、水素原子;ホルミル基;メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブ
チル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル基等のC1〜C20アルキ
ル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチル
オキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、t
−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の置換基を有し
てもよいC1〜C20アルコキシ基;シクロプロピル、
シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の
C3〜C8シクロアルキル基;シクロペンチルオキシ、
シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ基等のC3〜C
8シクロアルコキシ基;置換基を有してもよいC1〜C
20アルケニル基;ベンジル、4−クロロベンジル、α
−メチルベンジル基等の置換基を有してもよいアラルキ
ル基;ベンジルオキシ、4−クロロベンジルオキシ、4
−メチルベンジルオキシ基等の置換基を有してもよいC
7〜C20アラルキルオキシ基;フェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチル基等の置換基を有してもよいアリール
基;ベンゾイルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフ
チルオキシ基等の置換基を有してもよいアリールオキシ
基;等を表す。
【0094】本発明において、Rcが水素原子以外の場
合には、R11が水素原子で、かつ、R9がアルコキシ
基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基及びアラル
キルオキシ基の何れかであると、アンチ立体配置の光学
活性アミノアルコールが優先的に得られる。このためシ
ン立体配置の光学活性アミノアルコールを得る場合には
それ以外の置換基の組み合わせを選択する必要がある。
ここで、シン立体配置とは炭素鎖を主鎖としてジグザグ
に左右方向に置いた場合に、その上下方向にそれぞれ置
換するアミノ基とヒドロキシルが同じ面を向くような立
体配置のことをいい、アンチ立体配置とはアミノ基とヒ
ドロキシル基が逆の面を向くような立体配置のことをい
う。
【0095】前記アルコキシ基、アルケニル基、アラル
キル基、アラルキルオキシ基、アリール基及びアリール
オキシ基の置換基としては、本反応を阻害することのな
い置換基であれば、その置換位置、置換基の種類、置換
基の数等に特に制限はない。その具体例としては、フッ
素、塩素、臭素等のハロゲン原子;水酸基;カルボキシ
ル基;アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ等の置換
基を有していてもよいアミノ基;メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、t−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル基等のC1〜C20アルキル
基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、t−ブトキシ基等のC1〜C20アルコ
キシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブト
キシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基等のC1〜
C20アルコキシカルボニル基;ベンゼン環の任意の位
置に置換基を有してもよいフェニル基;ナフタレン環の
任意の位置に置換基を有してもよい(1−ナフチル、2
−ナフチル基等の)ナフチル基;環の任意の位置に置換
基を有してもよい(フラン、ピラン、ジオキソラン、ジ
オキサン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラ
ゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾー
ル、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、ピラジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾー
ル、ベンゾチアゾール、キノリン等の)ヘテロ環基;等
が挙げられる
【0096】また、R9とR10とが又はR9とR11とが結
合して、5〜8員の含窒素ヘテロ環を形成してもよい。
かかるヘテロ環のとしては、例えば、スクシンイミド、
マレイミド、フタルイミド、1,2−シクロヘキサンカ
ルボキサミド、2,4,6−トリオキソピペリジン、α
−ピリドン等のイミド類等が挙げられる。
【0097】Rbの具体例としては、アセチルアミノ、
プロピオニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ベン
ゾイルアミノ、4−メチルベンゾイルアミノ、2−クロ
ロベンゾイルアミノ、3−メトキシベンゾイルアミノ、
2−クロロ−4−メトキシベンゾイルアミノ基等のアシ
ルアミノ基;ジアセチルアミノ、ジベンゾイルアミノ基
等のジアシルアミノ基;N−アセチル−N−メチルアミ
ノ、N−ベンゾイル−N−メチルアミノ、N−アセチル
−N−エチルアミノ、N−ベンゾイル−N−エチルアミ
ノ、N−アセチル−N−ベンジルアミノ、N−ベンゾイ
ル−N−ベンジルアミノ、4−メチルベンゾイルメチル
アミノ基等のN−アルキル−N−アシルアミノ基;N−
アセチル−N−フェニルアミノ、N−アセチル−N−4
−メチルファニルアミノ、N−アセチル−N−2−クロ
ロフェニルアミノ、N−アセチル−N−2,4−ジクロ
ロフェニルアミノ、N−ベンジル−N−フェニルアミ
ノ、N−ベンジル−N−4−メチルフェニルアミノ、N
−ベンジル−N−2−クロロフェニルアミノ、N−ベン
ジル−N−2,4−ジクロロフェニルアミノ基等のN−
アリール−N−アシルアミノ基;N−メトキシカルボニ
ル−N−メチルアミノ、N−エトキシカルボニル−N−
メチルアミノ、N−メトキシカルボニル−N−エチルア
ミノ、N−エトキシカルボニル−N−エチルアミノ、N
−プロポキシカルボニル−N−プロピルアミノ、N−イ
ソプロポキシカルボニル−N−メチルアミノ、N−ブト
キシカルボニル−N−エチルアミノ、N−t−ブトキシ
カルボニル−N−ブトキシアミノ基等のN−アルコキシ
カルボニル−N−アルキルアミノ基;
【0098】N−メトキシカルボニル−N−メチルアミ
ノ、N−エトキシカルボニル−N−メチルアミノ、N−
メトキシカルボニル−N−エチルアミノ、N−エトキシ
カルボニル−N−エチルアミノ、N−プロポキシカルボ
ニル−N−プロピルアミノ、N−イソプロポキシカルボ
ニル−N−メチルアミノ、N−ブトキシカルボニル−N
−エチルアミノ、N−t−ブトキシカルボニル−N−メ
チルアミノ基、N−t−ブトキシカルボニル−N−ブト
キシアミノ基等のN−アルコキシカルボニル−N−アル
キルアミノ基;N−メトキシカルボニル−N−フェニル
アミノ、N−エトキシカルボニル−N−フェニルアミ
ノ、N−プロポキシカルボニル−N−フェニルアミノ、
N−イソプロポキシカルボニル−N−フェニルアミノ、
N−ブトキシカルボニル−N−フェニルアミノ、N−t
−ブトキシカルボニル−N−フェニルアミノ基等のN−
アルコキシカルボニル−N−アリールアミノ基;
【0099】N−メチル−メチルスルホニルアミノ、N
−エチル−メチルスルホニルアミノ、N−プロピル−メ
チルスルホニルアミノ、N−イソプロピル−メチルスル
ホニルアミノ、N−ベンジル−メチルスルホニルアミ
ノ、N−ブチル−メチルスルホニルアミノ、N−メチル
−エチルスルホニルアミノ、N−エチル−エチルスルホ
ニルアミノ、N−メチル−プロピルスルホニルアミノ、
N−エチル−プロピルスルホニルアミノ、N−メチル−
イソプロピルスルホニルアミノ、N−エチル−イソプロ
ピルスルホニルアミノ、N−メチル−ブチルスルホニル
アミノ、N−エチル−ブチルスルホニルアミノ、N−メ
チル−t−ブチルスルホニルアミノ、N−エチル−t−
ブチルスルホニルアミノ等のN−アルキル−アルキルス
ルホニルアミノ基;N−メチル−フェニルスルホニルア
ミノ、N−エチル−フェニルスルホニルアミノ、N−ベ
ンジル−フェニルスルホニルアミノ、N−メチル−4−
メチルフェニルスルホニルアミノ、N−ベンジル−4−
メチルフェニルスルホニルアミノ、N−エチル−2−ク
ロロフェニルスルホニルアミノ、N−メチル−2,4−
ジクロロフェニルスルホニルアミノ基等のN−アルキル
−置換フェニルスルホニルアミノ基;
【0100】N−フェニル−メチルスルホニルアミノ、
N−フェニル−エチルスルホニルアミノ、N−フェニル
−プロピルスルホニルアミノ、N−フェニル−イソプロ
ピルスルホニルアミノ、N−フェニル−ブチルスルホニ
ルアミノ、N−フェニル−t−ブチルスルホニルアミノ
等のN−アリール−アルキルスルホニルアミノ基;N−
フェニル−フェニルスルホニルアミノ、N−フェニル−
4−メチルフェニルスルホニルアミノ、N−フェニル−
2−クロロフェニルスルホニルアミノ、N−フェニル−
2,4−ジクロロフェニルスルホニルアミノ基等のN−
アリール−置換フェニルスルホニルアミノ基;スクシン
イミドイル基、マレイミドイル基、フタルイミドイル
基、3−メチルフタルイミドイル基、4−メチルフタル
イミドイル基、4−n−ブチルフタルイミドイル基、4
−クロロフタルイミドイル基、テトラメチルフタルイミ
ドイル基、1,2−シクロヘキサンカルボキサミドイル
基、2,4,6−トリオキソピペリジン−1−イル基、
α−ピリドン−1−イル基等のイミド基等を挙げること
ができる。
【0101】以上説明したような縮合ケトン類及びα−
アミノケトン類は、公知の方法で製造し、入手すること
ができる。
【0102】次に不斉水素化反応について説明する。不
斉水素化反応は、基質となる上記した縮合ケトン類
(3)、(3’)又はα−アミノケトン類(5)を、一
般式(1)で表されるルテニウム化合物の存在下に、所
望により塩基を添加して、所定圧力の水素ガス又は水素
供与体の存在下に不斉還元することにより行う。
【0103】また、本発明においては、ルテニウム化合
物の原料となるルテニウム錯体(又はルテニウム
塩)、リン化合物及びジアミン化合物とを別々に反応系
に添加、又はホスフィン配位子を有するルテニウム錯
体(又はルテニウム塩)及びジアミン化合物とを別々に
反応系に添加して、必要に応じて塩基を添加してルテニ
ウム化合物を生成させた後、該ルテニウム化合物を反応
系から取り出すことなく、そこへ基質を添加することに
より、in situで不斉水素化反応を行わせること
もできる。
【0104】触媒として使用する一般式(1)で表され
るルテニウム化合物の使用量は、反応容器の大きさや触
媒活性によって異なるが、反応基質である縮合ケトン類
又はα−ジアミノケトン類に対して、通常1/50〜1
/2,000,000倍モル、好ましくは1/500〜
1/500,000倍モルの範囲である。
【0105】用いられる塩基としては、例えば、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、
DABCO、DBU等の有機塩基;ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム t−ブトキシ
ド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド
等の金属アルコキシド類;n−ブチルリチウム等の有機
リチウム化合物;LDA、リチウムビストリメチルシリ
ルアミド等のリチウムアミド類;水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等
のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;水素
化ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;が
挙げられる。
【0106】添加する塩基の量は、ルテニウム化合物に
対し、通常2〜500,000倍モル、好ましくは、2
〜5,000倍モルの範囲である。
【0107】溶媒としては、基質及び触媒を可溶化する
ものであれば特に制限ない。その具体例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール
類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロ
ロメタン、クロロホルム、トリクロロメタン、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン炭化水素類;
ジエチルエーテル、THF、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;DMF、N,
N−ジメチルアセタミド、1,3−ジメチルイミダゾリ
ジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−
メチルピロリドン、HMPT等のアミド類;アセトニト
リル、ベンゾニトリル等のニトリル類;DMSO等を用
いることができる。これらの溶媒は単独で、あるいは2
種以上を混合して使用することもできる。これらの溶媒
の中でも、反応生成物がアルコール化合物であることか
ら、アルコール類の使用が好ましい。
【0108】溶媒の使用量は、一般式(3)、(3’)
又は(5)で表されるケトン類の溶解度及び経済性に依
存し、場合によっては無溶媒又は高希釈条件に近い状態
でも反応は進行するが、通常、該ケトン類100重量部
に対して0.1〜10,000重量部、好ましくは20
〜1,000重量部の範囲である。
【0109】水素の圧力は、通常、1〜200気圧、好
ましくは3〜50気圧の範囲であり、水素供与体として
は、例えば、水素貯蔵合金やジイミド等を用いることが
でき、その使用量は、一般式(3)、(3’)又は
(5)で表されるケトン類に対して、通常、1〜100
倍当量の範囲である。反応温度は、通常−50〜100
℃、好ましくは25〜40℃の温度範囲である。また、
反応時間は、反応基質濃度や温度、圧力等の反応条件に
依存するが、通常、数分〜数日である。反応形式として
は特に制限はないが、例えば、バッチ式においても連続
式においても実施することができる。
【0110】反応終了後は、通常の有機合成化学的手法
により、単離・精製を行い目的物を得ることができる。
目的物の構造は、1H−NMR、旋光度測定、液体クロ
マトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の公知の分
析手段によって決定することができる。
【0111】以上のようにして製造された光学活性アミ
ノアルコール(10)において、Rcが水素原子でない
ものはシン(syn)立体配置を有する。ここでシン立
体配置とは、炭素鎖を主鎖としてジグザグに左右方向に
置いた場合に、その上下方向にそれぞれ置換するアミノ
基とヒドロキシル基が同じ面を向くような立体配置をい
う。
【0112】
【実施例】次に、実施例で本発明を詳しく説明するが、
本発明はこれらのみに限定されるものではない。尚、各
実施例における物性の測定に用いた装置は次の通りであ
る。 NMRスペクトル:Varian GEMINI−30
0(300MHz)、バリアン社製 旋光度:JASCO DIP−360、日本分光(株)
製 高速液体クロマトグラフィー:LC−10Advp、S
PD−10Avp、島津製作所(株)製 ガスクロマトグラフィー:GC−17A、C−R7A
Plus、島津製作所(株)製
【0113】(参考例1)(S,S)−1,4−ジヒド
ロキシ−1,4−ジフェニルブタンの合成
【0114】
【化8】
【0115】1,4−ジオキソ−1,4−ジフェニルブ
タン0.477g(2mmol)のイソプロパノール3
ml溶液、トルエン5ml及び水酸化カリウムイソプロ
パノール溶液(1M)0.2mlを混合し脱気し、
[(R)−Xylyl−BINAP]RuCl2[(R)−
1,1’−ジアニシル−2−イソプロピル−1,2−エ
チレンジアミン[(R)−DAIPENと略す:J.A
m.Chem.Soc.,120、13529(199
8)]]12mg(0.01mmol)を加えた。その
後、水素を8気圧まで圧入し、室温で18時間攪拌し
た。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、目的の
(S,S)−1,4−ジヒドロキシ−1,4−ジフェニ
ルブタン0.43gを得た。収率90%
【0116】(参考例2)(R,R)−1,4−ジアジ
ド−1,4−ジフェニルブタンの合成
【0117】
【化9】
【0118】(S,S)−1,4−ジヒドロキシ−1,
4−ジフェニルブタン0.55g(2.27mmol)
とDBU0.7ml(2.72mmol)のトルエン6
ml溶液にジフェニルホスホリルアジド1.78g
(2.72mmol)を攪拌しながら0℃で添加した。
室温で18時間攪拌した後、反応液を希塩酸にあけ酢酸
エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で
精製することにより、目的の(R,R)−1,4−ジア
ジド−1,4−ジフェニルブタン0.21gを得た。収
率32%
【0119】1H−NMR(CDCl3,δppm):
7.5−7.3(m,10H)、4.4(t,2H)、
1.9(m,2H)、1.7(m,2H)
【0120】(実施例1)(R,R)−1,4−ジアミ
ノ−1,4−ジフェニルブタン塩酸塩の合成
【0121】
【化10】
【0122】(R,R)−1,4−ジアジド−1,4−
ジフェニルブタン0.21g(0.83mmol)のエ
タノール6ml溶液に、5%パラジウムカーボン0.1
gを加え、反応系を水素置換して、常温、常圧下に48
時間攪拌した。反応終了後、反応溶液から不溶物を濾別
し、濾液に濃塩酸を加えて濃縮し、析出した結晶を濾取
した。得られた結晶を酢酸エチルで洗浄し、乾燥するこ
とにより、目的とする(R,R)−1,4−ジアミノ−
1,4−ジフェニルブタン塩酸塩0.1gを得た。収率
37%
【0123】1H−NMR(DMSO−d6,δpp
m):8.6(s,6H)、7.4(s,10H)、
4.2(m,2H)、2.0(m,2H)、1.5
(m,2H) [α]D 24=−10.1°(c=1.0,MeOH)
【0124】(実施例2)RuCl2[(S)−Tol−
BINAP][(2R,5R)−2,5−ジアミノヘキサ
ン]の合成
【0125】
【化11】
【0126】シュレンクチューブ中にイソプロパノール
2ml、(2R,5R)−2,5−ジアミノヘキサン5
mg(0.025mmol)を加え、脱気した後、Ru
Cl 2[(S)−Tol−BINAP]のDMF付加物2
5mg(0.025mmol)を加えて溶解させた。溶
媒を減圧留去することにより目的物を得た。この化合物
31P−NMR(CDCl3)を測定した結果、43.
9ppmにシングレットピークが観測された。
【0127】(実施例3)RuCl2[(R)−Tol−
BINAP][(1R,4R)−1,4−ジアミノ−1,
4−ジフェニルブタン]の合成
【0128】
【化12】
【0129】シュレンクチューブ中にイソプロパノール
2ml、(1R,4R)−1,4−ジアミノ−1,4−
ジフェニルブタン8mg(0.025mmol)を加
え、脱気した後、RuCl2[(R)−Tol−BINA
P]のDMF付加物25mg(0.025mmol)を
加えて溶解させた。溶媒を減圧留去することにより目的
物を得た。この化合物の31P−NMR(CDCl3)を
測定した結果、44.6ppmにシングレットピークが
観測された。
【0130】(参考例3) 3,4−O−イソプロピリデ
ン−(3R,4R)−ジヒドロキシ−(2R,5R)−
ジアジドヘキサンの合成 3,4−O−イソプロピリデン−(3R,4R)−ジヒ
ドロキシ−(2S,5S)−ヘキサンジオール ビスメ
タンスルホナート1.52g(4.4mmol)をDM
SO15mlに溶解し、アジ化ナトリウム1.27g
(17.5mmol)を加えて50度で24時間撹拌し
た。反応終了後、反応溶液に水を加え酢酸エチルで抽出
した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し
て得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製すること
によりジアジド体0.71gを得た。収率67%。
【0131】(実施例4) 3,4−O−イソプロピリデ
ン−(3R,4R)−ジヒドロキシ−(2R,5R)−
ジアミノヘキサンの合成 3,4−O−イソプロピリデン−(3R,4R)−ジヒ
ドロキシ−(2R,5R)−ジアジドヘキサン0.71
gをメタノール5mlに溶解し、5%パラジウムカーボ
ン0.1gを加え反応系を水素置換して常温、常圧下2
4時間撹拌した。反応終了後反応溶液から不溶物を濾別
し、濾液を濃縮して得られた残留物をクーゲルロールで
蒸留(160度/5mmHg)して目的物0.49gを
得た。収率88% 1H−NMR(CDCl3, δppm):3.68
(m, 2H)、3.0(m, 2H)、1.46(b
s, 4H)、1.39(s, 6H)、1.16(d,
J=6.4Hz,6H) 〔α〕D 23=28.9゜ (c=1.4, MeOH)
【0132】(実施例5) RuCl2[(S)−bina
p][3,4−O−イソプロピリデン−(3R,4R)
−ジヒドロキシ−(2R,5R)−ジアミノヘキサン]
の合成 シュレンクチューブ中に脱気したイソプロパノール5m
l、3,4−O−イソプロピリデン−(3R,4R)−
ジヒドロキシ−(2R,5R)−ジアミノヘキサン50
mg(0.266mmol)、[RuCl2(シメン)]
2 82mg(0.134mmol)を加え、還流下30
分撹拌した。続いて(S)−BINAP166mg
(0.266mmol)を加えて還流下45分撹拌し
た。冷却した後ヘキサンを加えて析出した結晶を濾別し
て目的物を得た。この化合物の31P−NMR(CDCl
3)を測定した結果、45.4ppmにシングレットピ
ークが観測された。
【0133】(実施例6)(R)−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−1−ナフトールの合成
【0134】
【化13】
【0135】アルゴン雰囲気下、簡易型オートクレーブ
(容量100ml)中に、(2R,5R)−2,5−ジ
アミノヘキサン塩酸塩1mg(0.005mmol)、
テトラロン0.37g(2.5mmol)、水酸化カリ
ウムイソプロパノール溶液(1M)75μl及びイソプ
ロパノール1.5mlを室温で添加し、脱気した後、R
uCl2[(S)−Tol−BINAP]のDMF付加
物5mg(0.005mmol)を加えた。反応系内に
水素を8気圧まで圧入し、室温にて1.5時間攪拌し
た。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:ジエチルエーテル)で精製して光学異性体混
合物を得た。転化率64% このものの光学純度をガスクロマトグラフィー(移動
相:ヘリウム、カラム:CP−Chiralcel−D
ex CB、クロムパック(株)製)で測定したところ、
91%eeであった。
【0136】実施例6と同様の条件で、原料のテトラロ
ンを変えた場合の反応生成物の光学純度(%ee)を第
1表に示した。
【0137】
【表1】
【0138】(実施例7)(S)−1,2,3,4−テ
トラヒドロ−1−ナフトールの合成
【0139】
【化14】
【0140】アルゴン雰囲気下、簡易型オートクレーブ
(容量100ml)中に、(S,S)−2,4−ジアミ
ノペンタン塩酸塩1.mg(0.005mmol)、テ
トラロン0.37g(2.5mmol)、水酸化カリウ
ムイソプロパノール(1M)75μl及びイソプロパノ
ール3mlを室温で添加し、脱気した後、RuCl
2[(R)−Tol−BINAP]のDMF付加物5m
g(0.005mmol)を加えた。反応系内に水素ガ
スを8気圧まで圧入し、室温にて1.5時間攪拌した
後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:ジエチルエーテル)で精製して光学異性体混
合物を得た。転化率83%。このものの光学純度を高速
液体クロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/イソプロ
パノール=9/1、カラム:Chiralcel O
B、ダイセル化学工業(株)製)で測定したところ75
%eeであった。
【0141】実施例7と同様の条件で、ジアミンを変え
て反応を行い、得られた(S)−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1−ナフトールの転化率%、光学純度%ee
を第2表に示した。
【0142】
【表2】
【0143】(実施例8) 光学活性7−メトキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフトールの合成 簡易型オートクレーブ(容量100ml)中に、7−メト
キシ−1−テトラロン0.19g(1mmol)、Ru
Cl2[(R)−binap][(1R,4R)−1,
4−ジフェニルブタン−1,4−ジアミン]5mg
(0.005mmol)を加えアルゴン置換した後に、
脱気したイソプロパノール2.5mlおよび水酸化カリ
ウムイソプロパノール溶液(1M)100μlを加え
た。反応系内に水素を8気圧まで圧入し、室温にて1.
5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し
光学異性体混合物を定量的に得た。このものの光学純度
を高速液体クロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/イ
ソプロパノール=92/8、カラム:Chiralce
l OD−H、ダイセル化学工業(株)製)で測定した
ところ、92%eeであった。
【0144】(実施例9) 光学活性5−メトキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフトールの合成 簡易型オートクレーブ(容量100ml)中に、5−メト
キシ−1−テトラロン0.41g(2.5mmol)、
RuCl2[(S)−binap][(2R,5R)−
ジアミノヘキサン]5mg(0.005mmol)を加
えアルゴン置換した後に、脱気したイソプロパノール2
mlおよび水酸化カリウムイソプロパノール溶液(1
M)100μlを加えた。反応系内に水素を8気圧まで
圧入し、室温にて2時間撹拌した。反応混合物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル
=2/1)で精製し光学異性体混合物0.36gを得
た。収率87% このものの光学純度を高速液体クロマトグラフィー(移
動相:ヘキサン/イソプロパノール=9/1、カラム:
Chiralcel OB、ダイセル化学工業(株)製)
で測定したところ、95%eeであった。
【0145】(実施例10) 光学活性シス−2−メチル
−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフトールの合
成 簡易型オートクレーブ(容量100ml)中に、RuCl
2[(S)−binap][3,4−O−イソプロピリ
デン−(3R,4R)−ジヒドロキシ−(2R,5R)
−ジアミノヘキサン]5mg(0.005mmol)を
加えアルゴン置換した後に、イソプロパノール2.5m
l中に水酸化カリウムイソプロパノール溶液(1M)1
00μlおよび2−メチル−1−テトラロン0.16g
(1mmol)を溶解したものを脱気した後に加えた。
反応系内に水素を8気圧まで圧入し、室温にて2時間撹
拌した。このものをガスクロマトグラフィー(移動相:
ヘリウム、カラム:βDEX325、スペルコ製)で測
定したところ、転換率>99%、98%de、88%e
eであった。
【0146】(比較例1)ホスフィン配位子として
(R)−Xylyl−BINAPを用い、ジアミンとし
て(1R,2R)−ジフェニルエチレンジアミンを用い
た以外は実施例10と同様の条件で実験を行った。転化
率26%、26%de、84%ee(cis体)、33%
ee(trans体)であった。
【0147】(実施例11)光学活性−1−フェニル−
2−(N−メチル−N−ベンゾイルアミノ)−1−プロ
パノールの合成
【0148】
【化15】
【0149】アルゴン雰囲気下、簡易型オートクレーブ
(容量100ml)中に、(2R,5R)−2,5−ジ
アミノヘキサン塩酸塩2.2mg(0.0125mmo
l)、1−フェニル−2−(N−メチル−N−ベンゾイ
ル)アミノプロパン−1−オン0.67g(2.5mm
ol)、0.1Nのt−ブトキシカリウムのイソプロパ
ノール1.5ml溶液及びイソプロパノール5mlを室
温で添加し、脱気した後、RuCl2[(S)−Tol−
BINAP]のDMF付加物12.5mg(0.012
5mmol)を加えた。反応系内に水素を12気圧まで
圧入し、25℃にて1時間攪拌した後、反応混合物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチル
エーテル)で精製して、光学活性−1−フェニル−2−
(N−メチル−N−ベンゾイルアミノ)−1−プロパノ
ール0.65gを得た。収率97%
【0150】このものの光学純度及びジアステレオマー
純度を高速液体クロマトグラフィー(移動相:ヘキサン
/エタノール=15/1、カラム:Chiralcel
OJ、ダイセル化学工業(株)製)で測定したとこ
ろ、光学純度は89%eeであり、ジアステレオマー純
度は99%de以上であった。
【0151】(実施例12)光学活性−1−フェニル−
2−(N−メチル−N−ベンゾイルアミノ)−1−プロ
パノールの合成
【0152】
【化16】
【0153】アルゴン雰囲気下、簡易型オートクレーブ
(容量100ml)中に、(1R,4R)−1,4−ジ
フェニルブタン−1,4−ジアミン3.6mg(0.0
1mmol)、1−フェニル−2−(N−メチル−N−
ベンゾイル)アミノプロパン−1−オン0.53g(2
mmol)、水酸化カリウムイソプロパノール(1M)
100μl及びイソプロパノール5mlを室温で添加
し、脱気した後、RuCl2[(R)−Tol−BIN
AP]のDMF付加物の10mg(0.01mmol)
を加えた。反応系内に水素ガスを12気圧まで圧入し、
25℃にて1時間攪拌した後、反応混合物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテ
ル)で精製して、光学活性−1−フェニル−2−(N−
メチル−N−ベンゾイルアミノ)−1−プロパノール
0.5gを得た。収率94%
【0154】このものの光学純度及びジアステレオマー
純度を高速液体クロマトグラフィー(移動相:ヘキサン
/エタノール=15/1、カラム:Chiralcel
OJ、ダイセル化学工業(株)製)で測定したとこ
ろ、光学純度94%eeであり、ジアステレオマー純度
99%de以上であった。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入手容易なルテニウム化合物、該ルテニウム化合物の配
位子として好適に用いることができるジアミン化合物を
提供できる。また、該ルテニウム化合物を触媒として用
いて、縮合環ケトン類やα−アミノケトン類を不斉還元
することにより、対応する光学活性アルコール類を、高
立体選択的かつ高収率で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 35/27 C07C 35/27 211/27 211/27 231/12 231/12 233/73 233/73 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 C07M 7:00 Fターム(参考) 4G069 AA06 BA27A BA27B BC70A BC70B BE08A BE15A BE15B BE26A BE26B BE36A BE37A BE37B BE45A BE46A BE46B CB02 CB57 CB70 4H006 AA01 AA02 AB40 AC41 AC81 BA23 BA46 BA48 BA61 BA81 BB11 BB12 BB14 BB20 BB21 BB22 BC10 BC11 BC34 BE10 BE20 BJ50 BN10 BV72 FC32 FE11 FE12 4H039 CA60 CB20 4H050 AA01 AB40 WB14 WB16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1): Ru(X)(Y)(Px)n1[R12*(NR34
    −A−R56*(NR78)] 〔式中、X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハ
    ロゲン原子、カルボキシル基、水酸基又はC1〜C20
    アルコキシ基を表し、Pxは、ホスフィン配位子を表
    し、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を
    有してもよいC1〜C20アルキル基、置換基を有して
    もよいC2〜C20アルケニル基、置換基を有してもよ
    いC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有してもよい
    アラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表
    す。また、R1とR2のいずれかがR3とR4のいずれか
    と、R5とR6のいずれかがR 7とR8のいずれかとが結合
    して環を形成してもよい。Aは、置換基を有していても
    よくエーテル結合を有していてもよいC1〜C3アルキ
    レン、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアル
    キレン、置換基を有していてもよいアリレンまたは置換
    基を有していてもよい2価のヘテロ環を表わす。Aがア
    ルキレンの場合はR1とR2のいずれかとR5とR6のいず
    れかとが結合して環を形成してもよい。)で表される基
    であり、*は不斉炭素原子であることを示し、n1は1
    または2の整数を表す。〕で表されるルテニウム化合
    物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(1)中のジアミン
    が一般式(2): [R12*(NR34)−A−R56*(NR34)] (式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6は請求項1
    と同様である)であることを特徴とする請求項1記載の
    ルテニウム化合物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の一般式(1)中のジアミン
    が一般式(2’): [R12*(NR34)−A−R12*(NR34)] (式中、A、R1、R2、R3、R4は請求項1と同様であ
    る)であることを特徴とする請求項1記載のルテニウム
    化合物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の一般式(1)におけるAが
    C1〜C3アルキレンであることを特徴とする請求項1
    記載のルテニウム化合物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の一般式(1)における
    2、R3、R4、R6、R7及びR8が水素原子である、請
    求項1、請求項3、請求項4記載のルテニウム化合物。
  6. 【請求項6】一般式(2): [R12*(NR34)−A−R56*(NR34)] (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は請求項1と同
    様である)で表わされるジアミン化合物。
  7. 【請求項7】一般式(3)又は(3’) 【化1】 (式中、A環部は置換基を有してもよい3〜8員環を表
    し、B環部は、置換基を有していてもよく、ヘテロ原子
    を含んでもよい、4〜8員環を表す。)で表される縮合
    環ケトン類を、請求項1〜4のいずれかに記載のルテニ
    ウム化合物の存在下に、水素ガス又は水素供与体を水素
    源として不斉水素還元する工程を有する、一般式(4)
    又は(4’) 【化2】 (式中、A環部、B環部及び*は前記と同じ意味を表
    す。)で表される光学活性アルコール類の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(5):Ra−CO−CH(Rb)−Rc 〔式中、Ra及びRcは、それぞれ独立して、水素原
    子、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、置
    換基を有してもよいC2〜C20アルケニル基、置換基
    を有してもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を
    有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいア
    リール基を表す。Rbは、 一般式(6):R9CO(R11)N− 一般式(7):R9CO(R10CO)N− 一般式(8):R911N− で表されるいずれかの基を表す。(ここで、R9、R10
    及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、ホルミル
    基、置換基を有してもよいC1〜C20アルキル基、置
    換基を有してもよいC2〜C20アルケニル基、置換基
    を有してもよいC1〜C20アルコキシ基、置換基を有
    してもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有し
    てもよいC3〜C8シクロアルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアラルキ
    ルオキシ基、置換基を有してもよいアリール基又は置換
    基を有してもよいアリールオキシ基を表す。また、R9
    とR11又はR9とR10は結合して、5〜8員の含窒素ヘ
    テロ環を形成してもよい。)〕で表されるα−アミノケ
    トン類を、請求項1〜4記載のいずれかのルテニウム化
    合物の存在下に、水素ガス又は水素供与体を水素源とし
    て不斉水素還元する工程を有する、 一般式(10):Ra−C*H(OH)−CH(Rb)−Rc 〔式中、Ra、Rb、Rc及び*は前記と同じ意味を表
    す。〕で表される光学活性β−アミノアルコール類の製
    造方法。
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