JP2002283582A - インク充填装置 - Google Patents

インク充填装置

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JP2002283582A
JP2002283582A JP2001083048A JP2001083048A JP2002283582A JP 2002283582 A JP2002283582 A JP 2002283582A JP 2001083048 A JP2001083048 A JP 2001083048A JP 2001083048 A JP2001083048 A JP 2001083048A JP 2002283582 A JP2002283582 A JP 2002283582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクカートリッジ内部の減圧および空気の
混入のないインクの充填を簡単に行う。 【解決手段】 ピストン18を引き上げると、第1逆止
弁11が開き、インクカートリッジa内部の空気が内側
シリンダ14内部に流入する。ピストン18を押し下げ
ると、第2逆止弁12が開き、内側シリンダ14内部の
空気は通気孔2を通して外界へ排出される。これによ
り、インクカートリッジa内部の気圧は低下する。栓部
材3を引き上げると、排出孔8の封止が解除され、イン
クが連通管9から注入管10を通り、圧力の低下したイ
ンクカートリッジaに充填される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに収容されるインクカートリッジにインクを充填
するインク充填装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタに収容さ
れるインクカートリッジにインクを充填するインク充填
装置が提案されている(例えば、特開平11−2079
89号公報および特開平11−320903号公報参
照)。
【0003】このうち、前者のインク充填装置は、イン
クカートリッジ内部を気密状態に保持してインク補給具
の注入部材をフェルトに突き刺し、ピストンをシリンダ
から引き出すことによって、インクカートリッジ内部の
空気を吸引して減圧する。その後、ピストンから手を離
すことにより、シリンダ内部とインクカートリッジ内部
との圧力差で、シリンダに貯留されたインクがインクカ
ートリッジ内部に注入されるものである。
【0004】また、後者のインク充填装置は、ピストン
にシリンダ内部と連通する通気孔を設けるとともに、こ
の通気孔を封止することが可能な栓体を設けている。そ
して、栓体が通気孔を封止した状態で、インクカートリ
ッジ内部を気密状態に保持してインク補給具の注入部材
をフェルトに突き刺した後、ピストンをシリンダから引
き抜いて、インクカートリッジ内部の空気を吸引して減
圧する。吸引した空気はシリンダ上部に収容され、イン
クはシリンダ下部に収容される。次いで、栓体を外す
と、外界からの空気がシリンダ内部に入り、シリンダ内
部とインクカートリッジ内部との圧力差により、減圧さ
れたインクカートリッジにシリンダに貯留されたインク
が注入されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、インクカートリッジ内部を減圧する
際、ピストンの引き上げに大きな力を必要とするととも
に、予めインクがシリンダ内部に貯留されている場合、
インク注入時以外にピストンを押すとインクが漏れると
いう問題点がある。さらに、後者のインク充填装置にお
いては、吸引されたインクカートリッジ内部の空気がシ
リンダに貯留されたインクに混入し、インク注入時に通
気孔から泡状のインクが逆流するという問題点もある。
【0006】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、インクカートリッジ内部の減圧および
空気の混入のないインクの充填を簡単に行うことができ
るインク充填装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、外側シリンダ
および外側シリンダよりも小径な内側シリンダからなる
2重シリンダと、2重シリンダの内側シリンダ内に摺動
自在に嵌挿されたピストンと、2重シリンダの底部およ
びピストンの底部にそれぞれ設けられ、インクカートリ
ッジ内部の空気を内側シリンダおよびピストンを経て外
界に至る方向へのみ通流可能な逆流阻止手段と、2重シ
リンダの外側シリンダおよび内側シリンダとの間に空気
の流路と独立して設けられ、インクカートリッジに充填
されるインクを収容するインク収容部と、インク収容部
に摺動自在に設けられ、インク充填前において、インク
収容部の排出孔を封止するとともに、インク充填時にお
いて、インク収容部の排出孔の封止を解除可能な栓部材
と、から構成され、ピストンが2重シリンダの内側シリ
ンダの軸方向に沿って挿抜移動することにより、逆流阻
止手段を経てインクカートリッジ内部の空気を吸引して
減圧する一方、栓部材が軸方向に沿って移動することに
より、インク収容部とインクカートリッジとの差圧に基
づいてインク収容部のインクをインクカートリッジに充
填することを特徴とするものである。
【0008】この発明によれば、ピストンと逆流阻止手
段とを有しており、ピストン断面積を充分小さくできる
ので、抜気工程におけるピストンの引き上げに要する力
は、従来のピストンの引き上げに要する力の数分の一と
なる。そのため、インクカートリッジ内部の減圧が十分
に行われ、空気が残留した状態でインク充填工程が行わ
れることはない。したがって、充填直後の印字性能は良
好になる。また、インク収容部が、空気の流路と独立し
て、外側シリンダと内側シリンダとの間の空間に設けら
れているので、インク充填工程前において、不意にピス
トンを押し込んでも、インクがインク充填装置から漏れ
出すことはない。さらに、栓部材が、インク充填前は、
インク収容部の排出孔を封止し、インク充填時には、排
出孔の封止を解除するので、充填工程以前にインク充填
装置が転倒したり、ピストンが押圧されても、インクが
インク充填装置やインクカートリッジの外部に漏れ出す
心配がない。
【0009】この発明において、栓部材が、インク充填
前において、インク収容部が気密状態となる位置に栓部
材を保持する固定部と、インク充填時において、インク
の排出孔の封止を解除する位置でインク収容部からの抜
け出しを阻止する抜け止め部とを備えると、固定部でイ
ンク収容部をインク充填前には気密状態に保持し、イン
ク充填時にはインクの排出孔の封止を解除するので、作
業者は栓部材を移動させるだけでインク充填作業を行う
ことができる。また、抜け止め部は、栓部材のインク収
容部からの抜け出しを防止することができる。
【0010】この発明において、逆流阻止手段が、2重
シリンダの底部に設けられた第1逆止弁およびピストン
の底部に設けられた第2逆止弁であると、簡単な構造で
確実にインクカートリッジ内部の空気の逆流を阻止する
ことができる。
【0011】この発明において、2重シリンダには、イ
ンクカートリッジと連通して、空気を排出する一方、イ
ンク収容部のインクを注入する注入排出部材を備える
と、空気およびインクは所定の流路に沿って案内され
る。
【0012】この発明において、注入排出部材には、イ
ンクカートリッジ内部を気密状態に保持する気密部材が
設けられていると、インクカートリッジ内部の抜気を確
実に行うことができる。
【0013】この発明において、気密部材は、インクカ
ートリッジに密着可能な円錐形状の密着円錐体である
と、密着円錐体の斜面がインクカートリッジの貫通孔に
密着し、インクカートリッジ内の減圧を確実に行うこと
ができる。
【0014】この発明において、前記インク収容部に
は、インクの排出孔と注入排出部材とを連通する連通管
が設けられていると、インクカートリッジ内の空気の流
路がインク収容部を通ることがなく、よってインク充填
工程時にインクと空気とが混ざって泡が発生することが
なく、泡が発生することが原因でインクが逆流すること
もない。
【0015】この発明において、ピストンには、その内
部と外界とを連通する通気孔が形成されていると、ピス
トン内部と外界とが連通し、ピストン内部が大気圧に保
持される。
【0016】また、本発明は、外側シリンダおよび外側
シリンダよりも小径な内側シリンダからなる2重シリン
ダと、2重シリンダの内側シリンダ内に摺動自在に嵌挿
されたピストンと、2重シリンダの底部およびピストン
の底部にそれぞれ設けられ、インクカートリッジ内部の
空気を内側シリンダおよびピストンを経て外界に至る方
向へのみ通流可能な逆流阻止手段と、2重シリンダの外
側シリンダおよび内側シリンダとの間に空気の流路と独
立して設けられ、インクカートリッジに充填されるイン
クを収容するインク収容部と、インク収容部に摺動自在
に設けられ、インク充填前において、インク収容部の排
出孔を封止するとともに、インク充填時において、イン
ク収容部の排出孔の封止を解除可能な栓部材と、栓部材
を案内しつつ軸方向に移動させてインク収容部の排出孔
を封止し、または封止を解除する案内手段と、から構成
され、ピストンが2重シリンダの内側シリンダの軸方向
に沿って挿抜移動することにより、逆流阻止手段を経て
インクカートリッジ内部の空気を吸引して減圧する一
方、栓部材が案内手段に案内されて軸方向に移動するこ
とにより、インク収容部とインクカートリッジとの差圧
に基づいてインク収容部のインクをインクカートリッジ
に充填することを特徴とするものである。
【0017】この発明によれば、ピストンと逆流阻止手
段とで抜気でき、ピストン断面積を充分小さくできるの
で、抜気時におけるピストンの引き上げに要する力は、
従来のピストンの引き上げに要する力の数分の1とな
る。そのため、インクカートリッジ内部の減圧が十分に
行われ、空気が残留した状態でインク充填工程が行われ
ることはなく、充填直後の印字性能は良好となる。ま
た、インク収容部が空気の流路と独立して外側シリンダ
と内側シリンダとの間の空間に設けられるので、インク
充填前において、不意にピストンを押し込んでも、イン
クがインク充填装置から漏れ出すことはない。さらに、
栓部材は、インク充填前はインク収容部の排出孔を封止
し、インク充填時には排出孔の封止を解除するので、充
填前にインク充填装置が転倒したり、ピストンが押圧さ
れても、インクがインク充填装置やインクカートリッジ
の外部に漏れ出す心配がない。また、栓部材を案内移動
させる案内手段を有しているので、インク充填時にイン
ク収容部の排出孔の封止を解除して、インクを袋体内へ
充填することができ、インクの充填が終了したときに
は、栓部材を移動させて栓部材の先端が排出孔を封止し
て、インクの充填を停止させることができる。
【0018】この発明において、案内手段は、ピストン
のフランジの周方向に形成された長孔と、長孔の周縁に
沿ってその一端から他端にかけて高さが漸増するように
形成された壁部とを備えると、ピストンを軸中心に回転
させるという簡単な操作で栓部材は壁部によって案内さ
れて移動され、インク収容部の排出孔を封止し、または
封止を解除することができる。
【0019】この発明において、栓部材は、インク充填
前において、インク収容部が気密状態となる位置に栓部
材を保持する固定部を備えると、インク充填前におい
て、固定部がインク収容部を気密状態に保持するので、
作業者は栓部材を移動させるだけでインク充填作業をす
ることができる。
【0020】この発明において、栓部材が、案内手段に
案内される被案内部材を備えていると、作業者が直接排
出孔を封止したり、封止を解除する作業をする必要がな
い。
【0021】この発明において、被案内部材が、上下方
向に間隔をおいて2個の突出部を有し、被案内部材の2
個の突出部の間で案内手段を狭持すると、被案内部材が
壁部に摺動しながら上方に案内されて、栓部材が引き上
げられて排出孔の封止を解除できるとともに、インク充
填工程終了後には、被案内部材が壁部に摺動しながら下
方に押圧案内されて栓部材が押し下げられて排出孔を封
止することができる。
【0022】この発明において、壁部が、栓部材に設け
られる被案内部材が挿通可能な拡幅部と、被案内部材が
当接可能な狭幅部とを有すると、抜気工程時には栓部材
が拡幅部に位置してピストンと栓部材とが干渉するのを
防ぎ、インク充填工程時には、ピストンを回転させるこ
とで栓部材と狭幅部とを当接させて、栓部材を上下方向
に移動させることができる。
【0023】この発明において、壁部は、その狭幅部に
おいて、先端部が内側に突出する壁フランジ部を備える
と、被案内部材が壁フランジ部により、壁部に摺動しな
がら上方に案内されて、栓部材が引き上げられ、排出孔
の封止を解除できるとともに、インク充填工程終了後に
は、被案内部材が壁部に摺動しながら下方に案内されて
栓部材が押し下げられ、排出孔を封止することができ
る。
【0024】この発明において、2重シリンダは、ピス
トンを係止する係止部材を備え、また、ピストンは、係
止部材と係合可能な係合部を備え、係合部が係止部材に
係合してピストンの軸方向の移動を規制すると、インク
充填工程時に、ピストンが引き上げ方向に動かされるの
を制限して、インクが内側シリンダ内部に流れ込むのを
防ぐことができる。
【0025】この発明において、係合部がピストンの外
周面に設けた溝部であると、簡単な構成でピストンの移
動を制限することができる。
【0026】この発明において、逆流阻止手段が、2重
シリンダの底部に設けられた第1逆止弁およびピストン
の底部に設けられた第2逆止弁であると、簡単な構造で
確実に逆流を阻止することができる。
【0027】この発明において、2重シリンダには、イ
ンクカートリッジと連通して、空気を排出する一方、イ
ンク収容部のインクを注入する注入排出部材を備える
と、空気およびインクは所定の流路に沿って案内され
る。
【0028】この発明において、注入排出部材には、イ
ンクカートリッジ内部を気密状態に保持する気密部材が
設けられていると、インクカートリッジ内部の抜気を確
実に行うことができる。
【0029】この発明において、気密部材は、インクカ
ートリッジに密着可能な円錐形状の密着円錐体である
と、密着円錐体の斜面がインクカートリッジの貫通孔に
密着し、インクカートリッジ内の減圧を確実に行うこと
ができる。
【0030】この発明において、前記インク収容部に
は、インクの排出孔と注入排出部材とを連通する連通管
が設けられていると、インクカートリッジ内の空気の流
路がインク収容部を通ることがなく、よってインク充填
工程時にインクと空気とが混ざって泡が発生することが
なく、泡が発生することが原因でインクが逆流すること
もない。
【0031】この発明において、ピストンには、その内
部と外界とを連通する通気孔が形成されていると、ピス
トン内部と外界とが連通し、ピストン内部が大気圧に保
持される。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明の
第1実施形態を図を参照して説明する。
【0033】図1は、インク充填装置1がインクカート
リッジa内部に収容されたフレキシブルな袋体dに突き
刺された状態を示す概略構成断面図である。インク充填
装置1は、内側シリンダ14と外側シリンダ16とから
なる2重シリンダ13を備えている。内側シリンダ14
は外側シリンダ16より小径であって、外側シリンダ1
6内部において、外側シリンダ16と同軸上に設けられ
ている。2重シリンダ13内部には、外側シリンダ16
と内側シリンダ14とで囲まれる空間にインク収容部7
が形成され、インク収容部7内部には補充用のインク1
5が収容されている。
【0034】インク収容部7の上部には、栓部材挿通孔
5が設けられ、下部には栓部材挿通孔5と同軸上にイン
ク15の排出孔8が設けられている。そして、栓部材挿
通孔5には、その内周面に溝部5aが設けられている。
【0035】また、インク収容部7の栓部材挿通孔5に
は、棒状の栓部材3が摺動自在に挿入され、栓部材3の
先端部で排出孔8を封止している。また、栓部材3の他
端部には、固定部としての密閉部4が設けられており、
該密閉部4が溝部5aに嵌り込むことにより栓部材挿通
孔5を閉鎖している。
【0036】これにより、インク収容部7に収容された
インク15は気密状態に保たれ、栓部材3が上方へ引き
上げられるまで、インク15はインク収容部7から排出
されることはない。
【0037】栓部材3の先端部と密閉部4との間の中間
部には、インク15をインクカートリッジa内に充填す
る際、引き上げられた栓部材3がインク収容部7から抜
け出ることを防止する抜け止め部6が設けられている。
【0038】栓部材3の先端部は、排出孔8に挿入され
たとき、隙間を生じない形状に形成される。また、栓部
材3は、密閉部4、抜け止め部6および先端部を除い
て、栓部材挿通孔5との間に隙間を生じる径に形成され
ている。このため、インク充填時において、この隙間か
ら外界の空気が流入することにより、インク15の充填
速度が上昇する。
【0039】2重シリンダ13の底部には、注入排出部
材としての注入管10が内側シリンダと連通して設けら
れている。注入管10は、空気をインクカートリッジa
内から2重シリンダ13内部に案内するとともに、後述
する連通管9を介して、インク15を2重シリンダ13
内部からインクカートリッジa内部に案内する。注入管
10の先端部は、後述するインクカートリッジaに設け
られた封止部材bを突き刺して袋体d内部に挿入されて
いる。
【0040】注入管10は、2重シリンダ13と同一部
材で成型してもよいが、2重シリンダ13の成型を容易
にするため、2重シリンダ13と別体に成型されること
が好ましい。
【0041】なお、本実施形態では、注入管10は後述
する袋体d内部に設けられる発泡体cに突き刺されてい
ないものとする。
【0042】2重シリンダ13の底部と注入管10との
連結部には内側シリンダ14内からインクカートリッジ
a内部への空気の流入を阻止し、その逆方向の空気の通
流のみを可能とする第1逆止弁11が設けられている。
【0043】注入管10の長手方向中間部とインク収容
部7の排出孔8にはそれらを連通する連通管9が設けら
れ、インク収容部7に収容されているインク15を注入
管10に案内する。
【0044】なお、連通管9は、インク充填装置1の成
型を容易にするため、2重シリンダ13、注入管10と
別体に成型されることが好ましい。
【0045】内側シリンダ14の内側には、ピストン1
8が内側シリンダ14の軸方向に摺動可能に嵌挿されて
いる。そして、ピストン18と内側シリンダ14とで囲
まれる空間と外界とは、気密状態となるように、図示し
ないシール部材がピストン18の外周面に設けられてい
る。
【0046】ピストン18の底部には、空気が外界から
内側シリンダ14に流入するのを阻止し、その逆方向の
空気の通流を可能とする第2逆止弁12が設けられてい
る。
【0047】さらに、ピストン18の上端には、フラン
ジ17が設けられ、作業者はフランジ17を持ってピス
トン18を引き上げることができる。
【0048】一方、インクカートリッジaは、図示しな
いインクキャリッジ等に保持されるインクカートリッジ
本体eを備え、その内部には柔軟な材質(例えば、樹脂
フィルム)からできたインクを収容する袋体dを備えて
いる。袋体dの内部にはインクをしみ込ませるための発
泡体c(具体的には、連泡性発泡体)が設けられてい
る。
【0049】インクカートリッジaの上部開口部には、
インクカートリッジa内部が気密状態となるように弾性
体、例えば、ゴムなどで形成された封止部材bが設けら
れている。封止部材bの内側面には、袋体dの上部開口
部が溶着され、袋体dは封止部材bにより密閉されてい
る。
【0050】次に、上記構成のインク充填装置1による
抜気工程について図2および図3を参照して説明する。
【0051】なお、本実施形態において、「抜気」と
は、インクカートリッジa内に設けられた袋体d内部の
空気を吸い出して、その内部を減圧することをいう。
【0052】まず、図2に示すように、ピストン18を
2重シリンダ13から矢印Aに示す方向に引き上げる
と、内側シリンダ14内部に負圧が発生する。ピストン
18内部は通気孔2により外界と通じているため、ピス
トン18内部は大気圧である。このため、内側シリンダ
14内部とピストン18内部との圧力差により、第2逆
止弁12は下方へ引き込まれて閉鎖される。
【0053】一方、内側シリンダ14内部に発生した負
圧によって、内側シリンダ14内部と袋体d内部との間
に圧力差が発生し、この圧力差によって第1逆止弁11
は押し上げられ、袋体d内部の空気が注入管10を通っ
て、矢印Bに示す方向に流れ、内側シリンダ14内部に
流入する。
【0054】次いで、図3に示すように、ピストン18
を矢印Cに示す方向に押し下げると、内側シリンダ14
内部の空気が圧縮される。このため、第1逆止弁11は
下方へ押し下げられて閉鎖される。一方、ピストン18
の押し下げにより圧縮された内側シリンダ14内部の空
気は、ピストン18内部との圧力差により、矢印Dに示
す方向に通流し、第2逆止弁12を押し上げ、ピストン
18内部に流入する。ピストン18においては、内側シ
リンダ14から流入した空気の体積と同じ体積の空気
が、矢印Eに示す方向に、通気孔2を通して外界に排出
される。
【0055】このようにして、袋体d内部にある空気
は、注入管10、第1逆止弁11、内側シリンダ14、
第2逆止弁12およびピストン18を経て外界へ至る方
向へのみ通流することができ、その逆方向への通流は阻
止される。従って、内側シリンダ14内部の空気が袋体
d内部に逆流することはなく、また、ピストン18内部
の空気が内側シリンダ14内部に逆流することもない。
【0056】上記の抜気工程を複数回繰り返すことによ
って、袋体d内部の空気は矢印B、D、Eに示す方向に
流れて外界に排出され、袋体d内部は負圧状態となる。
【0057】次に、インク充填装置1によるインク充填
工程について図4を参照して説明する。
【0058】抜気工程が終了すると、内側シリンダ14
内部の空気をできるだけ少なくするため、ピストン18
をその底部が第1逆止弁11に接近するように2重シリ
ンダ13の下方へ押し下げる。
【0059】次に、栓部材3の外部に突き出している部
分を引き上げて、抜け止め部6を栓部材挿通孔5の下面
位置まで移動させる。これにより、栓部材3の先端部は
排出孔8を封止する位置から上方に移動し、インク収容
部7の排出孔8は開放される。排出孔8が開放される
と、インク収容部7内部が、連通管9および注入管10
を介して袋体d内部と連通した状態になる。ここに、袋
体d内部は負圧に保持されているので、大気圧に保持さ
れているインク収容部7内部との間に圧力差が発生し、
その結果、インク収容部7に収容されたインク15が、
矢印Fに示す方向に連通管9、注入管10を通って袋体
d内部に吸い込まれるように流れ込む。このようにし
て、袋体d内部が大気圧近くになるまで、あるいはイン
ク収容部7内部のインク全部が袋体d内部に注入される
まで、インクカートリッジaにインク15を充填するこ
とができる。
【0060】インク15の充填が終了すれば、再度、栓
部材3の密閉部4を栓部材挿通孔5の溝部5aに嵌め込
むとともに、栓部材3の先端部を排出孔8に嵌め込んで
封止する。栓部材3を押し下げることにより、インク収
容部7内部に残留したインク15が充填後に漏れて、イ
ンクカートリッジaの外側や作業者の手を汚すことを防
止できる。
【0061】この結果、ピストン断面積を充分小さくで
きるので、内側シリンダ14内部の圧力変化は小さくな
る。これにより、ピストン18を引き上げる際、ピスト
ン18を吸引する力は弱められる。したがって、抜気工
程におけるピストン18の移動に要する力は、従来のピ
ストン18の移動に要する力より小さくなる。
【0062】また、作業者は袋体d内部を十分に減圧す
ることができ、発泡体c内部や袋体d内部に多量の空気
が残留した状態でインク15が充填されるのを防止でき
る。
【0063】一方、インク15の充填が開始されるま
で、インク収容部7のインクの排出孔8は、栓部材3に
よって封止されている。このため、インク充填開始前に
インク充填装置1が転倒しても、インク15がインク充
填装置1やインクカートリッジa外に漏れ出すことはな
い。
【0064】また、インク15の排出はピストン18と
独立して動作する栓部材3によって制御されるため、イ
ンク充填装置1をインクカートリッジaに挿入する前に
おいて、不意にピストン18を押し下げたとしても、注
入管10からインクが漏れ出すことがない。
【0065】さらに、インク15の流入経路と空気の排
出経路が異なることおよびインク15が流入するタイミ
ングと空気が排出されるタイミングとが異なることか
ら、インク15の充填工程時にインク15と空気とが混
合せず、インクに泡は発生しない。このため、泡が発生
することによるインク15の逆流も発生しない。
【0066】本発明は上記実施の形態以外に、以下に示
す他の実施形態でも実施可能である。この他の実施形態
について、図5を参照して説明する。
【0067】インクカートリッジaは、柔軟な材質(例
えば、樹脂フィルム)からできた袋体dと、袋体d内部
に設けられた発泡体cに代えて、インクカートリッジ本
体e内部に発泡体cを設け、インクカートリッジ本体e
内部にインクを収容する形態であってもよい。
【0068】この場合、インクカートリッジ本体e内部
を減圧するために、注入管10の長手方向中間部に弾性
部材からなる略円錐形状の密着円錐体25が気密部材と
して用いられている。注入管10挿入時に密着円錐体2
5を穴に押圧密着させると、注入管10の位置決めがで
きるとともにインクカートリッジ本体e内部が気密状態
となる。この状態で上記抜気工程、インク充填工程を行
えば、上記実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0069】なお、密着円錐体25の寸法は、その斜面
がインクカートリッジaの貫通孔fに当接できる大きさ
であればよい。
【0070】さらに、インクカートリッジaは、上記実
施形態における袋体d内部に発泡体cを設けた構成以外
に、例えば、特開平5−201019号公報に記載され
るように、収縮自在なインクバッグ内部に圧縮ばねを使
用し、負圧を維持するインクカートリッジにも適用でき
る。
【0071】また、注入管10に使用する材料について
は、上記実施形態では2重シリンダ13と同一部材とし
ているがそれに限らず、別の材料、例えば、金属材料で
あってもよい。
【0072】連通管9に使用する材料についても、上記
実施の形態では限定していないが、インク収納部7に収
容されたインクを注入管10に供給することができる形
状に加工または成型できるものであればよい。また、2
重シリンダ13と同一の材料であってもよい。 (第2実施形態)以下、本発明の第2実施形態を図を参
照して説明する。
【0073】図6は、インク充填装置20が、インクカ
ートリッジaに収容されているフレキシブルな袋体dに
突き刺された状態を示す概略構成断面図である。
【0074】インク充填装置20の主要な構成要素は、
先に説明したインク充填装置1と同一であるため、同一
の構成要素については同一の番号を付すものとし、その
説明は省略する。
【0075】まず、栓部材3およびピストン18に付設
されたフランジ17の構造を図7、図8および図9を参
照して説明する。
【0076】栓部材3は、インク収容部7が気密状態と
なる位置に該栓部材3を保持する密閉部(固定部)4を
備え、インク充填前には、インク収容部7のインクの排
出孔を封止し、インク収容部7が気密状態となる位置に
該栓部材3を保持し、インク充填時においては、インク
収容部7のインクの排出孔8の封止を解除する。
【0077】また、栓部材3の他端部には、設定間隔を
おいて、外周方向に突出された突出部36,37からな
る当接部21が設けられている。この当接部21の突出
部36、37は、後述するように、案内部材22を構成
する壁部26の壁フランジ部35を狭持するように設定
されている。
【0078】図7(a)および図8(a)は、フランジ
17の上面図である。図7(b)および図8(b)は、
2重シリンダ13およびピストン18の側面図である。
図9は、図8に示すインク充填装置20の概略構成図で
ある。なお、図7、図8においては、インク充填工程を
明確に説明するために、2重シリンダ13およびフラン
ジ17、ピストン18の主要部分のみを示す。
【0079】ピストン18のフランジ17近傍の外周面
には、段差部34を設けることにより、ピストン18の
軸方向である垂直方向に延びる第1溝部29と、ピスト
ン18の周方向で且つ水平方向に延びる第2溝部30と
からなる逆L字状の案内溝部23が形成されている。こ
の案内溝部23に2重シリンダ13の上面から立設され
る係止部材としてのフック24の先端部が案内される。
【0080】インク充填工程時に、ピストン18を軸方
向に移動させようとすると、フック24が第2溝部30
の段差部34と係合してピストン18の軸方向の移動を
制限する。一方、ピストン18のフランジ17の上面に
は、その周方向に栓部材3を案内して上下方向に移動さ
せる案内手段としての案内部材22が設けられている。
案内部材22は、フランジ17を貫通して形成された長
孔32と、長孔32の端縁に沿って一端から他端にかけ
て高さが漸増するように形成された壁部26とから構成
されている。
【0081】案内部材22の長孔32の一端部の幅寸法
aは、栓部材3の当接部21の径より十分大きくなるよ
うに拡幅部33に形成されている(図8(a))。この
ため、インクカートリッジa内部の抜気を行う際、当接
部21はフランジ17と干渉することがない。
【0082】一方、案内部材22の長孔32の一端部に
形成された拡幅部33を除く幅寸法bは、栓部材3の当
接部21の径より小さくなるように形成されている(図
7(a))。
【0083】更に、長孔32の幅寸法がbの領域におい
て、壁部26の縦断面形状を図9に示す。壁部26に
は、互いに内側に突出した壁フランジ部35が設けられ
ている。この壁フランジ部35は、栓部材3の当接部2
1の突出部36と突出部37との間に狭持されている。
【0084】したがって、ピストン18を時計回り方向
に回転させると、当接部21の突出部36と突出部37
との間に壁部26の壁フランジ部35が嵌り込み、さら
に回転させると当接部21が壁部26に沿って上方に案
内される。これにより、栓部材3は、上方に引き上げら
れ、栓部材3の先端部による排出孔8の封止は解除され
る。
【0085】次に、第2実施形態の作動について説明す
る。
【0086】まず、初期状態においては、長孔32の拡
幅部33が栓部材3の当接部21と対向する位置にあ
り、栓部材3の当接部21が拡幅部33を挿通可能な状
態にある。これにより、フランジ17を上下方向に移動
させるとき、栓部材3と干渉することがない。また、フ
ック24は、第1溝部29にあって、第2溝部30に係
合されていない。このため、ピストン18は、軸方向の
移動を規制されず自由に移動できる状態にある。この状
態でピストン18を引き上げれば、フランジ17はその
長孔32の拡幅部33を通して、栓部材3の当接部21
と干渉することなく引き上げることができる。
【0087】続いて、インクカートリッジ内部を抜気す
る。ここで、ピストン18の引き上げによるインクカー
トリッジa内部の抜気工程は、上記第1実施形態におい
て説明したものと同一であるため、説明を省略する。こ
の結果、袋体d内部の空気は外界に排出され、袋体d内
部の圧力は負圧となる。
【0088】次に、上記構成のインク充填装置20によ
るインク充填工程について図7、図8および図9を参照
して説明する。
【0089】抜気終了後、まずフック24を第1溝部2
9内に位置させ(図7(b))、さらに内側シリンダ1
4内部の空間をできるだけ少なくするようにピストン1
8をその底部が第1逆止弁11に接近するまで押し下げ
る。このとき、フック24は第1溝部29と第2溝部3
0との交差部27に位置する。
【0090】同時に栓部材3の当接部21は案内部材2
2の長孔32の拡幅部33から上方に突出する位置にあ
る(図7(a))。次に、フランジ17を時計回り方向
に回転させると、フック24は交差部27から第2溝部
30に沿って移動する(図8(b))。同時に、案内部
材22が回動し、栓部材3の当接部21に対して相対移
動する(図8(a))。
【0091】移動途中において、壁フランジ部35が、
当接部21の突出部36と突出部37との間に嵌り込
む。壁部26は、高さが漸増するため、壁フランジ部3
5によって当接部21を上方へ案内し、それによって栓
部材3は上方に引き上げられ、栓部材3の先端部が排出
孔8の封止を解除する(図8(b)、図9)。
【0092】排出孔8が、開放されることにより、イン
ク収容部7が、連通管9および注入管10を介して袋体
d内部と連通した状態になる。袋体d内部は抜気工程に
よって負圧に保持されているので、大気圧に保持されて
いるインク収容部7内部との間に圧力差が発生する。
【0093】この結果、インク収容部7に収容されたイ
ンクが、図9に示す矢印Fの方向に、連通管9、注入管
10を通って袋体d内部に吸い込まれるように流れ込
む。そして、袋体d内部が大気圧近くになるまで、ある
いはインク収容部7内部のインク全部が袋体d内部に注
入されるまで、インクが充填される。
【0094】充填終了後、フランジ17を反時計回り方
向に回転させると、栓部材3は、当接部21の突出部3
6および突出部37が、案内部材22の壁フランジ部3
5に沿って押し下げられ、その先端部が排出孔8を封止
する(図6の状態)。栓部材3の当接部21が案内部材
22の一端部に到達すると栓部材3の当接部21は拡幅
部33に位置し、案内部材22との当接が解除される
(図7(b))。同時に、密閉部4は栓部材挿通孔5の
溝部5aに嵌め込まれる。
【0095】この結果、ピストン18のフランジ17の
上面に案内部材22が設けられ、案内部材22には、長
手方向の一端から他端にかけて高さが漸増するように壁
部26が設けられている。このため、栓部材3の当接部
21が壁フランジ部35に案内されて上下方向に移動す
るので、インク充填工程時にフランジ17を時計回り方
向に回転させるだけで、インク収容部7の排出孔8の封
止を解除してインク15を袋体d内へ充填することがで
き、充填工程が終了したときには、フランジ17を反時
計回り方向に回転させるだけで、栓部材3の先端部が排
出孔8を封止することができる。
【0096】また、ピストン18のフランジ17近傍の
外周面には段差部32による、ピストン18の軸方向に
延びる第1溝部29とピストン18の周方向に延びる第
2溝部30とからなる逆L字状の案内溝部23が形成さ
れ、この案内溝部23に2重シリンダ13の上面から立
設されるフック24の先端部が案内可能に設けられてい
る。このため、インク充填工程時、即ちフック24が第
2溝部30に位置しているときに、ピストン18が軸方
向に動かされるのを規制して、インクが内側シリンダ1
4内に流れ込むのを防止できる。
【0097】なお、案内部材22の一端及び他端の位置
を作業者がわかりやすくするため、フランジ17上、そ
の位置の近傍にマーク等をつけることが好ましい。
【0098】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、ピストンと逆流阻止手段とにより、インクカートリ
ッジ内部から空気を外界へ排出させる。2重シリンダに
おいては、2重シリンダの底部に設けられた逆流阻止手
段が、空気をインクカートリッジ内部から内側シリンダ
へ流入させ、逆流を阻止し、ピストンにおいては、ピス
トンの底部に設けられた逆流阻止手段が空気を内側シリ
ンダからピストン内部を通じて外界へ排出させ、逆流を
阻止する。
【0099】これにより、ピストン断面積を充分小さく
できるので、ピストンの移動に要する力を、従来のピス
トンの移動に要する力より小さくすることができる。
【0100】このため、インクカートリッジ内部の減圧
を十分に行うことができ、多量の空気がインクカートリ
ッジ内部に残留した状態でインクが充填されるのを防止
できる。また、栓部材が、インク充填前はインク収容部
の排出孔を封止し、インク充填時には排出孔の封止を解
除する。
【0101】また、本発明は、インク収容部に摺動自在
に設けられ、インク充填前において、インク収容部の排
出孔を封止するとともに、インク充填時において、イン
ク収容部の排出孔の封止を解除可能な栓部材を備えてい
る。
【0102】これにより、インク充填前にインク充填装
置が転倒したり、ピストンが押圧されたときでも、イン
クがインク充填装置やインクカートリッジ外に漏れ出す
ことがない。また、インクカートリッジ内部を抜気した
後、栓部材によって、抜気と別個にインクの充填が行わ
れるので、空気とインクの混合が生じず、インクに泡が
発生するのを防止できる。
【0103】また、本発明によれば、案内手段によっ
て、ピストンを中心軸を中心として回転させることによ
り栓部材を移動させることができる。これにより、イン
ク充填の際、ピストンを軸方向に移動させることなく、
インクをインクカートリッジに充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク充填装置の第1実施形態をインクカート
リッジとともに示す概略図である。
【図2】図1のインク充填装置のピストン引き上げによ
る抜気工程を示す説明図である。
【図3】図1のインク充填装置のピストン押し下げによ
る抜気工程を示す説明図である。
【図4】図1のインク充填装置によるインク充填工程を
示す説明図である。
【図5】本発明のインク充填装置の第1実施形態の変形
例を示す概略図である。
【図6】本発明のインク充填装置の第2実施形態をイン
クカートリッジとともに示す概略図である。
【図7】本発明のインク充填装置のフランジ周辺の構成
を示す概略図である。
【図8】本発明のインク充填装置のフランジ周辺の構成
を示す概略図である。
【図9】本発明のインク充填装置の第2実施形態を示す
説明図である。
【符号の説明】
1、20 インク充填装置 2 通気孔 3 栓部材 4 密閉部(固定部) 5 栓部材挿通孔 5a 溝部 6 抜け止め部 7 インク収容部 8 排出孔 9 連通管 10 注入管 11 第1逆止弁 12 第2逆止弁 13 2重シリンダ 14 内側シリンダ 15 インク 16 外側シリンダ 17 フランジ 18 ピストン 21 当接部 22 案内部材 23 案内溝部 24 フック 25 密着円錐体 26 壁部 27 交差部 28 狭幅部 29 第1溝部 30 第2溝部 32 長孔 33 拡幅部 34 段差部 35 壁フランジ部 36、37 突出部 a インクカートリッジ b 封止部材 c 発泡体 d 袋体 e インクカートリッジ本体
フロントページの続き (72)発明者 竹田 昌行 奈良県大和郡山市野垣内町2−2公団7− 411 Fターム(参考) 2C056 EA15 KD08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側シリンダおよび該外側シリンダより
    も小径な内側シリンダからなる2重シリンダと、2重シ
    リンダの内側シリンダ内に摺動自在に嵌挿されたピスト
    ンと、2重シリンダの底部およびピストンの底部にそれ
    ぞれ設けられ、インクカートリッジ内部の空気を内側シ
    リンダおよびピストンを経て外界に至る方向へのみ通流
    可能な逆流阻止手段と、2重シリンダの外側シリンダお
    よび内側シリンダとの間に空気の流路と独立して設けら
    れ、インクカートリッジに充填されるインクを収容する
    インク収容部と、インク収容部に摺動自在に設けられ、
    インク充填前において、インク収容部の排出孔を封止す
    るとともに、インク充填時において、インク収容部の排
    出孔の封止を解除可能な栓部材と、から構成され、ピス
    トンが2重シリンダの内側シリンダの軸方向に沿って挿
    抜移動することにより、逆流阻止手段を経てインクカー
    トリッジ内部の空気を吸引して減圧する一方、栓部材が
    軸方向に沿って移動することにより、インク収容部とイ
    ンクカートリッジとの差圧に基づいてインク収容部のイ
    ンクをインクカートリッジに充填することを特徴とする
    インク充填装置。
  2. 【請求項2】 前記栓部材は、インク充填前において、
    インク収容部が気密状態となる位置に該栓部材を保持す
    る固定部と、インク充填時において、インクの排出孔の
    封止を解除する位置でインク収容部からの抜け出しを阻
    止する抜け止め部とを備えることを特徴とする請求項1
    記載のインク充填装置。
  3. 【請求項3】 外側シリンダおよび該外側シリンダより
    も小径な内側シリンダからなる2重シリンダと、2重シ
    リンダの内側シリンダ内に摺動自在に嵌挿されたピスト
    ンと、2重シリンダの底部およびピストンの底部にそれ
    ぞれ設けられ、インクカートリッジ内部の空気を内側シ
    リンダおよびピストンを経て外界に至る方向へのみ通流
    可能な逆流阻止手段と、2重シリンダの外側シリンダお
    よび内側シリンダとの間に空気の流路と独立して設けら
    れ、インクカートリッジに充填されるインクを収容する
    インク収容部と、インク収容部に摺動自在に設けられ、
    インク充填前において、インク収容部の排出孔を封止す
    るとともに、インク充填時において、インク収容部の排
    出孔の封止を解除可能な栓部材と、栓部材を案内しつつ
    軸方向に移動させてインク収容部の排出孔を封止し、ま
    たは封止を解除する案内手段と、から構成され、ピスト
    ンが2重シリンダの内側シリンダの軸方向に沿って挿抜
    移動することにより、逆流阻止手段を経てインクカート
    リッジ内部の空気を吸引して減圧する一方、栓部材が案
    内手段に案内されて軸方向に移動することにより、イン
    ク収容部とインクカートリッジとの差圧に基づいてイン
    ク収容部のインクをインクカートリッジに充填すること
    を特徴とするインク充填装置。
  4. 【請求項4】 前記案内手段は、ピストンのフランジの
    周方向に形成された長孔と、該長孔の端縁に沿ってその
    一端から他端にかけて高さが漸増するように形成された
    壁部とを備えたことを特徴とする請求項3記載記載のイ
    ンク充填装置。
  5. 【請求項5】 前記栓部材は、インク充填前において、
    インク収容部が気密状態となる位置に該栓部材を保持す
    る固定部を備えたことを特徴とする請求項3記載のイン
    ク充填装置。
  6. 【請求項6】 前記栓部材は、案内手段に案内される被
    案内部材を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項
    5のいずれかに記載のインク充填装置。
  7. 【請求項7】 前記被案内部材は、上下方向に間隔をお
    いて2個の突出部を有し、該被案内部材の2個の突出部
    の間で案内手段を狭持することを特徴とする請求項6記
    載のインク充填装置。
  8. 【請求項8】 前記長孔は、栓部材に設けられる被案内
    部材が挿通可能な拡幅部と、被案内部材が当接可能な狭
    幅部とを有することを特徴とする請求項4記載のインク
    充填装置。
  9. 【請求項9】 前記壁部は、その狭幅部において、先端
    が内側に突出する壁フランジ部を備えたことを特徴とす
    る請求項8記載のインク充填装置。
  10. 【請求項10】 前記2重シリンダは、ピストンを係止
    する係止部材を備え、また、ピストンは、係止部材と係
    合可能な係合部を備え、係合部が係止部材に係合してピ
    ストンの軸方向の移動を規制することを特徴とする請求
    項3記載のインク充填装置。
  11. 【請求項11】 前記係合部は、前記ピストンの外周面
    に設けた溝部であることを特徴とする請求項10記載の
    インク充填装置。
  12. 【請求項12】 前記逆流阻止手段は、2重シリンダの
    底部に設けられた第1逆止弁およびピストンの底部に設
    けられた第2逆止弁であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項3記載のインク充填装置。
  13. 【請求項13】 前記2重シリンダには、インクカート
    リッジと連通して空気を排出する一方、インク収容部の
    インクを注入する注入排出部材を備えたことを特徴とす
    る請求項1または請求項3記載のインク充填装置。
  14. 【請求項14】 前記注入排出部材には、インクカート
    リッジ内部を気密状態に保持する気密部材が設けられた
    ことを特徴とする請求項13記載のインク充填装置。
  15. 【請求項15】 前記気密部材は、インクカートリッジ
    に密着可能な円錐形状の密着円錐体であることを特徴と
    する請求項14記載のインク充填装置。
  16. 【請求項16】 前記インク収容部には、インクの排出
    孔と注入排出部材とを連通する連通管が設けられたこと
    を特徴とする請求項1または請求項3記載のインク充填
    装置。
  17. 【請求項17】 前記ピストンには、その内部と外界と
    を連通する通気孔が形成されたことを特徴とする請求項
    1または請求項3記載のインク充填装置。
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