JP2002283356A - レンズシート成形型およびその製造方法 - Google Patents

レンズシート成形型およびその製造方法

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JP2002283356A
JP2002283356A JP2001089398A JP2001089398A JP2002283356A JP 2002283356 A JP2002283356 A JP 2002283356A JP 2001089398 A JP2001089398 A JP 2001089398A JP 2001089398 A JP2001089398 A JP 2001089398A JP 2002283356 A JP2002283356 A JP 2002283356A
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epoxy resin
less
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particle diameter
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JP2001089398A
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Yoshiyuki Ono
禎之 小野
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2P法によるレンズシートの量産にあたり、寸
法精度および耐久性の良好な樹脂成形型を提供し、量産
コストを低減する。 【解決手段】エポキシ樹脂材料として特定組成(物性)
の樹脂を使用し、さらに、特定の粒径分布を持たせた金
属紛を含有させ、注型可能な粘度のエポキシ樹脂組成物
を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばプロジェク
ションTV用スクリーンやオーバーヘッドプロジェクタ
ー用フレネルレンズシートなどのレンズシート類の作製
に用いられる成形型(スタンパ)およびその製造方法に
関するものである。上記の他に、光学要素を有する光学
物品の作製にも、本発明は適用できる。
【0002】
【従来の技術】フレネルレンズシートの製造方法とし
て、熱プレス成形法,キャスティング法,インジェクシ
ョン法などがある。最近では、製造サイクルが短く、形
状転写性が良好なフォトポリマー法(2P法)での製造
が主流と成りつつある。
【0003】2P法は、成形型(スタンパ)の成形面に
フォトポリマー(紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂
に代表される電離放射線硬化型樹脂)を塗布/注入する
などした後、電離放射線を照射してフォトポリマーを硬
化させ、レンズ部を構成する凹凸形状を形成する手法で
ある。一般に、塗布/注入されたフォトポリマーの上か
ら電離放射線透過性のフィルムもしくはシートが積層さ
れ、電離放射線の照射により、フォトポリマーの硬化物
と前記フィルムもしくはシートは重合接着された構成の
レンズシートとなる。
【0004】2P法の採用にあたり、用いられる成形型
(スタンパ)としては、金属板に高精度のNC旋盤でフ
レネルレンズ形状と逆型のV溝を切削し、その形状を正
確に転写することにより成形されるものであり、金属金
型を用いて1個1個を成形することが一般的である。こ
の方法では、フレネルレンズを量産するにあたり、切削
金型が多量に必要となるが、金型1枚を切削するのに、
通常、200〜300時間程度の時間が必要であり、製
造原価に占める金型コストが非常に大きくなる。
【0005】これに対して、切削金型を原型とし、前記
原型から種々の方法による複製を介して、1枚の切削金
型から複数枚の樹脂成形型を得た後、2P法を実施する
方法が提案されている。
【0006】例えば、特開2000―71257号公報
では、熱可塑性樹脂シート上に熱プレス法により凹凸パ
ターンを転写し、これを樹脂成形型として使用すること
が提案されているが、この方法では、熱可塑性樹脂に熱
プレスして転写する工程のみで成形型を作製することが
できる反面、熱プレス法では樹脂特有の熱戻り現象や熱
成形サイクルが長いため、寸法精度や生産性の点から良
好とは言い難い。また、上記成形型は、紫外線硬化型樹
脂に対する耐久性も良好とは言い難く、成形ショット数
に限界がある。
【0007】耐久性の向上した成形型に関して、特開平
6−246757号公報では、樹脂成形型の材質とし
て、アルミニウム紛を50〜85%含有するエポキシ樹
脂を用いる方法が提案されており、耐久性が優れ、寸法
精度が良いとされている。しかしながら、エポキシ樹脂
に多量のアルミニウム紛を混入させるには、粒子径の分
布やエポキシ樹脂の種類や粘度を考慮しなければならな
い。実際に、粒経の揃ったアルミニウム紛を混入しよう
とすると、エポキシ樹脂の粘度によっては、注型不可能
な粘度になる場合があり、50〜85%までアルミニウ
ム紛を含有させることが出来たとしても、エポキシ樹脂
成形型の作製が困難であることが確認された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決し、実用に供する上で好適な耐久性に優れたエポ
キシ樹脂成形型を提案するものである。すなわち、エポ
キシ樹脂材料として特定組成(物性)の樹脂を使用し、
さらに、特定の粒径分布を持たせた金属紛を含有させる
ことで、注型可能な粘度のエポキシ樹脂組成物を実現可
能にすることで、フレネルレンズ,レンチキュラーレン
ズあるいはプリズムレンズ形状などの光学要素を有する
樹脂成形物を、安価にしかも比較的容易に提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、放射線硬化型
樹脂の硬化物である凹凸により構成されるレンズ部を形
成する際に用いられる成形型において、前記成形型は、
金属紛(D)を含有するエポキシ樹脂を主材料とし、前
記エポキシ樹脂は、下記(A)(B)(C)を含み、 (A)23℃における粘度が3000mPa・s以下で
ある官能基を2つ以上有する液状の芳香族アミノエポキ
シ樹脂 (B)23℃における粘度が100mPa・s以下であ
る液状の硬化剤 (C)硬化促進剤 前記金属紛(D)は、その最大粒子径dに対して、1/
2,1/4,1/8,1/22の粒子径を、d1/2 ,d
1/4 ,d1/8 ,d1/22とした場合、d1/2 以下の粒子径
の金属紛を85〜99重量%、d1/4 以下の粒子径の金
属紛を65〜75重量%、d1/8 以下の粒子径の金属紛
を35〜45重量%、d1/22以下の粒子径の金属紛を1
5〜30重量%、含有することを特徴とするレンズシー
ト成形型(および、その製造方法)である。
【0010】金属紛(D)を含有するエポキシ樹脂は、
樹脂成分と金属紛(D)との重量比(樹脂:金属紛)
が、40:60〜25:75の範囲内にあることが好ま
しい。
【0011】また、前記金属紛(D)の最大粒子径dが
200μm以下であることが好ましい。
【0012】前記金属紛(D)として、アルミニウム
紛,マグネシウム紛,銅紛,鉄粉から選択される少なく
とも1種類を使用することができる。
【0013】本発明のレンズシート成形型を構成するエ
ポキシ樹脂に含まれる(A)(B)(C)を、以下に説
明する。
【0014】(A)23℃における粘度が3000mP
a・s以下である官能基を2つ以上有する液状の芳香族
アミノエポキシ樹脂は、アミノフェノール類のポリグリ
シジル化したものであり、p―アミノフェノール,m−
アミノフェノール,o−アミノフェノールなどのアミノ
フェノールや、4―アミノ−m−クレゾール,4―アミ
ノ−o−クレゾール,6―アミノ−m−クレゾール,5
―アミノ−m−クレゾール,3―エチル−4−アミノフ
ェノール,2―エチル−4−アミノフェノールなどをグ
リシジル化したものなどが挙げられる。
【0015】芳香族アミノエポキシ樹脂の粘度を、(2
3℃において)3000mPa・s以下とすることで、
金属紛を大量に配合することが可能となる。また、前記
粘度が3000mPa・sを超えると、金属紛を配合す
ること自体は可能であっても、エポキシ樹脂組成物の流
動性が低下し、注型用の樹脂として使用することが困難
となる。
【0016】硬化剤としては、(B)23℃における粘
度が100mPa・s以下である液状の硬化剤が使用可
能であるが、前記硬化剤としては、脂環式ポリアミン系
が好適である。
【0017】前記硬化剤を、(23℃において)100
mPa・s以下の低粘度とすることによって、上記エポ
キシ樹脂との混合時に流動化しやすく、注型を容易に行
なえる。
【0018】硬化促進剤としては、各種のものが使用可
能であるが、特に、(C)イミダゾール系硬化促進剤が
好適であり、2―メチルイミダゾール,2―フェニルイ
ミダゾール,2―フェニル−4―メチルイミダゾール,
2―エチル−4―メチルイミダゾール,1―シアノエチ
ル−4−メチルイミダゾール,1―シアノエチル−2−
メチルイミダゾールなどのイミダゾールおよびその誘導
体が挙げられる。
【0019】これら硬化促進剤のうちどれを用いるか
は、エポキシ樹脂組成物の硬化速度,硬化物性,硬化剤
の種類に応じて適宜選択される。硬化促進剤の添加量に
は、エポキシ樹脂100重量部に対して、通常0.1〜
6重量部、好ましくは0.3〜5重量部が好適である。
【0020】エポキシ樹脂に含有される金属紛(D)と
しては、アルミニウム粉,鉄粉,銅紛,マグネシウム紛
などが使用できる。金属紛を含有することで、樹脂組成
物の熱伝導性が良好になり、従来は緩やかだった昇温工
程を速やかに行なえるようになり、温度管理が容易にな
り、温度に起因する硬化収縮や膨張が抑えられると共
に、成形型作製に要する時間が短縮される。また、金属
粉の最大粒径を200μm以下のアルミニウム粉とする
ことで、フレネルレンズ形状のようなレンズ形状を再現
良く転写することができ、比重が小さく軽量化できる。
上記のうち、アルミニウム紛が熱伝導性の点で良好であ
り、熱硬化時の反応熱を速やかに逃がす点や、比重が小
さいので硬化物が軽量化できる点などから好ましいが、
さらに軽量化が要求される場合には、マグネシウム紛も
適している。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明によ
るレンズシート成形型およびその製造方法について詳細
に説明する。図1および図2は、成形型の製造工程を示
すフローチャートであり、図3および図4は、成形型の
製造例を示す説明図である。
【0022】<実施形態1>実施形態1は、図1に示す
工程による。(請求項5に対応) 最初に、金属粉を含有するエポキシ樹脂主剤と硬化剤
(硬化促進剤含む)とを所定量混合したエポキシ樹脂組
成物を、母型を固定した型枠内に注入する(エポキシ樹
脂注入工程101)。
【0023】次いで、注入したエポキシ樹脂中の気泡を
抜くために、減圧下で脱泡する(脱泡工程102)。
【0024】脱泡工程102終了後、大気解放し、常温
〜80℃の温度に保持した恒温槽内で注入したエポキシ
樹脂を硬化させ、1次硬化を行う(1次硬化工程10
3)。
【0025】1次硬化工程103終了後、母型より硬化
物を脱型する(脱型工程104)。
【0026】さらに、脱型した硬化物の強度を挙げる目
的で、2次硬化する(2次硬化工程105)ことで、表
面にレンズ形状が転写されたレンズシート成形型が作製
される。
【0027】図1のフローチャートに係る製造工程を図
3に図示する。図中、302は、表面(同図で上側)に
フレネルレンズやレンチキュラーなどのレンズ形状が形
成された母型である。母型302の材質としては、シリ
コーン樹脂が可とう性があり、後述するように脱型する
際に容易であり好ましい。
【0028】この母型302を平滑な定盤上に設置し、
母型302の周囲を型枠で囲み、さらに上面に平滑なバ
ック材をかぶせ空洞を作り、注入材料が周囲へ漏れるの
を防ぐと共にレンズシート成形型の裏面を平面出しす
る。
【0029】型枠およびバック材は、後ほど取り除く必
要があることから、エポキシ樹脂と接する面には離型材
を塗布しておく必要がある。バック材中央付近の注入口
を設けて、そこから真空攪拌機にて配合したエポキシ樹
脂組成物(左下がりのハッチングで示す)301を注入
する。
【0030】注入口とは別に排出口を設けて余分な樹脂
を排出できるようにしても良い。次いで、減圧容器内に
移して、減圧下においてエポキシ樹脂組成物を脱泡す
る。(図示せず) 減圧の度合は、400Pa以下に維持すると効率的に脱
泡できる。
【0031】エポキシ樹脂注入工程と脱泡工程とは、別
々に行なっても良いが、母型と型枠を真空容器内に設置
して、減圧した状態で注入口からエポキシ樹脂を注入す
ると、注入と脱泡が効率よく行なえるので好ましい。エ
ポキシ樹脂組成物301として、分散混合する金属粉の
最大粒径を200μm以下のアルミニウム粉とすること
で、フレネルレンズ形状のようなレンズ形状を再現良く
転写することができ、比重が小さく軽量化できる。
【0032】空洞内をエポキシ樹脂で満たしたら、定盤
上の母型302および型枠を恒温槽に移して、常温〜8
0℃の温度範囲内で1次硬化させる。1次硬化を高温で
行なうと、母型の種類によっては、耐熱性に乏しい場合
や熱膨張係数が大きい場合には、転写精度が低下するの
で常温〜80℃の範囲で行なうと良い。
【0033】1次硬化が終了した段階で、常温に戻して
型枠およびバック材を外してから、母型302とエポキ
シ樹脂硬化物303とを切り離すことで、表面にレンズ
形状が転写されたレンズシート成形型304が出来上が
る。
【0034】エポキシ樹脂からなる成形型304は、剛
性があるため、母型として可とう性のあるシリコーン樹
脂のような材料を使用すると、脱型の際に、母型側から
剥離することで容易に母型302とレンズシート成形型
とを切り離すことができる。
【0035】成形型304の機械的強度を向上する目的
で、150℃以上の高温で2次硬化することでエポキシ
樹脂を完全に反応させ、最終的なレンズシート成形型と
なる。(図示せず)
【0036】<実施形態2>実施形態2は、図2に示す
工程による。(請求項7に対応) 最初に、金属粉を含有するエポキシ樹脂主剤と硬化剤
(硬化促進剤含む)とを所定量混合した第1のエポキシ
樹脂組成物401を、母型302を固定した型枠内にレ
ンズ形状面を満たす程度の少量注入する(第1のエポキ
シ樹脂注入工程201)。
【0037】次いで、注入したエポキシ樹脂401中の
気泡を抜くために、減圧下で脱泡する(脱泡工程20
2)。
【0038】脱泡工程202終了後、大気解放し、常温
〜80℃の温度に保持した恒温槽内で注入した第1のエ
ポキシ樹脂401の熱硬化を行う(第1のエポキシ樹脂
硬化工程203)。
【0039】第1のエポキシ樹脂硬化工程203終了
後、第1のエポキシ樹脂硬化物402上に、第2のエポ
キシ樹脂403を注入する(第2のエポキシ樹脂注入工
程204)。
【0040】レンズシート成型に使用するレンズ形状面
となる第1のエポキシ樹脂は脱泡の必要があるが、第2
のエポキシ樹脂に関しては、レンズ形状を転写するわけ
ではないので、脱泡の必要は無い。
【0041】次いで、常温〜80℃の温度に保持した恒
温槽内で注入した第2のエポキシ樹脂403の熱硬化を
行う(第2のエポキシ樹脂硬化工程205)。
【0042】母型より硬化物を脱型し(脱型工程20
6)、さらに、脱型した硬化物の強度を挙げる目的で、
再度熱硬化する(硬化工程207)ことで、表面にレン
ズ形状が転写された第1のエポキシ樹脂硬化物402/
第2のエポキシ樹脂硬化物403から構成される2層の
レンズシート成形型405が作製される。
【0043】図2のフローチャートに係る製造工程を図
4に図示する。図中、302は、表面(同図で上側)に
フレネルレンズやレンチキュラーなどのレンズ形状が形
成された母型である。母型302の材質としては、シリ
コーン樹脂が可とう性があり、脱型する際に容易であり
好ましい。
【0044】この母型302を平滑な定盤上に設置し、
母型302の周囲を型枠で囲み、さらに上面に平滑なバ
ック材をかぶせ空洞を作り、注入材料が周囲へ漏れるの
を防ぐとともにレンズシート成形型の裏面を平面出しす
る。
【0045】型枠およびバック材は、後ほど取り除く必
要があることから、エポキシ樹脂と接する面には離型材
を塗布しておく必要がある。バック材中央付近の注入口
を設けて、そこから真空攪拌機にて配合した第1のエポ
キシ樹脂401を注入する。
【0046】注入口とは別に排出口を設けて余分な樹脂
を排出できるようにしても良い。次いで、減圧容器内に
移して、減圧下において第1のエポキシ樹脂組成物40
1を脱泡する。(図示せず) 減圧の度合は、400Pa以下に維持すると効率的に脱
泡できる。
【0047】第1のエポキシ樹脂注入工程301と脱泡
工程302とは、別々に行なっても良いが、母型と型枠
を真空容器内に設置して、減圧した状態で注入口から第
1のエポキシ樹脂401を注入すると、注入と脱泡が効
率よく行えるので好ましい。
【0048】第1のエポキシ樹脂組成物401の注入量
は、レンズ形状面を形成する程度の少量で良い。また、
第1のエポキシ樹脂組成物として、分散混合する金属粉
の最大粒径を200μm以下のアルミニウム粉とするこ
とで、フレネルレンズ形状のようなレンズ形状を再現良
く転写することができ、比重が小さく軽量化できる。さ
らに微細なフレネルレンズ形状の場合には、必要に応じ
てさらに微細な金属粉を使用することが望ましい。
【0049】空洞内に第1のエポキシ樹脂組成物401
を注入したら、定盤上の母型302および型枠を恒温槽
に移して、常温〜80℃の温度範囲内で熱硬化させる。
熱硬化を高温で行うと、母型の種類によっては、耐熱性
に乏しい場合や熱膨張係数が大きい場合には転写精度が
低下するので、常温〜80℃の範囲で行なうと良い。
【0050】第1のエポキシ樹脂組成物401の熱硬化
が終了した段階で、さらに第2のエポキシ樹脂組成物4
03を注入する。注入は、第1のエポキシ樹脂組成物4
01を注入する場合と同じ要領で実施される。
【0051】第2のエポキシ樹脂組成物403として、
金属粉の含有量を多くし、最大粒子径を200μm以上
の大きな粒子径とすると、成形型の脆さを改善でき、耐
熱性も向上する。また、第2のエポキシ樹脂組成物は、
レンズ形状を形成する部分ではないので、粒子径はかな
り大きな金属粉を用いても良く、例えば最大粒子径を数
mm程度とすることで、より多くの金属粉を容易に充填
できると共に、エポキシ樹脂成分と比較して安価な金属
粉を多量に使用することにより、成形型のコスト低減を
図ることができる。
【0052】第1のエポキシ樹脂組成物401では、樹
脂成分:金属粉の配合比は、40:60〜25:75の
範囲内が適切であるが、上記の理由で、第2のエポキシ
樹脂組成物403では、配合比は、35:65〜15:
85の範囲内とすることができる。
【0053】空洞内を第2のエポキシ樹脂組成物403
で満たしたら、第1のエポキシ樹脂組成物401の熱硬
化と同じ要領で第2のエポキシ樹脂組成物403を常温
〜80℃の温度範囲内で熱硬化させる。
【0054】第2のエポキシ樹脂組成物403の熱硬化
が終了した段階で、常温に戻して型枠およびバック材を
はずしてから、レンズ形状が転写された第1のエポキシ
樹脂組成物の硬化物402および第2のエポキシ樹脂組
成物の硬化物404から構成される2層構造のレンズシ
ート成形型を母型302から切り離すことで、表面にレ
ンズ形状が転写されたレンズシート成形型405が出来
上がる。
【0055】次いで、レンズシート成形型405の機械
的強度を向上する目的で、150℃以上の高温で再度熱
硬化することで第1のエポキシ樹脂組成物の硬化物およ
び第2のエポキシ樹脂組成物の硬化物を完全に反応さ
せ、最終的なレンズシート成形型405となる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような種々の効
果がある。第1に、低粘度のエポキシ樹脂組成物に特定
の粒子径分布を持つ金属粉を多量に配合することによ
り、レンズ形状を高精度に転写することができる。
【0057】第2に、熱伝導性の良い充填物として金属
粉を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化時の
反応熱を素早く放熱し、レンズ形状のバラツキを抑制で
きる。
【0058】第3に、熱伝導性の良い充填物として金属
粉を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化時の
反応熱発生を抑制できるため、硬化温度までの昇温や降
温を速やかに行っても、成形型作製時の割れを生じにく
く、ひいては成形型の作製に要するサイクルタイムを短
縮できるので、生産性が向上する
【0059】第4に、レンズシート成形型の耐久性が向
上し、レンズシートの成形ショット数が増大するため、
コスト低減できる。
【0060】第5に、レンズ形状部分とその他の部分で
異なるエポキシ樹脂組成物を使用することで、さらに微
細なレンズシート成形型を、高精度にしかも高強度に作
製できるので、高品質なレンズシートを安価に供給でき
る。
【0061】上述のような種々の効果によって、紫外線
硬化型樹脂を用いた2P法での製造に好適なレンズシー
ト成形型を提供でき、特に、透過型スクリーンに使用さ
れるフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシー
トなどの微細なレンズ形状を有する種々のレンズシート
を、高品質・安価に提供できることになる。
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る成形型の製造工程を
示すフローチャート。
【図2】本発明の一実施形態に係る成形型の製造工程を
示すフローチャート。
【図3】本発明の一実施形態に係る成形型の製造例を示
す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係る成形型の製造例を示
す説明図。
【符号の説明】
301…エポキシ樹脂組成物 302…母型 303…エポキシ樹脂組成物の硬化物 304…レンズシート成形型 401…第1のエポキシ樹脂組成物 402…第1のエポキシ樹脂組成物の硬化物 403…第2のエポキシ樹脂組成物 404…第2のエポキシ樹脂組成物の硬化物 405…レンズシート成形型

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線硬化型樹脂の硬化物である凹凸によ
    り構成されるレンズ部を形成する際に用いられる成形型
    において、 前記成形型は、金属紛(D)を含有するエポキシ樹脂を
    主材料とし、 前記エポキシ樹脂は、下記(A)(B)(C)を含み、 (A)23℃における粘度が3000mPa・s以下で
    ある官能基を2つ以上有する液状の芳香族アミノエポキ
    シ樹脂 (B)23℃における粘度が100mPa・s以下であ
    る液状の硬化剤 (C)硬化促進剤 前記金属紛(D)は、その最大粒子径dに対して、1/
    2,1/4,1/8,1/22の粒子径を、d1/2 ,d
    1/4 ,d1/8 ,d1/22とした場合、 d1/2 以下の粒子径の金属紛を85〜99重量%、 d1/4 以下の粒子径の金属紛を65〜75重量%、 d1/8 以下の粒子径の金属紛を35〜45重量%、 d1/22以下の粒子径の金属紛を15〜30重量%、含有
    することを特徴とするレンズシート成形型。
  2. 【請求項2】放射線硬化型樹脂の硬化物である凹凸によ
    り構成されるレンズ部を形成する際に用いられる成形型
    において、 前記成形型は、金属紛(D)を含有するエポキシ樹脂を
    主材料とし、 前記エポキシ樹脂は、樹脂成分と金属紛(D)との重量
    比(樹脂:金属紛)が、40:60〜25:75の範囲
    内にあることを特徴とする請求項1記載のレンズシート
    成形型。
  3. 【請求項3】前記金属紛(D)の最大粒子径dが200
    μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記
    載のレンズシート成形型。
  4. 【請求項4】前記金属紛(D)として、アルミニウム
    紛,マグネシウム紛,銅紛,鉄粉から選択される少なく
    とも1種類を使用することを特徴とする請求項1〜3の
    何れかに記載のレンズシート成形型。
  5. 【請求項5】成形するレンズシートと同一形状の凹凸面
    を有する母型を固定した型枠内に、エポキシ樹脂組成物
    を注入する工程と、減圧下にて脱泡する工程と、常温〜
    80℃の温度範囲内でエポキシ樹脂組成物を1次硬化す
    る工程と、母型からエポキシ樹脂硬化物を脱型する工程
    と、脱型後150℃以上の温度で2次硬化する工程とを
    含むレンズシート成形型の作製方法において、 前記成形型は、金属紛(D)を含有するエポキシ樹脂を
    主材料とし、 前記エポキシ樹脂は、下記(A)(B)(C)を含み、 (A)23℃における粘度が3000mPa・s以下で
    ある官能基を2つ以上有する液状の芳香族アミノエポキ
    シ樹脂 (B)23℃における粘度が100mPa・s以下であ
    る液状の硬化剤 (C)硬化促進剤 前記金属紛(D)は、その最大粒子径dに対して、1/
    2,1/4,1/8,1/22の粒子径を、d1/2 ,d
    1/4 ,d1/8 ,d1/22とした場合、 d1/2 以下の粒子径の金属紛を85〜99重量%、 d1/4 以下の粒子径の金属紛を65〜75重量%、 d1/8 以下の粒子径の金属紛を35〜45重量%、 d1/22以下の粒子径の金属紛を15〜30重量%、含有
    することを特徴とするレンズシート成形型の作製方法。
  6. 【請求項6】前記金属紛(D)の最大粒子径dが200
    μm以下であり、 前記エポキシ樹脂は、樹脂成分と金属紛(D)との重量
    比(樹脂:金属紛)が、40:60〜25:75の範囲
    内にあることを特徴とする請求項5記載のレンズシート
    成形型の作製方法。
  7. 【請求項7】成形するレンズシートの同一形状の凹凸面
    を有する母型を固定した型枠内に、第1の樹脂組成物を
    注入する工程と、減圧下にて脱泡する工程と、常温〜8
    0℃の温度範囲内で第1の樹脂組成物を熱硬化する工程
    と、次いで、前記母型および第1の樹脂硬化物を固定し
    た型枠内に、第2の樹脂組成物を注入する工程と、常温
    〜80℃の温度範囲内で第2の樹脂組成物を熱硬化する
    工程と、母型から第1/第2の樹脂硬化物の積層体を脱
    型する工程と、脱型後、150℃以上の温度で前記樹脂
    組成物の積層体を2次硬化する工程とを含むレンズシー
    ト成形型の作製方法において、 第1および第2の樹脂組成物は、金属紛(D)を含有す
    る下記(A)(B)(C)を含むエポキシ樹脂を主材料
    とし、 (A)23℃における粘度が3000mPa・s以下で
    ある官能基を2つ以上有する液状の芳香族アミノエポキ
    シ樹脂 (B)23℃における粘度が100mPa・s以下であ
    る液状の硬化剤 (C)硬化促進剤 前記金属紛(D)は、その最大粒子径dに対して、1/
    2,1/4,1/8,1/22の粒子径を、d1/2 ,d
    1/4 ,d1/8 ,d1/22とした場合、 d1/2 以下の粒子径の金属紛を85〜99重量%、 d1/4 以下の粒子径の金属紛を65〜75重量%、 d1/8 以下の粒子径の金属紛を35〜45重量%、 d1/22以下の粒子径の金属紛を15〜30重量%、含有
    することを特徴とするレンズシート成形型の作製方法。
  8. 【請求項8】前記金属紛(D)の最大粒子径dが200
    μm以下であり、 前記エポキシ樹脂は、樹脂成分と金属紛(D)との重量
    比(樹脂:金属紛)が、40:60〜25:75の範囲
    内にあることを特徴とする請求項7記載のレンズシート
    成形型の作製方法。
  9. 【請求項9】第2の樹脂組成物における前記金属紛
    (D)の最大粒子径dが200μm以下であり、 前記第2のエポキシ樹脂組成物は、樹脂成分と金属紛
    (D)との重量比(樹脂:金属紛)が、35:65〜1
    5:85の範囲内にあることを特徴とする請求項7また
    は8記載のレンズシート成形型の作製方法。
  10. 【請求項10】前記金属紛(D)として、アルミニウム
    紛,マグネシウム紛,銅紛,鉄粉から選択される少なく
    とも1種類を使用することを特徴とする請求項5〜9の
    何れかに記載のレンズシート成形型の作製方法。
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