JP2002282961A - 熱交換器のヘッダタンクにおける穴加工方法 - Google Patents

熱交換器のヘッダタンクにおける穴加工方法

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JP2002282961A JP2001088182A JP2001088182A JP2002282961A JP 2002282961 A JP2002282961 A JP 2002282961A JP 2001088182 A JP2001088182 A JP 2001088182A JP 2001088182 A JP2001088182 A JP 2001088182A JP 2002282961 A JP2002282961 A JP 2002282961A
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一浩 光川
Ryoichi Sanada
良一 真田
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高夫 池田
Atsushi Yazawa
厚志 矢澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサのような熱交換器用の断面楕円形
のヘッダタンクに、素材のパイプの変形やバリの発生を
伴うことなくスリット状の穴を形成する。 【解決手段】 被加工物である断面楕円形のパイプ1に
対して、実質的にパイプ1の楕円形断面の長径に沿う方
向に穴開けパンチ5を移動させてパイプに切り込ませる
ことにより、パイプにスリット状の穴17を形成する。
穴開けパンチ5が2段階の切れ刃6及び7を備えている
場合には、1段目によって内側に向かってバリ状の変形
部分が生じても、2段目によってその部分が削り取られ
る。切り残し部18の高い部分は、中間製品16の剛性
を保持するために役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調装置に使用さ
れるコンデンサのような熱交換器のヘッダタンクにおけ
る穴加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空調装置用のコンデンサ(凝縮
器)、エバポレータ(蒸発器)、或いは自動車エンジン
用のラジエータ(放熱器)のような熱交換器におけるヘ
ッダタンクは、小型化と部品点数の削減のために、断面
形が従来のように円形ではなく、楕円形のように扁平な
断面形状の、単一のパイプ状のものとすることが多くな
ってきた。このような熱交換器のヘッダタンクには、相
互に平行な多数の熱交換用チューブの両端を挿入して取
り付けるための多数の穴の他に、1本のヘッダタンクを
長手方向に複数個の領域に区画する仕切り板を外部から
挿入するための、幅が実質的に一定のスリット状の穴を
開けることが必要になる場合がある。この仕切り板は多
数の熱交換用チューブを幾つかのグループに分けて、一
対のヘッダタンクの間を冷媒のような流体が何回も折り
返して流れるようにするために用いられる。
【0003】ヘッダタンクの素材であるアルミニウムの
ような金属からなるパイプに、仕切り板を装着するため
の穴をプレス加工によって形成する場合には、プレス機
械によって一定の方向に駆動されるパンチの他に、芯金
或いはダイのようなものを用意して、パンチに対応する
位置においてそれと協働するように、被加工物であるパ
イプの内部へ芯金又はダイを挿入し、それによってパイ
プの内面を支持すると穴加工が確実に行われるが、1本
のヘッダタンクの長手方向において仕切り板を取り付け
る位置は熱交換器の型毎に異なっているので、芯金又は
ダイを使用することによって加工設備が複雑になるの
と、芯金又はダイの着脱や位置決めのために加工時間が
増加するというデメリットが生じる。そこで、このよう
な場合に芯金やダイ等を使用しない簡単なプレス加工方
法の実現が望まれている。
【0004】このような目的のために、特開平5−17
2488号公報に記載された方法においては、断面が円
形のヘッダタンク用のパイプに対して、プレス加工によ
って仕切り板用のスリット状の穴を開けるために、ま
ず、先の尖った穴開けポンチを使用して、断面円形のパ
イプに仕切り板の直径よりも小さい切り込みを形成した
後に、仕切り板と同一の外径を有する拡口パンチを小さ
い切り込みに圧入することにより、切り込みの両端を切
り起こして、仕切り板を挿入することができる大きさに
なるまで長手方向に切り込みを拡げる。次に、拡げた切
り込みに円形の仕切り板を挿入し、切り起こしによって
できた突起を円形の治具を用いて押し曲げて、仕切り板
を押さえ込むようにする。
【0005】この従来技術における穴加工の方法は、対
象が断面円形のアルミニウム製のパイプであれば所期の
目的を達成することができるものと思われるが、前述の
ように最近多くなってきた断面楕円形のパイプにこの従
来技術を適用すると、断面楕円形のパイプは、断面円形
のそれに比べて同じ肉厚であっても剛性が格段に低いの
で、最初に穴開けポンチによって比較的小さい切り込み
を形成する段階か、或いは拡口パンチを小さい切り込み
に圧入して切り込みを拡げる段階のいずれかにおいて、
断面楕円形のパイプが不規則に変形する可能性が高い。
極端な場合にはパイプが押し潰されるが、押し潰されな
くても変形が大きい場合には、パイプに穴を開けること
や穴を拡げることが不可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、ヘッダタンクの素
材が断面楕円形の剛性の低いパイプであっても、また、
芯金又はダイ等を使用していなくても、断面楕円形のパ
イプの変形やバリの発生を伴うことなしに、仕切り板用
のスリット状の穴をプレス加工によってパイプに容易に
形成することができるような、熱交換器のヘッダタンク
のための改良された穴加工方法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1
に記載された熱交換器のヘッダタンクにおける穴加工方
法を提供する。
【0008】本発明の穴加工方法においては、熱交換器
のヘッダタンクとなる断面楕円形のパイプに対して、穴
開けパンチをパイプの楕円形断面の長径側に移動させ
て、穴開けパンチをパイプに実質的に長径方向に切り込
ませることによってスリット状の穴を形成する。断面楕
円形のパイプに対して短径方向に穴開けパンチを押しつ
けると、パイプが潰れるように変形して穴加工ができな
いような場合でも、断面楕円形のパイプの断面の長径方
向における剛性は、同じ断面の短径方向における剛性に
比べて格段に高いので、芯金又はダイを使用しない簡単
な構造の穴加工装置によっても、穴開けパンチが切り込
む時にパイプが変形したり潰れるようなことがなく、簡
単にスリット状の穴を開けることが可能になる。このス
リット状の穴は、例えば、パイプによって構成されるヘ
ッダタンクを複数個の領域に区画する仕切り板を挿入す
るために使用することができる。なお、本発明において
「楕円形」というのは、真の楕円形でなくても、それに
類似する小判形等の扁平形状を含む。
【0009】穴開けパンチがパイプに切り込む位置が、
パイプの楕円形断面の短径方向において高い場合には、
切り込んだ位置の内側にバリ状の変形部分が発生するこ
とがあるので、その変形部分が、スリット状の穴に例え
ば仕切り板を挿入するような時に支障となる恐れがある
が、穴開けパンチをパイプに切り込ませる位置の高さ
を、パイプの楕円形断面の短径方向において短径の長さ
の30%以下にすれば、バリ状の変形部分の大きさを問
題のない程度に小さくすることができる。
【0010】本発明の穴加工方法を実施するときに、ス
リット状の穴が形成された後に残る切り残し部のパイプ
の短径方向における高さが、パンチの入口側と出口側と
の間で異なるように設定すれば、高さが低い方の切り残
し部の端部が形成されることによって、バリ状の変形部
分が発生しても、その高さを低く抑えることができると
共に、高さが高い方の切り残し部の端部によって曲げ剛
性が確保されるので、パイプの中間製品を搬送する際
に、それが折れ曲がって破損するというようなトラブル
を防止することできる。
【0011】このように、切り残し部の端部の高さがパ
ンチの入口側と出口側との間で異なるように設定するた
めには、2段階の切れ刃を備えている穴開けパンチを使
用すればよいが、より簡単な形状の穴開けパンチによっ
て同じような効果を挙げるために、単一の切れ刃を有す
る穴開けパンチをパイプの楕円形断面の長径方向に対し
て若干傾斜する方向に移動させてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例について説明
する前に、図3の(a)から(d)を参照して、前述の
従来技術における穴加工方法の内容を更に詳細に説明す
る。(a)に示す101は熱交換器用のヘッダタンクの
素材としての断面円形のパイプであって、102は先の
尖った穴開け用のポンチである。(b)に示すように、
ポンチ102をプレス機械によってパイプ101に押し
込むことにより、断面円形のパイプ101に図示しない
仕切り板の直径よりも小さい(短い)スリット状の切り
込み103を形成した後に、(c)に示すように、仕切
り板と同一の外径を有する拡口パンチ104を小さい切
り込み103に圧入することにより、切り込みの両端を
切り起こして、(d)に示すように、両端に突起105
を有するスリット状の大きな切り込み106を形成す
る。そこで形成された切り込み106に図示しない仕切
り板を挿入し、切り起こしによってできたバリのような
突起105を図示しない円形の治具を用いて押し曲げて
仕切り板を押さえ込む。
【0013】図3の(a)から(d)に示した従来技術
においては穴開け用のポンチ102の他に拡口パンチ1
04をも使用し、最後に円形の治具を用いるというよう
にプレス加工を3回も行うのと、拡口パンチ104を圧
入する切り起こしによってバリのような突起105が形
成されるので、それを始末する必要があるというよう
に、多段階で煩雑なプレス工程と、それらの工程を実行
するための複雑な構成の加工設備を必要とする。
【0014】また、仮に図3に示す従来技術の被加工物
を断面円形のパイプ101から断面楕円形のパイプに替
えるとすれば、図4(a)に示すように、穴開け用のポ
ンチ102を断面楕円形のパイプ1に押しつける時に、
図4(b)に示すように、パイプ1が潰れて変形する可
能性が高い。もし、穴開け用のポンチ102によって断
面楕円形のパイプ1上に図示しない仕切り板よりも小さ
い切り込みを設けることができたとしても、次に図3
(c)に示すような拡口パンチ104によってその切り
込みを拡げる時にパイプ1が潰れる可能性がある。いず
れにしても、図3の(a)から(d)に示したような従
来技術によって、断面楕円形のパイプ1に仕切り板を挿
入するための穴を形成する穴加工を行うことは困難であ
る。
【0015】なお、図4の(a),(b)において、2
は断面楕円形のパイプ1を支持するために図示しないプ
レス機械のベッド上に取り付けられた金型であって、金
型2にはパイプ1の外形と同じ楕円形の2分の1の断面
形を有する溝3が形成されている。また、断面楕円形の
パイプ1の上部左右に4として示したものは、被加工物
である断面楕円形のパイプ1を金型2の溝3上に固定す
るためのクランプであって、穴開け用のポンチ102が
移動し得る通路を形成すると共に、パイプ1を押さえる
面は楕円形の一部をなす断面形を有し、金型2上にパイ
プ1を着脱する時に左右に拡開するか、或いは左右一体
となって上方へ後退することができる。
【0016】このように、図3の(a)から(d)に示
すような従来技術によって断面楕円形のパイプ1に穴加
工を行うことは困難であるから、それを可能にするこ
と、及び、それに使用する設備の構成と工程を簡単なも
のにすることが本発明の目的である。本発明の最も好適
な実施例である第1実施例を図1の(a)から(c)に
示す。図1(a)において、図示しないベッド上に取り
付けられて、被加工物としての断面楕円形のパイプ1を
下方から支持する金型2は、パイプ1の外面と同じ楕円
形の2分の1の断面形の溝3を有する。板状の穴開けパ
ンチ5は、断面楕円形のパイプ1及び金型2の長径に沿
って移動することができるように構成されており、図1
(a)に示すような2段階の切れ刃6及び7を備えてい
る。
【0017】穴開けパンチ5が図1(a)に示した位置
から左方へ移動する時に、最も先に被加工物であるパイ
プ1に接触する切れ刃6の先端8は、断面楕円形のパイ
プ1の長径の端部付近に切り込んで、その長径に沿って
図1(b)に示すように進行することによって、切れ刃
6はパイプ1の一部を打ち抜くか、或いは削り取ること
になる。その時に発生する抜き屑が図1の(b)に参照
符号9によって示されている。続いて穴開けパンチ5の
切れ刃7の先端10がパイプ1の残った下方部分に切り
込んで、その長径と平行に図1(b)のように進行する
ことによって、切れ刃7はパイプ1の一部を打ち抜いて
抜き屑11を分離させる。
【0018】穴開けパンチ5のこのような作動は、穴開
けパンチ5を図示しないプレス機械の駆動部分に取り付
けることによって行われる。また、穴開けパンチ5の通
過を許すために、金型2には穴開けパンチ5の移動方
向、即ちこの場合は断面楕円形の溝3の略長径に沿っ
て、溝3の方向とは直交する溝12が形成されていると
共に、金型2の上部においてそれと協働して断面楕円形
のパイプ1を押さえるクランプ13にも、同じ方向の溝
14が設けられる。なお、クランプ13にはパイプ1の
外形に合わせて楕円形の略2分の1の断面形の溝15が
形成されており、被加工物であるパイプ1を着脱する時
に、クランプ13が図示しない手段によって上下方向に
移動可能となっている。
【0019】図1の(a)に示す穴開けパンチ5が断面
楕円形のパイプ1の長径に沿って図1の(b)に示すよ
うに移動することによって、図1の(c)に示すような
形状の、断面楕円形のパイプ1に穴加工を施した中間製
品16が得られる。この図から明らかなように、中間製
品16は、穴開けパンチ5が通過した跡に、図示しない
仕切り板が挿入されるスリット状の穴17が形成されて
いる。穴開けパンチ5が2段階の切れ刃6及び7を備え
ているために、穴17が形成されなかった切り残し部1
8の左右の端部の高さは一致しておらず、パイプ1の外
表面の短径を高さHとすると、スリット状の穴17への
穴開けパンチ5の入口側となった残部18の短径方向の
高さTinと、出口側となった残部18の短径方向の高さ
Tout との間には所定の大きさの段差Dが形成されてい
る。そのために、出口側では残部18に十分な高さTou
t が残っているので、中間製品16の曲げ力に対する剛
性は十分に確保されて、中間製品16を搬送する時にそ
れが変形したり破損することを防止することができる。
【0020】このように、第1実施例においては、2段
階の切れ刃6及び7を有する穴開けパンチ5を使用する
と共に、剛性が高いパイプ1の長径の方向に穴開けパン
チ5を移動させて切り込むことにより、スリット状の穴
17の入口側では、切れ刃6の先端8が最初に断面楕円
形のパイプ1の長径の端部に接触して切り込む時でも変
形は起こり難くなるが、仮に、パイプ1の一部が切れ刃
6の先端8によって僅かに凹んで変形したとしても、ま
た、パイプ1の内側に長径方向にバリ状の変形が発生し
て、スリット状の穴17への仕切り板の挿入が妨げられ
るという懸念が生じるような場合でも、バリ状の変形部
分等は後続の切れ刃7によって削り取られて抜き屑11
として棄てられるので、中間製品16にはバリ状の変形
部分等が残らない。
【0021】また、スリット状の穴17の出口側では、
断面楕円形のパイプ1の長径端部の内面形状と、穴開け
パンチ5がパイプ1の長径方向に移動することから明ら
かなように、穴開けパンチ5の切れ刃6の先端8による
内側へのバリ状の変形は本来的に起こり難くなっている
し、第1実施例の場合は特に、金型2の溝3とクランプ
13の溝15が断面楕円形のパイプ1の外表面に嵌合し
ていて、パイプ1を確実にクランプしているから、仕切
り板のためのスリット状の穴17の出口側において中間
製品16に、仕切り板の挿入を妨げるようなバリ状の変
形部分が形成される恐れはない。
【0022】第1実施例の穴加工方法によって完成した
中間製品16は、前述のように図1の(c)に示したよ
うな形状の横断面を有するが、中間製品16の外観の左
側面形状が図2の(a)に、同じく平面形状が図2の
(b)に、同じく右側面形状が図2の(c)にそれぞれ
示されている。これらの図において、19は図示しない
熱交換用のチューブの端部を挿入するための多数の穴を
示している。図示実施例では熱交換用のチューブとして
偏平な断面形を有するものを使用するので、チューブ用
の穴19も幅が狭くて長いスリット状の穴となってい
る。従って、本発明の穴加工方法は、熱交換用チューブ
の挿入用の穴19を加工するために利用することができ
る場合もある。
【0023】なお、第1実施例の更に具体的な例を示す
と、穴開けパンチ5によってパイプ1にスリット状の穴
17が形成された後の切り残し部18の寸法に関して、
入口側の高さTinは、パイプ1の短径方向の高さHの約
30%以下とするのが好適である。このようにすれば、
穴開けパンチ5の2番目の切れ刃7によってバリ状の変
形が発生するのを抑えることができる。出口側の高さT
out は、パイプ1の短径方向の高さHの約2分の1とす
るのがよい。それによって切れ刃6の先端8が移動する
軌跡は実質的にパイプ1の長径と一致することになる。
【0024】次に、図5の(a)から(c)に示す本発
明の第2実施例について説明する。本発明は、図1に示
した第1実施例のように、穴開けパンチとして2段階の
切れ刃6及び7を備えている穴開けパンチ5を使用する
ことを必須の要件としている訳ではないから、図5に例
示した穴開けパンチ20のように、波状ではあっても実
質的に単一の切れ刃21と、単一の先端22を備えてい
るものを使用することができる。穴開けパンチ20の先
端22は図5の(b)に示すように断面楕円形のパイプ
1の長径に沿ってパイプ1に切り込んで行く。その結
果、図5の(c)に示すようなスリット状の穴23を有
する中間製品24が形成される。
【0025】この場合は、穴開けパンチ20の先端22
がパイプ1の高さHの2分の1程度の高い位置に切り込
むので、そこにバリ状の変形部分25が発生する可能性
が高くなる。また、第1実施例のように、後続の切れ刃
等によってバリ状の変形部分25を除去する工程を含ん
でいないから、中間製品24にバリ状の変形部分25が
残ると、スリット状の穴23に仕切り板を挿入した時
に、仕切り板がスリット状の穴23の中に確実に嵌着さ
れるのを妨げるとか、隙間が残って後に行われるロウ付
け工程においても隙間を埋めることができない場合が起
こり得る。それを防止するために、第1実施例のように
穴開けパンチ5に2段階の切れ刃6及び7を設けること
が有効であるが、第2実施例のように単一の切れ刃21
を有する穴開けパンチ20を使用する場合でも、バリの
突出高さBを小さく抑えることによって、実用上は問題
のない程度に本発明を実施することができる。
【0026】図6は、断面楕円形のパイプ1の高さH、
即ち、パイプ1の外形の短径寸法に対する、切り残し部
26のパンチの入口側の高さTinの割合(%)を横軸に
とると共に、バリ状の変形部分25の大きさ、即ち、バ
リの突出高さBを縦軸にとって、両者の関係を実験によ
って調べた結果を示したものである。パイプ1の材質が
アルミニウムであって、横軸の値が50%の場合はバリ
の突出高さBが0.6mm程度になる。第1実施例の場
合はバリ状の変形部分25を削り取る工程が続いている
から、その切れ刃7の先端10の高さTinがパイプ1の
高さHの30%であれば、バリの突出高さBは0.2m
m程度になるので、図示しない仕切り板との間にロウ付
けによって簡単に且つ確実に埋めることができる微小な
隙間ができるに過ぎない。第2実施例の場合も、切り残
し部26の穴開けパンチ20の先端22の入口側におけ
る高さTinを変化させると、図6のグラフのようにバリ
の突出高さBが変化するから、それに対応して仕切り板
の大きさを小さくして、バリ状の変形部分25との間に
できる隙間がロウ付けによって埋め得る許容範囲内にな
るようにすればよい。
【0027】このように図5及び図6に示す第2実施例
は、本発明における最も一般的で普遍的な実施例であ
る。この穴加工の方法によって断面楕円形のパイプ1に
形成されるスリット状の穴23に対して、挿入されるべ
き仕切り板の例を図7に参照符号26によって例示して
いる。仕切り板27は、ロウ付けに先立って行われる組
み付け工程において、スリット状の穴23に対して簡単
には外れ難いように軽く嵌合することができる形状とす
ることが望ましいから、図7に示す仕切り板27は単な
る楕円形の板ではなく、両側に腕状の係合部分28を備
えている。ロウ付けが終わって完成した状態では係合部
分28が少し突出するが、これは仕切り板の位置を外部
から確認するのに好都合である。第1実施例の場合にス
リット状の穴17に挿入される仕切り板も、係合部分2
8の位置が多少ずれるだけで、概ね仕切り板27と同様
な形状のものを使用することができる。
【0028】図8は、本発明の穴加工方法によって製造
された中間製品16(又は24)を使用して組み立てた
コンデンサのような熱交換器29を例示したものであ
る。パイプ1に穴加工を施した中間製品16は左右のヘ
ッダタンク30,31として使用される。一対の断面楕
円形のヘッダタンク30,31には、相手方に対して高
さの異なる位置に仕切り板27が取り付けられてロウ付
けされるので、それらの仕切り板27によって、図示実
施例ではヘッダタンク30が上下2つの領域に分割され
ると共に、ヘッダタンク31が上中下3つの領域に分割
されている。ヘッダタンク30,31の間に多数の熱交
換用チューブ32が相互に平行に取り付けられてロウ付
けされる。隣接する熱交換用チューブ32の間にはコル
ゲートフィン33がロウ付けされていて、それらの隙間
を通過する空気との間の熱交換効率を高める。ヘッダタ
ンク31に設けられた冷媒の入口は34として示されて
おり、冷媒の出口は35として示されている。
【0029】図8に示す熱交換器29はこのような構成
であるから、入口34からヘッダタンク31の仕切り板
27よりも上部の領域へ流入した気体状の冷媒は、上部
にある約半数の熱交換用チューブ32を通過してヘッダ
タンク30の仕切り板27よりも上部の領域へ流入す
る。その間に熱交換用チューブ32とコルゲートフィン
33を介して熱を通過する空気に与えることにより、冷
却された冷媒の一部が液化して体積が縮小する。そして
中段の熱交換用チューブ32を通ってヘッダタンク31
の2つの仕切り板27の間の中間領域へ流入する。この
間にも冷媒の凝縮が進み、体積が更に減少する。同様な
折り返しの流れがもう1回繰り返されて、凝縮した液体
状の冷媒が出口35から外部へ導出されることになる。
【0030】図9は本発明の第3実施例としての穴加工
方法を示すものである。第3実施例は、図1の(a)か
ら(c)に示す前述の第1実施例の方法を基本として、
それを更に発展させたものである。第3実施例において
は、2段階の切れ刃6及び7を有する穴開けパンチ5に
よる切り込みの前の予備工程において断面楕円形のパイ
プ1の被加工部分に短径方向の溝36を予め形成する。
そのために、パイプ1の短径方向に移動し得る溝付けパ
ンチ37が設けられ、穴開けパンチ5が後退している状
態において溝付けパンチ37を下降させて溝36を形成
する。溝36が形成されたパイプ1の被加工部分は薄肉
となるから、穴開けパンチ5の切れ刃6による切り込み
の際は勿論、切れ刃7による切り込みの時にもバリ状の
変形部分が発生し難くなる。その結果得られる中間製品
は、図1の(c)や図2の(a)から(c)に示した第
1実施例の中間製品16と同様な形状のものとなる。
【0031】図10の(a)及び(b)は、本発明の第
4実施例としての穴加工方法を示すものである。第4実
施例は、図5の(a)から(c)に示す前述の第2実施
例の方法を基本として、それを更に発展させたものであ
る。第4実施例においては、単一の切れ刃21を有する
穴開けパンチ20を、被加工物である断面楕円形のパイ
プ1の長径に対して若干傾斜した方向に移動させる点に
特徴がある。そのために、金型38には傾斜した溝39
が形成されると共に、クランプ40には傾斜した溝41
が形成される。それによって図10の(b)に示すよう
なスリット状の穴42を有する中間製品43が得られ
る。中間製品43は入口側の高さTinと出口側の高さT
out が異なっているので、第1実施例の場合の中間製品
16と概ね同様なものとなる。
【0032】図11の(a)及び(b)は、本発明の第
5実施例としての穴加工方法を示すものである。第5実
施例は、図10の(a)及び(b)に示す第4実施例の
方法に対して、図9に示す第3実施例の方法を加味し
て、それらを更に発展させたものである。第5実施例に
おいても、単一の切れ刃を有する穴開けパンチ53を、
被加工物である断面楕円形のパイプ1の長径に対して若
干傾斜した方向に移動させるが、その前に溝付けパンチ
55によって加工部分に溝付けを行う点に特徴がある。
そのために、金型54には傾斜した溝51及び52が形
成されると共に、クランプ57にも傾斜した溝58及び
59が形成される。それによって図11の(b)に示す
ようなスリット状の穴60を有する中間製品61が得ら
れる。この場合の中間製品61も入口側の高さTinと出
口側の高さTout が異なっているので、第1実施例の場
合の中間製品16と概ね同様なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図であって、
(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状態、(c)
は加工後の中間製品をそれぞれ示している。
【図2】第1実施例の穴加工方法によるヘッダタンクの
中間製品を示すもので、(a)は左側面図、(b)は平
面図、(c)は右側面図である。
【図3】従来技術として述べた穴加工方法を示す断面図
であって、(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状
態、(c)は加工中の他の状態、(d)は加工後の状態
をそれぞれ示している。
【図4】従来技術の穴加工方法を断面楕円形のパイプに
適用した場合を示す断面図であって、(a)は加工前の
状態、(b)は加工中の状態をそれぞれ示している。
【図5】本発明の第2実施例を示す断面図であって、
(a)は加工前の状態、(b)は加工中の状態、(c)
は加工後の中間製品をそれぞれ示している。
【図6】第2実施例の問題を克服するために行った実験
結果を示す線図である。
【図7】第2実施例の穴加工方法によるヘッダタンクの
中間製品と、それに装着される仕切り板を示す斜視図で
ある。
【図8】熱交換器の全体構造を例示する斜視図である。
【図9】本発明の第3実施例における予備加工が終わっ
た状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す断面図であって、
(a)は加工前の状態、(b)は加工後の中間製品をそ
れぞれ示している。
【図11】本発明の第5実施例を示す断面図であって、
(a)は加工前の状態、(b)は加工後の中間製品をそ
れぞれ示している。
【符号の説明】
1…断面楕円形のパイプ 2…金型 3,12,14,15…溝 4…クランプ 5…2段階の切れ刃を備えている穴開けパンチ 16…中間製品 17…スリット状の穴 18…切り残し部 19…熱交換チューブ用の穴 20…単一の切れ刃を有する穴開けパンチ 23…スリット状の穴 24…中間製品 25…バリ状の変形部分 26…切り残し部 27…仕切り板 30,31…ヘッダタンク 36…溝 37,55…溝付けパンチ 39,41,51,52,58,59…傾斜した溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 高夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 矢澤 厚志 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 4E048 KA02 KA09 LA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物である断面楕円形のパイプに対
    して、穴開けパンチを前記パイプの楕円形断面の長径側
    に移動させて前記パイプに切り込ませることにより、前
    記パイプにスリット状の穴を形成することを特徴とする
    熱交換器のヘッダタンクにおける穴加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スリット状の穴
    が、前記ヘッダタンクを複数個の領域に区画する仕切り
    板を挿入するために形成されることを特徴とする穴加工
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記パイプの
    楕円形断面の短径方向における高さが30%以下の部分
    から、前記パイプに対して前記穴開けパンチを切り込ま
    せることを特徴とする穴加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記スリット状の穴が形成された後に残る切り残し部
    の、前記パイプの短径方向における高さが、前記パンチ
    の入口側と出口側との間で異なるようにして、前記パイ
    プの中間製品の曲げ剛性を確保することを特徴とする穴
    加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記穴開けパンチと
    して、2段階の切れ刃を備えている穴開けパンチを使用
    することを特徴とする穴加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項4において、前記穴開けパンチ
    を、前記パイプの楕円形断面の長径方向に対して傾斜し
    た方向に移動させることを特徴とする穴加工方法。
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