JP2002282167A - 便 座 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、両大腿部を適度な角度に保つことが
出来、排便に好適な姿勢を楽に維持することが出来るた
め、楽に排便をすることが可能となる便座または補助便
座を提供することを課題とする。 【解決手段】便座本体３または補助便座本体５の前端部
左右両側に大腿部内側支持部８を隆起させた便座２また
は補助便座４を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は便器上に載置する便
座または既設便座上に載置する補高便座に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば便座として、一般に便座本
体の上面形状がフラットなものが提供されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】便座に着座した人は排
便し易いように左右の両大腿部を開いた姿勢を保つこと
が望ましいが、上記従来の便座では老人や病人等の弱者
が使用する場合に、便座本体の上面形状がフラットで両
大腿部を支えるものがないので、上記のような排便に好
適な姿勢を保つことが困難であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するための手段として、便座本体(3) の前端部左
右両側に大腿部内側支持部(8,8) を隆起させた便座(2)
を提供するものである。該大腿部内側支持部(8,8) の後
側に連接して外側に向けて低く傾斜する大腿部下側支持
部(9,9) を設けていることが望ましく、更に該便座本体
(3) の上面形状は全体的に若干前傾していることが望ま
しい。更に、該便座(2) に着座する人の尾てい骨が当た
る便座本体(3) の後端部の上面内側部分に後端凹部(11)
が形成されることが望ましく、また更に該便座(2) に着
座する人の大腿部が当たる該便座本体(3) の上面両側は
幅広とされていることが望ましく、また更に該便座本体
(3) の前端部上面に全幅にわたって貫通凹部(10)が設け
られることが望ましく、また更に該便座本体(3) 上面両
側にクッション材(7,7) が嵌着固定される凹部(6,6) を
設けていることが望ましい。該便座(2) は便器(1) に既
設されている既設便座(2A)上に載置される補助便座(4)
であって、該補助便座本体(5) の内周面下部には該既設
便座(2A)内周に嵌着される垂壁部(12)が設けられること
が望ましく、更に該補助便座本体(5) 下面の四隅には支
台(15,15) を設けていることが望ましい。

【０００５】

【作用】本発明の便座(2) では、使用者が着座した場合
に該大腿部内側支持部(8,8) が使用者の左右の両大腿部
を排便し易い開き角度に支持し、使用者は排便に好適な
姿勢を楽に維持することが出来る。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明を図１〜図７に示す一実施
例によって説明する。本実施例では図１に示すように便
器(1) に既設されている既設便座(2A)上に載置される補
助便座(4) の場合を例示する。図１および図３に示すよ
うに該補助便座本体(5) の上面には、着座する人の座骨
結節が当たる左右両側にクッション材(7,7) を嵌着する
ための凹部(6,6) が設けられ、前端部左右両側には大腿
部内側支持部(8,8) が隆起して設けられ、該大腿部内側
支持部(8,8) の後側に連接して外側に向けて低く傾斜す
る大腿部下側支持部(9,9) が設けられ（図７参照）、該
大腿部内側支持部(8,8) の間には全幅にわたって貫通凹
部(10)が設けられ、着座する人の尾てい骨が当たる後端
部内側部分には後端凹部(11)が形成されている。そし
て、該補助便座本体(5) の上面形状は全体的に若干前傾
した形状とされており（図４参照）、着座する人の大腿
部が当たる該補助便座本体(5) 上面両側の後寄り部分は
幅広かつ内側傾斜とされている（図６参照）。図２に示
すように該補助便座本体(5) の下面には、前側内周面に
該既設便座(2A)前側内周に嵌着されるリブ状の垂壁部(1
2)が垂設され、前側および左右両側にはＬ字状固定部材
(14,14) をスライド可能に取付けるための取付案内部(1
3,13)が設けられ、斜め四隅には下面に例えばゴム、エ
ラストマーまたはこれらの発泡体、プラスチック発泡体
等の弾性部材(16,16) を接着した支台(15,15) が設けら
れている。

【０００７】該補助便座本体(5) 上面の凹部(6,6) に嵌
着されるクッション材(7,7) は、例えばスチレン系エラ
ストマー等のゲル状組成物と、該ゲル状組成物を被覆す
るフィルムとからなり、該フィルムは柔軟性、伸縮性、
ヒートシール性、耐熱性および耐薬品性等を有するウレ
タン樹脂を材料として使用している。本実施例では該補
助便座(4) の凹部(6,6) 上面にはマジックファスナー
（登録商標）（図示せず）が貼着され、該クッション材
(7,7) 下面にはマジックファスナー（図示せず）が溶着
されており、該クッション材(7,7) を該凹部(6,6) 内に
嵌着し該マジックファスナーを貼り合わせることにより
該クッション材(7,7) を該補助便座(4) に固定する。該
クッション材(7,7) を設けることにより、使用者が着座
する時の衝撃を緩和することが出来、また痩せている人
が座る場合の座骨結節点周辺の痛みを軽減することが出
来る。

【０００８】図２〜図５に示すように、該補助便座本体
(5) 下面の前側および左右両側の取付案内部(13,13) の
中央には固定ねじ(17,17) を取付けるねじ穴が設けられ
ており、該Ｌ字状固定部材(14,14) の水平部分中央部に
は長穴(18,18) が設けられ、垂直部分先端部には保護カ
バー(19,19) が嵌着されている。該Ｌ字状固定部材(14,
14) を該補助便座本体(5) の取付案内部(13,13) に取付
け、該固定部材(14,14) の長穴(18,18) を介して固定ね
じ(17,17) を取付案内部(13,13) のねじ穴に螺着する。
この際に、該Ｌ字状固定部材(14,14) の長穴(18,18) 内
において該固定ねじ(17,17) の位置をスライド調節する
ことにより、該既設便座(2A)の形状に応じて該固定部材
(14,14) の取付位置を調節することが出来る。本実施例
において該補助便座(4) を該既設便座(2A)に取付固定す
る場合、該補助便座(4) は前側下部において該固定部材
(14,14) と該リブ状の垂壁部(12)とにより挟持されて前
後方向の固定が行われるとともに、左右両側下部におい
て該左右の固定部材(14,14) により挟持されて左右方向
の固定が行われる。そして、最初に該固定部材(14,14)
の位置を調節し固定しておけば、その後は該補助便座
(4) の該既設便座(2A)への着脱は自在に行うことが出来
る。更に該リブ状の垂壁部(12)を設けることにより、用
便中における該既設便座(2A)への尿や便の飛散を防止す
ることが出来る。

【０００９】該補助便座本体(5) の後端部に後端凹部(1
1)を設けることにより、使用者の尾てい骨が補助便座本
体(5) に当たりにくくなり良好な座り心地が得られる。
また該貫通凹部(10)からは用便後に使用者または介護人
が手を差し入れて使用者の局部を清拭することが容易に
なる。該補助便座本体(5) の上面両側を幅広とすること
により、着座したときの大腿部の接触面積が広くなり、
着座圧が分散されて長時間着座しても痛みを感じること
が減少され、また内側傾斜とすることにより着座する際
の安定性を得ることが出来る。また、該補助便座本体
(5) の上面形状は若干前傾しているため、使用者は着座
姿勢を楽にとることが出来る。該大腿部内側支持部(8,
8) および該大腿部下側支持部(9,9) を設けることによ
り、使用者が該補助便座(4) に着座した時に左右の両大
腿部が該大腿部内側支持部(8,8) および該大腿部下側支
持部(9,9) によって適当な開き角度に支持されて、使用
者は排便に好適な姿勢を楽に維持することが出来る。更
に、着座した使用者が立上がる場合には、該大腿部内側
支持部(8,8) の隆起部に手をつけば膝等に負担をかける
ことなく容易に立上がることが出来る。該補助便座(4)
の裏面に下面に弾性体(16,16) を接着した支台(15,15)
を設けると、該支台(15,15) の弾性体(16,16) が既設便
座(2A)に密着し、補助便座(4)の既設便座(2A)に対する
固定をより確実にしてガタツキをなくし、更に該既設便
座(2A)が該支台(15,15) との擦過等で傷つくのを防止す
る。また、該保護カバー(19,19) により補助便座(4) を
固定する際に該既設便座(2A)が傷つくのを防止する。

【００１０】該補助便座(4) を使用することにより、着
座面を既設便座(2A)より高位置に補うことが出来るため
立ち座りの際の膝への負担が軽減される。またシャワー
トイレ式の便器(1) に使用した場合には、既設便座(2A)
を立ち上げることなく該既設便座(2A)の上に載置するた
め、該既設便座(2A)の干渉をうけることがなく前後位置
を調節でき、更に立ち上げた既設便座(2A)裏面の汚れが
使用者の背中に付くこともないため衛生的である。本実
施例の補助便座本体(5) は、例えばポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン樹脂等の熱可塑性合成樹脂の射出成形によって製造さ
れる。

【００１１】本実施例以外、該リブ状の垂壁部(12)は該
補助便座本体(5) の内周面の全周にわたって垂設されて
いてもよい。また、該クッション材(7,7) はゲル状組成
物と該ゲル状組成物と同形の袋状カバー（図示せず）と
からなり、該袋状カバー内に該ゲル状組成部を収納して
該袋状カバーにマジックファスナーを溶着、接着または
縫着等して該補助便座本体(5) の凹部(6,6) に嵌着固定
してもよい。

【００１２】図８には他の実施例が示される。本実施例
では、図１〜図７に示した実施例において補助便座本体
(5) の下面からリブ状の垂壁部(12)を垂設したのに対
し、図８に示すように補助便座本体(5) の内周壁をその
まま下方に延長して垂壁部(12)を延設する。本実施例以
外、該垂壁部(12)は該補助便座本体(5) の内周面の全周
にわたって垂設されていてもよい。

【００１３】図９には更に他の実施例が示される。本実
施例では便器(1) 上に設置する便座(2) の場合を例示す
る。図１〜図７に示した実施例において補助便座(4) を
既設便座(2A)に固定する固定手段としてＬ字状固定部材
(14,14) を使用するとともに該補助便座本体(5) 下面に
支台(15,15) を設けたのに対し、図９に示す本実施例に
おいて該便座(2) は便座本体(3) 後部根端に設けられて
いる取付部(20,20) を介して便器後縁に取付られる。

【００１４】

【発明の効果】本発明では、両大腿部を適度な角度に保
つことが出来、排便に好適な姿勢を楽に維持することが
出来るため、楽に排便をすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

図１〜図７は本発明の一実施例を示すものである。

【図１】斜視図である。

【図２】裏側斜視図である。

【図３】説明平面図である。

【図４】Ａ−Ａ断面図である。

【図５】前面図である。

【図６】Ｂ−Ｂ断面図である。

【図７】Ｃ−Ｃ断面図である。

【図８】他の実施例の側断面図である。

【図９】更に他の実施例の斜視図である。

【符号の説明】

1 便器 2A 既設便座 2 便座 3 便座本体 4 補助便座 5 補助便座本体 6 凹部 7 クッション材 8 大腿部内側支持部 9 大腿部下側支持部 10 貫通凹部 11 後端凹部 12 垂壁部 15 支台

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野塚 智子 愛知県名古屋市港区船見町１番地の74 ア ロン化成株式会社技術研究所内 Ｆターム(参考） 2D037 AA12 AA13 AC01

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】便座本体の前端部左右両側に大腿部内側支
   持部を隆起させたことを特徴とする便座。
2. 【請求項２】該大腿部内側支持部の後側に連接して外側
   に向けて低く傾斜する大腿部下側支持部を設けた請求項
   １に記載の便座。
3. 【請求項３】該便座本体の上面形状は全体的に若干前傾
   している請求項１および請求項２に記載の便座。
4. 【請求項４】該便座に着座する人の尾てい骨が当たる便
   座本体の後端部の上面内側部分に後端凹部が形成される
   請求項１〜請求項３に記載の便座。
5. 【請求項５】該便座に着座する人の大腿部が当たる該便
   座本体の上面両側は幅広とされている請求項１〜請求項
   ４に記載の便座。
6. 【請求項６】該便座本体の前端部上面に全幅にわたって
   貫通凹部が設けられる請求項１〜請求項５に記載の便
   座。
7. 【請求項７】該便座本体上面両側にクッション材が嵌着
   固定される凹部を設けた請求項１〜請求項６に記載の便
   座。
8. 【請求項８】該便座は便器に既設されている既設便座上
   に載置される補助便座であって、該補助便座本体の内周
   面下部には該既設便座内周に嵌着される垂壁部が設けら
   れる請求項１〜請求項７に記載の便座。
9. 【請求項９】該補助便座本体下面の四隅には支台を設け
   た請求項８に記載の便座。