JP2002281617A

JP2002281617A - 避雷器付分電盤

Info

Publication number: JP2002281617A
Application number: JP2001078828A
Authority: JP
Inventors: Ryosaku Nakada; 良作中田
Original assignee: Nippon Kouatsu Electric Co
Current assignee: Nippon Kouatsu Electric Co
Priority date: 2001-03-19
Filing date: 2001-03-19
Publication date: 2002-09-27
Anticipated expiration: 2021-03-19
Also published as: JP4583642B2

Abstract

(57)【要約】【課題】アンテナ線や電話線等を経由する雷サージか
ら負荷を保護することができ、電源線の通信線利用にも
適し、更に機器等の絶縁試験を容易に行うことができる
避雷器付分電盤を提供することを課題とする。【解決手段】本避雷器付分電盤１は、分電盤内に電源
線２、電話線３及びアンテナ線４を引込み、それぞれ避
雷器１４に接続して雷サージを接地線９を介して大地に
逃がす構成としたため、一般の住宅において屋外から引
き込まれる全ての電線の避雷を行うことができる。ま
た、ＺｎＯ素子７１及び放電管７２を直列接続すること
で、続流の遮断能力を持ちつつ静電容量の小さいサージ
アブソーバとして機能させ、雷サージの流入抑止効果
と、電源線を信号線とした場合の信号劣化防止能力を合
わせ持つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電源線と、電話線
等の低周波通信線と、アンテナ線等の高周波通信線と、
が接続される各種機器の雷による障害を回避するための
避雷器付分電盤に関する。更に詳しくは、住宅用等の低
圧需要家に用いられる家庭用分電盤に用いられ、複数経
路からの雷サージの侵入抑制を行うとともに、電源線を
通信線として利用することも可能であり、容易に点検が
可能な避雷器付分電盤に関する。

【０００２】

【従来の技術】雷の直撃によるサージ電流や、雷由来の
誘導サージ電流等によって電子機器が損傷することを防
止するため、避雷器を内蔵する分電盤がある。このよう
な分電盤は電話線等の低周波通信線も同時に収容し、避
雷器による雷サージの除去を行うことができる。これに
よって、ファクシミリやパーソナルコンピュータ等、電
灯線及び電話線等と複数の線が接続されている機器の場
合であっても、電源線又は低周波通信線の一方に雷サー
ジが生じても分電盤内の避雷器によって機器を保護する
ことができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、各機器に接続
される全ての線に対して雷サージの対策を施さないと、
対策されていない線から機器へサージ電流が流れ、機器
の損傷を引き起こす恐れがある。例えば、戸別に設置さ
れることが多いテレビ放送を受信するためのアンテナ、
及びこれをテレビ受像機に接続するためのアンテナ線に
ついては、避雷対策がないばかりか、接地していないこ
とが多い。このため、アンテナ線がファラデーホールと
なり、アンテナ等から侵入した雷サージがテレビ受像機
を経由して電源線に接続している全ての機器に到達し、
被害を及ぼすことがあった。

【０００４】また、電源線を数Ｍｂｐｓ〜数十Ｍｂｐｓ
の通信線として活用することが試みられているが、電源
線に接続された避雷器の静電容量によって信号が鈍り、
正しく伝送できないことがあった。更に、電源線及び電
源線に接続された機器の絶縁試験を行うことがあるが、
この絶縁試験時に流す電流等によって避雷器の故障が生
じる場合がある。このため、絶縁試験を行う毎に避雷器
を外すことが行われ、煩雑であった。

【０００５】本発明は、これらの問題点を解決するもの
であり、アンテナ線等の高周波通信線や、電話線等の低
周波通信線等の複数の配線からの雷サージに対する保護
をすることができ、電源線の通信線利用にも適し、更に
機器等の絶縁試験を容易に行うことができる避雷器付分
電盤を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本第１発明の避雷器付分
電盤は、負荷に接続する電源線、低周波通信線及び高周
波通信線の分電及び避雷を行う避雷器付分電盤であっ
て、該電源線、該低周波通信線及び該高周波通信線にそ
れぞれ避雷器を接続し、各避雷器の接地端子、該負荷の
接地端子、及び大地への接地端子を接続することを特徴
とする。

【０００７】上記「避雷器」の種類は任意に選択するこ
とができ、ＺｎＯ素子を含むサージアブソーバ及びバリ
スタ、並びにコンデンサの少なくとも一つを備えること
ができる。このうち、第２発明に示すように、上記電源
線の上記避雷器は、ＺｎＯ素子及び放電管を直列接続し
たものであり、上記低周波通信線の避雷器はＺｎＯ素子
であり、上記高周波通信線の避雷器は放電管とするのが
好ましい。更に、上記低周波通信線及び上記高周波通信
線についてもＺｎＯ素子及び放電管を直列接続したもの
とすることができる。

【０００８】上記「電源線」は負荷に電力を供給するた
めの配線であればよく、その電圧や、電流容量等につい
て特に問わない。また、単相又は三相、線数、中性線の
有無についても特に問わない。更に、任意の信号を重畳
し、通信線として用いてもかまわない。上記「低周波通
信線」は低周波の信号を取り扱う通信線であれば任意に
選択することができ、電話線、インターホン、ファクシ
ミリ専用線や制御信号線等の線を例示することができ
る。また、上記「高周波通信線」は、ＺｎＯ素子等のサ
ージアブソーバでは信号の劣化が起きる高周波信号を取
り扱う通信線であればよく、任意に選択することができ
る。この例として、ラジオ放送、テレビ放送、ケーブル
テレビ放送等の他、ネットワーク専用線、無線通信等に
用いられるアンテナに接続される配線等を挙げることが
できる。更に、ケーブルテレビ用同軸ケーブル公衆波通
信用電話線も高周波通信線として選択できる。

【０００９】低周波通信線及び高周波通信線の具体的な
組合せとしては、第３発明に示すように、上記低周波通
信線は電話線であり、上記高周波通信線はテレビ放送用
アンテナ線とすることを挙げることができる。また、第
４発明に示すように、上記負荷の接地端子及び上記大地
の間に絶縁試験スイッチを設け、該絶縁試験用スイッチ
の両端側には絶縁試験端子を具備することができる。

【００１０】第５発明に示すように、上記電源線、低周
波通信線及び高周波通信線、並びに上記大地への接地線
の引込孔と、上記電源線、低周波通信線及び高周波通信
線の負荷側への引出孔を近接しないように配設すること
ができる。上記「近接しないように」とは、分電盤内で
できるだけ遠方となるようにし、雷サージの誘導を生じ
にくくすることをいう。つまり、分電盤内で最長の直線
距離となるように、長方形状の分電盤において対角線の
両端側に位置するように配設したり、両短辺側に位置す
るように配設することをいう。また、絶縁板や電磁波の
シールド板等によって電気的に隔離することで、雷サー
ジの誘導を生じにくくすることも含まれる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図１〜３を用いて本発明の
避雷器付分電盤を実施例により説明する。１．避雷器付分電盤の構成本実施例の避雷器付分電盤１は、図１に示すように、１
００又は２００Ｖ、単相３線の電源線２と、電話機５３
に接続される２線の低周波通信線である電話線３と、高
周波通信線であるテレビ受像機５５に接続される同軸の
アンテナ線４とを収容し、各負荷５１〜５４へ分配する
ことができる。電源線２は、引き込み側からブレーカ１
１、漏電ブレーカ１２を経たあと分配され、安全ブレー
カ１３及びアース端子付のコンセント６を介して各負荷
５２〜５４に接続される。また、コンセント６に接続さ
れる接地線９は個別絶縁試験スイッチ１７、絶縁試験端
子１６２、絶縁試験スイッチ１５及び絶縁試験端子１６
１をこの順に経由して大地に設置される。尚、絶縁試験
スイッチ１５及び個別絶縁試験スイッチ１７は通常閉路
状態となっており、絶縁試験の際に必要に応じて開閉を
行う。更に、電話線３は保安器３１を介して避雷器付分
電盤１内に収容され、電話機５３に接続される。

【００１２】また、電源線２、電話線３及びアンテナ線
４は、避雷器１２に分岐して接続される。この避雷器１
２は図２に示すように、サージアブソーバとして用いる
ＺｎＯ素子７１と、放電管７２とを組合せて構成され
る。このうち、電源線２は、非中性線２１Ｗ、２１Ｍに
接続される避雷用素子として、ＺｎＯ素子７１及び放電
管７２を直列接続したものを大地等へ接続している。更
に、電源線線２Ｈ及び電話線３にはＺｎＯ素子７１のみ
で大地へ接続している。また、アンテナ線４には放電管
７２のみで大地へ接続している。

【００１３】負荷５１〜５４は、蛍光燈５１等の電源線
２のみ必要とするもの、エアコン５２１及び洗濯機５２
３のように電源線２及び接地線９が必要であるもの、電
話機５３のように電源線２及び電話線３が必要であるも
の、そして、テレビ受像機５４のように電源線２及びア
ンテナ線４が必要であるもの等と、電源線２、電話線
３、アンテナ線４及び接地線９を任意に組合せて使用す
る。

【００１４】また、本避雷器付分電盤１は、図３に示す
ように、電源線２、電話線３、アンテナ線４及び接地線
９の引込み側の孔８１と、各負荷５１〜５４への孔８２
との直線距離が分電盤内で最長となる分電盤の対角側と
なるように配設している。

【００１５】２．避雷器付分電盤の作用及び効果本避雷器付分電盤１は、図１及び図３に示すように、分
電盤内に電源線２、低周波通信線である電話線３、及び
高周波通信線であるアンテナ線４を引込み、それぞれ避
雷器１４に接続して雷サージを接地線９を介して大地に
逃がす構成としたため、一般の住宅において屋外から引
き込まれる全ての電線の避雷を行うことができる。この
ため、等電位ボンディングを分電盤内で容易に行うこと
ができるとともに、アンテナ線４等によってファラデー
ホールが形成されることが無く負荷５１〜５４を保護す
ることができる。

【００１６】また、電源線２は、ＺｎＯ素子７１及び放
電管７２を直列接続したものを介して大地に接続してい
る。このＺｎＯ素子７１は、雷サージが流れた後、素子
にかかる電圧が低くなると絶縁抵抗が元の高抵抗とな
り、再び絶縁性能が回復するため、続流を防止すること
ができる。しかし、静電容量が大きく、電源線に重畳し
た高周波信号の波形が鈍ってしまう。また、放電管７２
は、雷サージのような高電位ではアーク放電を起こして
電流を流す。このため、一度放電が生じてしまうと、別
の手段を用いて電流を遮断しない限り通電状態のままと
なり、通常の電圧でも流れる続流が流れてしまう。しか
し、静電容量はＺｎＯ素子７１に比べて小さいものとな
る。

【００１７】本避雷器付分電盤１は、これらＺｎＯ素子
７１及び放電管７２を直列接続することで、続流の遮断
能力を持ちつつ静電容量の小さいサージアブソーバとし
て機能させ、雷サージの流入抑止効果と、電源線２を通
信線とした場合の信号劣化防止を合わせ持つことができ
た。更に、電源線２のように大電流は流れないが高周波
信号を取り扱う、アンテナ線４に対しては放電管７２の
み用いることで、部品点数を減らして信頼性を高めると
ともに、信号の劣化を抑制することができた。

【００１８】また、図３に示すように、電源線２、電話
線３、アンテナ線４及び接地線９の引込み側の孔８１
と、各負荷５１〜５４への孔８２を分電盤１の対角側と
なるように配設することで、引込み側と分配側との電磁
的干渉をできるだけ少なくし、一方側から侵入する雷サ
ージやノイズ等が、他方側へ誘導し、電位が異常上昇す
る等の周辺への障害が及ばないようにした。

【００１９】更に、本避雷器付分電盤１に接続された負
荷５１〜５４の絶縁試験を行う場合は、絶縁試験端子１
６１、１６２に絶縁試験の装置を接続し、絶縁試験スイ
ッチ１５を開放することで絶縁試験ができるようにな
る。また、測定結果が異常の場合など、負荷５１〜５４
を個別に絶縁試験を行う必要が生じた場合、個別絶縁試
験スイッチ１７のうち、該当負荷５１〜５４に該当する
もののみ閉路とし、その他は開路とすることで、特定負
荷５１〜５４のみを容易に測定することができる。

【００２０】本避雷器付分電盤１は、上記のとおりに負
荷５１〜５４と大地とを接続する接地線９の途中に、絶
縁試験の装置を挿入するための絶縁試験スイッチ１５及
び絶縁試験端子１６１、１６２を設けたため、避雷器１
４に負担を掛けずに絶縁試験を容易に行うことができ
る。また、個別絶縁試験スイッチ１７を操作すること
で、任意の負荷５１〜５４を容易に絶縁試験を行うこと
ができる。

【００２１】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で
種々変更した態様とすることができる。即ち、電源線
２、電話線３及びアンテナ線４は、実施例に限らず任意
に選択することができる。例えば、電源線２を三相４線
としたり、単相２線とすることができる。また、電話線
３をケーブルテレビの通信線としたり、アンテナ線４を
無線通信のためのアンテナ線として用いることができ
る。更に、各線２、３及び４を複数系統用意することも
できる。

【００２２】また、ＺｎＯ素子７１及び放電管７２を直
列接続した構成は、実施例では電源線２Ｗ、２Ｍのみで
あるが他の線２Ｈ、３及び４も同様の構成とすることが
できる。また、続流遮断能力を備え、かつ、波形の劣化
が少ない任意の避雷用素子に交換することができる。

【００２３】

【発明の効果】本各発明の避雷器付分電盤によれば、フ
ァラデーホールが形成されることが無く、一般の住宅に
おいて屋外から引き込まれる全ての電線の避雷を行うこ
とができる。また、雷サージの流入抑止効果と、電源線
を通信線とした場合の信号劣化防止能力を合わせ持つこ
とができる。更に、引込み側と分配側との電磁的干渉を
できるだけ少なくし、一方側から侵入する雷サージやノ
イズ等が、他方側へ誘導し、電位が異常上昇する等の周
辺への被害が及ばないようにすることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本避雷器付分電盤を説明するための模式回路図
である。

【図２】本避雷器付分電盤のうち、避雷器について詳細
を説明するための模式回路図である。

【図３】本避雷器付分電盤の実態構成例を説明するため
の模式図である。

【符号の説明】

１；避雷器付分電盤、１１；ブレーカ、１２；漏電ブレ
ーカ、１３；安全ブレーカ、１４；避雷器、１５；絶縁
試験スイッチ、１６１、１６２；絶縁試験端子、１７；
個別絶縁試験スイッチ、２；電源線、３；電話線（低周
波通信線）、３１；保安器、４；アンテナ線（高周波通
信線）、５１、５２１、５２２、５２３、５３、５４；
負荷、６；コンセント、７１；ＺｎＯ素子、７２；放電
管、９；接地線。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】負荷に接続する電源線、低周波通信線及
び高周波通信線の分電及び避雷を行う避雷器付分電盤で
あって、該電源線、該低周波通信線及び該高周波通信線
にそれぞれ避雷器を接続し、各避雷器の接地端子、該負
荷の接地端子、及び大地への接地端子を接続することを
特徴とする避雷器付分電盤。
【請求項２】上記電源線の上記避雷器は、ＺｎＯ素子
及び放電管を直列接続したものであり、上記低周波通信
線の避雷器はＺｎＯ素子であり、上記高周波通信線の避
雷器は放電管である請求項１記載の避雷器付分電盤。
【請求項３】上記低周波通信線は電話線であり、上記
高周波通信線はテレビ放送用アンテナ線である請求項１
または２記載の避雷器付分電盤。
【請求項４】上記負荷の接地端子及び上記大地の間に
絶縁試験スイッチを設け、該絶縁試験スイッチの両端側
には絶縁試験端子を具備する請求項１、２または３記載
の避雷器付分電盤。
【請求項５】上記電源線、上記低周波通信線及び上記
高周波通信線、並びに上記大地への接地線の引込孔と、
上記電源線、上記低周波通信線及び上記高周波通信線の
負荷側への引出孔を近接しないように配設する請求項１
乃至４のいずれか一項に記載の避雷器付分電盤。