JP2002280852A - 自動利得制御方法、および、自動利得制御回路 - Google Patents

自動利得制御方法、および、自動利得制御回路

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JP2002280852A JP2001079161A JP2001079161A JP2002280852A JP 2002280852 A JP2002280852 A JP 2002280852A JP 2001079161 A JP2001079161 A JP 2001079161A JP 2001079161 A JP2001079161 A JP 2001079161A JP 2002280852 A JP2002280852 A JP 2002280852A
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    • H04L27/34Amplitude- and phase-modulated carrier systems, e.g. quadrature-amplitude modulated carrier systems
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造バラツキが発生しても、高い受信感度と
低い波形歪みとを両立可能な自動利得制御回路を実現す
る。 【解決手段】 復調器13は、復調器13への入力レベ
ルが一定となるように、RF−AGCアンプ52および
IF−AGCアンプ72のゲインを制御している。その
際、復調器13は、両AGCアンプ52・72へ指示す
るゲインの合計に基づいて、RF入力の信号レベルを推
測し、当該信号レベルが予め定める TakeOver Pointを
超えるか否かに応じて、それぞれへのゲインの分配方法
を変更する。さらに、検波平滑回路21aは、RF−A
GCアンプ52の出力レベルを検出し、検波平滑回路2
1bが、混合器58の出力レベルを検出する。また、比
較回路24は、両信号レベルの差が予め定められた値と
なるように、RF−AGCアンプ55a〜55cのゲイ
ンを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ケーブル
モデムなど、広い入力ダイナミックレンジの受信機に好
適に使用される自動利得制御方法および自動利得制御回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、図18に示すように、従来のデ
ジタル受信機101では、チューナ部111がRF入力
の中から、希望するチャンネルの信号を選択し、中間周
波数の中間周波信号に変換し、中間周波処理部112が
中間周波信号を増幅した後、復調器113が中間周波信
号を復調して、ベースバンド信号を取り出している。ま
た、チューナ部111および中間周波処理部112に
は、それぞれ、ゲインを調整可能なAGCアンプ155
・172が設けられており、復調器113は、復調器1
13への入力レベルが一定になるように、両AGCアン
プ155・172のゲインを制御する。
【0003】ここで、ダイナミックレンジの広いRF入
力が与えられても、ダイナミックレンジ全域に渡って、
感度を良好に保ち、信号歪みなどの復調性能を低下させ
ないように、上記復調器113は、両AGCアンプ15
5・172へ指示するゲインの合計に基づいて、RF入
力の信号レベルを推測し、RF入力の信号レベルが、予
め定められたTOP( Take Over Point)を超えている
か否かによって、両AGCアンプ155・172へゲイ
ンを分配する際の分配方法を変更している。
【0004】具体的には、RF入力の信号レベルがTO
Pに満たない場合、復調器113は、RF−AGCアン
プ155のゲインを最大に保つと共に、IF−AGCア
ンプ172のゲインを制御して、復調器113への入力
レベルを一定に維持する。これにより、RF入力が弱い
場合に、S/N比の低下を抑制できる。これとは逆に、
RF入力の信号レベルがTOPを超えると、復調器11
3は、IF−AGCアンプ172のゲインを一定に保つ
と共に、RF−AGCアンプ155のゲインを制御し
て、復調器113への入力レベルを一定に維持する。こ
れにより、RF−AGCアンプ155の後段回路へ、過
大なレベルの信号が入力された結果、波形歪みが発生
し、復調性能を低下させるという不具合を防止できる。
上記両分配方法を切り換えることによって、デジタル受
信機101は、広い入力ダイナミックレンジ全域に渡っ
て、高い受信感度と、低い波形歪みとを両立できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、チューナ部111および中間周波処理部
112の後段に設けられた復調器113が、両AGCア
ンプ155・172へ指示するゲインの合計に基づい
て、RF入力の信号レベルを推測し、RF入力の信号レ
ベルが、予め定められたTOPを超えているか否かによ
って、両AGCアンプ155・172へゲインを分配す
る際の分配方法を変更しているため、チューナ部111
や中間周波処理部112を構成する部材に製造バラツキ
が発生すると、上記TOPが最適な値からズレて、高い
受信感度と低い波形歪みとの両立が難しくなるという問
題を生ずる。
【0006】ここで、高い受信感度を得るために、TO
Pを高く設定すると、波形歪みが発生しやすくなり、波
形歪みを抑制するために、TOPを低く設定すると、受
信感度が低下してしまう。このように、高い受信感度と
低い波形歪みとは、トレードオフの関係にあるため、双
方を高いレベルで両立させるためには、非常にクリティ
カルにTOPを設定する必要がある。
【0007】一方、チューナ部111では、高周波信号
を処理する関係上、ゲイン偏差幅が比較的大きく、全受
信帯域で、ゲイン偏差を抑制することは極めて難しい。
さらに、チューナ部111では、トラッキング調整を完
全に取ることが難しいため、ゲインの周波数偏差も大き
く、チャンネルによっては、10dB以上のゲインバラ
ツキが発生することもある。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、製造バラツキが発生しても、
高い受信感度と低い波形歪みとを両立可能な自動利得制
御回路を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動利得制
御方法は、上記課題を解決するために、入力端子を介し
て印加される高周波信号を中間周波信号に変換する周波
数変換工程と、高周波信号の利得を制御する第1の利得
制御工程と、中間周波信号の利得を制御する第2の利得
制御工程と、利得制御後の中間周波信号に基づいて、当
該中間周波信号の信号レベルが予め定める値になるよう
に、上記第1および第2の利得制御工程での利得を決定
する利得決定工程とを含む自動利得制御方法において、
以下の工程を設けたことを特徴としている。
【0010】すなわち、上記第1の利得制御工程で高周
波信号の利得が制御された後から、上記第2の利得制御
工程で中間周波信号の利得が制御される前までの信号経
路の複数箇所で、それぞれの信号レベルを検出するレベ
ル検出工程と、上記レベル検出工程にて検出された各信
号レベルの差が、予め定める一定値となるように、上記
信号経路中の信号レベルを制御する第3の利得制御工程
とを含んでいる。
【0011】上記構成では、第1および第2の利得制御
工程や周波数を変換する工程を実施する回路の個体差に
よって、各検出箇所間の信号経路上の部材に利得偏差が
発生したとしても、当該利得偏差は、上記第3の利得制
御工程によって吸収され、各検出箇所での信号レベル差
を一定の値に保つことができる。
【0012】この結果、利得制御後の中間周波信号に基
づいて、第1および第2の利得制御工程の利得を決定し
ているにも拘らず、上記信号経路上の部材の利得偏差に
起因する、利得決定工程における利得制御の誤りを防止
できる。これにより、例えば、自動利得制御回路など、
上記各工程を実施する回路間の個体差を吸収でき、受信
感度、並びに、波形歪みなどの復調性能を最適な値に保
つことができる。
【0013】本発明に係る自動利得制御回路は、上記課
題を解決するために、入力端子を介して印加される高周
波信号を中間周波信号に変換する周波数変換手段と、周
波数変換前の高周波信号の利得を制御する第1の利得制
御手段と、周波数変換後の中間周波信号の利得を制御す
る第2の利得制御手段と、上記第2の利得制御手段より
も後に設けられ、上記第1および第2の利得制御手段の
利得を制御する制御手段とを有する自動利得制御回路に
おいて、以下の手段を講じたことを特徴としている。
【0014】すなわち、上記第1および第2の利得制御
手段間の信号経路の複数箇所で、それぞれの信号レベル
を検出する検出手段と、上記信号経路上に設けられ、上
記各検出箇所での信号レベル差が一定の値となるように
利得が制御される第3の利得制御手段とを備えている。
【0015】上記構成では、自動利得制御回路間の個体
差によって、各検出箇所間の信号経路上の部材に利得偏
差が発生したとしても、当該利得偏差は、上記第3の利
得制御手段によって吸収され、各検出箇所での信号レベ
ル差が一定の値に保たれる。
【0016】この結果、制御手段が第2の利得制御手段
よりも後で、第1および第2の利得制御手段の利得を制
御しているにも拘らず、上記信号経路上の部材の利得偏
差に起因する、制御手段の利得制御の誤りを防止でき
る。これにより、自動利得制御回路間の個体差を吸収で
き、受信感度、並びに、波形歪みなどの復調性能を最適
な値に保つことができる。
【0017】さらに、上記構成に加えて、上記第3の利
得制御手段は、例えば、SAWフィルタの後など、上記
周波数変換手段の後に設けられていてもよい。当該構成
によれば、第3の利得制御手段が中間周波信号の利得を
制御して、上記各検出点間のレベル差を一定の値に保
つ。したがって、入力される高周波信号の帯域が広い場
合であっても、高周波信号の利得を制御するよりも容易
に、周波数特性の良い第3の利得制御手段を実現でき
る。
【0018】また、広い周波数帯域に渡って、周波数特
性を向上するために、高周波信号の信号経路が、周波数
帯域に応じて、複数に分割され、各経路の利得が大きく
異なる場合であっても、利得の少ない経路に合わせて、
利得を大きく設定可能な経路の利得を抑制する必要がな
い。
【0019】さらに、上記各構成に加えて、上記第1の
利得制御手段がピンダイオードで構成され、上記第3の
利得制御手段がデュアルゲート電界効果トランジスタか
ら構成されていてもよい。
【0020】当該構成では、受動素子であり、周波数特
性を向上しやすいピンダイオードで、第1の利得制御手
段が構成され、デュアルゲート電界効果トランジスタに
よって形成された回路、すなわち、ピンダイオードより
も周波数特性の向上が難しいものの、安価で、高感度な
回路によって、第3の利得制御手段が構成されている。
したがって、周波数特性、感度および費用の全てでバラ
ンスのとれた自動利得制御回路を実現できる。
【0021】一方、本発明に係る自動利得制御方法は、
入力端子を介して印加される高周波信号を中間周波信号
に変換する周波数変換工程と、高周波信号の利得を制御
する第1の利得制御工程と、中間周波信号の利得を制御
する第2の利得制御工程と、利得制御後の中間周波信号
に基づいて、当該中間周波信号の信号レベルが予め定め
る値になるように、上記第1および第2の利得制御工程
での利得を決定する利得決定工程とを含み、上記利得決
定工程は、上記第1および第2の利得制御工程での利得
の合計が予め定める切り換え点を下回る場合、上記第2
の利得制御工程での利得を固定する利得分配工程を含む
自動利得制御方法において、上記課題を解決するため
に、以下の工程を設けたことを特徴としている。
【0022】すなわち、上記利得の合計が上記切り換え
点を下回る信号レベルの高周波信号が上記入力端子へ入
力されている状態で、上記第1の利得制御工程で高周波
信号の利得が制御された後から上記第2の利得制御工程
で中間周波信号の利得が制御される前までの信号経路の
特定箇所の信号レベルを検出するレベル検出工程と、上
記レベル検出工程にて検出された信号レベルが、予め定
める値となるように、上記第2の利得制御工程で利得が
制御された後の中間周波信号の利得を制御する第3の利
得制御工程とを含んでいる。
【0023】上記構成では、上記利得の合計が上記切り
換え点を下回る信号レベルの高周波信号が入力されてい
る状態で、特定箇所の信号レベルが検出され、第3の利
得制御工程の利得は、当該信号レベルの実測値が所定値
になるように設定される。
【0024】ここで、当該状態では、第2の利得制御工
程での利得が固定されており、中間周波信号の利得が所
定値になるように制御されているため、上記特定箇所よ
り後の信号経路の部材が、設計通りの特性を有していれ
ば、上記特定箇所の信号レベルは、所定値となるハズで
あり、上記特定箇所の信号レベルの所定値と実測値との
差は、上記各部材の利得偏差の合計を示している。
【0025】したがって、第3の利得制御工程にて、実
測値と所定値との差を打ち消すように利得を制御するこ
とで、上記信号経路上の利得偏差を打ち消すことができ
る。この結果、利得制御後の中間周波信号に基づいて、
第1および第2の利得制御工程の利得を決定しているに
も拘らず、上記信号経路上の部材の利得偏差に起因す
る、利得決定工程における利得制御の誤りを防止でき
る。これにより、例えば、自動利得制御回路など、上記
各工程を実施する回路間の個体差を吸収でき、受信感
度、並びに、波形歪みなどの復調性能を最適な値に保つ
ことができる。
【0026】また、本発明に係る自動利得制御方法は、
上記課題を解決するために、上記第3の利得制御工程に
代えて、上記レベル検出工程にて検出された信号レベル
が、予め定める値となるように、上記切り換え点を調整
する切り換え点調整工程を含んでいてもよい。
【0027】当該構成では、上記第2の利得制御工程で
利得が制御された後の中間周波信号の利得を制御する代
わりに、上記切り換え点を調整することで、上記特定箇
所の信号レベルが所定値に維持される。これにより、上
記第2の利得制御工程で利得が制御された後の中間周波
信号の利得を制御する場合と同様に、自動利得制御回路
間の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みな
どの復調性能を最適な値に保つことができる。
【0028】一方、本発明に係る自動利得制御回路は、
上記課題を解決するために、入力端子を介して印加され
る高周波信号を中間周波信号に変換する周波数変換手段
と、高周波信号の利得を制御する第1の利得制御手段
と、中間周波信号の利得を制御する第2の利得制御手段
と、上記第2の利得制御手段よりも後に設けられ、上記
第1および第2の利得制御手段の利得を制御する制御手
段とを有し、上記制御手段は、上記第1および第2の利
得制御手段へ指示する利得の合計が、予め定める切り換
え点を下回る場合、上記第2の利得制御手段の利得を固
定する自動利得制御回路において、以下の手段を講じた
ことを特徴としている。
【0029】すなわち、上記第1および第2の利得制御
手段間の信号経路の特定箇所における信号レベルを検出
する検出手段と、上記第2の利得制御手段と上記制御手
段との間に設けられた第3の利得制御手段と、上記利得
の合計が上記切り換え点を下回る信号レベルの高周波信
号が上記入力端子へ入力されている状態における上記検
出手段の出力が、予め定める値となるように、上記第3
の利得制御手段の利得を設定する利得設定手段とを備え
ている。
【0030】上記構成において、利得設定手段は、上記
利得の合計が上記切り換え点を下回る信号レベルの高周
波信号が入力されている状態で、特定箇所の信号レベル
に応じて、第2の利得制御手段と制御手段との間に配さ
れた第3の利得制御手段の利得が設定される。これによ
り、利得制御後の中間周波信号に基づいて、第1および
第2の利得制御手段の利得を決定しているにも拘らず、
上記信号経路上の部材の利得偏差に起因する、制御手段
の利得制御の誤りを防止できる。これにより、自動利得
制御回路間の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波
形歪みなどの復調性能を最適な値に保つことができる。
【0031】また、上記第3の利得制御手段および利得
設定手段に代えて、上記利得の合計が上記切り換え点を
下回る信号レベルの高周波信号が上記入力端子へ入力さ
れている状態における上記検出手段の出力が、予め定め
る値となるように、上記切り換え点を調整する切り換え
点調整手段を備えていてもよい。
【0032】上記構成では、第3の利得制御手段の利得
を調整する代わりに、上記切り換え点を調整すること
で、上記利得の合計が上記切り換え点を下回る信号レベ
ルの高周波信号が入力されている状態における上記検出
手段の出力が、予め定める値となるように調整される。
【0033】これにより、第3の利得制御手段および利
得設定手段を有する場合と同様に、自動利得制御回路間
の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みなど
の復調性能を最適な値に保つことができる。
【0034】また、本発明に係る自動利得制御方法は、
上記課題を解決するために、入力端子を介して印加され
る高周波信号を中間周波信号に変換する周波数変換工程
と、高周波信号の利得を制御する第1の利得制御工程
と、中間周波信号の利得を制御する第2の利得制御工程
と、利得制御後の中間周波信号に基づいて、当該中間周
波信号の信号レベルが予め定める値になるように、上記
第1および第2の利得制御工程での利得を決定する利得
決定工程とを含み、上記利得決定工程は、上記第1およ
び第2の利得制御工程での利得の合計が予め定める切り
換え点を下回る場合、上記第2の利得制御工程での利得
を固定する利得分配工程を含む自動利得制御方法におい
て、以下の工程を設けたことを特徴としている。
【0035】すなわち、信号レベルを変更しながら、上
記入力端子へ高周波信号を入力すると共に、上記利得決
定工程で決定される利得を監視することで、上記第2の
利得制御工程における利得の固定が開始される時点の入
力信号レベルを検出する第1の開始入力レベル検出工程
と、上記検出された入力信号レベルが、予め定める基準
値を超過した分だけ、上記固定される利得の値が大きく
なるように、上記切り換え点を調整する第1の切り換え
点調整工程と、上記第1の切り換え点調整工程の後に、
信号レベルを変更しながら、上記第2の利得制御工程に
おける利得の固定が開始される時点の入力信号レベルを
再度検出する第2の開始入力レベル検出工程と、上記検
出された入力信号レベルが、予め定める基準値を超過し
た分だけ、上記固定される利得の値が大きくなるよう
に、上記切り換え点を調整する第2の切り換え点調整工
程とを含んでいる。
【0036】上記構成によれば、入力端子へ印加する高
周波信号の信号レベルを変更しながら、利得固定を開始
する際の信号レベル(開始入力レベル)が測定され、測
定結果に応じて、切り換え点が調整される。
【0037】ここで、第1の開始入力レベル検出工程お
よび第1の切り換え点調整工程において、開始入力レベ
ルが、予め定める基準値を超過した分は、第2の利得制
御工程を実施する部材の利得偏差に対応する。また、上
記第1の切り換え点調整工程において、当該利得偏差が
補償されているので、第2の開始入力レベル検出工程お
よび第2の切り換え点調整工程において、開始入力レベ
ルが予め定める基準値を超過した分は、第1の利得制御
工程を実施する部材の利得偏差に対応する。したがっ
て、第1および第2の切り換え点調整工程によって、第
1および第2利得制御工程を実施する部材の利得偏差全
てが補償される。
【0038】この結果、例えば、自動利得制御回路な
ど、上記各工程を実施する回路間の個体差を吸収でき、
受信感度、並びに、波形歪みなどの復調性能を最適な値
に保つことができる。
【0039】また、上記構成に加えて、利得制御後の中
間周波信号を復調する復調工程を含み、上記第1および
第2の開始入力レベル検出工程の少なくとも一方にて、
信号レベルを変更しながら上記入力端子へ印加される高
周波信号を用いて、上記復調工程での受信性能を検査す
る方が望ましい。
【0040】上記構成によれば、信号レベルを変更しな
がら、入力端子へ高周波信号を印加する期間中に、上記
第1および第2の開始入力レベル検出工程の少なくとも
一方と、受信性能の検査との双方を同時に実施できる。
したがって、検査に要する時間を短縮できる。
【0041】一方、本発明に係る自動利得制御回路は、
上記課題を解決するために、入力端子を介して印加され
る高周波信号を中間周波信号に変換する周波数変換手段
と、高周波信号の利得を制御する第1の利得制御手段
と、中間周波信号の利得を制御する第2の利得制御手段
と、上記第2の利得制御手段よりも後に設けられ、上記
第1および第2の利得制御手段の利得を制御する制御手
段とを有し、上記制御手段は、上記第1および第2の利
得制御手段へ指示する利得の合計が、予め定める切り換
え点を下回る場合、上記第2の利得制御手段の利得を固
定する自動利得制御回路において、以下の手段を講じた
ことを特徴としている。
【0042】すなわち、上記第1または第2利得制御手
段へ指示される利得を監視して、上記第2の利得制御手
段の利得の固定が開始されているか否かを判定する判定
手段と、利得固定の開始が検出された時点で上記入力端
子に印加されている高周波信号の信号レベルが、予め定
める基準値を超過した分だけ、上記固定される利得の値
が大きくなるように、上記切り換え点を調整する切り換
え点調整手段とを備えている。
【0043】上記構成において、入力端子へ印加する高
周波信号の信号レベルを変化させながら、判定手段によ
る判定と、切り換え点調整手段による調整とを2回繰り
返すと、初回の判定および調整が、上述の第1の第1の
開始入力レベル検出工程および第1の切り換え点調整工
程に相当し、2回目の判定および調整が、上述の第1の
第2の開始入力レベル検出工程および第2の切り換え点
調整工程に相当する。
【0044】したがって、周波数変換手段、並びに、第
1および第2の利得制御手段の特性バラツキを補償可能
な値に、切り換え点を調整できる。この結果、自動利得
制御回路の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形
歪みなどの復調性能を最適な値に保つことができる。
【0045】また、本発明に係る自動利得制御方法は、
上記課題を解決するために、入力端子を介して印加され
る高周波信号のうち、特定のチャンネルの周波数成分を
中間周波信号に変換する周波数変換工程と、高周波信号
の利得を制御する第1の利得制御工程と、中間周波信号
の利得を制御する第2の利得制御工程と、利得制御後の
中間周波信号に基づいて、当該中間周波信号の信号レベ
ルが予め定める値になるように、上記第1および第2の
利得制御工程での利得を決定する利得決定工程とを含
み、上記利得決定工程は、上記第1および第2の利得制
御工程での利得の合計が予め定める切り換え点を下回る
場合、上記第2の利得制御工程での利得を固定する利得
分配工程を含む自動利得制御方法において、以下の工程
を設けたことを特徴としている。
【0046】すなわち、上記第1の利得制御工程で指示
される利得の規定値と、上記第1の利得制御工程で高周
波信号の利得が制御された後から上記第2の利得制御工
程で中間周波信号の利得が制御される前までの信号経路
の特定箇所における信号レベルの規定値との組み合わせ
を、予め記憶する記憶工程と、上記特定箇所における信
号レベルと、上記第1の利得制御工程で指示される利得
とを監視する実測工程と、上記実測工程で実測された信
号レベルと利得との組み合わせが、上記記憶工程で記憶
された規定値の組み合わせにない場合、規定値の組み合
わせになるように、上記切り換え点を調整する切り換え
点調整工程とを含んでいる。
【0047】ここで、入力端子へ印加される高周波信号
が、複数のチャンネルの周波数成分を含んでいる場合、
所望の特定チャンネルに隣接するチャンネルの周波数成
分が大きいと、周波数変換工程にて、特定チャンネルの
周波数成分のみを周波数変換しようとしても、隣接チャ
ンネルの周波数成分が混入してしまう。したがって、こ
の周波数成分を含む中間周波信号に基づいて、上記利得
決定工程の利得決定および利得分配工程での利得分配が
行われると、それぞれへ指示される利得に誤差が発生す
る。
【0048】これに対して、切り換え点調整工程では、
上記実測工程で実測された信号レベルと利得との組み合
わせと、上記記憶工程で記憶された規定値の組み合わせ
とが比較され、実測値の組み合わせが規定値の組み合わ
せになるように、上記切り換え点が調整される。これに
より、上記隣接チャンネルによる妨害の有無と、妨害の
程度とを評価でき、妨害による利得制御の誤差を補償で
きる。この結果、自動利得制御回路の個体差を吸収で
き、受信感度、並びに、波形歪みなどの復調性能を最適
な値に保つことができる。
【0049】また、本発明に係る自動利得制御回路は、
上記課題を解決するために、入力端子を介して印加され
る高周波信号のうち、特定のチャンネルの周波数成分を
中間周波信号に変換する周波数変換手段と、高周波信号
の利得を制御する第1の利得制御手段と、中間周波信号
の利得を制御する第2の利得制御手段と、上記第2の利
得制御手段よりも後に設けられ、上記第1および第2の
利得制御手段の利得を制御する制御手段とを有し、上記
制御手段は、上記第1および第2の利得制御手段へ指示
する利得の合計が、予め定める切り換え点を下回る場
合、上記第2の利得制御手段の利得を固定する自動利得
制御回路において、以下の手段を講じたことを特徴とし
ている。
【0050】すなわち、上記第1および第2の利得制御
手段間の信号経路の特定箇所における信号レベルを検出
する検出手段と、上記第1利得制御手段へ指示される利
得を検出する利得監視手段と、上記検出手段で検出され
る信号レベルの規定値と、上記利得監視手段で検出され
る利得の規定値との組み合わせを記憶する記憶手段と、
上記検出手段および利得監視手段の実測値の組み合わせ
が、上記記憶手段に格納された規定値の組み合わせにな
い場合、上記実測値の組み合わせが、上記規定値の組み
合わせになるように、上記切り換え点を調整する切り換
え点調整手段とを備えている。
【0051】上記構成において、切り換え点調整手段
は、上記利得監視手段および検出手段で実測された信号
レベルと利得との組み合わせと、上記記憶手段に記憶さ
れた規定値の組み合わせとを比較して、実測値の組み合
わせが規定値の組み合わせになるように、上記切り換え
点を調整する。これにより、上記隣接チャンネルによる
妨害の有無と、妨害の程度とを評価でき、妨害による利
得制御の誤差を補償できる。この結果、自動利得制御回
路の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みな
どの復調性能を最適な値に保つことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1ないし図8に基づいて説明すると以
下の通りである。すなわち、本実施形態に係る自動利得
制御回路(AGC回路)は、入力信号のダイナミックレ
ンジを大きく確保可能な回路であって、例えば、地上波
TVやCATV用のデジタル受信機やケーブルモデムな
どに、特に好適に使用されている。
【0053】一例として、デジタルCATV用QAM
( Quadrature Amplitude Modulation)受信機について
説明すると、図1に示すように、当該デジタル受信機
(自動利得制御回路)1は、RF(Radio Frequency) 入
力端子T1に入力されたQAM変調信号(RF入力)の
中から、希望するチャンネルの信号を選択し、中間周波
数の中間周波信号に変換するチューナ部11と、中間周
波信号を増幅する中間周波処理部12と、中間周波信号
を復調する復調器(制御手段)13とを備えており、希
望するチャンネルのQAM変調信号を復調して出力でき
る。
【0054】上記チューナ部11では、RF入力端子T
1に入力されたRF入力は、ハイパスフィルタ51で、
低周波成分が除去された後、RF−AGCアンプ(第1
の利得制御手段)52で増幅される。RF−AGCアン
プ52の後段には、受信チャンネルの周波数帯域に応じ
て切り換えられるスイッチ53が設けられており、UH
F( Ultra High Frequency )帯域のチャンネルを選局
する場合、RF−AGCアンプ52の出力は、同調バン
ドパスフィルタ54aにて、UHF帯域以外の周波数成
分が除去された後、RF−AGCアンプ55aにて増幅
され、複同調バンドパスフィルタ56aにて、UHF帯
域以外の周波数成分が除去される。さらに、複同調バン
ドパスフィルタ56aの出力は、上記スイッチ53に連
動して切り換えられるスイッチ57を介して、混合器
(周波数変換手段)58に入力される。
【0055】本実施形態では、UHFからVHF( Ver
y High Frequency)までの広い周波数帯域に渡って、高
い復調性能を保つために、チューナ部11の受信帯域が
UHF帯域、VHF−High帯域およびVHF−Lo
w帯域の3つの周波数帯域に分割されており、各帯域毎
に、同調バンドパスフィルタ54a〜54c、RF−A
GCアンプ55a〜55cおよび複同調バンドパスフィ
ルタ56a〜56cが設けられている。ここで、各バン
ドパスフィルタ54a〜54c・56a〜56cの通過
帯域など、各部材の特性は、それぞれが使用する帯域に
併せて設定される。また、上記両スイッチ53・57
は、例えば、図示しないCPUや復調器13などの選局
回路の指示によって、選局チャンネルが属している周波
数帯域の部材を選択するように切り換えられる。これに
より、広い周波数帯域全域に渡って、高いS/N比で、
波形歪みの小さなQAM信号が、混合器58に印加され
る。
【0056】一方、混合器58は、選局チャンネルに応
じた周波数の局部発振信号と、上記QAM信号とを混合
する。これにより、QAM信号のうち、選局チャンネル
の周波数成分が選択され、上記ハイパスフィルタ51の
通過帯域よりも低い周波数の中間周波信号に周波数変換
される。なお、上記局部発振信号は、発振器59によっ
て生成されており、PLL回路60にも入力される。P
LL回路60は、上記選局回路としての復調器13から
の指示に基づき、発振器59を制御して、局部発振信号
の周波数を調整する。これにより、前記局部発振信号の
周波数は、受信すべき放送局の周波数に対応するよう
に、安定的に制御される。
【0057】上記チューナ部11から出力された中間周
波信号は、中間周波処理部12において、狭帯域通過フ
ィルタとしてのSAWフィルタ71によって、帯域外信
号が抑圧された後、IF−AGCアンプ72およびIF
アンプ73によってゲインが調整され、ローパスフィル
タ74を介して復調器13に印加される。
【0058】一方、図2に示すように、復調器13にお
いて、ADC( Analog to DijitalConverter)回路8
1は、中間周波処理部12のローパスフィルタ74から
出力されたQAM信号をデジタル信号に変換し、復調回
路82は、当該デジタル信号を復調した後、復調信号と
して出力する。また、復調器13は、自らに入力される
入力信号のレベルに応じて、チューナ部11のAGC制
御回路61、並びに、中間周波処理部12のAGC制御
回路75へ指示し、RF−AGCアンプ52、並びに、
IF−AGCアンプ72のゲインを調整する。これによ
り、RF入力端子T1に入力されるRF入力のレベルに
拘らず、復調器13には、常に同じレベルの信号が入力
される。
【0059】より詳細には、比較回路83は、上記AD
C回路81が出力するデジタル信号のレベルと、予め定
められた基準信号レベルとを比較し、差信号発生回路8
4は、比較結果に基づき、両レベルの差に応じた信号を
生成する。さらに、PWM信号発生回路85は、両者の
差に応じたパルス幅のPWM(Pulse Width Modulatio
n)信号を生成する。なお、上記基準信号レベルは、例
えば、レジスタ86に格納されている。
【0060】一方、各AGC制御回路61(75)にお
いて、図示しない平滑回路は、それぞれへのPWM信号
を直流化し、レベル変換回路(図示せず)は、直流信号
のレベルを、RF−AGCアンプ52(IF−AGCア
ンプ72)に合ったレベルに変換する。レベル変換され
た信号は、制御信号として、RF−AGCアンプ52
(IF−AGCアンプ72)に入力され、それぞれのゲ
インを調整する。
【0061】なお、本実施形態では、上記比較回路8
3、差信号発生回路84およびPWM信号発生回路85
は、ADC回路81および復調回路82と共に、1つの
復調用IC(Integrated Circuit)内に集積されてい
る。これにより、部品点数を削減できると共に、信頼性
を向上できる。
【0062】このように、RF入力のレベルに拘らず、
復調器13は、復調器13への入力信号レベルが常時一
定となるように、チューナ部11および中間周波処理部
12のゲインを調整する。この結果、復調器13は、ダ
イナミックレンジが広いRF入力が印加されても、ダイ
ナミックレンジの全域に渡って、高い感度と高い復調性
能とを維持できる。
【0063】なお、本実施形態では、復調器13によっ
てゲインが制御される両AGCアンプ52・72に加
え、両AGCアンプ52・72間の途中に、外部からの
指示に応じてゲインを変更可能なRF−AGCアンプ5
5a〜55cが設けられてるが、この動作については、
後で詳細に説明する。
【0064】ここで、両部11・12のゲインの合計が
同一であれば、復調器13への入力信号レベルが同一に
なるが、本実施形態に係る復調器13は、ダイナミック
レンジの全域に渡って、高い受信感度と高い復調性能と
を維持するために、以下のように、チューナ部11およ
び中間周波処理部12のゲインを分配している。すなわ
ち、RF入力のレベルが低い間は、チューナ部11のゲ
イン、より正確には、RF−AGCアンプ52のゲイン
を最大に設定し、中間周波処理部12のゲインを調整し
て、復調器13への入力信号レベルを制御する。この状
態では、RF−AGCアンプ52のゲインが最大で、デ
ジタル受信機1のNFが一定なので、S/N比は、RF
入力の信号レベルに比例して向上する。このように、早
い段階で、信号レベルが増幅されるので、S/N比を向
上できる。
【0065】ここで、RF−AGCアンプ52のゲイン
を最大にした状態で、RFレベルが大きくなっても、後
段回路が飽和して波形歪みが発生する虞れがある。例え
ば、RF−AGCアンプ55a〜55cや混合器58で
は、波形歪みとして、高調波歪みが発生し、中間周波処
理部12のIF−AGCアンプ72やIFアンプ73で
は、IM歪みが発生するので、復調器13の復調性能が
劣化してしまう。
【0066】これに対して、上記復調器13は、復調器
13への入力レベルを一定に保つためにチューナ部11
および中間周波処理部12へ指示しているゲインと、例
えば、図2に示すレジスタ86の設定などによって、予
め定められたTOP( TakeOver Point)とを比較し
て、RF入力のレベルがTOPよりも大きいと判断され
る場合、中間周波処理部12のゲインを固定して、チュ
ーナ部11、より正確には、RF−AGCアンプ52の
ゲインを調整することで、上記入力信号レベルを制御す
る。これにより、波形歪みに起因する復調性能の劣化を
防止でき、RFの入力レベルが高くても、高い復調性能
を維持できる。
【0067】例えば、図3に示すように、RF入力(チ
ューナ入力)の信号レベルの範囲が、最小−15dBm
V、最大15dBmVとする。また、復調器13への入
力レベルが55dBmVに規定されており、チューナ部
11の最大ゲインが39dB、中間周波処理部12のゲ
インを固定する場合のゲインが23dBとする。なお、
固定する際のゲインは、感度と歪みとのバランスが取れ
た値が、設計時の段階で決定される。
【0068】ここで、TOPよりもRF入力のレベルが
大きい場合は、中間周波処理部12のゲインが固定され
るため、この数値例では、チューナ部11の出力レベル
が32dBmVとなる。一方、チューナ部11の最大ゲ
インが39dBなので、中間周波処理部12のゲインを
変更することなく、チューナ部11の出力レベルを上記
値に維持しようとすると、RF入力の信号レベルは、−
7dBmV以上が必要になる。
【0069】したがって、この場合、RF入力の信号レ
ベルが−7dBmVの時点(AGC開始入力レベル)
が、TOPとして設定され、RF入力が−7dBmV以
下の場合、復調器13は、チューナ部11のゲインを最
大に設定して、中間周波処理部12のゲインで、復調器
13の入力レベルを一定に維持する。一方、RF入力が
−7dBmVより大きい場合は、復調器13によって、
中間周波処理部12のゲインが固定され、チューナ部1
1のゲインによって、復調器13の入力レベルが制御さ
れる。
【0070】ここで、RF−AGCアンプ52の制御電
圧に対するゲインリダクション特性は、例えば、図4に
示すように設定され、IF−AGCアンプ72の制御電
圧に対するゲインリダクション特性は、例えば、図5に
示すように設定されている。したがって、復調器13
は、復調器13への入力と、現在、両AGCアンプ52
・72へ指示しているゲイン量の合計とに基づいて、R
F入力の信号レベルを判定し、両AGC制御回路61・
75へのPWM信号を制御するなどして、図6および図
7に示す制御電圧が、各AGCアンプ52・72へ印加
されるように制御する。
【0071】この結果、チューナ部11、中間周波処理
部12および復調器13が設計通りの特性で動作したと
すると、RF−AGCアンプ52への制御電圧は、図6
中、Rcdで示すように変化する。したがって、RF入
力の信号レベルがAGC開始入力レベルRtdに到達し
ない間、上記制御電圧は、一定値(例えば、4V)に保
たれ、RF−AGCアンプ52のゲインを最大レベルに
保つことができる。一方、RF入力の信号レベルがAG
C開始入力レベルRtdを超えると、上記制御電圧がR
F入力の信号レベルに応じて低下する。これにより、R
F−AGCアンプ52のゲインを、RF入力の信号レベ
ルに応じて制御できる。
【0072】同様に、上記各部材11〜13が設計通り
の特性で動作したとすると、IF−AGCアンプ72の
制御電圧は、図7中、Icdで示すように変化する。し
たがって、RF入力の信号レベルがAGC開始入力レベ
ルItdを超えている間、上記制御電圧は、一定値(例
えば、約1.3V)に保たれ、IF−AGCアンプ72
のゲインを所定のレベルに保つことができる。一方、上
記AGC開始入力レベルItdを下回ると、上記制御電
圧は、RF入力の信号レベルに応じて上昇する。これに
より、IF−AGCアンプ72のゲインを、RF入力の
信号レベルに応じて制御できる。
【0073】ここで、上記RF入力が両AGC開始入力
レベルRtd・Itdを超える時点は、各部材11〜1
3が設計通りの特性で動作したとすると、復調器13に
よって、RF入力の信号レベルがTOPを超えたと判断
される時点と一致する。したがって、復調器13は、上
述のように、両AGCアンプ52・72へゲインを分配
でき、RF入力のダイナミックレンジが大きい場合で
も、良好な感度と、良好な復調性能とを両立できる。
【0074】さらに、本実施形態に係るデジタル受信機
1では、上記復調器13によりゲインが調整されるRF
−AGCアンプ52からIF−AGCアンプ72までの
区間に配された増幅器(この例では、RF−AGCアン
プ55a〜55c)が、第3の利得制御手段として、ゲ
インを調整可能に構成されている。加えて、第1の検出
点として、RF−AGCアンプ52の出力ノードの信号
レベルを検出する検波平滑回路(検出手段)21aと、
第2の検出点として、混合器58の出力ノードの信号レ
ベルを検出する平滑化する検波平滑回路(検出手段)2
1bと、両検波平滑回路21a・21bで検出されたレ
ベルの差に応じた電圧を出力するレベル差検出回路22
と、基準電圧として、予め定められた定電圧を生成する
基準定電圧生成回路23と、レベル差検出回路22の出
力電圧と、基準電圧とに基づいて、上記両検出点の信号
レベルの差が、予め定められた値になるように、上記R
F−AGCアンプ55a〜55cのゲインを調整する比
較回路24とが設けられている。なお、例えば、ADC
やDAC( Digital to Analog Converter)などを用い
たデジタル回路によって、上記各部材21a〜24を実
現し、復調器13と各部材21a〜24とを同一のIC
内に集積してもよい。この場合は、部品数を削減できる
と共に、品質を安定させることができる。
【0075】上記両検波平滑回路21a・21bは、例
えば、各検出点の信号を検波し、直流化することで、検
出点の信号レベルを検出できる。この構成の場合、上記
レベル差検出回路22および比較回路24は、両検波平
滑回路21a・21bが出力する直流電圧の差が一定に
なるように、RF−AGCアンプ55a〜55cのゲイ
ンに帰還をかける。
【0076】ここで、例えば、製造バラツキなどによっ
て、チューナ部11および中間周波処理部12にゲイン
偏差が発生すると、チューナ部11の入力、チューナ部
11の出力(中間周波処理部12の入力)および復調器
13の入力の関係は、図8に示すように、設計した関係
Adからズレてしまう。例えば、中間周波処理部12の
ゲイン偏差がゲイン大の方向に最もバラツクと、中間周
波処理部12がゲインを固定している状態におけるチュ
ーナ部11の出力レベルは、設計値I0dから実際の値
I1rのように変化してしまう。一方、ゲイン小の方向
に最も大きくバラツクと、チューナ部11の実際の出力
レベルは、I2rのように変化する。
【0077】さらに、チューナ部11のゲインにゲイン
偏差が発生すると、中間周波処理部12のゲインを固定
したままで、チューナ部11のゲイン調整によって、復
調器13の入力レベルを維持可能な範囲も変化して、当
該範囲の最小値(TOP)も変化してしまう。この結
果、中間周波処理部12のゲイン偏差によって、チュー
ナ部11の出力レベルがI1rの状態では、最適なTO
Pは、チューナ部11のゲイン偏差に応じてR11r〜
R12rの範囲の値となる。また、チューナ部11の出
力レベルがI2rの状態では、最適なTOPは、チュー
ナ部11のゲイン偏差に応じて、R21r〜R22rの
範囲の値になる。
【0078】この結果、両部材11・12のゲイン偏差
によって、最適なTOPは、R11r〜R22rの範囲
のいずれかの値となる。したがって、例えば、TOPが
R11rの場合、復調器13は、両AGCアンプ52・
72への制御電圧を、図6および図7中、Rc11rま
たはIc11rで示すように制御すると最適であり、T
OPがR22rの場合は、Rc22rまたはIc22r
で示すように制御する方が望ましい。
【0079】ここで、比較例として、図1に示す各部材
21a〜24が存在せず、RF−AGCアンプ55a〜
55cのゲインが固定されている構成では、チューナ部
11および中間周波処理部12を構成する各部材の特性
にバラツキが発生しているにも拘らず、上記復調器13
は、設計値に基づいて設計されたTOPに基づいて、ゲ
インを分配する。この結果、最適なTOPでゲインを分
配することができず、チューナ部11のゲイン不足に起
因するS/N比の低下が発生したり、中間周波処理部1
2へ過大なレベルの信号が入力された結果、信号に波形
歪みが発生するなどして、復調性能が低下したりする。
【0080】これに対して、本実施形態に係るデジタル
受信機1では、上記各部材21a〜24が設けられてお
り、両検波平滑回路21a・21bの検出点間のレベル
差が一定になるようにRF−AGCアンプ55a〜55
cのゲインが調整される。この結果、例えば、製造バラ
ツキなどが原因で、例えば、RF−AGCアンプ55a
〜55c自体や図示しない混合器58内のアンプなど、
上記第1の検出点から第2の検出点までのアンプに、周
波数に依存したゲイン偏差が存在する場合であっても、
上記各部材21a〜24・55a〜55cによる帰還制
御によって、上記両検出点間のゲイン差を一定に保ち、
両検出点間のゲイン偏差を補償できる。
【0081】この結果、デジタル受信機1間の個体差、
および、互いに異なる周波数帯域用の部材(例えば、R
F−AGCアンプ55a〜55cなど)間の個体差を吸
収でき、受信可能な周波数帯域全域に渡って、上記両検
出点間のゲイン偏差に起因するAGC開始入力レベルの
変動を抑制できる。この結果、受信感度、並びに、波形
歪みなどの復調性能を、設計通りの最適な値に保つこと
ができる。
【0082】なお、上記両検出点は、復調器13によっ
てゲインが調整される2つのアンプの間(図1の例で
は、RF−AGCアンプ52からIF−AGCアンプ7
2まで)の間に設けられていればよいが、中間周波信号
に変換される前の信号を処理する部材(RF−AGCア
ンプ55a〜55cおよび混合器58)は、中間周波信
号に比べて高い周波数を処理しているために、処理可能
な周波数帯域全域に渡って、ゲイン偏差を抑制すること
が難しい。したがって、ゲイン偏差を効率良く除去する
ためには、本実施形態のように、上記第1の検出点は、
RF−AGCアンプ52の出力ノードとし、第2の検出
点は、混合器58の出力ノード、または、それ以降のノ
ードとする方が望ましい。
【0083】〔第2の実施形態〕ところで、第1の実施
形態では、一般的なチューナの構成、すなわち、外部か
らゲインを調整可能なRF−AGCアンプ55a〜55
cがチューナ部11に既に設けられている構成を想定し
て、RF−AGCアンプ55a〜55cでゲインを調整
する場合について説明した。
【0084】これに対して、本実施形態に係るデジタル
受信機1aでは、図9に示すように、IFアンプ73の
代わりに、IF−AGCアンプ76を設け、復調器13
は、当該IF−AGCアンプ76のゲインを制御する。
さらに、上記比較回路24は、RF−AGCアンプ55
a〜55cのゲインに代えて、IF−AGCアンプ72
のゲインを制御する。なお、これに伴い、RF−AGC
アンプ55a〜55cは、ゲインが固定されたRFアン
プ62a〜62cに変更されている。なお、この構成で
は、IF−AGCアンプ76が特許請求の範囲に記載の
第2の利得制御手段に対応し、IF−AGCアンプ72
が第3の利得制御手段に対応する。
【0085】当該構成でも、第1の実施形態のデジタル
受信機1(図1参照)と同様に、復調器13によって、
それぞれゲインが制御されるRF−AGCアンプ52お
よびIF−AGCアンプ76間に、IF−AGCアンプ
72が配され、比較回路24は、両検波平滑回路21a
・21bの検出点間のレベル差が一定の値になるよう
に、当該IF−AGCアンプ72のゲインを制御する。
【0086】これにより、図1と同様に、デジタル受信
機1a間の個体差、および、互いに異なる周波数帯域用
の部材(例えば、RFアンプ62a〜62cなど)間の
個体差を吸収でき、受信可能な周波数帯域全域に渡っ
て、上記両検出点間のゲイン偏差に起因するAGC開始
入力レベルの変動を抑制できる。この結果、受信感度、
並びに、波形歪みなどの復調性能を、設計通りの最適な
値に保つことができる。
【0087】さらに、本実施形態では、図1と異なり、
中間周波数に変換した後の場所(混合器58より後段)
に、高利得の利得制御アンプ(IF−AGCアンプ7
2)を設け、IF−AGCアンプ72でゲインを調整し
ている。したがって、各周波数帯域用のRFアンプ62
a〜62c間のゲイン差が大きい場合であっても、図1
の構成の構成と異なり、低いゲインでしか増幅できない
RFアンプに合わせて、高いゲインで増幅可能なRFア
ンプのゲインを制限する必要がない。この結果、高いゲ
インで増幅可能なRFアンプのゲインを制限する場合と
異なり、RF入力の信号レベルが弱い場合のS/N比を
向上できる。
【0088】〔第3の実施形態〕本実施形態では、チュ
ーナ部11のゲイン調整にPINダイオード・アッテネ
ータを使用する場合について説明する。なお、本構成
は、上述の第1および第2の実施形態のいずれにも適用
できるが、以下では、第1の実施形態に適用した場合を
例にして説明する。
【0089】すなわち、図10に示すように、本実施形
態に係るデジタル受信機1bでは、図1に示すRF−A
GCアンプ52の代わりに、RFアンプ63およびPI
Nダイオード・アッテネータ64が設けられており、復
調器13は、AGC制御回路61によって、PINダイ
オード・アッテネータ(第1の利得制御手段)64のゲ
インを調整する。また、本実施形態において、利得制御
用のRF−AGCアンプ55a〜55cには、デュアル
ゲートFETが使用されている。
【0090】ここで、PINダイオード・アッテネータ
64は、受動素子であり、能動素子としてデュアルゲー
トFETを用いた増幅器(RF−AGCアンプ52)で
ゲイン調整する場合と比較して、周波数特性に優れてい
る。したがって、単一のPINダイオード・アッテネー
タで、周波数帯域全域を高精度にゲイン調整できる。
【0091】この結果、各周波数帯域に分けられる前の
段階(スイッチ53よりも前段)に、ゲイン調整用の部
材(PINダイオード・アッテネータ64)を配してい
るにも拘らず、UHF帯域、VHF−High帯域、V
HF−Low帯域の全域に渡って、ゲイン・バラツキの
発生を抑制できる。
【0092】一方、各RF−AGCアンプ55a〜55
cは、デュアルゲートFETで構成されているため、P
INダイオードを用いる場合に比べて、高感度であり、
安価に製造できる。また、各RF−AGCアンプ55a
〜55cは、上記各周波数帯域に分離された後の信号を
処理するため、全域をカバーする場合に比べて、それぞ
れに割り当てられた帯域内での周波数特性を容易に向上
できる。
【0093】このように、チューナ部11において、復
調器13によりゲイン制御される部材(64)を、PI
Nダイオード・アッテネータで構成すると共に、バラツ
キ補償のためにゲイン制御される部材(55a〜55
c)として、デュアルゲートFETで構成されたアンプ
を用いることで、周波数特性、感度および費用の全てで
バランスのとれた合理的な設計を行うことができる。
【0094】なお、図9の構成に適用すると、バラツキ
補償のために、IF−AGCアンプ72のゲインが制御
される。ただし、IF−AGCアンプ72は、既に中間
周波数に変換された後の信号を処理するので、高感度か
つ安価なデュアルゲートFETで構成しても、RF入力
の周波数帯域全域をカバーする場合に比べて、周波数特
性の向上が容易である。したがって、この場合も、周波
数特性、感度および費用の全てでバランスのとれた合理
的な設計を行うことができる。
【0095】〔第4の実施形態〕図11に示すように、
本実施形態に係るデジタル受信機1cでは、図1に示す
構成に加えて、IFアンプ73もゲイン調整可能に形成
されており、利得設定手段として、当該IFアンプ73
のゲインを予め定められた値に調整するPGA(Progra
mmable Gain Amplifier )回路25が設けられている。
【0096】上記値は、チューナ部11の実際の出力レ
ベルのズレを打ち消し可能な値であり、具体的には、製
造工程において、任意の周波数で、IF−AGCアンプ
72のゲインが一定に制御される程度に大きな入力レベ
ルのRF入力をRF入力端子T1へ印加した状態でのチ
ューナ部11の出力レベルと、基準値(設計値)とのズ
レをキャンセルする値に設定される。当該値は、例え
ば、復調器13の図示しないメモリなどに格納され、P
GA回路25は、当該値を参照して、IFアンプ73の
ゲインを調整する。
【0097】ここで、上記入力レベルのRF入力が印加
されている場合、復調器13は、IF−AGCアンプ7
2のゲインが一定になるように、RF−AGCアンプ5
2およびIF−AGCアンプ72のゲインを制御してい
る。したがって、チューナ部11の出力から復調器13
の入力までの部材、すなわち、SAWフィルタ71、I
F−AGCアンプ72、IFアンプ73およびローパス
フィルタ74が、設計通りの特性を持っていれば、チュ
ーナ部11の出力レベルは、設計値になるハズである。
【0098】ところが、例えば、各部材71〜74にゲ
インにバラツキが発生したり、IF−AGCアンプ72
の制御電圧に対するゲインリダクションの特性にバラツ
キが発生したりすると、チューナ部11の出力レベル
は、これらのバラツキの分だけ、設計値からズレてしま
う。このバラツキを放置すると、AGC開始入力レベル
が最適値(設計値)から変化するので、受信感度、並び
に、波形歪みなどの復調性能を、設計した値に保つこと
ができなくなってしまう。
【0099】これに対して、本実施形態に係るデジタル
受信機1cでは、IFアンプ73のゲインを予め定めら
れた値に設定するPGA回路25が設けられており、I
Fアンプ73のゲインを、チューナ部11の出力レベル
のズレを打ち消し可能な値に調整できる。
【0100】これにより、各部材71〜74のゲインの
バラツキ(ゲイン偏差)や、IF−AGCアンプ72の
ゲインリダクションの特性のバラツキを吸収でき、これ
らのバラツキに起因するAGC開始入力レベルの変動を
抑制できる。この結果、受信感度、並びに、波形歪みな
どの復調性能を、さらに、設計値に近づけることができ
る。
【0101】ここで、IFアンプ73およびローパスフ
ィルタ74は、IF−AGCアンプ72の後段に設けら
れているため、チューナ部11に比べて低い中間周波信
号を処理している。また、RF−AGCアンプ52およ
びIF−AGCアンプ72によって、復調器13の信号
レベルが一定になるように調整されるため、IFアンプ
73およびローパスフィルタ74を通過する信号レベル
の範囲は、限定されている。したがって、上記PGA回
路25は、検波平滑回路21a〜比較回路24およびR
F−AGCアンプ55a〜55cのように帰還ループを
持たず、IF−AGCアンプ72のゲインを所定の値に
調整しているだけの簡略な構成であるにも拘らず、何ら
支障なく、各部材71〜74のゲインのバラツキ(ゲイ
ン偏差)や、IF−AGCアンプ72のゲインリダクシ
ョンの特性のバラツキを吸収できる。
【0102】なお、上記では、PGA回路25のよう
に、電子ポテンショメータを用いて自動調整する場合に
ついて説明したが、IFアンプ73のゲインを予め定め
る値に設定可能であれば、例えば、PGA回路25の代
わりに可変抵抗を設け、当該可変抵抗の抵抗値を手動で
調整するなどして、IFアンプ73のゲインを手動で調
整してもよい。ただし、本実施形態のように、ゲインの
値を自動設定する方が、調整の精度と効率とを向上でき
る。
【0103】〔第5の実施形態〕本実施形態では、図1
2ないし図14を参照しながら、TOPを変更すること
で、デジタル受信機を構成する各部材の特性バラツキを
補償する方法、および、その方法に適したデジタル受信
機について説明する。
【0104】すなわち、本実施形態に係るデジタル受信
機1dでは、図1に示す各上記部材21a〜24に代え
て、検波平滑回路21bと同様に、チューナ部11の出
力ノード(混合器58の出力ノード)における信号レベ
ルを検出する検波平滑回路31が設けられている。ま
た、RF入力がAGC開始入力レベルを超えた時点を実
測するために、予め定められた定電圧を出力する定電圧
源32と、定電圧源32の出力とAGC制御回路61が
出力する制御電圧とを比較して、RF入力がAGC開始
入力レベルを超えたか否かを判定する比較器33とが設
けられている。さらに、デジタル受信機1dは、上記検
波平滑回路31の出力と比較器33の出力とを参照し
て、予め定められた手順で、復調器13のTOPを調整
するCPU(切り換え点調整手段)14と、CPU14
により参照されるメモリ15とを備えている。
【0105】なお、上記各部材21a〜24の削除に伴
って、AGC制御回路61は、RF−AGCアンプ55
a〜55cの利得を制御すると共に、RF−AGCアン
プ52に代えてRFアンプ63が設けられている。
【0106】上記定電圧源32が出力する定電圧は、例
えば、制御電圧が図6に示すように変化する場合で、4
Vに設定されるなど、RF−AGCアンプ52のゲイン
が変化する時点(RF入力の信号レベルがAGC開始入
力レベルを超えた時点)で、比較器(判定手段)33の
出力が反転するように設定されている。
【0107】また、上記メモリ15には、標準的なデジ
タル受信機1dにおいて、TOPを変化させた場合にお
ける検波平滑回路31の出力値が、例えば、各出力値に
対応するTOPの値を出力可能なルックアップテーブル
として、予め格納されている。さらに、CPU14は、
例えば、図2に示すレジスタ86へ値を設定するなどし
て、復調器13のTOPを変更できる。
【0108】上記構成のデジタル受信機1dでは、各チ
ャンネルのTOPを調整する際、RF入力端子T1に信
号発生器2が接続される。この状態で、図13に示すス
テップ1(以下では、S1のように略称する)におい
て、CPU14は、復調器13を介して、PLL回路6
0へ指示して、TOPを調整するチャンネルを選局させ
る。また、S2において、信号発生器2は、例えば、1
0dBmVなど、復調器13が中間周波処理部12のゲ
インを一定にする程度に大きなレベルで、しかも、選局
したチャンネルのQAM変調信号を出力する。
【0109】この状態では、復調器13は、中間周波処
理部12のゲインを一定に保ち、チューナ部11のゲイ
ンを制御して復調器13の入力レベルを一定に保ってい
るが、TOPとして、デフォルトの値(規定値)が設定
されているため、チューナ部11や中間周波処理部12
のバラツキによって、チューナ部11の出力レベルI3
rは、設計値からズレている。
【0110】この状態で、CPU14は、検波平滑回路
31の出力値に基づいて、チューナ部11の実際の出力
レベルI3rを読み取り、上記設計値とのズレを取得す
る(S3)。さらに、CPU14は、S4において、メ
モリ15のルックアップテーブルを参照して、上記ズレ
の分だけ、チューナ部11の出力レベルが低くなるよう
なTOPの値を取得し、復調器13のTOPを当該値に
設定する(S4)。これにより、検波平滑回路31の出
力値が3dBだけ設計値よりも高ければ、現在の設定よ
りも、3dBだけ低い出力値が得られる値が、新たなT
OPとして設定される。この結果、検波平滑回路31の
検出点以降の回路のゲイン偏差、並びに、当該検出点以
降の回路における制御電圧に対するゲインリダクション
の特性バラツキが補償され、補正後の検波平滑回路31
の出力値(I4r)は、設計値I0dとなる。
【0111】また、S11において、信号発生器2は、
最低の出力レベル(例えば、−15dBmV)から、徐
々に出力レベルを上昇させ、CPU14は、比較器33
の出力を監視して、反転する時点、すなわち、AGC開
始入力レベルR5rを取得する。さらに、CPU14
は、S12において、AGC開始入力レベルR5rと設
計値R0dとのズレが、中間周波処理部12のゲイン偏
差によって発生していると仮定して、すなわち、チュー
ナ部11のゲインが設計値通りであると仮定して、中間
周波処理部12のゲインによって決まるチューナ部11
の出力レベルが、上記ズレを打ち消す分だけ変化するよ
うに、TOPを補正する。
【0112】例えば、図14に示すように、上記S11
にて検出されたAGC開始入力レベルがR5rで、設計
値がR0dだったとする。この状態で、チューナ部11
のゲインが設計値通り、I0d−R0dと仮定すると、
AGC開始入力レベルのズレがR5r−R0dなので、
AGC開始入力レベルを設計値R0dとするためには、
チューナ部11の出力レベルを、I6r=I0d−(R
5r−R0d)に設定する必要がある。したがって、C
PU14は、上記S12において、メモリ15のルック
アップテーブルを参照するなどして、チューナ部11の
出力レベルがI6rとなるように、TOPの値を調整す
る。
【0113】上記S12において、チューナ部11のゲ
インが設計値通りであると仮定した場合のTOPの調整
が終了すると、S13において、上記S11と同様に、
信号発生器2は、最低の出力レベルから、徐々に出力レ
ベルを上昇させ、CPU14は、比較器33の出力を監
視して、AGC開始入力レベルR7rを取得する。ここ
で、上記S12において、TOPは、チューナ部11の
ゲインが設計値通りであると仮定して設定されている。
したがって、S14において、CPU14は、AGC開
始入力レベルR7rと設計値R0dとのズレが、チュー
ナ部11の実際のゲインと設計値とのズレであると判断
して、チューナ部11の出力レベルが、現在の値から、
上記ズレを打ち消す分だけ変化するように、TOPを補
正する。
【0114】例えば、図14に示すように、上記S13
にて検出されたAGC開始入力レベルがR7rで、設計
値がR0dだったとする。このAGC開始入力レベルR
7rを測定した際、TOPは、チューナ部11のゲイン
が設計値通り、I0d−R0dと仮定して、チューナ部
11の出力レベルがI6rとなるように設定されてい
る。したがって、上記AGC開始入力レベルのズレ(R
7r−R0d)は、チューナ部11のゲイン偏差に起因
し、チューナ部11の実際のゲインは、I6r−R7r
であることがわかる。この場合、CPU14は、上記S
14において、チューナ部11の出力レベルが、I8r
=I6r−(R7r−R0d)となるように、TOPを
調整する。
【0115】上記S11〜S14のように、実際のAG
C開始入力レベルの測定と測定結果に応じたTOPの設
定とを2回繰り返すことで、チューナ部11および中間
周波処理部12にバラツキが発生したとしても、バラツ
キに応じたTOPを設定でき、AGC開始入力レベルを
最適な値に設定できる。復調器13は、ダイナミックレ
ンジが広いRF入力が印加されても、ダイナミックレン
ジの全域に渡って、高い感度と高い復調性能とを維持で
きる。
【0116】上記S1〜S14は、各チャンネル毎に繰
り返される。これにより、全てのチャンネルにおいて、
TOPは、ダイナミックレンジの全域に渡って、高い感
度と高い復調性能とを維持可能な値に設定される。各チ
ャンネルと、そのチャンネルで適切なTOPとは、例え
ば、メモリ15に格納され、CPU14は、選局された
チャンネルに応じたTOPをメモリ15から読み出し
て、復調器13のレジスタ86に設定する。
【0117】ここで、上記S1〜S14において、TO
Pを設定する際、RF入力端子T1には、信号発生器2
が接続されている。したがって、例えば、デジタル受信
機1dの設定を確認する検査、あるいは、デジタル受信
機1dの受信感度特性や耐歪み特性を測定する受信性能
検査のように、QAM信号を印加しながら実施する検査
と、上記S1〜S14のTOP設定とを同時に実施でき
る。これにより、TOP設定および検査を効率良く実施
できる。また、信号発生器2は、信号の周波数や信号レ
ベルなどを予め定められた手順で自動的に順次変更でき
るので、上記TOP設定および検査の信頼性を向上でき
る。
【0118】なお、上記では、S1・S2のように、T
OPの値を調整することで、中間周波処理部12のゲイ
ンのバラツキ、並びに、IF−AGCアンプ72のゲイ
ンリダクション特性のバラツキを補償したが、第4の実
施形態のように、PGA回路25を設け、IFアンプ7
3のゲインを調整するなどして、これらのバラツキを補
償してもよい。
【0119】いずれの場合であっても、AGC開始入力
レベルを実測しながらTOPを調整することで、第1な
いし第4の実施形態のように、帰還ループを設けること
なく、デジタル受信機1d間の個体差や、互いに異なる
周波数帯域用の部材(例えば、RF−AGCアンプ55
a〜55cなど)間の個体差に応じて、AGC開始入力
レベルを設定できる。この結果、第1ないし第4の実施
形態よりも簡単な回路で、ダイナミックレンジの全域に
渡って、高い感度と高い復調性能とを維持できる。
【0120】〔第6の実施形態〕本実施形態では、チュ
ーナ部11および中間周波処理部12を構成する部材に
特性バラツキが発生しても、隣接チャンネル妨害信号に
起因するAGC開始入力レベルの変動を防止可能なデジ
タル受信機について説明する。
【0121】すなわち、本実施形態に係るデジタル受信
機1eでは、図15に示すように、図12に示す定電圧
源32および比較器33に代えて、RF−AGCアンプ
52への制御電圧をデジタル値に変換してCPU14へ
伝えるADC回路(利得監視手段)34が設けられてい
る。なお、本実施形態では、メモリ15が特許請求の範
囲に記載の記憶手段に対応する。
【0122】上記構成では、図16に示すS21におい
て、信号発生器2は、最低の出力レベルから、徐々に出
力レベルを上昇させる。さらに、CPU14は、各出力
レベルにおいて、検波平滑回路31の出力に基づいて、
RF−AGCアンプ52のゲインリダクションを取得
し、ADC回路34の出力値に基づいて、制御電圧を取
得すると共に、ゲインリダクションと制御電圧との組み
合わせをメモリ15に格納する。これにより、RF−A
GCアンプ52の制御電圧に対するゲインリダクション
の特性が記憶される。
【0123】さらに、例えば、受信時など、RF入力が
印加されている状態で、CPU14は、S22におい
て、現在のゲインリダクションおよび制御電圧と上記特
性とを比較して、隣接チャンネル妨害信号の影響を評価
し、当該影響を打ち消すように、TOPを変更するなど
して、AGC開始入力レベルを調整する。
【0124】具体的には、隣接チャンネルに大きな信号
があった場合、チューナ部11のRF−AGCアンプ5
2では、この信号(隣接チャンネル妨害信号)を完全に
は除去できないため、隣接チャンネル妨害信号によっ
て、RF−AGCアンプ52の制御電圧が、隣接チャン
ネル妨害信号がないときの値から変化する場合がある。
この結果、受信チャンネルのRF入力の信号レベルが低
く、本来であれば、チューナ部11のゲインを最大に設
定する方が望ましいにも拘らず、復調器13は、チュー
ナ部11のゲインを最大に設定せず、より低い値に制御
してしまう。これにより、受信チャンネルのS/N比が
低下する虞れがある。
【0125】例えば、図17に示すように、チューナ部
11の最大ゲインが(I31r−R31r=I32r−
R32r)であり、復調器13が、チューナ部11の出
力レベルがI31r〜I32rの間は、チューナ部11
のゲインが最大になるように制御しているとする。ここ
で、隣接チャンネルに大きな信号があった場合、例え
ば、ハイパスフィルタ51など、RF段のフィルタで
は、当該信号成分を除去できないため、チューナ部11
のゲインは、見かけ上、減少し、例えば、(R33r−
I31r)となる。この場合、AGC開始入力レベル
が、本来の値(R31r)からR33rとなり、本来で
あれば、チューナ部11のゲインを最大に設定する方が
望ましいにも拘らず、復調器13は、チューナ部11の
ゲインを最大より低い値に制御し、受信チャンネルのS
/N比が低下してしまう。
【0126】一方、隣接チャンネル妨害信号がなく、受
信チャンネルにおけるRF入力の信号レベルが大きくな
った場合も、チューナ部11の入力レベルが、上記値R
13rになる可能性がある。なお、この場合は、チュー
ナ部11のゲインが最大値(I31r−R31r=I3
2r−R32r)に保たれているので、チューナ部11
の出力レベルは、I33rとなる。
【0127】ここで、メモリ15には、RF−AGCア
ンプ52の特性として、隣接チャンネル妨害信号がない
場合の検波平滑回路31の出力値とADC回路34の出
力値との組み合わせが格納されている。したがって、図
17の例では、RF入力がR33rとなる制御電圧に対
応するチューナ部11の出力値として、出力値I33r
が格納されている。
【0128】この場合、隣接チャンネル妨害信号がある
と、上記ゲインリダクションによって、検波平滑回路3
1は、チューナ部11の出力レベルとして、I31rを
検出し、ADC回路34は、RF入力の信号レベルがR
33rとなるような制御電圧を検出する。したがって、
CPU14は、実際に検出した組み合わせが、上記メモ
リ15に格納された組み合わせと相違していることか
ら、隣接チャンネル妨害信号があることを認識する。さ
らに、CPU14は、隣接チャンネル妨害信号によるゲ
インリダクションによって、本来の出力値、すなわち、
メモリ15に格納された出力値I33rが、実際に検出
した出力値I31rへ変化したと判断して、両者のレベ
ル差(I33r−I31r)だけ、チューナ部11の出
力値が低くなるように、例えば、TOPを調整するなど
して、AGC開始入力レベルを調整する。
【0129】これとは逆に、隣接チャンネル妨害信号が
ない場合、CPU14は、実際に検出した組み合わせ
が、上記メモリ15に格納された組み合わせと一致して
いることから、隣接チャンネル妨害信号がないと判断
し、AGC開始入力レベルを調整しない。
【0130】このように、本実施形態に係るデジタル受
信機1eでは、予め格納された制御電圧とチューナ部1
1の出力レベルとの組み合わせと、実際に測定された組
み合わせとを比較して、隣接チャンネル妨害信号の有無
と、妨害の程度とを判断し、妨害を打ち消すように、A
GC開始入力レベルを調整する。これにより、隣接チャ
ンネル妨害信号の大きさに拘らず、AGC開始入力レベ
ルを最適な値に維持でき、高い受信感度と高い復調性能
とを両立可能なデジタル受信機1eを実現できる。
【0131】
【発明の効果】本発明に係る自動利得制御方法は、以上
のように、第1の利得制御工程で高周波信号の利得が制
御された後から、第2の利得制御工程で中間周波信号の
利得が制御される前までの信号経路の複数箇所で、それ
ぞれの信号レベルを検出するレベル検出工程と、上記レ
ベル検出工程にて検出された各信号レベルの差が、予め
定める一定値となるように、上記信号経路中の信号レベ
ルを制御する第3の利得制御工程とを含んでいる構成で
ある。
【0132】上記構成では、第1および第2の利得制御
工程や周波数を変換する工程を実施する回路の個体差に
よって、各検出箇所間の信号経路上の部材に利得偏差が
発生したとしても、当該利得偏差は、上記第3の利得制
御工程によって吸収され、各検出箇所での信号レベル差
を一定の値に保つことができる。この結果、利得制御後
の中間周波信号に基づいて、第1および第2の利得制御
工程の利得を決定しているにも拘らず、上記信号経路上
の部材の利得偏差に起因する、利得決定工程における利
得制御の誤りを防止できる。これにより、例えば、自動
利得制御回路など、上記各工程を実施する回路間の個体
差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みなどの復調
性能を最適な値に維持できるという効果を奏する。
【0133】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、第1および第2の利得制御手段間の信号経路の
複数箇所で、それぞれの信号レベルを検出する検出手段
と、上記信号経路上に設けられ、上記各検出箇所での信
号レベル差が一定の値となるように利得が制御される第
3の利得制御手段とを備えている構成である。
【0134】上記構成では、自動利得制御回路間の個体
差によって、各検出箇所間の信号経路上の部材に利得偏
差が発生したとしても、当該利得偏差は、上記第3の利
得制御手段によって吸収され、各検出箇所での信号レベ
ル差が一定の値に保たれる。この結果、制御手段が第2
の利得制御手段よりも後で、第1および第2の利得制御
手段の利得を制御しているにも拘らず、上記信号経路上
の部材の利得偏差に起因する、制御手段の利得制御の誤
りを防止できる。これにより、自動利得制御回路間の個
体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みなどの復
調性能を最適な値に維持できるという効果を奏する。
【0135】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、上記構成に加え、上記第3の利得制御手段は、
例えば、SAWフィルタの後など、上記周波数変換手段
の後に設けられている構成である。
【0136】当該構成によれば、広い周波数帯域に渡っ
て、周波数特性を向上するために、高周波信号の信号経
路が、周波数帯域に応じて、複数に分割され、各経路の
利得が大きく異なる場合であっても、利得の少ない経路
に合わせて、利得を大きく設定可能な経路の利得を抑制
する必要がない。
【0137】また、第3の利得制御手段が中間周波信号
の利得を制御して、上記各検出点間のレベル差を一定の
値に保つ。したがって、入力される高周波信号の帯域が
広い場合であっても、高周波信号の利得を制御するより
も容易に、周波数特性の良い第3の利得制御手段を実現
できるという効果を奏する。
【0138】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、上記各構成に加え、上記第1の利得制御手段が
ピンダイオードで構成され、上記第3の利得制御手段が
デュアルゲート電界効果トランジスタから構成されてい
る構成である。
【0139】当該構成では、受動素子であり、周波数特
性を向上しやすいピンダイオードで、第1の利得制御手
段が構成され、デュアルゲート電界効果トランジスタに
よって形成された回路、すなわち、ピンダイオードより
も周波数特性の向上が難しいものの、安価で、高感度な
回路によって、第3の利得制御手段が構成されている。
したがって、周波数特性、感度および費用の全てでバラ
ンスのとれた自動利得制御回路を実現できるという効果
を奏する。
【0140】本発明に係る自動利得制御方法は、以上の
ように、利得の合計が切り換え点を下回る信号レベルの
高周波信号が入力端子へ入力されている状態で、第1の
利得制御工程で高周波信号の利得が制御された後から、
第2の利得制御工程で中間周波信号の利得が制御される
前までの信号経路の特定箇所の信号レベルを検出するレ
ベル検出工程と、上記レベル検出工程にて検出された信
号レベルが、予め定める値となるように、上記第2の利
得制御工程で利得が制御された後の中間周波信号の利得
を制御する第3の利得制御工程とを含んでいる構成であ
る。
【0141】上記構成では、上記利得の合計が上記切り
換え点を下回る信号レベルの高周波信号が入力されてい
る状態で、特定箇所の信号レベルが検出され、第3の利
得制御工程の利得は、当該信号レベルの実測値が所定値
になるように設定される。これにより、上記信号経路上
の利得偏差を打ち消すことができる。この結果、上記各
工程を実施する回路間の個体差を吸収でき、受信感度、
並びに、波形歪みなどの復調性能を最適な値に維持でき
るという効果を奏する。
【0142】本発明に係る自動利得制御方法は、以上の
ように、上記第3の利得制御工程に代えて、上記レベル
検出工程にて検出された信号レベルが、予め定める値と
なるように、上記切り換え点を調整する切り換え点調整
工程を含んでいる構成である。
【0143】当該構成では、上記第2の利得制御工程で
利得が制御された後の中間周波信号の利得を制御する代
わりに、上記切り換え点を調整することで、上記特定箇
所の信号レベルが所定値に維持される。これにより、上
記第2の利得制御工程で利得が制御された後の中間周波
信号の利得を制御する場合と同様に、自動利得制御回路
間の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みな
どの復調性能を最適な値に維持できるという効果を奏す
る。
【0144】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、第1および第2の利得制御手段間の信号経路の
特定箇所における信号レベルを検出する検出手段と、上
記第2の利得制御手段と制御手段との間に設けられた第
3の利得制御手段と、利得の合計が上記切り換え点を下
回る信号レベルの高周波信号が上記入力端子へ入力され
ている状態における上記検出手段の出力が、予め定める
値となるように、上記第3の利得制御手段の利得を設定
する利得設定手段とを備えている構成である。
【0145】それゆえ、利得制御後の中間周波信号に基
づいて、第1および第2の利得制御手段の利得を決定し
ているにも拘らず、上記信号経路上の部材の利得偏差に
起因する、制御手段の利得制御の誤りを防止できる。こ
れにより、自動利得制御回路間の個体差を吸収でき、受
信感度、並びに、波形歪みなどの復調性能を最適な値に
維持できるという効果を奏する。
【0146】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、上記第3の利得制御手段および利得設定手段に
代えて、上記利得の合計が上記切り換え点を下回る信号
レベルの高周波信号が上記入力端子へ入力されている状
態における上記検出手段の出力が、予め定める値となる
ように、上記切り換え点を調整する切り換え点調整手段
を備えている構成である。
【0147】上記構成では、第3の利得制御手段の利得
を調整する代わりに、上記切り換え点を調整すること
で、上記利得の合計が上記切り換え点を下回る信号レベ
ルの高周波信号が入力されている状態における上記検出
手段の出力が、予め定める値となるように調整される。
これにより、第3の利得制御手段および利得設定手段を
有する場合と同様に、自動利得制御手段間の個体差を吸
収でき、受信感度、並びに、波形歪みなどの復調性能を
最適な値に維持できるという効果を奏する。
【0148】本発明に係る自動利得制御方法は、以上の
ように、信号レベルを変更しながら、入力端子へ高周波
信号を入力すると共に、利得決定工程で決定される利得
を監視することで、第2の利得制御工程における利得の
固定が開始される時点の入力信号レベルを検出する第1
の開始入力レベル検出工程と、上記検出された入力信号
レベルが、予め定める基準値を超過した分だけ、上記固
定される利得の値が大きくなるように、上記切り換え点
を調整する第1の切り換え点調整工程と、上記第1の切
り換え点調整工程の後に、信号レベルを変更しながら、
上記第2の利得制御工程における利得の固定が開始され
る時点の入力信号レベルを再度検出する第2の開始入力
レベル検出工程と、上記検出された入力信号レベルが、
予め定める基準値を超過した分だけ、上記固定される利
得の値が大きくなるように、上記切り換え点を調整する
第2の切り換え点調整工程とを含んでいる構成である。
【0149】上記構成によれば、入力端子へ印加する高
周波信号の信号レベルを変更しながら、利得固定を開始
する際の信号レベル(開始入力レベル)が測定され、測
定結果に応じて、切り換え点が調整される。この結果、
例えば、自動利得制御回路など、上記各工程を実施する
回路間の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪
みなどの復調性能を最適な値に維持できるという効果を
奏する。
【0150】本発明に係る自動利得制御方法は、以上の
ように、上記構成に加えて、利得制御後の中間周波信号
を復調する復調工程を含み、上記第1および第2の開始
入力レベル検出工程の少なくとも一方にて、信号レベル
を変更しながら上記入力端子へ印加される高周波信号を
用いて、上記復調工程での受信性能を検査する構成であ
る。
【0151】上記構成によれば、信号レベルを変更しな
がら、入力端子へ高周波信号を印加する期間中に、上記
第1および第2の開始入力レベル検出工程の少なくとも
一方と、受信性能の検査との双方を同時に実施できる。
したがって、検査に要する時間を短縮できるという効果
を奏する。
【0152】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、第1または第2利得制御手段へ指示される利得
を監視して、上記第2の利得制御手段の利得の固定が開
始されているか否かを判定する判定手段と、利得固定の
開始が検出された時点で入力端子に印加されている高周
波信号の信号レベルが、予め定める基準値を超過した分
だけ、上記固定される利得の値が大きくなるように、上
記切り換え点を調整する切り換え点調整手段とを備えて
いる。
【0153】上記構成において、入力端子へ印加する高
周波信号の信号レベルを変化させながら、判定手段によ
る判定と、切り換え点調整手段による調整とを2回繰り
返すと、初回の判定および調整が、上述の第1の第1の
開始入力レベル検出工程および第1の切り換え点調整工
程に相当し、2回目の判定および調整が、上述の第1の
第2の開始入力レベル検出工程および第2の切り換え点
調整工程に相当する。
【0154】したがって、周波数変換手段、並びに、第
1および第2の利得制御手段の特性バラツキを補償可能
な値に、切り換え点を調整できる。この結果、自動利得
制御回路の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形
歪みなどの復調性能を最適な値に維持できるという効果
を奏する。
【0155】本発明に係る自動利得制御方法は、以上の
ように、第1の利得制御工程で指示される利得の規定値
と、第1の利得制御工程で高周波信号の利得が制御され
た後から第2の利得制御工程で中間周波信号の利得が制
御される前までの信号経路の特定箇所における信号レベ
ルの規定値との組み合わせを、予め記憶する記憶工程
と、上記特定箇所における信号レベルと、上記第1の利
得制御工程で指示される利得とを監視する実測工程と、
上記実測工程で実測された信号レベルと利得との組み合
わせが、上記記憶工程で記憶された規定値の組み合わせ
にない場合、規定値の組み合わせになるように、上記切
り換え点を調整する切り換え点調整工程とを含んでいる
構成である。
【0156】上記構成によれば、切り換え点調整工程に
おいて、上記実測工程で実測された信号レベルと利得と
の組み合わせと、上記記憶工程で記憶された規定値の組
み合わせとが比較され、実測値の組み合わせが規定値の
組み合わせになるように、上記切り換え点が調整され
る。これにより、上記隣接チャンネルによる妨害の有無
と、妨害の程度とを評価でき、妨害による利得制御の誤
差を補償できる。この結果、自動利得制御回路の個体差
を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みなどの復調性
能を最適な値に維持できるという効果を奏する。
【0157】本発明に係る自動利得制御回路は、以上の
ように、第1および第2の利得制御手段間の信号経路の
特定箇所における信号レベルを検出する検出手段と、上
記第1利得制御手段へ指示される利得を検出する利得監
視手段と、上記検出手段で検出される信号レベルの規定
値と、上記利得監視手段で検出される利得の規定値との
組み合わせを記憶する記憶手段と、上記検出手段および
利得監視手段の実測値の組み合わせが、上記記憶手段に
格納された規定値の組み合わせにない場合、上記実測値
の組み合わせが、上記規定値の組み合わせになるよう
に、上記切り換え点を調整する切り換え点調整手段とを
備えている構成である。
【0158】上記構成において、切り換え点調整手段
は、上記利得監視手段および検出手段で実測された信号
レベルと利得との組み合わせと、上記記憶手段に記憶さ
れた規定値の組み合わせとを比較して、実測値の組み合
わせが規定値の組み合わせになるように、上記切り換え
点を調整する。これにより、上記隣接チャンネルによる
妨害の有無と、妨害の程度とを評価でき、妨害による利
得制御の誤差を補償できる。この結果、自動利得制御回
路の個体差を吸収でき、受信感度、並びに、波形歪みな
どの復調性能を最適な値に維持できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、デジタ
ル受信機の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記デジタル受信機に設けられた復調器の要部
構成を示すブロック図である。
【図3】上記デジタル受信機において、RF−AGCア
ンプのゲインとIF−AGCアンプのゲインとの分配方
法を示す説明図である。
【図4】上記RF−AGCアンプにおいて、制御電圧に
対するゲインリダクション特性を示すグラフである。
【図5】上記IF−AGCアンプにおいて、制御電圧に
対するゲインリダクション特性を示すグラフである。
【図6】上記RF−AGCアンプにおいて、RF入力の
信号レベルと、制御電圧との関係を示すグラフである。
【図7】上記IF−AGCアンプにおいて、RF入力の
信号レベルと、制御電圧との関係を示すグラフである。
【図8】上記デジタル受信機において、RF−AGCア
ンプのゲインとIF−AGCアンプのゲインとの分配方
法を示すものであり、個々の部材の特性にバラツキがあ
る場合を示す説明図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示すものであり、デジ
タル受信機の要部構成を示すブロック図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、デジタル受信機の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図11】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、デジタル受信機の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図12】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、デジタル受信機の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図13】上記デジタル受信機の動作を示すフローチャ
ートである。
【図14】上記デジタル受信機において、個々の部材の
特性バラツキに起因するAGC開始入力レベルの補償方
法を示す説明図である。
【図15】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、デジタル受信機の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図16】上記デジタル受信機の動作を示すフローチャ
ートである。
【図17】上記デジタル受信機において、隣接チャンネ
ル妨害信号に起因するAGC開始入力レベルの補償方法
を示す説明図である。
【図18】従来技術を示すものであり、デジタル受信機
の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・1a〜1e デジタル受信機(自動利得制御回
路) 13 復調器(制御手段) 14 CPU(切り換え点調整手段) 15 メモリ(記憶手段) 21a・21b・31 検波平滑回路(検出手段) 25 PGA回路(利得設定手段) 33 比較器(判定手段) 34 ADC回路(利得監視手段) 52 RF−AGCアンプ(第1の利
得制御手段) 55a〜55c RF−AGCアンプ(第1また
は第3の利得制御手段) 58 混合器(周波数変換手段) 64 PINダイオード・アッテネータ
(第1の利得制御手段) 72 IF−AGCアンプ(第2また
は第3の利得制御手段) 73 IFアンプ(第3の利得制御手
段) 76 IF−AGCアンプ(第2の利
得制御手段) T1 RF入力端子(入力端子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 1/26 H04B 1/26 H Fターム(参考) 5J100 JA01 KA05 LA00 LA09 MA01 QA01 QA04 QA06 SA02 5K020 AA03 DD21 DD24 EE01 EE04 HH13 KK01 LL01 5K061 AA11 BB06 BB15 CC08 CC16 CC23 CC25 CC45 CC52 CD04 CD08 JJ06 JJ07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力端子を介して印加される高周波信号を
    中間周波信号に変換する周波数変換工程と、高周波信号
    の利得を制御する第1の利得制御工程と、中間周波信号
    の利得を制御する第2の利得制御工程と、利得制御後の
    中間周波信号に基づいて、当該中間周波信号の信号レベ
    ルが予め定める値になるように、上記第1および第2の
    利得制御工程での利得を決定する利得決定工程とを含む
    自動利得制御方法において、 上記第1の利得制御工程で高周波信号の利得が制御され
    た後から、上記第2の利得制御工程で中間周波信号の利
    得が制御される前までの信号経路の複数箇所で、それぞ
    れの信号レベルを検出するレベル検出工程と、 上記レベル検出工程にて検出された各信号レベルの差
    が、予め定める一定値となるように、上記信号経路中の
    信号レベルを制御する第3の利得制御工程とを含んでい
    ることを特徴とする自動利得制御方法。
  2. 【請求項2】入力端子を介して印加される高周波信号を
    中間周波信号に変換する周波数変換手段と、高周波信号
    の利得を制御する第1の利得制御手段と、中間周波信号
    の利得を制御する第2の利得制御手段と、上記第2の利
    得制御手段よりも後に設けられ、上記第1および第2の
    利得制御手段の利得を制御する制御手段とを有する自動
    利得制御回路において、 上記第1および第2の自動制御手段間の信号経路の複数
    箇所で、それぞれの信号レベルを検出する検出手段と、 上記信号経路上に設けられ、上記各検出箇所での信号レ
    ベル差が一定の値となるように利得が制御される第3の
    利得制御手段とを備えていることを特徴とする自動利得
    制御回路。
  3. 【請求項3】上記第3の利得制御手段は、上記周波数変
    換手段の後に設けられていることを特徴とする請求項2
    記載の自動利得制御回路。
  4. 【請求項4】上記第1の利得制御手段がピンダイオード
    で構成され、上記第3の利得制御手段がデュアルゲート
    電界効果トランジスタから構成されていることを特徴と
    する請求項2または3記載の自動利得制御回路。
  5. 【請求項5】入力端子を介して印加される高周波信号を
    中間周波信号に変換する周波数変換工程と、高周波信号
    の利得を制御する第1の利得制御工程と、中間周波信号
    の利得を制御する第2の利得制御工程と、利得制御後の
    中間周波信号に基づいて、当該中間周波信号の信号レベ
    ルが予め定める値になるように、上記第1および第2の
    利得制御工程での利得を決定する利得決定工程とを含
    み、 上記利得決定工程は、上記第1および第2の利得制御工
    程での利得の合計が予め定める切り換え点を下回る場
    合、上記第2の利得制御工程での利得を固定する利得分
    配工程を含む自動利得制御方法において、 上記利得の合計が上記切り換え点を下回る信号レベルの
    高周波信号が上記入力端子へ入力されている状態で、上
    記第1の利得制御工程で高周波信号の利得が制御された
    後から上記第2の利得制御工程で中間周波信号の利得が
    制御される前までの信号経路の特定箇所の信号レベルを
    検出するレベル検出工程と、 上記レベル検出工程にて検出された信号レベルが、予め
    定める値となるように、上記第2の利得制御工程で利得
    が制御された後の中間周波信号の利得を制御する第3の
    利得制御工程とを含んでいることを特徴とする自動利得
    制御方法。
  6. 【請求項6】上記第3の利得制御工程に代えて、上記レ
    ベル検出工程にて検出された信号レベルが、予め定める
    値となるように、上記切り換え点を調整する切り換え点
    調整工程とを含んでいることを特徴とする請求項5記載
    の自動利得制御方法。
  7. 【請求項7】入力端子を介して印加される高周波信号を
    中間周波信号に変換する周波数変換手段と、高周波信号
    の利得を制御する第1の利得制御手段と、中間周波信号
    の利得を制御する第2の利得制御手段と、上記第2の利
    得制御手段よりも後に設けられ、上記第1および第2の
    利得制御手段の利得を制御する制御手段とを有し、 上記制御手段は、上記第1および第2の利得制御手段へ
    指示する利得の合計が、予め定める切り換え点を下回る
    場合、上記第2の利得制御手段の利得を固定する自動利
    得制御回路において、 上記第1および第2の利得制御手段間の信号経路の特定
    箇所における信号レベルを検出する検出手段と、 上記第2の利得制御手段と上記制御手段との間に設けら
    れた第3の利得制御手段と、 上記利得の合計が上記切り換え点を下回る信号レベルの
    高周波信号が上記入力端子へ入力されている状態におけ
    る上記検出手段の出力が、予め定める値となるように、
    上記第3の利得制御手段の利得を設定する利得設定手段
    とを備えていることを特徴とする自動利得制御回路。
  8. 【請求項8】入力端子を介して印加される高周波信号を
    中間周波信号に変換する周波数変換手段と、高周波信号
    の利得を制御する第1の利得制御手段と、中間周波信号
    の利得を制御する第2の利得制御手段と、上記第2の利
    得制御手段よりも後に設けられ、上記第1および第2の
    利得制御手段の利得を制御する制御手段とを有し、 上記制御手段は、上記第1および第2の利得制御手段へ
    指示する利得の合計が、予め定める切り換え点を下回る
    場合、上記第2の利得制御手段の利得を固定する自動利
    得制御回路において、 上記第1および第2の利得制御手段間の信号経路の特定
    箇所における信号レベルを検出する検出手段と、 上記利得の合計が上記切り換え点を下回る信号レベルの
    高周波信号が上記入力端子へ入力されている状態におけ
    る上記検出手段の出力が、予め定める値となるように、
    上記切り換え点を調整する切り換え点調整手段とを備え
    ていることを特徴とする自動利得制御回路。
  9. 【請求項9】入力端子を介して印加される高周波信号を
    中間周波信号に変換する周波数変換工程と、高周波信号
    の利得を制御する第1の利得制御工程と、中間周波信号
    の利得を制御する第2の利得制御工程と、利得制御後の
    中間周波信号に基づいて、当該中間周波信号の信号レベ
    ルが予め定める値になるように、上記第1および第2の
    利得制御工程での利得を決定する利得決定工程とを含
    み、 上記利得決定工程は、上記第1および第2の利得制御工
    程での利得の合計が予め定める切り換え点を下回る場
    合、上記第2の利得制御工程での利得を固定する利得分
    配工程を含む自動利得制御方法において、 信号レベルを変更しながら、上記入力端子へ高周波信号
    を入力すると共に、上記利得決定工程で決定される利得
    を監視することで、上記第2の利得制御工程における利
    得の固定が開始される時点の入力信号レベルを検出する
    第1の開始入力レベル検出工程と、 上記検出された入力信号レベルが、予め定める基準値を
    超過した分だけ、上記固定される利得の値が大きくなる
    ように、上記切り換え点を調整する第1の切り換え点調
    整工程と、 上記第1の切り換え点調整工程の後に、信号レベルを変
    更しながら、上記第2の利得制御工程における利得の固
    定が開始される時点の入力信号レベルを再度検出する第
    2の開始入力レベル検出工程と、 上記検出された入力信号レベルが、予め定める基準値を
    超過した分だけ、上記固定される利得の値が大きくなる
    ように、上記切り換え点を調整する第2の切り換え点調
    整工程とを含んでいることを特徴とする自動利得制御方
    法。
  10. 【請求項10】利得制御後の中間周波信号を復調する復
    調工程を含み、 上記第1および第2の開始入力レベル検出工程の少なく
    とも一方にて、信号レベルを変更しながら上記入力端子
    へ印加される高周波信号を用いて、上記復調工程での受
    信性能を検査することを特徴とする請求項9記載の自動
    利得制御方法。
  11. 【請求項11】入力端子を介して印加される高周波信号
    を中間周波信号に変換する周波数変換手段と、高周波信
    号の利得を制御する第1の利得制御手段と、中間周波信
    号の利得を制御する第2の利得制御手段と、上記第2の
    利得制御手段よりも後に設けられ、上記第1および第2
    の利得制御手段の利得を制御する制御手段とを有し、上
    記制御手段は、上記第1および第2の利得制御手段へ指
    示する利得の合計が、予め定める切り換え点を下回る場
    合、上記第2の利得制御手段の利得を固定する自動利得
    制御回路において、 上記第1または第2利得制御手段へ指示される利得を監
    視して、上記第2の利得制御手段の利得の固定が開始さ
    れているか否かを判定する判定手段と、 利得固定の開始が検出された時点で上記入力端子に印加
    されている高周波信号の信号レベルが、予め定める基準
    値を超過した分だけ、上記固定される利得の値が大きく
    なるように、上記切り換え点を調整する切り換え点調整
    手段とを備えていることを特徴とする自動利得制御回
    路。
  12. 【請求項12】入力端子を介して印加される高周波信号
    のうち、特定のチャンネルの周波数成分を中間周波信号
    に変換する周波数変換工程と、高周波信号の利得を制御
    する第1の利得制御工程と、中間周波信号の利得を制御
    する第2の利得制御工程と、利得制御後の中間周波信号
    に基づいて、当該中間周波信号の信号レベルが予め定め
    る値になるように、上記第1および第2の利得制御工程
    での利得を決定する利得決定工程とを含み、 上記利得決定工程は、上記第1および第2の利得制御工
    程での利得の合計が予め定める切り換え点を下回る場
    合、上記第2の利得制御工程での利得を固定する利得分
    配工程を含む自動利得制御方法において、 上記第1の利得制御工程で指示される利得の規定値と、
    上記第1の利得制御工程で高周波信号の利得が制御され
    た後から上記第2の利得制御工程で中間周波信号の利得
    が制御される前までの信号経路の特定箇所における信号
    レベルの規定値との組み合わせを、予め記憶する記憶工
    程と、 上記特定箇所における信号レベルと、上記第1の利得制
    御工程で指示される利得とを監視する実測工程と、 上記実測工程で実測された信号レベルと利得との組み合
    わせが、上記記憶工程で記憶された規定値の組み合わせ
    にない場合、規定値の組み合わせになるように、上記切
    り換え点を調整する切り換え点調整工程とを含んでいる
    ことを特徴とする自動利得制御方法。
  13. 【請求項13】入力端子を介して印加される高周波信号
    のうち、特定のチャンネルの周波数成分を中間周波信号
    に変換する周波数変換手段と、高周波信号の利得を制御
    する第1の利得制御手段と、中間周波信号の利得を制御
    する第2の利得制御手段と、上記第2の利得制御手段よ
    りも後に設けられ、上記第1および第2の利得制御手段
    の利得を制御する制御手段とを有し、 上記制御手段は、上記第1および第2の利得制御手段へ
    指示する利得の合計が、予め定める切り換え点を下回る
    場合、上記第2の利得制御手段の利得を固定する自動利
    得制御回路において、 上記第1および第2の利得制御手段間の信号経路の特定
    箇所における信号レベルを検出する検出手段と、 上記第1利得制御手段へ指示される利得を検出する利得
    監視手段と、 上記検出手段で検出される信号レベルの規定値と、上記
    利得監視手段で検出される利得の規定値との組み合わせ
    を記憶する記憶手段と、 上記検出手段および利得監視手段の実測値の組み合わせ
    が、上記記憶手段に格納された規定値の組み合わせにな
    い場合、上記実測値の組み合わせが、上記規定値の組み
    合わせになるように、上記切り換え点を調整する切り換
    え点調整手段とを備えていることを特徴とする自動利得
    制御回路。
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