JP2002278021A - 光熱写真画像形成材料の製造方法およびその画像記録方法 - Google Patents

光熱写真画像形成材料の製造方法およびその画像記録方法

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JP2002278021A
JP2002278021A JP2001078475A JP2001078475A JP2002278021A JP 2002278021 A JP2002278021 A JP 2002278021A JP 2001078475 A JP2001078475 A JP 2001078475A JP 2001078475 A JP2001078475 A JP 2001078475A JP 2002278021 A JP2002278021 A JP 2002278021A
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Takeshi Haniyu
武 羽生
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、下塗り塗布液の安定性、塗布後の
膜強度が高く、且つ、低カブリ、高感度、高濃度が得ら
れ、画像保存性のよい光熱写真画像形成材料の製造方法
を提供することおよびその画像形成において干渉ムラが
生じにくく、均一な現像仕上がりを有し、鮮鋭性の高い
光熱写真画像形成材料の画像記録方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明の上記課題は、支持体上に、下塗
り層並びに感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤
及び結合剤を含有する感光層を有する光熱写真画像形成
材料の製造方法において、該下塗り層を塗設するに際
し、該層の塗布液が揮発性物質を含有し、塗設した後、
該層にマイクロ波を照射する光熱写真画像形成材料の製
造方法等により、また、光熱写真画像形成材料に画像を
記録する際の走査レーザー光が、同一波長で且つ入射角
の異なる2重ビームである画像記録方法等により達成す
ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は下塗り塗布液の安定
性、塗布後の膜強度が高く、且つ、低カブリ、高感度、
高濃度が得られ、画像保存性のよい光熱写真画像形成材
料の製造方法を提供することおよびその画像形成におい
て干渉ムラが生じにくく、均一な現像仕上がりを有し、
鮮鋭性の高い光熱写真画像形成材料の画像記録方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療分野で環境保護や作業性の面
から湿式処理に伴う廃液の出ない画像を形成する写真材
料が強く望まれており、その結果光と熱を利用した現像
により、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することがで
きる光熱写真材料に関する技術が商品化され急速に普及
している。これらの光熱写真材料は通常、80℃以上の
温度で現像が行われるので、25℃〜45℃の範囲で液
現像される従来の湿式感光材料と区別され光熱写真画像
形成材料と呼ばれる。
【0003】この光熱写真画像形成材料は、一般的に支
持体と感光層の接着性を解決するために支持体上に下塗
り層を設け、更にその上に感光層を塗設して製造され
る。その他に保護層、中間層およびハレーション防止層
(AH層)等が必要によって塗設される。下塗り層は、
支持体と感光層との接着を強化する目的の他に、静電気
防止のための導電性無機微粒子やポリマーを保持する役
目をも果たすため、これらの素材を添加した塗布液の安
定性、即ち、長時間放置しても凝集物が生じないこと、
あるいは粘度や表面張力の変化のないこと等が要求さ
れ、また、架橋促進剤、pH調節剤等が使用される。
【0004】しかし、これらの素材が感光層に悪影響を
与える場合も起こり、このために悪影響が低減された素
材や影響を低下させる添加剤を感光層塗布液に添加して
解決してきた。
【0005】例えば、下塗り層に高分子結合剤を使用す
る場合、この結合剤を架橋する架橋剤を同時に使用する
方法がある。架橋剤として例えば、エポキシ架橋剤を使
用する場合、その硬化促進剤であるアミン類が有効であ
る。アミン類は写真性能に対して、カブリの増大、保存
性の劣化、感度の低下等の悪影響を与える。この写真性
能の劣化を防ぐには、感光層中にカブリ防止剤としてメ
ルカプト化合物、ヘテロ環を有するイミダゾール類、ト
リアゾール類、テトラゾール類およびインダゾール類等
各種の化合物が使用されるが、抑える効果は充分とはい
えなかった。
【0006】架橋剤としてシアヌル酸類を使用する場合
は、塗布液停滞性が劣化するために、塗布液のpHを8
〜10に調節しておく必要があった。しかし、塗布後に
は膜面pHを高くしておくと、カブリ易いこと、経時保
存性が劣化するのでpH調節にアンモニア水を使用し、
乾燥時にアンモニアとして揮発させ、膜中のアンモニウ
ムイオン濃度を下げる必要があった。そのため、高温の
熱処理を行っていたが、この熱処理は多大なエネルギー
を消費することと処理する工程が増えるという生産性が
問題であった。
【0007】エチレンイミン系の架橋剤を使用する場合
は、高いpH状態で架橋反応が進むので酸性にして置く
必要があり、蟻酸や酢酸、蓚酸等で調節しておく必要が
あった。しかし、これらの酸も塗布後に残存しやすく、
写真性能を劣化させる問題があった。また、光熱写真画
像形成材料の結合剤として、塗布後には水分を含みにく
い疎水性の水分散性ポリマー、所謂疎水性ポリマーを使
用する必要があり、そのためにモノマーとしてスチレ
ン、アクリル酸やメタアクリル酸のアルキルエステル類
が使用されてきたが、このモノマー類を使用したポリマ
ーの水中の安定性を確保するために、ポリマーの一部に
アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボン酸基
を含有させ、そのためにこうしたモノマーを使用した
り、燐酸基やスルホン酸基等の酸基を有するスチレン誘
導体、アクリレート誘導体、酢酸ビニル誘導体、および
ポリエステル誘導体等を使用してきた。
【0008】この酸基の安定性のために、アンモニウム
イオンをイオン対とする塩基を使用してきたが、これも
前記と同様に写真性能を劣化させる問題を有していた。
また、静電気防止のために、導電性微粒子や導電性ポリ
マーを使用するとこの微粒子やポリマーの安定性のため
に、アンモニウムイオンや前記の酸を使用してきたが、
写真性能に悪影響を及ぼすとの問題を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、下塗
り層塗布液の安定性が良好であり、塗設された下塗り層
の膜強度が高く、かつ、低カブリ、高感度、高濃度であ
る写真性能を有する光熱写真画像形成材料が得られ、ま
た、形成された画像の保存性にも優れる光熱写真形成材
料の製造方法を提供することにあり、更にまた画像形成
において干渉ムラが生じにくく、均一な現像仕上がりを
有する光熱写真画像形成材料の画像記録方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下のa)ないしm)に記載された手段により達成され
た。
【0011】すなわち、a)支持体上に、下塗り層並び
に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合
剤を含有する感光層を有する光熱写真画像形成材料の製
造方法において、該下塗り層を塗設するに際して、該下
塗り層の塗布液は揮発性物質を含有しており、該塗布液
を塗設した後、該層にマイクロ波を照射することを特徴
とする光熱写真画像形成材料の製造方法。
【0012】b)前記マイクロ波の波長が1GHz〜1
THzであることを特徴とする上記a)に記載の光熱写
真画像形成材料の製造方法。
【0013】c)前記マイクロ波照射のエネルギーが1
ミリワット〜1キロワット/分・m 2であることを特徴
とする上記a)またはb)に記載の光熱写真画像形成材
料の製造方法。
【0014】d)前記マイクロ波照射される直前の下塗
り層中の揮発性物質の付き量が平米当たり100ミリモ
ル〜1ピコモルであることを特徴とする上記a)ないし
c)に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
【0015】e)前記下塗り層の結合剤がゼラチン及び
その誘導体、セルロース誘導体並びにアセタール誘導体
から選ばれることを特徴とする上記a)ないしd)に記
載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
【0016】f)前記下塗り層の塗布液に含有する揮発
性物質が、塗布液の状態でアンモニウムイオンを解離す
るアンモニウム塩であることを特徴とする上記a)ない
しe)に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
【0017】g)前記下塗り層の塗布液に、更に導電性
酸化錫微粒子を含有することを特徴とする上記f)に記
載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
【0018】h)前記マイクロ波照射により発生する揮
発性物質をとり除く手段を設けたことを特徴とする上記
a)ないしg)に記載の光熱写真形成材料の製造方法。
【0019】i)前記下塗り層塗布液にアンモニウムイ
オンをイオン対とするモノマーユニットを有する結合剤
を含むことを特徴とする上記a)ないしh)光熱写真形
成材料の製造方法。
【0020】j)前記マイクロ波照射が1000hPa
〜0.01hPaの条件下で行われることを特徴とする
上記i)に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
【0021】k)上記a)ないしj)記載の光熱写真画
像形成材料に画像を記録する際の走査レーザー光が、実
質的に同一の波長であり、且つ入射角の異なる2重ビー
ムであることを特徴とする画像記録方法。
【0022】l)上記a)ないしj)に記載の光熱写真
画像形成材料に画像を記録する際の走査レーザー光が、
縦マルチであるレーザー光走査露光機による露光を行う
ことを特徴とする画像記録方法。
【0023】m)前記揮発性物質が、塗布液の状態でア
ンモニウムイオンを解離するアンモニウム塩並びにそれ
ぞれ分子量100以下の有機酸およびアルキルアミン類
から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする上
記a)に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。によ
り達成できたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の説明を行う。
【0025】(下塗り層)本発明の光熱写真画像形成材
料は、支持体上に、本発明に係る下塗り層を塗布し、そ
の上に感光層を少なくとも1層有する構成を基本的な構
成として有する。感光層の上には、更に非感光性層(保
護層ないし中間層)を1層または2層以上塗設してもよ
いし、感光層の下に、非感光性層(ハレーション防止層
(AH層)、接着層ないし中間層)を設けてもよい。ま
た、支持体に対して感光層を設けた側の反対側にも、本
発明に係る下塗り層を設け、その外側に非感光性層(バ
ッキング層ないしバッキング保護層等)を塗設してもよ
い。
【0026】本発明に係る下塗り層は、1層でもよい
が、2層以上から構成されることにより接着性が高まる
ことから2層以上が好ましい。
【0027】また、本発明に係る下塗り層は、従来公知
の方法を使用して、下塗り層塗布液を塗布することによ
り、支持体上に塗設され下塗り層とされる。
【0028】感光層側またはバッキング層側に設けた下
塗り層の少なくとも一方に導電性層を設けることによ
り、光熱写真画像形成材料の帯電防止を行うことができ
る。バッキング層側に導電性層を設けることは、写真性
能に敏感な感光層と分離することができるので好まし
い。導電性層を設ける場合に、本発明に係る下塗り層が
2層以上から構成される場合、該導電性層を上層側と下
層側のいずれかの層に設ける2つの方法があり、上層側
に設ける方が帯電防止効果をより得易いことから屡々上
層側に設ける場合が好ましい。もちろん、下層側に設け
てもよい。
【0029】導電性層に含有される導電性材料は、光の
透過率の高い無機微粒子、例えば、酸化錫、酸化錫にイ
ンジウムや燐等をドープしたもの、酸化バナジウム、酸
化亜鉛、酸化インジウム、フラーレン、カーボンナノチ
ューブ等や導電性ポリマー、例えば、ポリチオフェン、
ポリアニリン、ポリピロール、ポリフラン等からなる微
粒子を挙げることができる。
【0030】導電性微粒子は、塗布液中に安定に分散さ
れやすいように、界面活性剤やpH調節剤等と共に分散
含有され、分散液として使用されることが好ましい。
【0031】界面活性剤は、ノニオンやアニオン性活性
剤が使用され、好ましい界面活性剤は、最近の環境に優
しい脂肪族界面活性剤を使用することができる。
【0032】pH調節剤は、塗布液としてのpH調節作
用と塗布乾燥後の膜面のpH調節作用という観点から、
揮発性のpH調節剤を使用することが好ましい。
【0033】塗布液調製時にはアルカリ性で、塗布後に
は塗布液より低い中性や酸性状態にしたい場合には、ア
ンモニア水(水酸化アンモニウム水溶液)等を塗布液に
含有させて調節する方法が好ましい。アンモニア水以外
の例としては、揮発性のアミン類を挙げることができ
る。アミン類としては、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミンおよびトリブチルアミン等
を挙げることができる。
【0034】上記とは逆に、塗布液状態では酸性で、塗
布後には中性またはアルカリ性側に設定したい時には、
揮発性の酸を同様にして使用することができる。
【0035】揮発性の酸としては、蟻酸、酢酸、蓚酸、
プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸等を挙げることがで
きる。
【0036】これらのpH調節剤は、光熱写真画像形成
材料の平米当たり、100ミリモル〜1ピコモルの範囲
で使用することが、経時でのカブリ上昇や感度の低下を
防ぐためにまたは塗布液の分散安定性を維持するために
好ましい。
【0037】(下塗り層の結合剤)本発明に係る下塗り
層の結合剤は、支持体との接着性と下塗り層の上の層
(感光層やAH層)との接着性の観点から適宜選択され
る。また、水分の影響を遮断するために、水分透過率や
水分の含有率が少ない素材から選択することが好まし
い。
【0038】代表的な素材としては、塩化ビニリデンと
その共重合体、スチレンとアクリレート類やメタクリレ
ート類の共重合体、複数のアクリレート類の共重合体お
よびスチレンとブタジエンの共重合体等が挙げられる。
これらは、水分散体とするために、アニオン解離性の親
水性基を有するモノマー成分を少量組み込むことが好ま
しく、この例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸(AMPS)、ポリスチレンスル
ホン酸等が挙げられる。また、これらのモノマーを上記
共重合体中に組み込み、アニオン基をアンモニウムイオ
ンで安定化することが好ましい。
【0039】本発明に係る下塗り層の結合剤は、水分散
した疎水性のポリマーの微粒子として使用することがで
き、該水分散した疎水性のポリマー微粒子は、造膜性と
透明性を確保するために、ガラス転移点が−60℃〜6
0℃の範囲にあるポリマーが好ましく、更には−20℃
〜40℃の範囲にある場合が好ましい。
【0040】また上述した共重合体中の組み込まれたア
ニオン解離性のモノマーは、当該共重合体の0.1モル
%〜20モル%が好ましく、更には0.5モル%〜6モ
ル%が好ましい。
【0041】上記以外の結合剤としてアミノ基を有する
ゼラチンおよびビニルポリマー(例えば、2−ビニル−
4,6−ジアミノ−s−トリアジン、アリルアミンおよ
びp−アミノスチレン等)を使用することもできる。ア
ミノ基の存在量は、上記のアニオン基モノマーの場合の
組み込み量と同様とすることができる。
【0042】本発明に係る下塗り層の結合剤の使用量
は、光熱写真画像形成材料の平米当たり0.01g〜1
0gの範囲が好ましく、更には0.1g〜3が好まし
い。
【0043】結合剤を架橋する架橋剤は使用してもよい
し、使用しなくてもよい。使用する場合は、市販のエポ
キシ架橋剤、シアヌル酸誘導体、ビニルスルホン酸誘導
体、イソシアナトート誘導体、シランカップリング剤お
よびアルデヒド誘導体等を使用することができる。架橋
剤の使用量は結合剤の使用質量に対して1000分の1
から10分の1が好ましい。添加する方法は、水に溶解
して添加する方法、アルコール類(メタノール、エタノ
ール等)やケトン類(メチルエチルケトン、アセトン、
メチルイソブチルケトン)等の有機溶媒に溶解して添加
することができる。
【0044】(マイクロ波)マイクロ波発生装置はマグ
ネトロンと呼ばれ、現在2.45GHzの周波数のもの
が普及している。波長として12.2cmである(波長
λ=C/f:光の速度C=3×108m/sをマイクロ
波の周波数fで除する)。本発明に使用するマグネトロ
ンは、市販品を使用してもよいが、クライストロン(速
度変調管)や逆行波管を作成し、倍周によって短波長化
することができる。波長が0.1mmから5mmでは、
InSb型半導体を使用して得ることができる。
【0045】本発明においては倍周により、より短い
0.3mm(1THz)までのものを使用するのが好ま
しい。通常は2.45GHzであるが、10GHz〜1
THzにすると本発明の目的を達成し易くなる。
【0046】照射の仕方は、反射による放散を抑制し、
照射効率の低下を防ぐために閉鎖系にして分子の振動エ
ネルギーに90%〜100%まで変換させるようにする
のが好ましい。
【0047】照射エネルギーは、光熱写真画像形成材料
の平米当たり1ミリワット(mW)〜1キロワット(k
W)/分の範囲である場合が好ましい。例えば、本発明
に係る下塗り層の塗布速度が1分間に300mの塗布速
度の場合、300mW〜300kWのマイクロ波を取り
付けることが好ましく、この場合に300kWを1台の
マグネトロン装置で達成する必要がなく、2kWレベル
のものを複数並べて照射してもよい。
【0048】マイクロ波を照射する時間は、特に制限は
ないが、好ましくは、1ミリ秒から200秒の範囲が好
ましい。
【0049】照射するときに、揮発性物質を取り除く手
段として、減圧機を備えるのが好ましい。減圧機による
照射部分での条件は、1000hPa〜0.01hPa
の範囲であることが生産性や揮発性物質の取り除く効率
の観点で好ましい。
【0050】(揮発性物質)本発明に係る揮発性物質
は、導電性無機微粒子や導電性ポリマーの安定化剤とし
て、または架橋剤の架橋促進物質として、更には結合剤
の安定化化物質として使用されるものが挙げられる。
【0051】好ましい化合物は、アミン類、酸類、酸無
水物、アンモニウム塩(塗布液の状態でアンモニウムイ
オンを解離しうる化合物が好ましい。)およびヒドラジ
ン類がある。
【0052】アミン類としては、アルキルアミン類(分
子量100以下のアルキルアミン類は特に好まし
い。)、ヘテロ環基を有するアミン類、芳香族アミン類
が好ましい。
【0053】酸類としては、分子量が100以下の有機
酸が好ましい。有機酸としては、芳香族および脂肪族カ
ルボン酸が好ましく、酸無水物としては、芳香族または
脂肪族カルボン酸から誘導されるものが好ましい。
【0054】これらの中で、特に、上記アンモニウム塩
は好ましく、更には、塗布液において導電性微粒子と併
用する場合が好ましい。
【0055】架橋促進剤の例としては、マイクロ波照射
により揮発する低分子化合物であることが好ましく、分
子量200以下、または沸点160℃以下を示す化合物
が好ましい。
【0056】好ましい上記架橋促進剤などの例を下記に
示す。化合物名の後の( )内は沸点(bp.)または
分子量(mw.)を表す。
【0057】KS−1:トリエチルアミン(bp.89
℃−90℃) KS−2:トリメチルアミン(常温は気体で10%水溶
液として使用) KS−3:トリプロピルアミン(bp.156℃)(m
w.143.27) KS−5:水酸化アンモニウム(20%水溶液として使
用) KS−6:ジエチルアミン(bp.55.5℃) KS−7:ジブチルアミン(bp.159℃ー160
℃),(mw.129.24) KS−8:ジプロピルアミン(110℃) KS−9:ピリジン(116℃−117℃) KS−10:エチレンジアミン(116℃ー117℃)
(mw.60.10) KS−11:α−ピコリン(128℃−129℃)(m
w.93.13) KS−12:蟻酸(100.5℃) KS−13:酢酸(118℃) KS−14:無水酢酸(139℃) 上記揮発性物質は、水、アルコール類、ケトン類、非極
性の有機溶媒類に溶解して添加しても良いし、常温で固
体状のものは塗布液中に固体のまま粉砕などを経て分散
添加してもよい。
【0058】上記揮発性物質の塗布液への添加量は、塗
布液が架橋剤を使用する場合は、架橋剤の架橋する基と
当量が好ましいが10倍まで増量しても良いし、10分
の1以下まで減量してもよい。少なすぎると架橋反応が
進みにくく多すぎると未反応の架橋剤が写真性を劣化さ
せる場合もあるので、上記の範囲が好ましく。また、架
橋剤を使用しない場合は、本発明に係る光熱写真画像形
成材料の平米当たり1マイクログラム〜1グラムを添加
すればよい。
【0059】(有機銀塩)本発明の光熱写真画像形成材
料に含有される有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元
可能な銀イオン源を含有する有機酸、ヘテロ有機酸及び
酸ポリマーの銀塩などが用いられる。銀塩の例は、Re
search Disclosure(リサーチディス
クロージャー)第17029及び第29963に記載さ
れており、例えば次のものを挙げることができる:没食
子酸銀、シュウ酸銀、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀、パ
ルミチン酸銀、ラウリン酸銀等。
【0060】(還元剤)本発明の光熱写真画像形成材料
に含有される好ましい還元剤の例は、米国特許第3,7
70,448号、同3,773,512号、同3,59
3,863号等の各明細書、及びResearch D
isclosure第17029及び第29963記載
されており、次のものが挙げられる。 (K1)1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン (K2)ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−
メチルフェニル)メタン (K3)2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフ
ェニル)プロパン (K4)4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−
6−メチルフェノール) (K5)2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン前記に示される化合物は、水に
分散したり、有機溶媒に溶解して使用する。有機溶媒
は、メタノールやエタノール等のアルコール類やアセト
ンやメチルエチルケトン等のケトン類、トルエンやキシ
レン等の芳香族系を任意に選択することができる。還元
剤の使用量は、銀1モル当り1×10-2〜10モル、好
ましくは1×10-2〜1.5モルである。
【0061】(感光性ハロゲン化銀粒子)本発明の光熱
写真画像形成材料の感光層中に含有される感光性ハロゲ
ン化銀は、シングルジェット若しくはダブルジェット法
などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例え
ばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方
法で予め調製できる。感光性ハロゲン化銀は、画像形成
後の白濁を低く抑えるために、また良好な画質を得るた
めに粒子サイズが小さいものが好ましい。平均粒子サイ
ズで0.1μm以下、好ましくは0.01〜0.1μ
m、特に0.02〜0.08μmが好ましい。又、ハロ
ゲン化銀の形状としては特に制限はなく、立方体、八面
体の所謂正常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の
粒子がある。又ハロゲン化銀組成としても特に制限はな
く、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化
銀、沃化銀のいずれであってもよい。
【0062】上記ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び
後述の有機銀塩の総量に対し50質量%以下好ましくは
25〜0.1質量%、更に好ましくは15〜0.1質量
%の間であることが好ましい。上記のハロゲン化銀形成
成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させ
る工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作
製の目的にあわせ適宜設定することができるが、通常、
反応温度は−23℃乃至74℃、その反応時間は0.1
秒乃至72時間であり、その反応圧力は大気圧に設定さ
れることが好ましい。
【0063】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、
白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、
クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感
することができる。この化学増感の方法及び手順につい
ては、例えば米国特許第4,036,650号、英国特
許第1,518,850号等の各明細書、特開昭51−
22430号、同51−78319号、同51−811
24号等の各公報に記載されている。
【0064】本発明に使用するハロゲン化銀は、必要に
より分光増感色素で増感することができ、例えば特開昭
63−159841号、同60−140335号、同6
3−231437号、同63−259651号、同63
−304242号、同63−15245号等の各公報、
米国特許第4,639,414号、同第4,740,4
55号、同第4,741,966号、同第4,751,
175号、同第4,835,096号等の各明細書に記
載された増感色素を使用することができる。本発明に使
用される有用な増感色素は例えば、特開平9−3407
8号、同9−54409号、同9−80679号記載の
化合物が好ましく用いられる。
【0065】(結合剤)本発明の光熱写真画像形成材料
の感光層、AH層、保護層、バッキング層およびバッキ
ング保護層等に用いられる結合剤としては、ポリビニル
ブチラール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、
スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などが挙げら
れる。更に乾燥後、膜を形成したのち、その塗膜の平衡
含水率の低いものが好ましく、特に含水率の低いものと
して、例えば、有機溶媒系のセルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレートおよびポリアセタールを
挙げることができる。ポリアセタールは、ポリ酢酸ビニ
ルを鹸化することによりポリビニルアルコールを製造
し、このポリビニルアルコールをアルデヒド化合物で反
応させて得られるポリマーを意味するが、本発明に好ま
しいポリアセタールは、ブチルアルデヒドでアセタール
化をしたポリブチラール、アセトアルデヒドでアセター
ル化したポリアセタール(狭義でのポリアセタール)が
好ましい。アセタール化は、1%〜100%まで理論的
には存在するが、実用的には20%〜95%が好まし
い。アセタール化度が低いと水酸基が多くなり、写真性
能において湿度に弱い特性を示し、アセタール化度が高
いと反応温度や時間が過酷になり、コストや生産性が低
下する。水系塗布用には、水分散系ポリマーのスチレン
とブタジエンの共重合体、スチレンとアクリル酸アルキ
ルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル類の共
重合体、アクリル酸アルキルエステル類とメタクリル酸
アルキルエステルの共重合体を挙げることができる。共
重合体の重合度は、10程度から1万程度まで自由に選
択することができるが、100〜6000が塗布性や合
成するときの生産性から好ましい。 (架橋剤)結合剤は、単独で造膜することにより、下層
や上層との接着を保持し、傷の付きにくい膜強度を得る
ことができるが、架橋剤を使用することにより更に膜接
着や膜強度を高めることができる。架橋剤の使用方法
は、下塗り層中に添加する方法、AH層、感光層、保護
層、バッキング層、バッキング保護層等に添加してこれ
を下塗り層へ作用させ使用する方法等がある。塗布液の
安定性の観点から、塗布直前にスタチックミキサーを使
用して添加することが好ましいが、塗布液の調製時に添
加してもよい。好ましい架橋剤剤は、イソシアナート
基、ビニルスルホニル基またはエポキシ基を有する架橋
剤が好ましい。特に好ましい架橋剤はイソシアナート基
を少なくとも2個有する多官能型架橋剤を挙げることが
できる。好ましい架橋剤としてH1〜H13を下記に示
す。
【0066】(H1) ヘキサメチレンジイソシアナー
ト (H2) ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体 (H3) トリレンジイソシアナート (H4) フェニレンジイソシアナート (H5) キシリレンジイソシアナート
【0067】
【化1】
【0068】(AH層又はBC層等に使用される染料)
本発明の光熱写真画像形成材料は、必要により該光熱写
真画像形成材料のハレーション防止用又はハレーション
防止用のAH層又はBC層等が設けられ、該AH層又は
BC層に用いられる染料としては画像露光光を吸収する
染料であればよく、好ましい例として特開平2−216
140号、同7−13295号、同7−11432号、
米国特許第5,380,380,635号明細書等に記
載される染料を挙げることができる。
【0069】(支持体)支持体としては、一般に使用さ
れる支持体なら特に制限なく使用でき、中でも、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートまた
はシンジオタクチックポリスチレン等の支持体が好まし
く、2軸延伸や熱固定した光学的に等方性が高く、寸法
安定性のよい50μm〜400μm厚のものがよい。
【0070】(画像露光)露光方法としては、特開平9
−304869号明細書、同9−311403号および
特開2000−10230号明細書記載の方法によりレ
ーザー露光することができる。本発明の光熱写真画像形
成材料の露光は、当該感材に付与した感色性に対し適切
な光源を用いることが望ましい。例えば、当該感材を赤
外光に感じ得るものとした場合は、赤外光域ならば如何
なる光源にも適用可能であるが、レーザーパワーがハイ
パワーである事や、低価格で入手し易いこと等の点か
ら、赤外半導体レーザー(780nm、810nm)が
より好ましく用いられる。
【0071】本発明において、露光はレーザー走査露光
により行うことが好ましいが、その露光方法には種々の
方法が採用できる。例えば、第1の好ましい方法とし
て、本発明の光熱写真画像形成材料の露光面と走査レー
ザー光のなす角が実質的に垂直になることがないレーザ
ー走査露光機を用いる方法が挙げられる。
【0072】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザー走査中に最も垂直に近い角度として好
ましくは55度以上88度以下、より好ましくは60度
以上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以
下、最も好ましくは70度以上82度以下であることを
いう。
【0073】レーザー光が光熱写真画像形成材料に走査
されるときの該材料の露光面でのビームスポット直径
は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100
μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレー
ザー入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好
ましい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmで
ある。このようなレーザー走査露光を行うことにより干
渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を
減じることが出来る。
【0074】また、別の方法として、本発明における露
光は縦マルチである走査レーザー光を発するレーザー走
査露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの
走査レーザー光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質
劣化が減少する。
【0075】縦マルチ化するには、合波による、戻り光
を利用する、高周波重畳をかける、などの方法がよい。
なお、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味
し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10
nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に
制限はないが、通常60nm程度である。
【0076】このような複数のレーザーを利用した画像
記録方法としては、高解像度化、高速化の要求から1回
の走査で複数ラインずつ画像を書き込むレーザープリン
タやデジタル複写機の画像書込み手段で使用されている
技術であり、例えば特開昭60−166916号公報等
により知られている。これは、光源ユニットから放射さ
れたレーザー光をポリゴンミラーで偏向走査し、fθレ
ンズ等を介して感光体上に結像する方法であり、これは
レーザーイメ−ジャなどと原理的に同じレーザー走査光
学装置である。
【0077】(熱現像装置)光熱写真画像形成材料を現
像する装置は、特に限定されないが、特開平11−65
067号明細書、同11−72897号および同846
19号明細書記載の装置を使用することができ、好まし
い。
【0078】(光熱写真画像形成材料)本発明に係る光
熱写真画像形成材料は、その用途として特に制限はない
が、医療用途、グラフィックス用途、マイクロ写真用途
など種々の用途に使用でき、中でも、医療用途として好
ましく使用することができる。
【0079】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0080】実施例1 <下塗り済み支持体の作製>厚さ175μmのポリエチ
レンテレフタレート支持体の両面に12W/m2・分の
コロナ放電処理を施し、一方の面に下記下塗り塗布液a
−1を乾燥膜厚0.6μmになるように塗設し乾燥させ
て下塗り層A−1を設け、また反対側の面に下記下塗り
塗布液b−1を乾燥膜厚0.6μmになるように塗設し
乾燥させて下塗り層B−1を設けた。
【0081】《下塗り塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(5質量%) グリシジルメタクリレート(17質量%) 2−ビニルー4,6−ジアミノ−s−トリアジン(3質
量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%)を表1に示す
架橋剤および揮発性物質を添加し固形分濃度を15質量
%にした。
【0082】《下塗り塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(37質量%) 2−ビニルー4,6−ジアミノ−s−トリアジン(3質
量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%)を表1記載の
架橋剤および揮発性物質を添加して固形分濃度を15質
量%にした。
【0083】引き続き、下塗り層A−1及び下塗り層B
−1の上表面に、12W/m2・分のコロナ放電を施
し、下塗り層A−1の上には、下記下塗り上層塗布液a
−2を塗布乾燥して下塗り層A−2(感光層側用)を設
け、下塗り層B−1の上には下記下塗り上層塗布液b−
2を塗布乾燥して帯電防止機能をもつ下塗り上層B−2
(BC層用)を設けた。それぞれの塗布液は、15%固
形分濃度の水溶液で下記表1に示すpH調節剤を添加し
た。
【0084】 《下塗り上層塗布液a−2》 スチレンとブタジエンの1:2共重合体 0.4g/m2 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(20質量%) 2−ビニルー4,6−ジアミノ−s−トリアジン(3質量%) メタクリル酸(3質量%)) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 0.3g/m2 架橋剤:表1記載 1×10-5モル/m2 揮発性物質:表1記載 1×10-5モル/m2 《下塗り上層塗布液b−2》 スチレンとブタジエンの1:2共重合体 0.4g/m2 導電性酸化錫微粒子(平均粒子径68nm) 0.023g/m2 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(20質量%) 2−ビニルー4,6−ジアミノ−s−トリアジン(3質量%) メタクリル酸(3質量%)) 架橋剤:表1記載 1×10-5モル/m2 揮発性物質:表1記載 1×10-5モル/m2 下塗り層を塗布した後、感光層用にハロゲン化銀を調製
し、次いで作成したハロゲン銀を使用して有機銀塩を調
製した。 〈ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉水900ml中にイ
ナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶
解して温度28℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀
74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比
の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液をpAg
7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で
10分間かけて添加した。硝酸銀の添加と同期してヘキ
サクロロイリジウムのナトリウム塩を1×10 -6モル/
銀1モル添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加
しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.0
36μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面
比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼ
ラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後、乾燥し
て56gのフレークを得た。
【0085】〈有機銀塩の調製〉3980mlの純水に
ベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステ
アリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪
拌しながら1.5モルの水酸化ナトリウム水溶液54
0.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55
℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機
酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、前記ハ
ロゲン化銀粒子乳剤A(銀0.038モルを含む)と純
水420mlを添加し5分間攪拌した。次に1モルの硝
酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに
20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去した。その
後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水
による水洗、濾過を繰り返し、最後に円心脱水後乾燥し
て358gのフレークを得た。
【0086】〈感光層及びBC層の塗布〉前記下塗り層
を施した支持体上に表1記載の条件のマイクロ波処理を
行い以下の感光層側およびBC側の各層を塗布した。
尚、乾燥は感光層側およびBC側とも各々45℃,1分
間で行った。
【0087】《BC層側塗布》バック面側には以下の組
成物を調製した塗布液を以下の付き量なるように同時重
層塗布乾燥してBC層を形成した。
【0088】 《BC層塗布》 結合剤:PVB−1 1.8g/m2
【0089】
【化2】
【0090】 ヘキサメチレンジイソシアナート 1×10-4モル/m2 染料:C1 2.2×10-5モル/m2
【0091】
【化3】
【0092】 《BC保護層の塗布》 結合剤:セルロースアセテートブチレート 1.1g/m2 マット剤:ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径4μm) 0.021g/m2 <感光層側の塗布> 《AH層の塗布》 結合剤:PVB−1 0.4g/m2 染料:C1(BC層と同種) 1.3×10-5モル/m2 《感光層の塗布》感光層形成のため以下の組成物のメチ
ルエチルケトン塗布液(固形分23%)を調製し、以下
の付き量になるように塗布乾燥した。銀量として1.3
6g/m 2になる量の前記有機銀塩の調製液をポリマー
結合剤と混合した。
【0093】 結合剤:PVB−1 2.6g/m2 分光増感色素A1 2×10-5モル/m2
【0094】
【化4】
【0095】 カブリ防止剤−1:ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 0.3mg/m2 カブリ防止剤−2:イソチアゾロン 1.2mg/m2 還元剤: K1 3×10-4モル/m2 《表面保護層》以下の組成物を加えて調製したメチルエ
チルケトン塗布液(固形分23%)を、以下の付き量に
なるように感光層上に塗布乾燥して表面保護層を形成し
た。
【0096】 結合剤:セルロースアセテートブチレート 1.2g/m2 フタラジン 0.2g/m2 4−メチルフタル酸 0.7g/m2 テトラクロロフタル酸 0.2g/m2 テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2 マット剤:ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径6μm) 0.021g/m2 PVBー1は、重合度500のポリ酢酸ビニルを98%
鹸化後、残存水酸基の86%をブチラール化して使用し
た。PVB−1はBC層の結合剤としても使用した。
【0097】(写真性能の評価)上記剥落耐性試験を暗
室で行った試料を25℃で48%相対湿度の雰囲気下に
3日間保存した後、810nmの半導体レーザー露光用
の感光計で露光し、露光後120℃で8秒間加熱後、得
られた試料のカブリと感度を求めた。レーザー露光は入
射角を90度のシングルモードに設定した。
【0098】(保存性の評価)上記未露光試料を52
℃、相対湿度48%の雰囲気下に4日間保存した後、8
10nmの半導体レーザー露光用の感光計で露光し、露
光後120℃で8秒間加熱後、得られた試料のカブリを
求めた。
【0099】(下塗り塗布液の安定の評価)下塗り塗布
液の濃度を2倍に濃縮して、25時間放置したときの塗
布液の粘度の変化を調べた。粘度の測定は、(株)エー
・アンド・デイ社製振動式粘度計CJV2001を使用
し、調製した塗布液の温度を36℃±1℃にし、25時
間放置したときの粘度差をみた。0.01mPa・S以
内のときをランク5、0.03mPa・S以内をランク
4、0.2mPa・以内をランク3、0.5mPa・S
以内をランク4、それ以上の変化の場合はランク1とし
て評価した。
【0100】(下塗り層の膜強度の評価)微小振動型引
っ掻き試験器(島津製作所スクラッチテスタSST−1
01)で測定した。ダイヤモンド短針の振動巾10μ
m、振動周波数30Hz、負荷速度10μm/秒で行
い、同時に500倍の倍率で観察し、表面に剥落現象を
認識し(表1)及び(表2)に示す。
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】表1より本発明のマイクロ波処理により、
カブリが低く、保存性のよい光熱写真画像形成材料が得
られることがわかる。また、下塗り塗布液の安定性、下
塗り層の膜強度に優れることがわかる。
【0103】実施例2 実施例1と同様に試料を作成し画像を評価しが、ここで
はレーザー露光の入射角を変化させて露光する実験、レ
ーザー光を2分して行路長を20nmから100nm±
3nmの差をつけて、再び合成して露光する2重ビーム
露光、表1記載の高周波を重畳した波長の露光を実施し
た。結果を表2に示す。尚、鮮鋭性の評価は、MTF
(Modulation Transfer Func
tion)チャートを使用し、10サイクル/mmの周
波数における光学濃度0.5〜2.5の伝達度(係数)
を求めた。
【0104】
【表3】
【0105】本発明の光熱写真画像形成材料を露光する
際に、入射角を変化させ、その角度が55度から88度
の間であることが好ましいことがわかる。また、2重ビ
ーム露光や高周波重畳の露光により微粒子の光散乱が少
なくなり、鮮鋭性が向上していることがわかる。
【0106】
【発明の効果】本発明の光熱写真画像形成材料の製造方
法及びその画像記録方法により、下塗り塗布液の安定
性、塗布後の膜強度が高く、且つ、低カブリ、高感度、
高濃度が得られ、画像保存性のよい光熱写真画像形成材
料の製造方法を提供することおよびその画像形成におい
て干渉ムラが生じにくく、均一な現像仕上がりを有し、
鮮鋭性の高い光熱写真画像形成材料の画像記録方法を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/76 351 G03C 1/76 351 5/08 351 5/08 351 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BA00 BA45 BB00 BB02 BB03 BB04 BB08 BB20 BC00 BC08 BC16 CA00 CA22 CB00 CB03 4D075 AE03 AE08 BB47Y BB91Y BB94Y CA48 CA50 DB48 DC27 DC30 DC38 EA05 EA21 EA45 EB12 EB14 EB15 EB22 EB53

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、下塗り層並びに感光性ハロ
    ゲン化銀粒子、有機銀塩化合物、還元剤及び結合剤から
    なる感光層を有する光熱写真画像形成材料の製造方法に
    おいて、該下塗り層を塗設するに際して、該下塗り層の
    塗布液は揮発性物質を含有しており、該塗布液を塗設し
    た後、該層にマイクロ波を照射することを特徴とする光
    熱写真画像形成材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マイクロ波の波長が1GHz〜1T
    Hzであることを特徴とする請求項1に記載の光熱写真
    画像形成材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波照射のエネルギーが1ミ
    リワット〜1キロワット/分・m2であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の光熱写真画像形成
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マイクロ波照射される直前の下塗り
    層中の揮発性物質の付き量が平米当たり100ミリモル
    〜1ピコモルであることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記下塗り層の結合剤がゼラチン及びそ
    の誘導体、セルロース誘導体並びにアセタール誘導体か
    ら選ばれることを特徴とする請求項1ないし請求項4に
    記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記下塗り層の塗布液に含有する揮発性
    物質が、塗布液の状態でアンモニウムイオンを解離する
    アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項5に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記下塗り層の塗布液に、更に導電性酸
    化錫微粒子を含有することを特徴とする請求項6に記載
    の光熱写真画像形成材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記マイクロ波照射により発生する揮発
    性物質をとり除く手段を設けたことを特徴とする請求項
    1ないし請求項7に記載の光熱写真形成材料の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記下塗り層塗布液にアンモニウムイオ
    ンをイオン対とするモノマーユニットを有する結合剤を
    含むことを特徴とする請求項1ないし請求項8に記載の
    光熱写真形成材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記マイクロ波照射が1000hPa
    〜0.01hPaの条件下で行われることを特徴とする
    請求項9に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項10記載の光熱
    写真画像形成材料に画像を記録する際の走査レーザー光
    が、同一波長であり、且つ入射角の異なる2重ビームで
    あることを特徴とする画像記録方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項10に記載の光
    熱写真画像形成材料に画像を記録する際の走査レーザー
    光が、縦マルチであるレーザー光走査露光機による露光
    を行うことを特徴とする画像記録方法。
  13. 【請求項13】 前記揮発性物質が、塗布液の状態でア
    ンモニウムイオンを解離するアンモニウム塩並びにそれ
    ぞれ分子量100以下の有機酸およびアルキルアミン類
    から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請
    求項1に記載の光熱写真画像形成材料の製造方法。
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JP2007065057A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Fujifilm Corp 光学補償シート及びその製造方法

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