JP2002082416A - 熱現像材料及びその現像方法 - Google Patents

熱現像材料及びその現像方法

Info

Publication number
JP2002082416A
JP2002082416A JP2000271347A JP2000271347A JP2002082416A JP 2002082416 A JP2002082416 A JP 2002082416A JP 2000271347 A JP2000271347 A JP 2000271347A JP 2000271347 A JP2000271347 A JP 2000271347A JP 2002082416 A JP2002082416 A JP 2002082416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
heat
acid
developable material
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000271347A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Haniyu
武 羽生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000271347A priority Critical patent/JP2002082416A/ja
Publication of JP2002082416A publication Critical patent/JP2002082416A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱現像材料に使用する支持体上に塗布する下
塗り層と支持体の接着力が高く、且つ下塗り層と下塗り
上層のAI層または感光層或いはBC層との接着に優れ
る熱現像材料を提供する。 【解決手段】 下塗り層を設けた支持体上に感光性ハロ
ゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する
感光層を設けた熱現像材料において、該下塗り層がビニ
ルポリマーで変性されたポリエステルを含み、該下塗り
層の上にビニルポリマーで変性されたポリエステルを含
むイラジエーション防止層、感光層またはバッキング層
を塗布したことを特徴とする熱現像材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像により画像を
形成する熱現像材料に関するもので、更に詳しくは熱現
像材料の支持体と感光層間の層間接着を改良するもので
あり、特に写真性能や保存性に影響を与えず、各層間の
接着を改良した熱現像材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療や印刷の分野で環境保護や作
業性の面から湿式処理に伴う廃液の出ない光熱写真材料
が強く望まれており、特に熱現像により、高解像度で鮮
明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光
熱写真材料に関する技術が必要とされている。これらの
光熱写真材料は通常、湿式処理の27℃〜42℃に比べ
て80℃以上の高い温度で現像が行われるので、熱現像
材料と呼ばれている。
【0003】従来からこのタイプの熱現像材料は、ポリ
エチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等
の支持体上に色素で分光増感された高感度のハロゲン化
銀粒子、有機銀塩及び還元剤を含む感光層と、該感光層
に向けて照射した光が吸収されずに通過して支持体の界
面や中間層や接着層等で乱反射するのを防ぐイラジエー
ション防止(AI)層或いはバッキング(BC)層から
構成され、更には感光層の上やBC層の上に取り扱い時
の傷の付くのを防ぐための保護層が設けられている。B
C層を設ける場合には、感光層の下にAI層を設けない
こともあるが、両面に感光層を設ける場合には、両面の
感光層下部にAI層を設けることが必要となる。
【0004】上記熱現像材料の各層の結合剤は、各種の
添加剤を保持し、熱現像時の酸化還元反応を適切に進行
させる場を提供する。微量の水分でも保存性には悪影響
を与えるのでできるでけ水分を含まない結合剤が要求さ
れる。そのため、スチレン−ブタジエン共重合体やポリ
ビニルアセタール化合物が適用されている。しかし、こ
のような結合剤を選択すると、支持体と感光層間或いは
支持体とAI層の接着が弱くなり、剥離し易くなるとい
う問題が生じていた。特に生産現場で100m/分以上
に高速に搬送する工程では、充分な接着性が要求されて
いた。そこで支持体上に直接上記のAI層、BC層また
は感光層等を塗布せず、支持体に下塗り層を設けること
で接着性を向上させている。下塗り層を塗布する工程で
は乾燥工程とこれに引き続く平滑性付与や寸法安定化の
熱処理工程が行われる。ここで下塗りの膜強度が弱かっ
たり、支持体への接着性よりも搬送ローラーへの接着性
が高いと搬送ローラーに下塗り膜が一部付着しローラー
を汚染し、これが転写して下塗り層を汚染するという問
題を引き起こす。支持体と下塗りの接着性を強くするた
めに、下塗りの膜強度を上げると、下塗りをした支持体
上に、AI層、感光層またはBC層等を塗布すると下塗
りとこれらの層間接着が弱くなり、次の塗布乾燥工程に
おいて、弱い層が剥離して搬送ローラーを汚染するとい
う問題を引き起こしていた。膜強度を上げるために架橋
剤を使用するとよいが、迅速に架橋する硬膜剤は、安全
性の面から選択することが難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、熱現
像材料に使用する支持体上に塗布する下塗り層と支持体
の接着力が高く、且つ下塗り層と下塗り上層のAI層ま
たは感光層或いはBC層との接着に優れる熱現像材料を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0007】1.下塗り層を設けた支持体上に感光性ハ
ロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有す
る感光層を設けた熱現像材料において、該下塗り層がビ
ニルポリマーで変性されたポリエステルを含み、該下塗
り層の上にビニルポリマーで変性されたポリエステルを
含むイラジエーション防止層、感光層またはバッキング
層を塗布したことを特徴とする熱現像材料。
【0008】2.前記熱現像材料の結合剤がブタジエン
とスチレンの共重合体またはポリビニルアセタール化合
物であることを特徴とする前記1記載の熱現像材料。
【0009】3.前記変性ポリエステルが酸基を含むこ
とを特徴とする前記1又は2記載の熱現像材料。
【0010】4.前記ビニルポリマーが架橋性基を含む
ことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載の熱現
像材料。
【0011】5.前記変性ポリエステルを含む下塗り塗
布液を25℃〜210℃で乾燥した後、100℃〜21
0℃の間で熱処理すること特徴とする前記1〜4のいず
れか1項記載の熱現像材料。
【0012】6.前記1〜5のいずれか1項記載の熱現
像材料の現像方法。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の熱現像材料は、通常は支持体上に
少なくとも1層の感光層及び該感光層に隣接する層を設
けた少なくとも2層以上の層構成からなり、感光層の反
対側に設けられるBC層、その保護層等が含まれる。上
記熱現像材料の感光層中には、分光増感色素で増感され
てもよい感光性ハロゲン化銀粒子が含まれ、さらに該感
光層又はその隣接層には銀源となる有機銀塩、銀塩を現
像して銀画像を形成するための還元剤が含有される。
【0014】(感光性ハロゲン化銀粒子)本発明の熱現
像材料の感光層中に含有される感光性ハロゲン化銀は、
シングルジェット若しくはダブルジェット法などの写真
技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニ
ア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法で予め調
製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用い
る組成物中に導入することができる。感光性ハロゲン化
銀は、画像形成後の白濁を低く抑えるために、また良好
な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好まし
い。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.
01〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ま
しい。又、ハロゲン化銀の形状としては特に制限はな
く、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない球状、
棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組成とし
ても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、
臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。上
記ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述の有機銀塩
の総量に対し50質量%以下好ましくは25〜0.1質
量%、更に好ましくは15〜0.1質量%の間である。
【0015】上記した各種の方法によって調製される感
光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、
白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、
クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感
することができる。この化学増感の方法及び手順につい
ては、例えば米国特許第4,036,650号、英国特
許第1,518,850号等の各明細書、特開昭51−
22430号、同51−78319号、同51−811
24号等の各公報に記載されている。
【0016】又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照
度不軌や、階調調整のために元素周期律表の6族から1
0族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、O
s、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させ
ることができる。特に元素周期律表の6族から10族に
属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好
ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、
Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、A
uが好ましく、中でも印刷製版用感光材料に使用される
場合はRh、Re、Ru、Ir、Osから選ばれること
が好ましい。これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に
導入できる。
【0017】金属のイオン又は錯体イオンの含有量とし
ては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9
〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8
〜1×10-4モルである。これらの金属のイオン又は錯
体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時
に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好
ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成
長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加しても
よいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加する
のが好ましい。
【0018】(有機銀塩)本発明の熱現像材料に含有さ
れる有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イ
オン源を含有する有機酸、ヘテロ有機酸及び酸ポリマー
の銀塩などが用いられる。また、配位子が、4.0〜1
0.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は
無機の銀塩錯体も有用である。銀塩の例は、Resea
rch Disclosure第17029及び299
63に記載されており、例えば、没食子酸、シュウ酸、
ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、
アラキジン酸、エルカ酸等の塩である。
【0019】(還元剤)本発明の熱現像材料に含有され
る好ましい還元剤の例は、米国特許第3,770,44
8号、同3,773,512号、同3,593,863
号等の各明細書、及びResearch Disclo
sure第17029及び29963に記載されてお
り、好ましい還元剤として次のものが挙げられる。
(1)1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(2)
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン(3)2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)プロパン(4)4,4−エチリデ
ン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール)
(5)2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン前記に示される化合物は、水に分
散したり、有機溶媒に溶解して使用する。有機溶媒は、
メタノールやエタノール等のアルコール類やアセトンや
メチルエチルケトン等のケトン類、トルエンやキシレン
等の芳香族系を任意に選択することができる。還元剤の
使用量は、銀1モル当り1×10-2〜10モル、好まし
くは1×10-2〜1.5モルである。
【0020】(結合剤)本発明の熱現像材料の感光層又
は非感光層に用いられる結合剤としては、ハロゲン化
銀、有機銀塩、還元剤が反応する場として好ましい素材
が選択される。上記高分子結合剤としては例えばメタノ
ールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケト
ンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジ
メチルホルムアミド等を含む極性溶媒に溶解して用いら
れるポリマーと、水分散系ポリマーとがある。
【0021】上記ポリマーとしては、有機溶媒に溶解し
て使用するセルロースアセテートブチレート、セルロー
スアセテート、セルロースブチレート等のセルロース誘
導体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、
ポリビニルヘキサナール等のポリビニルアルコール誘導
体があり、水に分散や溶解して使用するものとしては、
ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール(水溶性のものと有機溶媒用とがあ
る。)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキ
シド、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
アミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン、
ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジ
エン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン−アクリル共重合体などが挙げられる。
【0022】下塗りに使用するビニルポリマーで変性さ
れたポリエステル化合物は、ポリエステルを作製し、次
いでビニルポリマーで変性することにより得られる。ポ
リエステル化合物は、ジカルボン酸とジオール化合物を
縮合して得ることができる。ジカルボン酸としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,6−ジカ
ルボン酸、アジピン酸、琥珀酸等を挙げることができ、
ジオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキ
シレン−1,6−ジメタノール、分子量400〜6,0
00のポリエチレングリコール等をあげることができ
る。ジカルボン酸化合物は、燐酸基やスルホン酸基を有
することができ、酸基のあるジカルボン酸と酸基のない
ジカルボン酸を併用してポリエステルを合成することが
できる。酸基のあるポリエステル化合物と酸基のない化
合物の使用量は、自由に選択することができるが、1:
1000〜1000:1の間で選択するのが好ましい。
この範囲を超えると酸基の影響が強くなり、本発明の目
的とする効果が得にくくなる。
【0023】本発明に使用するポリエステル化合物をビ
ニルポリマーで変性する方法は、前記ポリエステル化合
物または該化合物の溶液或いは分散物(水または有機溶
媒中に微粒子状に分散されたもの)とビニルポリマーを
単純混合(常温常圧下)する方法や25℃〜200℃の
温度範囲、または100kPa〜100MPaの範囲の
温度や圧力条件下で混合する方法があり、このとき、適
度のアルキルベンゼンスルホン酸型や琥珀酸アルキルエ
ステルのスルホン化物等のアニオン界面活性剤やアルキ
ル基を有する脂肪族基や芳香族基にポリエチレンオキサ
イドを付加させたノニオン界面活性剤を添加してもよ
い。また、ポリエステル化合物を溶解した或いは分散し
た水溶液または有機溶媒中(メチルエチルケトンやアセ
トン等のケトン類)にビニルポリマーを形成するモノマ
ーを1種または複数添加し、これらモノマーを開始剤存
在下に重合させて変性させる重合変性方法がある。重合
変性方法は、重合することにより、ビニルポリマーが成
長する過程でポリエステル分子内に取り込まれることや
重合開始剤によりポリエステル分子内に水素原子が引き
抜かれ、そこにビニルポリマーとして成長するモノマー
分子が供給されビニルポリマーが成長してポリエステル
を変性することができる。重合変性するときに使用する
重合開始剤は、一般の重合開始剤を使用することができ
る。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチロニトリル
等が代表的であるが、和光純薬工業株式会社製のVA−
046B、VA−061、VA−085、VF−096
等のVAシリーズ品を使用してもよい。変性に使用する
ビニルモノマーは、アクリル酸やメタクリル酸のアルキ
ルエステル化合物(例えば、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸、イタコン酸、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、スチレン、ブタジエン等)を挙げることができる。
これらモノマーを単独または複数併用してもよい。重合
変性する条件は、重合条件が好ましく40℃〜140℃
の範囲が適当である。低いと反応時間が掛かり、生産性
の点で不利であり、温度が高いと重合の均一性が不利と
なり、凝集や粘度の上昇で塗布性の劣化を引き起こす成
分が混入するので、150℃以上を避けることが好まし
い。モノマーと開始剤を添加することにより重合を進め
るのであるが、重合溶液の分散性を向上させるために、
上述したアニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤をモ
ノマーの全質量の100ppm〜10%の範囲で添加す
ることができる。アニオン界面活性剤とノニオン界面活
性剤の使用割合は、自由に選択することができるが、
1:10〜10:1が好ましい。変性ポリエステルが酸
基を含むようにするには、ポリエステルの原料であるジ
カルボン酸またはジオールの少なくとも一方に酸基のあ
るものを一部使用することにより酸基を導入することが
できる。酸基としては、カルボン酸、スルホン酸または
燐酸基をあげることができる。酸基の存在は、変性ポリ
エステルの親水性と疎水性バランスを調節するのに必要
であり、酸基の数が多いと親水性が高まり、高湿下の保
存性が劣化するので酸基を含むモノマー単位は、1分子
中の総モノマー単位の3分の1以下、好ましくは4分の
1以下が好ましい。酸基をポリエステル中に導入する他
に、ビニルポリマー中に導入してもよい。ビニルポリマ
ー中に導入するときには、アクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、メタクリル酸、スチレン−4−スルホン酸等
をモノマー成分に加えることにより達成することができ
る。
【0024】ビニルポリマーに架橋性基を持たせるに
は、モノマーに架橋性基を有するものを使用すればよ
く、好ましい架橋性基を有するモノマーとしては、グリ
シジルメタクリレートおよびグリシジルアクリレート等
のエポキシ基を有するモノマーを挙げることができる。
グリシジル基のように自己架橋性の基以外に、架橋剤の
存在下に分子間架橋を形成する基であってもよい。その
ような基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基
を挙げることができる。カルボキシル基は、ポリエステ
ルを形成するときに利用される基でもあるので側鎖に導
入することが好ましい。
【0025】(架橋剤)本発明の架橋性基を有するビニ
ルポリマーで変性したポリエステルを下塗り上層やAI
層、感光層またはBC層に使用したときに使用する架橋
剤は、アルデヒド類、アジリジン類、イソシアナート
類、シアヌル酸類、エポキシ類、アルコキシシラン類、
アルコキシアルミニウムキレート類、ビニルスルホン酸
類、カルボジイミド類、ペプチド類等任意に使用できる
が、好ましい架橋剤は、イソシアナート類、ビニルスル
ホン酸類、アルコキシシラン類である。特に好ましい架
橋剤を下記に示すが、これらに限定されない。
【0026】(H1) ヘキサメチレンジイソシアナー
ト (H2) ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体 (H3) トリレンジイソシアナート (H4) フェニレンジイソシアナート (H5) キシリレンジイソシアナート (H6) 1,3−ビス(イソシアナートメチル)シク
ロヘキサン (H7) テトラメチレンキシリレンジイソシアナート (H8) m−イソプロペニルα,α−ジメチルベンジ
ルイソシアナート (H9) フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン (H10)p−メチルフェニルプロピルトリメトキシシ
ラン (H11)ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン (H12)ジエトキシアミノプロピルトリエトキシシラ
ン (H13)1,3−ビス(ビニルスルホンアミド)プロ
パン (H14)1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン (H15)1,3−ビス(ビニルスホンアミド)−2−
ヒドロキシプロパン (H16)ビス(ビニルスルホンアミド)エーテル 上記架橋剤は、水、アルコール類、ケトン類、非極性の
有機溶媒類に溶解して添加しても良いし、塗布液中に固
形のまま添加してもよい。添加量は、架橋する基と当量
が好ましいが10倍まで増量しても良いし、10分の1
以下でもよい。少なすぎると架橋反応が進まないし、多
すぎると未反応の架橋剤が写真性を劣化させるので好ま
しくない。
【0027】(乾燥および熱処理)活性メチレン基を含
有する酢酸ビニル誘導体と架橋剤を含む液を乾燥する条
件は、25℃〜210℃が好ましく、特に40℃〜19
0℃が好ましい。低い温度では架橋が進まないため、で
きるだけ高温にするのが好ましいが、210℃を越える
と支持体の寸法安定性の劣化が大きくなるので好ましく
ない。熱風乾燥の場合は表面温度が低い恒率乾燥過程と
熱風温度に近づく減率過程の条件を適宜選択するのが好
ましい。できるだけ表面温度を下げて乾燥するのが、支
持体の損傷が少なく、エネルギーロスも少ないので好ま
しいが、水系塗布の場合、生産性を上げるには、特に8
0℃〜140℃の迅速乾燥が好ましい。尚、溶媒系の塗
布液の場合は、その溶媒の沸点以下で乾燥するのが好ま
しく、ケトン類やアルコール類は、通常35℃〜70℃
が好ましい。乾燥処理を終えた下塗りされた支持体を1
00℃〜210℃の温度で熱処理することにより、支持
体の寸法安定性や平滑性を確保する他に、下塗りの膜強
度を強めることができる。熱処理工程は高い温度を設定
するので、乾燥過程である程度、下塗りの膜強度を高め
る必要がある。膜強度が弱いと熱処理する搬送ローラー
上に転写して熱処理ローラーを汚染し、この汚染物が次
に下塗りされる面を汚染していき、最終的には仕上がっ
た熱現像材料の画質を損なうことになる。そこで、下塗
り層は支持体との接着を重視した第1の下塗り層(プラ
イマー層と呼ばれる)と感光層やAI層の接着を重視し
た第2の下塗り層(下塗り上層)を塗布するのが好まし
い。これらの層中に帯電防止剤や防湿性を添加して塗布
してもよい。熱処理をすることにより、架橋を進めるこ
とができ、下塗り膜の強度を上げることができるが、膜
強度を上げると感光層やAI層との接着が難しくなるの
が従来の技術であったが、本発明では、熱処理すること
により、感光層やAI層との接着をよくすることができ
る。
【0028】(分光増感色素)本発明に使用する分光増
感色素は、必要により例えば特開昭63−159841
号、同60−140335号、同63−231437
号、同63−259651号、同63−304242
号、同63−15245号等の各公報、米国特許第4,
639,414号、同第4,740,455号、同第
4,741,966号、同第4,751,175号、同
第4,835,096号等の各明細書に記載された増感
色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素
は例えばResearch Disclosure I
tem17643IV−A項(1978年12月p.2
3)、同Item1831X項(1978年8月p.4
37)に記載もしくは引用された文献に記載されてい
る。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感
度を有する増感色素を有利に選択することができる。例
えば特開平9−34078号、同9−54409号、同
9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0029】(AI層又はBC層に使用される染料)本
発明の熱現像材料は、イラジエーション防止用又はハレ
ーション防止用のAI層又はBC層が設けられ、該AI
層又はBC層に用いられる染料としては画像露光光を吸
収する染料であればよいが、好ましくは前述した米国特
許第5,384,237号公報等に記載される熱消色性
染料が用いられる。用いられる染料が熱消色性でない場
合は、使用量が熱現像材料に画像障害を及ぼさない範囲
に限定されるが、熱消色性染料であれば必要にして十分
な量の染料を添加することができる。
【0030】(色調剤)本発明の熱現像材料には、色調
剤を添加することが好ましい。好適な色調剤の例はRe
search Disclosure第17029号に
開示されており、次のものがある。
【0031】フタラジノン、フタラジノン誘導体又はこ
れらの誘導体の金属塩、例えば、4−(1−ナフチル)
フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメ
チルオキシフタラジノン、キナゾリンジオン類、ベンズ
オキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンズオキサジン
−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサジ
ン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリア
ジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジン)等
が挙げられる。
【0032】(マット剤)マット剤としてはシリカやポ
リメタクリル酸メチルが使用される。マット剤の形状
は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形
で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマ
ット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。
本発明においてマット剤の粒径とはこの球形換算した直
径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット
剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好まし
く、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。本発明
のマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗
布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾
燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いても
よい。また複数の種類のマット剤を添加する場合は、両
方の方法を併用してもよい。
【0033】(支持体)支持体としては、紙、合成紙、
不織布、金属箔、ポリエチレンテレフタレートやポリエ
チレンナフタレート等のプラスチックフィルムなどの支
持体が使用可能であり、またこれらを組み合わせた複合
シートを任意に用いてもよい。
【0034】〈画像露光〉本発明の熱現像材料に画像形
成を行う際の画像露光は例えば、発光波長が660n
m、670nm、780nm、810nm、830nm
の何れかのレーザー走査露光により行うことが好ましい
が、熱現像材料の露光面と走査レーザー光のなす角が実
質的に垂直になることがないレーザー走査露光機を用い
ることが好ましい。ここで、「実質的に垂直になること
がない」とはレーザー走査角度が好ましくは55〜88
度、より好ましくは60〜86度、更に好ましくは65
〜84度、最も好ましくは70〜82度であることをい
う。レーザー光が、熱現像材料に走査されるときの該熱
現像材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは
200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザー入射角度
の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。な
お、ビームスポット直径の下限は10μmである。この
ようなレーザー走査露光を行うことにより干渉縞様のム
ラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じること
が出来る。
【0035】また、本発明における露光は縦マルチであ
る走査レーザー光を発するレーザー走査露光機を用いて
行うことも好ましい。縦マルチモードのレーザー露光と
することにより縦単一モードの走査レーザー光に比べて
干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦マル
チ化するには、前記の方法の他、合波による、戻り光を
利用する、高周波重畳をかける、などの方法がある。な
お、縦マルチとは、露光波長が単一でないことを意味
し、通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10
nm以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に
制限はないが、通常60nm程度である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
の実施の態様はこれらにより限定されない。
【0037】実施例1 ビニルポリマーで変性されたポリエステルの合成例1〜
15 合成例1 エチレングリコール(以下EGと略す)62gとテレフ
タル酸(以下TPと略す)149.5g、ベンゼン−
1,3−ジカルボン酸−6−スルホン酸(イソフタル酸
のスルホン化物)23gからスルホン酸基を有するポリ
エチレンテレフタレート(PE1と略す)を常法により
合成した(重合度300)。得られたPE1を1リット
ルの水に溶解し、ベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、
オクチルフェノールのポリエチレングリコール(重合度
10)付加物3g、重合開始剤として過硫酸アンモニウ
ムを8g添加後、80℃に加温し、メチルメタクリレー
トを10g、エチルアクリレート10gを添加し反応を
3時間継続し、更に96℃に昇温して1時間攪拌後、室
温にまで冷却し反応を終了させ変性ポリエステル(MP
E1と略す)を得た(固形分26%のポリエステル水分
散物)。
【0038】合成例2 合成例1と同様に合成したが、ここでは、エチレングリ
コールの代わりにジエチレングリコールを使用してポリ
エステルPE2,変性ポリエステルMPE2を得た。
【0039】合成例3 合成例1と同様に合成したが、ここではテレフタル酸の
代わりにナフタレン−1,6−ジカルボン酸を使用し、
ポリエステルPE3を得、変性ポリエステルMPE3を
得た。
【0040】合成例4 合成例1と同様に合成したが、ここではメタクリル酸メ
チル10gに代えて、スチレン5.2gとメタクリル酸
メチル5gを使用して変性ポリエステルMPE4を得
た。
【0041】合成例5 合成例1と同様に合成したが、ここではエチルアクリレ
ート10gに代えて、エチルアクリレート5gとブチル
アクリレート6.4gを使用して変性ポリエステルMP
E5を得た。
【0042】合成例6 合成例1と同様に合成したが、ここではエチルアクリレ
ート10gに代えて、グリシジルメタクリレート7gと
ブチルアクリレート6.4gを使用して架橋性基のある
ビニルポリマーで変性したポリエステルを得た(MPE
6)。
【0043】合成例7 合成例6と同様に合成したが、ここではグリシジルメタ
クリレートの代わりにジアセトンアクリルアミド8.4
gを使用して架橋性基のあるポリマーで変性したポリエ
ステルを得た(MPE7)。
【0044】合成例8 合成例6と同様に合成したが、ここではグリシジルメタ
クリレートの代わりにヒドロキシエチルアクリレートを
5.5g使用して架橋性のあるポリマーで変性したポリ
エステルを得た(MPE8)。
【0045】合成例9 合成例6と同様に合成したが、ここではグリシジルメタ
クリレートの代わりに4−ビニルアニリン5.8gを使
用し、架橋性のあるビニルポリマーで変性したポリエス
テル(MPE9)を得た。
【0046】合成例10 合成例9と同様に合成したが、ここでは4−ビニルアニ
リンの代わりにアクリル酸を3.2g使用し、架橋性の
あるビニルポリマーで変性したポリエステル(MPE1
0)を得た。
【0047】合成例11 脱水したメチルエチルケトン600g中にEGを31
g、ジエチレングリコール53g、TPを83g、イソ
フタル酸を83g、濃硫酸を2g添加して46℃3時間
反応させ(固形分含量29%)ポリエステルを得た(P
E11)。更にメタクリル酸メチルを10g、エチルア
クリレートを10g、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリルを3g添加し環流を6時間継続させた変性ポリエ
ステル(MPE11)を得た。
【0048】合成例12 合成例11と同様に合成したが、ここではメタクリル酸
メチル10gをスチレン5.2gとメタクリル酸メチル
5gにして変性ポリエステルを得た(MPE12)。
【0049】合成例13 合成例11と同様に合成したが、ここではエチルアクリ
レート10gの代わりに4−ビニルアニリン5.9gを
使用して架橋性基を有する変性ポリエステルを得た(M
PE13)。
【0050】合成例14 合成例11と同様に合成したが、ここではエチルアクリ
レート10gの代わりにグリシジルメタクリレート14
gを使用して架橋性基を有する変性ポリエステルを得た
(MPE14)。
【0051】合成例15 合成例11と同様に合成したが、ここではエチルアクリ
レート10gの代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート5.8gを使用して変性ポリエステル(MPE1
5)を得た。
【0052】実施例2 熱現像材料の作製 〈支持体の下塗り〉青み付けした厚さ175μmのポリ
エチレンテレフタレート支持体の両面に8W/m2・分
のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下塗り塗布液
a−1を下記付き量になるように塗設乾燥させて下塗り
層A−1を設け、また反対側の面に下記下塗り塗布液b
−1を下記付き量になるように塗設し乾燥させて下塗り
層B−1を設けた。
【0053】 《下塗り塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30質量%) t−ブチルアクリレート(20質量%) スチレン(25質量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 400mg/m2 《下塗り塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40質量%) スチレン(20質量%) グリシジルアクリレート(40質量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 400mg/m2 引き続き、下塗り層A−1及び下塗り層B−1の上表面
に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下塗り層A−
1の上には、下記下塗り上層塗布液a−2を下記付き量
になるように塗布乾燥して下塗り層A−2を設け、下塗
り層B−1の上には下記下塗り上層塗布液b−2を下記
付き量になるように塗布乾燥して帯電防止機能をもつ下
塗り上層B−2を設けた。
【0054】 《感光層側の下塗り上層塗布液a−2》 変性ポリエステル:表1記載 300mg/m2 シリカ粒子(平均粒径3μm) 100mg/m2 《バッキング層側の下塗り上層塗布液b−2》 変性ポリエステル:表1記載 300mg/m2 酸化錫微粒子(平均粒子径20nm) 200mg/m2 シリカ粒子(平均粒子径3μm) 200mg/m2 〈ハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉水900ml中にイ
ナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶
解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀
74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比
の臭化カリウムと沃化カリウムを0.435モル含む水
溶液370mlをpAg7.7に保ちながらコントロー
ルドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その
後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に
調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の
変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化
銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集
沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加
え、ハロゲン化銀粒子乳剤Aを321g得た。
【0055】〈有機銀塩の調製〉3980mlの純水に
ベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステ
アリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪
拌しながら1.5モルの水酸化ナトリウム水溶液54
0.2mlを添加し(pH9.8)、濃硝酸6.9ml
を加えた後(pH9.3)、55℃に冷却して有機酸ナ
トリウム溶液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶液の温
度を55℃に保ったまま、前記ハロゲン化銀粒子乳剤A
の28g(銀0.038モルを含む)と純水390ml
を添加し5分間攪拌した。次に1モルの硝酸銀溶液76
0.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌
し、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の
電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水
洗、濾過を繰り返し、最後に遠心分離脱水後40℃15
分間で乾燥した。
【0056】BC層側塗布 バック面側には以下の添加剤を加えて調製した塗布液を
以下の付き量になるように下塗り済み支持体のB−2層
上に塗布乾燥してBC層およびBC層の保護層を重畳し
た。
【0057】 BC層 結合剤:表1記載 1.2g/m2 変性ポリエステル: 表1記載 1.8g/m2 染料:C1 1.2×10-5モル/m2 活性剤:ジヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 0.02g/m2 硬膜剤:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン 0.02g/m2 BC層の保護層 ゼラチン 1.1g/m2 硬膜剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.01g/m2 活性剤:N−プロピルパーフロロオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2 マット剤(PMMA:平均粒子径5μm) 0.12g/m2 感光層側の塗布 感光層側の塗布は、下塗り支持体のA−2面上に、AI
層、感光層および感光層の保護層を同時3層塗布で重畳
した。
【0058】 AI層の塗布(AI層無しと表に記載の場合はこの層がないことを示す) 結合剤:表1記載 230mg/m2 変性ポリエステル:表1記載 0.4g/m2 染料:C1 1×10-5モル/m2 感光層の塗布 感光層形成のため以下の組成物となるように塗布液を調
製した。この塗布液を35℃付近に保ち、以下の付き量
になるように塗布乾燥した。銀量として1.4g/m2
になる量の前記有機銀塩を添加した。
【0059】 結合剤:表1記載 2.9g/m2 変性ポリエステル:表1記載 1.6g/m2 分光増感色素:A1 2×10-5モル/m2 カブリ防止剤−1:ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 0.3mg/m2 カブリ防止剤−2:イソチアゾロン 1.2mg/m2 トリブロモメチルスルホニルキノリン 20mg/m2 還元剤:1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3, 5,5−トリメチルヘキサン 320mg/m2 感光層保護層 以下の組成物を加えて調製した塗布液を、以下の付き量
になるように感光層上に塗布乾燥して表面保護層を形成
した。
【0060】 セルロースアセテートブチレート 1.2g/m2 4−メチルフタル酸 0.7g/m2 テトラクロロフタル酸 0.2g/m2 テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2 シリカマット剤(平均粒径5μm) 0.5g/m2 フェニルプロピルトリメトキシシラン 0.3g/m2 上記AI層、感光層およびBC層の結合剤は、同一試料
では、同一の結合剤を使用した。結合剤としてブタジエ
ンとスチレン共重合体(SB−1)またはポリビニルブ
チラール(PVB−1)を使用した。SB−1は、スチ
レンモノマーを35質量%、ブタジエンを65質量%の
割合で乳化重合(平均粒子径100nm)したもの(固
形分濃度45質量%)を使用した。PVB−1は下記構
造でモノマー単位は、小文字で示され、分子量は6万で
あった。結合剤としてSB−1を使用する場合の塗布液
は、水溶液で調製し、PVB−1を使用する場合は、溶
媒としてメチルエチルケトンを使用した。乾燥条件はい
ずれも恒率乾燥部を35°46秒、減率乾燥部を43°
15秒で乾燥するように設定し、塗布速度は100m/
分で行った。尚、AI層、感光層、BC層の比較の結合
剤として、重合度800、鹸化度98%のポリビニルア
ルコール(PVA)を使用した。
【0061】
【化1】
【0062】写真性能の評価 上記作製した試料を25℃で45%RHの雰囲気下に3
日間保存した後、810nmの半導体レーザー露光用の
感光計で露光し、露光後熱現像装置を用いて(BC側熱
ドラム接触)120℃で8秒間加熱した。上記試料の感
度およびカブリを濃度計により測定した。感度はカブリ
濃度より0.3高い濃度を与える露光量の比の逆数で評
価し、試料101を基準(100)として相対評価で表
した。
【0063】下塗り層の膜強度の評価 下塗り後乾燥した支持体を図1のような処理長さ20
m、直径が10cmの鏡面ステンレスローラー19ケを
有する搬送性試験機で、1N/cmの張力で100m/
分の速度で搬送しながら300m搬送させ、ローラーと
フィルムの汚れを評価した。ローラーの汚れはローラー
の1番目の汚れを目視5段階評価した。フィルムの汚れ
は、19番目のローラーを通過したときの下塗り支持体
のB−2面の膜面の汚れを評価した。ローラーおよび下
塗り支持体の評価ランクは、汚れのないレベルを5、微
かの汚れを4、弱い汚れを3、やや強い汚れを2、強い
汚れを1と評価した。
【0064】下塗り層とAI層または感光層との膜接着
性評価 接着性の評価は下塗り支持体上にAI層、感光層、保護
層、BC層、BC層の保護層を塗布後、乳剤層の保護層
の上にカッターナイフの刃で(刃角45°)切り込みを
入れ、100kPaの荷重を掛けてセロテープ(登録商
標)(接着広さ=2cm×2cm)を貼り、1m/秒の
早さでセロテープを剥がしたときの膜の剥がれ状態で評
価した。全く剥がれていないレベルを5、微かに剥がれ
ているレベルを4、僅かに剥がれているレベルを3、や
や剥がれているレベルを2、強く剥がれているレベルを
1と評価した。結果を表2に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】表2より本発明の変性ポリエステルを下塗
り上層およびAI層または感光層にに使用するとカブリ
の増加や感度の低下をもたらさず、搬送試験機のローラ
ーや試料を汚さず、また膜面の接着強度のある熱現像試
料が作製できたことがわかる。また、熱現像材料の結合
剤がスチレンとブタジエンの共重合体またはポリビニル
アセタール化合物であってもよいことがわかる。
【0068】実施例2 実施例1と同様に試料を作製したが、ここでは下塗り層
中に変性ポリエステルを添加し、AI層または感光層に
架橋性ビニルポリマーを使用し、且つ架橋剤を添加し
た。架橋剤を添加した塗布液は、1分以内に塗布した。
実施例1と同様に写真性能、汚れ、膜強度を評価した。
尚、試料の各層への変性ポリエステル、架橋剤及び結合
剤の種類は表3に示し評価結果は表4に示した。
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】表4より、本発明の変性ポリエステルを下
塗り層およびAI層または感光層に使用し、且つ架橋剤
を使用すると写真性能に悪影響を与えずに搬送ローラー
を汚さず且つ下塗り層とAI層または感光層との膜接着
性を高めることがわかる。
【0072】実施例3 実施例1と同様な実験をしたが、ここでは下塗り層を表
5記載の温度で乾燥した後(試料の各層への変性ポリエ
ステル、架橋剤及び結合剤の種類も表5に示す)、実施
例1の搬送性試験機を熱処理機として使用した。19本
のローラーの上下に貫通孔を設け、熱風を吹き付け系内
の温度を100℃〜210℃まで変化させた。試験を実
施するときは、ローラーの表面温度は熱風の温度と平衡
(1℃差以内)になっていた。使用した熱現像材料の試
料は、ローラー番号1に到達する前に塗布乾燥されてい
て、この熱処理試験機で熱処理した後は、巻き取られる
ようになっている。熱処理試験後の汚れの評価は実施例
1と同様に行った。結果を表6に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】表6より、本発明の変性ポリエステルと架
橋剤で下塗りをし、乾燥後、熱処理を行った後の汚れが
改良されていることがわかる。また、熱処理を行った後
の下塗りを使用しても写真性能に悪影響を与えていない
ことがわかる。
【0076】
【発明の効果】本発明により、熱現像材料の支持体の接
着不良による塗布生産工程におけるローラーの汚れが、
熱現像材料に転写して画像欠陥となるのを防止された。
特に架橋剤による膜強化において、下塗り上層に塗布さ
れる感光層への写真性能の影響がなく、且つ、下塗り層
と支持体との接着および下塗り上層のAI層または感光
層の接着性を両立させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を評価する搬送性試験機の模式図
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下塗り層を設けた支持体上に感光性ハロ
    ゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する
    感光層を設けた熱現像材料において、該下塗り層がビニ
    ルポリマーで変性されたポリエステルを含み、該下塗り
    層の上にビニルポリマーで変性されたポリエステルを含
    むイラジエーション防止層、感光層またはバッキング層
    を塗布したことを特徴とする熱現像材料。
  2. 【請求項2】 前記熱現像材料の結合剤がブタジエンと
    スチレンの共重合体またはポリビニルアセタール化合物
    であることを特徴とする請求項1記載の熱現像材料。
  3. 【請求項3】 前記変性ポリエステルが酸基を含むこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の熱現像材料。
  4. 【請求項4】 前記ビニルポリマーが架橋性基を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の熱現
    像材料。
  5. 【請求項5】 前記変性ポリエステルを含む下塗り塗布
    液を25℃〜210℃で乾燥した後、100℃〜210
    ℃の間で熱処理すること特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項記載の熱現像材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱現
    像材料の現像方法。
JP2000271347A 2000-09-07 2000-09-07 熱現像材料及びその現像方法 Pending JP2002082416A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000271347A JP2002082416A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 熱現像材料及びその現像方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000271347A JP2002082416A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 熱現像材料及びその現像方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002082416A true JP2002082416A (ja) 2002-03-22

Family

ID=18757652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000271347A Pending JP2002082416A (ja) 2000-09-07 2000-09-07 熱現像材料及びその現像方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002082416A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2497541A (en) * 2011-12-13 2013-06-19 Rolls Royce Plc Method and apparatus of a fluidised bed treatment including seals and a powder screen to prevent loss of powder
CN104093280A (zh) * 2014-07-21 2014-10-08 南京瑞盈环保科技有限公司 一种高精细电子线路的制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2497541A (en) * 2011-12-13 2013-06-19 Rolls Royce Plc Method and apparatus of a fluidised bed treatment including seals and a powder screen to prevent loss of powder
GB2497541B (en) * 2011-12-13 2014-05-14 Rolls Royce Plc Method and apparatus for the treatment of part of a component using a fluidised bed of powder, the apparatus including a powder screen
CN104093280A (zh) * 2014-07-21 2014-10-08 南京瑞盈环保科技有限公司 一种高精细电子线路的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6645714B2 (en) Photothermographic material
EP0343642A2 (en) Silver halide photographic material
JP3965861B2 (ja) 熱現像感光材料
JPH1184574A (ja) 熱現像記録材料
JPH10186565A (ja) 熱現像感光材料
JPH11223898A (ja) 熱現像写真感光材料
JP2002082416A (ja) 熱現像材料及びその現像方法
JP4026307B2 (ja) 熱現像材料
JP2000112060A (ja) 熱現像感光材料および熱現像方法
JP2001233956A (ja) アルキレンオキサイド系化合物及び有機材料又は写真材料
JP2004085775A (ja) ドライイメージング材料
JP2002072413A (ja) 熱現像材料
JP2002107870A (ja) 熱現像材料
JP2002122959A (ja) 熱現像材料
JP2003043612A (ja) 熱現像感光材料
JP2003186145A (ja) 熱現像感光材料およびその処理方法
JP2002169250A (ja) 光熱写真画像形成材料
JP2004102114A (ja) ドライイメージング材料及びその処理方法
JP2002196452A (ja) 光熱写真画像形成材料
JPH10207004A (ja) 熱現像感光材料
JP2002082412A (ja) 熱現像材料
JP2002090938A (ja) 熱現像材料
JP2002278021A (ja) 光熱写真画像形成材料の製造方法およびその画像記録方法
JP2002207274A (ja) 光熱写真画像形成材料およびその画像記録方法
JP2001022024A (ja) 熱現像写真感光材料