JP2002277246A - 角速度検出装置 - Google Patents

角速度検出装置

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JP2002277246A
JP2002277246A JP2001080305A JP2001080305A JP2002277246A JP 2002277246 A JP2002277246 A JP 2002277246A JP 2001080305 A JP2001080305 A JP 2001080305A JP 2001080305 A JP2001080305 A JP 2001080305A JP 2002277246 A JP2002277246 A JP 2002277246A
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electrode
angular velocity
detection signal
signal
electrodes
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JP2001080305A
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English (en)
Inventor
Takafumi Koike
隆文 小池
Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
Mitsuhiro Yamashita
光洋 山下
Katsunori Moritoki
克典 守時
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、圧電体間や圧電素子と固定部
材との間の接着層による影響を受けないで共振周波数が
安定であって、角速度を高感度に検出できる振動ジャイ
ロを提供する。 【解決手段】 分極軸が対向するようにして2つの圧電
体を接合して形成された梁部と、梁部の相対する主面の
内少なくとも一方の主面に設けられ支持体と、梁部の幅
方向に平行されている第1電極と第2電極とを有する圧
電素子と、第1電極と前記第2電極との間に駆動信号を
印加して前記圧電素子を屈曲振動させる駆動手段と、第
1電極または第2電極を用いることによりその屈曲振動
とは垂直の屈曲振動に応じた信号を検出する信号検出手
段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度検出用の圧
電素子及びこれを用いた振動ジャイロに関する。詳細す
れば、ビデオカメラやビデオムービーの手振れ検知、バ
ーチャルリアリティ装置における動作検知、カーナビゲ
ーションシステムにおける方向検知に用いられる角速度
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の片持ち梁型の振動ジャイロとし
て、本件出願人が特願2000−234330号として
提案したものがある。図20(a)は、従来の振動ジャ
イロを示す斜視図であり、図20(b)は、図20
(a)のA−A’に沿って切断した断面図である。
【0003】図20(a)、(b)において、110、
111はたとえばニオブ酸リチウムの圧電単結晶であ
り、この2つの圧電単結晶を分極反転させて直接接合に
より貼り合わせて、圧電素子103を形成している。片
持ち梁構造は、圧電素子103の片端を固定部材114
に直接接合して貼合わせたものである。振動子表裏主面
の一方に駆動電極105を形成し、他方に幅方向に二平
行された一対の検出電極106a、106bが形成され
る。
【0004】図21に従来の発振回路132と検出回路
160の構成例を示す。圧電素子103の駆動電極10
5と検出電極106a、106bとの間には抵抗13
0、131を介して、発振回路132が接続され、圧電
素子103を厚さ方向に屈曲振動させる。検出電極10
6a、106bは、差動増幅回路133に入力され、差
動増幅された信号は、同期検波回路134により同期検
波され、検波された信号が直流増幅回路135により増
幅される。こうして圧電素子103の幅方向の屈曲振動
に応じた信号出力を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】振動体の表裏主面上
に、駆動用電極および検出用電極がそれぞれ形成されて
いる。コリオリ力による幅方向の屈曲振動によって生じ
る信号を片面のみに形成した検出用電極から検出するた
め、両面で検出する場合に比べ、出力信号は半分であ
り、感度は低い。
【0006】発振回路132が抵抗130、131を介
して圧電素子103の検出電極106a、106b、と
接続されており、抵抗130、131により分圧されて
いる。このため、抵抗130、131がない場合と比較
して、圧電素子103の駆動電圧が下がり、駆動効率が
下がる。駆動効率が低下すると、電気エネルギ−から振
動エネルギ−への変換効率が低くなり、速い振動速度が
得られず、結果として、振動ジャイロの感度が低くな
る。
【0007】それゆえに、この発明の主たる目的は、よ
り高精度で高感度な片持ち梁型振動ジャイロである角速
度検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る角速度検出
装置は、形状が直方体である2つの圧電体を分極反転さ
せて貼り合わせて形成された圧電素子と、その圧電素子
の表裏主面上に形成され、その幅方向に少なくとも2つ
以上に分割された2対の分割電極と、2対の分割電極間
に駆動信号を与え、その圧電素子をその厚み方向に屈曲
振動させる駆動手段と、各対を成す分割電極を用いてそ
の屈曲振動とは垂直の屈曲振動に応じた信号を検出する
信号検出手段とを備え、信号検出手段において、各対を
成す分割電極間に発生する信号をそれぞれ差動増幅し、
それぞれ差動増幅された信号を演算して、検出信号を得
ることを特徴とする。これにより一方の面のみの平行さ
れた電極を利用するのと比べ、2倍の出力信号が得ら
れ、振動ジャイロの感度を高めることができる。
【0009】また2対の分割電極は、圧電素子の幅方向
に3平行され、駆動手段において、その分割された電極
のうち、その幅方向中心の圧電素子を介して相対する電
極間に駆動電極を与えて圧電素子の厚み方向の屈曲振動
を駆動し、信号検出手段において、各対の幅方向の両端
電極間に発生する信号を差動増幅し、それぞれ差動増幅
された信号を演算して検出信号を得ることを特徴とす
る。これにより、発振回路と電極間に直列接続されてい
る抵抗が不要となり、駆動信号を直接電極間に印加で
き、その抵抗がある場合に比べ、駆動電圧が高いため、
振動速度を速めることができ、振動ジャイロの感度を高
感度化できる。そして、2対の3分割された電極のうち
両端の電極を検出電極として用いているので、1対のみ
の両端電極を利用する場合と比較して、2倍の出力信号
が得られ、振動ジャイロの感度を高める
【0010】本発明に係る角速度検出装置は、形状が直
方体である2つの圧電体を分極反転させて貼り合わせて
形成された圧電素子と、その表裏主面上に形成され、そ
の幅方向に少なくとも2つ以上に分割された2対の分割
電極と、各対の分割電極間に駆動信号を与え、その圧電
素子をその幅方向に屈曲振動させる駆動手段と、2対の
分割電極を用いてその屈曲振動とは垂直の屈曲振動に応
じた信号を検出する信号検出手段とを備え、駆動手段に
おいて、2対の分割電極を構成する電極で、圧電素子を
介して相対する2つの分割電極それぞれに与えられた駆
動信号の位相が互いに逆相となるようにして駆動するこ
とを特徴とする。これにより、表裏主面上の分割された
電極に駆動信号を与えるので、片面のみに与える場合と
比較して駆動電流が2倍となり、振動速度を高速化で
き、結果として振動ジャイロの感度を高めることができ
る。
【0011】また、信号検出手段において、各対の分割
電極間に発生する信号をそれぞれ差動増幅し、それぞれ
差動増幅された信号を演算して検出信号を得ることを特
徴とする。これにより片面のみの場合と比べ、2倍の出
力信号が得られ、振動ジャイロの感度を高めることがで
きる。
【0012】また、2対の分割電極は、圧電素子の幅方
向に3分割され、駆動手段において、各対を成すその幅
方向に分割された電極のうち、その幅方向の両端の電極
間に駆動信号を与えてその幅方向の屈曲振動を駆動し、
信号検出手段において、その幅方向中心の圧電素子の相
対する電極間に発生する信号を差動増幅し、それぞれ差
動増幅された信号を演算して検出信号を得ることを特徴
とする。これにより、表裏主面上の分割された電極に駆
動信号を与えるので、片面のみに与える場合に比べて与
える駆動電流が2倍となり、振動速度を高速化でき、結
果として振動ジャイロの感度を高めることができる。ま
た2対の分割電極を利用することで、一方の面のみを利
用する場合と比較して2倍の出力を得ることができ、感
度を2倍高めることができる。
【0013】本発明に係る角速度検出装置は、形状が直
方体である2つの圧電体を分極反転させて貼り合わせて
形成された圧電素子と、その圧電素子の表裏主面上に形
成され、その幅方向に2分割された2対の第1電極と、
その表裏側面上に形成され、その厚み方向に2分割され
た2対の第2電極と、第1電極の各対の電極間に駆動信
号を与え、その圧電素子をその厚み方向に屈曲振動させ
る駆動手段と、第2電極を用いてその屈曲振動とは垂直
の屈曲振動に応じた信号を検出する信号検出手段とを備
え、信号検出手段において、第2電極の各対を成す電極
のうち、圧電素子を介して相対する電極間で発生する信
号を差動増幅し、それぞれ差動増幅された信号を演算し
て、検出信号を得ることを特徴とする。これにより、発
振回路と電極間に直列接続されている抵抗が不要とな
り、駆動信号を直接電極間に印加でき、その抵抗がある
場合に比べ、駆動電圧が高くなり、振動を速めることが
でき、振動ジャイロの感度を高感度化できる。そして、
電極1対のみを利用するのと比べ、2倍の出力信号が得
られ、振動ジャイロの感度を高めることができる。
【0014】本発明に係る角速度検出装置は、形状が直
方体である2つの圧電体を分極反転させて貼り合わせて
形成された圧電素子と、その表裏主面上に形成され、そ
の幅方向に2分割された2対の第1電極と、その表裏側
面上に形成され、その厚み方向に2分割された2対の第
2電極と、第2電極の各対を成す電極間に駆動信号を与
え、その圧電素子をその幅方向に屈曲振動させる駆動手
段と、第1電極を用いてその屈曲振動とは垂直の屈曲振
動に応じた信号を検出する信号検出手段とを備え、駆動
手段において、2対の第2電極を構成する電極で、圧電
素子を介して相対する2つの電極それぞれに与えられた
駆動信号の位相が互いに逆相となるようにして駆動する
ことを特徴とする。発振回路と電極間に直列接続されて
いる抵抗が不要であり、駆動信号が直接電極間に加える
ことができるため、駆動効率を高めることができる。そ
して2対の表裏主面上の電極を検出用電極として利用す
るので、1対の場合に比べ、2倍の出力信号が得られ、
振動ジャイロの感度を高めることができる。
【0015】本発明の角速度検出装置は、基板と、2つ
の圧電体を分極軸が対向するように接合して形成され、
大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、前記圧電
体部を前記基板に固定する支持体部と、前記第1対向面
の一方に形成された第1電極及び第2電極と、前記第1
対向面の他方に形成された第3電極及び第4電極と、正
位相の交流信号を前記第1電極と第2電極に印加し、逆
位相の交流信号を前記第3電極と前記第4電極に印加
し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手
段と、前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前
記第1電極と第2電極とに発生する電荷を検出し、第1
の角速度検出信号を出力する第1検出手段と、前記一方
向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第3電極と第
4電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速度検出信
号を出力する第2検出手段と、第1の角速度検出信号と
第2の角速度検出信号から複合角速度検出信号を検出す
る複合角速度検出手段を有することを特徴とする。
【0016】本発明の角速度検出装置は、基板と、2つ
の圧電体を分極軸が対向するように接合して形成され、
大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、前記圧電
体部を前記基板に固定する支持体部と、前記第1対向面
の一方に形成された第1電極及び第2電極と、前記第1
対向面の他方に形成された第3電極及び第4電極と、正
位相の交流信号を前記第2電極と第3電極に印加し、逆
位相の交流信号を前記第1電極と前記第4電極に印加
し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手
段と、前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前
記第1電極と第3電極とに発生する電荷を検出し、第1
の角速度検出信号を出力する第1検出手段と、前記一方
向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第2電極と第
4電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速度検出信
号を出力する第2検出手段と、第1の角速度検出信号と
第2の角速度検出信号から複合角速度検出信号を検出す
る複合角速度検出手段を有することを特徴とする。
【0017】本発明の角速度検出装置は、基板と、2つ
の圧電体を分極軸が対向するように接合して形成され、
大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、前記圧電
体部を前記基板に固定する支持体部と、前記第1対向面
の一方に形成された第1電極及び第2電極と第5電極
と、前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第
4電極と第6電極と、正位相の交流信号を前記第5電極
に印加し、逆位相の交流信号を前記第6電極に印加し、
前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手段
と、前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記
第1電極と第2電極とに発生する電荷を検出し、第1の
角速度検出信号を出力する第1検出手段と、前記一方向
に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第3電極と第4
電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速度検出信号
を出力する第2検出手段と、第1の角速度検出信号と第
2の角速度検出信号から複合角速度検出信号を検出する
複合角速度検出手段を有することを特徴とする。
【0018】本発明の角速度検出装置は、基板と、2つ
の圧電体を分極軸が対向するように接合して形成され、
大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、前記圧電
体部を前記基板に固定する支持体部と、前記第1対向面
の一方に形成された第1電極及び第2電極と第5電極
と、前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第
4電極と第6電極と、正位相の交流信号を前記第2電極
と第3電極に印加し、逆位相の交流信号を前記第1電極
と前記第4電極に印加し、前記圧電体部に一方向の屈曲
振動を励振する駆動手段と、前記一方向に垂直な他方向
の屈曲振動に応じて前記第5電極と第6電極とに発生す
る電荷を検出し、第1の角速度検出信号を出力する第1
検出手段を有することを特徴とする。
【0019】前記第5電極と前記第6電極は、前記圧電
体部を介して対向することを特徴とする。前記第5電極
は、前記第1電極と第2電極との幅方向の間に形成さ
れ、前記第
【0020】6電極は、前記第3電極と第4電極との幅
方向の間に形成されていることを特徴とする。
【0021】本発明の角速度検出装置は、基板と、2つ
の圧電体を分極軸が対向するように接合し、大略矩形状
の第1対向面と第2対向面を有する圧電体部と、前記圧
電体部を前記基板に固定する支持体部と、前記第1対向
面の一方に形成された第1電極及び第2電極と、前記第
1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電極と、
前記第2対向面の一方に形成された第7電極及び第8電
極と、前記第2対向面の他方に形成された第9電極及び
第10電極と、正位相の交流信号を前記第1電極と第2
電極に印加し、逆位相の交流信号を前記第3電極と前記
第4電極に印加し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を
励振する駆動手段と、前記一方向に垂直な他方向の屈曲
振動に応じて前記第7電極と第9電極とに発生する電荷
を検出し、第1の角速度検出信号を出力する第1検出手
段と、前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前
記第8電極と第10電極とに発生する電荷を検出し、第
2の角速度検出信号を出力する第2検出手段と、第1の
角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合角速度
検出信号を検出する複合角速度検出手段を有することを
特徴とする。
【0022】本発明の角速度検出装置は、基板と、2つ
の圧電体を分極軸が対向するように接合し、大略矩形状
の第1対向面と第2対向面を有する圧電体部と、前記圧
電体部を前記基板に固定する支持体部と、前記第1対向
面の一方に形成された第1電極及び第2電極と、前記第
1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電極と、
前記第2対向面の一方に形成された第7電極及び第8電
極と、前記第2対向面の他方に形成された第9電極及び
第10電極と、正位相の交流信号を前記第8電極と第9
電極に印加し、逆位相の交流信号を前記第7電極と前記
第10電極に印加し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動
を励振する駆動手段と、前記一方向に垂直な他方向の屈
曲振動に応じて前記第1電極と第3電極とに発生する電
荷を検出し、第1の角速度検出信号を出力する第1検出
手段と、前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて
前記第2電極と第4電極とに発生する電荷を検出し、第
2の角速度検出信号を出力する第2検出手段と、第1の
角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合角速度
検出信号を検出する複合角速度検出手段を有することを
特徴とする。
【0023】前記第7電極及び第8電極は、前記第2対
向面の一方の幅方向に相対して形成され、前記第9電極
及び第10電極は、前記第2対向面の他方の幅方向に相
対して形成されていることを特徴とする。
【0024】前記第7電極と前記第9電極は、前記圧電
体部を介して対向し、前記第8電極と前記第10電極
は、前記圧電体部を介して対向していることを特徴とす
る。
【0025】前記第1電極及び第2電極は、前記第1対
向面の一方の幅方向に相対して形成され、前記第3電極
及び第4電極は、前記第1対向面の他方の幅方向に相対
して形成されていることを特徴とする。
【0026】前記第1電極と前記第3電極は、前記圧電
体部を介して対向し、前記第2電極と前記第4電極は、
前記圧電体部を介して対向していることを特徴とする。
【0027】前記支持体部は、前記圧電体部の少なくと
も長手方向の一端部に設けられていることを特徴とす
る。
【0028】前記圧電体部の接合は、酸素原子又は水酸
基のうちの少なくとも1つを介する直接接合により行わ
れることを特徴とする。
【0029】前記圧電体部と前記支持体部との接合は、
酸素原子又は水酸基のうちの少なくとも1つを介する直
接接合により行われることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0031】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る振動ジャイロの斜視図である。本発明の角
速度検出装置は、基板部40と圧電素子1から構成され
る。図2(a)は、本発明の実施の形態1における振動
ジャイロに用いる圧電素子1を示す斜視図である。図2
(b)は、図2(a)に示されるA−A’線に沿って切
断した概略断面図である。
【0032】圧電素子1は、圧電体部3と、第1の対向
電極部9と、支持体部14から構成されている。圧電体
部3は、平面10aを有する第1圧電体10と平面11
aを有する第2圧電体11とが接合し、形成されてい
る。また、平面10aと平面11aとは、圧電体部3の
一対の対向面を形成している。
【0033】更に、第1圧電体10と第2圧電体11と
は、結晶軸が互いに逆方向となるように直接接合されて
いる。従って、圧電体部3の分極方向は、図2(b)の
矢印に示すように互いに逆方向となる。
【0034】第1圧電体10、第2圧電体11には、ニ
オブ酸リチウム(LiNbO3)の単結晶を用いる。ニオブ酸
リチウムの単結晶において、横効果伸び振動に関わる結
合係数が最大となるカット角は、およそ137°であ
る。従って、この近傍のカット角である140゜回転Y
板のニオブ酸リチウムを用いる。これにより、圧電体部
3の電気―機械変換効率を高くすることが可能である
【0035】第1の対向電極部9は、第1の平行電極6
a、6bと第2の平行電極5a、5bから構成されてい
る。
【0036】平行電極6a、6bは、平面10a上に形
成され、長手方向に平行で延在している。平行電極5
a、5bは、平面11a上に形成され、長手方向に平行
で延在している。更に、平行電極6a、6bと平行電極
5a、5bは、圧電体部3を介してそれぞれ対向してい
る。
【0037】支持体部14は、支持体80と引出電極4
a、4bから構成されている。支持体80は、平面11
aの長手方向の一端部に設けられ、回路基板41に圧電
素子1を固定するために用いられる。引出電極4a、4
bは、支持体80の側面80aに形成され、厚さ方向に
平行に延在している。引出電極4a、4bは、それぞれ
平行電極5a、5bに接続され、平行電極5a、5bを
回路基板41に電気的に接続するために用いられる。
【0038】ここで、圧電素子1の製造方法を図3に示
す。なお、第1圧電体10の母材である140゜回転Y
板のニオブ酸リチウム基板(以下、LN基板と略す)を
10’とし、第2圧電体11の母材であるLN基板を1
1’とする。更に、支持体部14の母材であるLN基板
を14’とする。
【0039】更に、図3(b)、(d)、(f)には、
LN基板14’側から見た図を示し、図3(c)、
(e)、(g)には、LN基板10’側から見た図を示
す。まず、図3(a)に示すように、LN基板10’と
LN基板11’とを結晶軸が対向するように直接接合す
る。その後、貫通穴14aを有し、片面研磨さているL
N基板14’をLN基板11’側に直接接合する。LN
基板14’は、LN基板11’との接合面で結晶軸がL
N基板11’と同方向となるようにして直接接合する。
【0040】このようにして、LN基板を3枚直接接合
した接合体を形成する。形成された接合体を図3
(b)、(c)に示す。
【0041】次いで、図3(d)に示すように、マスク
蒸着方法により幅約50μmのスリット13を設けた電
極層5を形成する。電極層5は、Ni層を下地にした金
電極層とするが、これに限るものではなく、金、クロ
ム、銀やこれらの合金から形成してもよい。電極層5
は、貫通穴14aから表われたLN基板11’の表面に
形成する。スリット13を形成するピッチは、圧電素子
1の幅と同一にする。なお、電極層5の形成は、真空蒸
着により行うが、これに限るものでなく、メッキやスパ
ッタ法或いはCVD法などの気相成膜法や、印刷などの
方法を用いてもよい。また、スリット13の形成方法
は、マスク蒸着方法を用いたが、ダイシングソーによる
溝入れで行ってもよい。
【0042】次いで、図3(e)に示すように、電極層
5を形成する場合と同様に、電極層6をLN基板10’
の表面に形成する。
【0043】最後に、図3(f)、(g)に示すよう
に、ワイヤーソーを用いて破線に沿って接合体を切断す
る。或いは、ダイシングソーを用いてもよい。これによ
り、電極層5及び電極層6は、図2に示す平行電極6
a、6b及び平行電極5a、5bとなる。図3(h)に
切断した後の圧電素子1の完成品を示す。
【0044】なお、図3では、支持体部14を形成する
ためLN基板14’を用いたが、LN基板11’を直接
研削し、支持体部14を形成してもよい。図22にその
製造方法を示す。また、図22(b)、(d)、(f)
には、LN基板11’側から見た図を示し、図22
(c)、(e)、(g)には、LN基板10’側から見
た図を示す。まず、図22(a)に示すように、LN基
板10’とLN基板11’とを結晶軸が対向するように
直接接合する。ついで、図22(b)に示すように、研
削によりLN基板11’に凹部11aを形成する。ま
た、図22(c)は、凹部11aを形成したときのLN
基板10’側から見た図を示す。その後、図22
(d)、(e)に示すように、スリット13を形成した
電極層5を凹部11aに、電極層6をLN基板10’形
成する。最後に、図22(f)、(g)に示すように、
破線に沿って接合体を切断し、図22(h)に示す圧電
素子1を得る。このように圧電素子1を形成してもよ
い。ここで、直接接合法について、図4を用いて詳細に
説明する。
【0045】図4は、直接接合の原理を示す概略断面図
である。なお、図4において、L1、L2、L3は、L
N基板10’とLN基板11’との間の距離を示し、そ
れぞれの距離の関係は、L1>L2>L3である。ま
ず、LN基板10’、LN基板11’の両面を鏡面研磨
する。次いで、LN基板10’、11’を、アンモニア
と過酸化水素と水の混合液(アンモニア水:過酸化水素
水:水=1:1:6(容量比))で洗浄し、LN基板1
0’、11’に親水化処理を施す。
【0046】図4(a)に、親水化処理後のLN基板1
0’、11’を示す。前記混合液で洗浄されたLN基板
10’、11’の表面は、水酸基(−OH基)で終端さ
れ、親水性となる(接合の前の状態)。
【0047】次に、図4(b)に示すように、親水化処
理を施したLN基板10’、11’を、分極軸の向きが
互いに逆方向となるように接合する。これにより、脱水
が起こり、LN基板10’とLN基板11’とは、−O
H重合や水素結合などの引力により引き合って接合され
る。
【0048】次いで、上記のようにして接合したLN基
板10’、11’に450℃の温度で熱処理を施す。図
4(c)に、熱処理後のLN基板10’、 LN基板1
1’を示す。LN基板10’の構成原子とLN基板1
1’の構成原子との間が酸素原子(O)を介して共有結
合した状態となる。これにより、LN基板10’とLN
基板11’が原子レベルで強固に直接接合される。従っ
て、接合の界面に接着剤などの接着層が介在しない結合
状態を得ることができる。或いは、LN基板10’の構
成原子とLN基板11’の構成原子との間が水酸基を介
して共有結合した状態となり、原子レベルで強固に直接
接合される場合もある。
【0049】なお、ニオブ酸リチウムのキュリー点は、
およそ1200℃であり、これに近い温度履歴によって
特性が劣化するため、熱処理の温度はキュリー点以下で
あるのが好ましい。
【0050】ここで、本発明の実施の形態1における振
動ジャイロに用いる圧電素子1の基本動作について説明
する。図5(a)は、厚さ方向に屈曲振動している圧電
素子1を示す斜視図であり、図5(b)は、幅方向に屈
曲振動している圧電素子1を示す斜視図である。また、
図6は、圧電素子1の屈曲振動による振動軌跡を示し、
図1の右手からみた正面図である。
【0051】図1において、例えば、平行電極5aと平
行電極6aとの間及び平行電極5bと平行電極6bとの
間に駆動交流電圧を印加すると、図5(a)の2点鎖線
で示すように圧電体部3が厚さ方向に屈曲振動する。2
点鎖線で示された動作は、図を見やすくするため、動き
を誇張して描いている。(以下、同様。)このとき、図
1に示すような回転軸xを中心とする回転角速度ωが圧
電素子1に与えられると、圧電素子1にコリオリ力が作
用する。これにより、圧電体部3に図5(b)に示すよ
うな幅方向の屈曲振動が生じる。なお、図5(b)で
は、幅方向の屈曲振動をわかりやすくするため、幅方向
の振動成分だけを示している。実際の振動は、厚さ方向
の屈曲振動と幅方向の屈曲振動とが合成される。図1に
示す回転軸xが圧電体部3を貫く点を圧電体部3の中心
点cとすると、中心点cの振動による軌跡は、図6
(a)の点線に示すような楕円形状となる。
【0052】このとき、平行電極6a、6b及び平行電
極5a、5bは、圧電体部3の幅方向の振動により生じ
る発生電荷を帯びる。この発生電荷により平行電極6a
と平行電極6bとの間及び平行電極5aと平行電極5b
との間に電位差が生じる。この電位差が圧電体部3の幅
方向への変位量を示す。従って、生じた発生電荷を差動
増幅することにより、コリオリ力に基づく回転角速度ω
が求められる。
【0053】このように動作する圧電素子1を用いた振
動ジャイロの感度は、圧電素子1の振動速度と深い係わ
りがある。圧電素子1の振動速度が高まれば、振動ジャ
イロの感度を高めることができる。本実施の形態におい
ては、圧電素子1の振動速度を高めるために以下のよう
な工夫がなされている。
【0054】まず、圧電素子1に接着層を有さない直接
接合された圧電体部3を用いる。このような圧電体部3
を用いれば、振動エネルギーの損失を低減することがで
き、圧電体部3の振動速度の低下を抑止することができ
る。即ち、圧電素子1における共振の先鋭度を高めるこ
とが可能となる。これにより作用するコリオリ力は大き
なり、振動ジャイロの感度を高めることができる。
【0055】また、圧電体部3に接着層がないため、共
振の先鋭度のばらつきは少ない。従って、振動速度のば
らつきが小さく、感度ばらつきの小さい振動ジャイロを
得ることができるという効果もある。
【0056】更に、駆動時に与える交流電圧信号の周波
数を、厚さ方向の屈曲振動の共振周波数付近に設定すれ
ばよい。このようにすれば、厚さ方向への振動の変位量
を大きく取ることができ、圧電体部3の振動速度を更に
増大させることが可能となる。振動速度が増大すると、
作用するコリオリ力は大きくなる。
【0057】更に、駆動時に与える交流電圧信号の周波
数と幅方向の屈曲振動の共振周波数とを一致させるとよ
り好ましい。これは、厚さ方向の屈曲振動の共振周波数
と、幅方向の屈曲振動の共振周波数とを等しくすること
により、厚さ方向の屈曲振動の共振を利用して、幅方向
の屈曲振動の振動速度を増大することができるからであ
る。つまり、厚さ方向の屈曲振動によって生じるコリオ
リ力の周波数は、駆動時に与える交流電圧信号の周波数
と一致しているので、コリオリ力によって生じる幅方向
の屈曲振動の振動変位量が大きくなる。幅方向の屈曲振
動の振動変位量が大きくなると、平行電極6a、6b及
び平行電極5a、5bに生じる発生電荷量は大きくな
る。その結果、増大した電荷量を差動増幅すれば、感度
はより向上する。
【0058】図1に戻り、基板部40は、回路基板41
と、外部電極部70と、回路素子部50から構成され
る。回路基板41は、回路を形成するための基板であ
る。回路基板41には、支持体部14を介して図2に示
す圧電素子1が設けられている。回路基板41と支持体
部14との接着には、エポキシ系接着剤が用いられてい
る。
【0059】外部電極部70は、第1の外部電極21
a、21bと第2の外部電極20a、20bから構成さ
れる。
【0060】外部電極21a、21bと外部電極20
a、20bは、回路基板41上に形成されている。外部
電極21a、21bは、それぞれ平行電極6a、6bに
金線を介してワイヤーボンディングされている。また、
外部電極20a、20bは、引出電極4a、4bを介し
てそれぞれ平行電極5a、5bに接続されている。な
お、図1において、引出電極4a、4bと外部電極20
a、20bとの電気的接続は、導電性接着剤を介して行
っているが、ワイヤーボンディングで行ってもよい。
【0061】回路素子部50は、発振回路32と信号検
出回路60から構成され、回路基板41上に形成されて
いる。
【0062】図7は、本発明の実施の形態1に係る振動
ジャイロの回路構成の一実施の形態を示すブロック図で
ある。1は、図2に示す圧電素子である。なお、図を分
かりやすくするため、回路基板41と基板支持体部14
は省略している。
【0063】発振回路32は、同一周波数で、略同振幅
な互いに位相が180°異なる2つの駆動交流信号を出
力し、圧電素子1に屈曲振動を励振する回路である。発
振回路32の一方の出力は、抵抗30a、30bを介し
て平行電極6a、6bのそれぞれに接続されている。発
振回路32の他方の出力は、抵抗31a、31bを介し
て平行電極5a、5bのそれぞれに接続されている。
【0064】信号検出回路60は、差動増幅回路33
a、33bと、演算回路34と、同期検波回路35と、
直流増幅回路36とから構成される。差動増幅回路33
aは、平行電極6aと平行電極6bに生じる発生電荷を
差動増幅する差動増幅回路である。差動増幅回路33a
の正入力には、平行電極6aが、負入力には、平行電極
6bが接続されている。差動増幅回路33aと平行電極
6a、6bの電気的な接続は、それぞれ外部電極21
a、21bを介して行われる。
【0065】差動増幅回路33bは、平行電極5aと平
行電極5bに生じる発生電荷を差動増幅する差動増幅回
路である。差動増幅回路33bの正入力には、平行電極
5bが、負入力には、平行電極5aが接続されている。
差動増幅回路33bと平行電極5a、5bとの電気的な
接続は、それぞれ外部電極20a、20bを介して行わ
れる。
【0066】演算回路34は、差動増幅回路33a、3
3bのそれぞれの出力を演算する回路である。同期検波
回路35は、演算回路34からの出力を同期検波する回
路である。更に、直流増幅回路36は、同期検波回路3
5からの出力信号を増幅する回路である。
【0067】以上のように構成された本発明における振
動ジャイロの動作について、図7、図8、図9、図10
を用いて、以下で詳細に説明する。図7において、発振
回路32の一方の出力からの駆動交流信号を平行電極6
a、6bに印加し、他方の出力からの駆動交流信号を平
行電極5a、5bに印加する。これにより、平行電極6
aと平行電極5aとの間及び平行電極6bと平行電極5
bとの間に電界が発生し、上述したように圧電体部3が
厚さ方向に屈曲振動する。
【0068】厚さ方向に屈曲振動が励振された圧電体部
3に、図1に示すような回転軸xを中心とする回転角速
度ωが与えられると、厚さ方向の振動変位量に応じたコ
リオリ力が発生する。このときの回転角速度ωを示す信
号を図8に示す。
【0069】発生したコリオリ力が作用する方向は、厚
み方向の屈曲振動の方向により変化する。即ち、図7に
おいて、厚さ方向の屈曲振動の方向が矢印91の方向の
場合、コリオリ力は、矢印92に示す方向に作用する。
また、振動の方向が矢印91の逆である場合は、作用す
るコリオリ力の方向は、矢印92の逆方向である。
【0070】また、コリオリ力の大きさは、与えられた
角速度の大きさに応じて圧電体部3に作用する。更に、
圧電体部3に作用するコリオリ力は、厚み方向の振動の
変位量によって作用する大きさが異なる。厚み方向の振
動の変位量が0のときコリオリ力は最小となる。また、
コリオリ力は、振動の変位量が最大となるとき、即ち、
厚み方向の屈曲振動の上死点と下死点において、最大と
なる。
【0071】いま、厚さ方向の屈曲振動の方向が図7に
示す矢印91の方向であり、発生するコリオリ力が図7
に示す矢印92の方向であるとし、圧電体部3が図7に
おいて右方向へ屈曲しているとする。つまり、図7にお
いて圧電体部3の左側の端部が伸び、右側の端部が縮ん
だ状態であるとする。(図7において、(伸)、(縮)
で示す。以下、同様)このとき、平行電極6aと平行電
極5bには、正の発生電荷(図7では、(+)で表す。
以下、同様)が生じ、平行電極6bと平行電極5aに
は、負の発生電荷(図7では、(−)で表す。以下、同
様)が生じる。また、各電極に生じる発生電荷量は、幅
方向の振動の変位量に比例して増減する。即ち、振動の
変位量が大きいとき、発生電荷量は大きくなり、振動変
位量が小さいとき、発生電荷量は小さくなる。
【0072】また、厚さ方向の屈曲振動が図7に示す矢
印91の逆方向であり、発生するコリオリ力が図7に示
す矢印92の逆方向あるとし、図7において圧電体部3
の右側の端部が伸び、左側の端部が縮んだ状態であると
する。このとき、平行電極6aと平行電極5bには、負
の発生電荷が生じ、平行電極6bと平行電極5aには、
正の発生電荷が生じる。各電極に生じる発生電荷量は、
振動の変位量に応じた大きさである。
【0073】このように、圧電体部3が幅方向に屈曲振
動することにより、幅方向の屈曲振動の変位が、平行電
極6a、6b及び平行電極5a、5bのそれぞれに生ず
る発生電荷の極性に表われ、変位量が平行電極6a、6
b及び平行電極5a、5bのそれぞれに生ずる発生電荷
量に表われる。
【0074】なお、幅方向の屈曲振動の変位について
は、圧電体部3の分極方向が互いに逆であるため、図7
に示す圧電体部3の対角に位置する平行電極6aと平行
電極5bに生じる発生電荷の極性と、平行電極6bと平
行電極5aに生じる発生電荷の極性とが互いに逆となる
関係が成り立つ。また、圧電体部3の幅方向の屈曲状態
の変位と、その屈曲状態の変位に応じて各平行電極に生
じる発生電荷の極性は、圧電体部3に用いる素材により
異なる。圧電体部3に異なる素材を用いた場合でも、同
様の関係が成り立つ。
【0075】発生電荷により平行電極6aと平行電極6
bとの間に生じた電位差は、差動増幅回路33aにより
差動増幅され、第1の角速度検出信号として出力され
る。第1の角速度検出信号の波形を図9(a)に示す。
この信号波形の破線で示す包絡線には、図8に示す回転
角速度ωを示す信号が載っており、図9(a)に示す信
号は、回転角速度ωの信号に応じて振幅が変化した信号
波形を示す。
【0076】同様に、発生電荷により平行電極5aと平
行電極5bとの間に生じた電位差は、差動増幅回路33
bで差動増幅され、第2の角速度検出信号として出力さ
れる。第2の角速度検出信号の波形を図9(b)に示
す。この信号波形の破線で示す包絡線に図8に示す角速
度を表す信号が載っており、図9(b)に示す信号は、
この角速度の信号に応じて振幅が変化した信号波形を示
す。
【0077】なお、図9(a)に示す信号波形と図9
(b)に示す信号波形とは、略同振幅、同一周波数であ
る。これは、圧電体10と圧電体11には、同一のLN
基板が用いられているため、幅方向の屈曲振動により平
行電極6aと平行電極6bとの間に生じる電位差と、平
行電極5aと平行電極5bとの間に生じる電位差が等し
いからである。
【0078】更に、図9(a)に示す信号波形と図9
(b)に示す信号波形とは、互いに同位相の信号波形で
ある。これは、平行電極6a、6b、平行電極5a、5
bと差動増幅回路33a、33bとの接続形態により決
まる。図7では、図9(a)、図9(b)に示す信号波
形が互いに同位相となるように接続されているが、逆位
相となるように接続してもよい。
【0079】図7に戻り、第1の角速度検出信号と第2
の角速度検出信号は、演算回路34に入力される。演算
回路34では、第1の角速度検出信号と第2の角速度検
出信号が加算され、図9(a)、(b)に示す信号波形
と比較して、振幅が2倍となる複合角速度検出信号が出
力される。複合角速度検出信号の波形を図10(a)に
示す。
【0080】なお、図7に示す構成において、演算回路
34では加算を行ったが、第1の角速度検出信号及び第
2の角速度検出信号が互いに逆位相の場合は、減算を行
えばよい。
【0081】複合角速度検出信号は、同期検波回路35
に入力される。同期検波回路35では、複合角速度検出
信号から外乱によるノイズを採り、直流成分を同期検波
し、図10(b)に示す波形の角速度信号を出力する。
このようにして、コリオリ力による幅方向の屈曲振動の
変位量に比例する回転角速度ωを出力することができ
る。
【0082】最後に、角速度信号を直流増幅回路36に
より所望の大きさに増幅する。以上説明したように、2
対の電極間、即ち、平行電極6aと平行電極6bとの間
及び平行電極5aと平行電極5bに生じる発生電荷を差
動増幅回路33a、33bにより差動増幅し、差動増幅
された信号を演算回路34で合成することにより、1対
の電極間から出力信号を得る場合に比べ、回転角速度ω
を示す出力信号の振幅は2倍となる。これにより振動ジ
ャイロの感度を2倍に高めることが可能となる。
【0083】更に、本発明の実施の形態1係る振動ジャ
イロの回路構成の他の実施の形態を図11に示す。
【0084】図7に示した構成と比べると、圧電素子1
と発振回路32と信号検出回路60の構成は同じである
が、平行電極6a、6b、平行電極5a、5bと発振回
路32及び差動増幅回路33a、33bとの接続形態が
異なる。図11において、発振回路32の一方の出力
は、抵抗30b、31aを介して平行電極6b、平行電
極5aに接続されている。発振回路32の他方の出力
は、抵抗30a、31bを介して平行電極6a、平行電
極5bに接続されている。
【0085】差動増幅回路33aの正入力には、平行電
極5aが、負入力には、平行電極6aが接続されてい
る。更に、差動増幅回路33bの正入力には、平行電極
6bが、負入力には、平行電極5bが接続されている。
以上のように構成された本発明における振動ジャイロの
動作について、図9、図10、図11を用いて、以下で
詳細に説明する。
【0086】発振回路32の一方の出力からの駆動交流
信号を平行電極6b、平行電極5aに印加する。更に、
他方の出力からの駆動交流信号を平行電極6a、平行電
極5bに印加する。つまり、図11に示す圧電体部3の
対角に位置する平行電極6bと平行電極5aに印加する
駆動交流信号の位相と、平行電極6aと平行電極5bと
に印加する駆動交流信号の位相とが互いに逆になるよう
にする。
【0087】これは、第1圧電体10と第2圧電体11
の分極方向が互いに逆であるため、第1圧電体10と第
2圧電体11にそれぞれ発生する電界の方向を互いに逆
方向にする必要があるからである。これにより、平行電
極6aと平行電極6bとの間及び平行電極5aと平行電
極5bと間に、互いに逆方向の電界が発生し、圧電体部
3に図5(b)に示すような幅方向の屈曲振動が励振さ
れる。
【0088】なお、図5(b)に示す圧電体部3の振動
は、図7に示す構成において、コリオリ力により圧電体
部3に発生する幅方向の屈曲振動の成分を示している
が、図11に示す構成において、圧電体部3に励振する
幅方向の屈曲振動も、図5(b)に示す振動と同様であ
る。
【0089】また、このように、平行電極6aと平行電
極6bとの間及び平行電極5aと平行電極5bとの間の
両方で互いに逆方向の電界を発生させると、どちらか一
方のみで電界を発生させる場合と比較して、幅方向の屈
曲振動の駆動電流は2倍になり、好ましい。駆動電流が
増加すると、屈曲振動の振動速度を増大することが可能
となり、結果、振動ジャイロの感度が向上する。
【0090】圧電体部3に幅方向の屈曲振動が励振され
ているとき、図1に示す回転軸xを中心とする回転が圧
電素子1に与えられると、コリオリ力が発生する。この
コリオリ力により、幅方向に屈曲振動する圧電素子1に
図5(a)に示す振動と同様な厚さ方向への屈曲振動が
生じる。
【0091】なお、図5(a)では、厚さ方向の屈曲振
動をわかりやすくするため、厚さ方向の屈曲振動の成分
だけを示している。また、実際の振動は、厚さ方向の屈
曲振動と幅方向の屈曲振動とが合成される。中心点cの
振動による軌跡は、図6(b)の破線に示すような楕円
形状となる。
【0092】このとき生じる平行電極6aと平行電極5
aとの間の電位差と、平行電極6bと平行電極5bとの
間の電位差を検出することにより、圧電素子1に作用し
た回転角速度ωを検出することができる。
【0093】いま、幅方向の屈曲振動の方向が図11に
示す矢印91の方向であり、その時に作用するコリオリ
力が図11に示す矢印92の方向であるとし、圧電体部
3が図11において下側の端部が伸び、上側の端部が縮
んだ状態であるとする。このとき平行電極6a、6bに
は、負の発生電荷が生じ、平行電極5a、5bには、正
の発生電荷が生じる。また、発生電荷量は、振動の変位
量に応じた大きさである。
【0094】また、幅方向の屈曲振動が図11に示す矢
印91の逆方向であり、発生するコリオリ力が図11に
示す矢印92の逆方向であるとし、圧電体部3が図11
において上側の端部が伸び、下側の端部が縮んだ状態で
あるとする。このとき平行電極6a、6bには、正の発
生電荷が生じ、平行電極5a、5bには、負の発生電荷
が生じる。発生する電荷量は、振動の変位量に応じた大
きさである。
【0095】このように、圧電体部3が幅方向に屈曲振
動することにより、厚さ方向の屈曲振動の変位が平行電
極6a、6b及び平行電極5a、5bのそれぞれに生ず
る発生電荷の極性に表われ、変位量が平行電極6a、6
b及び平行電極5a、5bのそれぞれに生ずる発生電荷
量に表われる。
【0096】なお、圧電体部3の厚さ方向の屈曲振動の
変位と、その屈曲振動の変位に応じて各平行電極に生じ
る発生電荷の極性は、圧電体部3に用いる素材により異
なる。圧電体部3に異なる素材を用いた場合でも、図1
1に示す圧電体部3を介して対向する平行電極6aと平
行電極6bに生じる発生電荷の極性と、平行電極5aと
平行電極5bに生じる発生電荷の極性とが互いに逆とな
る関係が成り立つ。
【0097】平行電極6aと平行電極5aに生じた発生
電荷が、差動増幅回路33aにより差動増幅され、第1
の角速度検出信号として出力される。図9(a)に第1
の角速度検出信号の波形を示す。また、平行電極6bと
平行電極5bに生じた発生電荷が、差動増幅回路33b
より差動増幅され、第2の角速度検出信号として出力さ
れる。図9(c)に第2の角速度検出信号の波形を示
す。
【0098】演算回路34では、第1の角速度検出信号
と第2の角速度検出信号を減算し、図10(a)に示す
波形の複合角速度検出信号として出力する。減算された
信号は、同期検波回路35により同期検波され、図10
(b)に示す波形の角速度信号として出力される。最後
に、直流増幅回路36により直流増幅される。このよう
にして厚さ方向の屈曲振動の変位量に応じた信号が得ら
れる。
【0099】以上のようにして回転角速度ωを検出する
ことにより、1対の平行電極から厚さ方向の屈曲振動に
応じた角速度検出信号を得る場合と比較して、信号レベ
ルは2倍となり、振動ジャイロの感度を2倍に高めるこ
とができる。
【0100】また、圧電素子1の駆動においては、屈曲
振動の先鋭度が高いほど、駆動に必要なエネルギーが少
なく、より速い振動速度が得られる。結果、振動ジャイ
ロの感度を高めることができる。従って、幅方向の屈曲
振動における共振の先鋭度が厚さ方向の先鋭度と比較し
て高い場合、幅方向の屈曲振動を励振するように駆動す
る方が好ましく、このような場合に図11に示す構成と
してよい。
【0101】なお、本実施の形態おいて、圧電素子1
は、片持ち梁構造としたが、両持ち梁構造や、屈曲振動
の節を支持体部14で支持することにより両端が自由振
動となるような構造のものを用いてもよい。
【0102】また、本実施の形態において、第1圧電体
10、第2圧電体11に用いる素材をニオブ酸リチウム
としたが、これに限るものではなく、タンタル酸リチウ
ム、水晶などでもよい。更に、支持体部14に用いる素
材についても同様である。また、カット角も140°回
転Y板に限るものでなく、主面に加えた電界により、横
効果伸び振動が生ずるカットであればよい。
【0103】また、ニオブ酸リチウム基板の凹部、即
ち、貫通穴14aの加工方法は、研削に限るものではな
く、フォトレジストパターンをマスキング材としたサン
ドブラスト法などを用いてもよい。更に、ドライエッチ
ング、ウエットエッチング、レーザ加工、ダイシングや
ワイヤーソーなどの機械加工、ウオータージェット加
工、放電加工などを用いてもよい。切断についても同様
である。
【0104】更に、本実施の形態で形成する平行電極
は、圧電体部3の対向する平面のそれぞれに長手方向に
平行で延在する電極としたが、必ずしも平行である必要
はない。
【0105】なお、本実施の形態では、支持体部14の
固定方向を高さ方向としたが、これに限るものではな
い。
【0106】(実施の形態2)図12は、本発明の実施
の形態2に係る振動ジャイロの斜視図である。本発明の
振動ジャイロは、基板部40と圧電素子61から構成さ
れる。
【0107】図13(a)は、本発明の実施の形態1に
おける振動ジャイロに用いる圧電素子61を示す斜視図
である。図13(b)は、図12(a)に示されるA−
A’線に沿って切断した概略断面図である。
【0108】なお、図12、13において、特に説明の
ない構成要素については、実施の形態1と同様のもので
あり詳細な説明は省略する。
【0109】図13において、圧電素子61は、圧電体
部3と、第1の対向電極部9と、支持体部14から構成
されている。圧電体部3は、平面10aを有する第1圧
電体10と平面11aを有する第2圧電体11とが接合
され、形成されている。更に、平面10aと平面11a
とは、圧電体部3の一対の対向面を形成している。な
お、第1圧電体10と第2圧電体11は、実施の形態1
と同様、結晶軸が対向するように直接接合されている。
分極方向は、図13(b)の矢印に示される。
【0110】第1の対向電極部9は、第1の平行電極1
6a、16b、16cと第2の平行電極15a、15
b、15cから構成される。平行電極16a、16b、
16cは、平面10a上に形成され、長手方向に平行で
延在している。平行電極15a、15b、15cは、平
面11a上に形成され、長手方向に平行で延在してい
る。更に、平行電極16a、16b、16cと平行電極
15a、15b、15cとは、圧電体部3を介してそれ
ぞれ対向している。
【0111】支持体部14は、支持体80と引出電極1
4a、14b、14cから構成されている。支持体80
は、図2に示す圧電素子1と同様のものである。引出電
極14a、14b、14cは、それぞれ平行電極15
a、15b、15cに接続され、平行電極15a、15
b、15cを回路基板41に電気的に接続する際に用い
られる電極である。
【0112】図12に戻り、基板部40は、回路基板4
1と、外部電極部70と、回路素子部50から構成され
る。回路基板41は、回路を形成するための基板であ
る。回路基板41には、支持体部14を介して図13に
示す圧電素子61が設けられている。回路基板41と支
持体部14との接着には、エポキシ系接着剤が用いられ
ている。更に、回路基板41には、回路素子部50が形
成されている。
【0113】外部電極部70は、第1の外部電極23
a、23b、23cと第2の外部電極22a、22b、
22cから構成される。
【0114】外部電極23a、23b、23cと外部電
極22a、22b、22cは、回路基板41上に形成さ
れている。外部電極23a、23b、23cは、それぞ
れ平行電極16a、16b、16cに金線を介してワイ
ヤーボンディングされている。また、外部電極22a、
22b、22cは、引出電極14a、14b、14cを
介してそれぞれ平行電極15a、15b、15cに接続
されている。
【0115】回路素子部50は、発振回路32と信号検
出回路60から構成されている。ここで、図14に、本
発明の実施の形態2に係る振動ジャイロの回路構成の一
実施の形態を示す。61は、図12に示す圧電素子であ
る。なお、図を分かりやすくするため、回路基板41と
支持体部14は省略している。また、特に説明のない構
成要素については、実施の形態1と同様のものであり詳
細な説明は省略する。
【0116】図14において、発振回路32の一方の出
力は、平行電極16bに接続されている。発振回路32
の他方の出力は、平行電極15bに接続されている。差
動増幅回路33aの正入力には、平行電極16aが、負
入力には、平行電極16cが接続されている。更に、差
動増幅回路33bの正入力には、平行電極15cが、負
入力には、平行電極15aが接続されている。
【0117】以上のように構成された本発明における振
動ジャイロの動作について、以下で詳細に説明する。な
お、図14に示すコリオリ力の方向92、振動の方向9
1、圧電素子61の幅方向の屈曲状態、その時の平行電
極16a、16cのそれぞれに生じる発生電荷の極性及
び平行電極15a、15cのそれぞれに生じる発生電荷
の極性は、ある瞬間の状態を示す。
【0118】発振回路32の一方の出力からの交流信号
を平行電極16bに印加し、他方の出力からの交流信号
を平行電極15bに印加する。これにより、平行電極1
6bと平行電極15bとの間に電界が発生し、実施の形
態1と同様に圧電素子61が厚さ方向に屈曲振動する。
【0119】厚さ方向に屈曲振動が励振された圧電素子
61に、図12に示す回転軸xを中心とする回転角速度
ωが与えられると、コリオリ力が発生する。このコリオ
リ力により、厚さ方向に屈曲振動する圧電素子61に幅
方向への屈曲振動が生じる。つまり、この幅方向への屈
曲振動とは、回転角速度ωに比例したコリオリ力による
幅方向への変位であり、変位量である。幅方向の屈曲振
動の変位が、平行電極16a、16c及び平行電極15
a、15cのそれぞれに生ずる発生電荷の極性に表わ
れ、変位量が平行電極16a、16c及び平行電極15
a、15cのそれぞれに生ずる発生電荷量に表われる。
【0120】このとき生じる平行電極16aと平行電極
16cとの間の電位差と、平行電極15aと平行電極1
5cとの間の電位差とを検出することにより、実施の形
態1と同様に、圧電素子61に作用した回転角速度ωを
検出することができる。平行電極16a、16cに生じ
る発生電荷と、平行電極15a、15cに生じる発生電
荷は、それぞれ差動増幅回路33a、33bにより差動
増幅され、第1の角速度検出信号、第2の角速度検出信
号として出力される。
【0121】演算回路34では、差動増幅回路33a、
33bにより差動増幅された第1の角速度検出信号、第
2の角速度検出信号を加算し、複合角速度検出信号を出
力する。加算された信号は、同期検波回路35により同
期検波され、角速度信号として出力される。その後、直
流増幅回路36により直流増幅される。こうして幅方向
の屈曲振動の変位量に応じた信号が得られる。
【0122】このように、2対の電極から幅方向の屈曲
振動の変位量に応じた角速度検出信号を得ることによ
り、1対の電極からの場合と比較して、角速度検出信号
の信号レベルは2倍となる。結果、振動ジャイロの感度
を2倍に高めることができる。
【0123】また、図14に示す構成では、発振回路3
2と平行電極16b及び平行電極15bとが直接接続さ
れ、発振回路32と直列接続された抵抗を設ける必要が
ない。このため、抵抗がある場合と比較して、駆動電圧
を高めることが可能である。駆動電圧が高まると、屈曲
振動の振動速度が増大し、結果、振動ジャイロの感度を
高めることができる。
【0124】なお、演算回路34では、加算を行った
が、差動増幅回路33a、33bから出力される第1の
角速度検出信号、第2の角速度検出信号が互いに逆位相
になるように発振回路32と各電極を接続した場合は、
減算を行えばよい。
【0125】更に、本発明の実施の形態2係る振動ジャ
イロの回路構成の他の一実施の形態を図15に示す。
【0126】図15において、図14に示す構成とは、
信号検出回路60の構成が異なる。信号検出回路60
は、差動増幅回路33aと同期検波回路35と直流増幅
回路36から構成される。差動増幅回路33aは、平行
電極16bと平行電極15bに生じる発生電荷を差動増
幅する差動増幅回路である。差動増幅回路33aの正入
力には、平行電極16bが、負入力には、平行電極15
bが接続されている。差動増幅回路33aと平行電極1
6b及び平行電極15bとの電気的な接続は、それぞれ
外部電極23b及び外部電極22bを介して行われる。
【0127】同期検波回路35は、差動増幅回路33a
からの出力を同期検波する回路である。直流増幅回路3
6は、同期検波回路35からの出力信号を増幅する回路
である。
【0128】更に、発振回路32の一方の出力は、平行
電極16aと平行電極15cに接続されている。発振回
路32の他方の出力は、平行電極16cと平行電極15
aに接続されている。
【0129】以上のように構成された本発明における振
動ジャイロの動作について、以下で詳細に説明する。な
お、図15に示すコリオリ力の方向92、振動の方向9
1、圧電素子61の厚さ方向の屈曲状態、その時の平行
電極16bに生じる発生電荷の極性及び平行電極15b
に生じる発生電荷の極性は、ある瞬間の状態を表してい
る。
【0130】発振回路32の一方の出力からの駆動交流
信号を平行電極16a、平行電極15cに印加する。更
に、他方の出力からの駆動交流信号を平行電極16c、
平行電極15aに印加する。つまり、図15に示す圧電
体部3の対角に位置する平行電極16aと平行電極15
cに印加する駆動交流信号の位相と、平行電極16bと
平行電極15aとに印加する駆動交流信号の位相とが互
いに逆になるようにする。
【0131】これは、第1圧電体10と第2圧電体11
の分極方向が互いに逆であるため、第1圧電体10と第
2圧電体11にそれぞれ発生する電界の方向を互いに逆
方向にする必要があるからである。これにより、平行電
極16aと平行電極16cとの間と、平行電極15aと
平行電極15cとの間に互いに逆方向の電界が発生し、
圧電素子61が幅方向に屈曲振動する。
【0132】また、このように、平行電極16aと平行
電極16cとの間と、平行電極15aと平行電極15c
との間の両方で互いに逆方向の電界を発生させると、ど
ちらか一方のみで電界を発生させる場合と比較して、幅
方向の屈曲振動の駆動電流は2倍になる。駆動電流が増
加すると、屈曲振動の振動速度を増大することが可能と
なり、結果、振動ジャイロの感度が向上し、好ましい。
【0133】圧電素子61に幅方向の屈曲振動が励振さ
れているとき、図12に示す回転軸xを中心とする回転
角速度ωが圧電素子61に与えられると、コリオリ力が
発生する。このコリオリ力により、幅方向に屈曲振動す
る圧電素子61に厚さ方向への屈曲振動が生じる。つま
り、この厚さ方向への屈曲振動とは、回転角速度ωに比
例したコリオリ力による厚さ方向への変位であり、変位
量である。この厚さ方向の変位が、平行電極16b及び
平行電極15bのそれぞれに生じる発生電荷の極性に表
われ、変位量が、平行電極16b及び平行電極15bの
それぞれに生じる発生電荷量に表われる。
【0134】このとき生じる平行電極16bと平行電極
15bとの間の電位差を検出することにより、実施の形
態1と同様に、圧電素子61に作用した回転角速度ωを
検出することができる。
【0135】平行電極16bと平行電極15bに生じる
発生電荷は、差動増幅回路33aにより差動増幅され、
第1の角速度検出信号として出力される。第1の角速度
検出信号は、同期検波回路35により同期検波され、角
速度信号として出力される。その後、直流増幅回路36
により直流増幅される。こうして厚さ方向の屈曲振動の
変位量に応じた信号が得られる。
【0136】圧電素子61の駆動においては、屈曲振動
の先鋭度が高いほど、駆動に必要なエネルギーが少な
く、より速い振動速度が得られる。結果、振動ジャイロ
の感度を高めることができる。従って、幅方向の屈曲振
動における共振の先鋭度が厚さ方向の先鋭度と比較して
高い場合、幅方向の屈曲振動を励振するように駆動する
方が好ましく、このような場合に図15に示す構成とし
てもよい。
【0137】また、図15に示す構成では、発振回路3
2と平行電極16a、16c及び平行電極15a、15
cとが直接接続され、発振回路32と直列接続された抵
抗を設ける必要がない。このため、抵抗がある場合と比
較して、駆動電圧を高めることが可能である。駆動電圧
が高まると、屈曲振動の振動速度が増大し、結果、振動
ジャイロの感度を高めることができる。
【0138】なお、本実施の形態おいて、圧電素子61
は、片持ち梁構造としたが、両持ち梁構造や、屈曲振動
の節を支持体部14で支持することにより両端が自由振
動となるような構造のものを用いてもよい。
【0139】(実施の形態3)図16は、本発明の実施
の形態3に係る振動ジャイロの斜視図である。本発明の
振動ジャイロは、基板部40と圧電素子71から構成さ
れる。
【0140】図17(a)は、本発明の実施の形態3に
おける振動ジャイロに用いる圧電素子71を示す斜視図
である。図17(b)は、図17(a)に示されるA−
A’線に沿って断面した概略断面図である。
【0141】なお、図16、17において、特に説明の
ない構成要素については、実施の形態1、2と同様のも
のであり詳細な説明は省略する。図17において、圧電
素子71は、圧電体部3と、第1の対向電極部9と、第
2の対向電極部19と、支持体部14から構成されてい
る。
【0142】圧電体部3は、実施の形態1、2と同様の
ものであり、幅方向の対向する側面3a、3bを有して
いる。分極方向は、図17(b)の矢印に示される。ま
た、第1の対向電極部9、支持体部14については、実
施の形態1と同様のものである。
【0143】第2の対向電極部19は、第3の平行電極
7a、7bと第4の平行電極8a、8bから構成され
る。平行電極7a、7bは、側面3a上に形成され、長
手方向に平行で延在している。平行電極8a、8bは、
側面3b上に形成され、長手方向に平行で延在してい
る。更に、平行電極7aと平行電極8a及び平行電極7
bと対向電極8bは、圧電体部3を介してそれぞれ対向
している。
【0144】図16に戻り、基板部40は、回路基板4
1と、外部電極部70と、回路素子部50から構成され
る。回路基板41は、回路を形成するための基板であ
る。回路基板41には、支持体部14を介して図17に
示す圧電素子71が設けられている。回路基板41と支
持体部14との接着には、エポキシ系接着剤が用いられ
ている。更に、回路基板41には、回路素子部50が形
成されている。
【0145】外部電極部70は、第1の外部電極21
a、21bと第2の外部電極20a、20bと、第3の
外部電極24a、24bと第4の外部電極25a、25
bから構成される。
【0146】外部電極21a、21bと外部電極20
a、20bと、外部電極24a、24bと外部電極25
a、25bは、回路基板41上に形成されている。外部
電極21a、21bは、それぞれ平行電極6a、6bに
金線を介してワイヤーボンディングされている。外部電
極20a、20bは、引出電極4a、4bを介してそれ
ぞれ平行電極5a、5bに接続されている。なお、引出
電極4a、4bと外部電極20a、20bとの電気的接
続は、ワイヤーボンディングで行ってもよいし、導電性
接着剤を介して行ってもよい。外部電極24a、24b
は、それぞれ平行電極7a、7bに金線を介してワイヤ
ーボンディングされている。外部電極25a、25b
は、それぞれ平行電極8a、8bに金線を介してワイヤ
ーボンディングされている。
【0147】ここで、図18に、本発明の実施の形態3
に係る振動ジャイロの回路構成の一実施の形態を示す。
なお、図を分かりやすくするため、回路基板41と、支
持体部14は省略している。また、特に説明のない構成
要素については、実施の形態1、2と同様のものであ
り、詳細な説明は省略する。
【0148】図18において、発振回路32の一方の出
力は、平行電極6a、6bに接続されている。発振回路
32の他方の出力は、平行電極5a、5bに接続されて
いる。差動増幅回路33aの正入力には、平行電極7b
が、負入力には、平行電極8bが接続されている。更
に、差動増幅回路33bの正入力には、平行電極8a
が、負入力には、平行電極7aが接続されている。
【0149】以上のように構成された本発明における振
動ジャイロの動作について、以下で詳細に説明する。な
お、図18に示すコリオリ力の方向92、振動の方向9
1、圧電素子71の幅方向の屈曲状態、その時、平行電
極7a、7bのそれぞれに生じる発生電荷の極性及び平
行電極8a、8bに生じる発生電荷の極性は、ある瞬間
の状態を示している。
【0150】発振回路32の一方の出力からの交流信号
を平行電極6a、6bに印加し、他方の出力からの交流
信号を平行電極5a、5bに印加する。これにより、平
行電極6aと平行電極5aとの間及び平行電極6bと平
行電極5bとの間に電界が発生し、圧電素子71が厚さ
方向に屈曲振動する。
【0151】厚さ方向に屈曲振動が励振された圧電素子
71に、図16に示す回転軸x軸を中心とする回転角速
度ωが与えられると、コリオリ力が発生する。このコリ
オリ力により、厚さ方向に屈曲振動する圧電素子71に
幅方向への屈曲振動が生じる。つまり、この幅方向への
屈曲振動とは、回転角速度ωに比例したコリオリ力によ
る幅方向への変位であり、変位量である。この幅方向の
変位が、平行電極7aと平行電極8aに生じる発生電荷
の極性と、平行電極7bと平行電極8bに生じる発生電
荷の極性に表われる。また、幅方向の変位量が、平行電
極7aと平行電極8aに生じる発生電荷量と、平行電極
7bと平行電極8bに生じる発生電荷量とに表われる。
【0152】このとき生じる平行電極7aと平行電極8
aとの間の電位差と、平行電極7bと平行電極8bとの
間の電位差とを検出することにより、実施の形態1、2
と同様に、圧電素子71に作用した回転角速度ωを検出
することができる。
【0153】平行電極7aと平行電極8aに生じる発生
電荷と、平行電極7bと平行電極8bに生じる発生電荷
は、それぞれ差動増幅回路33a、33bにより差動増
幅され、それぞれ第1の角速度検出信号、第2の角速度
検出信号として出力される。
【0154】演算回路34では、差動増幅回路33a、
33bにより差動増幅された第1の角速度検出信号、第
2の角速度検出信号を加算し、複合角速度検出信号とし
て出力する。加算された信号は、同期検波回路35によ
り同期検波され、角速度信号として出力される。その
後、直流増幅回路36により直流増幅される。こうして
幅方向の屈曲振動の変位量に応じた信号が得られる。
【0155】このように、2対の電極から幅方向の屈曲
振動の変位量に応じた角速度検出信号を得ることによ
り、1対の電極からの場合と比較して、角速度検出信号
の信号レベルは2倍となる。結果、振動ジャイロの感度
を2倍に高めることができる。
【0156】また、図18に示す構成では、発振回路3
2と平行電極6a、6b及び平行電極5a、5bとが直
接接続され、発振回路32と直列接続された抵抗を設け
る必要がない。このため、抵抗がある場合と比較して、
駆動電圧を高めることが可能である。駆動電圧が高まる
と、屈曲振動の振動速度が増大し、結果、振動ジャイロ
の感度を高めることができる。
【0157】なお、演算回路34では、加算を行った
が、差動増幅回路33a、33bから出力される信号が
互いに逆位相になるように差動増幅回路33a、33b
と各電極を接続した場合は、減算を行えばよい。
【0158】更に、本発明の実施の形態3係る振動ジャ
イロの回路構成の他の一実施の形態を図19に示す。図
18で示した構成と比べると、発振回路32と信号検出
回路60の構成は同じであるが、平行電極6a、6b、
平行電極5a、5b、平行電極7a、7b、平行電極8
a、8bと発振回路32及び差動増幅回路33a、33
bとの接続形態が異なる。
【0159】図19において、発振回路32の一方の出
力は、平行電極7a、平行電極8bに接続されている。
発振回路32の他方の出力は、平行電極7b、平行電極
8aに接続されている。
【0160】差動増幅回路33aの正入力には、平行電
極6aが、負入力には、平行電極5aが接続されてい
る。更に、差動増幅回路33bの正入力には、平行電極
5bが、負入力には、平行電極6bが接続されている。
【0161】以上のように構成された本発明における振
動ジャイロの動作について、以下で詳細に説明する。な
お、図19に示すコリオリ力の方向92、振動の方向9
1、圧電素子71の厚さ方向の屈曲状態、その時に平行
電極6a、6bのそれぞれに生じる発生電荷の極性及び
平行電極5a、5bのそれぞれに生じる発生電荷の極性
は、ある瞬間の状態を表している。
【0162】発振回路32の一方の出力からの交流信号
を平行電極7a、平行電極8bに印加する。更に、他方
の出力からの交流信号を平行電極7b、平行電極8aに
印加する。つまり、図19に示す圧電体部3の対角に位
置する平行電極7bと平行電極8aに印加する駆動交流
信号の位相と、平行電極7aと平行電極8bとに印加す
る駆動交流信号の位相とが互いに逆になるようにする。
【0163】これは、第1圧電体10と第2圧電体11
の分極方向が互いに逆であるため、第1圧電体10と第
2圧電体11にそれぞれ発生する電界の方向を互いに逆
方向にする必要があるからである。これにより、平行電
極7bと平行電極8bとの間、及び平行電極7aと平行
電極8aとの間に互いに逆方向の電界が発生し、圧電素
子71が幅方向に屈曲振動する。
【0164】また、このように、平行電極7bと平行電
極8bとの間、及び平行電極7aと平行電極8aとの間
の両方で互いに逆方向の電界を発生させると、どちらか
一方のみで電界を発生させる場合と比較して、幅方向の
屈曲振動の駆動電流は2倍になり、好ましい。駆動電流
が増加すると、屈曲振動の振動速度を増大することが可
能となり、結果、振動ジャイロの感度が向上する。
【0165】圧電素子71に幅方向の屈曲振動が励振さ
れているとき、図16に示す回転軸xを中心とする回転
角速度が圧電素子71に与えられると、コリオリ力が発
生する。このコリオリ力により、幅方向に屈曲振動する
圧電素子71に厚さ方向への屈曲振動が生じる。つま
り、この厚さ方向への屈曲振動とは、回転角速度ωに比
例したコリオリ力による厚さ方向への変位であり、変位
量である。この厚さ方向の変位が、平行電極6a、6b
及び平行電極5a、5bのそれぞれに生じる発生電荷の
極性に表われ、変位量が、平行電極6a、6b及び平行
電極5a、5bのそれぞれに生じる発生電荷量に表われ
る。
【0166】このとき生じる平行電極6aと平行電極5
aとの間に発生する電位差と、平行電極6bと平行電極
5bとの間に発生する電位差を検出することにより、実
施の形態1、2と同様に、圧電素子71に作用した回転
角速度ωを検出することができる。
【0167】平行電極6aと平行電極5aに生じる発生
電荷と、平行電極6bと平行電極5bに生じる発生電荷
とは、差動増幅回路33a、33bにより差動増幅さ
れ、第1の角速度検出信号、第2の角速度検出信号とし
て出力される。
【0168】演算回路34では、差動増幅回路33a、
33bにより差動増幅された第1の角速度検出信号と第
2の角速度検出信号とを減算し、複合角速度検出信号を
出力する。減算された信号は、同期検波回路35により
同期検波され、角速度信号として出力される。その後、
直流増幅回路36により直流増幅される。こうして厚さ
方向の屈曲振動の変位量に応じた信号が得られる。
【0169】このようにすることにより、1対の電極か
ら角速度検出信号を得る場合と比較して、信号レベルは
2倍となり、振動ジャイロの感度を2倍に高めることが
できる。
【0170】圧電素子71の駆動においては、屈曲振動
の先鋭度が高いほど、駆動に必要なエネルギーが少な
く、より速い振動速度が得られる。結果、振動ジャイロ
の感度を高めることができる。従って、幅方向の屈曲振
動における共振の先鋭度が厚さ方向の先鋭度と比較して
高い場合、幅方向の屈曲振動を励振するように駆動する
方が好ましく、このような場合に図17に示す構成とし
てもよい。
【0171】また、図19に示す構成では、発振回路3
2と平行電極7a、7b及び平行電極8a、8bとが直
接接続され、発振回路32と直列接続された抵抗を設け
る必要がない。このため、抵抗がある場合と比較して、
駆動電圧を高めることが可能である。駆動電圧が高まる
と、屈曲振動の振動速度が増大し、結果、振動ジャイロ
の感度を高めることができる。
【0172】更に、第1の対向電極部9と第2の対向電
極部19のどちらか一方を各平面に形成された全面電極
にしてもよい。
【0173】なお、本実施の形態おいて、圧電素子71
は、片持ち梁構造としたが、両持ち梁構造や、屈曲振動
の節を支持体部14で支持することにより両端が自由振
動となるような構造のものを用いてもよい。
【0174】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る圧電
素子は、表裏主面上にその幅方向に分割された2対の電
極を有している。検出用の電極としてこの2対の電極を
用い、差動増幅して得られる各対の出力信号を演算する
ことで、1対の電極より得られる出力信号と比較して、
2倍の出力信号が得られ、振動ジャイロの感度を高める
ことができる。逆に、梁部幅方向の屈曲振動の先鋭度
が、厚み方向の屈曲振動の先鋭度と比較して大きい場合
には、各対の電極を圧電駆動用の電極として用いる。共
振の先鋭度が高い方の屈曲振動を駆動するため、振動速
度を速めることができ、感度を高めることができる。
【0175】また、各対の電極間に駆動信号を与えるこ
とで、1対のみ駆動信号を与える場合と比較して、駆動
電流密度を2倍にすることができ、振動速度を高速化す
ることができる。その結果として、振動ジャイロの感度
を高めることができる。
【0176】また、本発明に係る圧電素子は、表裏主面
上にその幅方向に3分割された2対の電極を有してい
る。それぞれの電極のうち、中央部の電極を駆動電極と
し、両端の電極を検出電極として利用する。発振回路か
ら抵抗を介さずに圧電素子に駆動信号が与えられている
ため、その抵抗がある場合に比べ、駆動電圧が高くなり
振動速度を早くすることができる。結果として、振動ジ
ャイロの感度を高めることができる。
【0177】また、2対の両端の電極を検出用の電極と
して利用する。これにより、1対のみのを検出用として
利用する場合に比べ、2倍の出力信号が得られ、振動ジ
ャイロの感度を高くすることができる。
【0178】また、圧電素子の幅方向の屈曲振動の先鋭
度が、その厚み方向の屈曲振動の先鋭度と比較して大き
い場合には、3分割された電極のうち、各対の両端の電
極を駆動電極として用いる。共振の先鋭度が高い方の屈
曲振動を駆動するため、振動速度を速めることができ、
感度を高めることができる。更に、発振回路と電極とが
抵抗を介さずに直接接続される。従って、発振回路と直
列接続された抵抗がないため、その抵抗がある場合と比
べ、駆動電圧を高めることが可能となる。駆動電圧が高
まれば、速い振動速度を得ることができ、振動ジャイロ
の感度を高めることができる。
【0179】また、各対の電極間に駆動信号を与えるこ
とで、1対のみ駆動信号を与える場合に比べ、駆動電流
密度を2倍にすることができ、振動速度を高速化するこ
とができる。結果、振動ジャイロの感度を高めることが
できる。
【0180】本発明に係る圧電素子は、表裏主面上及び
側面上に、それぞれ幅方向、厚み方向に平行した4対の
電極を有している。主面上に形成された幅方向に平行さ
れた2対の電極を駆動用電極として利用して、2対間に
駆動信号を与える。側面上に形成された厚み方向に分割
された2対の電極を検出用電極として利用する。これに
より、発振回路と直列接続された抵抗がないため、その
抵抗がある場合と比べ、駆動電圧を高めることが可能と
なる。駆動電圧が高まると、速い振動速度を得ることが
でき、振動ジャイロの感度を高めることができる。
【0181】また2対の側面上の電極を検出用電極とし
て利用するため、1対の場合に比べ、2倍の出力信号が
得られ、振動ジャイロの感度を高めることができる。
【0182】また、厚み方向の屈曲振動の共振の先鋭度
と比較して、幅方向の屈曲振動の共振の先鋭度が高い場
合には、幅方向に平行された2対の電極で、各対を成す
電極間に駆動信号を与えて、幅方向の屈曲振動を圧電駆
動させる。1対の電極間のみで駆動する場合に比べ、駆
動電流が2倍となり、振動速度を早くすることができ
る。結果、振動ジャイロの感度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る圧電素子の実装
図である。
【図2】 (a)は、本発明の実施の形態1に係る圧電
素子の斜視図であり、(b)は、(a)のA−A’線に
沿って切断した本発明の実施の形態1に係る圧電素子の
断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る圧電素子の製造
方法を示す工程図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る圧電素子の製造
における圧電体の直接接合による接合の原理を示す図で
ある。
【図5】 (a)は、本発明の振動ジャイロに用いる圧
電素子の厚さ方向への屈曲振動を示す図であり、(b)
は、本発明の振動ジャイロに用いる圧電素子の幅方向へ
の屈曲振動を示す図である。
【図6】 本発明の振動ジャイロに用いる圧電素子の屈
曲振動を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係る振動ジャイロの
回路構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態1に係る角速度の信号波
形を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態1に係る差動増幅回路の
出力信号波形を示す図である。
【図10】 (a)は、本発明の実施の形態1に演算回
路の出力信号波形を示す図であり、(b)は、本発明の
実施の形態1に同期検波回路の出力信号波形を示す図で
ある。
【図11】 本発明の実施の形態1に係る振動ジャイロ
の回路構成の他の構成を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態2に係る圧電素子の実
装図である。
【図13】 (a)本発明の実施の形態2に係る圧電素
子の斜視図であり、(b)は、本発明の実施の形態2に
係る圧電素子の(a)のA−A’線で切断した断面図で
ある。
【図14】 本発明の実施の形態2に係る振動ジャイロ
の回路構成図である。
【図15】 本発明の実施の形態2に係る振動ジャイロ
の回路構成の他の構を示す図である。
【図16】 本発明の実施の形態3に係る圧電素子の実
装図である。
【図17】 (a)は、本発明の実施の形態3に係る圧
電素子の斜視図であり、(b)は、本発明の実施の形態
3に係る圧電素子の(a)に示すA−A’線で切断した
断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態3に係る振動ジャイロ
の回路構成図である。
【図19】 本発明の実施の形態3に係る振動ジャイロ
の回路構成の他の構成を示す図である。
【図20】 (a)は、従来例の片持ち梁型圧電素子の
斜視図でり、(b)は、(a)に示すA−A’線で切断
した従来例の片持ち梁型圧電素子の断面図である。
【図21】 振動ジャイロの回路構成の従来例である。
【図22】 本発明の実施の形態1に係る圧電素子の他
の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1、61、71 圧電素子 3 圧電体部 9 第1の対向電極部 14 支持体部 4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、7b、8
a、8b、14a、14b、14c、15a、15b、
15c、16a、16b、16c 電極 5’、6’ 電極層 10、11、14 圧電体 10’、11’、14’ 圧電体基板 14a、14b 貫通穴 14 支持体部 19 第2の対向電極部 20a、20b、21a、21b、22a、22b、2
2c、23a、23b、23c、24a、24b、25
a、25b 引出電極 30、30a、30b、31、31a、31b 抵抗 32 発振回路 33a、33b 差動増幅回路 34 演算回路 35 同期検波回路 36 直流増幅回路 40 基板 50 回路素子部 60 角速度信号検出部 70 外部電極部 91 駆動振動の方向 92 コリオリ力の方向 L1、L2、L3 圧電基板間の距離 C 中心点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 光洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 守時 克典 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F105 AA08 BB02 CC06 CD02 CD06 CD11 CD13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 2つの圧電体を分極軸が対向するように接合して形成さ
    れ、大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、 前記圧電体部を前記基板に固定する支持体部と、 前記第1対向面の一方に形成された第1電極及び第2電
    極と、 前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電
    極と、 正位相の交流信号を前記第1電極と第2電極に印加し、
    逆位相の交流信号を前記第3電極と前記第4電極に印加
    し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手
    段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第1
    電極と第2電極とに発生する電荷を検出し、第1の角速
    度検出信号を出力する第1検出手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第3
    電極と第4電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速
    度検出信号を出力する第2検出手段と、 第1の角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合
    角速度検出信号を検出する複合角速度検出手段を有する
    ことを特徴とする角速度検出装置。
  2. 【請求項2】 基板と、 2つの圧電体を分極軸が対向するように接合して形成さ
    れ、大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、 前記圧電体部を前記基板に固定する支持体部と、 前記第1対向面の一方に形成された第1電極及び第2電
    極と、 前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電
    極と、 正位相の交流信号を前記第2電極と第3電極に印加し、
    逆位相の交流信号を前記第1電極と前記第4電極に印加
    し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手
    段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第1
    電極と第3電極とに発生する電荷を検出し、第1の角速
    度検出信号を出力する第1検出手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第2
    電極と第4電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速
    度検出信号を出力する第2検出手段と、 第1の角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合
    角速度検出信号を検出する複合角速度検出手段を有する
    ことを特徴とする角速度検出装置。
  3. 【請求項3】 基板と、 2つの圧電体を分極軸が対向するように接合して形成さ
    れ、大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、 前記圧電体部を前記基板に固定する支持体部と、 前記第1対向面の一方に形成された第1電極及び第2電
    極と第5電極と、 前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電
    極と第6電極と、 正位相の交流信号を前記第5電極に印加し、逆位相の交
    流信号を前記第6電極に印加し、前記圧電体部に一方向
    の屈曲振動を励振する駆動手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第1
    電極と第2電極とに発生する電荷を検出し、第1の角速
    度検出信号を出力する第1検出手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第3
    電極と第4電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速
    度検出信号を出力する第2検出手段と、 第1の角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合
    角速度検出信号を検出する複合角速度検出手段を有する
    ことを特徴とする角速度検出装置。
  4. 【請求項4】 基板と、 2つの圧電体を分極軸が対向するように接合して形成さ
    れ、大略矩形状の第1対向面を有する圧電体部と、 前記圧電体部を前記基板に固定する支持体部と、 前記第1対向面の一方に形成された第1電極及び第2電
    極と第5電極と、 前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電
    極と第6電極と、 正位相の交流信号を前記第2電極と第3電極に印加し、
    逆位相の交流信号を前記第1電極と前記第4電極に印加
    し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手
    段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第5
    電極と第6電極とに発生する電荷を検出し、第1の角速
    度検出信号を出力する第1検出手段を有することを特徴
    とする角速度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記第5電極と前記第6電極は、前記圧
    電体部を介して対向することを特徴とする請求項3から
    4のいずれかに記載された角速度検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第5電極は、前記第1電極と第2電
    極との幅方向の間に形成され、前記第6電極は、前記第
    3電極と第4電極との幅方向の間に形成されていること
    を特徴とする請求項3から4のいずれかに記載された角
    速度検出装置。
  7. 【請求項7】 基板と、 2つの圧電体を分極軸が対向するように接合し、大略矩
    形状の第1対向面と第2対向面を有する圧電体部と、 前記圧電体部を前記基板に固定する支持体部と、 前記第1対向面の一方に形成された第1電極及び第2電
    極と、 前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電
    極と、 前記第2対向面の一方に形成された第7電極及び第8電
    極と、 前記第2対向面の他方に形成された第9電極及び第10
    電極と、 正位相の交流信号を前記第1電極と第2電極に印加し、
    逆位相の交流信号を前記第3電極と前記第4電極に印加
    し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動手
    段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第7
    電極と第9電極とに発生する電荷を検出し、第1の角速
    度検出信号を出力する第1検出手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第8
    電極と第10電極とに発生する電荷を検出し、第2の角
    速度検出信号を出力する第2検出手段と、 第1の角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合
    角速度検出信号を検出する複合角速度検出手段を有する
    ことを特徴とする角速度検出装置。
  8. 【請求項8】 基板と、 2つの圧電体を分極軸が対向するように接合し、大略矩
    形状の第1対向面と第2対向面を有する圧電体部と、 前記圧電体部を前記基板に固定する支持体部と、 前記第1対向面の一方に形成された第1電極及び第2電
    極と、 前記第1対向面の他方に形成された第3電極及び第4電
    極と、 前記第2対向面の一方に形成された第7電極及び第8電
    極と、 前記第2対向面の他方に形成された第9電極及び第10
    電極と、 正位相の交流信号を前記第8電極と第9電極に印加し、
    逆位相の交流信号を前記第7電極と前記第10電極に印
    加し、前記圧電体部に一方向の屈曲振動を励振する駆動
    手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第1
    電極と第3電極とに発生する電荷を検出し、第1の角速
    度検出信号を出力する第1検出手段と、 前記一方向に垂直な他方向の屈曲振動に応じて前記第2
    電極と第4電極とに発生する電荷を検出し、第2の角速
    度検出信号を出力する第2検出手段と、 第1の角速度検出信号と第2の角速度検出信号から複合
    角速度検出信号を検出する複合角速度検出手段を有する
    ことを特徴とする角速度検出装置。
  9. 【請求項9】 前記第7電極及び第8電極は、前記第2
    対向面の一方の幅方向に相対して形成され、前記第9電
    極及び第10電極は、前記第2対向面の他方の幅方向に
    相対して形成されていることを特徴とする請求項7又は
    8のいずれかに記載された角速度検出装置。
  10. 【請求項10】 前記第7電極と前記第9電極は、前記
    圧電体部を介して対向し、前記第8電極と前記第10電
    極は、前記圧電体部を介して対向していることを特徴と
    する請求項7又は8のいずれかに記載された角速度検出
    装置。
  11. 【請求項11】 前記第1電極及び第2電極は、前記第
    1対向面の一方の幅方向に相対して形成され、前記第3
    電極及び第4電極は、前記第1対向面の他方の幅方向に
    相対して形成されていることを特徴とする請求項1から
    4又は6から7のいずれかに記載された角速度検出装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第1電極と前記第3電極は、前記
    圧電体部を介して対向し、前記第2電極と前記第4電極
    は、前記圧電体部を介して対向していることを特徴とす
    る請求項1から4又は6から7のいずれかに記載された
    角速度検出装置。
  13. 【請求項13】 前記支持体部は、前記圧電体部の少な
    くとも長手方向の一端部に設けられていることを特徴と
    する請求項1から4又は7から8のいずれかに記載され
    た角速度検出装置。
  14. 【請求項14】 前記圧電体部の接合は、酸素原子又は
    水酸基のうちの少なくとも1つを介する直接接合により
    行われることを特徴とする請求項1から4又は7から8
    のいずれかに記載された角速度検出装置。
  15. 【請求項15】 前記圧電体部と前記支持体部との接合
    は、酸素原子又は水酸基のうちの少なくとも1つを介す
    る直接接合により行われることを特徴とする請求項1か
    ら4又は7から8のいずれかに記載された角速度検出装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009247128A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Taiyo Yuden Co Ltd 圧電振動型発電機

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