JP2002277091A - 吸収冷凍機及びその運転方法 - Google Patents

吸収冷凍機及びその運転方法

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JP2002277091A JP2001079147A JP2001079147A JP2002277091A JP 2002277091 A JP2002277091 A JP 2002277091A JP 2001079147 A JP2001079147 A JP 2001079147A JP 2001079147 A JP2001079147 A JP 2001079147A JP 2002277091 A JP2002277091 A JP 2002277091A
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信明 山内
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央 中里
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    • Y02B30/62Absorption based systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】低負荷域での効率を向上できるとともに、作り
勝手が良く運搬及び納入等も容易で省スペースで設置で
きる吸収冷凍機を得ることにある。 【解決手段】蒸発器、吸収器、再生器6、7、及び凝縮器
3を備え、水を冷媒とし臭化リチウム溶液を吸収剤とし
て用い、熱を駆動源とした吸収冷凍機を前提とする。蒸
発器11又は41、この蒸発器の冷媒ノズル20又は40に冷媒
を供給する冷媒ポンプ13又は43、吸収器12又は42、及び
この吸収器内の低濃度の臭化リチウム溶液を再生器側に
供給する溶液ポンプ14又は44を有する2つの蒸発器・吸
収器系統1、2を設ける。両系統の内の1系統のみを用
いる片肺運転と、両系統を共に用いる両肺運転とを切換
える切換え弁22、31、33、34、52、61、63、64、84、85、及び19、
49を設ける。低負荷域では片肺運転をして、この時に運
転される系統に流れる臭化リチウム溶液量を多く確保す
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収冷凍機に係
り、特に、大容量機を構成するのに好適な吸収冷凍機に
関する。
【0002】
【従来の技術】吸収冷凍機は、水を冷媒、臭化リチウム
溶液を吸収剤とし、熱を駆動源とした冷凍機であって、
排熱利用に有効な冷凍機である。この吸収冷凍機は、蒸
発器、吸収器、再生器、及び凝縮器を主要機器として構
成され、蒸発器及び凝縮器の内部は高真空(絶対圧力で
6〜7mmHg)に保持されている。そして、従来の吸収
冷凍機では蒸発器及び凝縮器が夫々単機備えられてい
て、これらは吸収冷凍機の冷凍能力に合わせた大きさに
形成されている。
【0003】ところで、従来の吸収冷凍機の冷凍能力は
最大でも2500RTであるが、この吸収冷凍機の冷凍
能力を例えば5000RTに高めるには、それに応じて
単機構成の蒸発器及び凝縮器の能力も向上させなければ
ならない。そのためには、蒸発器及び凝縮器を夫々大型
化することで対応できるが、単に蒸発器及び凝縮器を夫
々大型にすることは、それに応じて大きな設置スペース
が必要となる。
【0004】しかし、吸収冷凍機の設置スペースには制
限があることが多いので、既述のように単機を大形にす
ることは、設置上不適当となる場合が多いと考えられ
る。しかも、蒸発器及び凝縮器が大型になるほど、その
作り勝手が悪くなるとともに、運搬及び設置場所への納
入等も行いずらくなる。
【0005】図3は従来の吸収冷凍機の蒸気消費率と負
荷との関係を示す特性図であって、この図中符号Aは吸
収冷凍機の仕様によって定められる定格点であり、この
定格点Aでの負荷は略100%である。又、定格点Aを
通って図2中下側に凸となる円弧を描いた特性曲線Bか
ら分かるように略40%以下の負荷域では、定格点Aの
レベルCを上回る蒸気消費率となっている。この図3か
ら理解されるように吸収冷凍機は、特性曲線Bと前記レ
ベルCとの交点Dと定格点Aとの間の負荷域の中でも、
前記特性曲線Bが最も下がった領域、つまり略60〜8
0%の負荷域で蒸気消費率が低く最も効率良く運転でき
るが、負荷が約40%以下の低負荷域になると、蒸気消
費率が定格点Aでの蒸気消費率を上回って必要となり、
冷凍機全体の効率が低下するという傾向がある。
【0006】吸収冷凍機は、部分負荷域での運転の効率
が定格条件での効率を上回る等、部分負荷特性が他の冷
凍機に比較して良好な冷凍機であるが、それでも既述の
ように低負荷域での効率は定格条件での効率より低下す
る。その理由は、低負荷域での運転においては冷凍機内
を流れる臭化リチウム溶液の流量が減り過ぎ、特に、単
機構成の吸収器での臭化リチウム溶液の流量が減り過ぎ
て、この吸収器が有する吸収器チューブが乾いて、その
伝熱面を有効に使用できなくなることにあると考えられ
ている。その結果、低負荷域では、その負荷に対して吸
収器の伝熱面積が過剰になって、吸収性能が低下し、そ
れに伴って冷凍機全体の効率低下がもたらされる。この
ような事情から、吸収冷凍機を例えば大容量化するに際
しては、以上のような低負荷域での運転においても効率
を向上させることが要請されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低負荷域での効率を向上できる吸収冷凍機
の運転方法を得ることにあり、又、低負荷域での効率を
向上できるとともに、作り勝手が良く運搬及び納入等も
容易で省スペースで設置できる吸収冷凍機を得ることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吸収冷凍機
の運転方法は、冷媒を散布する冷媒ノズルを有した蒸発
器、前記ノズルに冷媒を供給する冷媒ポンプ、前記蒸発
器で発生した冷媒蒸気に濃度の濃い臭化リチウム溶液を
散布する溶液ノズルを有した吸収器、及びこの吸収器内
の低濃度の臭化リチウム溶液を再生器側に供給する溶液
ポンプを夫々有する蒸発器・吸収器系統を複数備える吸
収冷凍機の運転方法を前提とする。そして、前記課題を
解決するために、所定負荷以下では複数の前記蒸発器・
吸収器系統のうちの一部の系統を使用するとともに他の
系統を休止して運転し、前記所定負荷より大きい負荷域
では、前記一部の系統と、前記休止した系統の内の少な
くとも一部の系統とを共に使用して運転することを特徴
としている。
【0009】又、本発明に係る吸収冷凍機は、冷媒ノズ
ルを有し冷水が流通する蒸発器チューブに前記冷媒ノズ
ルから冷媒を散布することにより前記冷媒を蒸発気化さ
せて冷媒蒸気とする蒸発器と、溶液ノズルを有し前記蒸
発器で発生した冷媒蒸気を前記溶液ノズルから散布され
る濃度の濃い臭化リチウム溶液に吸収させる吸収器と、
前記冷媒蒸気を吸収して低濃度となった臭化リチウム溶
液を加熱してこの溶液中の冷媒を蒸発させて濃度が濃く
なった臭化リチウム溶液を前記吸収器に供給する再生器
と、この再生器で発生した冷媒蒸気を凝縮させて凝縮液
化した冷媒を前記蒸発器に供給する凝縮器とを備えた吸
収冷凍機を前提とする。そして、前記課題を解決するた
めに、前記蒸発器、前記冷媒ノズルに冷媒を供給する冷
媒ポンプ、前記吸収器、及び前記吸収器内の低濃度の臭
化リチウム溶液を前記再生器側に供給する溶液ポンプを
有する蒸発器・吸収器系統を複数設けて、所定負荷以下
では複数の前記蒸発器・吸収器系統のうちの一部を使用
するとともに他の系統を休止して運転させ、かつ、前記
所定負荷より大きい負荷域では、前記一部の系統と、前
記休止した系統の内の少なくとも一部の系統とを共に使
用して運転させる切換え弁を設けたことを特徴としてい
る。
【0010】又、本発明に係る吸収冷凍機においては、
前記冷水の流通配管に、この配管を通る前記冷水の温度
を検出する冷水温度センサを取付け、このセンサが検出
する前記冷水の温度に基づいて前記所定負荷であるかど
うかを判定するとよい。この場合、冷水温度センサは冷
水の入口温度又は出口温度を検出すればよい。
【0011】又、本発明に係る吸収冷凍機においては、
低負荷域での循環流特性を低負荷に適合させて、低負荷
域での効率をより向上させるために、高圧再生器の溶液
出口から熱交換器を経た臭化リチウム溶液を導いて、こ
の溶液を低圧再生器で得た濃度の濃い臭化リチウム溶液
と合流する溶液ラインに、第1流量調節弁を設け、この
調節弁をバイパスするバイパス流路を1以上接続し、こ
のバイパス流路に、第2流量調節弁及び前記所定負荷以
下では閉じており前記所定負荷より大きい負荷域では開
かれる自動開閉弁を設けるとよい。
【0012】なお、本発明に係る吸収冷凍機及びその運
転方法において、所定負荷は任意に定めることができる
とともに、蒸発器・吸収器系統は2系統以上あればよ
く、又、本発明に係る吸収冷凍機において、切換え弁の
切換えは手動又は自動で実施することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して本
発明の一実施形態を説明する。
【0014】図1は一実施形態に係る吸収冷凍機の概略
構成図である。この図1に示されるように吸収冷凍機
は、第1、第2の蒸発器・吸収器系統1、2と、再生器
と、凝縮器3と、低温熱交換器4と、高温熱交換器5と
を主要機器として備えており、水を冷媒とし、臭化リチ
ウム溶液を吸収剤とし、かつ、地域冷暖房用の蒸気を熱
源とするものであって、大容量機、例えば5000RT
の冷凍能力を発揮するように構成されている。
【0015】再生器には、熱効率を上げ加熱エネルギー
を減少させる目的で再生器を2段に配置してなる二重効
用型のものが使用されている。つまり、再生器には、臭
化リチウム希溶液を加熱する高圧再生器6と、この再生
器6で発生した高温の冷媒蒸気を加熱源として臭化リチ
ウム希溶液を更に加熱する低圧再生器7とを備えてい
る。
【0016】第1蒸発器・吸収器系統1は、蒸発器11
と、吸収器12と、冷媒ポンプ13と、溶液ポンプ14
とを備えている。蒸発器11と吸収器12とは同一のシ
ェル(高真空容器)内に構成されている。蒸発器11内
には蒸発器チューブ15(多段の伝熱管群の使用が好ま
しい。)が配置されている。このチューブ15には膜蒸
発促進管が好適に用いられている。蒸発器チューブ15
には冷水入口ライン(冷水流通配管)16を介して冷水
が供給され、蒸発器チューブ15を流通した冷水は冷水
出口ライン(冷水流通配管)17を通って、このライン
17に取付けた冷水ポンプ18を経た後に調節弁19を
通って外部に流出される。冷水入口ライン16に与えら
れる冷水は、ビルの冷房装置等(冷房負荷)に利用され
たものであり、その利用により約13℃に温度上昇して
いる。冷水入口ライン16(又は冷水出口ライン17で
もよい。)には、その流路を開閉できる操作弁22が取
付けられている。
【0017】蒸発器11内には蒸発器チューブ15と対
向して冷媒ノズル20が配置されており、蒸発器11の
底部に開閉弁を介して連通された冷媒ポンプ13によっ
て汲み上げられた冷媒(水)は、冷媒ライン(冷媒配
管)21を流通して冷媒ノズル20に供給される。この
蒸発器11は、既述のように高圧真空容器内に構成され
ているから、スプレー膜蒸発方式により冷媒ノズル20
から蒸発器チューブ15に向けて散布された冷媒は、4
℃〜6℃位で沸騰して蒸発気化する。そのため、蒸発器
チューブ15内を流れる冷水は、冷媒に与えた蒸発潜熱
分に応じて温度低下し、例えば6℃の冷水となって流出
される。この冷水は冷房負荷に送られて利用され、それ
により、約13℃に温度上昇して冷水入口ライン16に
流入される。
【0018】吸収器12内には、吸収器チューブ25
(多段の伝熱管群の使用が好ましい。)が配置されてい
る。このチューブ25にも膜蒸発促進管が好適に用いら
れている。吸収器チューブ25には冷却水入口ライン
(冷却水入口配管)26により導かれる約32℃の冷却
水が調節弁27を通って供給され、吸収器チューブ25
を流通した冷却水は冷却水出口ライン(冷却水出口配
管)28を通って外部に流出される。冷却水にはクーリ
ングタワー水又は他の水源よりの水が利用され、その入
口温度は例えば略32℃である。吸収器12内には吸収
器チューブ25と対向して溶液ノズル29が配置されて
おり、このノズル29には、濃溶液ポンプ30、60の
少なくとも一方により圧送される臭化リチウム濃溶液が
供給される。この供給は、濃溶液ポンプ30、60から
操作弁31、61を経て低温熱交換器4を通った後、溶
液ライン(溶液配管)32を経由して、このライン32
に設けた操作弁33を通って導かれる。
【0019】それにより、臭化リチウム濃溶液が吸収器
チューブ25に向けて散布される。こうして散布された
臭化リチウム濃溶液は、蒸発器11で形成されて吸収器
12に流入してきた冷媒蒸気を吸収して、その濃度が希
釈され、吸収器12の底部に集められる。又、この吸収
に伴う反応熱は、吸収器チューブ25内を流通する冷却
水によって外部に取出される。そのため、この熱交換に
より冷却水出口ライン26に吐出される冷却水の温度は
例えば約40℃となる。
【0020】そして、濃度が薄くなって吸収器12の底
部に集められた臭化リチウム希溶液は、前記底部に開閉
弁を介して連通された溶液ポンプ14により吸収器12
外に圧送され、溶液ライン(溶液配管)35を介して低
温熱交換器4に供給され、更に、この交換器4から高温
熱交換器5に供給される。高温熱交換器5を流通した臭
化リチウム希溶液は、溶液ライン(溶液配管)36を通
って高圧再生器6内に供給される。
【0021】第2蒸発器・吸収器系統2は、前記第1蒸
発器・吸収器系統1と同じ構成である。つまり、蒸発器
41と、吸収器42と、冷媒ポンプ43と、溶液ポンプ
44とを備えている。蒸発器41と吸収器42とは同一
のシェル(高真空容器)内に構成されている。蒸発器3
1内には蒸発器チューブ45(多段の伝熱管群の使用が
好ましい。)が配置されている。このチューブ45には
膜蒸発促進管が好適に用いられている。蒸発器チューブ
45にも冷水入口ライン(冷水流通配管)46を介して
冷水が供給され、蒸発器チューブ45を流通した冷水は
冷水出口ライン(冷水流通配管)47を通って、このラ
イン47に取付けた冷水ポンプ48を経た後に調節弁4
9を通って外部に流出される。冷水入口ライン46は前
記第1蒸発器・吸収器系統1の冷水入口ライン16から
分岐されている。そのため、この冷水入口ライン46に
も冷房負荷に利用されて約13℃に温度上昇した冷水が
与えられる。冷水入口ライン46(又は冷水出口ライン
47でもよい。)には、その流路を開閉できる操作弁5
2が取付けられている。
【0022】互いに並設された冷水ポンプ18、48の
吐出し口は、操作弁19又は49を個別に介した後に合
流され、冷房負荷に接続されている。前記合流点より下
流側のライン(流通配管)65には、これを通る冷水の
出口温度を検出する冷水温度センサ66が取付けられて
いる。このセンサ66の検出情報は、吸収冷凍機全般の
制御を担うコントローラ67に供給される。コントロー
ラ67は冷水温度センサ66の検出情報を基に、吸収冷
凍機の負荷が所定負荷以下で運転されているのか、それ
ともこの所定負荷よりも大きい負荷で運転されているの
かを判定する運転負荷判定手段を有している。
【0023】図2は本実施形態に係る吸収冷凍機の蒸気
消費率と負荷との関係を示す特性図であって、この図中
符号Aは吸収冷凍機の仕様によって定められる定格点で
あり、この定格点Aでの負荷は略100%である。又、
本実施形態では、通常言われている低負荷域の上限、つ
まり、略40%の負荷よりも多少大きい負荷、例えば略
50%の負荷を所定の負荷であるかどうかの基準値とし
て設定し、この略50%の負荷が前記運転負荷判定手段
により自動的に判定されるようになっている。なお、図
2中Eは略40%以下の低負荷域を示しており、Fは略
50%の負荷点から定格点Aにわたる負荷域を示してい
る。更に、図2中Gは本実施形態に係る吸収冷凍機の特
性曲線を示しており、この曲線Gは、前記略50%の負
荷を境に、負荷域Fでの曲線部G1と、低負荷域Eでの
曲線部G2とからなる。そして、図2中点線で示す曲線
部G3とこれに連続する曲線部G1とで表される特性曲
線は、本実施形態の吸収冷凍機が後述のように両肺運転
された場合における特性を示し、曲線部G2は本実施形
態の吸収冷凍機が後述のように低負荷域E側で片肺運転
された場合における特性曲線を示している。
【0024】又、蒸発器41内には蒸発器チューブ45
と対向して冷媒ノズル50が配置されており、蒸発器4
1の底部に開閉弁を介して連通された冷媒ポンプ43に
よって汲み上げられた冷媒(水)は、冷媒ライン(冷媒
配管)51を流通して冷媒ノズル50に供給される。し
たがって、この蒸発器41においても、スプレー膜蒸発
方式により冷媒ノズル50から蒸発器チューブ45に向
けて散布された冷媒が、4℃〜6℃位で沸騰して蒸発気
化するため、蒸発器チューブ45内を流れる冷水は、冷
媒に与えた蒸発潜熱分に応じて温度低下し、例えば6℃
の冷水となって流出される。この冷水は冷房負荷に送ら
れて冷房に利用され、それにより約13℃に温度上昇し
て冷水入口ライン46に流入される。
【0025】吸収器42内には、吸収器チューブ55
(多段の伝熱管群の使用が好ましい。)が配置されてい
る。このチューブ55にも膜蒸発促進管が好適に用いら
れている。吸収器チューブ55には前記冷却水入口ライ
ン26により導かれる約32℃の冷却水が調節弁57を
介して供給され、吸収器チューブ55を流通した冷却水
は前記冷却水出口ライン28を通って外部に流出され
る。吸収器42内には吸収器チューブ55と対向して溶
液ノズル59が配置されており、このノズル59には、
濃溶液ポンプ30、60の少なくとも一方により圧送さ
れる臭化リチウム濃溶液が供給される。この供給は、濃
溶液ポンプ30、60から操作弁31、61を経て低温
熱交換器4を通った後、前記溶液ライン32から分岐さ
れた溶液ライン(溶液配管)62を経由して、このライ
ン62に設けた操作弁63を通って導かれる。
【0026】それにより、臭化リチウム濃溶液が吸収器
チューブ45に向けて散布される。こうして散布された
臭化リチウム濃溶液は、蒸発器41で形成されて吸収器
42に流入してきた冷媒蒸気を吸収して、その濃度が希
釈され、吸収器42の底部に集められる。又、この吸収
に伴う反応熱は、吸収器チューブ55内を流通する冷却
水によって外部に取出される。そのため、この熱交換に
より冷却水出口ライン26に吐出される冷却水の温度は
例えば約40℃となる。
【0027】そして、濃度が薄くなって吸収器42の底
部に集められた臭化リチウム希溶液は、前記底部に開閉
弁を介して連通された溶液ポンプ44により吸収器42
外に操作弁64を介して圧送された後、前記溶液ライン
35に合流して、このライン35を通って低温熱交換器
4に供給され、更に、この交換器4から高温熱交換器5
に供給される。互いに並設された濃溶液ポンプ30、6
0の吐出し口は、操作弁31又は61を個別に経た後に
合流されて低温熱交換器4に接続されている。
【0028】前記高圧再生器6が有した伝熱管71に
は、図示しない地域冷暖房設備から高温の蒸気が調節弁
72を介して供給される。伝熱管71は、高圧再生器6
に供給された臭化リチウム希溶液を加熱するもので、そ
の加熱により前記希溶液から一部の冷媒を蒸発気化させ
て、濃度が中程度の臭化リチウム中溶液を作る。こうし
て得られた臭化リチウム中溶液は溶液ライン(溶液配
管)73を通って高温熱交換器5に供給された後、この
交換器5を通って低温熱交換器4に供給される。
【0029】高温熱交換器5では、そこに溶液ライン7
3から戻された高温の臭化リチウム中溶液を用いて、低
温熱交換器4側から供給された臭化リチウム希溶液を加
熱し、それにより溶液の濃度を高める一方で、臭化リチ
ウム中溶液を冷却する熱回収を行なう。そして、熱回収
された臭化リチウム中溶液は低圧再生器7から流出する
高濃度の臭化リチウム濃溶液と合流して、前記溶液ポン
プ30又は60により低温熱交換器4に供給され、ここ
で再び冷却された後に、吸収器12又は42のいずれか
少なくとも一方に供給されて、溶液ノズル29又は59
から散布される。
【0030】一方、高圧再生器6にて蒸発した冷媒蒸気
は、冷媒ライン(溶液配管)75を介して低圧再生器7
の再生器チューブ76に供給され、更にこのチューブ7
6から冷媒ライン77を介して前記凝縮器3の上部に配
設された冷媒ノズル78に供給される。低圧再生器7と
この上側に配置される凝縮器3とは同一のシェル(高圧
真空容器)内に構成されている。
【0031】低圧再生器7は、その再生器チューブ76
の上方に対向して配置された溶液ノズル79を有してお
り、このノズル79には低温熱交換器4と高温熱交換器
5との間から引出された溶液ライン(溶液配管)80を
通って低温熱交換器4を流通した臭化リチウム中溶液が
供給される。溶液ノズル79は臭化リチウム中溶液を再
生器チューブ76の外表面に散布する。そのため、高圧
再生器6で発生した高温の冷媒蒸気が流れている再生器
チューブ76によって、散布された臭化リチウム中溶液
が加熱される。それにより、この中溶液に含まれている
冷媒の一部が蒸発して、高濃度の臭化リチウム濃溶液が
作られて、この濃溶液は低圧再生器7の底部に溜められ
る。この低圧再生器7内の臭化リチウム濃溶液は、溶液
合流ライン81を通って前記溶液ポンプ30又は60に
吸込まれ、低温熱交換器に4に供給される。
【0032】又、高圧再生器6の溶液出口6aを通って
高温熱交換器5を経て溶液合流ライン81(低圧再生器6で
得た濃度の濃い臭化リチウム溶液が導かれる。)に合流
する溶液ライン90には、第1流量調節弁91が設けら
れている。そして、この溶液ライン90には、第1流量
調節弁91をバイパスするバイパス流路92が設けられ
ている。なお、溶液ライン90は1本であり、これにバ
イパス流路92の本数を足した数と、前記複数の蒸発器
・吸収器系統の系統数とは同じであり、したがって、バイ
パス流路92は蒸発器・吸収器系統の系統数に応じて1
以上設けられる。そして、バイパス流路92には、第2
流量調節弁93と自動開閉弁94とが夫々取付けられて
いる。第1、第2の調節弁91、93の開度調節は前記
コントローラ67からの指示に基づいて実行され、その
調節によって冷凍機内を流れる冷媒流量が適当となるよ
うに調節される。自動開閉弁94の開閉もコントローラ
67からの指示に基づいて実行される。
【0033】この自動開閉弁94は、前記所定負荷(例
えば既述のように蒸発器・吸収器系統が2系統の場合に
は50%の負荷が好ましい。)以下の低負荷域側で吸収
冷凍機が片肺運転される場合には閉じて使用され、又、
前記所定負荷から前記定格点Aに至る負荷域Hで吸収冷
凍機が両肺運転される場合には開いて使用される。片肺
運転では、前記蒸発器・吸収器系統1、2の内のいずれ
か一方を使用するとともに他方を休止して吸収冷凍機が
運転される。前記所定負荷から前記定格点Aにわたる負
荷域Hでは両肺運転が行われ、この両肺運転では両蒸発
器・吸収器系統1、2を共に使用して吸収冷凍機が運転
される。
【0034】前記凝縮器3内には前記冷却水ライン26
により冷却水が供給される凝縮機チューブ82が設けら
れている。凝縮器3は、絶対圧力55mmHg(約1/1
4気圧)のもとで作動される。この凝縮器3では、冷媒
ライン77を通して供給される冷媒と、低圧再生器7で
蒸発して凝縮器3内に流入してきた冷媒蒸気とが、凝縮
器チューブ82を流通する冷却水との熱交換により冷却
凝縮して、冷媒(水)となる。この冷媒は、重力及び圧
力差によって冷媒ライン(冷媒配管)83に送出され
る。
【0035】冷媒ライン83は2系統設けられるか、図
1に示すように2系統に分岐されている。一方の冷媒ラ
イン83aは、その途中に操作弁84を設けて一方の蒸
発器11に接続され、他方の冷媒ライン83bは、その
途中に操作弁85を設けて他方の蒸発器41に接続され
ている。したがって、凝縮器3で冷却水によって凝縮液
化された冷媒は、蒸発器11、41の少なくとも一方に
供給された後、冷媒ポンプ13又は43によって蒸発器
11、41内の蒸発器チューブ15又は45の外表面に
向けて散布される。
【0036】以上の構成を備えた吸収冷凍機において、
操作弁22、31、33、34、52、61、63、6
4、84、85は、いずれもモータを動力として開閉動
作されて片肺運転と両肺運転を切換えるために使用され
る切換え弁であって、又、流量調節用の調節弁14、4
9も片肺運転と両肺運転を切換える切換え弁として使用
される。又、自動開閉弁94もモータを動力として開閉
動作される。なお、この吸収冷凍機は暖房運転をするこ
ともできるが、本発明においては関係がないので、暖房
運転時の動作説明は省略する。
【0037】前記構成の吸収冷凍機で、冷却水温度セン
サ66が検出する冷水出口ライン47を流通する冷水の
温度が所定温度よりも高い時には、吸収冷凍機の負荷が
所定負荷(50%)より高いとコントローラ67が判定
して、このコントローラ67での指令に基づいて吸収式
冷凍機は両肺運転モードで運転される。
【0038】すなわち、この運転モードでは、各操作弁
22、31、33、34、52、61、63、64、8
4、85、及び自動開閉弁94等がいずれも開いた状態
に保持されるので、各ポンプ13、14、18、30、
43、44、48、60、及び凝縮器3、再生器6、7
等の運転に伴い、第1、第2の蒸発器・吸収器系統1、
2が共に用いられて、冷媒及び吸収剤の冷凍機内に対す
る既述の循環が繰返される。このように全ての蒸発器・
吸収器系統1、2を使用する両肺運転では、図2中の曲
線部G1と、これに負荷50%のところで変曲点Jを形
成することなく滑らかに連続する曲線部G3とがなす特
性曲線にしたがって運転され、最大で5000RTの冷
凍能力を発揮する。なお、この場合、負荷が略60〜8
0%の領域で最も効率良く運転できる。
【0039】そして、冷却水温度センサ66が検出する
冷水の温度が所定温度よりも低い時には、吸収冷凍機の
負荷が所定負荷(50%)より低いとコントローラ67
が判定して、このコントローラ67での指令に基づいて
吸収式冷凍機は、複数の蒸発器・吸収器系統の内の一部
のみを使用し、他の蒸発器・吸収器系統を休止する片肺
運転モードで運転される。
【0040】すなわち、この運転モードでは、第1蒸発
器・吸収器系統1に係る各操作弁22、33、34、6
4、84、調節弁19、27、及び自動開閉弁94が、
コントローラ67からの指示に基づいて閉じられるとと
もに、各ポンプ13、14、18、及び30が停止され
る。その一方で、第2蒸発器・吸収器系統2に係る各操
作弁52、61、63、64、85、及び調節弁49、
57は、閉いたままの状態を保持するとともに、各ポン
プ43、44、48、及び60は運転状態のままに保持
される。それにより、第1蒸発器・吸収器系統1が休止
されるとともに、第2蒸発器・吸収器系統2が使用され
る片肺運転が実行される。
【0041】なお、これに代えて、コントローラ67で
の指令に基づいて第1蒸発器・吸収器系統1を使用する
とともに、第2蒸発器・吸収器系統2を休止させる片肺
運転を行なうこともできる。又、第1、第2の蒸発器・
吸収器系統1、2の内のいずれかの系統についての各操
作弁及び調節弁を省略しても、以上の片肺運転と両肺運
転とを切換えることが可能であり、この場合には弁の使
用数が削減され、冷凍機構成の簡素化とコストダウンが
可能である。しかし、本実施形態のように各蒸発器・吸
収器系統の全てに各操作弁及び調節弁を設けて運転モー
ドを切換えるようにした構成では、低負荷運転をするた
びに第1、第2の蒸発器・吸収器系統1、2を交互に使
用可能であるから、一部の蒸発器・吸収器系統のみが常
に使用されてそれが他の系統より早く劣化することがな
く、冷凍機全体の耐久性が高い点で優れている。
【0042】以上のように負荷が50%を下回った負荷
域では片肺運転が実行されるから、この時、再生器6、
7側から第1、第2の蒸発器・吸収器系統1、2に向け
て還流する冷媒は、第2蒸発器・吸収器系統2のみに供
給される。そのために、蒸発器41に戻される冷媒の散
布量が一定の保持されて、この蒸発器41の性能低下が
ないばかりでなく、蒸発器41と対をなす吸収器42に
対する臭化リチウム溶液の循環量が増加される。
【0043】すなわち、吸収冷凍機では、負荷が減少す
ると吸収冷凍機内の臭化リチウム溶液の循環量が減少す
るとともに、吸収器の伝熱面積も減少することが知られ
ている。吸収器の管群(吸収器チューブ)は負荷100
%で臭化リチウム溶液の循環量が最適となるように設計
されているので、この設計において既述のように50%
の負荷以下に臭化リチウムの溶液循環量が下がった時に
片肺運転となって、この運転で使用されない片方の吸収
器12への臭化リチウム溶液の供給が停止される。その
ため、冷凍機内を循環する全ての臭化リチウム溶液が片
肺運転において使用される方の吸収器42の管群一個に
流されるから、この吸収器42の管群一個に対する臭化
リチウム溶液の循環量を倍増できる。
【0044】したがって、吸収器42の吸収器チューブ
55が乾くことが抑制され、その伝熱面を有効に使用で
きるようになるから、吸収器42の吸収性能の低下が抑
制されて、低負荷域(定格点AのレベルCを上回る蒸気
消費率を要する負荷域であって、図2中負荷約40%以
下の負荷域。)での冷凍機の効率を向上できる。
【0045】なお、以上の運転モード変更に際しては、
例えば45%から55%の負荷変動が掛った時には、両
肺運転から片肺運転への移行、又はこの逆への移行が繰
返されて制御上の安定性を欠く恐れがある。そこで、実
際的には、例えば負荷が50%以上に増加した時には両
肺運転とするとともに、この両肺運転を負荷が40%以
下となっても過度的には維持し、負荷が40%以下にな
ってはじめて片肺運転に移行するように構成するとよ
い。このように構成することにより、制御上のチャタリ
ングを解消して安定した制御が可能である。
【0046】ところで、以上の低負荷域での片肺運転に
おいては、両肺運転時に比較して使用される蒸発器・吸
収器系統の伝熱面積が半分になるに伴い、この片肺運転
時に使用される第2蒸発器・吸収器系統2に流通する臭
化リチウム溶液が増加して、その濃度が濃い目になるこ
とが実証試験の結果判明した。しかし、前記構成の吸収
冷凍機は、高圧再生器6の溶液出口6aに連通して設け
られて溶液合流ライン81に合流する溶液ライン90を
バイパスするバイパス流路92の自動開閉弁94を、片
肺運転時には閉じて溶液流量を適正に絞って、冷凍機内
の循環流特性を部分負荷(低負荷)に合わせることがで
きる。つまり、溶液合流ライン81に導かれる臭化リチ
ウム濃溶液に対して、濃度が中程度の臭化リチウム中溶
液の合流量が少なくなり、それに応じて濃溶液ポンプ6
0により吸収器42に送り込まれる臭化リチウム溶液の
濃度を薄めることができる。このような臭化リチウム溶
液の循環量の減少に伴う濃度調節により、片肺運転時に
使用されている第2蒸発器・吸収器系統2に対する臭化
リチウム溶液の量を、冷凍機内の臭化リチウム溶液の濃
度バランスに適合するように改善できる。それにより、
吸収冷凍機の効率を向上できる。
【0047】以上のように前記構成の吸収冷凍機は、低
負荷域では両肺運転から片肺運転に移行することによっ
て、その時に使用される蒸発器・吸収器系統の蒸発器4
1及び吸収器42の性能低下を防止して、蒸気消費率の
悪化を防止できる。こうした部分負荷時の蒸気消費率の
改善は図2中曲線部G2で示される。
【0048】そして、前記のように両肺運転から片肺運
転への移行、又はこの逆への移行は、既述のように冷水
出口ライン65に取付けた冷水温度センサ66で、冷水
出口ライン65を通る冷水の温度を検出し、その検出温
度に基づいて低負荷域であるかどうかを判定して行なう
から、運転切換えの基準として設定される所定負荷を簡
単に判定でき、それに基づいて負荷に応じた両肺運転又
は片肺運転をすることができる。
【0049】又、以上のように負荷の大きさに応じて運
転モードを切り換えて使用される前記構成の吸収冷凍機
は、その蒸発器・吸収器系統を2系統に分けて、冷凍能
力が5000RTとなるように大容量化した構成であ
る。そのため、単機構成の蒸発器及び凝縮器を夫々大型
化して冷凍能力を5000RTに向上させる場合に比較
して、両蒸発器・吸収器系統1、2の蒸発器11、4
1、及び吸収器12、42を小形にでき、それに伴い第
1、第2の蒸発器・吸収器系統1、2を小型に作ること
ができる。
【0050】したがって、単機構成の蒸発器及び凝縮器
を夫々大型化して能力を向上させる場合に比較して冷凍
機全体の設置スペースが小さくて済む。ちなみに、冷凍
能力5000RTの本実施形態に係る吸収冷凍機の設置
面積は74.1m2であり、これは従来機対比で約25
%の省スペース化を図ることができた。
【0051】更に、既述のように第1、第2の蒸発器・
吸収器系統1、2を、単機構成の蒸発器及び凝縮器を夫
々大型化して能力を向上させる場合に比較して小型に作
ることができるので、これら蒸発器・吸収器系統1、2
の作り勝手が良くなるとともに、その運搬及び設置場所
への納入等も容易にできる。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0053】蒸発器・吸収器系統を複数備える吸収冷凍
機の運転方法であって、所定負荷以下では複数の前記蒸
発器・吸収器系統のうちの一部の系統を使用するととも
に他の系統を休止して運転し、前記所定負荷より大きい
負荷域では、前記一部の系統と、前記休止した系統の内
の少なくとも一部の系統とを共に使用して運転するよう
にした発明方法によれば、低負荷域において運転される
一部の蒸発器・吸収器系統に流れる臭化リチウム溶液の
流量を多く確保できる。それにより、特に、使用される
吸収器が有する吸収器チューブが乾くことを防止して、
吸収器の吸収性能の低下を抑制できるので、低負荷域で
の冷凍機全体の効率を向上できる。
【0054】蒸発器、吸収器、再生器、及び凝縮器を備
え、水を冷媒とするとともに臭化リチウム溶液を吸収剤
として用い、かつ、熱を駆動源をとした吸収冷凍機にお
いて、蒸発器、この蒸発器が有した冷媒ノズルに冷媒を
供給する冷媒ポンプ、吸収器、及びこの吸収器内の低濃
度の臭化リチウム溶液を前記再生器側に供給する溶液ポ
ンプを有する蒸発器・吸収器系統を複数設けるととも
に、所定負荷以下では複数の前記蒸発器・吸収器系統の
うちの一部を使用するとともに他の系統を休止して運転
させ、かつ、前記所定負荷より大きい負荷域では、前記
一部の系統と、前記休止した系統の内の少なくとも一部
の系統とを共に使用して運転させる切換え弁を設けたこ
とを特徴とする発明によれば、低負荷域において運転さ
れる一部の蒸発器・吸収器系統に流れる臭化リチウム溶
液の流量を多く確保できる。それにより、特に、使用さ
れる吸収器が有する吸収器チューブが乾くことを防止し
て、吸収器の吸収性能の低下を抑制できるので、低負荷
域での冷凍機全体の効率を向上できる。しかも、この発
明においては、蒸発器・吸収器系統を複数備えて、単機
構成の蒸発器及び凝縮器を夫々大型化して能力を向上さ
せるのと同等以上の能力を複数の蒸発器・吸収器系統で
得ることができるから、個々の蒸発器・吸収器系統を小
型に作ることができるに伴って、単機構成の蒸発器及び
凝縮器を夫々大型化して能力を向上させる場合に比較し
て冷凍機全体の設置スペースが小さくて済む。更に、単
機構成の蒸発器及び凝縮器を夫々大型化して能力を向上
させる場合に比較して、既述のように個々の蒸発器・吸
収器系統を小形に作ることができるので、これら蒸発器
・吸収器系統の作り勝手が良くなるとともに、その運搬
及び設置場所への納入等も容易になる。
【0055】又、前記吸収冷凍機において、この冷凍機
の冷水の流通配管に取付けた冷水温度センサで、前記流
通配管を通る冷水の温度を検出し、その検出温度に基づ
いて低負荷域であるかどうかを判定するようにした発明
によれば、運転切換えの基準として設定される所定負荷
を簡単に判定できるから、それに基づいて切換え弁を切
り換えることによって、蒸発器・吸収器系統を負荷に応
じた運転できる。
【0056】又、前記吸収冷凍機において、高圧再生器
の溶液出口から出る臭化リチウム溶液を導いて、低圧再
生器で得た濃度の濃い臭化リチウム溶液と合流する溶液
ラインに第1流量調節弁を設け、かつ、この弁をバイパ
スしたバイパス流路に、第2流量調節弁及び所定負荷以
下では閉じており所定負荷より大きい負荷域では開かれ
る自動開閉弁を設けた発明によれば、低負荷域での運転
において蒸発器・吸収器系統に流通する臭化リチウム溶
液の濃度が濃い目になるにも拘らず、この時に運転され
ている蒸発器・吸収器系統に対する臭化リチウム溶液の
循環量を、自動開閉弁を閉じることによって減少させ
て、溶液循環流特性を冷凍機内の濃度バランスに適合す
るようにしたから、低負荷域での冷凍機全体の効率をよ
り向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る吸収冷凍機の概略構
成図。
【図2】図1の吸収冷凍機における蒸気消費率と負荷と
の関係を示す特性図。
【図3】従来の吸収冷凍機における蒸気消費率と負荷と
の関係を示す特性図。
【符号の説明】
1、2…蒸発器・吸収器系統 3…凝縮器 4…低温熱交換器 5…高温熱交換器 6…高圧再生器 7…低圧再生器 11、41…蒸発器 12、42…吸収器 13、43…冷媒ポンプ 13、44…溶液ポンプ 16…冷水入口ライン(冷水の流通配管) 17…冷水出口ライン(冷水の流通配管) 18、48…冷水ポンプ 19、49…調節弁(切換え弁) 20、50…冷媒ノズル 22、52…操作弁(切換え弁) 29、59…溶液ノズル 30、60…濃溶液ポンプ 31、61…操作弁(切換え弁) 33、63、64…操作弁(切換え弁) 65…溶液ライン 66…冷水温度センサ 67…コントローラ 81…溶液合流ライン 83…冷媒ライン 84、85…操作弁(切換え弁) 90…溶液ライン 91…第1流量調節弁 92…バイバス流路 93…第2流量調節弁 94…自動開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中里 央 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 藤原 誠 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 Fターム(参考) 3L093 BB12 BB13 BB37 CC07 DD08 EE17 GG02 HH02 HH06 HH15 JJ03 JJ04 JJ06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を散布する冷媒ノズルを有した蒸発
    器、前記ノズルに冷媒を供給する冷媒ポンプ、前記蒸発
    器で発生した冷媒蒸気に濃度の濃い臭化リチウム溶液を
    散布する溶液ノズルを有した吸収器、及びこの吸収器内
    の低濃度の臭化リチウム溶液を再生器側に供給する溶液
    ポンプを夫々有する蒸発器・吸収器系統を複数備える吸
    収冷凍機の運転方法であって、 所定負荷以下では複数の前記蒸発器・吸収器系統のうち
    の一部の系統を使用するとともに他の系統を休止して運
    転し、前記所定負荷より大きい負荷域では、前記一部の
    系統と、前記休止した系統の内の少なくとも一部の系統
    とを共に使用して運転することを特徴とする吸収冷凍機
    の運転方法。
  2. 【請求項2】 冷媒ノズルを有し冷水が流通する蒸発器
    チューブに前記冷媒ノズルから冷媒を散布することによ
    り前記冷媒を蒸発気化させて冷媒蒸気とする蒸発器と、
    溶液ノズルを有し前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を前記
    溶液ノズルから散布される濃度の濃い臭化リチウム溶液
    に吸収させる吸収器と、前記冷媒蒸気を吸収して低濃度
    となった臭化リチウム溶液を加熱してこの溶液中の冷媒
    を蒸発させて濃度が濃くなった臭化リチウム溶液を前記
    吸収器に供給する再生器と、この再生器で発生した冷媒
    蒸気を凝縮させて凝縮液化した冷媒を前記蒸発器に供給
    する凝縮器とを備えた吸収冷凍機において、 前記蒸発器、前記冷媒ノズルに冷媒を供給する冷媒ポン
    プ、前記吸収器、及び前記吸収器内の低濃度の臭化リチ
    ウム溶液を前記再生器側に供給する溶液ポンプを有する
    蒸発器・吸収器系統を複数設けて、所定負荷以下では複
    数の前記蒸発器・吸収器系統のうちの一部を使用すると
    ともに他の系統を休止して運転させ、かつ、前記所定負
    荷より大きい負荷域では、前記一部の系統と、前記休止
    した系統の内の少なくとも一部の系統とを共に使用して
    運転させる切換え弁を設けたことを特徴とする吸収冷凍
    機。
  3. 【請求項3】 前記冷水の流通配管に、この配管を通る
    前記冷水の温度を検出する冷水温度センサを取付け、こ
    のセンサが検出する前記冷水の温度に基づいて前記所定
    負荷であるかどうかを判定することを特徴とする請求項
    2に記載の吸収冷凍機。
  4. 【請求項4】 高圧再生器の溶液出口から熱交換器を経
    た臭化リチウム溶液を導いて、この溶液を低圧再生器で
    得た濃度の濃い臭化リチウム溶液と合流する溶液ライン
    に、第1流量調節弁を設け、この調節弁をバイパスする
    バイパス流路を1以上接続し、このバイパス流路に、第
    2流量調節弁及び前記所定負荷以下では閉じており前記
    所定負荷より大きい負荷域では開かれる自動開閉弁を設
    けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の吸収冷凍
    機。
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