JPH0835735A - 吸収式冷凍機 - Google Patents

吸収式冷凍機

Info

Publication number
JPH0835735A
JPH0835735A JP6172733A JP17273394A JPH0835735A JP H0835735 A JPH0835735 A JP H0835735A JP 6172733 A JP6172733 A JP 6172733A JP 17273394 A JP17273394 A JP 17273394A JP H0835735 A JPH0835735 A JP H0835735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
solution
temperature
regenerator
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6172733A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Nakajima
謙司 中島
Akira Yanagida
昭 柳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP6172733A priority Critical patent/JPH0835735A/ja
Publication of JPH0835735A publication Critical patent/JPH0835735A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • Y02A30/274Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies using waste energy, e.g. from internal combustion engine
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems
    • Y02B30/625Absorption based systems combined with heat or power generation [CHP], e.g. trigeneration

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器具の耐圧化による製品コストの上昇
を抑え、高温化するほど腐食性が高くなるLiBr水溶
液等の吸収溶液の温度の上昇を防止する。 【構成】 冷媒加熱器20、中温再生器21、低温再生
器22、気液分離器23、冷媒凝縮器24、冷媒蒸発器
25および冷媒吸収器26を溶液循環回路27および冷
媒循環回路28にて作動的に連結して冷媒加熱サイクル
5を構成した。そして、中温再生器21内の希溶液をエ
ンジン排気排熱により加熱し、その中温再生器21内で
発生した飽和蒸気を気液分離器23を介して冷媒加熱器
20内に供給し、500℃のエンジン排気排熱により冷
媒加熱器20内の冷媒を加熱して170℃、8kgf/
cm2 の飽和蒸気を発生させ、この飽和蒸気を冷媒潜熱
回収コイル29内に導いて中温再生器21内の希溶液を
加熱することにより、冷媒発生量を増加させて多重効用
吸収式冷凍機1を高効率化した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば2重効用以上
の多重効用吸収式冷凍サイクルを備えた吸収式冷凍機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例として、高温側の再生器内で発生
した蒸気冷媒を低温側の再生器の加熱源として利用する
ことにより、大量の蒸気冷媒を発生させて冷凍能力を増
大させるようにした吸収式冷凍機(例えば特開平4−2
95555号公報等)が知られている。
【0003】この従来例は、図5に示したように、吸収
式冷凍サイクルとして3重効用溶液加熱サイクル100
を採用しており、高温再生器101、中温再生器10
2、低温再生器103、冷媒凝縮器104、冷媒蒸発器
105および冷媒吸収器106を作動的に連結したもの
で、溶液循環回路107に高温、中温、低温溶液熱交換
器108〜110と溶液ポンプ111を配し、冷媒循環
回路112に減圧手段113を配している。
【0004】そして、この従来例は、現在実用化されて
いる2重効用吸収式冷凍サイクルの高温再生器内の吸収
溶液(例えば130℃から150℃に昇温)を加熱する
加熱源より高温再生器101内の吸収溶液(例えば20
0℃から250℃に昇温)を加熱する高温側の加熱源を
利用してその高温再生器101内で発生した高温(例え
ば170℃)の蒸気冷媒を中温再生器102内の吸収溶
液を加熱する中温側の加熱源とするもので、さらに中温
再生器102内で発生した高温の蒸気冷媒を低温再生器
103内の吸収溶液を加熱する低温側の加熱源とするも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例にお
いては、従来の2重効用吸収式冷凍サイクルと比較して
高温再生器101の加熱源を高温化することにより、高
温再生器101内の吸収溶液の温度が250℃を越えて
しまう。
【0006】したがって、吸収溶液の温度上昇に伴って
高温再生器101内の圧力も大気圧より高圧の7kgf
/cm2 以上の圧力となるため、高温再生器101や高
温溶液熱交換器108等の熱交換器具の耐圧化が必要と
なるので、製品コストを上昇させてしまうという問題が
生じている。さらに、一般に吸収溶液として利用される
LiBr水溶液は高温になればなるほど高温再生器10
1等の冷凍器具の腐食を進行させるという問題が生じて
いる。また、近年、省エネルギーの要望からエネルギー
効率を高効率化することが望まれている。
【0007】この発明の目的は、熱交換器具の耐圧化に
よる製品コストの上昇を抑えることが可能な吸収式冷凍
機を提供することにある。また、この発明の目的は、高
温化するほど腐食性が高くなる吸収溶液の温度の上昇を
防止することが可能な吸収式冷凍機を提供することにあ
る。さらに、この発明の目的は、エネルギー効率を高効
率化することが可能な吸収式冷凍機を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、吸収溶液と低温側の加熱源とを熱交換させて吸収溶
液を加熱して吸収溶液より冷媒を発生させる再生器と、
この再生器より流入した冷媒のみと前記低温側の加熱源
より高温側の加熱源とを熱交換させて冷媒を加熱する冷
媒加熱器と、この冷媒加熱器に直列接続され、前記冷媒
加熱器より流入した冷媒と前記再生器内の吸収溶液とを
熱交換させて吸収溶液を加熱する溶液加熱手段とを備え
た技術手段を採用した。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の吸収式冷凍機において、前記再生器と前記冷媒加熱器
との間に直列接続され、流入した冷媒を気液分離して蒸
気冷媒のみ前記冷媒加熱器へ供給する気液分離手段を有
する技術手段を採用した。請求項3に記載の発明は、請
求項1に記載の吸収式冷凍機において、前記冷媒加熱器
内に流入する冷媒は、腐食性の少ない水である技術手段
を採用した。なお、前記高温側の加熱源としてエンジン
の排気排熱を利用しても良い。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、再生器内の吸
収溶液が低温側の加熱源および溶液加熱手段内の高温の
冷媒により加熱されると、吸収溶液から蒸気冷媒が発生
する。再生器内で発生した蒸気冷媒は、冷媒加熱器内に
流入して、低温側の加熱源より高温側の加熱源により加
熱されることにより、さらに昇温、昇圧する。そして、
昇温、昇圧した蒸気冷媒は、溶液加熱手段内に流入し
て、再生器内の吸収溶液を加熱することにより、再生器
内で吸収溶液より発生する蒸気冷媒の発生量が増加す
る。これにより、吸収式冷凍機全体の冷媒循環量が増加
することにより、吸収式冷凍機の冷凍能力が向上する。
このため、エネルギー効率の高効率な吸収式冷凍機の提
供が可能となる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、再生器内
で発生した冷媒は、気液分離手段内に流入して気液分離
され、気液分離手段から蒸気冷媒のみが冷媒加熱器内に
流入する。請求項3に記載の発明によれば、冷媒加熱器
内には腐食性の少ない水のみしか流入せず、その水を高
温側の加熱源により高温化しても冷媒加熱器等の冷凍器
具の腐食が進行することはない。
【0012】
【実施例】次に、この発明の吸収式冷凍機を図1ないし
図4に示した複数の実施例に基づいて説明する。
【0013】〔実施例の構成〕図1はこの発明の実施例
を示したもので、多重効用吸収式冷凍機の冷媒加熱サイ
クルを示した図である。多重効用吸収式冷凍機1は、加
熱源としてのエンジン2、冷却水配管3、冷水配管4、
エンジン2の排気排熱と温水排熱とを有効に利用して室
内の冷房または暖房を行う多重効用吸収式冷凍サイクル
としての冷媒加熱サイクル5等から構成されている。
【0014】エンジン2は、例えば発電機を回転駆動す
る駆動手段で、天然ガスまたはディーゼル油等の燃料を
燃焼することにより熱が発生するものである。このエン
ジン2は、排気管6および温水配管7を備えている。排
気管6は、エンジン2の燃焼時に発生した排気を、冷媒
加熱サイクル5内の伝熱管(以下排気排熱回収コイルと
呼ぶ)8、9を通して外部へ排出するものである。な
お、排気排熱回収コイル8は、本発明の高温側の加熱源
であって、後記する冷媒加熱器20内の冷媒を加熱する
冷媒加熱手段である。また、排気排熱回収コイル9は、
本発明の低温側の加熱源であって、後記する中温再生器
21内の希溶液を加熱する第2の冷媒溶液加熱手段であ
る。そして、高温側の加熱源と低温側の加熱源とが異な
っても良い。温水配管7は、エンジン2のウォータジャ
ケット(図示せず)よりウォータポンプ(図示せず)の
作用により吸入したエンジン冷却水(以下温水と呼ぶ)
を、冷媒加熱サイクル5内の伝熱管(以下温水排熱回収
コイルと呼ぶ)10を通して再度ウォータジャケットへ
戻すエンジン冷却水回路を構成する。なお、温水排熱回
収コイル10より上流側にてエンジン2の排気排熱を温
水に回収する熱交換器を設けても良い。
【0015】冷却水配管3は、クーリングタワー等の室
外ユニット(図示せず)で冷却された冷却水を、図示し
ないウォータポンプの作用により、冷媒加熱サイクル5
内の伝熱管(以下冷却コイルと呼ぶ)11、12に循環
させる回路を構成する。冷水配管4は、冷媒加熱サイク
ル5内の伝熱管(以下冷水コイルと呼ぶ)13を通過す
る際に冷却された利用冷水を、図示しないウォータポン
プの作用により、室内ファンと室内熱交換器よりなる室
内ユニット(図示せず)へ循環させる回路を構成する。
なお、室内ユニットは、百貨店、スーパーマーケット、
コンビニエンスストア等の建築物の室内の冷房(または
暖房)を行う。
【0016】冷媒加熱サイクル5は、冷媒加熱器20、
中温再生器21、低温再生器22、気液分離器23、冷
媒凝縮器24、冷媒蒸発器25、冷媒吸収器26、溶液
循環回路27および冷媒循環回路28等から構成されて
いる。なお、この実施例では、冷媒(水)が蒸発した吸
収溶液を希溶液「例えば臭化リチウム(LiBr)の溶
解度が55重量%程度のLiBr水溶液」と呼び、冷媒
(水)を吸収した吸収溶液を濃溶液「例えば臭化リチウ
ム(LiBr)の溶解度が60重量%程度のLiBr水
溶液」と呼ぶ。
【0017】冷媒加熱器20は、内部に、エンジン2の
排気管6の排気排熱回収コイル8を収容している。この
冷媒加熱器20は、内部に流入した冷媒を、排気排熱回
収コイル8内を流れる排気排熱を利用して加熱すること
により、冷媒をさらに昇温、昇圧させて、高温、高圧の
蒸気冷媒(以下飽和蒸気と言う)を作り出す。この高
温、高圧の飽和蒸気は、中温再生器21内の伝熱管(以
下冷媒潜熱回収コイルと呼ぶ)29に供給される。この
冷媒潜熱回収コイル29は、本発明の溶液加熱手段であ
って、中温再生器21内の希溶液を加熱する第1の溶液
加熱手段である。
【0018】中温再生器21は、本発明の再生器であっ
て、内部に、エンジン2の排気管6の排気排熱回収コイ
ル8の下流側に直列接続された排気排熱回収コイル9お
よび冷媒潜熱回収コイル29を収容している。この中温
再生器21は、内部に供給された希溶液を、排気排熱回
収コイル9内を流れる排気排熱および冷媒潜熱回収コイ
ル29内を流れる冷媒加熱器20で加熱した飽和蒸気を
利用して加熱することにより濃縮し、且つ希溶液より中
温、中圧の飽和蒸気を発生させる第1の冷媒発生器、高
温側の再生器である。
【0019】低温再生器22は、エンジン2の温水配管
7の温水排熱回収コイル10を収容している。この低温
再生器22は、内部に供給された希溶液を、温水排熱回
収コイル10内を流れる温水排熱を利用して加熱するこ
とにより濃縮し、且つ希溶液より低温、低圧の飽和蒸気
を発生させる第2の冷媒発生器、低温側の再生器であ
る。
【0020】気液分離器23は、本発明の気液分離手段
であって、中温再生器21内で発生した中温、中圧の冷
媒を気液分離して、飽和蒸気を冷媒加熱器20へ送り、
液冷媒(以下凝縮水と言う)を冷媒凝縮器24へ送る容
器である。冷媒凝縮器24は、内部に、冷却水配管3の
冷却コイル12を収容している。この冷媒凝縮器24
は、内部に供給された飽和蒸気を、冷却コイル12内を
流れる冷却水を利用して凝縮液化させる冷媒凝縮手段で
ある。冷媒蒸発器25は、内部に、冷水配管4の冷水コ
イル13を収容している。この冷媒蒸発器25は、冷水
コイル13上に散布された凝縮水を、冷水コイル13内
を流れる冷却水を利用して蒸発気化させる冷媒蒸発手段
である。
【0021】冷媒吸収器26は、内部に、冷却水配管3
の冷却コイル12の上流側に直列接続された冷却コイル
11を収容している。この冷媒吸収器26は、冷却コイ
ル11上に噴霧された濃溶液に、冷媒蒸発器25で発生
した飽和蒸気を吸収させる冷媒吸収手段である。なお、
冷却コイル11内を通過する冷却水は、冷媒吸収器26
内の飽和蒸気が濃溶液に吸収される際に発生する吸収熱
を除熱すると共に、飽和蒸気が濃溶液に吸収され易くす
るため、冷媒吸収器26内の雰囲気を冷却する。
【0022】溶液循環回路27は、吸収溶液を、中温再
生器21、低温再生器22および冷媒吸収器26に循環
させる回路で、濃溶液配管31、希溶液配管32、溶液
ポンプ33、中温溶液熱交換器34および低温溶液熱交
換器35等より構成されている。濃溶液配管31は、中
温再生器21内および低温再生器22内より濃溶液を冷
媒吸収器26へ供給する流路である。この濃溶液配管3
1の先端部には、濃溶液を冷媒吸収器26内の冷却コイ
ル11上に散布するノズル36が設けられている。希溶
液配管32は、溶液ポンプ33の作用により、冷媒吸収
器26内の希溶液を中温再生器21内および低温再生器
22内へ供給する流路である。
【0023】溶液ポンプ33は、例えばキャンドモータ
ポンプ等が使用され、図示しない電動モータにより回転
駆動され、溶液循環回路27内に吸収溶液の流れを発生
させる溶液流発生手段である。中温、低温溶液熱交換器
34、35は、濃溶液を希溶液で冷却することにより冷
媒吸収器26内での冷媒の吸収性能を高めると共に、希
溶液を濃溶液で加熱することにより中温再生器21内お
よび低温再生器22内での加熱性能を高める高温側の溶
液熱交換手段、低温側の溶液熱交換手段である。
【0024】冷媒循環回路28は、冷媒を、冷媒加熱器
20、中温再生器21、低温再生器22、気液分離器2
3、冷媒凝縮器24、冷媒蒸発器25、冷媒吸収器26
に循環させる回路で、低温冷媒配管41、中温冷媒配管
42、高温冷媒配管43、気液冷媒配管44〜46、液
冷媒配管47、48、蒸気冷媒配管49および減圧弁5
0等から構成されている。なお、冷媒循環回路28中に
冷媒ポンプを設置しても良い。
【0025】低温冷媒配管41は、低温再生器22内で
発生した低温、低圧の飽和蒸気を冷媒凝縮器24内へ供
給する流路である。中温冷媒配管42は、中温再生器2
1内で発生した中温、中圧の飽和蒸気を気液分離器23
内へ供給する流路である。高温冷媒配管43は、冷媒加
熱器20内で昇温、昇圧した高温、高圧の飽和蒸気を中
温再生器21の冷媒潜熱回収コイル29内へ供給する流
路である。
【0026】気液冷媒配管44は、気液分離器23内の
飽和蒸気と気液冷媒配管45からの凝縮水とを冷媒加熱
器20内へ供給する流路である。気液冷媒配管45は、
気液分離器23を迂回するように設けられ、気液冷媒配
管46の途中から分岐して気液冷媒配管44の途中に合
流する流路である。気液冷媒配管46は、中温再生器2
1の冷媒潜熱回収コイル29内で凝縮した冷媒を気液分
離器23内へ供給する流路である。
【0027】液冷媒配管47は、気液分離器23内の凝
縮水のみを冷媒凝縮器24内へ供給する流路である。液
冷媒配管48は、冷媒凝縮器24内の凝縮水を減圧弁5
0を介して冷媒蒸発器25内に供給する流路である。蒸
気冷媒配管49は、冷媒蒸発器25内の飽和蒸気を冷媒
吸収器26内へ供給する流路である。減圧弁50は、液
冷媒配管48内を流れる冷媒を減圧させるオリフィス等
の固定絞り弁、可変絞り弁または流量調整弁等の減圧手
段である。
【0028】〔実施例の作用〕次に、この実施例の多重
効用吸収式冷凍機1の作動を図1に基づいて簡単に説明
する。エンジン2を運転することにより発生した排気
は、排気管6を通って冷媒加熱器20内の排気排熱回収
コイル8に流入する。
【0029】そして、排気排熱回収コイル8内に流入し
た排気は、排気排熱回収コイル8を通過する際に冷媒加
熱器20内の飽和蒸気を、高温(排気温度:例えば50
0℃〜600℃)で昇温、昇圧した後に、排気管6を通
って中温再生器21の排気排熱回収コイル9内に流入す
る。さらに、排気排熱回収コイル9に流入した排気は、
排気排熱回収コイル9を通過する際に中温再生器21内
の希溶液を、中温(排気温度:例えば250℃)で加熱
した後に大気へ放出される。
【0030】また、エンジン2のウォータジャケット内
で温められた温水は、ウォータポンプの作用により、温
水配管7を通って低温再生器22内の温水排熱回収コイ
ル10に流入する。温水排熱回収コイル10内に流入し
た温水は、温水排熱回収コイル10を通過する際に低温
再生器22内の希溶液を低温(温水温度:例えば90
℃)で加熱した後に再度エンジン2のウォータジャケッ
ト内に戻る。
【0031】一方、低温溶液熱交換器35より流入した
低温再生器22内の希溶液(流入時の溶液温度:例えば
60℃)は、温水排熱回収コイル10内を流れる温水排
熱を回収して加熱されて、低温(例えば50℃)、低圧
(例えば40mmHg)の飽和蒸気が発生し、濃縮され
る。加熱されて濃縮された溶液温度(例えば80℃)の
濃溶液は、濃溶液配管31を通って低温溶液熱交換器3
5内で低温の希溶液と熱交換した後に冷媒吸収器26へ
導かれる。
【0032】また、中温溶液熱交換器34より流入した
中温再生器21内の希溶液(流入時の溶液温度:例えば
130℃)は、排気排熱回収コイル9内を流れる排気排
熱および冷媒潜熱回収コイル29内を流れる飽和蒸気の
潜熱を回収して加熱されて中温、中圧(例えば100℃
〜110℃、1kgf/cm2 =760mmHg)の飽和
蒸気が発生し、濃縮される。加熱されて濃縮された溶液
温度(例えば160℃)の濃溶液は、濃溶液配管31を
通って中温、低温溶液熱交換器34、35内で低温の希
溶液と熱交換した後に冷媒吸収器26へ導かれる。
【0033】そして、中温再生器21内で発生した中
温、中圧の飽和蒸気は、中温冷媒配管42を通って気液
分離器23内へ導かれる。気液分離器23内に送り込ま
れた冷媒は、気液分離器23内で気液分離して気液分離
器23内の下方側に飽和凝縮が溜り、気液分離器23内
の上方側に飽和蒸気が溜まる。そして、気液分離器23
内の飽和蒸気は、気液冷媒配管44を通って冷媒加熱器
20内に流入するときに気液冷媒配管45から流入する
凝縮水と混合し、湿り蒸気(気液二相状態の冷媒)とな
り、冷媒加熱器20内へ導かれる。
【0034】冷媒加熱器20内の気液二相状態の冷媒
は、排気管6の排気排熱回収コイル8内を流れる排気排
熱(排気温度:例えば500℃〜600℃)を回収して
加熱されて高温、高圧(例えば170℃、8kgf/c
2 )の飽和蒸気となる。そして、冷媒加熱器20内の
飽和蒸気は、高温冷媒配管43を通って中温再生器21
内の冷媒潜熱回収コイル29に流入する。冷媒潜熱回収
コイル29内に流入した飽和蒸気は、中温再生器21内
の希溶液を加熱して中温再生器21内の希溶液からの蒸
気発生量を増大させて自身は凝縮する。この凝縮水は気
液冷媒配管46を通って一部が冷媒凝縮器24内へ送り
込まれ、残部が気液冷媒配管45を通って気液分離器2
3から流出した飽和蒸気と上述のように混合する。
【0035】一方、気液分離器23内の飽和凝縮水は、
液冷媒配管47を通って冷媒凝縮器24内に流入する。
また、低温再生器22内で発生した飽和蒸気は、低温冷
媒配管41を通って冷媒凝縮器24内へ導かれる。そし
て、冷媒凝縮器24内に送り込まれた飽和蒸気や凝縮水
は、冷却水配管3の冷却コイル12内を流れる冷却水に
冷却されて凝縮水となる。そして、冷媒凝縮器24内で
発生した凝縮水は、液冷媒配管48を通って減圧弁50
を通過する。凝縮水は、減圧弁50を通過する際に減圧
されて冷媒蒸発器25内へ導かれる。
【0036】冷媒蒸発器25内に送り込まれた冷媒は、
冷水配管4の冷水コイル13上に散布されてその冷水コ
イル13内を流れる利用冷水から熱を奪って蒸発気化し
て飽和蒸気となる。ここで、利用冷水は凝縮水に熱を与
えることにより冷却されるので、この利用冷水を室内ユ
ニットに導くことにより百貨店、スーパーマーケット、
コンビニエンスストア等の建築物の室内が冷房される。
【0037】そして、冷媒蒸発器25内で発生した低温
(例えば5℃)、低圧(例えば6.5mmHg)の飽和蒸
気は、蒸気冷媒配管49を通って冷媒吸収器26内へ導
かれる。冷媒吸収器26内に送り込まれた飽和蒸気は、
冷却水配管3の冷却コイル11上に散布されてその冷却
水配管3の冷却コイル11内を流れる冷却水に冷却され
て凝縮水となる。この凝縮水は、濃溶液配管31のノズ
ル36から冷媒吸収器26内の冷却コイル11上に散布
された濃溶液に吸収される。これにより、濃溶液は冷媒
吸収器26内で希薄化され希溶液となる。
【0038】そして、冷媒吸収器26内で生成された低
温(例えば35℃)、低圧(例えば約6.5mmHg)の
希溶液は、溶液ポンプ33の作用により汲み上げられて
希溶液配管32を通って低温、中温溶液熱交換器35、
34内に流入する。低温、中温溶液熱交換器35、34
内に流入した低温の希溶液は、低温、中温溶液熱交換器
35、34を通過する際に高温の濃溶液により加熱され
て中温再生器21内に送り込まれる。なお、一部の希溶
液は、低温溶液熱交換器35で熱交換された後に低温再
生器22内に送り込まれる。
【0039】〔実施例の効果〕以上のように、この実施
例の冷媒加熱サイクル5は、中温再生器21内で発生し
た飽和蒸気を気液分離器23で気液分離し、冷媒加熱器
20でさらに昇温、昇圧して中温再生器21内の冷媒潜
熱回収コイル29に導いて中温再生器21内の希溶液を
加熱しているので、中温再生器21内の蒸気発生量を増
大させることができる。これにより、冷媒加熱サイクル
5全体の冷媒の循環量が増加するため、冷媒圧縮機を用
いることなく冷媒加熱サイクル5の冷凍能力を増大させ
ることができる。したがって、この実施例の冷媒加熱サ
イクル5を備える多重効用吸収式冷凍機1は、3重効用
吸収式冷凍機の冷凍能力(冷凍効率)を得ることができ
る。
【0040】また、この実施例の冷媒加熱サイクル5に
おいては、吸収溶液としてLiBr水溶液が利用され、
冷媒として水(H2 O)を利用し、吸収剤として臭化リ
チウム(LiBr)を利用している。そして、冷媒加熱
器20内では腐食性の少ない冷媒(水)のみを例えば1
70℃程度まで加熱しているので、冷媒加熱器20や高
温冷媒配管43等の冷凍器具の腐食を進行させることは
ない。したがって、冷媒加熱器20の加熱源としてエン
ジン2の排気排熱を利用効率の高い500℃前後の温度
のまま高温側の加熱源として利用できるので、エネルギ
ー効率の高効率な多重効用吸収式冷凍機1を提供するこ
とができる。冷媒加熱器20や中温溶液熱交換器34を
耐圧化する必要はないので、製品コストを低減すること
ができる。
【0041】〔実施例と従来例との比較〕次に、加熱源
としてエンジン2の排熱{排気排熱、エンジン冷却水排
熱(温水排熱)}を利用した場合の実施例(冷媒加熱サ
イクル5)と従来例(3重効用溶液加熱サイクル10
0)との冷凍能力の相違を、図1、図5および表1に示
した。
【0042】従来例の3重効用溶液加熱サイクル100
は、図5に示したように、高温側の加熱源(エンジン排
気)により高温再生器101内の吸収溶液を加熱し、さ
らに高温再生器101内で発生した飽和蒸気(例えば1
70℃)を中温再生器102の加熱源に利用するため、
高温再生器101内の吸収溶液の温度を約250℃前後
まで昇温させる必要がある。ところが、一般に吸収式冷
凍サイクルに用いるLiBr水溶液は高温になるほど腐
食性を増してしまうので、従来例の3重効用溶液加熱サ
イクル100内に不凝縮蒸気の発生や、腐食による冷凍
器具の寿命の低下を招くという問題が生じる。
【0043】この従来例に対して、この実施例の冷媒加
熱サイクル5は、上述したように、高温側の再生器、つ
まり中温再生器21内の吸収溶液の温度を高温化するこ
となく、冷媒加熱器20内で腐食性の少ない冷媒(H2
O)のみを高温化するようにしているので、冷媒加熱サ
イクル5内に不凝縮蒸気が発生したり、腐食による冷凍
器具の寿命が低下したりするという問題を解消すること
ができる。
【0044】ここで、以下の表1は、実施例の冷媒加熱
サイクル5と従来例の3重効用溶液加熱サイクル100
の各部の入熱に対する冷媒発生量(蒸気発生量)および
冷凍能力を概念的に示したものである。
【表1】 なお、表1に用いた記号は次の通りである。 Δγ:飽和蒸気の蒸発潜熱 Δh:h−hw h :冷媒加熱器20内の飽和蒸気のエンタルピ hw:冷媒加熱器20内に流入する湿り蒸気のエンタル
ピ Q1 :冷媒加熱器20の加熱量、高温再生器101の加
熱量 Q2 :中温再生器21、102の加熱量 Q3 :低温再生器22、103の加熱量
【0045】そして、実施例の冷媒加熱サイクル5と従
来例の3重効用溶液加熱サイクル100との冷凍能力を
比較してみると、実施例がQ1 (Δγ/Δh)+Q2 +
Q3に対し、従来例が3Q1 +2Q2 +Q3 となる。こ
こで、冷媒加熱器20の入口と出口のエンタルピ差Δh
がh−hwであるので、例えば冷媒加熱器20の入口の
湿り蒸気のエンタルピは乾き度を0.8程度にすると、
650kcal/h前後の値となる。
【0046】また、仮に各部の入熱量が等しいQ1 =Q
2 =Q3 として、Δγ=500kcal/hとすると、
冷凍能力は実施例の場合7Q1 、従来例の場合6Q1 と
なり、実施例の方が従来例より冷凍能力が向上している
ことが分かる。したがって、実施例の場合Q1 の入熱量
の比を大きくすれば冷凍能力の向上効果はさらに大とな
ることが分かる。さらに、同じエネルギー源を利用した
場合には、実施例の方が従来例より高効率な多重効用吸
収式冷凍機1を構成することができる。
【0047】次に、上記実施例では、冷媒の流れが非常
に緩慢になるため、本発明をより具体化するための冷媒
の移送方法について、図2ないし図4に示した第1〜第
3実施例に基づいて詳細に説明する。
【0048】〔第1実施例の構成〕図2はこの発明の第
1実施例を示したもので、多重効用吸収式冷凍機の主要
部を示した図である。この実施例では、電磁弁(バル
ブ)の開閉により間欠的に冷媒の移送を行うようにして
いる。
【0049】冷媒加熱サイクル5の冷媒循環回路28に
は、電磁弁51、52、逆止弁53および圧力調整弁5
4が設置されている。また、電磁弁51、52は、CP
U、ROM、RAMを含んで構成される制御装置55に
より通電制御(開閉弁制御)される。
【0050】電磁弁51は、高温冷媒配管43に取り付
けられ、高温冷媒配管43を開閉する第1の開閉手段で
ある。電磁弁52は、気液冷媒配管44に取り付けら
れ、気液冷媒配管44を開閉する第2の開閉手段であ
る。逆止弁53は、気液冷媒配管45を流れる凝縮水の
逆流を阻止するものである。圧力調整弁54は、気液冷
媒配管46に取り付けられ、減圧手段として働く。この
圧力調整弁54は固定絞り等の減圧手段と代えても良
い。
【0051】なお、この実施例の冷媒加熱器20内に
は、気液冷媒配管45から冷媒加熱器20内に流入した
凝縮水を一時的に貯溜しておく冷媒液溜め部56が設け
られている。そして、冷媒加熱器20は、気液分離器2
3より上方(天方向)に設置されている。また、高温側
の加熱源である排気排熱回収コイル8は、エンジン2を
運転または運転停止するか、排気管6にバイパス管を設
ける等して、排気排熱回収コイル8内へエンジン2の排
気が供給または供給停止されることにより、冷媒加熱器
20内の冷媒の加熱および加熱停止が制御可能となって
いる。
【0052】制御装置55は、冷媒加熱器20内の冷媒
の温度(冷媒加熱器20内の雰囲気温度)を検出する冷
媒温度センサ(冷媒温度検出手段)57、および冷媒加
熱器20内の冷媒の圧力(冷媒加熱器20内の雰囲気圧
力)を検出する冷媒圧力センサ(冷媒圧力検出手段)5
8からのセンサ信号に基づいて、電磁弁51、52の開
弁および閉弁を制御する。
【0053】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
作動を図2に基づいて簡単に説明する。中温再生器21
の冷媒潜熱回収コイル29内で希溶液と熱交換すること
により凝縮液化した凝縮水の一部が気液冷媒配管45を
通って冷媒加熱器20内に導かれて冷媒液溜め部56に
溜まる。この冷媒液溜め部56よりオーバーフローした
分は自重により、開弁状態の電磁弁52、気液冷媒配管
44を通って気液分離器23内に流入する。
【0054】一方、中温再生器21内で発生した中温、
中圧の飽和蒸気は、中温冷媒配管42、圧力調整弁54
を通って一旦気液分離器23内に導かれ、上述した作動
により冷媒液溜め部56への凝縮水の供給後に、排気管
6を遮断する等して排気排熱回収コイル8での冷媒の加
熱を停止する。すると、電磁弁52が開弁状態のため、
冷媒加熱器20内の圧力と気液分離器23内の圧力とが
均圧されて気液分離器23内の飽和蒸気が気液冷媒配管
44を通って冷媒加熱器20内に流入する。
【0055】その後に、制御装置55の制御により電磁
弁51、52を閉弁し、冷媒加熱器20の排気排熱回収
コイル8にエンジン2の排気(排気温度:例えば500
℃〜600℃)を供給し、冷媒加熱器20内の冷媒を昇
温、昇圧する。すなわち、冷媒加熱器20内の凝縮水を
蒸発気化させ、且つ冷媒加熱器20内の水蒸気をより飽
和蒸気とする。
【0056】そして、制御装置55は、冷媒温度センサ
57で検出された冷媒温度が予め設定された設定温度
(例えば170℃)以上に上昇し、且つ冷媒圧力センサ
58で検出された冷媒圧力が予め設定された設定圧力
(例えば7kgf/cm2 )以上に上昇した際に、電磁
弁51を開弁する。これにより、冷媒加熱器20内の高
温、高圧の飽和蒸気は、高温冷媒配管43を通って中温
再生器21の冷媒潜熱回収コイル29内に流入して、中
温再生器21内の希溶液を加熱することによって冷媒発
生量を増大させる。
【0057】そして、冷媒加熱器20内の飽和蒸気が流
出した後に、排気管6を遮断する等して排気排熱回収コ
イル8での冷媒の加熱を停止する。その後に、冷媒圧力
センサ58で検出された冷媒加熱器20内の雰囲気圧力
が気液分離器23内の雰囲気圧力(設定圧力より低く、
予め設定された所定圧力:例えば1kgf/cm2 〜2
kgf/cm2 )にほぼ等しくなった際、制御装置55
により電磁弁52を開弁する。以上のサイクルを繰り返
すことにより、中温再生器21の冷媒潜熱回収コイル2
9内に間欠的に高温、高圧の飽和蒸気の供給が可能とな
る。
【0058】〔第2実施例の構成〕図3はこの発明の第
2実施例を示したもので、多重効用吸収式冷凍機の主要
部を示した図である。この実施例は、冷媒加熱サイクル
(吸収式冷凍サイクル)5に2個の第1、第2の冷媒加
熱器20a、20bを配置しており、制御装置55によ
り通電制御される複数の電磁弁(バルブ、開閉手段、切
替手段)61〜70の開閉により高温、高圧の飽和蒸気
を中温再生器21の冷媒潜熱回収コイル29内に連続的
に供給する冷媒移送方法を採用している。
【0059】第1、第2の冷媒加熱器20a、20b内
には、それぞれ冷媒液溜め部56a、56bが設けられ
ている。また、高温冷媒配管43は、電磁弁62、63
をそれぞれ取り付けた冷媒流路43a、43bを有して
いる。気液冷媒配管44は、電磁弁65、66をそれぞ
れ取り付けた冷媒流路44a、44bに分岐している。
気液冷媒配管45は、電磁弁61、64をそれぞれ取り
付けた冷媒流路45a、45bに分岐している。
【0060】エンジン2の排気管6は、入口側排気管7
1に電磁弁69を取り付け、出口側排気管72に電磁弁
70を取り付けている。また、入口側排気管71は、2
つの排気流路71a、71bに分岐している。なお、排
気流路71bには、電磁弁67が取り付けられている。
そして、出口側排気管72は、2つの排気流路72a、
72bを有している。なお、排気流路72bには、電磁
弁68が取り付けられている。
【0061】〔第2実施例の作用〕次に、この実施例の
作動を図3および表2に基づいて簡単に説明する。ここ
で、表2は、第1の冷媒加熱器20aから中温再生器2
1の冷媒潜熱回収コイル29への供給時、および第2の
冷媒加熱器20bから中温再生器21の冷媒潜熱回収コ
イル29への供給時の各電磁弁61〜70の開閉弁状態
を示したものである。
【表2】 なお、表2において、○、×の意味は次の通りである。 ○:電磁弁の開弁状態 ×:電磁弁の閉弁状態
【0062】制御装置55の制御により電磁弁62、6
5を閉弁し、第1の冷媒加熱器20aの排気排熱回収コ
イル8aにエンジン2の排気(排気温度:例えば500
℃〜600℃)を供給し、第1の冷媒加熱器20a内の
冷媒を昇温、昇圧する。すなわち、冷媒液溜め部56a
内の凝縮水を蒸発気化させ、且つ第1の冷媒加熱器20
a内の水蒸気をより飽和蒸気とする。
【0063】その後に、電磁弁62を開弁させると、第
1の冷媒加熱器20a内の高温、高圧の飽和蒸気は、冷
媒流路43aを通って中温再生器21の冷媒潜熱回収コ
イル29内に流入して、中温再生器21内の希溶液を加
熱することによって冷媒発生量を増大させる。
【0064】このとき、電磁弁63が閉弁、電磁弁66
が開弁されているので、気液分離器23内の飽和蒸気
は、冷媒流路44bを通って第2の冷媒加熱器20bに
導かれ、所定の流量が流れた後に、電磁弁63、64、
66を閉弁し、電磁弁67、68を開弁して、第2の冷
媒加熱器20bの排気排熱回収コイル8bにエンジン2
の排気(排気温度:例えば500℃〜600℃)を供給
し、第2の冷媒加熱器20b内の冷媒を昇温、昇圧す
る。すなわち、冷媒液溜め部56b内の凝縮水を蒸発気
化させ、且つ第2の冷媒加熱器20b内の水蒸気をより
飽和蒸気とする。
【0065】その後に、電磁弁63を閉弁することによ
り第2の冷媒加熱器20b内の高温、高圧の飽和蒸気が
冷媒流路43bを通って中温再生器21の冷媒潜熱回収
コイル29内に流入して、中温再生器21内の希溶液を
加熱することによって冷媒発生量を増大させる。このよ
うな作動を行うことで、中温再生器21の冷媒潜熱回収
コイル29内への飽和蒸気の供給源を切り替えることが
できる。このため、以上のような作動を繰り返すことに
よって、ほぼ連続的に中温再生器21内の希溶液を加熱
することが可能となる。
【0066】〔第3実施例〕図4はこの発明の第3実施
例を示したもので、多重効用吸収式冷凍機の主要部を示
した図である。この実施例では、冷媒加熱サイクル5の
液冷媒配管47に電磁弁73を設置している。また、こ
の実施例の冷媒循環回路28は、冷媒加熱器20内と冷
媒凝縮器24内とを連通する連通路74、およびこの連
通路74に取り付けられた電磁弁(開閉手段)75を有
している。
【0067】この実施例は、電磁弁51を閉弁し、電磁
弁52を開弁して、気液分離器23内より気液分離した
飽和蒸気を冷媒加熱器20内に導入する過程において、
電磁弁75を開弁することにより、低圧の冷媒凝縮器2
4内と高圧の冷媒加熱器20内との圧力差により、気液
分離器23内で気液分離した分離蒸気(飽和蒸気)を電
磁弁52を介して冷媒加熱器20内に吸引するようにし
ている。そして、冷媒加熱器20内に飽和蒸気が設定量
吸引されると電磁弁52、75を閉弁し、且つ冷媒加熱
器20の排気排熱回収コイル8にエンジン2の排気(排
気温度:例えば500℃〜600℃)を供給し、冷媒加
熱器20内の冷媒の加熱を開始する。
【0068】〔変形例〕この実施例では、本発明を3重
効用の機能を有する多重効用吸収式冷凍機1に適用した
が、2重効用吸収式冷凍機や4重効用以上の多重効用吸
収式冷凍機に適用しても良い。また、本発明を、単効
用、2重効用併用型の吸収式冷凍機に適用しても良い。
【0069】本発明を、多重効用吸収式冷温水機に利用
しても良い。この場合、暖房運転時には、冷却水配管3
を室内ユニットと接続し、冷水配管4を室外ユニットと
接続することにより、多重効用吸収式冷温水機にて室内
暖房を行うようにしても良い。
【0070】高温側の加熱源と低温側の加熱源として、
エンジン2の排気排熱または温水排熱のみを用いても良
い。また、高温側の再生器と低温側の再生器の加熱源と
して、ガスバーナ、石油バーナ、電気ヒータ等の加熱源
を利用しても良い。但し、低温側の加熱源より高温側の
加熱源の方が高温である必要がある。
【0071】冷媒加熱器20、中温再生器21、低温再
生器22、冷媒凝縮器24、冷媒蒸発器25、冷媒吸収
器26を構成する伝熱管としてコイルチューブを用いた
が、チューブアンドフィンや積層型チューブ等を用いて
も良い。なお、低温側の再生器と凝縮器とを1つの真空
容器(シェル)内に配置しても良く、冷媒蒸発器25と
冷媒吸収器26とを1つの真空容器(シェル)内に配置
しても良い。
【0072】この実施例では、希溶液として臭化リチウ
ムの溶解度が55重量%程度の水溶液を用い、濃溶液と
して臭化リチウムの溶解度が60重量%程度の水溶液を
用いたが、臭化リチウム等の吸収剤の溶解度は自由に変
更しても良い。また、吸収溶液として臭化リチウム水溶
液以外に、ヨウ化リチウム水溶液、塩化リチウム水溶
液、アンモニア水溶液を用いても良い。なお、アンモニ
ア水溶液の場合は、吸収剤が水、冷媒がアンモニアとな
る。また、溶液循環回路27を、図1に示したパラレル
フローに代えてシリーズフローを用いても良い。さら
に、気液分離器23の代わりに遠心分離器等のその他の
気液分離手段を利用しても良い。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明は、冷媒加熱器内の冷媒
の温度が高温化しても冷媒加熱器内の圧力の上昇は抑え
られるので、冷媒加熱器等の熱交換器具を耐圧化する必
要はない。請求項2に記載の発明によれば、冷媒加熱器
内に冷媒のみを供給することができるので、冷媒加熱器
内の圧力上昇が抑えられ、冷媒加熱器の腐食も完全に防
止できる。請求項3に記載の発明によれば、冷媒加熱器
等の冷凍器具の腐食が進行することはないので、耐久性
を向上でき、吸収式冷凍機の長寿命化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示した構成図である。
【図2】この発明の第1実施例の主要部を示した構成図
である。
【図3】この発明の第2実施例の主要部を示した構成図
である。
【図4】この発明の第3実施例の主要部を示した構成図
である。
【図5】従来例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 多重効用吸収式冷凍機 5 冷媒加熱サイクル(多重効用吸収式冷凍サイクル) 8 排気排熱回収コイル(高温側の加熱源) 9 排気排熱回収コイル(低温側の加熱源) 20 冷媒加熱器 21 中温再生器 22 低温再生器 23 気液分離器(気液分離手段) 29 冷媒潜熱回収コイル(溶液加熱手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)吸収溶液と低温側の加熱源とを熱交
    換させて吸収溶液を加熱して吸収溶液より冷媒を発生さ
    せる再生器と、 (b)この再生器より流入した冷媒のみと前記低温側の
    加熱源より高温側の加熱源とを熱交換させて冷媒を加熱
    する冷媒加熱器と、 (c)この冷媒加熱器に直列接続され、前記冷媒加熱器
    より流入した冷媒と前記再生器内の吸収溶液とを熱交換
    させて吸収溶液を加熱する溶液加熱手段とを備えた吸収
    式冷凍機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の吸収式冷凍機において、 前記再生器と前記冷媒加熱器との間に直列接続され、流
    入した冷媒を気液分離して蒸気冷媒のみ前記冷媒加熱器
    へ供給する気液分離手段を有することを特徴とする吸収
    式冷凍機。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の吸収式冷凍機において、 前記冷媒加熱器内に流入する冷媒は、腐食性の少ない水
    であることを特徴とする吸収式冷凍機。
JP6172733A 1994-07-25 1994-07-25 吸収式冷凍機 Pending JPH0835735A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6172733A JPH0835735A (ja) 1994-07-25 1994-07-25 吸収式冷凍機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6172733A JPH0835735A (ja) 1994-07-25 1994-07-25 吸収式冷凍機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0835735A true JPH0835735A (ja) 1996-02-06

Family

ID=15947315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6172733A Pending JPH0835735A (ja) 1994-07-25 1994-07-25 吸収式冷凍機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0835735A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008109718A1 (en) * 2007-03-07 2008-09-12 University Of New Orleans Research & Technology Foundation Integrated cooling, heating, and power systems
CN115419484A (zh) * 2022-07-26 2022-12-02 合肥通用机械研究院有限公司 一种应用于试车台燃气冷却流程的储能固碳系统

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008109718A1 (en) * 2007-03-07 2008-09-12 University Of New Orleans Research & Technology Foundation Integrated cooling, heating, and power systems
US8739560B2 (en) 2007-03-07 2014-06-03 University Of New Orleans Research And Technology Foundation, Inc. Integrated cooling, heating, and power systems
US9470114B2 (en) 2007-03-07 2016-10-18 University Of New Orleans Research And Technology Foundation, Inc. Integrated cooling, heating, and power systems
CN115419484A (zh) * 2022-07-26 2022-12-02 合肥通用机械研究院有限公司 一种应用于试车台燃气冷却流程的储能固碳系统
CN115419484B (zh) * 2022-07-26 2024-02-02 合肥通用机械研究院有限公司 一种应用于试车台燃气冷却流程的储能固碳系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0702773B1 (en) Generator-absorber-heat exchange heat transfer apparatus and method and use thereof in a heat pump
CN102032706B (zh) 吸收式制冷机
JP2866200B2 (ja) 除霜付吸収冷凍およびヒートポンプシステム
JPH08159594A (ja) 多重効用吸収式冷凍装置
JP2005003312A (ja) 三重効用吸収式冷凍装置
JP3434281B2 (ja) 吸収冷凍機
CA2251351A1 (en) Generator-absorber-heat exchange heat transfer apparatus and method and use thereof in a heat pump
US5570584A (en) Generator-Absorber heat exchange transfer apparatus and method using an intermediate liquor
JPH0835735A (ja) 吸収式冷凍機
CN115371285B (zh) 吸收式换热系统
JP2000274860A (ja) ヒートポンプサイクル型吸収式冷凍および暖房同時取出し機ならびに方法
JPH08313108A (ja) エンジン排熱利用吸収式冷凍機
JP3434280B2 (ja) 吸収冷凍機とその運転方法
JP3434279B2 (ja) 吸収冷凍機とその起動方法
JPH06185830A (ja) 吸収器に蒸気タービン、コンプレッサーを有する吸収式冷凍機・冷温水機・ヒートポンプ
JP2002277091A (ja) 吸収冷凍機及びその運転方法
KR200142462Y1 (ko) 흡수식 냉방기
JP3484142B2 (ja) 2段2重効用吸収冷凍機
JP3363057B2 (ja) 吸収式冷暖房装置
JP3434282B2 (ja) 吸収冷凍機
CA1281192C (en) Absorption refrigeration and heat pump system
JP3811632B2 (ja) 排熱投入型吸収冷凍機
JP3429904B2 (ja) 吸収式冷凍機
JPS6022253B2 (ja) 吸収冷凍機
JP3744106B2 (ja) 冷凍装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040817