JP2002277071A

JP2002277071A - 空気調和機

Info

Publication number: JP2002277071A
Application number: JP2001072231A
Authority: JP
Inventors: Yoshikimi Tazumi; 欣公田積; Akihiko Hyodo; 昭彦兵頭; Osamu Katagiri; 修片桐; Hiroyuki Tanaka; 博之田中; Masato Ariki; 真人有木; Hirokazu Hayashi; 弘和林; Takeshi Oketani; 猛桶谷; Yasuyuki Doi; 康之土井; Masatoshi Takahashi; 正敏高橋
Original assignee: Matsushita Refrigeration Co
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2001-03-14
Filing date: 2001-03-14
Publication date: 2002-09-25

Abstract

(57)【要約】【課題】圧縮機停止時圧縮機への冷媒寝込みを抑制す
る技術において、クランクケースヒータが圧縮機停止短
時間後に通電されるため、消費電力量が多いという欠点
があった。【解決手段】吐出温度センサ４，クランクケースヒー
タ８，圧縮機１０，圧縮機１０の外周面に配された蓄熱
材１１とから構成されており、圧縮機運転中の発熱エネ
ルギーを蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温
度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に関
し、特に、圧縮機への冷媒寝込みを抑制し、クランクケ
ースヒータの通電時間を抑え、省エネ効果を得ることの
できる空気調和機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の圧縮機への冷媒寝込みを抑制でき
る空気調和機としては、実開平１−１７８５６２号公報
に示されているものがある。

【０００３】以下、図面を参考にしながら上記従来の空
気調和機を説明する。

【０００４】図８は、従来の多室形空気調和機に使用す
るクランクケースヒータの制御装置を示すものである。
図８において１は圧縮機（図示せず）を駆動する圧縮機
運転用リレーであり、通電時の圧縮機を運転すべくＯＮ
する常開接点（図示せず）と、非通電時にＯＮする常閉
接点２を有する。８はそれぞれの圧縮機に巻装されたク
ランクケースヒータ、３は圧縮機の運転を制御する圧縮
機制御装置、６，７は給電線、４は吐出温度を検知する
吐出温度センサ、５は前記吐出温度センサ４で検知した
吐出温度によりクランクケースヒータ８のＯＮ（通電）
−ＯＦＦ（非通電）を行うクランクケースヒータ制御装
置である。

【０００５】そして図８に示す如く、圧縮機運転用リレ
ー１には前記リレーの制御を行う圧縮機制御装置３が接
続され、電源の２線６，７の間には圧縮機運転用リレー
１によって励磁される常閉接点２，クランクケースヒー
タ１３が直列回路で接続され、前記クランクケースヒー
タ８には、圧縮機吐出温度を検知する吐出温度センサ４
によりクランクケースヒータ８のＯＮ−ＯＦＦを行うク
ランクケースヒータ制御装置５が接続されている。

【０００６】以上のように構成されたクランクケースヒ
ータの制御装置について以下その動作について説明す
る。常閉接点２が閉成されるが、ここで吐出温度センサ
４の検知により吐出温度が所定の温度まで低下している
場合のみクランクケースヒータ制御装置５でクランクケ
ース８に通電される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成は、クランクケースヒータが圧縮機停止短時間
後に通電されるため、消費電力量が多いという欠点があ
った。

【０００８】本発明は従来の課題を解決するためのもの
であり、圧縮機への冷媒寝込みを抑制することにより、
クランクケースヒータの通電時間を短くし、消費電力量
を抑え、省エネ効果をもたらすことができる。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付けられ
た吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知により
ＯＮ−ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取り付けられたク
ランクケースヒータと、前記圧縮機外周面に配された蓄
熱材とを設けたものである。

【００１０】これにより、圧縮機への冷媒寝込みを抑制
し、クランクケースヒータの通電時間を短くし、消費電
力量を抑え、省エネ効果をもたらすことができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明による空気調和機の
実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

【００１２】なお、従来と同一構成については、同一符
号を付して詳細な説明を省略する。

【００１３】（実施の形態１）図１は、本発明の実施の
形態１による空気調和機の概略図である。図１におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１１は圧縮機１０の外周面に配された蓄
熱材である。

【００１４】以上のように構成された本発明の実施の形
態１による空気調和機について、説明する。

【００１５】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０の外周面に配さ
れた蓄熱材１１に、前記圧縮機１０の熱量が蓄積され
る。ここで従来の空気調和機では、圧縮機１０が停止す
ると、クランクケースヒータ８が通電し、圧縮機１０の
油溜部をあたため冷媒が寝込まないようにし、起動時の
液圧縮による圧縮機１０の損傷を防止している。しか
し、本発明では、蓄熱材１１に蓄積された熱により圧縮
機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来の空気調和機に対
し抑制されることとなる。

【００１６】ここで、蓄熱材１１の熱量が低下すると、
液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあるた
め、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温度以
内になると、クランクケースヒータ８が通電され，液冷
媒の寝込みを防止するようになっている。従って、従来
の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電時間
を短縮でき、省エネ効果が得られる。

【００１７】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０の外周面に配された蓄熱材１１とか
ら構成されており、圧縮機運転中の発熱エネルギーを蓄
熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温度の低下を
抑えることができ冷媒寝込みを抑制できる。また、冷媒
が圧縮機油溜内に寝込む危険のある温度領域にのみクラ
ンクケースヒータが、通電するため、従来の空気調和機
に対し、省エネ効果をあげることができる。

【００１８】（実施の形態２）図４は、本発明の実施の
形態２による空気調和機の概略図である。図４におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１２は圧縮機１０の外周面下部に配され
た蓄熱材である。

【００１９】以上のように構成された本発明の実施の形
態２による空気調和機について、説明する。

【００２０】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０の外周面下部に
配された蓄熱材１２に、前記圧縮機１０の熱量が蓄積さ
れる。前記蓄熱材１２は、圧縮機１０の下部、すなわち
油溜部に位置しているため、液冷媒の寝込みを効率よく
抑制することができる。ここで従来の空気調和機では、
圧縮機１０が停止すると、クランクケースヒータ８が通
電し、圧縮機１０の油溜部をあたため冷媒が寝込まない
ようにし、起動時の液圧縮による圧縮機１０の損傷を防
止している。しかし、本発明では、蓄熱材１０に蓄積さ
れた熱により圧縮機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来
の空気調和機に対し抑制されることとなる。

【００２１】ここで、蓄熱材１２の熱量が低下すると、
液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあるた
め、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温度以
内になると、クランクケースヒータ８が通電され、液冷
媒の寝込みを防止するようになっている。したがって、
従来の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電
時間を短縮でき、省エネ効果が得られる。

【００２２】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０の外周面下部に配された蓄熱材１２
とから構成されており、圧縮機運転中の発熱エネルギー
を蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温度の低
下を抑えることができ冷媒寝込みを抑制できる。また、
冷媒が圧縮機油溜内に寝込む危険のある温度領域にのみ
クランクケースヒータが、通電するため、従来の空気調
和機に対し、省エネ効果をあげることができる。

【００２３】（実施の形態３）図５は、本発明の実施の
形態３による空気調和機の概略図である。図５におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１３は圧縮機１０の外周面に配された蓄
熱材と前記圧縮機１０の防音材が一体となる圧縮機カバ
ーである。

【００２４】以上のように構成された本発明の実施の形
態３による空気調和機について、説明する。

【００２５】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０の外周面に配さ
れた圧縮機カバー１３に、前記圧縮機１０の熱量が蓄積
される。ここで従来の空気調和機では、圧縮機１０が停
止すると、クランクケースヒータ８が通電し、圧縮機１
０の油溜部をあたため冷媒が寝込まないようにし、起動
時の液圧縮による圧縮機１０の損傷を防止している。し
かし、本発明では、圧縮機カバー１３に蓄積された熱に
より圧縮機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来の空気調
和機に対し抑制されることとなる。

【００２６】ここで、圧縮機カバー１３の熱量が低下す
ると、液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあ
るため、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温
度以内になると、クランクケースヒータ８が通電され、
液冷媒の寝込みを防止するようになっている。従って、
従来の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電
時間を短縮でき、省エネ効果が得られる。さらには、圧
縮機カバー１３は、防音材も備えているため、圧縮機１
０運転中の防音効果も得られる。

【００２７】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０の外周面に配された蓄熱材と前記圧
縮機１０の防音材が一体となる圧縮機カバー１３とから
構成されており、圧縮機運転中の発熱エネルギーを蓄熱
材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温度の低下を抑
えることができ冷媒寝込みを抑制できる。また、冷媒が
圧縮機油溜内に寝込む危険のある温度領域にのみクラン
クケースヒータが、通電するため、従来の空気調和機に
対し、省エネ効果をあげることができる。更には、圧縮
機運転中の防音効果も得られる。

【００２８】（実施の形態４）図６は、本発明の実施の
形態４による空気調和機の概略図である。図６におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１４は圧縮機１０の外周面に形状記憶合
金からなる蓄熱材である。

【００２９】以上のように構成された本発明の実施の形
態４による空気調和機について、説明する。

【００３０】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０の外周面に形状
記憶合金からなる蓄熱材１４に、前記圧縮機１０の熱量
が蓄積される。ここで従来の空気調和機では、圧縮機１
０が停止すると、クランクケースヒータ８が通電し、圧
縮機１０の油溜部をあたため冷媒が寝込まないように
し、起動時の液圧縮による圧縮機１０の損傷を防止して
いる。しかし、本発明では、蓄熱材１４に蓄積された熱
により圧縮機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来の空気
調和機に対し抑制されることとなる。

【００３１】また、蓄熱材１４は形状記憶合金からなる
ため、蓄熱材１４に一定熱量が蓄積されると、形状記憶
合金により圧縮機１０の外周面と蓄熱材１４とが、非接
触状態となり、熱が蓄積されないようになり、圧縮機の
過熱異常を防ぐことができる。

【００３２】ここで、蓄熱材１４の熱量が低下すると、
液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあるた
め、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温度以
内になると、クランクケースヒータ８が通電され、液冷
媒の寝込みを防止するようになっている。したがって、
従来の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電
時間を短縮でき、省エネ効果が得られる。

【００３３】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０の外周面に形状記憶合金からなる蓄
熱材１４とから構成されており、圧縮機運転中の発熱エ
ネルギーを蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜
温度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを抑制でき
る。

【００３４】また、冷媒が圧縮機油溜内に寝込む危険の
ある温度領域にのみクランクケースヒータが、通電する
ため、従来の空気調和機に対し、省エネ効果をあげるこ
とができる。さらには、蓄熱材に一定熱量が蓄積される
と、形状記憶合金により圧縮機外周面から蓄熱材に熱が
蓄積されないようになり、圧縮機の過熱異常を防ぐこと
ができる。

【００３５】（実施の形態５）図７は、本発明の実施の
形態５による空気調和機の概略図である。図７におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１５は圧縮機１０内の油溜部に配された
蓄熱材である。

【００３６】以上のように構成された本発明の実施の形
態５による空気調和機について説明する。

【００３７】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０内の油溜部に配
された蓄熱材１５に、前記圧縮機１０の熱量が蓄積され
る。前記蓄熱材１５は、圧縮機１０の油溜部に直接位置
しているため、液冷媒の寝込みを効率よく抑制すること
ができる。ここで従来の空気調和機では、圧縮機１０が
停止すると、クランクケースヒータ８が通電し、圧縮機
１０の油溜部をあたため冷媒が寝込まないようにし、起
動時の液圧縮による圧縮機１０の損傷を防止している。
しかし、本発明では、蓄熱材１５に蓄積された熱により
圧縮機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来の空気調和機
に対し抑制されることとなる。

【００３８】ここで、蓄熱材１５の熱量が低下すると、
液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあるた
め、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温度以
内になると、クランクケースヒータ８が通電され、液冷
媒の寝込みを防止するようになっている。したがって、
従来の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電
時間を短縮でき、省エネ効果が得られる。

【００３９】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０内の油溜部に配された蓄熱材１５と
から構成されており、圧縮機運転中の発熱エネルギーを
蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温度の低下
を抑えることができ冷媒寝込みを抑制できる。また、冷
媒が圧縮機油溜内に寝込む危険のある温度領域にのみク
ランクケースヒータが、通電するため、従来の空気調和
機に対し、省エネ効果をあげることができる。

【００４０】（実施の形態６）図８は、本発明の実施の
形態６による空気調和機の概略図である。図８におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１１は圧縮機１０の外周面に配された蓄
熱材、１６は膨張弁、１７は圧縮機１０運転停止直前に
前記圧縮機１０の運転周波数と前記膨張弁１６の動作を
制御する制御装置である。

【００４１】以上のように構成された本発明の実施の形
態６による空気調和機について、説明する。

【００４２】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０の外周面に配さ
れた蓄熱材１６に、前記圧縮機１０の熱量が蓄積され
る。ここで従来の空気調和機では、圧縮機１０が停止す
ると、クランクケースヒータ８が通電し、圧縮機１０の
油溜部をあたため冷媒が寝込まないようにし、起動時の
液圧縮による圧縮機１０の損傷を防止している。しか
し、本発明では、蓄熱材１１に蓄積された熱により圧縮
機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来の空気調和機に対
し抑制されることとなる。

【００４３】また、圧縮機１０運転停止直前に前記圧縮
機１０の運転周波数と前記膨張弁１６の動作を制御する
制御装置１７により、圧縮機停止直前に圧縮機１０の発
熱量を増加させ、圧縮機運転中の発熱エネルギーを効率
よく蓄熱材１１に蓄積させることにより、圧縮機油溜温
度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを効率よく抑制
できる。

【００４４】ここで、蓄熱材１１の熱量が低下すると、
液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあるた
め、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温度以
内になると、クランクケースヒータ８が通電され、液冷
媒の寝込みを防止するようになっている。したがって、
従来の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電
時間を短縮でき、省エネ効果が得られる。

【００４５】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０の外周面に配された蓄熱材１１，膨
張弁１６，圧縮機１０の運転停止直前に前記圧縮機１０
の運転周波数と前記膨張弁１６の動作を制御する制御装
置１７とから構成されており、圧縮機運転中の発熱エネ
ルギーを蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温
度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを抑制できる。
また、冷媒が圧縮機油溜内に寝込む危険のある温度領域
にのみクランクケースヒータが、通電するため、従来の
空気調和機に対し、省エネ効果をあげることができる。

【００４６】（実施の形態７）図９は、本発明の実施の
形態７による空気調和機の概略図である。図９におい
て、４は吐出温度センサ、８はクランクケースヒータ、
１０は圧縮機、１１は圧縮機１０の外周面に配された蓄
熱材、１８は前記蓄熱材１１の内部を通過する前記圧縮
機１０の吐出管である。

【００４７】以上のように構成された本発明の実施の形
態７による空気調和機について、説明する。

【００４８】まず、圧縮機１０が運転中に、冷媒の吐出
ガス、モータの発熱、機械部の摺動熱等により圧縮機１
０が過熱される。このとき、圧縮機１０の外周面に配さ
れた蓄熱材１１に、前記圧縮機１０の熱量が蓄積され
る。ここで従来の空気調和機では、圧縮機１０が停止す
ると、クランクケースヒータ８が通電し、圧縮機１０の
油溜部をあたため冷媒が寝込まないようにし、起動時の
液圧縮による圧縮機１０の損傷を防止している。しか
し、本発明では、蓄熱材１１に蓄積された熱により圧縮
機１０の油溜部への冷媒寝込みは従来の空気調和機に対
し抑制されることとなる。

【００４９】また、吐出管１８が、蓄熱材１１を通過し
ているため、圧縮機運転中の発熱エネルギーを効率よく
蓄熱材１１に蓄積させ、圧縮機油溜温度の低下を抑える
ことができ冷媒寝込みを効率よく抑制できる。

【００５０】ここで、蓄熱材１１の熱量が低下すると、
液冷媒が圧縮機１０の油溜内に流入する恐れがあるた
め、吐出温度センサ４で検知される温度差が所定温度以
内になると、クランクケースヒータ８が通電され、液冷
媒の寝込みを防止するようになっている。したがって、
従来の空気調和機に対しクランクケースヒータ８の通電
時間を短縮でき、省エネ効果が得られる。

【００５１】以上のように、本実施の形態の空気調和機
は、吐出温度センサ４，クランクケースヒータ８，圧縮
機１０，圧縮機１０の外周面に配された蓄熱材１１，前
記蓄熱材１１の内部を通過する前記圧縮機１０の吐出管
１８とから構成されており、圧縮機運転中の発熱エネル
ギーを効率よく蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機
油溜温度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを抑制で
きる。また、冷媒が圧縮機油溜内に寝込む危険のある温
度領域にのみクランクケースヒータが、通電するため、
従来の空気調和機に対し、省エネ効果をあげることがで
きる。

【００５２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に記載の
発明は、圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付けられた
吐出温度センサと、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機
油溜温度センサと、前記吐出温度センサと前記油溜温度
センサの信号でＯＮ―ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取
り付けられたクランクケースヒータと、前記圧縮機外周
面に配された蓄熱材とを備えたことにより、圧縮機運転
中の発熱エネルギーを蓄熱材に蓄積させることにより、
圧縮機油溜温度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを
抑制できる。また、冷媒が圧縮機油溜内に寝込む危険の
ある温度領域にのみクランクケースヒータが、通電する
ため、従来の空気調和機に対し、省エネ効果をあげるこ
とができる。

【００５３】また、請求項２に記載の発明は、圧縮機と
前記圧縮機の吐出管に取り付けられた吐出温度センサ
と、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機油溜温度センサ
と、前記吐出温度センサと前記油溜温度センサの信号で
ＯＮ−ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取り付けられたク
ランクケースヒータと、前記圧縮機外周面下部に配され
た蓄熱材とを備えたことにより、圧縮機運転中の発熱エ
ネルギーを効率よく蓄熱材に蓄積させることにより、圧
縮機油溜温度の低下を抑えることができ冷媒寝込みを抑
制できる。また、冷媒が圧縮機油溜内に寝込む危険のあ
る温度領域にのみクランクケースヒータが、通電するた
め、従来の空気調和機に対し、省エネ効果をあげること
ができる。

【００５４】また、請求項３に記載の発明は、圧縮機と
前記圧縮機の吐出管に取り付けられた吐出温度センサ
と、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機油溜温度センサ
と、前記吐出温度センサと前記油溜温度センサの信号で
ＯＮ−ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取り付けられたク
ランクケースヒータと、前記圧縮機外周面に配された蓄
熱材と前記圧縮機の防音材が前記蓄熱材と一体となる圧
縮機カバーとを備えたことにより、圧縮機運転中の発熱
エネルギーを効率よく蓄熱材に蓄積させることにより、
圧縮機運転音を防止する防音効果と、圧縮機油溜温度の
低下を抑えることができる冷媒寝込み抑制効果を同時に
得ることができる。

【００５５】また、請求項４に記載の発明は、圧縮機と
前記圧縮機の吐出管に取り付けられた吐出温度センサ
と、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機油溜温度センサ
と、前記吐出温度センサと前記油溜温度センサの信号で
ＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧縮機
の外周に形状記憶合金からなる蓄熱材とを備えたことに
より、蓄熱材に一定熱量が蓄積されると、形状記憶合金
により圧縮機外周面から蓄熱材に熱が蓄積されないよう
になり、圧縮機の過熱異常を防ぐことができる。

【００５６】また、請求項５に記載の発明は、圧縮機と
前記圧縮機の吐出管に取り付けられた吐出温度センサ
と、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機油溜温度センサ
と、前記吐出温度センサと前記油溜温度センサの信号で
ＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧縮機
内の油溜部に配された蓄熱材とを備えたことにより、圧
縮機油溜内の温度のみ低下を抑えることができ、圧縮機
モータ及び機械部への過熱を防止できる。

【００５７】また、請求項６に記載の発明は、圧縮機と
前記圧縮機の吐出管に取り付けられた吐出温度センサ
と、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機油溜温度センサ
と、前記吐出温度センサと前記油溜温度センサの信号で
ＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧縮機
外周面に配された蓄熱材と、前記圧縮機の冷凍サイクル
上に設置した膨張弁と、圧縮機運転停止直前に前記圧縮
機の運転周波数と前記膨張弁の動作を制御する制御装置
とを備えたことにより、圧縮機停止直前に圧縮機の発熱
量を増加させ、圧縮機運転中の発熱エネルギーを効率よ
く蓄熱材に蓄積させることにより、圧縮機油溜温度の低
下を抑えることができ冷媒寝込みを抑制できる。

【００５８】また、請求項７に記載の発明は、圧縮機と
前記圧縮機の吐出管に取り付けられた吐出温度センサ
と、前記圧縮機に取り付けられた圧縮機油溜温度センサ
と、前記吐出温度センサと前記油溜温度センサの信号で
ＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧縮機
外周面に配された蓄熱材と、前記蓄熱材の内部を通過す
る前記圧縮機吐出管とを備えたことにより、圧縮機運転
中の発熱エネルギーを効率よく蓄熱材に蓄積させること
により、圧縮機油溜温度の低下を抑えることができ冷媒
寝込みを抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による空気調和機の実施の形態１の概略
図

【図２】本発明による空気調和機の実施の形態１の電気
回路図

【図３】本発明による空気調和機の実施の形態１のフロ
ーチャート

【図４】本発明による空気調和機の実施の形態２の概略
図

【図５】本発明による空気調和機の実施の形態３の概略
図

【図６】本発明による空気調和機の実施の形態４の概略
図

【図７】本発明による空気調和機の実施の形態５の概略
図

【図８】本発明による空気調和機の実施の形態６の概略
図

【図９】本発明による空気調和機の実施の形態７の概略
図

【図１０】従来の空気調和機の概略図

【符号の説明】

４吐出温度センサ８クランクケースヒータ１０圧縮機１１圧縮機の外周面に配された蓄熱材１２圧縮機の外周面下部に配された蓄熱材１３圧縮機カバー１４圧縮機の外周面に形状記憶合金からなる蓄熱材１５圧縮機内油溜部に配された蓄熱材１６膨張弁１７制御装置１８吐出管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｆ２４Ｆ 5/00 １０２Ｆ２４Ｆ 5/00 １０２Ｚ (72)発明者片桐修大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内 (72)発明者田中博之大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内 (72)発明者有木真人大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内 (72)発明者林弘和大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内 (72)発明者桶谷猛大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内 (72)発明者土井康之大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内 (72)発明者高橋正敏大阪府東大阪市高井田本通４丁目２番５号松下冷機株式会社内Ｆターム(参考） 3L054 BG10 BH04

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取り付けられ
たクランクケースヒータと、前記圧縮機外周面に配され
た蓄熱材とを備えた空気調和機。
【請求項２】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取り付けられ
たクランクケースヒータと、前記圧縮機外周面下部に配
された蓄熱材とを備えた空気調和機。
【請求項３】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦする前記圧縮機の外周に取り付けられ
たクランクケースヒータと、前記圧縮機外周面に配され
た蓄熱材と前記圧縮機の防音材が前記蓄熱材と一体とな
る圧縮機カバーとを備えた空気調和機。
【請求項４】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧
縮機の外周に形状記憶合金からなる蓄熱材とを備えた空
気調和機。
【請求項５】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧
縮機内の油溜部に配された蓄熱材とを備えた空気調和
機。
【請求項６】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧
縮機外周面に配された蓄熱材と、前記圧縮機の冷凍サイ
クル上に設置した膨張弁と、圧縮機運転停止直前に前記
圧縮機の運転周波数と前記膨張弁の動作を制御する制御
装置とを備えた空気調和機。
【請求項７】圧縮機と前記圧縮機の吐出管に取り付け
られた吐出温度センサと、前記吐出温度センサの検知に
よりＯＮ−ＯＦＦするクランクケースヒータと、前記圧
縮機外周面に配された蓄熱材と、前記蓄熱材の内部を通
過する前記圧縮機吐出管とを備えた空気調和機。