JP2002276559A - 液圧パワーパッケージ - Google Patents

液圧パワーパッケージ

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JP2002276559A
JP2002276559A JP2001080112A JP2001080112A JP2002276559A JP 2002276559 A JP2002276559 A JP 2002276559A JP 2001080112 A JP2001080112 A JP 2001080112A JP 2001080112 A JP2001080112 A JP 2001080112A JP 2002276559 A JP2002276559 A JP 2002276559A
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晴彦 塩谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液圧パワーパッケージにおいて、ギヤポンプ
の構造を簡素化して脈動圧を抑える。 【解決手段】 互いに噛み合う対の外接ギヤ35,36
と、各ギヤ35,36の回転方向に応じて入口側または
出口側となる対のポート51,52と、各ギヤ35,3
6の端面に対峙するポンプ室側壁43aと、ポンプ室側
壁43aに各ギヤ35,36の噛み合い部に対向して円
弧歯厚より小さい開口幅の凹部からなる単一の圧力逃が
し溝60とを備え、この圧力逃がし溝60によって各ギ
ヤ35,36の噛み合い部を迂回して各ポート51,5
2間を断続的に連通する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動流体圧により
アクチュエータの作動を制御する液圧パワーパッケージ
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、作業機械等に用いられる液圧パワ
ーパッケージとして、次のようなものがあった。
【0003】例えば特開平2−255005号公報に
開示されたものは、ギヤポンプとアクチュエータを結ぶ
閉回路を構成し、正逆転モータで駆動されるギヤポンプ
の回転方向(吐出方向)を切換えることによってアクチ
ュエータの作動方向が切換わるようになっている。
【0004】例えば特開平11−82411号公報に
開示されたものは、ポンプ室内にギヤ13,14が互に
外接噛み合うように収装されており、その吸込口15、
吐出口16にそれぞれ連通する横V字形の圧力逃がし溝
21,22がそれぞれポンプ室の側壁に形成されてい
る。この圧力逃がし溝21,22は各ギヤ13,14の
噛み合い部に閉じ込められる液体圧力を逃がし、閉じ込
み液体の圧縮、膨張による振動、騒音を防止するように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の液
圧パワーパッケージに設けられる外接型のギヤポンプ
は、ポンプ吐出圧の脈動が発生し、その振動が一体化し
ている他の要素機器に伝わり、動作音が大きくなるとい
う問題点がある。
【0006】のギヤポンプは、ポンプ室の側壁に一対
の逃がし溝21,22を形成する必要があるため、加工
工数が増え、製品のコストアップを招くという問題点が
あった。
【0007】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、液圧パワーパッケージにおいて、ギヤポンプ
の構造を簡素化して脈動圧を抑えることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、互いに噛
み合う対の外接ギヤと、各ギヤの回転方向に応じて入口
側または出口側となる対のポートと、各ギヤの端面に対
峙するポンプ室側壁と、ポンプ室側壁に各ギヤの噛み合
い部に対向して円弧歯厚より小さい開口幅の凹部からな
る単一の圧力逃がし溝とを備え、この圧力逃がし溝によ
って各ギヤの噛み合い部を迂回して各ポート間を断続的
に連通する構成としたことを特徴とするものとした。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、圧力
逃がし溝を各ギヤの回転中心を結ぶポンプ中心線につい
て対称的に形成したことを特徴とするものとした。
【0010】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、圧力逃がし溝は各ギヤのピッチ円の交点を中心と
した略円形に形成したことを特徴とするものとした。
【0011】
【発明の作用および効果】第1の発明によると、圧力逃
がし溝によって各ギヤの噛み合い部を迂回して各ポート
間を断続的に連通することにより、ポンプ吐出圧の脈動
を抑えられる。この結果、ポンプの圧力脈動に起因する
電動液圧パワーパッケージやこれに駆動される他の要素
機器の振動が抑えられ、動作音が低減される。
【0012】単一の圧力逃がし溝がポンプ室側壁に形成
される構造のため、加工工数が少なくて済み、製品のコ
ストアップを抑えられる。
【0013】第2の発明によると、圧力逃がし溝を各ギ
ヤの回転中心を結ぶポンプ中心線について対称的に形成
したことにより、ポンプの回転方向によらず同一のポン
プ吐出圧の脈動低減効果が得られる。
【0014】第3の発明によると、圧力逃がし溝はポン
プ吐出量が最大値になるときに各ポート間を連通し、ポ
ンプ吐出量が最小値になるときに各ポート間を遮断し、
ポンプ吐出圧の脈動を有効に抑えられる。また、圧力逃
がし溝の加工が容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0016】図1は作業機械等に用いられる電動液圧パ
ワーパッケージの回路構成を示している。これについて
説明すると、双方向吐出型のポンプ1と両ロッド型の油
圧シリンダ(アクチュエータ)2の各室5,6を結ぶ第
一、第二通路7,8によってリザーバタンク3との間で
閉回路が構成され、正逆転モータ4で駆動されるポンプ
1の回転方向(吐出方向)を切換えることによって油圧
シリンダ2の伸縮作動方向が切換わるようになってい
る。
【0017】このパワーパッケージの閉回路はポンプ1
のドレン側に連通するドレーン通路30を備え、このド
レーン通路30にリザーバタンク3が接続される。ドレ
ーン通路30は第一、第二チェック弁9,10を介して
第一、第二通路7,8に選択的に接続される。第一、第
二チェック弁9,10は互いに連動して開閉作動するも
ので、一方が閉弁すると他方が開弁するようになってい
る。パワーパッケージの閉回路から若干の油洩れが生じ
た場合、リザーバタンク3に貯留された加圧作動油(作
動流体)がドレーン通路30から第一、第二チェック弁
9,10を介して第一、第二通路7,8に補充される。
【0018】図2に示すように、ポンプ1を構成するポ
ンプボディ33には互いに噛み合う対の外接ギヤ35,
36が介装される。各ギヤ35,36には各シャフト3
7,38がそれぞれ固定され、各シャフト37,38の
両端は各固定ブッシュ39,40と各可動ブッシュ4
1,42を介して回転可能に支持される。ドライブ側の
ギヤ35に固定されるシャフト37の図示しない端部が
モータ4の出力軸に連結されている。
【0019】ポンプボディ33は互いに噛み合う各ギヤ
35,36を囲むポンプ室内壁43を有し、このポンプ
室内壁43は各ギヤ35,36の刃先に所定の隙間をも
って対峙するように円柱面状に形成される。
【0020】図3に示すように、ポンプボディ33は対
のポート51,52を有し、各ポート51,52は各ギ
ヤ35,36の噛み合い部を挟むようにしてポンプ室内
壁43に開口する。各ポート51,52は各ギヤ35,
36の回転方向に応じて入口側または出口側となる。
【0021】各ギヤ35,36の回転に伴って入口側の
ポート51,52から出口側のポート51,52へと向
かう歯溝に連通する各高圧室53,54と、各可動ブッ
シュ41,42の背後に画成される背圧室45,46と
を備える。各高圧室53,54か背圧導入通路55,5
6を通して各背圧室45,46に導かれる圧力により各
可動ブッシュ41,42は各ギヤ35,36の端面に押
し付けられる。これにより、ポンプ1の吐出圧を高めて
も、各ギヤ35,36の端面側から洩れる作動油量が抑
えられ、ポンプ1の容積効率が維持される。
【0022】ポンプ室周壁43の底部には各ギヤ35,
36の端面35a,36aに摺接するポンプ室側壁43
aが平面状に形成される。
【0023】そして本発明の要旨とするところである
が、ポンプ吐出圧の脈動を低減するため、ポンプ室側壁
43aに各ギヤ35,36の噛み合い部に対向して円弧
歯厚dより小さい開口幅(開口径)の凹部からなる単一
の圧力逃がし溝60を形成し、この圧力逃がし溝60に
よって各ギヤ35,36の噛み合い部を迂回して各ポー
ト51,52間を断続的に連通する構成とする。
【0024】図4に示すように、各ギヤ35,36の回
転中心を結ぶ直線をポンプ中心線Oとすると、圧力逃が
し溝60はポンプ中心線Oについて対称的に形成され
る。
【0025】本実施の形態では、圧力逃がし溝60は各
ギヤ35,36のピッチ円P35,P 36の交点Cを中心と
した略円形に形成される。
【0026】各ギヤ35,36の歯形が互に接する噛み
合い点がピッチ円P35,P36の交点C上にある状態で、
ギヤ35,36の回転角θ=0°になるとすると、この
とき圧力逃がし溝60が各ギヤ35,36の噛み合い部
を迂回して各ポート51,52間を連通し、かつ回転角
θ=0°の前後で圧力逃がし溝60が各ギヤ35,36
の歯によって閉塞され、各ポート51,52間の連通を
遮断する構成とする。
【0027】各ポート51,52間を連通する圧力逃が
し溝60の流路断面積が適正値になるように、圧力逃が
し溝60の開口径および深さは任意に設定される。
【0028】以上のように構成される本発明の実施の形
態につき、次に作用を説明する。
【0029】油圧シリンダ2を伸張させる場合、ポンプ
1が正回転され、ヘッド側の室5の作動油が第一通路7
を通ってポンプ1に吸い込まれ、ポンプ1から吐出する
作動油が第二通路8を通ってボトム側の室6へと送られ
る。一方、油圧シリンダ2を収縮させる場合、ポンプ1
が逆回転され、ボトム側の室6の作動油が第二通路8を
通ってポンプ1に吸い込まれ、ポンプ1から吐出する作
動油が第一通路7を通ってヘッド側の室5へと送られ
る。
【0030】図5はギヤ35,36の回転角θに応じて
ポンプ吐出量Qが変化する特性を示しているが、ポンプ
吐出量Qは各ギヤ35,36の歯が順次噛み合う毎に増
減する。ポンプ吐出量Qはギヤ35,36の歯形が互に
接する噛み合い点がピッチ円P35,P36の交点C上にあ
る回転角θ=0°のときに最大となり、その中間で最小
となる。
【0031】圧力逃がし溝60は各ギヤ35,36のピ
ッチ円P35,P36の交点Cを中心とした略円形をしてい
るため、回転角θ=0°のときに各ギヤ35,36の噛
み合い部を迂回してポート51,52間を連通し、回転
角θ=0°の前後でポート51,52間の連通を遮断す
る。これにより、ポンプ吐出量Qの最小値を維持しなが
らポンプ吐出量Qの最大値を図中2点鎖線aの如く低く
即ち、ポンプ吐出圧の脈動のピークを抑えられる。この
結果、ポンプ1の圧力脈動に起因する電動液圧パワーパ
ッケージやこれに駆動される他の要素機器の振動が抑え
られ、動作音が低減される。
【0032】圧力逃がし溝60はポンプ中心線Oについ
て対称的に形成されていため、ポンプ1の回転方向によ
らず同一のポンプ吐出圧の脈動低減効果が得られる。
【0033】単一の圧力逃がし溝60がポンプ室側壁4
3aに形成される構造のため、圧力逃がし溝60の加工
工数が少なくて済み、製品のコストアップを抑えられ
る。圧力逃がし溝60を円形に形成することにより、圧
力逃がし溝60の加工が容易になる。ただし、圧力逃が
し溝60は円形に限らずポンプ中心線Oについて対称的
な他の形状としてもよい。
【0034】本発明は、ポンプに限らず、外接ギヤによ
って構成される液圧モータに適用することもできる。
【0035】本発明は上記の実施の形態に限定されず
に、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がな
しうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す液圧パワーパッケー
ジの油圧回路図。
【図2】同じくポンプの断面図。
【図3】同じくポンプの断面図。
【図4】同じくギヤの側面図。
【図5】同じくポンプ吐出量の特性図。
【図6】従来例を示すポンプの断面図。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 シリンダ(アクチュエータ) 4 モータ 35,36 ギヤ 43a ポンプ室側壁 60 圧力逃がし溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H041 AA02 BB02 CC11 CC18 DD04 DD06 DD14 DD17 DD18 3H044 AA02 BB02 CC11 CC29 DD04 DD05 DD11 DD15 DD16 3H089 AA86 BB26 CC02 DA14 DB33 GG01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに外接噛み合う対のギヤと、 各ギヤの回転方向に応じて入口側または出口側となる対
    のポートと、 各ギヤの端面に対峙するポンプ室側壁と、 ポンプ室側壁に各ギヤの噛み合い部に対向して円弧歯厚
    より小さい開口幅の凹部からなる単一の圧力逃がし溝と
    を備え、 圧力逃がし溝によって各ギヤの噛み合い部を迂回して各
    ポート間を断続的に連通する構成としたことを特徴とす
    る液圧パワーパッケージ。
  2. 【請求項2】前記圧力逃がし溝を前記各ギヤの回転中心
    を結ぶポンプ中心線について対称的に形成したことを特
    徴とする請求項1に記載の液圧パワーパッケージ。
  3. 【請求項3】前記圧力逃がし溝は前記各ギヤのピッチ円
    の交点を中心とした略円形に形成したことを特徴とする
    請求項2に記載の液圧パワーパッケージ。
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