JP2002276296A - アーチ型トンネル構造物およびその構築方法並びにアーチトンネル用湾曲版 - Google Patents

アーチ型トンネル構造物およびその構築方法並びにアーチトンネル用湾曲版

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JP2002276296A
JP2002276296A JP2001074530A JP2001074530A JP2002276296A JP 2002276296 A JP2002276296 A JP 2002276296A JP 2001074530 A JP2001074530 A JP 2001074530A JP 2001074530 A JP2001074530 A JP 2001074530A JP 2002276296 A JP2002276296 A JP 2002276296A
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tunnel
arch
foundation
curved plate
groove
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Application number
JP2001074530A
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English (en)
Inventor
Atsushi Koizumi
淳 小泉
Munetaka Ozeki
宗孝 大関
Hirohide Hashimoto
博英 橋本
Takashi Kunito
崇 國藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
Original Assignee
Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd
Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーチトンネル用湾曲版同士の連結と、アー
チトンネル用湾曲版および基礎の連結とにかかる手間を
軽減することができるアーチ型トンネル構造物およびそ
の構築方法並びにアーチトンネル用湾曲版の提供。 【解決手段】 基礎12と、円弧状をなすとともに、複
数が円周方向に連設されて基礎12に載置されるアーチ
トンネル用湾曲版13と、端部が基礎12に係止される
とともに複数のアーチトンネル用湾曲版13の外径側の
外周面13aにこれらアーチトンネル用湾曲版13に跨
った状態で緊張されることによりこれらアーチトンネル
用湾曲版13を互いに円周方向に連結させるとともに基
礎12に連結させる緊張体14とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開口断面が略半円
状をなすアーチ型トンネル構造物およびその構築方法並
びにアーチトンネル用湾曲版に関する。
【0002】
【従来の技術】基礎上に円弧状をなすアーチトンネル用
湾曲版を円周方向に連設させることにより開口断面が略
半円状をなすように形成されるアーチ型トンネル構造物
がある。
【0003】このようなアーチ型トンネル構造物におい
て、従来、アーチトンネル用湾曲版同士の連結はボルト
・ナットの締結により行われている。また、アーチトン
ネル用湾曲版と基礎との連結は、アーチトンネル用湾曲
版の端部を基礎に設けられた凹部内に仮置きし、アーチ
トンネル用湾曲版を基礎に位置出しボルトで位置決め固
定した後、凹部内にモルタルを打設することにより行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような連結構造
では、アーチトンネル用湾曲版同士の連結と、アーチト
ンネル用湾曲版および基礎の連結とに非常に手間がかか
ってしまうという問題があった。
【0005】したがって、本発明は、アーチトンネル用
湾曲版同士の連結と、アーチトンネル用湾曲版および基
礎の連結とにかかる手間を軽減することができるアーチ
型トンネル構造物およびその構築方法並びにアーチトン
ネル用湾曲版の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載のアーチ型トンネル構造物
は、基礎と、円弧状をなすとともに、複数が円周方向に
連設されて前記基礎に載置されるアーチトンネル用湾曲
版と、端部が前記基礎に係止されるとともに前記複数の
アーチトンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれらアー
チトンネル用湾曲版に跨った状態で緊張されることによ
りこれらアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方向に連
結させるとともに前記基礎に連結させる緊張体とを有す
ることを特徴としている。
【0007】これにより、複数の円弧状のアーチトンネ
ル用湾曲版を円周方向に連設させて基礎に載置させると
ともに、緊張体をその端部を基礎に係止させるとともに
複数のアーチトンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれ
らアーチトンネル用湾曲版に跨った状態で緊張させるこ
とによりこれらアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方
向に連結させるとともに基礎に連結させるため、アーチ
トンネル用湾曲版同士の連結をボルト・ナットの締結に
より行い、またアーチトンネル用湾曲版と基礎との連結
を、アーチトンネル用湾曲版の端部を基礎に設けられた
凹部内に仮置きし、アーチトンネル用湾曲版を基礎に位
置出しボルトで位置決め固定した後、凹部内にモルタル
を打設することにより行う従来に比して、アーチトンネ
ル用湾曲版同士の連結と、アーチトンネル用湾曲版およ
び基礎の連結とにかかる手間を軽減することができる。
【0008】本発明の請求項2記載のアーチ型トンネル
構造物は、請求項1記載のものに関して、前記アーチト
ンネル用湾曲版の前記外周面には、円周方向に沿って延
在する溝部が形成されており、前記緊張体は前記溝部に
配設されることを特徴としている。
【0009】これにより、アーチトンネル用湾曲版の外
周面に円周方向に沿って延在するように形成された溝部
に緊張体が配設されるため、緊張体を一定位置に配置す
ることができる。したがって、緊張体がずれた状態で緊
張され、後にずれが解消されることで緊張が緩んでしま
うことがなく、アーチトンネル用湾曲版同士の連結と、
アーチトンネル用湾曲版および基礎の連結とを確実に行
うことができる。
【0010】本発明の請求項3記載のアーチ型トンネル
構造物は、請求項2記載のものに関して、前記溝部は前
記基礎側の深さが深くされていることを特徴としてい
る。
【0011】このように、溝部が基礎側の深さが深くさ
れているため、アーチトンネル用湾曲版を基礎に載置さ
せる際にアーチトンネル用湾曲版がその半径方向に多少
ずれて載置されても、基礎に端部が係止された状態の緊
張体をアーチトンネル用湾曲版が踏んでしまうことを防
止できる。したがって、さらに、アーチトンネル用湾曲
版の基礎への載置時の位置合わせにかかる手間を軽減す
ることができる。
【0012】本発明の請求項4記載のアーチ型トンネル
構造物は、請求項2または3記載のものに関して、前記
溝部は、深さが深くなるほど幅が狭くなる形状をなして
いることを特徴としている。
【0013】このように、溝部が、深さが深くなるほど
幅が狭くなる形状をなしているため、アーチトンネル用
湾曲版を基礎に載置させる際にアーチトンネル用湾曲版
がその軸方向に多少ずれて載置されても、溝部に緊張体
を配置でき、しかも配置された緊張体を緊張させると、
溝部が狭くなることで該緊張体で押されてアーチトンネ
ル用湾曲版が軸線方向の位置を正しくするように位置が
調整されることになる。したがって、さらに、アーチト
ンネル用湾曲版の基礎への載置時の位置合わせにかかる
手間を軽減することができる。
【0014】本発明の請求項5記載のアーチ型トンネル
構造物は、請求項1乃至4のいずれか一項記載のものに
関して、前記アーチトンネル用湾曲版の前記外周面上と
なる位置に、前記緊張体に張力を導入するための張力導
入部が設けられていることを特徴としている。
【0015】このように、アーチトンネル用湾曲版の外
周面上となる位置に、緊張体に張力を導入するための張
力導入部が設けられているため、基礎部分に張力導入部
が設けられている場合に比して緊張体を緊張させる際の
張力導入作業を容易に行うことができる。
【0016】本発明の請求項6記載のアーチ型トンネル
構造物の構築方法は、複数の円弧状のアーチトンネル用
湾曲版を円周方向に連設させて基礎に載置させるととも
に、端部を前記基礎に係止させるとともに前記複数のア
ーチトンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれらアーチ
トンネル用湾曲版に跨った状態で緊張体を緊張させるこ
とによりこれらアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方
向に連結させるとともに前記基礎に連結させることを特
徴としている。
【0017】このように、複数の円弧状のアーチトンネ
ル用湾曲版を円周方向に連設させて基礎に載置させると
ともに、端部を基礎に係止させるとともに複数のアーチ
トンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれらアーチトン
ネル用湾曲版に跨った状態で緊張体を緊張させることに
よりこれらアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方向に
連結させるとともに基礎に連結させるため、アーチトン
ネル用湾曲版同士の連結をボルト・ナットの締結により
行い、またアーチトンネル用湾曲版と基礎との連結を、
アーチトンネル用湾曲版の端部を基礎に設けられた凹部
内に仮置きし、アーチトンネル用湾曲版を基礎に位置出
しボルトで位置決め固定した後、凹部内にモルタルを打
設することにより行う従来に比して、アーチトンネル用
湾曲版同士の連結と、アーチトンネル用湾曲版および基
礎の連結とにかかる手間を軽減することができる。
【0018】本発明の請求項7記載のアーチトンネル用
湾曲版は、円弧状をなし複数が円周方向に連設されて基
礎に載置されるとともに、外径側の外周面に緊張される
緊張体で複数が互いに円周方向に連結されかつ前記基礎
に連結されることによりアーチ型トンネル構造物を構築
するアーチトンネル用湾曲版であって、前記外周面に
は、円周方向に沿って延在し前記緊張体が配設される溝
部が形成されていることを特徴としている。
【0019】これにより、外周面に円周方向に沿って延
在するように形成された溝部に緊張体が配設されるた
め、緊張体を一定位置に配置することができる。したが
って、緊張体がずれた状態で緊張され、後にずれが解消
されることで緊張が緩んでしまうことがなく、他のアー
チトンネル用湾曲版との連結と、基礎との連結とを確実
に行うことができる。
【0020】本発明の請求項8記載のアーチトンネル用
湾曲版は、請求項7記載のものに関して、前記溝部は前
記基礎側の深さが深くされていることを特徴としてい
る。
【0021】このように、溝部が基礎側の深さが深くさ
れているため、基礎に載置される際に半径方向に多少ず
れて載置されても、基礎に端部が係止された状態の緊張
体を踏んでしまうことを防止できる。したがって、さら
に、基礎への載置時の位置合わせにかかる手間を軽減す
ることができる。
【0022】本発明の請求項9記載のアーチトンネル用
湾曲版は、請求項7または8記載のものに関して、前記
溝部は、深さが深くなるほど幅が狭くなる形状をなして
いることを特徴としている。
【0023】このように、溝部が、深さが深くなるほど
幅が狭くなる形状をなしているため、基礎に載置される
際に軸方向に多少ずれて載置されても、溝部に緊張体を
配置でき、しかも配置された緊張体を緊張させると、溝
部が狭くなることで該緊張体で押されて軸線方向の位置
を正しくするように位置が調整されることになる。した
がって、さらに、基礎への載置時の位置合わせにかかる
手間を軽減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1〜図
9を参照して以下に説明する。図1は第1実施形態のア
ーチ型トンネル構造物11を示すもので、該アーチ型ト
ンネル構造物11は、基礎12と、円弧状をなすととも
に、複数が円周方向に連設されてアーチ型をなすように
基礎12に載置されるアーチトンネル用湾曲版13と、
一端部のみが基礎12に係止されるとともに円周方向に
連設された複数のアーチトンネル用湾曲版13の外径側
の外周面13aにこれらアーチトンネル用湾曲版13に
跨った状態で緊張されることによりこれらアーチトンネ
ル用湾曲版13に半径方向内方かつ基礎方向への力を付
与し、これらアーチトンネル用湾曲版13を互いに円周
方向に連結させるとともに基礎12に連結させる緊張体
14とを有している。
【0025】基礎12は、地盤等にコンクリートが打設
されてなるもので、アーチトンネル用湾曲版13の端部
が底面17a上に載置される凹部17が形成されてい
る。
【0026】アーチトンネル用湾曲版13は、図2に示
すように、円弧状をなす例えば鉄筋コンクリートからな
るプレキャスト版で、外径側の外周面13aには、円周
方向に沿って全範囲に延在する溝部18が軸線方向にお
ける一側に形成されている。また、アーチトンネル用湾
曲版13の外径側の外周面13aには、軸線方向におけ
る逆側の円周方向における一端側にアーチトンネル用湾
曲版13の半径方向外側に突出する凸部19が形成され
ており、該凸部19には溝部20が形成されている。
【0027】ここで、アーチトンネル用湾曲版13は、
図3に示すように、溝部18と凸部19とが軸線方向に
おいて逆に配置される鏡面対称の二種類が用意されてい
る。すなわち、二種類のアーチトンネル用湾曲版13
を、円周方向における位置を合わせ、しかも凸部19を
円周方向における同じ側に配置した状態では、一種類の
アーチトンネル用湾曲版13は、例えば軸線方向におけ
る一側に凸部19が逆側に溝部18が配置され、別の種
類のアーチトンネル用湾曲版13は、軸線方向における
前記一側に溝部18が前記逆側に凸部19が配置される
ことになる。
【0028】なお、溝部18および溝部20は、アーチ
トンネル用湾曲版13のプレキャスト成形時に成形され
るものであり、例えば、プレキャスト用型枠側に凸部を
形成することで成形される。ここで、溝部18および溝
部20を、管体等を埋めた後、アーチトンネル用湾曲版
13の外周面に沿って該管体の外側の一部を削り取るこ
と等で成形することもできる。
【0029】アーチトンネル用湾曲版13の凸部19の
溝部20が開口する円周方向における端面には、図3お
よび図4に示すように、支圧板22がその穴部23の位
置を溝部20の位置に合わせて設けられている。
【0030】ここで、アーチトンネル用湾曲版13は、
図1に示すように、複数具体的には二つが円周方向に連
設されてアーチ型具体的には半円状をなすように基礎1
2に載置されるものであるが、アーチ型トンネル構造物
11の一の開口側から見た場合に左右に配置されるもの
が、互いの近接方向に凸部19を配置した状態で、図3
に示すように軸線方向に半分位置をずらして千鳥状に配
置される。
【0031】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物11の一の開口側から見た場合に左側のアーチトンネ
ル用湾曲版13の軸線方向における奥側に溝部18が配
置され、右側のアーチトンネル用湾曲版13の軸線方向
における手前側に溝部20がこの溝部18に連続するよ
うに軸線方向および半径方向の位置を合わせて配置さ
れ、右側のアーチトンネル用湾曲版13の軸線方向にお
ける奥側に溝部18が配置され、左側のアーチトンネル
用湾曲版13の軸線方向における手前側の溝部20がこ
の溝部18に連続するように軸線方向および半径方向の
位置を合わせて配置される。その結果、アーチトンネル
用湾曲版13は、凸部19を軸線方向に沿って左右交互
に千鳥状に配置することになり、これとは逆の千鳥状に
溝部を配置することになる。
【0032】なお、図示は略すが、アーチ型トンネル構
造物11の全体の軸線方向における両端部に配置される
アーチトンネル用湾曲版13の一方は、端面の位置を合
わせるために軸線方向に半分に切断された形状にされ
る。
【0033】アーチトンネル用湾曲版13の溝部18
は、図5に示すように、基礎12に載置される側すなわ
ち凸部19に対し反対側の深さ(外周面13aからの深
さ)が他の部分よりも深くされている。
【0034】しかも、アーチトンネル用湾曲版13の溝
部18は、半径方向かつ軸線方向に沿う断面を見た場合
に、いずれの断面においても、図6に示すように、深さ
が深くなるほど軸線方向に沿う幅が左右対称をなして狭
くなる形状をなしている。
【0035】緊張体14は、アンボンドPC鋼線等から
なるもので、円周方向に連設されるアーチトンネル用湾
曲版13の外周面13aに沿って連続する溝部18およ
び溝部20内に配設される。
【0036】ここで、基礎12の凹部17における所定
位置には、緊張体14の一端部をワンタッチで定着させ
るための定着具24が埋設されている。この定着具24
は、図5に示すように、基礎12に配置されるアーチト
ンネル用湾曲版13の溝部18の端部位置に対向配置さ
れるもので、凹部17の所定位置であって、底面17a
に直交して形成された穴部25の下側に埋設されてお
り、全体として略テーパ状のオス型をなすとともに円周
方向に分割等されることで縮径可能とされた楔部材26
と、該楔部材26を上方向に押圧するスプリング27
と、楔部材26を案内するテーパ状のメス型の案内部材
28とを有している。
【0037】そして、この定着具24においては、穴部
25を介して上側から緊張体14の端部で楔部材26を
押すと、楔部材26がスプリング27の付勢力に抗して
下降して案内部材28に沿って拡径可能となり、拡径し
て緊張体14の端部を挿入させる。そして、緊張体14
の押圧を解除すると楔部材26がスプリング27で上方
向に押圧されて案内部材28に案内されて縮径し、この
ようにして緊張体14の端部を定着させる。
【0038】このような定着具24に一端部が定着され
た緊張体14は、図1に示すように、円周方向における
一側のアーチトンネル用湾曲版13の溝部18内に配置
され、該溝部18を通って、円周方向における逆側のア
ーチトンネル用湾曲版13の凸部19の溝部20に配置
され、該溝部20から他端部が突出されることになる。
そして、この突出部分を介して図示せぬジャッキが緊張
体14に緊張力を導入し、図3および図4に示すよう
に、この緊張状態を維持するようにナット29を緊張体
14に支圧板22の外側で螺合固定する。
【0039】この凸部19およびナット29が緊張体1
4に張力を導入するための張力導入部31となってお
り、該張力導入部31は、アーチトンネル用湾曲版13
の外径側の外周面13a上の円周方向における中間位置
に設けられている。なお、ナット29の緊張体14への
螺合ではなく、楔部材を緊張体14に支圧板22の外側
で係合固定するようにしてもよい。
【0040】そして、ナット29および緊張体14の突
出部分の周囲には腐食防止用のコンクリート30が打設
されている。
【0041】次に、上記した第1実施形態のアーチ型ト
ンネル構造物11の構築方法について説明する。ここで
は、すでに構築された部分に、さらに一つのアーチトン
ネル用湾曲版13を施工する場合を例にとり説明する。
【0042】例えば、基礎12に設けられた定着具24
に予め緊張体14の一端部を係止定着させておく。
【0043】図7に示すように、すでに複数の既設アー
チトンネル用湾曲版13により構築された部分のうちア
ーチトンネル用湾曲版13の千鳥配置により軸線方向に
凹んでいる部分に、次のアーチトンネル用湾曲版13
を、図8に示すように、既設アーチトンネル用湾曲版1
3の軸線方向に突出している一つと円周方向に連設させ
るようにして基礎12に載置させる。このとき、図1に
示すように、凸部19を基礎12に対し反対側に配置
し、かつ溝部18の位置を突出していた既設アーチトン
ネル用湾曲版13の凸部19の溝部20および基礎12
に設けられた所定の定着具24の位置にほぼ合わせるよ
うにして載置させる。
【0044】なお、定着具24には、上記したように緊
張体14がすでに定着されているが、アーチトンネル用
湾曲版13は、図5に示すように、その溝部18が基礎
12側の深さが深くされているため、基礎12に載置さ
れる際に正規の位置に対し半径方向外側に多少ずれて載
置されても、基礎12に端部が係止された状態の緊張体
14を踏んでしまうことがないようになっている。
【0045】そして、図1および図9に示すように、緊
張体14を溝部18および溝部20内に配置させ、溝部
20から定着具24に対し反対側の他端部を突出させた
後、この他端部を介して緊張体14にジャッキで緊張力
を導入する。
【0046】ここで、アーチトンネル用湾曲版13の溝
部18の形状は、図6に示すように、深さが深くなるほ
ど軸線方向における幅が狭くなる形状をなしているた
め、基礎12に載置される際に軸方向に多少ずれて載置
されても、緊張体14を緊張させることにより、溝部1
8が狭くなることで該緊張体14で押されて軸線方向の
位置を正しくするように位置が調整されることになる。
そして、緊張体14は最終的には溝部18の底に当接す
る。
【0047】なお、このときに、円周方向に隣り合う既
設アーチトンネル用湾曲版13に対する移動を容易とす
るために、アーチトンネル用湾曲版13同士の円周方向
の突き当て面にテフロン板等を設けても良い。
【0048】そして、上記緊張力を維持するために緊張
体14の端部にナット29を螺合固定した後、ジャッキ
を取り外す。
【0049】以上により、円周方向に隣り合う複数具体
的には二つのアーチトンネル用湾曲版13の外径側の外
周面13aに緊張体14をこれらアーチトンネル用湾曲
版13に跨った状態で緊張させることになり、これによ
りこれらアーチトンネル用湾曲版13を互いに円周方向
に連結させるとともに基礎12に連結させることにな
る。このような緊張体14の緊張により、アーチトンネ
ル用湾曲版13は、施工時の軸方向の位置決めおよび施
工後の位置ずれ防止が図られる。勿論、アーチトンネル
用湾曲版13同士の連結部分には継手金物類は一切設け
られておらず緊張体14の緊張力のみで連結される。
【0050】上記を繰り返しアーチトンネル用湾曲版1
3を千鳥状に順次配置してアーチ型トンネル構造物11
を構築する。
【0051】そして、ナット29および緊張体14の突
出部分の周囲を図示せぬ型枠で囲み、該型枠内にコンク
リートを打設し、型枠を取り除くことで、図3および図
4に示すようにナット29および緊張体14の突出部分
の周囲を腐食防止のためコンクリート30で覆う。
【0052】以上に述べた第1実施形態によれば、複数
の円弧状のアーチトンネル用湾曲版13を円周方向に連
設させて基礎12に載置させるとともに、緊張体14を
その端部を基礎12に係止させるとともに複数のアーチ
トンネル用湾曲版13の外径側の外周面13aにこれら
アーチトンネル用湾曲版13に跨った状態で緊張させる
ことによりこれらアーチトンネル用湾曲版13を互いに
円周方向に連結させるとともに基礎12に連結させるた
め、アーチトンネル用湾曲版同士の連結をボルト・ナッ
トの締結により行い、またアーチトンネル用湾曲版と基
礎との連結を、アーチトンネル用湾曲版の端部を基礎に
設けられた凹部内に仮置きし、アーチトンネル用湾曲版
を基礎に位置出しボルトで位置決め固定した後、凹部内
にモルタルを打設することにより行う従来に比して、ア
ーチトンネル用湾曲版同士の連結と、アーチトンネル用
湾曲版および基礎の連結とにかかる手間を軽減すること
ができる。
【0053】また、アーチトンネル用湾曲版13の外周
面13aに円周方向に沿って延在するように形成された
溝部18,20に緊張体14が配設されるため、緊張体
14を一定位置に配置することができる。
【0054】したがって、緊張体14がずれた状態で緊
張され、後にずれが解消されることで緊張が緩んでしま
うことがなく、アーチトンネル用湾曲版13同士の連結
と、アーチトンネル用湾曲版13および基礎12の連結
とを確実に行うことができる。
【0055】さらに、溝部18は、基礎12側の深さが
深くされているため、アーチトンネル用湾曲版13を基
礎12に載置させる際にアーチトンネル用湾曲版13が
その半径方向に多少ずれて載置されても、基礎12に端
部が係止された状態の緊張体14をアーチトンネル用湾
曲版13が踏んでしまうことを防止できる。
【0056】したがって、さらに、アーチトンネル用湾
曲版13の基礎12への載置時の位置合わせにかかる手
間を軽減することができる。
【0057】加えて、溝部18が、深さが深くなるほど
幅が狭くなる形状をなしているため、アーチトンネル用
湾曲版13を基礎12に載置させる際にアーチトンネル
用湾曲版13がその軸方向に多少ずれて載置されても、
溝部18に緊張体14を配置でき、しかも配置された緊
張体14を緊張させると、溝部18が狭くなることで該
緊張体14で押されてアーチトンネル用湾曲版13が軸
線方向の位置を正しくするように位置が調整されること
になる。
【0058】したがって、さらに、アーチトンネル用湾
曲版13の基礎12への載置時の位置合わせにかかる手
間を軽減することができる。
【0059】その上、アーチトンネル用湾曲版13の外
周面13a上の円周方向における中間位置となる位置
に、緊張体14に張力を導入するための張力導入部31
が設けられているため、基礎12の部分に張力導入部が
設けられている場合に比して緊張体14を緊張させる際
の張力導入作業を容易に行うことができる。
【0060】本発明の第2実施形態を図10〜図16を
主に参照して以下に説明する。図10は第2実施形態の
アーチ型トンネル構造物41を示すもので、該アーチ型
トンネル構造物41は、基礎42と、円弧状をなすとと
もに、複数が円周方向に連設されてアーチ型をなすよう
に基礎42に載置されるアーチトンネル用湾曲版43
と、両端部がそれぞれ基礎42に係止されるとともに複
数のアーチトンネル用湾曲版43の外径側の外周面43
aにこれらアーチトンネル用湾曲版43に跨った状態で
緊張されることによりこれらアーチトンネル用湾曲版4
3を互いに円周方向に連結させるとともに基礎42に連
結させる緊張体44とを有している。
【0061】基礎42は、地盤等にコンクリートが打設
されてなるもので、アーチトンネル用湾曲版13の端部
が底面47a上に載置される凹部47が形成されてい
る。
【0062】アーチトンネル用湾曲版43は、図11に
示すように、円弧状をなす例えば鉄筋コンクリートから
なるプレキャスト版で、外径側の外周面43aには、円
周方向に沿って延在する溝部48が、軸線方向に並列し
て複数箇所具体的には二箇所形成されている。
【0063】また、アーチトンネル用湾曲版43の軸線
方向における片側の溝部48の中間所定位置には、溝部
48よりも軸線方向における幅が広い凹部49が円周方
向において片側によった状態で形成されている。これに
より、凹部49が設けられた側の溝部48は、凹部49
を挟んで長側の分割溝部48aと短側の分割溝部48b
とに分割されている。ここで、溝部48および凹部49
は、プレキャスト成形時に成形されるものであり、例え
ば、プレキャスト用型枠側に凸部を形成することで成形
される。
【0064】ここで、アーチトンネル用湾曲版43は、
図10に示すように、複数具体的には二つが円周方向に
連設されて半円状をなすように基礎42に載置される
が、図13に示すように、アーチ型トンネル構造物41
の一の開口側から見た場合に左右に配置されるものが、
いずれも基礎42側に凹部49を配置した状態で、図1
2に示すように、軸線方向に半分位置をずらして千鳥状
に配置される。
【0065】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物41の一の開口側から見た場合に左側のアーチトンネ
ル用湾曲版43の軸線方向における奥側の溝部48と、
右側のアーチトンネル用湾曲版43の軸線方向における
手前側の溝部48とが位置を合わせ、右側のアーチトン
ネル用湾曲版43の軸線方向における奥側の溝部48
と、左側のアーチトンネル用湾曲版43の軸線方向にお
ける手前側の溝部48とが位置を合わせるように配置さ
れている。
【0066】ここで、アーチトンネル用湾曲版43は、
図13に示すように、凹部49が軸線方向において逆に
配置される鏡面対称の二種類が用意されている。すなわ
ち、二種類のアーチトンネル用湾曲版43を、円周方向
における位置を合わせ、しかも凹部49を円周方向にお
ける同じ側に配置した状態では、一種類のアーチトンネ
ル用湾曲版43は、例えば軸線方向における一側に凹部
49が配置され、別の種類のアーチトンネル用湾曲版4
3は、軸線方向における前記一側に対し逆側に凹部49
が配置されることになる。これにより、凹部49が軸線
方向に沿って左右交互に配置されるようになっている。
【0067】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物43の一の開口側から見た場合に左側のアーチトンネ
ル用湾曲版43は、すべて軸線方向における手前側に凹
部49が配置され、右側のアーチトンネル用湾曲版43
も、すべて軸線方向における手前側に凹部49が配置さ
れるようになっている。その結果、半円状に連続する溝
部48の一組に対し一つの凹部49のみが配置され、こ
のような凹部49が軸線方向に沿って左右に交互に配置
される。
【0068】なお、アーチ型トンネル構造物41の軸線
方向における両端部に配置されるアーチトンネル用湾曲
版43の一方は、端面の位置を合わせるために軸線方向
における幅が半分とされている。
【0069】アーチトンネル用湾曲版43の両溝部48
は、第1実施形態の溝部18と同様、基礎42に配置さ
れる側の深さ(外周面43aからの深さ)が他の部分よ
りも深くされている(図5参照)。すなわち、アーチト
ンネル用湾曲版43の溝部48は、円周方向の一端部側
が他の部分より深くされており、この深い側を基礎42
側として、基礎42に載置されるのである。その結果、
溝部48の深さが深い部分は、凹部49側に形成され
る。
【0070】しかも、アーチトンネル用湾曲版43の両
溝部48は、第1実施形態の溝部18と同様、軸線方向
に沿う断面を見た場合に、いずれの断面においても、深
さが深くなるほど軸線方向に沿う幅が左右対称をなして
狭くなる形状をなしている(図6参照)。
【0071】緊張体44は、円周方向に連設されるアー
チトンネル用湾曲版43の外周面43aに沿って連続し
て延在する溝部48内に配設される。ここで、図10に
示すように、緊張体44は凹部49の位置で二分割され
ることになり、凹部49から基礎42までの距離に応じ
た長短二種類の分割緊張体44a,44bを有してい
る。これら分割緊張体44a,44bは、ともにアンボ
ンドPC鋼線からなっている。
【0072】ここで、基礎42の凹部47における所定
位置には、分割緊張体44a,44bの一端部をワンタ
ッチで定着させるための第1実施形態と同様の図5に示
す定着具24が穴部25の下方に埋設されている。
【0073】対応する定着具24に一端部が定着された
長側の分割緊張体44aは、円周方向における一側のア
ーチトンネル用湾曲版43の溝部48内に配置され、さ
らに円周方向の逆側のアーチトンネル用湾曲版43の長
側の分割溝部48a内に配置されて凹部49まで至る。
また対応する定着具24に一端部が定着された短側の分
割緊張体44bは、円周方向における逆側のアーチトン
ネル用湾曲版43の短側の分割溝部48b内に配置され
て凹部49まで至る。
【0074】そして、この凹部49内には、両方の分割
緊張体44a,44bを連結させることで緊張体44の
一部をなすとともに、これらに緊張力を導入するための
張力導入部51が設けられている。この張力導入部51
は、図14〜図16に示すように、凹部49内に配置さ
れるとともに同軸状に分割緊張体44a,44bを挿入
させるための穴部52a,52bが対向形成された四角
枠状の連結部材53を有している。
【0075】そして、この連結部材53を凹部49内に
配置した状態で、一方の穴部52bに外側から例えば短
側の分割緊張体44bの定着具24に対し反対側の他端
部を挿入して内側に突出させ、該突出部分にナット54
を螺合させるとともに、他方の穴部52aに外側から長
側の分割緊張体44aの、定着具24に対し反対側の他
端部を挿入して内側に突出させ、該突出部分を介して図
15に示すようなジャッキ55で分割緊張体44aに緊
張力を導入し、この緊張状態を維持するように楔部材5
6で該分割緊張体44aを係合固定する。ここで、楔部
材56は、全体として略テーパ状のオス型をなすととも
に円周方向に分割等されることで縮径可能とされてお
り、内側に分割緊張体44aを挿入させた状態で連結部
材53に固定されたテーパ状のメス型の案内部材57に
挿入されることで縮径して分割緊張体44aを固定する
ようになっている。なお、腐食防止等、必要に応じて凹
部49内にコンクリートを打設してもよい。
【0076】これら連結部材53、ナット54および楔
部材56で張力導入部51が構成されることになり、ま
た、分割緊張体44a,44bおよび張力導入部51で
緊張体44が構成される。張力導入部51は、上記構成
から、アーチトンネル用湾曲版43の外径側の外周面4
3a上の円周方向における中間位置に設けられている。
【0077】次に、上記した第2実施形態のアーチ型ト
ンネル構造物41の構築方法について説明する。ここで
は、すでに構築された部分に、さらに一つのアーチトン
ネル用湾曲版43を施工する場合を例にとり説明する。
【0078】例えば、基礎42に設けられた定着具24
に予めそれぞれ対応する長さの分割緊張体44aあるい
は緊張体44bの一端部を係止定着させておく。
【0079】すでに複数の既設アーチトンネル用湾曲版
43により構築された部分のうちアーチトンネル用湾曲
版43の千鳥配置により軸線方向に凹んでいる部分に、
次のアーチトンネル用湾曲版43を、既設アーチトンネ
ル用湾曲版43の軸線方向に突出している一つと円周方
向に連設させるようにして基礎42に載置させる。この
とき、凹部49を基礎42側に配置し、かつ凹部49が
設けられていない側の溝部48の位置を突出する既設ア
ーチトンネル用湾曲版13の凹部49が設けられた側の
溝部48および基礎42に設けられた所定の定着具24
の位置にほぼ合わせ、凹部49が設けられた側の溝部4
8の位置を基礎42に設けられた所定の定着具24の位
置にほぼ合わせるようにして載置させる。
【0080】なお、定着具24には、上記したように緊
張体44aあるいは緊張体44bがすでに定着されてい
るが、アーチトンネル用湾曲版43は、その溝部48が
基礎42側の深さが深くされているため、基礎42に載
置される際に正規の位置に対し半径方向外側に多少ずれ
て載置されても、基礎42に端部が係止された状態の緊
張体44aあるいは緊張体44bを踏んでしまうことが
ないようになっている。
【0081】そして、図10、図14および図15に示
すように、短側の分割緊張体44bを一側のアーチトン
ネル用湾曲版43の分割溝部48b内に配置しながら凹
部49内に配置された連結部材53の穴部52bに挿入
させ、該穴部52bから、定着具24に対し反対側の他
端部を突出させた後、該他端部にナット54を螺合させ
る。他方、長側の分割緊張体44aを逆側のアーチトン
ネル用湾曲版43の溝部48および一側のアーチトンネ
ル用湾曲版43の分割溝部48a内に配置しながら凹部
49内の連結部材53の穴部52aに挿入させ、該穴部
52bから、定着具24に対し反対側の他端部を突出さ
せた後、この他端部を介して分割緊張体44aにジャッ
キ55で緊張力を導入する。
【0082】ここで、第1実施形態と同様、アーチトン
ネル用湾曲版43の溝部48の形状は、深さが深くなる
ほど軸線方向における幅が狭くなる形状をなしているた
め、基礎42に載置される際に軸方向に多少ずれて載置
されても、緊張体44を緊張させることにより、溝部4
8が狭くなることで該緊張体44で押されて軸線方向の
位置を正しくするように位置が調整されることになる。
そして、緊張体44は最終的には溝部48の底に当接す
る。
【0083】なお、このときに、周方向に隣り合う既設
アーチトンネル用湾曲版43に対する移動を容易とする
ために、第1実施形態と同様、アーチトンネル用湾曲版
43同士の円周方向の突き当て面にテフロン(登録商
標)板等を設けても良い。
【0084】そして、上記緊張力を維持するために分割
緊張体44aの端部を楔部材56で連結部材53に係合
固定した後、ジャッキ55を取り外す。
【0085】以上により、円周方向に隣り合う複数具体
的には二つのアーチトンネル用湾曲版43の外径側の外
周面43aに、分割緊張体44a,44bおよび張力導
入部51で構成される緊張体44をこれらアーチトンネ
ル用湾曲版43に跨った状態で緊張させることになり、
これによりこれらアーチトンネル用湾曲版43を互いに
円周方向に連結させるとともに基礎42に連結させるこ
とになる。このような緊張体44の緊張により、アーチ
トンネル用湾曲版43は、施工時の軸方向の位置決めお
よび施工後の位置ずれ防止が図られる。勿論、この場合
も、アーチトンネル用湾曲版43同士の連結部分には継
手金物類は一切設けられておらず緊張体44の緊張力の
みで連結される。
【0086】上記を繰り返しアーチトンネル用湾曲版4
3を千鳥状に順次配置してアーチ型トンネル構造物41
を構築する。
【0087】そして、必要に応じて凹部49にコンクリ
ートを打設し、張力導入部51の周囲を腐食防止のため
コンクリートで覆う。
【0088】以上に述べた第2実施形態によれば、第1
実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0089】本発明の第3実施形態を図17〜図21を
主に参照して以下に説明する。図17は第3実施形態の
アーチ型トンネル構造物61を示すもので、該アーチ型
トンネル構造物61は、基礎62と、円弧状をなすとと
もに、複数が円周方向に連設されてアーチ型をなすよう
に基礎62に載置されるアーチトンネル用湾曲版63
と、端部が基礎62に係止されるとともに複数のアーチ
トンネル用湾曲版63の外径側の外周面63aにこれら
アーチトンネル用湾曲版63に跨った状態で緊張される
ことによりこれらアーチトンネル用湾曲版63を互いに
円周方向に連結させるとともに基礎62に連結させる緊
張体64とを有している。
【0090】基礎62は、地盤等にコンクリートが打設
されてなるもので、アーチトンネル用湾曲版63の端部
が底面67a上に載置される凹部67が形成されてい
る。
【0091】アーチトンネル用湾曲版63は、図18に
示すように、円弧状をなす例えば鉄筋コンクリートから
なるプレキャスト版で、外径側の外周面63aには、円
周方向に沿って延在する溝部68が、軸線方向に並列し
て複数箇所具体的には二箇所形成されている。
【0092】また、アーチトンネル用湾曲版63の軸線
方向における片側の溝部68の円周方向における中間所
定位置には、半径方向外方に突出する凸部69が片側に
よった状態で形成されており、これにより、凸部69が
設けられた側の溝部68は凸部69を挟んで長側の分割
溝部68aと短側の分割溝部68bとに分割されてい
る。この凸部69には、図19に示すように、長側の分
割溝部68aに連続する貫通孔70aと、短側の分割溝
部68bに連続する貫通孔70bとが互いに干渉しない
ように若干角度をずらして形成されている。
【0093】ここで、溝部68、凸部69および貫通孔
70a,70bは、プレキャスト成形時に成形されるも
のであり、例えば、溝部68はプレキャスト用型枠側に
凸部を形成することで成形され、凸部69はプレキャス
ト用型枠側に凹部を形成することで成形され、貫通孔7
0a,70bは、塩化ビニル等の管体が埋め殺しで設け
られることで成形される。
【0094】ここで、アーチトンネル用湾曲版63は、
図17に示すように、複数具体的には二つが円周方向に
連設されて半円状をなすように基礎62に載置される
が、図21に示すように、アーチ型トンネル構造物61
の一の開口側から見た場合に左右に配置されるものが、
基礎62側に凸部69を配置した状態で、軸線方向に半
分位置をずらして千鳥状に配置される。
【0095】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物61の一の開口側から見た場合に左側のアーチトンネ
ル用湾曲版63の軸線方向における奥側の溝部68と、
右側のアーチトンネル用湾曲版63の軸線方向における
手前側の溝部68とが位置を合わせ、右側のアーチトン
ネル用湾曲版63の軸線方向における奥側の溝部68
と、左側のアーチトンネル用湾曲版63の軸線方向にお
ける手前側の溝部68とが位置を合わせるように配置さ
れている。
【0096】また、アーチトンネル用湾曲版63は、凸
部69が軸線方向において逆に配置される鏡面対称の二
種類が用意されている。すなわち、二種類のアーチトン
ネル用湾曲版63を、円周方向における位置を合わせ、
しかも凸部69を円周方向における同じ側に配置した状
態では、一種類のアーチトンネル用湾曲版63は、例え
ば軸線方向における一側に凸部69が配置され、別の種
類のアーチトンネル用湾曲版63は、軸線方向における
前記一側に対し逆側に凸部69が配置されることにな
る。これにより、凸部69が軸線方向に沿って左右交互
に配置されるようになっている。
【0097】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物11の一の開口側から見た場合に左側のアーチトンネ
ル用湾曲版63は、すべて軸線方向における手前側に凸
部69が配置され、右側のアーチトンネル用湾曲版63
も、すべて軸線方向における手前側に凸部69が配置さ
れるようになっている。その結果、半円状に連続する溝
部68の一組に対し一つの凸部69のみが配置され、こ
のような凸部69が軸線方向に沿って左右に交互に配置
される。
【0098】なお、アーチ型トンネル構造物61の軸線
方向における両端部に配置されるアーチトンネル用湾曲
版63の一方は、端面の位置を合わせるために軸線方向
における幅が半分とされることになる。
【0099】アーチトンネル用湾曲版63の両溝部68
は、第1実施形態の溝部18と同様、基礎62に配置さ
れる側の深さ(外周面63aからの深さ)が他の部分よ
りも深くされている(図5参照)。すなわち、アーチト
ンネル用湾曲版63の溝部68は、円周方向の一端部側
が他の部分より深くされており、この深い側を基礎62
側として、基礎62に載置されるのである。その結果、
溝部68の深さが深い部分は、凸部69側に形成され
る。
【0100】しかも、アーチトンネル用湾曲版63の両
溝部68は、第1実施形態の溝部18と同様、軸線方向
に沿う断面を見た場合に、いずれの断面においても、深
さが深くなるほど軸線方向に沿う幅が左右対称をなして
狭くなる形状をなしている(図6参照)。
【0101】緊張体64は、図17に示すように、円周
方向に連設されるアーチトンネル用湾曲版63の外周面
63aに沿って連続する溝部68の組に配設される。こ
こで、緊張体64は凸部69の位置で二分割されること
になり、凸部69から基礎62までの距離に応じた長短
二種類の分割緊張体64a,64bを有している。これ
ら分割緊張体64a,64bは、ともにアンボンドPC
鋼線からなっている。
【0102】ここで、基礎62の凹部67における所定
位置には、分割緊張体64a,64bの一端部をワンタ
ッチで定着させるための第1実施形態と同様の定着具2
4が穴部25の下方に埋設されている。
【0103】このような定着具24に一端部が定着され
た長側の分割緊張体64aは、円周方向における一側の
アーチトンネル用湾曲版63の溝部68内に配置され、
さらに円周方向の逆側のアーチトンネル用湾曲版63の
長側の分割溝部68a内に配置されて凸部69まで至
る。また定着具24に一端部が定着された短側の分割緊
張体64bは、円周方向における逆側のアーチトンネル
用湾曲版63の短側の分割溝部68b内に配置されて凸
部69まで至る。
【0104】そして、この凸部69は、両方の分割緊張
体68a,68bに緊張力を導入するための張力導入部
71の一部とされている。すなわち、図20に示すよう
に、凸部69の一方の貫通孔70bに短側の分割緊張体
64bの、定着具24に対し反対側の他端部を挿入して
突出させ、該突出部分を介して図示せぬジャッキで該分
割緊張体64bに緊張力を導入し、この緊張状態を維持
するようにナット72bを該分割緊張体64bに螺合固
定する。また、他方の貫通孔70aに長側の分割緊張体
64aの、定着具24に対し反対側の他端部を挿入して
突出させ、該突出部分を介して図示せぬジャッキで該分
割緊張体64aに緊張力を導入し、この緊張状態を維持
するようにナット72aを該分割緊張体64aに螺合固
定する。
【0105】その結果、これら凸部69およびナット7
2a,72bで上記張力導入部71が構成されることに
なり、この張力導入部71は、上記構成から、アーチト
ンネル用湾曲版63の外径側の外周面63a上の円周方
向の中間位置に設けられている。
【0106】次に、上記した第3実施形態のアーチ型ト
ンネル構造物61の構築方法について説明する。ここで
は、すでに構築された部分に、さらに一つのアーチトン
ネル用湾曲版63を施工する場合を例にとり説明する。
【0107】例えば、基礎62に設けられた定着具24
に予めそれぞれ対応する分割緊張体68a,68bの一
端部を係止定着させておく。
【0108】すでに複数の既設アーチトンネル用湾曲版
63により構築された部分のうちアーチトンネル用湾曲
版63の千鳥配置により軸線方向に凹んでいる部分に、
次のアーチトンネル用湾曲版63を、既設アーチトンネ
ル用湾曲版63の軸線方向に突出している一つと円周方
向に連設させるようにして基礎62に載置させる。この
とき、凸部69を基礎62側に配置し、かつ凸部69が
設けられていない側の溝部68の位置を突出する既設ア
ーチトンネル用湾曲版63の凸部69が設けられた側の
溝部68および基礎62に設けられた所定の定着具24
の位置にほぼ合わせ、凸部69が設けられた側の溝部6
8の位置を基礎62に設けられた所定の定着具24の位
置にほぼ合わせるようにして載置させる。
【0109】なお、定着具24には、上記したように分
割緊張体64aあるいは分割緊張体64bがすでに定着
されているが、アーチトンネル用湾曲版13は、その溝
部68が基礎62側の深さが深くされているため、基礎
62に載置される際に正規の位置に対し半径方向外側に
多少ずれて載置されても、基礎62に端部が係止された
状態の分割緊張体64aあるいは分割緊張体64bを踏
んでしまうことがないようになっている。
【0110】そして、短側の分割緊張体64bを一側の
アーチトンネル用湾曲版63の分割溝部68b内に配置
しながら凸部69の貫通孔70bに挿入し、該貫通孔7
0bから、定着具24に対し反対側の他端部を突出させ
る。
【0111】他方、長側の分割緊張体64aを逆側のア
ーチトンネル用湾曲版63の溝部68および一側のアー
チトンネル用湾曲版63の分割溝部68a内に配置しな
がら凸部69の貫通孔70aに挿入し、該貫通孔70a
から、定着具24に対し反対側の他端部を突出させる。
【0112】この状態で、短側の分割緊張体64bの上
記他端部を介して分割緊張体64bにジャッキで緊張力
を導入するとともに、長側の分割緊張体64aの上記他
端部を介して分割緊張体64aにジャッキで緊張力を導
入する。
【0113】そして、上記緊張力を維持するために分割
緊張体64bの上記他端部にナット72bを螺合固定す
るとともに分割緊張体64aの上記他端部にナット72
aを螺合固定する。
【0114】ここで、アーチトンネル用湾曲版63の溝
部68の形状は、第1実施形態と同様、深さが深くなる
ほど軸線方向における幅が狭くなる形状をなしているた
め、基礎62に載置される際に軸方向に多少ずれて載置
されても、分割緊張体64a,64bを緊張させること
により、溝部68が狭くなることでこれら分割緊張体6
4a,64bで押されて軸線方向の位置を正しくするよ
うに位置が調整されることになる。そして、分割緊張体
64a,64bは最終的には溝部68の底に当接する。
【0115】なお、このときに、周方向に隣り合う既設
アーチトンネル用湾曲版63に対する移動を容易とする
ために、第1実施形態と同様、アーチトンネル用湾曲版
63同士の円周方向の突き当て面にテフロン板等を設け
ても良い。そして、ジャッキを取り外す。
【0116】以上により、円周方向に隣り合う複数具体
的には二つのアーチトンネル用湾曲版63の外径側の外
周面63aに、分割緊張体64a,64bで構成される
緊張体64をこれらアーチトンネル用湾曲版63に跨っ
た状態で緊張させることになり、これによりこれらアー
チトンネル用湾曲版63を互いに円周方向に連結させる
とともに基礎62に連結させることになる。このように
緊張体64の緊張により、アーチトンネル用湾曲版63
は、施工時の軸方向の位置決めおよび施工後の位置ずれ
防止が図られる。勿論、この場合も、アーチトンネル用
湾曲版63同士の連結部分には継手金物類は一切設けら
れておらず緊張体64の緊張力のみで連結される。
【0117】上記を繰り返しアーチトンネル用湾曲版6
3を千鳥状に順次配置してアーチ型トンネル構造物61
を構築する。
【0118】以上に述べた第3実施形態においても、第
1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0119】本発明の第4実施形態を図22〜図25を
参照して以下に説明する。図22は第4実施形態のアー
チ型トンネル構造物81を示すもので、該アーチ型トン
ネル構造物81は、基礎82と、円弧状をなすととも
に、複数が円周方向に連設されてアーチ型をなすように
基礎82に載置されるアーチトンネル用湾曲版83と、
両端部がそれぞれ基礎82に係止されるとともに複数の
アーチトンネル用湾曲版83の外径側の外周面83aに
これらアーチトンネル用湾曲版83に跨った状態で緊張
されることによりこれらアーチトンネル用湾曲版83を
互いに円周方向に連結させるとともに基礎82に連結さ
せる緊張体84とを有している。
【0120】基礎82は、地盤等にコンクリートが打設
されてなるもので、アーチトンネル用湾曲版83の端部
が底面87a上に載置される凹部87が形成されてい
る。
【0121】アーチトンネル用湾曲版83は、円弧状を
なす例えば鉄筋コンクリートからなるプレキャスト版
で、外径側の外周面83aには、円周方向に沿って延在
する溝部88が、軸線方向に並列して複数箇所具体的に
は二箇所形成されている。
【0122】ここで、溝部88は、プレキャスト成形時
に成形されるものであり、例えば、プレキャスト用型枠
側に凸部を形成することで成形される。
【0123】図23に示すように、アーチトンネル用湾
曲版83は、複数具体的には二つが円周方向に連設され
て半円状をなすように基礎82に載置されるが、アーチ
型トンネル構造物81の一の開口側から見た場合に左右
に配置されるものが、軸線方向に半分位置をずらして千
鳥状に配置される。
【0124】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物81の一の開口側から見た場合に左側のアーチトンネ
ル用湾曲版83の軸線方向における奥側の溝部88と、
右側のアーチトンネル用湾曲版83の軸線方向における
手前側の溝部88とが位置を合わせ、右側のアーチトン
ネル用湾曲版83の軸線方向における奥側の溝部88
と、左側のアーチトンネル用湾曲版83の軸線方向にお
ける手前側の溝部88とが位置を合わせるように配置さ
れている。ここで、両溝部88は、同じ形状とされてい
る。
【0125】なお、アーチ型トンネル構造物81の軸線
方向における両端部に配置されるアーチトンネル用湾曲
版83の一方は、端面の位置を合わせるために軸線方向
における幅が半分とされている。
【0126】アーチトンネル用湾曲版83の両溝部88
は、第1実施形態の溝部18と同様、基礎82に配置さ
れる側の深さ(外周面83aからの深さ)が他の部分よ
りも深くされている(図5参照)。すなわち、アーチト
ンネル用湾曲版83の溝部88は、円周方向の一端部側
が他の部分より深くされており、この深い側を基礎82
側として、基礎82に載置されるのである。
【0127】しかも、アーチトンネル用湾曲版83の両
溝部88は、第1実施形態の溝部18と同様、軸線方向
に沿う断面を見た場合に、いずれの断面においても、深
さが深くなるほど軸線方向に沿う幅が左右対称をなして
狭くなる形状をなしている(図6参照)。
【0128】緊張体84は、円周方向に連設されるアー
チトンネル用湾曲版83の外周面83aに沿って連続す
る溝部88の組内に配設される。ここで、緊張体84は
アンボンドPC鋼線からなっている。
【0129】基礎82の凹部87における所定位置に
は、緊張体84の一端部をワンタッチで定着させるため
の第1実施形態と同様の定着具24が埋設されている。
【0130】このような定着具24に一端部が定着され
た緊張体84は、円周方向における一側のアーチトンネ
ル用湾曲版83の溝部88内に配置され、さらに円周方
向の逆側のアーチトンネル用湾曲版83の溝部88内に
配置されて基礎82に至る。
【0131】また、緊張体84には、図24に示すよう
に、定着具24に対し反対側の他端部にカップラ(張力
導入部)90を介してアンカー部材91が連結されてい
る。このアンカー部材91は、直方体形状のアンカー本
体92と該アンカー本体92からその長さ方向に直交し
て突出する軸部93とを有しており、該軸部93がカッ
プラ90に螺合され該カップラ90が緊張体84に螺合
されることで、アンカー本体92、カップラ90および
緊張体84が連結される。
【0132】これに合わせて、基礎82の凹部87にお
ける所定位置には、アンカー部材91を位置決め係止す
るための位置決め係止部材95が埋設されている。この
位置決め係止部材95は、アンカー本体92を長さ方向
を横にした状態で挿入可能な長さおよび幅の開口部96
と、該開口部96の下部から該開口部96の幅方向に沿
って外側に広がる係止収納部97とを有している。
【0133】そして、アンカー部材91は、アンカー本
体92を開口部96を通過させて係止収納部97内で9
0°回転させ、さらに側方に移動させて係止収納部97
の端面に当接させることで、図25に示すように、アン
カー本体92が係止収納部97内での回転が規制されか
つ開口部96からの抜けが規制された状態となる。この
状態で、カップラ90を締め付けることで、緊張体84
に張力を導入する。
【0134】ここで、係止収納部97のアンカー本体9
2が当接させられる側の端面の位置が溝部88の位置に
合わせられている。すなわち、この端面にアンカー本体
92が当接させられた状態で緊張体84は溝部88にア
ーチトンネル用湾曲版83の軸線方向における位置を合
わせるのである。なお、位置決め係止部材95は、上記
形状に合成樹脂等で成形されたものが、基礎52のコン
クリート打設時に埋設されてなるものである。
【0135】次に、上記した第4実施形態のアーチ型ト
ンネル構造物81の構築方法について説明する。ここで
は、すでに構築された部分に、さらに一つのアーチトン
ネル用湾曲版83を施工する場合を例にとり説明する。
【0136】例えば、基礎82に設けられた定着具24
に予めそれぞれ対応する長さの緊張体84の一端部を係
止定着させておき、該緊張体84の他端部にカップラ9
0を介してアンカー部材91を連結させておく。
【0137】すでに複数の既設アーチトンネル用湾曲版
83により構築された部分のうちアーチトンネル用湾曲
版83の千鳥配置により軸線方向に凹んでいる部分に、
次のアーチトンネル用湾曲版83を、既設アーチトンネ
ル用湾曲版83の軸線方向に突出している一つと円周方
向に連設させるようにして基礎82に載置させる。この
とき、溝部88の位置を基礎82に設けられた所定の位
置決め係止部材95または所定の定着具24の位置にほ
ぼ合わせるようにして載置させる。
【0138】なお、定着具24側に載置させる場合、定
着具24には、上記したように緊張体84がすでに定着
されているが、アーチトンネル用湾曲版83は、その溝
部88が基礎82側の深さが深くされているため、基礎
82に載置される際に正規の位置に対し半径方向外側に
多少ずれて載置されても、基礎82に端部が係止された
状態の緊張体84を踏んでしまうことがないようになっ
ている。
【0139】そして、緊張体84を一側のアーチトンネ
ル用湾曲版83の溝部88およびこれに連続する逆側の
アーチトンネル用湾曲版83の溝部88内に配置しなが
ら、その端部に設けられたアンカー部材91を位置決め
係止部材95に、その長さ方向を開口部96の長さ方向
に沿わせた状態で挿入させ、係止収納部97内で90°
回転させ、さらに側方に移動させて係止収納部97の端
面に当接させる。これにより、アンカー部材91が係止
収納部97内での回転が規制されかつ開口部96からの
抜けが規制された状態となる。この状態で、カップラ9
0を回転させることで、緊張体84に張力を導入する。
【0140】ここで、アーチトンネル用湾曲版83の溝
部88の形状は、第1実施形態ど同様、深さが深くなる
ほど軸線方向における幅が狭くなる形状をなしているた
め、基礎82に載置される際に軸方向に多少ずれて載置
されても、緊張体84を緊張させることにより、溝部8
8が狭くなることで該緊張体84で押されて軸線方向の
位置を正しくするように位置が調整されることになる。
そして、緊張体84は最終的には溝部88の底に当接す
る。
【0141】なお、このときに、周方向に隣り合う既設
アーチトンネル用湾曲版83に対する移動を容易とする
ために、第1実施形態と同様、アーチトンネル用湾曲版
83同士の円周方向の突き当て面にテフロン板等を設け
ても良い。また、必要に応じて位置決め係止部材95の
アンカー部材91を挿入した後の隙間にコンクリートを
打設してもよい。
【0142】以上により、円周方向に隣り合う複数具体
的には二つのアーチトンネル用湾曲版83の外径側の外
周面83aに、緊張体84をこれらアーチトンネル用湾
曲版83に跨った状態で緊張させることになり、これに
よりこれらアーチトンネル用湾曲版83を互いに円周方
向に連結させるとともに基礎82に連結させることにな
る。このように緊張体84の緊張により、アーチトンネ
ル用湾曲版83は、施工時の軸方向の位置決めおよび施
工後の位置ずれ防止が図られる。勿論、この場合も、ア
ーチトンネル用湾曲版83同士の連結部分には継手金物
類は一切設けられておらず緊張体84の緊張力のみで連
結される。
【0143】上記を繰り返しアーチトンネル用湾曲版8
3を千鳥状に順次配置してアーチ型トンネル構造物81
を構築する。
【0144】以上に述べた第4実施形態においても、第
1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0145】本発明の第5実施形態を図26〜図28を
参照して以下に説明する。図26は第5実施形態のアー
チ型トンネル構造物101を示すもので、該アーチ型ト
ンネル構造物101は、基礎102と、円弧状をなすと
ともに、複数が円周方向に連設されてアーチ型をなすよ
うに基礎102に載置されるアーチトンネル用湾曲版1
03と、両端部がそれぞれ基礎102に係止されるとと
もに複数のアーチトンネル用湾曲版103の外径側の外
周面103aにこれらアーチトンネル用湾曲版103に
跨った状態で緊張されることによりこれらアーチトンネ
ル用湾曲版103を互いに円周方向に連結させるととも
に基礎102に連結させる緊張体104とを有してい
る。
【0146】基礎102は、地盤等にコンクリートが打
設されてなるもので、アーチトンネル用湾曲版103の
端部が底面107a上に載置される凹部107が形成さ
れている。
【0147】アーチトンネル用湾曲版103は、円弧状
をなす例えば鉄筋コンクリートからなるプレキャスト版
で、外径側の外周面103aには、円周方向に沿って延
在する溝部108が、軸線方向に並列して複数箇所具体
的には二箇所形成されている。
【0148】ここで、アーチトンネル用湾曲版103
は、両溝部108のみが形成されたものと、両溝部10
8の円周方向における同じ側の端部に溝部108より軸
線方向の幅が広い凹部109が形成されたものの二種類
が用意されている。そして、溝部108のみが形成され
たアーチトンネル用湾曲版103が、アーチ型トンネル
構造物101の開口側からみて左右のいずれか一方(図
26においては左側)のみに配置され、溝部108およ
び凹部109が形成されたアーチトンネル用湾曲版10
3が、左右のいずれか他方(図26においては右側)の
みに配置される。
【0149】ここで、溝部108および凹部109は、
プレキャスト成形時に成形されるものであり、例えば、
プレキャスト用型枠側に凸部を形成することで成形され
る。
【0150】アーチトンネル用湾曲版103は、複数具
体的には二つが円周方向に連設されて半円状をなすよう
に基礎102に載置されるが、図27に示すように、ア
ーチ型トンネル構造物101の一の開口側から見た場合
に左右に配置されるものが、軸線方向に半分位置をずら
して千鳥状に配置される。
【0151】すなわち、例えば、アーチ型トンネル構造
物101の一の開口側から見た場合に左側のアーチトン
ネル用湾曲版103の軸線方向における奥側の溝部10
8と、右側のアーチトンネル用湾曲版103の軸線方向
における手前側の溝部108とが位置を合わせ、右側の
アーチトンネル用湾曲版103の軸線方向における奥側
の溝部108と、左側のアーチトンネル用湾曲版103
の軸線方向における手前側の溝部108とが位置を合わ
せるように配置されている。
【0152】なお、アーチ型トンネル構造物101の軸
線方向における両端部に配置されるアーチトンネル用湾
曲版103の一方は、端面の位置を合わせるために軸線
方向における幅が半分とされている。
【0153】アーチトンネル用湾曲版103の両溝部1
08は、第1実施形態の溝部18と同様、基礎102に
配置される側の深さ(外周面103aからの深さ)が他
の部分よりも深くされている(図5参照)。すなわち、
アーチトンネル用湾曲版103の溝部108は、円周方
向の一端部側が他の部分より深くされており、この深い
側を基礎102側として、基礎102に載置されるので
ある。
【0154】しかも、アーチトンネル用湾曲版103の
両溝部108は、第1実施形態の溝部18と同様、軸線
方向に沿う断面を見た場合に、いずれの断面において
も、深さが深くなるほど軸線方向に沿う幅が左右対称を
なして狭くなる形状をなしている(図6参照)。
【0155】緊張体104は、円周方向に連設されるア
ーチトンネル用湾曲版103の外周面103aに沿って
連続する溝部108の組に配設される。ここで、緊張体
104はアンボンドPC鋼線からなっている。
【0156】ここで、凹部109が形成されていないア
ーチトンネル用湾曲版103が配置される左右いずれか
一側の基礎102の凹部107における所定位置には、
緊張体104の一端部をワンタッチで定着させるための
第1実施形態と同様の定着具24が埋設されている。
【0157】このような定着具24に一端部が定着され
た緊張体104は、円周方向における一側のアーチトン
ネル用湾曲版103の溝部108内に配置され、さらに
円周方向の逆側のアーチトンネル用湾曲版103の溝部
108内に配置されて左右逆側の基礎102に至る。
【0158】また、緊張体104の定着具24に対し反
対側の他端部には、左右逆側の基礎102の凹部107
における所定位置に埋設されたアンカー部材111が、
カップラ(張力導入部)112を介して連結される。
【0159】このアンカー部材111は、図28に示す
ように、直方体形状のアンカー本体113と該アンカー
本体113からその長さ方向に直交して突出する軸部1
14とを有するもので、該軸部114が基礎102から
上方に突出しており、該軸部114がカップラ112に
螺合され該カップラ112が緊張体104に螺合される
ことで、軸部114、カップラ112および緊張体10
4が連結される。さらに、連結後、カップラ112を締
め付けることで、緊張体104に張力を導入する。
【0160】次に、上記した第5実施形態のアーチ型ト
ンネル構造物101の構築方法について説明する。ここ
では、すでに構築された部分に、さらに一つのアーチト
ンネル用湾曲版103を施工する場合を例にとり説明す
る。
【0161】例えば、左右いずれか一方の基礎102に
設けられた定着具24に予め緊張体104の一端部を係
止定着させておく。
【0162】すでに複数の既設アーチトンネル用湾曲版
103により構築された部分のうちアーチトンネル用湾
曲版103の千鳥配置により軸線方向に凹んでいる部分
に、次のアーチトンネル用湾曲版103を、既設アーチ
トンネル用湾曲版103の軸線方向に突出している一つ
と円周方向に連設させるようにして基礎102に載置さ
せる。このとき、溝部108の位置を基礎102に設け
られた所定のアンカー部材111または所定の定着具2
4の位置にほぼ合わせるようにして載置させる。
【0163】なお、定着具24側に載置させる場合、定
着具24には、上記したように緊張体104がすでに定
着されているが、アーチトンネル用湾曲版103は、そ
の溝部108が基礎102側の深さが深くされているた
め、基礎102に載置される際に正規の位置に対し半径
方向外側に多少ずれて載置されても、基礎102に端部
が係止された状態の緊張体104を踏んでしまうことが
ないようになっている。
【0164】そして、緊張体104を一側のアーチトン
ネル用湾曲版103の溝部108および逆側のアーチト
ンネル用湾曲版103の溝部108内に配置しながら、
その定着具24に対し反対側の他端部を、凹部109内
に配置し、該凹部109内において、基礎102に設け
られたアンカー部材111の軸部114にカップラ11
2を介して連結させる。そして、この状態で、さらにカ
ップラ112を回転させて締め上げることで、緊張体1
04に張力を導入する。なお、凹部109は、カップラ
112に回転力を導入するための工具の動作スペースで
ある。
【0165】ここで、アーチトンネル用湾曲版103の
溝部108の形状は、第1実施形態ど同様、深さが深く
なるほど軸線方向における幅が狭くなる形状をなしてい
るため、基礎102に載置される際に軸方向に多少ずれ
て載置されても、緊張体104を緊張させることによ
り、溝部108が狭くなることで該緊張体104で押さ
れて軸線方向の位置を正しくするように位置が調整され
ることになる。そして、緊張体104は最終的には溝部
108の底に当接する。
【0166】なお、このときに、周方向に隣り合う既設
アーチトンネル用湾曲版103に対する移動を容易とす
るために、第1実施形態と同様、アーチトンネル用湾曲
版103同士の円周方向の突き当て面にテフロン板等を
設けても良い。
【0167】以上により、円周方向に隣り合う複数具体
的には二つのアーチトンネル用湾曲版103の外径側の
外周面103aに、緊張体104をこれらアーチトンネ
ル用湾曲版103に跨った状態で緊張させることにな
り、これによりこれらアーチトンネル用湾曲版103を
互いに円周方向に連結させるとともに基礎102に連結
させることになる。このように緊張体104の緊張によ
り、アーチトンネル用湾曲版103は、施工時の軸方向
の位置決めおよび施工後の位置ずれ防止が図られる。勿
論、この場合も、アーチトンネル用湾曲版103同士の
連結部分には継手金物類は一切設けられておらず緊張体
104の緊張力のみで連結される。
【0168】上記を繰り返しアーチトンネル用湾曲版1
03を千鳥状に順次配置してアーチ型トンネル構造物1
01を構築する。また、必要に応じてカップラ112を
覆うように凹部109内にコンクリートを打設してもよ
い。
【0169】以上に述べた第5実施形態においても、第
1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0170】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載のアーチ型トンネル構造物によれば、複数の円弧状
のアーチトンネル用湾曲版を円周方向に連設させて基礎
に載置させるとともに、緊張体をその端部を基礎に係止
させるとともに複数のアーチトンネル用湾曲版の外径側
の外周面にこれらアーチトンネル用湾曲版に跨った状態
で緊張させることによりこれらアーチトンネル用湾曲版
を互いに円周方向に連結させるとともに基礎に連結させ
るため、アーチトンネル用湾曲版同士の連結をボルト・
ナットの締結により行い、またアーチトンネル用湾曲版
と基礎との連結を、アーチトンネル用湾曲版の端部を基
礎に設けられた凹部内に仮置きし、アーチトンネル用湾
曲版を基礎に位置出しボルトで位置決め固定した後、凹
部内にモルタルを打設することにより行う従来に比し
て、アーチトンネル用湾曲版同士の連結と、アーチトン
ネル用湾曲版および基礎の連結とにかかる手間を軽減す
ることができる。
【0171】本発明の請求項2記載のアーチ型トンネル
構造物によれば、アーチトンネル用湾曲版の外周面に円
周方向に沿って延在するように形成された溝部に緊張体
が配設されるため、緊張体を一定位置に配置することが
できる。したがって、緊張体がずれた状態で緊張され、
後にずれが解消されることで緊張が緩んでしまうことが
なく、アーチトンネル用湾曲版同士の連結と、アーチト
ンネル用湾曲版および基礎の連結とを確実に行うことが
できる。
【0172】本発明の請求項3記載のアーチ型トンネル
構造物によれば、溝部が基礎側の深さが深くされている
ため、アーチトンネル用湾曲版を基礎に載置させる際に
アーチトンネル用湾曲版がその半径方向に多少ずれて載
置されても、基礎に端部が係止された状態の緊張体をア
ーチトンネル用湾曲版が踏んでしまうことを防止でき
る。したがって、さらに、アーチトンネル用湾曲版の基
礎への載置時の位置合わせにかかる手間を軽減すること
ができる。
【0173】本発明の請求項4記載のアーチ型トンネル
構造物によれば、溝部が、深さが深くなるほど幅が狭く
なる形状をなしているため、アーチトンネル用湾曲版を
基礎に載置させる際にアーチトンネル用湾曲版がその軸
方向に多少ずれて載置されても、溝部に緊張体を配置で
き、しかも配置された緊張体を緊張させると、溝部が狭
くなることで該緊張体で押されてアーチトンネル用湾曲
版が軸線方向の位置を正しくするように位置が調整され
ることになる。したがって、さらに、アーチトンネル用
湾曲版の基礎への載置時の位置合わせにかかる手間を軽
減することができる。
【0174】本発明の請求項5記載のアーチ型トンネル
構造物によれば、アーチトンネル用湾曲版の外周面上と
なる位置に、緊張体に張力を導入するための張力導入部
が設けられているため、基礎部分に張力導入部が設けら
れている場合に比して緊張体を緊張させる際の張力導入
作業を容易に行うことができる。
【0175】本発明の請求項6記載のアーチ型トンネル
構造物の構築方法によれば、複数の円弧状のアーチトン
ネル用湾曲版を円周方向に連設させて基礎に載置させる
とともに、端部を基礎に係止させるとともに複数のアー
チトンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれらアーチト
ンネル用湾曲版に跨った状態で緊張体を緊張させること
によりこれらアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方向
に連結させるとともに基礎に連結させるため、アーチト
ンネル用湾曲版同士の連結をボルト・ナットの締結によ
り行い、またアーチトンネル用湾曲版と基礎との連結
を、アーチトンネル用湾曲版の端部を基礎に設けられた
凹部内に仮置きし、アーチトンネル用湾曲版を基礎に位
置出しボルトで位置決め固定した後、凹部内にモルタル
を打設することにより行う従来に比して、アーチトンネ
ル用湾曲版同士の連結と、アーチトンネル用湾曲版およ
び基礎の連結とにかかる手間を軽減することができる。
【0176】本発明の請求項7記載のアーチトンネル用
湾曲版によれば、外周面に円周方向に沿って延在するよ
うに形成された溝部に緊張体が配設されるため、緊張体
を一定位置に配置することができる。したがって、緊張
体がずれた状態で緊張され、後にずれが解消されること
で緊張が緩んでしまうことがなく、他のアーチトンネル
用湾曲版との連結と、基礎との連結とを確実に行うこと
ができる。
【0177】本発明の請求項8記載のアーチトンネル用
湾曲版によれば、溝部が基礎側の深さが深くされている
ため、基礎に載置される際に半径方向に多少ずれて載置
されても、基礎に端部が係止された状態の緊張体を踏ん
でしまうことを防止できる。したがって、さらに、基礎
への載置時の位置合わせにかかる手間を軽減することが
できる。
【0178】本発明の請求項9記載のアーチトンネル用
湾曲版によれば、溝部が、深さが深くなるほど幅が狭く
なる形状をなしているため、基礎に載置される際に軸方
向に多少ずれて載置されても、溝部に緊張体を配置で
き、しかも配置された緊張体を緊張させると、溝部が狭
くなることで該緊張体で押されて軸線方向の位置を正し
くするように位置が調整されることになる。したがっ
て、さらに、基礎への載置時の位置合わせにかかる手間
を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物を示す正断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のアーチトンネル用湾
曲版を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物の頂部近傍を示す部分拡大平面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物の頂部近傍を示す部分拡大正断面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物の基礎近傍を示す部分拡大正断面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態のアーチトンネル用湾
曲版と緊張体を示す平断面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物の施工手順を示す頂部近傍を示す部分拡大平面図で
ある。
【図8】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物の施工手順を示す頂部近傍を示す部分拡大平面図で
ある。
【図9】 本発明の第1実施形態のアーチ型トンネル構
造物の施工手順を示す頂部近傍を示す部分拡大平面図で
ある。
【図10】 本発明の第2実施形態のアーチ型トンネル
構造物を示す正断面図である。
【図11】 本発明の第2実施形態のアーチトンネル用
湾曲版を示す斜視図である。
【図12】 本発明の第2実施形態のアーチ型トンネル
構造物の頂部近傍を示す部分拡大平面図である。
【図13】 本発明の第2実施形態のアーチ型トンネル
構造物の斜視図である。
【図14】 本発明の第2実施形態のアーチ型トンネル
構造物の張力導入部を示す正面図である。
【図15】 本発明の第2実施形態のアーチ型トンネル
構造物の張力導入部を示す側断面図である。
【図16】 本発明の第2実施形態のアーチ型トンネル
構造物の張力導入部の連結部材を示す斜視図である。
【図17】 本発明の第3実施形態のアーチ型トンネル
構造物を示す正断面図である。
【図18】 本発明の第3実施形態のアーチトンネル用
湾曲版を示す斜視図である。
【図19】 本発明の第3実施形態のアーチ型トンネル
構造物の張力導入部を示す正面図である。
【図20】 本発明の第3実施形態のアーチ型トンネル
構造物の張力導入部を示す側面図である。
【図21】 本発明の第3実施形態のアーチ型トンネル
構造物の斜視図である。
【図22】 本発明の第4実施形態のアーチ型トンネル
構造物を示す正断面図である。
【図23】 本発明の第4実施形態のアーチ型トンネル
構造物の斜視図である。
【図24】 本発明の第4実施形態のアーチ型トンネル
構造物のアンカー部分の係合前の状態を示す斜視図であ
る。
【図25】 本発明の第4実施形態のアーチ型トンネル
構造物のアンカー部分の係合後の状態を示す斜視図であ
る。
【図26】 本発明の第5実施形態のアーチ型トンネル
構造物を示す正断面図である。
【図27】 本発明の第5実施形態のアーチ型トンネル
構造物の斜視図である。
【図28】 本発明の第5実施形態のアーチ型トンネル
構造物のアンカー部分を示す斜視図である。
【符号の説明】
11,41,61,81,101 アーチ型トンネル構
造物 12,42,62,82,102 基礎 13,43,63,83,103 アーチトンネル用湾
曲版 14,44,64,84,104 緊張体 31,51,71 張力導入部 90,112 カップラ(張力導入部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 博英 東京都千代田区有楽町一丁目12番1号 石 川島建材工業株式会社内 (72)発明者 國藤 崇 東京都千代田区有楽町一丁目12番1号 石 川島建材工業株式会社内 Fターム(参考) 2D055 BB02 GC01 GC04 GC07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎と、 円弧状をなすとともに、複数が円周方向に連設されて前
    記基礎に載置されるアーチトンネル用湾曲版と、 端部が前記基礎に係止されるとともに前記複数のアーチ
    トンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれらアーチトン
    ネル用湾曲版に跨った状態で緊張されることによりこれ
    らアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方向に連結させ
    るとともに前記基礎に連結させる緊張体とを有すること
    を特徴とするアーチ型トンネル構造物。
  2. 【請求項2】 前記アーチトンネル用湾曲版の前記外周
    面には、円周方向に沿って延在する溝部が形成されてお
    り、前記緊張体は前記溝部に配設されることを特徴とす
    る請求項1記載のアーチ型トンネル構造物。
  3. 【請求項3】 前記溝部は前記基礎側の深さが深くされ
    ていることを特徴とする請求項2記載のアーチ型トンネ
    ル構造物。
  4. 【請求項4】 前記溝部は、深さが深くなるほど幅が狭
    くなる形状をなしていることを特徴とする請求項2また
    は3記載のアーチ型トンネル構造物。
  5. 【請求項5】 前記アーチトンネル用湾曲版の前記外周
    面上となる位置に、前記緊張体に張力を導入するための
    張力導入部が設けられていることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか一項記載のアーチ型トンネル構造物。
  6. 【請求項6】 複数の円弧状のアーチトンネル用湾曲版
    を円周方向に連設させて基礎に載置させるとともに、 端部を前記基礎に係止させるとともに前記複数のアーチ
    トンネル用湾曲版の外径側の外周面にこれらアーチトン
    ネル用湾曲版に跨った状態で緊張体を緊張させることに
    よりこれらアーチトンネル用湾曲版を互いに円周方向に
    連結させるとともに前記基礎に連結させることを特徴と
    するアーチ型トンネル構造物の構築方法。
  7. 【請求項7】 円弧状をなし複数が円周方向に連設され
    て基礎に載置されるとともに、外径側の外周面に緊張さ
    れる緊張体で複数が互いに円周方向に連結されかつ前記
    基礎に連結されることによりアーチ型トンネル構造物を
    構築するアーチトンネル用湾曲版であって、 前記外周面には、円周方向に沿って延在し前記緊張体が
    配設される溝部が形成されていることを特徴とするアー
    チトンネル用湾曲版。
  8. 【請求項8】 前記溝部は前記基礎側の深さが深くされ
    ていることを特徴とする請求項7記載のアーチトンネル
    用湾曲版。
  9. 【請求項9】 前記溝部は、深さが深くなるほど幅が狭
    くなる形状をなしていることを特徴とする請求項7また
    は8記載のアーチトンネル用湾曲版。
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