JP2002275790A - 製紙用サイズ剤及びそれを含有する紙 - Google Patents

製紙用サイズ剤及びそれを含有する紙

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JP2002275790A
JP2002275790A JP2001077128A JP2001077128A JP2002275790A JP 2002275790 A JP2002275790 A JP 2002275790A JP 2001077128 A JP2001077128 A JP 2001077128A JP 2001077128 A JP2001077128 A JP 2001077128A JP 2002275790 A JP2002275790 A JP 2002275790A
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隆 伊達
Yasutoku Nanri
泰徳 南里
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Nippon Paper Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイズ効果を短時間のうちに発現させ、かつ
紙力の低下の少ない製紙用サイズ剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示されるジカルボン
酸ポリ酸無水物を製紙用サイズ剤として使用する。 【化1】 (式中、Rは炭素数8以上の直鎖または分岐のアルキル
基、若しくは直鎖または分岐の不飽和炭化水素基を示
す。また、Rは芳香環で置換されていても良い、nは2
以上30以下の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用サイズ剤に
関するものであり、特にサイズ効果を短時間のうちに発
現させ、かつ強度の低下が少ない製紙用サイズ剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】製紙用サイズ剤としては、従来よりロジ
ン若しくは強化ロジン(マレイン化ロジン)が広く利用
されている。しかしながら、このロジン系サイズ剤は硫
酸アルミニウムによる定着を必要とするため、多くの問
題を有している。すなわち、硫酸アルミニウムを使用す
ることにより、抄造時のpHが低い(酸性)ため抄紙機
の損傷が大きく、紙の印刷適性を悪くし、さらに紙の長
期保存による変色の恐れがある等の欠点が指摘されてき
た。また、紙の白色度向上のため填料として炭酸カルシ
ウムを使用するが、酸性水溶液中では炭酸カルシウムが
分解するため、ロジン系サイズ剤は使用できない。炭酸
カルシウムは安価で白色度が高く、紙の填料として非常
に有効であるが、上記理由により中性抄紙でしか使用す
ることができない。
【0003】この問題を解決すべく、中性抄紙用サイズ
剤として脂肪酸を原料としたケテン二量体や、アルケニ
ル無水コハク酸が開発された。このケテン二量体やアル
ケニル無水コハク酸をサイズ剤として使用するには、予
めこれらを適宜分散剤を用いて水に乳化・分散させた乳
化液とし、これを製紙用のパルプ液に添加することによ
りパルプ繊維に均一に定着させるようにしている。
【0004】上記の乳化液に関して、例えば、特開昭57
-101095号公報、特開昭57-112497号公報、特開昭57-139
596号公報、特開昭60-88196号公報、特開昭60-99097号
公報、特開昭60-104599号公報などには、ケテン二量体
の原料である脂肪酸の種類や分散剤の種類を選択するこ
とにより、乳化液の分散安定性やサイズ効果の向上を図
ることなどが開示されている。
【0005】また、アルケニル無水コハク酸を主成分と
する製紙用サイズ剤に関しては、主にその乳化液の安定
化について膨大な数の報告があり、そのうちいくつか例
を挙げると、特公昭39-2305号公報、特公昭53-36044号
公報、特開昭59-30993号公報、特開昭59-144696号公報
にはエーテル系またはエステル系の非イオン性界面活性
剤が、特開昭49-94907号公報、特開昭50-160505号公
報、特開昭58-87398号公報、特開昭58-87397号公報、特
開昭58-191297号公報、特開昭58-197396号公報、特開昭
60-99099号公報、特開昭61-28098号公報には非イオン性
界面活性剤と陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界
面活性剤との混合物が、特開昭58-120897号公報、特開
昭58-216730号公報には陽イオン性高分子またはカチオ
ン澱粉が、特開昭61-34298号公報には水中油型界面活性
剤とカチオン性または両性ポリ(メタ)アクリルアミド
の混合物が、特開昭61-231298号公報には末端3級ヒド
ロキシル基を有する非イオン界面活性剤が、特開昭61-1
13898号公報にはアルキレンオキシド付加型の非イオン
界面活性剤の硫酸エステル塩が、特開昭61-274735号公
報にはアニオン、カチオン、非イオン系乳化剤のいずれ
かが、特開昭62-156391号公報、特開昭62-156392号公
報、特開昭62-156393号公報、特開昭63-196797号公報に
はカチオン性ポリマーが、特開昭62-85098号公報、特開
昭62-85099号公報にはエトキシ化したヒマシ油またはラ
ノリンが、特開昭62-215095号公報、特開昭62-215096号
公報には非イオン性ポリマー乳化剤などが紹介されてお
り、いずれも分散剤の種類を選択することにより、乳化
液の分散安定性やサイズ効果の向上を図っている。
【0006】その他、特開昭60-185899号公報にはアル
ケニル無水コハク酸と水溶性アルミニウム塩および第3
級アミン澱粉誘導体を含有する中性紙を、特開昭60-215
898号公報にはアルケニル無水コハク酸と乳化剤と有機
酸を配合してなるサイズ剤を、特開平2-47393号公報に
はアルケニル無水コハク酸とアニオン性またはカチオン
性ポリアクリルアミドを含むサイズ剤などが既知技術と
して開示されている。
【0007】しかしながら、これらの既存の合成サイズ
剤はその乳化液の安定性が悪く、満足される安定な分散
液を調製するためには、各種の分散剤の添加が必要であ
る。それに加えて、この種のケテン二量体やアルケニル
無水コハク酸を用いた製紙用サイズ剤は以下に示すよう
な欠点を持っている。即ち、ケテン二量体においてはサ
イズ処理の効果が速やかに発現されない、つまりサイズ
効果の立ち上がりが悪いという欠点がある。このため、
製造後数日間保存した上でなければ出荷できない。ま
た、塗工紙の製造においては抄紙後に塗工を連続的に行
い難いなど、生産性や品質管理上に多くの問題点を招い
ている。
【0008】また、アルケニル無水コハク酸を用いた製
紙用サイズ剤の場合は、サイズ効果の立ち上がりは速い
ものの、アルケニル無水コハク酸の加水分解が非常に速
く、抄紙工程に添加する直前に乳化液を調製しなければ
ならないという作業上の問題点と、抄紙工程内に汚れが
付着しやすいといった問題点がある。
【0009】さらにこれらのサイズ剤は、優れたサイズ
効果を出すために添加量を増やすと、それに伴って紙力
が低下するという問題点もある(特開昭58-191297号公
報等に記載)。
【0010】これらのことから、前記の各公報に開示の
サイズ剤においても、これらの問題を克服することが技
術的課題である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み、従来のサイズ剤とは異なるアルキルジカル
ボン酸を原料として、それを脱水縮合させて製造したア
ルキルジカルボン酸ポリ酸無水物をサイズ剤として用い
ることにより、サイズの立ち上がりが速く、低添加量で
も高いサイズ性を付与し、サイズ剤乳化液が安定で、添
加量を増やしても紙力低下を引き起こさないような製紙
用サイズ剤を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、炭素数10以上の直
鎖または分岐の飽和炭化水素、若しくは直鎖または分岐
の不飽和炭化水素の両末端にカルボキシル基を有するジ
カルボン酸を原料として、それを脱水縮合させて製造し
た下記一般式(1)で示されるジカルボン酸ポリ酸無水
物を製紙用サイズ剤として用いることにより、上述した
問題点が解決されることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0013】
【化2】 (式中、Rは炭素数8以上の直鎖または分岐のアルキル
基、若しくは直鎖または分岐の不飽和炭化水素基を示
す。また、Rは芳香環で置換されていても良い。nは2
以上30以下の整数を示す。) この化合物は、特公昭61-36853号公報、特公平3-573931
号公報等に開示のごとく、従来よりエポキシ樹脂に可と
う性を付与するエポキシ樹脂硬化剤として知られている
物質である。本発明者らはその分子構造がアルケニル無
水コハク酸と類似していることに注目し、製紙用サイズ
剤として検討したところ、これらの化合物が非常に高い
サイズ性を付与することを発見し、本発明に到達したも
のである。
【0014】また、本発明のサイズ剤は高いサイズ性を
付与するのみならず、紙力の低下が抑制されている。こ
の理由は明らかではないが、本発明者らは次のように推
定している。一般に反応性サイズ剤であるアルケニル無
水コハク酸やアルキルケテンダイマーは、その分子内に
有する酸無水物基やジケテン部分が、セルロースの水酸
基と反応することにより、セルロース繊維上に広がりサ
イズ性を付与するといわれている。そのため、繊維間結
合を阻害し、使用量によっては紙力の低下を招く可能性
がある。これに対して、本発明のサイズ剤はその反応機
構としては同じであるが、炭化水素基の両末端に反応性
の酸無水物基が存在するため、セルロース繊維に吸着し
て反応する際に、炭化水素基の両末端のカルボキシル基
によって架橋することにより、繊維間結合力の低下を抑
制することによると考えられる。
【0015】さらに、乳化物の安定性が高い理由として
は、アルケニル無水コハク酸やアルキルケテンダイマー
が単量体か二量体であり、水分子との反応性が高いのに
対して、本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物はポリマー
であるので、酸無水物基と水分子との反応性が低いため
だと思われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体的に説明す
る。
【0017】本発明の製紙用サイズ剤は、前述の一般式
(1)で示されるジカルボン酸ポリ酸無水物を主成分と
するものである。
【0018】本発明において用いられるジカルボン酸ポ
リ酸無水物としては、セバシン酸ポリ酸無水物(PS−
AH)、ドデカン二酸ポリ酸無水物(SL−12A
H)、エイコサン二酸ポリ酸無水物(SL−20A
H),8−エチルオクタデカン二酸ポリ酸無水物(SB
−20AH)、8,13−ジメチルエイコサン−8,1
2−ジエン二酸ポリ酸無水物(IPU−22AH)、
8,9−ジゲニルオクタデカン二酸ポリ酸無水物(ST
−2PAH)、ダイマー酸ポリ酸無水物(アルファベッ
ト名はいずれも岡村精油(株)の商品名、同社より入手
可能である)などがある。以下に上記例示化合物の化学
構造式を列記する。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】 これらの中では、サイズ性やその他の面から8−エチル
オクタデカン二酸ポリ酸無水物(SB−20AH)、ダ
イマー酸ポリ酸無水物が特に好ましい。
【0024】本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物を製紙
用サイズ剤として使用する際に、水に分散させる必要が
ある。本発明のサイズ剤は、通常はジカルボン酸ポリ酸
無水物を分散剤によって予め水に分散させた乳化液とし
て使用に供される。この乳化液には、必要に応じて補助
的な分散剤として種々の界面活性剤や高分子分散剤など
を添加しても良い。このような乳化液の有効成分の濃度
は通常1〜40重量%程度である。
【0025】分散剤としては、ジカルボン酸ポリ酸無水
物と反応したり、サイズ効果に悪影響を与えない物質で
あれば特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセラ
イド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン
アルキルアミン等のノニオン性界面活性剤、脂肪酸石
鹸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルス
ルホコハク酸二塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサ
ルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリ
ン酸塩等のアニオン性界面活性剤、脂肪族アミン塩、脂
肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、イミダ
ゾリニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシベ
タイン型やアミノカルボン酸塩等の両性界面活性剤が用
いられる。
【0026】これらの分散剤の使用量は、ジカルボン酸
ポリ酸無水物に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜10
重量%とするのが好ましい。使用量が0.1重量%未満で
あると十分な分散効果が得られず、また、50重量%を超
えるとサイズ効果を損なう恐れがあり、いずれも好まし
くない。
【0027】次に、本発明のサイズ剤を含有する紙につ
いて詳述する。
【0028】本発明の紙は、原料パルプとして、化学パ
ルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の
晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グラン
ドパルプ、加圧グランドパルプ、リファイナーパルプ、
サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ
等)、新聞用紙等の古紙を原料とした再生パルプを単独
または任意の割合で混合して使用する。必要に応じて、
木材繊維及び麻等の植物繊維を原料とする化学パルプ、
合成パルプ、無機繊維等を使うこともできる。
【0029】填料としては一般に使用されている填料が
使用され、特に限定されるものではないが、例えばクレ
ー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成
カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、非晶質シリカ、水
酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹
脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子
などの有機填料などが、単独または適宜2種類以上を組
み合わせて利用される。
【0030】本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物をサイ
ズ剤として含有する紙を得るには、ジカルボン酸ポリ酸
無水物を抄紙工程中に加える(いわゆる内添法)方法
と、抄紙工程後に紙の表面に塗布または含浸する(いわ
ゆる外添法)方法とがある。
【0031】本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物を抄紙
工程中に加える方法は、紙料にジカルボン酸ポリ酸無水
物を含む分散液を添加して、抄紙すればよい。ジカルボ
ン酸ポリ酸無水物の添加量は、使用したパルプに対して
0.01〜50重量%の範囲で添加され、効果とコストとのバ
ランスから0.1〜10重量%がより好ましい。
【0032】その際、従来から使用されている各種のア
ニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留
まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の抄紙用内添
助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
【0033】抄紙用内添助剤としては、硫酸バンド、塩
化アルミニウム、アルミン酸ソーダ、塩基性塩化アルミ
ニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アル
ミニウム化合物や、水に易溶解性のアルミナゾル等の水
溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の
多価金属化合物が挙げられる。
【0034】また、本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物
以外のサイズ剤を補助的に使用しても良く、その例とし
てはアルキルケテンダイマー系化合物、アルケニル無水
コハク酸系化合物、スチレン−アクリル系共重合体、高
級脂肪酸系化合物、石油樹脂系サイズ剤やロジン系サイ
ズ剤が挙げられる。
【0035】その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリ
アクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポ
リアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニル
アルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親
水性架橋ポリマー粒子分散物、及びこれらの誘導体ある
いは変性物等の各種化合物が例示できる。
【0036】さらに、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、
消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール
剤、柔軟剤、嵩高剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適
宜添加することもできる。なお、本発明の紙の製造方法
は、その抄紙方法が抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙
によるものか、あるいは炭酸カルシウム等のアルカリ性
填料を主成分として含み抄紙pHが約6の弱酸性〜約9
の弱アルカリ性で行ういわゆる中性抄紙によるものか等
については特に限定されず、全ての抄紙方法によって得
られる紙を対象とする。また、抄紙機も長網抄紙機、ツ
インワイヤー機、ヤンキー抄紙機等を適宜使用できる。
【0037】本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物は、抄
紙工程後に紙の表面に、ジカルボン酸ポリ酸無水物の分
散液を含有した塗液を塗布または含浸するすることもで
きる。この場合、澱粉、加工澱粉、ゼラチン、カゼイ
ン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、変成ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高
分子化合物や天然ラテックス、合成ラテックス等の各種
接着剤を塗液に加えてもよい。
【0038】この際、本発明のジカルボン酸ポリ酸無水
物の塗布量は、パルプに対して0.01〜50重量%の範囲に
なるように塗布することが好ましく、コスト等を考慮す
ると0.1〜10重量%がより好ましい。
【0039】さらに、アルキルケテンダイマー、スチレ
ン−アクリル系共重合体、オレフィン−マレイン酸系共
重合体、高級脂肪酸系等の各種表面サイズ剤、エポキシ
化合物等の耐水化剤、蛍光増白剤、消泡剤、湿潤剤、帯
電防止剤、各種無機顔料、各種有機顔料、染料、澱粉粒
子、及び各種添加剤も目的に応じて添加することも可能
である。
【0040】本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物の分散
液の塗布方法については、特に限定されず、例えば、2
ロールあるいはメタリングブレード式のサイズプレス、
ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、エアー
ナイフコーター、ロールコーター、ピュアーブレードコ
ーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコ
ーター、グラビアコーター、メタリングバーコーター、
カーテンコーター、ダイコーター、スプレーコーター等
の一般に使用されている塗布装置が適宜使用され、紙の
片面あるいは両面に塗布される。
【0041】本発明のジカルボン酸ポリ酸無水物を含有
する紙は、あらゆる等級及び種類の紙製品に対して応用
できる。例えば、パンフレット、カレンダー、週刊誌、
包装用紙等として利用されているグラビア用紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、微塗工紙等の印刷用
塗工紙は勿論、感圧記録紙、インクジェット用紙、感光
紙、昇華転写受像紙等の情報用紙や粘着紙、ラミネート
または蒸着等に使用される加工紙および各種印刷用紙、
新聞用紙、書籍用紙、フォーム用紙、PPC用紙、OC
R用紙、板紙、紙管原紙、段ボール原紙等の非塗工紙等
にわたって幅広く適応できるものである。
【0042】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下において%は重量%を意味する。
【0043】実施例及び比較例で製造した紙について下
記の項目について測定し、評価した。 ・サイズ性(点滴吸水度):JAPAN TAPPI No.33に準拠
し、試験片に所定量の水滴を滴下し、水滴が完全に吸収
される時間を測定した。 ・引張り強度(裂断長):JIS P 8113に従った。 ・比破裂強さ:JIS P 8112に従った。 ・安定性(加水分解率):各サイズ剤乳化液サンプルを
50℃の恒温水槽に2時間保持した後に濃縮・乾燥した。
それを赤外分光分析装置を用いて吸収スペクトルを測定
し、残存酸無水物基の量から加水分解率を求めた。
【0044】[抄紙方法1]パルプ分として濃度0.5%
のLBKP(濾水度 CSF350ml)を使用し、上記
サイズ剤乳化液をパルプに対して所定量添加し、定着剤
として硫酸バンドを加えてpHを4.5に調製して紙料と
した。この紙料を用いて配向性抄紙機により抄速900m
/分で抄紙した。次にプレスを51.6kgf/cmの圧
力で5分と2分の2回行い、緊張乾燥を105℃、1時間行っ
て、坪量60g/m2の手抄紙を作成した。得られた紙を
温度23℃、相対湿度50%で24時間調湿後、各種試験を行
った。なお、点滴吸水度は、乾燥直後、1日保存後及び
1週間保存後の各々の紙について測定した。
【0045】[抄紙方法2]パルプ分として濃度約0.5
%のLBKP(濾水度 CSF350ml)を使用し、パ
ルプに対して上記サイズ剤乳化液を所定量、炭酸カルシ
ウム25%、硫酸バンド0.5%、カチオン澱粉0.5%、カチ
オン性ポリアクリルアミド0.3%を加えて紙料とした。
この紙料を用いて抄紙方法1と同様に抄紙し、手抄紙を
作成した。
【0046】[実施例1〜6]表1に示した2種類のジ
カルボン酸ポリ酸無水物に、分散剤としてポリエチレン
グリコールモノセチルエーテルを5%加え、均一になる
まで練り込み、それに濃度10%になるように水を加えて
激しく攪拌し乳化させ、所定の製紙用サイズ剤を調製し
た。このサイズ剤を用いて上述した抄紙方法1及び抄紙
方法2により手抄紙を作成し各種試験を行い、結果を表
1に示した。
【0047】[比較例1〜4]アルケニル無水コハク酸
を実施例と同様にして乳化させ製紙用サイズ剤を調製
し、上述した抄紙方法1及び抄紙方法により手抄紙を作
成し各種試験を行い、結果を表1に示した。
【0048】[比較例5]アルキルケテンダイマーを実
施例と同様にして乳化させ製紙用サイズ剤を調製し、上
述した抄紙方法1及び抄紙方法により手抄紙を作成し各
種試験を行い、結果を表1に示した。
【0049】[比較例6]サイズ剤を使用しないで、上
述した抄紙方法1及び抄紙方法により手抄紙を作成し各
種試験を行い、結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】 表1に示されるように、実施例1〜6の本発明の製紙用
サイズ剤は、比較例1〜4の従来の中性抄紙用サイズ剤
であるアルケニル無水コハク酸に較べて、サイズの立ち
上がりやサイズ性は同等で、紙力の低下が少ない。ま
た、比較例5の従来の中性抄紙用サイズ剤であるアルキ
ルケテンダイマーに較べてサイズの立ち上がりが速い。
さらに、表2に示されるように、乳化物の安定性も高
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるジカルボン
    酸ポリ酸無水物を主成分とする製紙用サイズ剤。 【化1】 (式中、Rは炭素数8以上の直鎖または分岐のアルキル
    基、若しくは直鎖または分岐の不飽和炭化水素基を示
    す。また、Rは芳香環で置換されていても良い、nは2
    以上30以下の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のジカルボン酸ポリ酸無水
    物を含有する紙。
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