JP2002274981A - 窯業系建材およびその製造方法 - Google Patents

窯業系建材およびその製造方法

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JP2002274981A
JP2002274981A JP2001082713A JP2001082713A JP2002274981A JP 2002274981 A JP2002274981 A JP 2002274981A JP 2001082713 A JP2001082713 A JP 2001082713A JP 2001082713 A JP2001082713 A JP 2001082713A JP 2002274981 A JP2002274981 A JP 2002274981A
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ceramic
ceramic building
film
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JP2001082713A
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Tetsuya Otsuki
哲也 大槻
Tae Yanagihara
妙 柳原
Yoshiaki Sakashita
好顕 阪下
Terubumi Sato
光史 佐藤
Riichi Nishide
利一 西出
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Nagase Chemtex Corp
Nagase and Co Ltd
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Nagase Chemtex Corp
Nagase and Co Ltd
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    • C04B41/5042Zirconium oxides or zirconates; Hafnium oxides or hafnates
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 落下等の外力による衝撃に対し、ひび割れお
よび破損の問題を回避する、優れた強度を有し、かつ長
年の風雨の曝露による侵食の可能性を回避し得る充分な
防食性を有する、窯業系建材およびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 強度および防食性に優れる窯業系建材お
よびその製造方法が開示されている。本発明の窯業系建
材は、窯業系基材表面に、ジルコニア膜を有する窯業系
建材であり、該薄膜はジルコニウム化合物、アミノポリ
カルボン酸、アミンおよび溶媒を含有するジルコニア膜
形成プレカーサー組成物由来の膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窯業系建材およびそ
の製造方法に関し、より詳細には、優れた強度および防
食性を有する、窯業系建材およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】住宅を含む種々の建築物の分野におい
て、窯業タイル、煉瓦および瓦のような窯業系建材の使
用は必須である。これら窯業系建材は、主に屋根、外壁
および門のような建築物の外装に使用される。
【0003】窯業系建材は、一般に重くかつ落下等の衝
撃を付加すると容易に欠ける、割れるなどの破損を伴う
傾向にある。そのため、一枚辺りの大きさにある程度の
制限が加えられている。
【0004】このような窯業系建材には、粘土質の材料
が使用されている。しかし、これら材料は、一般に密度
が高いため重く、落下等の衝撃を付加すると容易に欠け
る、割れるなどの破損を伴う恐れがある。そのため、当
該建材の一枚辺りの大きさには、ある程度の制限が付加
される。
【0005】このような強度上の問題を解決するため
に、近年、様々な方法が開発されている。
【0006】例えば、窯業系建材に補強リブを取り付け
る手段、および微粉末の金属酸化物を用いた強化剤等の
添加剤を加えて混合する手段が挙げられる。しかし、こ
れら手段においては、製造コストが高くなる点および当
該建材自体の自重が増し、落下等の衝撃に対し、必ずし
も充分な強度を維持できない恐れもある。
【0007】さらに、これら窯業系建材は、長年風雨に
曝されることにより、その表面が風化により侵食され、
所望の外観を保つことが難しいという問題もある。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題
の解決を課題とするものであり、その目的とするところ
は、落下等の外力による衝撃に対し、ひび割れおよび破
損の問題を回避する、優れた強度を有し、かつ長年の風
雨の曝露による侵食の可能性を回避し得る充分な防食性
を有する、窯業系建材およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、窯業系基材表
面に、ジルコニア膜を有する窯業系建材であって、該薄
膜が、ジルコニウム化合物、アミノポリカルボン酸、ア
ミンおよび溶媒を含有するジルコニア膜形成プレカーサ
ー組成物由来の膜である、窯業系建材である。
【0010】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ウム化合物は、ジルコニウムアルコキシド、四塩化ジル
コニウム、およびオキシ塩化ジルコニウムからなる群よ
り選択される少なくとも1種のジルコニウム化合物であ
る。
【0011】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ウムアルコキシドは、テトラメトキシジルコニウム、テ
トラエトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラプロポ
キシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニ
ウムおよびテトラ−t−ブトキシジルコニウムからなる
群より選択される少なくとも1つの化学種である。
【0012】本発明はまた、窯業系建材の製造方法であ
って、窯業系基材表面に、ジルコニア膜形成プレカーサ
ー組成物を付与する工程;および該プレカーサー溶液が
付与された窯業系基材を焼成する工程;を包含する、方
法である。
【0013】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ア膜形成プレカーサー組成物は、ジルコニウム化合物、
アミノポリカルボン酸、アミンおよび溶媒から調製され
た溶液である。
【0014】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ウム化合物は、ジルコニウムアルコキシドおよび四塩化
ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムからなる群より
選択される少なくとも1種のジルコニウム化合物であ
る。
【0015】1つの実施形態においては、上記ジルコニ
ウムアルコキシドは、テトラメトキシジルコニウム、テ
トラエトキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラプロポ
キシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニ
ウムおよびテトラ−t−ブトキシジルコニウムからなる
群より選択される少なくとも1つの化学種である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0017】本発明の窯業系建材は、窯業系基材の表面
に、ジルコニア膜を有する。
【0018】本発明に用いられる窯業系基材は、粘土等
を焼成してなるセラミック材料であって、タイル、煉瓦
または瓦の形状に予め成形されたものである。なお、す
でに市販されている窯業タイル、煉瓦および/または瓦
を窯業系基材としてそのまま使用してもよい。
【0019】本発明においては、上記窯業系基材の表面
に、ジルコニア膜が形成されている。ここで、基材の表
面とは、当該基材の外表面全体を指していう。
【0020】ジルコニア膜の厚みは、特に限定されない
が、好ましくは10nm〜300nm、より好ましくは
40nm〜140nmである。ジルコニア膜の厚みが1
0nmを下回ると、得られる窯業系建材は、衝撃等に対
する強度が劣り、容易にひび割れおよび破壊しやすく、
かつ充分な防食性を有さない恐れがある。他方、ジルコ
ニア膜の厚みが300nmを上回ると、窯業系建材の製
造コストが上昇することに加え、窯業系建材において虹
彩が著しくなる場合があり、窯業系建材特有の風合いを
喪失させる恐れがある。
【0021】本発明の窯業系建材は、以下のようにして
製造される。
【0022】まず、上記窯業系基材の表面にジルコニア
膜形成プレカーサー組成物が付与される。このジルコニ
ア膜形成プレカーサー組成物は、主に、ジルコニウム化
合物、アミノポリカルボン酸、アミンおよび溶媒から調
製される。
【0023】本発明に用いられるジルコニウム化合物の
例としては、ジルコニウムアルコキシド、四塩化ジルコ
ニウムおよびオキシ塩化ジルコニウムが挙げられる。こ
のジルコニウムアルコキシドの例としては、テトラメト
キシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テト
ラブトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコ
ニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラ−se
c−ブトキシジルコニウムおよびテトラ−t−ブトキシ
ジルコニウム、ならびにこれらの組み合わせが挙げられ
る。本発明においては、焼成過程で腐食性のある塩素成
分が発生しない方が望ましいという理由から、ジルコニ
ウム化合物としてジルコニウムアルコキシドを使用する
ことが好ましい。
【0024】アミノポリカルボン酸の例としては、エチ
レンジアミン四酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢
酸、1,2−プロパンジアミン四酢酸、N−ヒドロキシ
エチルエチレンジアミン三酢酸、N,N’−ジヒドロキ
シエチルエチレンジアミン二酢酸、2−ヒドロキシ−
1,3−プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラ
ミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三
酢酸、イミノ二酢酸、カルボキシエチルイミノ二酢酸、
ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、アラニン−N,N−二
酢酸、アスパラギン酸−N,N−二酢酸およびグルタミ
ン酸−N,N−二酢酸、ならびにこれらの塩が挙げられ
る。上記アミノポリカルボン酸を1種またはそれ以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0025】本発明において、ジルコニア膜形成プレカ
ーサー組成物に使用されるアミンの例としては、脂肪族
アミン、芳香族アミンおよびこれらの組み合わせが挙げ
られる。脂肪族アミンの例としては、炭素数が12以下
のアルキル基を有する一級または二級アミンが挙げられ
る。脂肪族アミンにおいてアルキル基の炭素数が12を
上回る場合は、アミン中の有機成分が多くなり、緻密な
ジルコニア膜を形成することが困難になる恐れがある。
【0026】上記脂肪族アミンの例としては、エチルア
ミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブ
チルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−t−ブチ
ルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミ
ン、アミルアミン、ジアミルアミン、イソプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、イソブチルアミン、ジイソ
ブチルアミン、イソアミルアミン、ジイソアミルアミ
ン、エチル−n−ブチルアミン、エチル−n−プロピル
アミン、エチルイソプロピルアミン、イソプロピル−n
−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、n−ヘキシ
ルアミン、ジヘキシルアミンおよびn−オクチルアミ
ン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】上記芳香族アミンの例としては、ピリジ
ン、4−メチルピリジン、4−アミノピリジンおよび4
−ジメチルアミノピリジンのようなピリジン誘導体;ベ
ンジルアミンおよびN,N−ジメチルベンジルアミンの
ようなベンジルアミン誘導体;N,N−ジメチルアニリ
ンおよびN,N−ジメチル−p−トルイジンのようなア
ニリン誘導体;ならびにこれらの組み合わせが挙げられ
る。
【0028】本発明において、ジルコニア膜形成プレカ
ーサー組成物に使用される溶媒としては、特に限定され
ないが、低沸点でかつ極性を有する溶媒が好ましい。さ
らに、上記ジルコニウム化合物として金属アルコキシド
を使用する場合、溶解性を向上させる点から、1〜4個
の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の低級アルコ
ールを用いることが好ましい。このような低級アルコー
ルの例としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタ
ノールおよびt−ブタノールが挙げられる。必要に応じ
て、これら低級アルコールと混和する他の溶媒(水、ア
セトンなど)とを混合して使用してもよい。
【0029】上記ジルコニア膜形成プレカーサーに使用
されるジルコニウム化合物、アミノポリカルボン酸およ
びアミンの組成比は、窯業系基材に形成されるジルコニ
ア膜の厚み、その製膜条件等によって変化するため、一
概に限定されない。
【0030】他方、ジルコニア膜形成プレカーサー組成
物に使用されるジルコニウム化合物、アミノポリカルボ
ン酸およびアミンの組成比の一例としては、上記ジルコ
ニウム化合物10重量部に対し、3重量部〜25重量部
のアミノポリカルボン酸、および1重量部〜20重量部
のアミンが挙げられる。溶媒の量は、上記チタン化合
物、アミノポリカルボン酸およびアミンの混合物が溶解
し得る範囲の量で当業者により適切に選択され得る。
【0031】ジルコニア膜形成プレカーサー組成物は、
必要に応じて、過酸化水素、過塩素酸、オゾンなどの酸
化剤を含有していてもよい。このような酸化剤を含有す
ることにより、ジルコニア膜形成プレカーサー組成物自
体の保存安定性が向上する。組成物中の酸化剤の含有量
は特に限定されず、当業者によって適切に選択され得
る。
【0032】本発明に用いられるジルコニア膜形成プレ
カーサー組成物の調製にあたっては、まず少量の水また
は適切な他の溶媒中に上記アミノポリカルボン酸を溶解
もしくは分散させ、次いでジルコニウム化合物が添加さ
れる。この反応により、ジルコニウム化合物中のジルコ
ニウムとアミノポリカルボン酸が錯体を形成して、ジル
コニウム錯体を含有する反応液が得られる。次いで、こ
の反応液から濃縮、析出等の操作を経て、ジルコニウム
錯体を得る。この様にして得たジルコニウム錯体を前記
溶媒中に加え、さらに必要に応じてアミン類および酸化
剤が添加される。このようにして本発明に用いられるジ
ルコニア膜形成プレカーサー組成物が調製される。ま
た、ジルコニウム化合物とアミノポリカルボン酸とアミ
ン類、酸化剤を前記溶媒中で反応させることにより一工
程でジルコニア膜形成プレカーサー組成物を調製しても
良い。なお、上記ジルコニア膜形成プレカーサー組成物
の調製においては、調製時の反応を促進させるために、
必要に応じて各成分の混合が加熱下にて行われる。この
ような加熱における温度などの条件は当業者によって適
切に選択され得る。
【0033】窯業系基材の表面へのジルコニア膜形成プ
レカーサー組成物の付与は、スプレー、刷毛またはロー
ラーのような手段を用いた塗布、ジルコニア膜形成プレ
カーサー組成物を含有する浴中への窯業系基材の浸漬、
のいずれで行われてもよい。好ましくは、スプレーまた
は塗布のいずれかが選択される。
【0034】本発明においては、上記ジルコニア膜形成
プレカーサー組成物の付与後、当該プレカーサー組成物
が付与された窯業系基材は焼成される。
【0035】焼成は、当該分野において一般的に使用さ
れる電気炉などの加熱手段に加えて、携帯加熱手段で行
うことができるが、窯業系基材の大きさにとらわれずに
焼成できる携帯加熱手段の方がより簡便なため推奨でき
る。携帯手段の例としては、ガスバーナーおよび石油バ
ーナーのようなバーナー類、ならびにヒートガンが挙げ
られる。焼成に使用される温度は、好ましくは450℃
と850℃との間であり、より好ましくは450℃と6
00℃との間であり、最も好ましくは450℃と550
℃との間である。この温度は、例えば、窯業系基材表面
に白金抵抗温度計を配置することにより連続的または定
期的に測定される。さらに焼成における時間は、窯業系
基材の大きさなどの条件により、必ずしも限定されない
が、好ましくは2分〜60分、より好ましくは5分〜3
0分である。
【0036】上記焼成を行うことにより、窯業系基材表
面に付与されたジルコニア膜形成プレカーサー組成物
は、ジルコニアでなる緻密な薄膜を形成する。
【0037】このようにして、強度および防食性に優れ
る本発明の窯業系建材が製造される。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
ない。
【0039】<製造例1:ジルコニア膜形成プレカーサ
ー組成物の調製>100mLの四つ口フラスコに、エタ
ノール53.03gおよびニトリロ三酢酸4.65gを
仕込み、室温で攪拌しながらジルコニウム−n−ブトキ
シド(純度87%)10.74gを滴下した。この混合
溶液に、ブチルアミン3.56gを滴下し、1時間還流
した。次いで、この混合溶液を40℃まで冷却し、30
%の過酸化水素水3.04gを滴下して、還流下で1時
間攪拌することにより、赤橙色の透明溶液を得た。この
橙色の透明溶液をジルコニア膜形成プレカーサー組成物
とした。このジルコニア膜形成プレカーサー組成物につ
いて、室温で一日保管後の状態(保存安定性)を評価し
た。室温で一日保管後、沈殿を生じなかった。
【0040】<比較製造例1:ゾルゲル法ジルコニアゾ
ルの製造>100ml四ツ口フラスコにエタノール8
0.09gを入れ、攪拌しながらジルコニウム−n−ブ
トキシド(87%)8.35gを滴下した後、60%硝
酸0.52gとイオン交換水0.39gとの混合物を室
温で滴下した。そして、室温で2時間かき混ぜることに
よりジルコニアゾルを得た。この溶液を室温で1日保管
すると乳白色溶液となり、3日後には沈殿が生じた。
【0041】<実施例1>寸法100mm×100mm
×5mmの窯業系タイル基材上に、製造例1で調製され
たジルコニア膜形成プレカーサー組成物をスピンコート
法で塗布し、毎分10℃の昇温速度で100℃から55
0℃まで昇温し、550℃で30分間焼成する。これに
より基材がジルコニア膜でコートされた窯業系タイルを
製造する。
【0042】<比較例1>上記で調製したジルコニアプ
レカーサー組成物(製造例1)の代わりに、ジルコニア
ゾル(比較製造例1)を用いたこと以外は、実施例1と
同様にして窯業系タイルを製造する。
【0043】<製造された窯業系タイルの評価>実施例
1の窯業系タイルおよび比較例1の窯業系タイルについ
て、膜硬度試験、耐酸試験および耐アルカリ試験を以下
のようにして行う。
【0044】(1)膜硬度試験:得られた窯業系タイル
の基材表面に形成されたジルコニア膜の膜硬度をダイナ
ミック超微小硬度計W−201(島津製作所製)により
評価する。この評価において、圧子として稜間隔115
°のダイヤモンド三角錐圧子を使用し、圧子押し込み試
験を行ってダイナミック硬さを測定する。
【0045】(2)耐酸試験:得られた窯業系タイルを
30℃の1規定の硫酸水溶液に浸積して、その外観を観
察し、以下の基準で評価する。 ○:膜剥離なし。 △:膜浮きあり。 ×:膜剥離あり。
【0046】(3)耐アルカリ試験:得られた窯業系タ
イルを30℃の1規定の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬
して、その外観を観察し、以下の基準で評価する。 ○:膜剥離なし。 △:膜浮きあり。 ×:膜剥離あり。
【0047】上記膜硬度試験、耐酸試験および耐アルカ
リ試験の結果、実施例1の窯業系タイルは、比較例1の
窯業系タイルと比較して優れた膜強度および耐薬品性
(耐酸性および耐アルカリ性)を有することが示され
る。これにより、本発明の窯業系建材は強度および耐防
食性の両方において優れていることが示される。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、優れた強度および防食
性を提供する。本発明の窯業系建材は、落下等の衝撃付
与に対し、ひび割れおよび破損の可能性を低減し、風雨
の曝露に対しても侵食の可能性を回避し得る。これによ
り、当該建材の外観は維持され、使用寿命を延ばすこと
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 妙 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 (72)発明者 阪下 好顕 兵庫県伊丹市千僧5丁目41番地 帝国化学 産業株式会社伊丹工場内 (72)発明者 佐藤 光史 東京都八王子市別所2−29 エストラーセ 長池4−501 (72)発明者 西出 利一 福島県郡山市本町2丁目21番5号 ファー ストパレスIII307号 Fターム(参考) 2E110 AA28 AB04 AB22 BA02 BA12 BB07 EA09 GA33W GB12W GB23W 4F100 AD00A AH08B AK80B BA02 EH462 EJ482 GB07 JB02 JK10 JM02B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窯業系基材表面に、ジルコニア膜を有す
    る窯業系建材であって、 該薄膜が、ジルコニウム化合物、アミノポリカルボン
    酸、アミンおよび溶媒を含有するジルコニア膜形成プレ
    カーサー組成物由来の膜である、窯業系建材。
  2. 【請求項2】 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウ
    ムアルコキシド、四塩化ジルコニウム、およびオキシ塩
    化ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1
    種のジルコニウム化合物である、請求項1に記載の窯業
    系建材。
  3. 【請求項3】 前記ジルコニウムアルコキシドが、テト
    ラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウ
    ム、テトラブトキシジルコニウム、テトライソプロポキ
    シジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テト
    ラ−sec−ブトキシジルコニウムおよびテトラ−t−
    ブトキシジルコニウムからなる群より選択される少なく
    とも1つの化学種である、請求項2に記載の窯業系建
    材。
  4. 【請求項4】 窯業系建材の製造方法であって、 窯業系基材表面に、ジルコニア膜形成プレカーサー組成
    物を付与する工程;および該プレカーサー溶液が付与さ
    れた窯業系基材を焼成する工程;を包含する、方法。
  5. 【請求項5】 前記ジルコニア膜形成プレカーサー組成
    物が、ジルコニウム化合物、アミノポリカルボン酸、ア
    ミンおよび溶媒から調製された溶液である、請求項4に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウ
    ムアルコキシドおよび四塩化ジルコニウム、オキシ塩化
    ジルコニウムからなる群より選択される少なくとも1種
    のジルコニウム化合物である、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ジルコニウムアルコキシドが、テト
    ラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウ
    ム、テトラブトキシジルコニウム、テトライソプロポキ
    シジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テト
    ラ−sec−ブトキシジルコニウムおよびテトラ−t−
    ブトキシジルコニウムからなる群より選択される少なく
    とも1つの化学種である、請求項6に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100455355B1 (ko) * 2000-09-06 2004-11-12 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 자동 이륜차의 후륜 현가(懸架) 구조

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KR100455355B1 (ko) * 2000-09-06 2004-11-12 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 자동 이륜차의 후륜 현가(懸架) 구조

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