JP2002272266A - 植栽基材、植物の栽培方法および緑化方法 - Google Patents

植栽基材、植物の栽培方法および緑化方法

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JP2002272266A
JP2002272266A JP2001074193A JP2001074193A JP2002272266A JP 2002272266 A JP2002272266 A JP 2002272266A JP 2001074193 A JP2001074193 A JP 2001074193A JP 2001074193 A JP2001074193 A JP 2001074193A JP 2002272266 A JP2002272266 A JP 2002272266A
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meth
water
acid
plant
planting
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JP2001074193A
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Hiroshi Takeuchi
浩史 竹内
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物生長阻害を抑制しつつ、充分な吸水性能
を有し、灌水回数を大幅に低減でき、吸水性樹脂が安定
に混合でき、従来の土壌と比較し大幅な軽量化が可能で
ある植栽基材を提供する。 【解決手段】 酸変性熱可塑性樹脂発泡体および吸水性
樹脂を含有してなる植栽基材であって、該吸水性樹脂
が、ビニルエステル類、カルボキシビニルモノマー類、
非イオン性(メタ)アクリルアミド系モノマー類および
非イオン性(メタ)アクリレートモノマー類から選択さ
れる2種類以上のモノマーを少なくとも用いて得た共重
合体または該共重合体のケン化物を含有することを特徴
とする植栽基材;ならびに、この植栽基材を用いた植物
の栽培方法および緑化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ガーデニ
ングでの植物栽培用基材、建造物・法面の緑化基材とし
て使用される植栽基材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガーデニング用や緑化用の植栽基
材として、吸水性樹脂を保水剤として含有する合成系ポ
リマー材料が開発されている。例えば、特開平9−26
3462号公報には、コンクリートの表面にポリ−N−
ビニルアセトアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルアルコール等の保水性高分
子を混合した植栽基盤が開示されている。また、特開平
5−271655号公報には、独立気泡を有する熱可塑
性樹脂発泡体の被粉砕物の少なくとも一部が形状を残す
ように摩擦熱により減容化された土壌改良材が開示され
ている。また、特開昭63−126428号公報には、
空孔込みの容積比で12%以上の人工土壌と空孔込みの
容積比で0.l〜1.0%の高吸水性樹脂を含む屋外用培
土が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−26346
2号公報では、保水層に吸水性樹脂を添加することによ
り、灌水回数を低減でき、なおかつ基材を薄型にして軽
量化できるとしている。しかしながら、保水層の吸水性
樹脂として非イオン性のものを使用する場合は、吸水倍
率が低いので添加量を多くしなければならず、また材料
が比較的高価なのでコスト的に不利である。一方、イオ
ン性のポリアクリル酸ソーダは植物生長阻害作用を有す
ることが知られており、保水剤としてはあまり適さな
い。
【0004】また、特開平5−271655号公報で
は、発泡ポリスチレン等の独立気泡を有する熱可塑性樹
脂発泡体の被粉砕物を、独立気泡を残存させつつ機械的
に減容し、更にこの表面に吸水性樹脂の層を形成するこ
とにより、保水性を付与している。しかしながら、この
表面処理では疎水性樹脂基材に親水性樹脂の層を形成す
るので、両者の相溶性が不良であり、均一な製品の安定
的製造や製品自体の安定性に問題がある。
【0005】また、特開昭63−126428号公報で
は、ロックウール、グラスウール、ポリエステル繊維な
どの材料を土壌と併用することによって軽量化し、保水
剤としてビニルアルコール/酢酸ビニル/アクリル酸/ア
クリル酸メチル共重合体のナトリウム塩、グラフト化デ
ンプンなどを使用することにより、灌水回数を低減でき
るとしている。しかし、これらアクリル酸塩系の保水剤
は、いずれも植物生長阻害を引き起こす可能性が高い。
【0006】本発明の目的は、植物生長阻害を抑制しつ
つ、充分な吸水性能を有し、灌水回数を大幅に低減で
き、吸水性樹脂が安定に混合でき、かつ従来の土壌と比
較し大幅な軽量化が可能である植栽基材、ならびにこの
植栽基材を用いた植物の栽培方法および緑化方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決する為に鋭意研究を行った結果、特定の発泡体と特
定の吸水性樹脂を併用した植栽基材が非常に優れた効果
を奏することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、酸変性熱可塑性樹脂発
泡体および吸水性樹脂を含有してなる植栽基材であっ
て、該吸水性樹脂が、ビニルエステル類、カルボキシビ
ニルモノマー類、非イオン性(メタ)アクリルアミド系
モノマー類および非イオン性(メタ)アクリレートモノ
マー類から選択される2種類以上のモノマーを少なくと
も用いて得た共重合体または該共重合体のケン化物を含
有することを特徴とする植栽基材である。
【0009】さらに本発明は、上記植栽基材を支持材と
して用い、植物を栽培することを特徴とする植物の栽培
方法、および、上記植栽基材を基盤上に施工し、植物体
を植え付けることにより施工部分を緑化することを特徴
とする緑化方法である。
【0010】なお本発明において、「(メタ)アクリ
ル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味
し、「酸(塩)」とは、酸および/またはその塩を意味
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いる発泡体を構成する
酸変性熱可塑性樹脂としては、酸変性ポリオレフィン樹
脂が好ましい。具体的には、プロピレン−無水マレイン
酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、等が挙
げられる。これらは単独でもしくは2種類以上を組み合
わせて使用することができる。
【0012】本発明においては、酸変性熱可塑性樹脂で
発泡体を構成するが、本発明の効果を損なわない範囲内
において他の熱可塑性樹脂を組み合わせて用いることも
できる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリ−1,2−ブタジエン等の
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル
系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。
【0013】酸変性熱可塑性樹脂発泡体は、例えば、酸
変性熱可塑性樹脂に発泡剤、さらに必要に応じて発泡助
剤、他の熱可塑性樹脂、充填剤等を添加し、これを加熱
発泡させて機械的成型を行うなど、従来より知られる各
種の発泡成形法により得ることができる。この発泡成形
には、特に、単軸押出機を用いることが好ましい。
【0014】酸変性熱可塑性樹脂を加熱発泡、成形する
際の加熱温度は、使用する樹脂の種類に応じて設定すれ
ばよく、好ましくは120〜260℃、より好ましくは
150〜240℃の範囲内である。
【0015】発泡剤の具体例としては、アゾジカルボン
アミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化
合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トリニト
ロソトリメチルトリアミン等のニトロソ系化合物;p,
p'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のヒ
ドラジド系化合物;p,p'−オキシビスベンゼンスルホ
ニルセミカルバジド、トルエンスルホニルセミカルバジ
ド等のスルホニルセミカルバジド系化合物;などの化学
発泡剤が挙げられる。これらの中では、特に、アゾ系化
合物が好適である。
【0016】酸変性熱可塑性樹脂発泡体には、樹脂改質
の為に、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、硫酸バ
リウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミ
ニウム等の各種成分を添加してもよい。
【0017】本発明の植栽基材100体積%中、酸変性
熱可塑性樹脂発泡体の含有量は、20体積%以上が好ま
しく、50体積%以上がより好ましい。その含有量が2
0体積%以上ならば、植栽基材の軽量化に極めて有効と
なる。
【0018】本発明に用いる吸水性樹脂は、ビニルエス
テル類、カルボキシビニルモノマー類、非イオン性(メ
タ)アクリルアミド系モノマー類および非イオン性(メ
タ)アクリレートモノマー類から選択される2種類以上
のモノマーを少なくとも用いて得た共重合体または該共
重合体のケン化物を含有する樹脂である。
【0019】ビニルエステル類としては、例えば、酢酸
ビニル等が挙げられる。カルボキシビニルモノマー類と
しては、例えば、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム
塩、アクリル酸カリウム塩、アクリル酸アンモニウム
塩、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム塩、メタク
リル酸カリウム塩、メタクリル酸アンモニウム塩、マレ
イン酸、マレイン酸モノナトリウム塩、マレイン酸2ナ
トリウム塩、マレイン酸モノカリウム塩、マレイン酸2
カリウム塩、マレイン酸モノアンモニウム塩、マレイン
酸2アンモニウム塩、イタコン酸、イタコン酸モノナト
リウム塩、イタコン酸2ナトリウム塩、イタコン酸モノ
カリウム塩、イタコン酸2カリウム塩、イタコン酸モノ
アンモニウム塩、イタコン酸2アンモニウム塩等が挙げ
られる。非イオン性(メタ)アクリルアミド系モノマー
類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、 N−
イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ターシャリ
ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)
アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホ
リン、(メタ)アクリロイルピペリジン、(メタ)アク
リロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルサクシンイ
ミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げら
れる。非イオン性(メタ)アクリレートモノマー類とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸タ
ーシャリブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロ
キシヘキシル、(メタ)アクリル酸9−ヒドロキシノニ
ル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル等が挙
げられる。これらのモノマーの中で、特にアクリルアミ
ドとアクリル酸ナトリウム塩の組み合わせが好適であ
る。
【0020】吸水性樹脂には、必要に応じて架橋性モノ
マーを用い、架橋構造を導入することができる。上述の
各種モノマーと共重合可能な架橋性モノマーとしては、
2官能以上のラジカル重合性基を有するモノマーが挙げ
られる。その具体例としては、N,N'−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性ト
リ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中で
は、特に、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ドが好ましい。架橋性モノマーの使用量は、全モノマー
100質量%中、5質量%以下が好ましく、1質量%以
下がより好ましい。その使用量が5質量%以下である
と、より優れた吸水性能が発現する。
【0021】吸水性樹脂は、特に(メタ)アクリルアミ
ドと(メタ)アクリル酸(塩)の架橋共重合体であるこ
とが好ましい。この場合、両者の合計100質量部を基
準として、(メタ)アクリルアミドの使用量は60〜9
0質量部が好ましく、70〜80質量部がより好まし
く、(メタ)アクリル酸(塩)の使用量は10〜40質
量部が好ましく、20〜30質量部がより好ましい。
(メタ)アクリルアミドの使用量が60質量部以上、
(メタ)アクリル酸(塩)の使用量が40質量部以下で
あると、より優れた吸水性能が発現する。また、(メ
タ)アクリルアミドの使用量が90質量部以下、(メ
タ)アクリル酸(塩)の使用量が10質量部以上である
と、植物生長阻害作用がより効果的に低減される。
【0022】この架橋重合体において、(メタ)アクリ
ル酸の中和度は、10〜50%が好ましく、20〜40
%がより好ましい。さらに、この中和の少なくとも一部
をアルカリ土類金属塩で行うことが特に好ましい。この
場合、架橋共重合体1g当たりに含有されるアルカリ土
類金属イオン量は1〜50mgが好ましく、5〜30m
gがより好ましい。アルカリ土類金属イオン量が1mg
以上ならば、植物生長阻害作用を良好に抑制できる。ま
た、これが50mg以下ならば、イオン架橋の増大によ
る吸水性能の低下を抑制できる。
【0023】この架橋重合体において、架橋性モノマー
としてN,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等
を用いた場合、その使用量は、0.01〜5質量%が好
ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。この使用量
が0.01質量%以上ならば、充分な吸水性能が得られ
る傾向にある。また、5質量%以下ならば、水不溶性が
強くなり、灌水や降雨による吸水性樹脂の流亡の抑制に
効果的である。
【0024】本発明においては、上述の各種モノマーを
用いて吸水性樹脂を構成するが、本発明の効果を損なわ
ない範囲内において他のモノマーを共重合させてもよ
い。上述の各種モノマーと共重合可能な他のモノマーと
しては、ラジカル重合性基を有するモノマーが挙げられ
る。その具体例としては、(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ルメチルクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミ
ノエチルベンジルクロライド塩等のカチオン性(メタ)
アクリル系モノマー類;(メタ)アクリルアミドメタン
スルホン酸、(メタ)アクリルアミドエタンスルホン
酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、(メ
タ)アクリルアミドn−ブタンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(塩)等の(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸
(塩)類;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミドメチルクロライド塩、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドベンジルクロライド塩、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドジメチル硫酸塩、
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドジエチ
ル硫酸塩等のカチオン性(メタ)アクリルアミド類;N
−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メ
チル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニ
ルアセトアミド等のN−ビニル系モノマー;などが挙げ
られる。
【0025】吸水性樹脂は、溶液重合、乳化重合、懸濁
重合、分散重合等の公知の重合法で製造できる。特に、
脱イオン水等の水性媒体中での溶液重合が好適である。
その重合に使用するラジカル重合開始剤としては、例え
ば、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化
水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過酸化
物;2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸
塩、2,2'−アゾビス(2−アミジノブタン)2塩酸塩
等のアゾ系重合開始剤;などが挙げられる。これらの重
合開始剤は、単独でもしくは2種類以上の混合物として
使用することができる。また、上述の過酸化物に3級ア
ミン、亜硫酸塩、第1鉄塩等の還元剤を組み合わせたレ
ドックス系重合開始剤、またはレドックス系重合開始剤
とアゾ系重合開始剤を組み合わせた併用重合開始剤を使
用してもよい。
【0026】このようにして得た吸水性樹脂は、主成分
が非イオン性であることから、降雨あるいは灌水中に含
有されている多価金属イオンのイオン架橋による吸水性
能の低下が抑制され、高い保水力を長期間維持できる。
また、(メタ)アクリル酸の中和度を低く抑えること、
より好ましくは中和の一部をアルカリ土類金属塩で行う
ことにより、植物の生長に必要な多価金属イオンの吸水
性樹脂への吸着が大幅に抑制され、植物生長阻害作用を
より効果的に抑制できる。
【0027】本発明の植栽基材100質量%中、吸水性
樹脂の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.
1〜1質量%がより好ましい。その含有量が0.01質
量%以上ならば、より優れた保水効果を得ることができ
る。また、10質量%以下ならば、植栽基材の軽量化に
有効である。
【0028】本発明においては、上述した吸水性樹脂と
共に、他の吸水性樹脂を、本発明の効果を損なわない範
囲内において併用できる。他の吸水性樹脂としては、従
来より知られる各種の樹脂が挙げられる。その具体例と
しては、ポリアクリル酸ナトリウム塩、デンプン−アク
リル酸グラフト共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重
合体のケン化物、多糖類−アクリル酸グラフト共重合
体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体のケン化物、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が挙げら
れる。これらの吸水性樹脂のうち、非イオン性のものは
一般に吸水性能が低く、また、アニオン性のものは植物
生長阻害を引き起こす可能性があるので、使用する場合
は、その点に注意を要する。
【0029】本発明の植栽基材は、酸変性熱可塑性樹脂
発泡体および吸水性樹脂を主成分として含有するもので
あるが、更にそれ以外の成分を含有していても良い。そ
のような成分としては、土壌、土壌改良材等が挙げられ
る。土壌改良材としては、例えば、パーライト、バーミ
キュライト、ゼオライト、酸性白土、珪藻土、カオリ
ン、ロックウール等の無機鉱物;ピートモス、ウレタン
フォーム、ヤシ殻、クリプトモス等の有機素材;など、
従来よりガーデニング、緑化、農園芸等の用途において
知られている各種の改良材が挙げられる。
【0030】また、本発明の植栽基材は、植物の生育に
必要な成分を含む水溶液を含有していても良い。植物の
生育に必要な成分としては、例えば、窒素、リン、カリ
ウム、カルシウム、鉄、銅、マンガン、亜鉛等の元素が
挙げられる。通常は、これらの元素を含む有機または無
機塩類が用いられる。これら元素の使用量は、鉄、銅、
マンガン、亜鉛の方が、窒素、リン、カリウム、カルシ
ウムに比べて微量でよい。また、本発明の植栽基材は、
植物の生長を調節するホルモン剤や農薬等を含有してい
てもよい。
【0031】本発明の植栽基材を支持材として使用し、
植物を栽培する方法としては、例えば、水または植物の
生長に必要な成分等を含んだ水溶液を吸水性樹脂に吸収
させ、この吸水性樹脂を酸変性熱可塑性樹脂発泡体と混
合して植栽基材を調製し、これを支持材として、植物の
種子、苗もしくは植物の一部(茎など)を接種する方法
等が挙げられる。また、植物片を無菌的条件下で培養す
ることもできる。また、吸水性樹脂および酸変性熱可塑
性樹脂発泡体と、土壌および/または土壌改良材とを任
意の比率で混合して植栽基材を調製し、これに播種する
か、もしくは苗または植物の一部を植えるといった方法
が挙げられる。このような栽培方法に用いる植物は、露
地栽培ないし施設内栽培が可能な植物であれば特に限定
されない。
【0032】本発明の植栽基材を基盤上に施工し、植物
体を植え付けることにより施工部分を緑化する方法とし
ては、例えば、建造物あるいは法面等の基盤上に植栽基
材を施工し、この施工部分に芝生、地被植物あるいは低
木類等の緑化に適した植物体を移植するか、苗あるいは
種子を植え付ける方法等が挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、物性等の測定は以下の方法にて実施した。
【0034】(吸水倍率測定法)吸水性樹脂0.2gを
不織布製袋に封入し、1Lビーカー中の脱イオン水に2
4時間浸漬し、その後充分に水切りして質量を測定し
た。また、吸水性樹脂の入っていない不織布製袋を用い
て上記と同様に水切り後の質量を測定し、これをブラン
クとした。これら測定値を用い、「吸水倍率(g/g)
=(膨潤した吸水性樹脂を含む不織布製袋の質量−ブラ
ンクの不織布製袋の質量)/0.2」の式に従い、吸水
性樹脂1g当たりの吸水倍率を算出した。この吸水倍率
の値が大きいほど、その樹脂が高吸水性であることを意
味する。
【0035】(吸水性樹脂中のカルシウムイオン含有量
測定法)吸水性樹脂0.2gを白金るつぼに秤量し、7
00℃の電気炉で灰化し、その後これを5mLの1N−
塩酸に溶解し、純水を加えて50mLに定容し、原子吸
光スペクトル分析装置(パーキンエルマージャパン社
製、商品名GFAAS−SIMMA6000)を用いて
カルシウムイオン含有量を測定した。
【0036】<製造例1:酸変性樹脂発泡体(AR−
1)>酸変性熱可塑性樹脂であるプロピレン−無水マレ
イン酸共重合体ペレット(三井化学製、商品名アドマー
QB540)1000gと、発泡剤50gをホッパーに
投入し、30mm単軸押出機を用いて、入口温度150
℃、出口温度240℃、スクリュー回転数30rpmに
設定して押し出し成型を行い、出口から排出される成型
体を切断機で切断し、外形5mm、長さ5mmの円筒状
の酸変性熱可塑性樹脂発泡体(AR−1)を得た。この
発泡体の比重は0.4であった。
【0037】<製造例2:酸変性樹脂発泡体(AR−
2)>製造例1において、プロピレン−無水マレイン酸
共重合体ペレットの代わりに、エチレン−メタクリル酸
共重合体ペレット(三井デュポンポリケミカル製、商品
名ハイミラン1652)を使用したこと以外は全く同様
の操作で、外形5mm、長さ5mmの円筒状の酸変性熱
可塑性樹脂発泡体(AR−2)を得た。この発泡体の比
重は0.5であった。
【0038】<製造例3:吸水性樹脂(AP−1)>1
Lビーカーに、50質量%アクリルアミド水溶液(三菱
レイヨン製)280g、アクリル酸(三菱化学製)60
g、N,N'−メチレンビスアクリルアミド(日東理研工
業製)1g、純水460gを秤り取り、攪拌しながら水
酸化ナトリウム10gを添加して溶解し(アクリル酸中
和度30%)、モノマー水溶液を調製した。このモノマ
ー水溶液を冷浴で10℃まで冷却し、温度センサーおよ
び窒素導入管を備えた1Lのデュワー瓶にモノマー水溶
液を移し、窒素バブリングを1時間行った。次いで、こ
のモノマー水溶液に、2,2'−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)2塩酸塩(和光純薬工業製、V−50)の1
0質量%水溶液4ml、過硫酸アンモニウム(関東化学
製、APS)の10質量%水溶液4ml、L−アスコル
ビン酸(和光純薬工業製)の10質量%水溶液2mlを
添加したところ、直ちに重合が開始し、約100分間で
82℃に到達した。更に3時間熟成した後、生成したハ
イドロゲルを取り出し、ミートチョッパーで解砕し、8
0℃で22時間乾燥し、粉砕して、吸水性樹脂(AP−
1)を得た。この吸水性樹脂(AP−1)の吸水倍率は
270倍であった。
【0039】<製造例4:吸水性樹脂(AP−2)>製
造例3において、水酸化ナトリウム10gの代わりに、
水酸化カルシウム4.6gおよび水酸化ナトリウム5g
を添加したこと(アクリル酸中和度30%)以外は全く
同様の操作で、吸水性樹脂(AP−2)を得た。この吸
水性樹脂(AP−2)の吸水倍率は210倍であり、カ
ルシウムイオン含有量は10.2mg/gであった。
【0040】<実施例1>熱可塑性樹脂発泡体(AR−
1)2L(40体積%)、ピートモス1.5L(30体
積%)、バーク堆肥1L(20体積%)およびパーライ
ト0.5L(10体積%)からなる植栽基材(比重約0.
6)合計約3kgに、吸水性樹脂(AP−1)15g
(0.5質量%)を添加し、植栽基材を調製した。この
植栽基材に、ケンタッキーブルーグラス500粒を添加
してよく混合し、育苗箱(内寸60×30×3cm)に
充填した。次いで、1Lの水を霧吹きで均一に灌水し、
その後屋上の日当たりの良好な場所に設置し、9月初旬
から10月初旬の1ヶ月間発芽生育試験を実施した。試
験中は灌水を行わず、水源は降雨のみとした。試験終了
後(植栽基材に水分が含まれている状態)の比重は0.
8であり、ケンタッキーブルーグラスの平均草丈は1
2.4cmであった。
【0041】<実施例2>実施例1において、熱可塑性
樹脂発泡体(AR−1)の代わりに熱可塑性樹脂発泡体
(AR−2)を用い、吸水性樹脂(AP−1)の代わり
に吸水性樹脂(AP−2)を用いたこと以外は同様の操
作で植栽基材を調製し、同様の条件で1ヶ月間発芽生育
試験を実施した。結果を表1に示す。
【0042】<比較例1>実施例1において、熱可塑性
樹脂発泡体(AR−1)の代わりに自然土を用い、吸水
性樹脂(AP−1)の代わりに市販の農園芸用保水剤
(ポリアクリル酸ソーダ)を用いたこと以外は同様の操
作で植栽基材を調製し、同様の条件で1ヶ月間発芽生育
試験を実施した。結果を表1に示す。
【0043】<比較例2>比較例1において、市販の農
園芸用保水剤(ポリアクリル酸ソーダ)の添加量を3g
(0.1質量%)に減らしたこと以外は同様の操作、同
様の条件で1ヶ月間発芽生育試験を実施した。結果を表
1に示す。
【0044】<比較例3>比較例1において、市販の農
園芸用保水剤(ポリアクリル酸ソーダ)を全く添加しな
かったこと以外は同様の操作、同様の条件で1ヶ月間発
芽生育試験を実施した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1および2においては、酸変性熱可塑性樹脂発泡体
(AR−1)または(AR−2)を含有する植栽基材
に、保水剤としてアクリルアミド−アクリル酸塩架橋重
合体から成る吸水性樹脂(AP−1)または(AP−
2)を添加した植栽基材を用いているので、灌水前のみ
ならず試験後も軽量であり、しかも植物の生育も良好で
ある。
【0047】一方、比較例1〜3においては、発泡体の
代わりに自然土を使用した植栽基材なので、比重が重く
なる。また、比較例1のように吸水性樹脂として一般の
農園芸用保水剤(ポリアクリル酸ソーダ)を添加する
と、一定量以上では生長阻害が起こり植物が枯死してし
まう。また比較例2のようにその添加量を少なくする
と、充分な保水効果が得られず、本例のような人工的な
潅水が無い条件下では、保水剤を添加しない比較例3と
同様に植物の生育が悪い。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、適度な親水性を有しな
おかつ軽量である酸変性熱可塑性樹脂発泡体と、保水性
に優れ植物生長阻害を抑制した特定の吸水性樹脂とを組
み合わせることにより、植物生長阻害を抑制しつつ、充
分な吸水性能を有し、灌水回数を大幅に低減でき、吸水
性樹脂が安定に混合でき、かつ従来の土壌と比較し大幅
な軽量化が可能な植栽基材を提供できる。
【0049】したがって、本発明の植栽基材は、軽量で
ありなおかつ保水性に優れ、植物生長阻害を起こさない
ことから、植物の栽培方法に用いる支持体として、ある
いは緑化方法に用いる施工材料として非常に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/26 C08L 33/26 101/00 101/00 101/14 101/14 C09K 17/18 C09K 17/18 H 17/20 17/20 H 17/22 17/22 H // C09K 101:00 101:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸変性熱可塑性樹脂発泡体および吸水性
    樹脂を含有してなる植栽基材であって、該吸水性樹脂
    が、ビニルエステル類、カルボキシビニルモノマー類、
    非イオン性(メタ)アクリルアミド系モノマー類および
    非イオン性(メタ)アクリレートモノマー類から選択さ
    れる2種類以上のモノマーを少なくとも用いて得た共重
    合体または該共重合体のケン化物を含有することを特徴
    とする植栽基材。
  2. 【請求項2】 酸変性熱可塑性樹脂発泡体が、酸変性ポ
    リオレフィン樹脂発泡体である請求項1記載の植栽基
    材。
  3. 【請求項3】 酸変性ポリオレフィン樹脂が、プロピレ
    ン−無水マレイン酸共重合体またはエチレン−メタクリ
    ル酸共重合体である請求項2記載の植栽基材。
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂が、(メタ)アクリルアミド
    と(メタ)アクリル酸(塩)の架橋共重合体である請求
    項1〜3の何れか一項記載の植栽基材。
  5. 【請求項5】 吸水性樹脂が、(メタ)アクリルアミド
    と(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩の架橋共重合
    体を含有する請求項1〜4の何れか一項記載の植栽基
    材。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の植栽基材を支持材として
    用い、植物を栽培することを特徴とする植物の栽培方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の植栽基材を基盤上に施工
    し、植物体を植え付けることにより施工部分を緑化する
    ことを特徴とする緑化方法。
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