JP2002272130A - 携帯用交流電源装置 - Google Patents

携帯用交流電源装置

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JP2002272130A
JP2002272130A JP2001070342A JP2001070342A JP2002272130A JP 2002272130 A JP2002272130 A JP 2002272130A JP 2001070342 A JP2001070342 A JP 2001070342A JP 2001070342 A JP2001070342 A JP 2001070342A JP 2002272130 A JP2002272130 A JP 2002272130A
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voltage
output
power supply
signal
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JP2001070342A
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Hitoshi Takimoto
等 滝本
Hidetake Hayashi
秀竹 林
Toru Yoshioka
徹 吉岡
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Toshiba Corp
Sawafuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Sawafuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時におけるスイッチング素子の破壊を防
止することができる携帯用交流電源装置を提供する。 【解決手段】 携帯用交流電源装置を起動させる場合
に、マイクロコンピュータは、誤差電圧Verを略0Vに
初期化させた状態から、インバータ回路による高周波電
圧VFBの出力を開始させることで起動を行う。具体的に
は、正弦波基準信号Vsin (Vsin ′)のゼロクロス位
相のタイミングで、NANDゲート125〜128によ
りPWM回路123によるPWM信号出力をイネーブル
状態に切り換えると同時に、アナログスイッチ57によ
り誤差増幅回路67の入力端子に誤差電圧Verの検出端
子114を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源回路が出力す
る直流電圧をインバータ回路によりスイッチングするこ
とで交流電圧に変換して出力する携帯用交流電源装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の携帯用交流電源装置の電
気的構成を示すものである。携帯用交流電源装置1は、
図示しないエンジンにより駆動される三相の交流発電機
2と、その後段に接続される単相のインバータユニット
3とから構成されている。
【0003】交流発電機2は、回転子と電機子(何れも
図示せず)とに加え、エンジンへの燃料(ガソリン)供
給量を制御するためのステッピングモータ4を備えてい
る。電機子には、Y結線された主巻線5u、5v、5w
と補助巻線6とが巻装されており、主巻線端子7u、7
v、7wと補助巻線端子8a、8bは、それぞれインバ
ータユニット3の入力端子9u、9v、9wと入力端子
10a、10bに接続されている。
【0004】一方、インバータユニット3は、以下のよ
うに構成されている。すなわち、入力端子9u、9v、
9wと直流電源線11、12との間には整流回路13が
接続されている。直流電源線11と12との間には平滑
用のコンデンサ14が接続され、直流電源線11、12
と出力端子15、16との間にはインバータ回路17と
フィルタ回路18とが縦続接続されている。なお、前記
交流発電機2および整流回路13が、本発明における電
源回路に相当する。
【0005】整流回路13は、サイリスタ19〜21と
ダイオード22〜24とがいわゆる三相混合ブリッジの
形態に接続された構成を備えており、インバータ回路1
7は、トランジスタ25〜28(スイッチング素子に相
当)と還流ダイオード29〜32とがいわゆるフルブリ
ッジの形態に接続された構成を備えている。
【0006】フィルタ回路18は、インバータ回路17
の出力端子33とインバータユニット3の出力端子15
との間に介在するリアクトル35と、インバータユニッ
ト3の出力端子15と16との間に接続されたコンデン
サ36とから構成されている。インバータ回路17の出
力端子34は、インバータユニット3の出力端子16に
直接接続されており、その出力端子34からフィルタ回
路18に至る電流経路には出力電流を検出するための変
流器37が設けられている。
【0007】さらに、インバータユニット3は、制御電
源回路38、制御回路39および駆動回路40を備えて
いる。このうち制御電源回路38は、入力端子10a、
10bを介して補助巻線6に誘起される交流電圧を入力
し、それを整流平滑して制御回路39が動作するための
制御用直流電圧(例えば5V、±15V)を生成するよ
うになっている。なお、補助巻線6に誘起される交流電
圧は、エンジンの回転数を検出するために、制御回路3
9にも入力されている。
【0008】制御回路39は、マイクロコンピュータ4
1(以下、マイコン41と称す)、直流電圧検出回路4
2、検出電圧出力回路43、出力電流検出回路44およ
びPWM回路45から構成されている。マイコン41
は、具体的には図示しないがCPU、RAM、ROM、
入出力ポート、A/Dコンバータ、タイマ回路、発振回
路および本実施例の特徴である2つの8bitD/Aコ
ンバータがワンチップIC化された構成を有している。
【0009】直流電圧検出回路42は、直流電源線11
と12との間の直流電圧VDCを分圧して検出し、その検
出直流電圧を直流電圧検出信号としてマイコン41に出
力するようになっている。
【0010】検出電圧出力回路43(検出電圧出力回
路)は、インバータ回路17の出力端子33と34との
間の電圧VFBを分圧する分圧回路と、その分圧された矩
形波状の電圧から搬送波成分を除去するためのフィルタ
回路(何れも図示せず)とを備えて構成されており、そ
の検出電圧Vdet をマイコン41およびPWM回路45
に出力するようになっている。
【0011】また、出力電流検出回路44は、変流器3
7により検出された出力電流を所定の電圧レベルに変換
し、その検出出力電流Viを出力電流検出信号としてマ
イコン41およびPWM回路45に出力するように構成
されている。
【0012】PWM回路45は、PWM制御を実行して
トランジスタ25〜28を駆動するためのPWM信号V
G1′〜VG4′を生成するものである。PWM信号VG1′
〜VG4′は、それぞれ駆動回路40を介してトランジス
タ25〜28のベースに与えられるようになっている。
なお、駆動回路40は、マイコン41から運転許可信号
VRSが入力されている期間において、トランジスタ25
〜28を駆動するようになっている。
【0013】図10は、このPWM回路45の具体的な
回路構成を示している。この図10において、PWM回
路45の入力端子46、48、49には、それぞれマイ
コン41から正弦波基準形成電圧Vsin 、運転信号VRU
N 、発振信号VPLS が与えられている。また、入力端子
50には、検出電圧出力回路43から検出電圧Vdetが
与えられ、入力端子51には、出力電流検出回路44か
ら検出出力電流Viが与えられている。
【0014】入力端子46、50は、それぞれレベル変
換回路52と抵抗53、抵抗56を介してアナログスイ
ッチ57の入力側端子に接続されている。ここで、抵抗
53の抵抗値と抵抗56の抵抗値とは等しく設定されて
いる。アナログスイッチ57は、運転信号VRUN がHレ
ベル(5V)の場合にオンとなり、Lレベル(0V)の
場合にオフとなる。
【0015】上記レベル変換回路52は、±15Vの電
源電圧で動作するオペアンプ61を非反転増幅器として
用いており、そのゲイン決定用抵抗62、63を同じ抵
抗値に設定しているので、マイコン41から入力した0
V〜5Vの正弦波基準形成電圧Vsin を−5V〜5Vに
変換するようになっている。
【0016】アナログスイッチ57の出力側端子には、
2つのオペアンプ68、69をそれぞれ反転増幅器とし
て縦続接続した構成を持つ誤差増幅回路67が接続され
ている。このうち1段目の反転増幅器のゲイン決定用抵
抗70、71は、当該反転増幅器が十分なゲインを持つ
ように設定されており、2段目の反転増幅器のゲイン決
定用抵抗72と73とは同じ抵抗値に設定されている。
また、オペアンプ69の反転入力端子には、出力電流制
限回路74からの制限信号が入力されている。この出力
電流制限回路74は、インバータ回路17の出力電流I
oが所定の制限電流値を超えた場合に、前記誤差増幅回
路67から出力される誤差増幅電圧VTHを下げるように
構成されている。
【0017】誤差増幅回路67の後段には比較回路75
が接続されている。この比較回路75は、トランジスタ
25、27のPWM信号VG1、VG3を生成するためのコ
ンパレータ76と、トランジスタ26、28のPWM信
号VG2、VG4を生成するためのコンパレータ77とを備
えている。このうちコンパレータ77は、前記誤差増幅
電圧VTHと三角波発生回路(搬送波信号出力回路)78
から出力される搬送波信号としての三角波電圧VSAW と
を比較するようになっている。
【0018】一方、コンパレータ76は、抵抗79と8
0との直列回路により誤差増幅電圧VTHと三角波電圧V
SAW とが合成された電圧(抵抗79と80との抵抗値が
等しい場合(VTH+VSAW )/2)と0Vとを比較する
ようになっている。なお、三角波発生回路78は、例え
ば16kHzの矩形波形である発振信号VPLS を積分す
ることにより、前記三角波電圧VSAW を生成するように
なっている。
【0019】コンパレータ76の出力電圧は、抵抗8
1、82およびシュミットトリガのインバータ83によ
り5V電源系に変換され、デッドタイム遅延回路84を
介してPWM信号VG1として出力される。また、変換さ
れた電圧は、インバータ85により反転されてデッドタ
イム遅延回路86を介してPWM信号VG3として出力さ
れる。
【0020】同様に、コンパレータ77の出力電圧は、
抵抗87、88およびシュミットトリガのインバータ8
9により5V電源系に変換され、デッドタイム遅延回路
90を介してPWM信号VG4として出力される。また、
変換された電圧は、インバータ91により反転されてデ
ッドタイム遅延回路92を介してPWM信号VG2として
出力される。
【0021】なお、デッドタイム遅延回路84,86,
90,92は、インバータ回路17におけるアーム短絡
防止のために配置されている。また、デッドタイム遅延
回路84,86,92,90と出力端子93〜96との
間にはインバータ97、98、99、100が夫々直列
に挿入されおり、駆動回路40には反転されたPWM信
号VG1′〜VG4′が出力される。
【0022】図11は、駆動回路40の詳細な電気的構
成を示すものである。駆動回路40は、4つのフォトカ
プラ101〜104を中心として構成されている。各フ
ォトカプラ101〜104の入力端子の一方(入力側L
EDのカソード側)には、PWM回路45より出力され
るPWM信号VG1′〜VG4′が電流制限用の抵抗105
〜108を介して与えられている。また、前記入力端子
の他方(入力側LEDのアノード側)には、+5Vの電
源Vc がリレースイッチ109を介して与えられてい
る。リレースイッチ109は、マイコン41より与えら
れるリセット信号VRESET により開閉制御される。
【0023】各フォトカプラ101〜104の出力端子
は、電流制限用の抵抗110〜113を介して夫々トラ
ンジスタ25〜28のベースに接続されており、駆動信
号VGE1 〜VGE4 を出力するようになっている。これら
のフォトカプラ101〜104の出力側電源は何れも1
5Vであるが、下アーム側のフォトカプラ102及び1
04のグランドは制御回路39のグランド(GND) と共通
であり、上アーム側のフォトカプラ101,103のグ
ランドは、夫々トランジスタ25,26のエミッタ電位
(VS1,VS2) に等しくなるように設定されている。
【0024】次に、上記構成による作用について図12
乃至図16も参照しながら説明する。エンジンが駆動さ
れると、補助巻線6にはエンジンの回転数に応じた周波
数の低圧交流電圧が誘起される。マイコン41は、その
誘起された交流電圧を入力して波形成形処理を行い、そ
の処理が施された電圧波形に基づいてエンジンの回転数
を検出する。そして、マイコン41は、その検出回転数
と所定の指令回転数との偏差に基づいてステッピングモ
ータ4を動作させてエンジンへの燃料供給量を制御し、
エンジンの回転数が指令回転数に一致するように交流発
電機2の回転数制御を行う。
【0025】また、エンジンが駆動されると、主巻線5
u、5v、5wにはエンジンの回転数に応じた周波数の
三相交流電圧が誘起される。この三相交流電圧は、整流
回路13により整流された後コンデンサ14により平滑
され、直流電圧VDCに変換される。この直流電圧VDC
は、直流電圧検出回路42により検出される。マイコン
41は、その検出直流電圧により直流電圧VDCを監視し
ており、エンジンの回転数が定格回転数以上になっても
直流電圧VDCが基準直流電圧(例えば180V)を超え
ないように、整流回路13のサイリスタ19〜21の点
弧制御を行っている。すなわち、マイコン41は、直流
電圧VDCが前記基準直流電圧を超えた場合にサイリスタ
19〜21への点弧信号を停止し、直流電圧VDCが前記
基準直流電圧よりも低下した場合にサイリスタ19〜2
1に点弧信号を出力する。
【0026】さて、マイコン41は、上記直流電圧VDC
の制御を行う一方で、以下に説明するようにインバータ
回路17のPWM制御を実行する。図12(a)〜
(e)は、PWM回路45内における各電圧波形を示す
もので、具体的には以下の電圧波形を示している。
【0027】(a)…出力電圧VOUT (b)…正弦波基準電圧Vsin (c)…検出電圧Vdet (d)…誤差電圧Ver(=Vsin +Vdet ) (e)…誤差増幅電圧VTH 尚、誤差電圧Verは、アナログスイッチ57が開いてい
る場合に検出端子114において観測される電圧であ
り、アナログスイッチ57が閉じている場合は、仮想接
地状態となるオぺアンプ68の入力端子に接続されるこ
とで各信号が電流的に作用するため、電圧波形としては
観測されなくなる。
【0028】マイコン41は、比較的低価格で広く供給
されている汎用ワンチップマイコンを採用している。こ
のマイコン41には2つの8bitD/Aコンバータが
内蔵されている。マイコン41は、5V電源系におい
て、一方のD/Aコンバータにより、インバータ回路1
7の出力電圧VFBを指令する正弦波基準電圧Vsin (図
12(b))を出力する。正弦波基準電圧Vsin の周波
数は、携帯用交流電源装置1の定格周波数例えば50H
zまたは60Hzに設定される。
【0029】なお、マイコン41はHレベルの運転信号
VRUN を出力することで、アナログスイッチ57をオン
すると共に、リセット信号VRESET をHレベルにしてリ
セット解除することで、駆動回路40のリレースイッチ
109を閉じてインバータ回路17の駆動制御を開始す
る。
【0030】正弦波基準電圧Vsin は、レベル変換回路
52により5V電源系において2.5Vを中心とする0
V〜5Vの電圧範囲から、±15V電源系において0V
を中心とする−5V〜5Vの電圧範囲へと変換される。
また、正弦波基準電圧Vsinの振幅は、携帯用交流電源
装置1の定格出力電圧例えば100Vrms に相当する振
幅に設定される。
【0031】検出電圧出力回路43は、出力電圧VFB
(VOUT )に対して位相が反転した検出電圧Vdet を出
力している。そのため、抵抗53および56による加算
結果として、正弦波基準電圧Vsin と検出電圧Vdet と
の誤差が演算され、その誤差電圧Ver(=Vsin +Vde
t :図12(d))がアナログスイッチ57を介して誤
差増幅回路67に与えられる。
【0032】上記誤差電圧Verは正弦波となり、誤差増
幅回路67により非反転増幅されて誤差増幅電圧VTH
(図12(e))となる。この非反転増幅において、出
力電流制限回路74は、インバータ回路17に制限電流
値を超える過大な出力電流Ioが流れた場合に、誤差増
幅電圧VTHを低下させて出力電流Ioを抑制する過電流
保護動作を行っている。
【0033】比較回路75は、この誤差増幅電圧VTHと
三角波電圧VSAW とに基づいてPWM制御を行いPWM
信号VG1′〜VG4′を生成する。インバータ回路17の
トランジスタ25〜28は、それぞれ駆動信号VGE1 〜
VGE4 に従ってスイッチングされ、インバータ回路17
の出力端子33、34間には、実効的に見て正弦波基準
電圧Vsin に等しい矩形波状の出力電圧VFBが出力され
る(図13参照)。即ち、交流出力半周期は正極性の矩
形波電圧,残りの半周期は負極性の矩形波電圧が出力さ
れる。
【0034】この場合、比較回路75で生成されるPW
M信号VG1′〜VG4′のオンオフ周波数は、三角波電圧
VSAW の周波数(キャリア周波数:16kHz)となる
が、駆動信号VG1′とVG4′(または駆動信号VG2′と
VG3′)は互いにオン状態となるタイミングがずれてい
る。このため、出力電圧VFBにおける矩形波成分の周波
数はキャリア周波数の2倍(32kHz)となる。この
出力電圧VFBは、フィルタ回路18により高調波成分が
除去され、高精度で歪みの小さい正弦波交流電圧VOUT
として携帯用交流電源装置1の出力端子15、16から
出力される(図12(a)及び図13参照)。
【0035】ここで、図14乃至図16は、マイコン4
1による帰還制御が機能した定常状態におけるPWM回
路45内部の各信号波形を示すものであり、夫々誤差増
幅電圧VTHが、VTH>0,VTH<0,VTH=0の場合で
ある。尚、これらの図においては、横軸(時間軸)を拡
大して示しているため、誤差増幅電圧VTHは略直線状に
表されている。
【0036】図14に示すVTH>0の場合は、PWM信
号VG1′及びVG4′が同時にHレベルとなる期間が存在
するため((c),(d)参照)、出力電圧VFBは正極
性の矩形波電圧を出力する。また、図15に示すVTH<
0の場合は、PWM信号VG2′及びVG3′が同時にHレ
ベルとなる期間が存在するため((e),(f)参
照)、出力電圧VFBは負極性の矩形波電圧を出力する。
そして、図16に示すVTH=0の場合は、PWM信号V
G1′〜VG4′の何れか2つが同時にHレベルとなる期間
が存在せず((c)〜(f)参照)、出力電圧VFBは出
力されない。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な構成の携帯用交流電源装置1では、起動時において以
下のような問題が発生していた。図17を参照して起動
時のシーケンスをより詳細に述べると、マイコン41
は、先ず基準正弦波信号Vsin (Vsin ′)を生成出力
させ(図17(a)参照)、そのゼロクロス点の位相タ
イミングで運転信号VRUN を出力する(図17(b)参
照)ことでアナログスイッチ57を閉じる。
【0038】続いて、マイコン41は、リセット信号V
RESET をHレベルにしてリセットを解除し(図17
(c)参照)、駆動回路40のリレースイッチ109を
閉じてフォトカプラ101〜104に+5V電源VC を
供給してインバータ回路17の駆動制御を開始する。
尚、このように、起動時において運転信号VRUN とリセ
ット信号VRESET の2つの信号を用いるのは携帯用交流
電源装置1の安全性を重視したためである。
【0039】この場合、マイコン41は、制御プログラ
ムに従って運転信号VRUN の出力とリセット解除とをシ
リアルに実行し異なるポートから出力するため、両者の
実行には例えばTD1の時間差が生じる。また、リセット
信号VRESET がHレベルとなってからリレースイッチ1
09が閉じるまでには遅延時間(接続遅れ)TD2が経過
する。従って、出力電圧VFBに基づく帰還制御が有効に
機能するまでには、図17(a)に示す基準正弦波信号
Vsin ′のゼロクロス点位相から(TD1+TD2)の時間
経過後となる。
【0040】そして、この期間内は、インバータ回路1
7の出力電圧VFBは発生しないため検出電圧Vdet は0
Vとなっており、誤差増幅回路67の反転入力端子にお
いて基準正弦波信号Vsin ′と検出電圧Vdet との差分
は大きく拡がり、誤差増幅電圧VTHは搬送波VSAW の上
限値VSAW MAX を超えた状態となる(図17(e)参
照)。
【0041】この状態でリレースイッチ109が閉じる
と、トランジスタ25及び28がPWMデューティ10
0%で同時にオンした状態からインバータ回路17の駆
動が開始され、インバータ回路17からの出力電流はフ
ィルタ回路18のコンデンサ36を一気に充電すること
になる。
【0042】すると、この時、交流出力電圧VOUT は図
17(f)に示すように一気に直流電源電圧VDCのレベ
ルまで上昇し、大きな突入電流IL が発生する(図17
(g)参照)。更に、携帯用交流電源装置1の出力端子
15,16にコンデンサや全波整流回路などを含む負荷
が接続されている場合は、上記突入電流に加えてこれら
の負荷を充電する電流が流れるため、最悪の場合には、
トランジスタ25,38が破壊に至るおそれがある。
【0043】本発明は、こうした事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、起動時におけるスイッチング素子
の破壊を防止することができる携帯用交流電源装置を提
供することにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の携帯用交流電源装置は、直流電圧を
出力する電源回路と、複数のスイッチング素子を有し、
前記直流電圧を入力として前記スイッチング素子をPW
M信号に基づいて駆動することで高周波電圧を出力する
インバータ回路と、このインバータ回路によって出力さ
れる高周波電圧を低域濾波して交流電圧を出力するフィ
ルタ回路と、前記交流電圧に応じた検出電圧を出力する
検出電圧出力回路と、正弦波基準信号を出力する基準信
号出力回路と、前記検出電圧と前記正弦波基準信号との
誤差電圧を増幅して出力する誤差電圧増幅回路と、0V
を中心として発振する搬送波信号を出力する搬送波信号
出力回路と、前記誤差電圧増幅回路の出力信号と前記搬
送波信号とを比較することで前記PWM信号を発生する
PWM信号発生回路とを具備してなるものにおいて、前
記誤差電圧を略0Vに初期化させた状態から、前記イン
バータ回路による高周波電圧の出力を開始させることで
起動を行う起動制御手段を備えたことを特徴とする。
【0045】即ち、PWM信号発生回路は、交流電源と
して出力される電圧に応じた検出電圧と正弦波基準信号
との誤差電圧を増幅した信号と搬送波信号とを比較する
ことでPWM信号を発生しており、インバータ回路から
の出力電圧について帰還制御を行っている。従って、携
帯用交流電源装置を起動させる場合に、起動制御手段が
帰還制御の要因である誤差電圧を略0Vに初期化させた
状態からインバータ回路による高周波電圧の出力を開始
させることで起動を滑らかに行うことができる。具体的
には、PWM信号に基づいて駆動されるインバータ回路
のスイッチング素子に起動時に流れる電流を小さく抑制
することが可能となる。
【0046】この場合、請求項2に記載したように、起
動制御手段を、誤差電圧増幅回路の入力端子に誤差電圧
の検出端子を接続するための検出端子接続手段と、PW
M信号発生回路によるPWM信号出力のイネーブル制御
を行うための出力制御手段とを備え、正弦波基準信号の
ゼロクロス位相のタイミングで前記入力端子に前記検出
端子を接続すると同時に、前記PWM信号出力をディス
エーブル状態からイネーブル状態に切り換えるように構
成すると良い。
【0047】斯様に構成すれば、起動時に、正弦波基準
信号のゼロクロス位相のタイミングで、出力制御手段が
PWM信号発生回路によるPWM信号出力をイネーブル
状態に切り換えてインバータ回路におけるスイッチング
動作を開始させると同時に、検出端子接続手段が誤差電
圧増幅回路の入力端子に誤差電圧の検出端子を接続する
ので、正弦波基準信号の電圧レベルは略0Vになってい
ると共に、インバータ回路からの出力電圧レベルも起動
直後で略0Vになっている。従って、その時点における
誤差電圧は、確実に略0Vに初期化されるようになる。
【0048】また、請求項3に記載したように、出力制
御手段を論理回路で構成するのが好ましい。例えば、論
理回路が2つの入力端子を備えているとすると、適当な
論理を選択することで、一方の入力端子に与えられる制
御信号のレベルに応じて他方の入力端子に与えられてい
る信号の出力を高速にイネーブル制御するゲート動作が
可能となる。
【0049】また、請求項4に記載したように、出力制
御手段を、インバータ回路を構成する複数のスイッチン
グ素子の夫々に対応して設けると良い。斯様に構成すれ
ば、起動制御手段は、各スイッチング素子を個別にイネ
ーブル制御してインバータ回路による高周波電圧の出力
を開始させることができる。
【0050】この場合、請求項5に記載したように、P
WM信号に基づいてインバータ回路を構成する複数のス
イッチング素子を駆動するための駆動信号を出力するも
のであり、上アーム側の駆動用電源を生成するためのチ
ャージアップ回路を備えて構成される高耐圧駆動回路を
備えるのが好適である。
【0051】即ち、起動制御手段が各PWM信号出力を
個別にイネーブル制御できるので、各スイッチング素子
のスイッチングパターンによって、インバータ回路のス
イッチング動作を開始させる以前にチャージアップ回路
にチャージアップ動作を行わせることが可能となる。
【0052】そして、斯様な高耐圧駆動回路は、例え
ば、上アーム側と下アーム側との駆動信号が同時に出力
可能となるように機能が集約された1パッケージのIC
として構成されているので、例えば、フォトカプラなど
を利用して駆動回路を構成する場合に比較して、回路の
小形化及び低コスト化を図ることができる。
【0053】この場合、具体的には、請求項6に記載し
たように、起動制御手段を、出力制御手段によってイン
バータ回路の下アーム側に対応するPWM信号出力を、
上アーム側に先行してイネーブル状態に切り換えるよう
に構成すると良い。即ち、上アーム側,下アーム側のス
イッチング素子を同時にスイッチングすることでインバ
ータ回路による高周波電圧の出力を開始させる前に、下
アーム側のスイッチング素子だけをスイッチングさせる
ことで、チャージアップ回路にチャージアップ動作を行
わせることができる。
【0054】また、この場合、請求項7に記載したよう
に、起動制御手段は、下アーム側に対応するPWM信号
出力を先行してイネーブル状態に切り換えるタイミング
を、正弦波基準信号のゼロクロス位相から進み側に90
度以内に設定するのが好ましい。斯様に構成すれば、下
アーム側のスイッチング素子によってコンデンサのチャ
ージアップ動作を行うのに十分と考えられる極力短い時
間を容易に設定することができる。
【0055】更に、請求項8に記載したように、高耐圧
駆動回路の出力電流を増幅する電流増幅手段を備えると
良い。即ち、高耐圧駆動回路自体に高い電流駆動能力を
求めるとICのコストが上昇してしまうので、外付けで
電流増幅手段を備えることによって、相対的に低コスト
で高い電流駆動能力を得ることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て図1乃至図4を参照して説明する。尚、図9乃至図1
1と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下
異なる部分についてのみ説明する。全体の電気的構成を
示す図1において、図9の駆動回路40,マイコン41
及びPWM回路45は駆動回路121,マイコン(起動
制御手段)122及びPWM回路(PWM信号発生回
路)123に置き換えられており、インバータユニット
120,制御回路124を構成している。マイコン12
2は、駆動回路121に対してリセット信号VRESET を
出力しないように構成されている。
【0057】PWM回路123の詳細な電気的構成を示
す図2においては、PWM回路45におけるインバータ
97〜100に代えてCMOSで構成されるNANDゲ
ート(論理回路,出力制御手段,起動制御手段)125
〜128が配置されており、各NANDゲート125〜
128の他方の端子には運転信号VRUN が入力されるよ
うになっている。
【0058】即ち、運転信号VRUN がLレベルである場
合、NANDゲート125〜128の出力レベルはPW
M信号VG1〜VG4のレベルに拘らず何れもHレベルとな
る(ディスエーブル状態)。そして、運転信号VRUN が
Hレベルになると、NANDゲート125〜128は、
PWM信号VG1〜VG4のレベルに応じて変化する反転信
号を、PWM信号VG1′〜VG4′として出力するように
なる(イネーブル状態)。
【0059】また、駆動回路121の詳細な電気的構成
を示す図2においては、駆動回路40におけるリレース
イッチ109は取り除かれており、+5V電源Vc は、
各フォトカプラ101〜104に常時供給されるように
なっている。その他の構成は図9乃至図11に示すもの
と同様であり、以上が携帯用交流電源装置129を構成
している。
【0060】次に、本実施例の作用について図4をも参
照して説明する。マイコン122は、マイコン41と同
様に、基準正弦波信号Vsin (Vsin ′)を生成出力さ
せ(図4(a)参照)、そのゼロクロス点の位相タイミ
ングで運転信号VRUN を出力して(図4(b)参照)ア
ナログスイッチ(検出端子接続手段,起動制御手段)5
7を閉じる。すると、検出端子114は、誤差増幅回路
(誤差電圧増幅回路)67の入力端子に接続される。
【0061】この場合、図4(c)に示すように、駆動
回路121の各フォトカプラ101〜104には電源V
c が既に供給されており、また、PWM回路123の各
NANDゲート125〜128に与えられている運転信
号VRUN がHレベルになることから、PWM信号VG1′
〜VG4′が出力可能(イネーブル)となり、インバータ
回路17の駆動制御は直ちに開始される。
【0062】また、アナログスイッチ57が閉じられる
と同時にインバータ回路17の駆動制御が開始されるの
で、検出電圧Vdet としては略0Vが検出され、基準正
弦波信号Vsin ′のレベルも略0Vであるから誤差電圧
Verも略0Vとなっている。そして、誤差増幅回路67
が出力する誤差増幅電圧VTHも、図4(d)に示すよう
に0Vから正弦波状に上昇するので、交流出力電圧VOU
T も同様の波形を示す(図4(e)参照)。
【0063】従って、インバータ回路17の出力電圧
は、フィルタ回路18のコンデンサ36を徐々に充電す
ることになり、図4(f)に示すように、インバータ回
路17の出力側で発生する突入電流IL は、従来の場合
に比較して極めて小さくなる。
【0064】以上のように本実施例によれば、携帯用交
流電源装置129を起動させる場合に、マイコン122
は、誤差電圧Verを略0Vに初期化させた状態から、イ
ンバータ回路17による高周波電圧VFBの出力を開始さ
せることで起動を行う。具体的には、正弦波基準信号V
sin (Vsin ′)のゼロクロス位相のタイミングで、N
ANDゲート125〜128によりPWM回路123に
よるPWM信号出力をイネーブル状態に切り換えると同
時に、アナログスイッチ57により誤差増幅回路67の
入力端子に誤差電圧Verの検出端子114を接続する。
【0065】即ち、電源装置129を起動させる場合
に、帰還制御の要因である誤差電圧Verを略0Vに初期
化させた状態からインバータ回路17による高周波電圧
VFBの出力を開始させることで起動を滑らかに行うこと
ができ、PWM信号VG1′〜VG4′に基づいて駆動され
るインバータ回路17のトランジスタ(スイッチング素
子)25〜28に起動時に流れる電流を小さく抑制する
ことが可能となる。従って、従来とは異なり、起動時に
おいてトランジスタ25〜28に過剰な電流が流れるこ
とを防止して、トランジスタ25〜28が破壊されるこ
とを防止できる。また、PWM回路123のイネーブル
制御をNANDゲート125〜128によって行うの
で、PWM信号出力のイネーブル制御を高速に行うこと
ができる。
【0066】図5乃至図8は本発明の第2実施例を示す
ものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明す
る。全体の電気的構成を示す図5において、第1実施例
における駆動回路121,マイコン122及びPWM回
路123は、駆動回路(高耐圧駆動回路)130,マイ
コン(起動制御手段)131及びPWM回路(PWM信
号発生回路)132に置き換えられており、インバータ
ユニット120A,制御回路133を構成している。
【0067】PWM回路132の詳細な電気的構成を示
す図6においては、PWM回路123におけるNAND
ゲート125〜128に代えてANDゲート(論理回
路、出力制御手段)134〜137が配置されている。
ANDゲート134,136の他方の入力端子には第1
実施例と同様に運転信号VRUN が与えられているが、A
NDゲート135,137の他方の入力端子には、PW
M回路132の入力端子150を介してマイコン131
により運転信号VRUN とは異なるタイミングで出力され
る運転信号VRUN1が与えられている。そして、ANDゲ
ート134〜137は、イネーブル状態になるとデッド
タイム遅延回路84,86,92,90より出力される
信号のレベルを反転させずにPWM信号VG1〜VG4を駆
動回路130に出力する。
【0068】図7は、駆動回路130の詳細な電気的構
成を示すものである。駆動回路130は、2つの高耐圧
ドライバIC138A及び138Bを中心として構成さ
れている。尚、ドライバIC138A及び138Bの周
辺回路は対象に構成されているため、以下では特に区別
する必要がなければ符号に“A,B”を付さないで説明
する。
【0069】ドライバIC138は、入力側及びロウサ
イド(下アーム)側の共通グランド端子(COM) ,入力側
電源端子(VCC) ,ハイサイド(上アーム)側及びロウサ
イド側の信号入力端子(HIN,LIN) ,出力側グランド端子
(VS),出力側電源端子(VB),ハイサイド側及びロウサイ
ド側の信号出力端子(HO,LO) を備えている。
【0070】共通グランド端子(COM) は、制御回路13
3のグランド(GND) に接続されており、入力側電源端子
(VCC) は+15V電源に接続されている。また、これら
の電源端子(VCC) とグランド端子(COM) との間には、コ
ンデンサ139が接続されている。このコンデンサ13
9は、後述するようにドライバIC138の出力側でチ
ャージアップ動作が行われる場合に+15V電源の電圧
レベルが低下することを防止するために配置されてい
る。また、入力側電源端子(VCC) は、抵抗140及び高
速ダイオード141の直列回路を介して出力側電源端子
(VB)に接続されている。信号入力端子(HIN,LIN) には、
PWM回路132からのPWM信号VG1(VG3), VG2
(VG4)が与えられている。
【0071】一方、出力側のグランド端子(VS)は、トラ
ンジスタ25(26)のエミッタ(VS1(VS2) に接続され
ており、電源端子(VB)は、コンデンサ142を介してグ
ランド端子(VS)に接続されている。信号出力端子(HO)
は、NPN型のトランジスタ143及びPNP型のトラ
ンジスタ144のベースに共通に接続されており、トラ
ンジスタ143のコレクタは電源端子(VB)に接続され、
トランジスタ144のコレクタはグランド端子(VS)に接
続されている。そして、トランジスタ143及び144
のエミッタは、抵抗110(112)に共通に接続され
ている。
【0072】また、信号出力端子(LO)は、NPN型のト
ランジスタ145及びPNP型のトランジスタ146の
ベースに共通に接続されており、トランジスタ145の
コレクタは電源端子(VCC) に接続され、トランジスタ1
46のコレクタはグランド端子(COM) に接続されてい
る。そして、トランジスタ143及び144のエミッタ
は、抵抗111(113)に共通に接続されている。こ
れらのトランジスタ(電流増幅手段)143及び14
4,145及び146は、ドライバIC138A,13
8Bの外付け電流ドライバとして配置されている。
【0073】ドライバIC138Aは、PWM信号VG
1,VG3を受けて駆動信号VGE1 ,VGE3 を出力し、ト
ランジスタ25のエミッタ電位(VS1) がトランジスタ2
5のオンオフに伴って0Vと直流電圧VDCとの間で遷移
しても十分に動作が可能となるように構成されている。
また、ドライバIC138Bは、PWM信号VG2,VG4
を受けて駆動信号VGE2 ,VGE4 を出力し、トランジス
タ26のエミッタ電位(VS2) がトランジスタ26のオン
オフに伴って0Vと直流電圧VDCとの間で遷移しても十
分に動作が可能となるように構成されている。尚、抵抗
140,高速ダイオード141及びコンデンサ142
は、チャージアップ回路147を構成している。その他
の構成は第1実施例と同様であり、以上が携帯用交流電
源装置148を構成している。
【0074】次に、本実施例の作用について図8をも参
照して説明する。図8(a)〜(c)に示すように、マ
イコン131は、基準正弦波信号Vsin (Vsin ′)を
生成出力させ、そのゼロクロス点の位相タイミングで運
転信号VRUN を出力するのに先立って(図8(a),
(b)参照)、運転信号VRUN1を時間TB だけ早めて出
力する(図8(c)参照)。この時間TB は、例えば、
前記ゼロクロス点の位相タイミングから進み側に90度
以内に設定するのが好ましい。
【0075】すると、PWM回路132のANDゲート
135,137が先にイネーブル状態となり、下アーム
側のPWM信号VG2,VG4が、上アーム側のPWM信号
VG1,VG3に先立って出力される(図8(e),(f)
参照)。この時、下アーム側のトランジスタ27,28
がスイッチングされるため、駆動回路130のドライバ
IC138A及び138Bでは、出力側のグランド端子
(VS)が制御用グランド(GND) に接続されるようになる。
すると、コンデンサ142は、抵抗140及びダイオー
ド141を介して+15V電源(コンデンサ139)に
より充電され、その端子電圧VB1,VB2は+15Vまで
上昇する(チャージアップ,図8(g)参照)。
【0076】即ち、基準正弦波信号Vsin (Vsin ′)
のゼロクロス点の位相タイミングで運転信号VRUN がH
レベルとなり、インバータ回路17の駆動が開始される
前に、駆動回路130のドライバIC138A及び13
8Bに対して、上アーム側のトランジスタ25,27を
駆動するための電源電圧を+15Vまでチャージアップ
することができる。
【0077】以上のように第2実施例によれば、チャー
ジアップ回路147を有するドライバIC138を備え
て駆動回路130を構成した。そして、マイコン131
は、、ANDゲート134〜137によってインバータ
回路17の下アーム側に対応するPWM信号VG2,VG4
を、上アーム側に先行して出力させるようにした。
【0078】従って、各トランジスタ25〜28を個別
に制御して、インバータ回路17による高周波電圧VFB
の出力を開始させる前に下アーム側のトランジスタ2
6,28だけをスイッチングさせることで、チャージア
ップ回路147が有するコンデンサ142のチャージア
ップを行わせることができる。そして、第1実施例のよ
うに、フォトカプラ101〜104を利用して駆動回路
40を構成する場合に比較して、回路の小形化及び低コ
スト化を図ることができる。
【0079】また、マイコン131は、下アーム側に対
応するPWM信号VG2,VG4を先行して出力させるタイ
ミングを、正弦波基準信号Vsin のゼロクロス位相から
進み側に90度以内に設定するので、コンデンサ142
のチャージアップ動作を行うのに十分と考えられる極力
短い時間を容易に設定することができる。
【0080】更に、ドライバIC138の出力側に、出
力電流を増幅するためのトランジスタ143〜146を
配置したので、高い電流駆動能力を有するドライバIC
を採用する場合に比較して、低コストで高い電流駆動能
力を得ることができる。
【0081】本発明は上記し且つ図面に記載した実施例
にのみ限定されるものではなく、次のような変形または
拡張が可能である。スイッチング素子は、トランジスタ
に限ることなく、パワーMODFETやIGBTなどで
も良い。論理回路は、CMOS構成のものに限らず、T
TL構成であっても良い。第2実施例におけるトランジ
スタ143〜146は、必要に応じて配置すれば良い。
【0082】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。本発明の携帯用交流電源装置によ
れば、起動制御手段は、帰還制御の要因である誤差電圧
を略0Vに初期化させた状態からインバータ回路による
高周波電圧の出力を開始させるので起動を滑らかに行う
ことができ、PWM信号に基づいて駆動されるインバー
タ回路のスイッチング素子に起動時に流れる電流を小さ
く抑制することが可能となる。そして、従来とは異な
り、起動時においてスイッチング素子に過剰な電流が流
れることを防止して、スイッチング素子が破壊されるこ
とを防止できる。
【0083】また、本発明の携帯用交流電源装置によれ
ば、上アーム側の駆動用電源を生成するためのチャージ
アップ回路を備えて高耐圧駆動回路によって、PWM信
号に基づいてインバータ回路を構成する複数のスイッチ
ング素子に駆動信号を出力するので、起動制御手段が各
PWM信号出力を個別にイネーブル制御することでイン
バータ回路のスイッチング動作を開始させる以前にチャ
ージアップ回路が有するコンデンサのチャージアップを
行わせることが可能となる。そして、例えば、フォトカ
プラなどを利用して駆動回路を構成する場合に比較し
て、回路の小形化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、携帯用交流電源装
置全体の電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】PWM回路の詳細な電気的構成を示す図
【図3】駆動回路の詳細な電気的構成を示す図
【図4】起動時における各部の信号波形を示す図
【図5】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】図3相当図
【図8】図4相当図
【図9】従来技術を示す図1相当図
【図10】図2相当図
【図11】図3相当図
【図12】主としてPWM回路内における各部の信号波
形を示す図
【図13】インバータ回路の出力電圧波形を示す図
【図14】マイクロコンピュータによる帰還制御が機能
した定常状態におけるPWM回路内部の各信号波形を示
す図(VTH>0)
【図15】図14相当図(VTH<0)
【図16】図14相当図(VTH=0)
【図17】図4相当図
【符号の説明】
2は交流発電機(電源回路)、13は整流回路は(電源
回路)、17はインバータ回路、25〜28はトランジ
スタ(スイッチング素子)、57はアナログスイッチ
(検出端子接続手段,起動制御手段)、67は誤差増幅
回路(誤差電圧増幅回路)、78は三角波発生回路(搬
送波信号出力回路)、114は検出端子、122はマイ
クロコンピュータ(起動制御手段)、123はPWM回
路(PWM信号発生回路)、125〜128はNAND
ゲート(論理回路,出力制御手段,起動制御手段)、1
29は携帯用交流電源装置、130は駆動回路(高耐圧
駆動回路)、131はマイクロコンピュータ(起動制御
手段)、132はPWM回路(PWM信号発生回路)、
134〜137はANDゲート(論理回路,出力制御手
段)、138はドライバIC、143〜146はトラン
ジスタ(電流増幅手段)、147はチャージアップ回
路、148は携帯用交流電源装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 秀竹 愛知県瀬戸市穴田町991番地 株式会社東 芝愛知工場内 (72)発明者 吉岡 徹 群馬県新田郡新田町大字早川字早川3番地 澤藤電機株式会社新田工場内 Fターム(参考) 5H007 CA01 CB05 CC12 DB01 DB12 DC02 DC05 EA02 GA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電圧を出力する電源回路と、 複数のスイッチング素子を有し、前記直流電圧を入力と
    して前記スイッチング素子をPWM信号に基づいて駆動
    することで高周波電圧を出力するインバータ回路と、 このインバータ回路によって出力される高周波電圧を低
    域濾波して交流電圧を出力するフィルタ回路と、 前記交流電圧に応じた検出電圧を出力する検出電圧出力
    回路と、 正弦波基準信号を出力する基準信号出力回路と、 前記検出電圧と前記正弦波基準信号との誤差電圧を増幅
    して出力する誤差電圧増幅回路と、 0Vを中心として発振する搬送波信号を出力する搬送波
    信号出力回路と、 前記誤差電圧増幅回路の出力信号と前記搬送波信号とを
    比較することで前記PWM信号を発生するPWM信号発
    生回路とを具備してなる携帯用交流電源装置において、 前記誤差電圧を略0Vに初期化させた状態から、前記イ
    ンバータ回路による高周波電圧の出力を開始させること
    で起動を行う起動制御手段を備えたことを特徴とする携
    帯用交流電源装置。
  2. 【請求項2】 起動制御手段は、誤差電圧増幅回路の入
    力端子に誤差電圧の検出端子を接続するための検出端子
    接続手段と、 PWM信号発生回路によるPWM信号出力のイネーブル
    制御を行うための出力制御手段とを備え、 正弦波基準信号のゼロクロス位相のタイミングで前記入
    力端子に前記検出端子を接続すると同時に、前記PWM
    信号出力をディスエーブル状態からイネーブル状態に切
    り換えることを特徴とする請求項1記載の携帯用交流電
    源装置。
  3. 【請求項3】 出力制御手段を、論理回路で構成したこ
    とを特徴とする請求項2記載の携帯用交流電源装置。
  4. 【請求項4】 出力制御手段を、インバータ回路を構成
    する複数のスイッチング素子の夫々に対応して設けたこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の携帯用交流電源
    装置。
  5. 【請求項5】 PWM信号に基づいてインバータ回路を
    構成する複数のスイッチング素子を駆動するための駆動
    信号を出力するものであり、上アーム側の駆動用電源を
    生成するためのチャージアップ回路を備えて構成される
    高耐圧駆動回路を備えたことを特徴とする請求項4記載
    の携帯用交流電源装置。
  6. 【請求項6】 起動制御手段は、出力制御手段によって
    インバータ回路の下アーム側に対応するPWM信号出力
    を、上アーム側に先行してイネーブル状態に切り換える
    ことを特徴とする請求項5記載の携帯用交流電源装置。
  7. 【請求項7】 起動制御手段は、下アーム側に対応する
    PWM信号出力を先行してイネーブル状態に切り換える
    タイミングを、正弦波基準信号のゼロクロス位相から進
    み側に90度以内に設定することを特徴とする請求項6
    記載の携帯用交流電源装置。
  8. 【請求項8】 高耐圧駆動回路の出力電流を増幅する電
    流増幅手段を備えたことを特徴とする請求項5乃至7の
    何れかに記載の携帯用交流電源装置。
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