JP2002271084A - 電波吸収体の作製方法およびプログラム - Google Patents

電波吸収体の作製方法およびプログラム

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JP2002271084A JP2001066225A JP2001066225A JP2002271084A JP 2002271084 A JP2002271084 A JP 2002271084A JP 2001066225 A JP2001066225 A JP 2001066225A JP 2001066225 A JP2001066225 A JP 2001066225A JP 2002271084 A JP2002271084 A JP 2002271084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電損失材や磁性損失材からなる電波吸収材を
有し、所望の電波吸収特性を有する電波吸収体を設計し
て作製する際、ターゲット条件が制限を受けず幅広く設
定でき、このターゲット条件に基づき誘電損失材や磁性
損失材を最適に設定する。 【解決手段】電波吸収材の複素比誘電率パラメータおよ
び複素比透磁率パラメータの少なくとも1方と電波吸収
材の厚みを含む複数の電波吸収材パラメータからなる電
波吸収材パラメータ群を複数組設定して、遺伝的アルゴ
リズムを用いて、入力設定されたターゲット条件下、評
価値が最小電波吸収量以上である最適な電波吸収材パラ
メータ群を求める。その際、評価値は、ターゲット条件
に対応して電波吸収量を複数求め、この複数の電波吸収
量の中の最小値とこれらの複数の電波吸収量の平均値と
を重み付け加算したもので、入力設定した最小電波吸収
量と比較して、最適な電波吸収材パラメータ群を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収体、例え
ば誘電損失材料や磁性損失材料を金属板に積層した多層
構造の電波吸収体を最適に設計するためのプログラムお
よび電波吸収体の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、電波は通信分野においてマイクロ
波やミリ波が用いられつつあるが、同時に、マイクロ波
やミリ波の電波を吸収したりシールドする技術も環境の
点から必要とされている。このような技術として、レー
ダ偽像防止対策用電波吸収体、無線障害防止対策用電波
吸収体、また電波暗室用電波吸収体が挙げられる。
【0003】このような電波吸収体は、図7(a)に示
すように、金属板100に厚みがdの誘電損失材102
を積層し、到来した電波が誘電損失材102の面上で反
射する反射係数を小さくすることによって、反射する電
波の強度を低下させるものである。ここで、金属板10
0とこの金属板100上に積層される誘電損失材102
からなる電波吸収体の反射係数は、一般に、伝送線路理
論におけるインピーダンスを用いて取り扱うことができ
る。すなわち、電波吸収体は、図7(b)に示すよう
に、受端にインピーダンスZ l の負荷を接続した特性イ
ンピーダンスZc の分布定数線路で表現することができ
る。従って、受端から距離dの位置にある点から受端側
を見込んだインピーダンスZinは、下記式(1)で表さ
れる。
【0004】
【数1】 ここで、受端の負荷は金属板100に対応するので、イ
ンピーダンスZl は0となり、特性インピーダンスZc
は、(誘電損失材102を誘電損失材料とすれば)誘電
損失材102の特性インピーダンスであるので1/(ε
r (1/2) (ε r は複素比誘電率である)となり、γは
電波の誘電損失材102を伝搬する伝搬定数となり、j
・(2π・(εr (1/2) )/λ(λは電波の波長であ
る)となる。
【0005】そして、このインピーダンスZinを用い
て、下記式(2)に示す反射係数Γを求めることができ
る。
【数2】 上記例は、電波が電波吸収体に垂直に入射する場合であ
るが、電波が斜めに入射する斜入射の場合も、同様に反
射係数Γを斜入射の場合のインピーダンスZinを用いて
表すことができる。そして、電波吸収体の電波吸収特性
を下記式(3)で表す電波吸収量Sで表すことができ
る。
【数3】
【0006】このようにして、誘電損失材102の厚み
dと複素比誘電率εr と電波の周波数を用いて電波吸収
量Sを解析的に算出することができる。そして、電波吸
収体が所定のターゲット条件、例えば、所定の周波数で
所望の電波吸収量を有するように、誘電損失材102の
厚みdや誘電損失材102の複素比誘電率εr を調整す
ることによって、所望の電波吸収体を設計することがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記電波吸
収体は、誘電損失材102が一層の例であるが、電波吸
収体によっては、複数(n個)の誘電損失材や磁性損失
材を積層する電波吸収体も存在する。例えば、誘電損失
材で積層する場合、複数(m個)の周波数における反射
係数Γの値(Γf1・・・Γfmの実数部および虚数部の
値)等を条件として与えることによって、未知数である
複数(n個)の誘電損失材の厚みと誘電損失材102中
に含有され複素比誘電率εr を規定する特定の成分の含
有量を、下記式(4)に示す多変数パラメータを算出す
る多次元ニュートン法を用いた逐次計算によって、算出
することができる。しかし、算出可能な条件は、実数部
および虚数部を合わせた反射係数Γの数(2m個)と、
未知数である誘電損失材の厚みと複素比誘電率εr を決
定するパラメータの総数(2n個)が一致する場合に限
られている。
【数4】
【0008】さらに、複素比誘電率εr が2つ以上の誘
電率パラメータ、例えば、誘電損失材中の2つ以上の特
定の含有成分の含有量で複素比誘電率εr を規定する場
合や磁性損失材を含む場合等、求めるべき未知数が多く
なると、式(4)のような多次元ニュートン法を用い
て、誘電損失材や磁性損失材の厚みや上記複数の含有量
を解析的に算出することはできない。さらに、電波の垂
直入射に加えて、電波の斜入射における電波吸収量を制
御する場合、式(4)のような連立方程式を立てること
ができず、電波吸収材を構成する誘電損失材や磁性損失
材の厚みや上記複数の含有量を解析的に算出することは
できない。
【0009】そこで、本発明は、所望の電波吸収特性を
有するように、電波吸収材を積層した電波吸収体を設計
し作製する際、周波数の設定や電波の入射角度やTE波
(Transverse Electric wave) やTM波(Transverse M
agnetic wave) の偏波の種類等のターゲット条件が制限
されず、ターゲット条件を幅広く設定でき、このターゲ
ット条件に基づき誘電損失材や磁性損失材を最適に設定
することのできる電波吸収体の作製方法およびプログラ
ムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電波吸収体の電波吸収材の複素比誘電率
パラメータおよび電波吸収体の電波吸収材の複素比透磁
率パラメータの少なくとも1方のパラメータと、この電
波吸収材の厚みと、を含む複数の電波吸収材パラメータ
からなる電波吸収材パラメータ群の前記電波吸収材パラ
メータ各々の値を設定することによって、所望の電波吸
収特性を持つ電波吸収体を作製する電波吸収体の作製方
法であって、前記電波吸収材パラメータ群を複数組生成
し、これらの電波吸収材パラメータ群を解集合として初
期設定する初期解集合設定工程と、前記解集合の電波吸
収材パラメータ群の各々について、評価関数を用いて所
定の条件における電波吸収体の電波吸収特性の評価値を
算出する評価値算出工程と、前記解集合の電波吸収材パ
ラメータ群から、前記評価関数を用いて算出される電波
吸収材パラメータ群各々の評価値に基づいて、電波吸収
材パラメータ群の対を複数組設定する対設定工程と、こ
の対設定工程で設定された電波吸収材パラメータ群の対
の各々が有する電波吸収材パラメータ情報の一部を所定
の確率でお互いに交叉させる交叉工程と、この交叉工程
で交叉して得られた電波吸収材パラメータ情報の一部を
所定の確率で変更する変更工程と、前記交叉工程前の電
波吸収材パラメータ群を、前記変更工程を経て得られた
電波吸収材パラメータ群に置き換えて前記解集合とする
置き換え工程とを有し、前記解集合の電波吸収材パラメ
ータ群について前記評価関数を用いて算出される評価値
の少なくとも1つが、収束条件を満足するまで、前記対
設定工程、前記交叉工程、前記変更工程および前記置き
換え工程を繰り返すことによって、最適な電波吸収材パ
ラメータ群を求めることを特徴とする電波吸収体の作製
方法を提供するものである。
【0011】ここで、前記評価値算出工程は、前記電波
吸収材パラメータ群から、前記所定の条件に対応して電
波吸収量を複数求め、前記評価関数は、この複数の電波
吸収量の中の最小値とこれらの複数の電波吸収量の平均
値とを重み付けして加算した評価値を算出するのが好ま
しい。
【0012】また、前記所定の条件は、電波の入射角度
が異なる複数の斜入射の条件を含み、前記評価値算出工
程は、前記電波吸収材パラメータ群から、複数の電波の
入射角度における電波吸収量を求め、前記評価関数は、
この求められた複数の電波吸収量の中の最小値を用い
て、評価値を求めるのが好ましい。あるいは、前記所定
の条件は、複数の異なる周波数の条件を含み、前記評価
値算出工程は、前記電波吸収材パラメータ群から、前記
複数の異なる周波数における電波吸収量を求め、前記評
価関数は、この求められた複数の電波吸収量の中の最小
値を用いて、評価値を求めるものであってもよい。
【0013】また、前記電波吸収材の複素比誘電率パラ
メータおよび前記電波吸収材の複素比透磁率パラメータ
の少なくとも1方のパラメータは、この電波吸収材に含
有される所定の成分の含有量と電波の周波数を含み、前
記電波吸収材の複素比誘電率および前記電波吸収材の複
素比透磁率の少なくとも1方は前記含有量と前記周波数
とを用いたモデル式で表されるのが好ましい。
【0014】さらに、本発明は、上記目的を達成するた
めに、電波吸収体の電波吸収材の複素比誘電率パラメー
タおよび電波吸収体の電波吸収材の複素比透磁率パラメ
ータの少なくとも1方のパラメータと、この電波吸収材
の厚みと、を含む複数の電波吸収材パラメータからなる
電波吸収材パラメータ群の前記電波吸収材パラメータ各
々の値を設定して、所望の電波吸収特性を持つ電波吸収
体を設計するための、コンピュータに実行させるプログ
ラムであって、前記電波吸収材パラメータ群を複数組生
成し、これらの電波吸収材パラメータ群を解集合として
初期設定してコンピュータの記憶手段に記録させる初期
解集合設定手順と、前記解集合の電波吸収材パラメータ
群の各々について、評価関数を用いて所定の条件におけ
る電波吸収体の電波吸収特性の評価値をコンピュータの
演算手段に算出させる評価値算出手順と、前記解集合の
電波吸収材パラメータ群から、前記評価関数を用いて算
出される電波吸収材パラメータ群各々の評価値に基づい
て、電波吸収材パラメータ群の対を複数組設定し、前記
記憶手段に記録させる対設定手順と、この対設定手順で
設定された電波吸収材パラメータ群の対の各々が有する
電波吸収材パラメータ情報の一部を、コンピュータの乱
数発生手段に発生させて得られる乱数を用いて、お互い
に交叉させる交叉手順と、この交叉手順で交叉して得ら
れた電波吸収材パラメータ情報の一部を、前記乱数発生
手段に発生させて得られる乱数を用いて、変更する変更
手順と、前記交叉手順前の電波吸収材パラメータ群の解
集合を、前記変更手順を経て得られた電波吸収材パラメ
ータ群に置き換えて、前記解集合として前記記憶手段に
記録させる置き換え手順とを有し、前記解集合の電波吸
収材パラメータ群について前記評価関数を用いて算出さ
れる評価値の少なくとも1つが、収束条件を満足するま
で、前記対設定手順、前記交叉手順、前記変更手順およ
び前記置き換え手順を繰り返すことを特徴とするプログ
ラムを提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電波吸収体の作製
方法を実施する電波吸収体最適パラメータ算出装置につ
いて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説
明する。
【0016】図1に示される電波吸収体最適パラメータ
算出装置(以降、パラメータ算出装置という)10は、
電波吸収体入力設定部12と、制御パラメータ入力設定
部14と、最適パラメータ算出部16と、電波吸収特性
算出部18とを主に有し、上記各部位は、各部位の動作
を制御管理する、図示されないCPU(中央処理ユニッ
ト)を介してモニタ20に接続される。また、各部位で
得られた情報を記憶するメモリを有する。なお、パラメ
ータ算出装置10は、それぞれの部位がプログラムを実
行することによって機能を発揮するコンピュータによっ
て構成されているが、それぞれの部位が回路等のハード
ウェアによって設計された専用装置であってもよい。
【0017】電波吸収体入力設定部12は、電波吸収材
の複素比誘電率や複素比誘電率や電波吸収材の厚みが最
適に設定されるように、各誘電損失材の複素比誘電率ε
r や各磁性損失材の複素比透磁率μr を規定する所定の
含有成分の含有量の範囲、例えば、炭素粒子の含有量、
酸化チタンの含有量、さらには、フェライト粒子の含有
量等の含有量の範囲や、各電波吸収材の厚みの範囲を電
波吸収材の積層ごとに入力設定するとともに、最適パラ
メータ算出部16で最適なパラメータの算出を行う際の
ターゲット条件を入力して設定し、コンピュータ内のメ
モリに記憶させる部位である。入力は、オペレータがモ
ニタ20に表示された入力設定画面を見ながら図示され
ないマウスやキーボードによって入力される。ターゲッ
ト条件は、例えば、垂直入射における周波数の設定、斜
入射におけるTE波やTM波等の偏波の設定および様々
な入射角度と周波数の設定、および、これらの条件にお
いて最低条件として必要とされる最小電波吸収量の設
定、すなわち収束条件の設定等が行われる。TE波と
は、到来する入射波と反射波で構成される入射面に垂直
な電界成分を有する電波をいい、TM波とは、到来する
入射波と反射波で構成される入射面に垂直な磁界成分を
有する電波をいう。
【0018】一方、制御パラメータ入力設定部14は、
最適パラメータ算出部16で最適なパラメータの算出を
行うための算出方法を規定する制御パラメータを入力す
る部位であり、オペレータがモニタ20に表示された入
力設定画面を見ながら図示されないマウスやキーボード
によって入力され、コンピュータ内のメモリに記憶させ
る部位である。制御パラメータとは、後述するように遺
伝的アルゴリズムを用いて最適な電波吸収材パラメータ
群の算出を行う際の、解集合の数や交配や突然変異の処
理で用いられる電波吸収材パラメータ情報のビット表示
のための表示ビット数や、交配確率や突然変異の発生確
率や上限世代数や上限試行回数等のパラメータである。
なお、詳細については後述する。
【0019】最適パラメータ算出部16は、メモリに記
憶された入力情報と制御パラメータを呼び出し、後述す
る遺伝的アルゴリズムによって、ターゲット条件の最小
電波吸収量を満足するように、各電波吸収材の複素比誘
電率εr や複素比透磁率μrを規定する所定の含有成分
の含有量、例えば、炭素粒子の含有量や酸化チタンの含
有量や、各電波吸収材の厚みを、最適なパラメータとし
て算出する部位である。算出された最適パラメータは、
モニタ20に表示される他、電波吸収特性算出部18に
送られる。
【0020】電波吸収特性算出部18は、算出された最
適パラメータを用いて電波吸収特性を算出する部位であ
り、横軸を周波数とする電波吸収スペクトルを電波吸収
特性としてモニタ20に画面表示する部位である。パラ
メータ算出装置10は以上のように構成される。
【0021】次に、本発明の電波吸収体の作製方法を、
コンピュータを用いたパラメータ算出装置10で行われ
る処理に基づき、図2に示されるフローチャートに従っ
て説明する。
【0022】以降では、電波吸収体を誘電損失材を用い
て例に従って説明を行う。図3に示す電波吸収体40の
誘電損失材42、44がエポキシ樹脂に酸化チタン及び
炭素粒子を含み、この誘電損失材42、44の複素比誘
電率εr が、周波数F(GHz)、酸化チタンの含有量
(重量部(Parts Hundred Rubber))Gと炭素粒子の含有
量(重量部(Parts Hundred Rubber))G' を複素比誘電
率パラメータとする下記式(5)、(6)で表される電
波吸収体の例を用いつつ説明する。
【数5】
【数6】
【0023】このような誘電損失材42、44を有する
電波吸収体40に関し、まず、電波吸収体入力設定部1
2および制御パラメータ入力設定部14においてマウス
やキーボードを用いて入力設定が行われる(ステップ1
00)。上記例における入力設定では、実数部εr ’お
よび虚数部−εr ’’で表される複素比誘電率εr を周
波数F(GHz)と酸化チタンの含有量Gと炭素粒子の
含有量G' を用いて規定するように、εr ’および
εr ’’のそれぞれを規定する係数a〜hの値が下記表
1に従って入力される。
【表1】
【0024】表1に示す値は、複素比誘電率εr を周波
数F(GHz)と含有量G、G’を用いて予めカーブフ
ィッティングによって係数a〜hを定めたものである。
入力された係数a〜hは、コンピュータ内のメモリに記
憶される。
【0025】次に、最適な電波吸収材パラメータ群を算
出するための各電波吸収材パラメータの値の範囲が設定
される。上記例では、酸化チタンの含有量Gの範囲を、
例えば0〜30(重量部)と設定し、炭素粒子の含有量
G’の範囲を、例えば0〜2(重量部)と設定し、それ
ぞれの誘電損失材の厚みd1 、d2 の範囲を、例えば0
〜3mmと設定する。このような入力設定は、マウスや
キーボードによって画面表示された入力設定画面に従っ
て行われる。また、ターゲット条件が設定される。上記
例では、電波を垂直入射とし、周波数が60(GHz)
と65(GHz)の2つ設定される。さらに収束条件と
して、少なくとも電波吸収量が保持すべき値、最小電波
吸収量が、例えば40(dB)と設定される。入力され
た内容は、メモリに記憶される。こうして、2つの誘電
損失材42、44における各々の厚みd1 、d2 と、そ
れぞれの酸化チタンの含有量Gと、炭素粒子の含有量
G’の計4つの含有量と合わせた計6つの未知のパラメ
ータの値が、後述する最適な電波吸収材パラメータ群の
算出において、上記設定されたターゲット条件下、後述
する評価値が収束条件を満たすように、算出される。
【0026】次に、初期解集合の生成が行われる(ステ
ップ102)。すなわち、ステップ100で設定された
厚みd1 、d2 の範囲と、酸化チタンの含有量Gの範囲
と、炭素粒子の含有量G’の範囲を、設定されたビット
表示数、例えば16ビットに応じて216−1分割し、こ
の分割によって離散化された数値で、厚みd1 、d
2 と、誘電損失材料42、44の酸化チタンの含有量G
1 、G2 と、炭素粒子の含有量G1 ’、G2 ’の計6つ
の電波吸収材パラメータの値を表現する。このような厚
みd1 、d2 と、誘電損失材料42、44の酸化チタン
の含有量G1 、G2 と、炭素粒子の含有量G1 ’、
2 ’の計6つの電波吸収材パラメータの離散化された
値からなる電波吸収材パラメータ群(d1 ,d2
1 ,G2 ,G1 ’,G2 ’)が、K組、例えば300
組ランダムに作成され、初期解集合とされ、メモリに記
憶される。
【0027】次に、K組の電波吸収材パラメータ群(d
1 ,d2 ,G1 ,G2 ,G1 ’,G 2 ’)から誘電損失
材42、44に対応する複素比誘電率εr をターゲット
条件における周波数に対応してそれぞれK個、算出さ
れ、メモリに記憶される(ステップ104)。
【0028】次に、この算出されメモリに記憶された複
素比誘電率εr を呼び出し、この複素比誘電率εr を用
いて、ターゲット条件における電波吸収量が、K組の電
波吸収材パラメータ群(d1 ,d2 ,G1 ,G2
1 ’,G2 ’)に対して算出され、メモリに記憶され
る(ステップ106)。上記例では、ターゲット条件
が、垂直入射における60(GHz)と65(GHz)
であるので、この2つの周波数での垂直入射における電
波吸収量がコンピュータ内のCPUで演算されて算出さ
れる。電波吸収量の算出は、伝送線路理論から得られる
下記式(7)を用いて行われる。ここで、誘電損失材
は、誘電損失材42、44の2層形成されるので、式
(7)中のnは2となる。Z1 は、金属板46を0番目
とした際の金属板46と誘電損失材42とでできるイン
ピーダンスであり、Z2 は金属板46と誘電損失材4
2、44ととでできるインピーダンスである。従って、
電波が垂直入射する場合のインピーダンスZ2 は、式
(7)においてk=2として求めることができる。その
際、Z1 は式(7)においてk=1として求める。ここ
で、Z0 は、金属板46のインピーダンスであるので、
0 は0となる。また、式(7)中のεrkは、金属板4
6側から数えたk番目の誘電損失材の複素比誘電率であ
る。こうして、金属板46と誘電損失材42、44とと
でできるインピーダンスZ 2 を算出し、このインピーダ
ンスZ2 を式(2)中のZinに替えて用い、さらに式
(3)を介して、ターゲット条件、上記例では、垂直入
射における60(GHz)と65(GHz)での電波吸
収量Sを算出する。
【数7】
【0029】なお、ターゲット条件が、電波の入射が入
射角度θの斜入射である場合、インピーダンスZk は、
下記式(8)で表される。その際、入射する電波がTE
波である場合、式(9)、式(10)が用いられ、入射
する電波がTM波である場合、式(10)、式(11)
が用いられる。また、反射係数Γは、TE波の場合、式
(12)が、TM波の場合、式(13)が、それぞれ用
いられ、式(3)によって電波吸収量Sが求められる。
【0030】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【0031】次に、ターゲット条件に対応した複数(m
個)の電波吸収量Si (i=1〜m)を用いて、K組の
電波吸収材パラメータ群(d1 ,d2 ,G1 ,G2 ,G
1 ’, 2 ’)のそれぞれによって規定される電波吸
収体の電波吸収特性が、演算されて評価される。すなわ
ち、下記式(14)に示すフィットネス関数Fit(評価
関数)を用いて評価値Vが算出される(ステップ10
8)。上記例では、ターゲット条件における周波数が6
0(GHz)と65(GHz)の2つであるのでm=2
となる。こうして、K組の電波吸収材パラメータ群(d
1 ,d2 ,G1 ,G2 1 ’,G2 ’)に対応した
評価値Vを得る。
【数14】
【0032】フィットネス関数Fitは、ターゲット条件
に対応した複数の周波数における電波吸収量Si (i=
1〜m)の最小値Min(Si )と、電波吸収量Si
平均値とを、それぞれ重み付け係数、例えば0.99と
0.01を用いて重み付け加算して1つの評価値を算出
する。重み付け係数は、電波吸収量の最小値の重み付け
係数が電波吸収量の平均値の重み付け係数に比べて圧倒
的に大きく、実質的には、概略電波吸収量の最小値が評
価値となっている。なお、電波吸収量Si の平均値を僅
かながら重み付けして加算するのは、後述するように、
評価値Vが最小電波吸収量以上となるように、評価値V
に基づいて解集合の生成を何度も繰り返し行うが、電波
吸収量Si (i=1〜m)の最小値Min(Si )が同
じ2つの電波吸収材パラメータ群がある場合であって
も、平均値が高い電波吸収量Si を持つ電波吸収材パラ
メータ群の方が、少ない解集合の生成回数で最小電波吸
収量以上となる確率が高くなることから、評価値Vに僅
かな差を持たせているのである。つまり、評価値Vに僅
かな差を持たせることで、平均値が高い電波吸収量Si
を持つ電波吸収材パラメータ群を解集合の電波吸収材パ
ラメータ群とすることができ、最適な電波吸収材パラメ
ータ群の算出効率が高くなるからである。勿論、フィッ
トネス関数Fitは、ターゲット条件に対応した複数の電
波吸収量の最小値を評価し、評価値が同じ場合、平均値
が高い方を選択するものであってもよい。
【0033】なお、上記例のフィットネス関数Fitは、
ターゲット条件に対応した複数の周波数の電波吸収量の
最小値とこの複数の電波吸収量の平均値を重み付け加算
した評価値を算出するものであるが、本発明において
は、ターゲット条件によって、斜入射における複数の入
射角度、TE波やTM波の偏波の種類、さらに、電波の
周波数等に対応した複数の電波吸収量の中の最小値とこ
れらの電波吸収量の平均値を重み付け加算した評価値を
算出するものであってもよい。
【0034】次に、親の選定、すなわち、初期解集合で
あるK組の電波吸収材パラメータ群の中から、それぞれ
の電波吸収材パラメータ群に対応する評価値Vに基づい
て、電波吸収材パラメータ群の対がK/2組設定され、
メモリに記憶される(ステップ110)。すなわち、初
期解集合であるK組の電波吸収材パラメータ群からK/
2組の親Aと親Bが例えばトーナメント方式を用いて選
定される。より具体的には、K組の電波吸収材パラメー
タ群について第1番目から第K番目まで番号が付される
とともに、1〜Kまでの整数の乱数をコンピュータ内で
2回発生させ、この乱数発生によって出た2つの数に対
応した2つの電波吸収材パラメータ群が取り出され、こ
の2つの電波吸収材パラメータ群に対応した評価値Vの
大小が比較され、評価値Vの大きい方が親Aとして選出
される。同様に、1〜Kまでの乱数を2回発生させ、こ
の乱数の発生によって出た2つの数に対応した2つの電
波吸収材パラメータ群が取り出され、この2つの電波吸
収材パラメータ群に対応した評価値Vの大小が比較さ
れ、評価値Vの大きい方が親Bとして選出される。こう
して1組の親Aと親Bが選出される。
【0035】このような親Aと親Bの組はK/2組選出
される。親Aと親Bの電波吸収材パラメータ群は、1〜
Kまでの乱数を2回発生させ、この乱数発生によって出
た2つの数に対応した2つの電波吸収材パラメータ群が
K組の解集合から選出されるので、親Aと親Bが、同一
の電波吸収材パラメータによって構成される同一の電波
吸収材パラメータ群が選出される場合がある他、別の組
の親A、Bに、同一の電波吸収材パラメータから構成さ
れる同一の電波吸収材パラメータ群が選出される場合も
ある。
【0036】次に、親Aと親Bの交配(交叉)工程が各
組の親Aと親Bの間で行われる(ステップ112)。親
Aと親Bの交配は、コンピュータに0〜1までの乱数を
発生させ、この乱数によって出た値が、ステップ100
で入力設定された交配確率以下の場合、例えば0.7以
下の場合、以下の交配が行われる。所定の値より大きい
場合、交配はおこなわれず、親A、Bの2つの電波吸収
材パラメータ群が、そのまま保持される。親Aと親Bの
交配は、上記例で説明すると、図4に示す様に、親Aと
親Bの各電波吸収材パラメータd1 、d2 、G1
2 、G1 ’、G2 ’を、ステップ100で設定された
電波吸収材パラメータ情報の表示ビット数、例えば16
ビットの2進数で表し、この数値を(d1 ,d2
1 ,G2 ,G1 ’,G2 ’)の順番に一列に並べ、合
計16・6ビット(96ビット)の0または1の数値か
ら成る数値列を作り、電波吸収材パラメータ情報とす
る。さらに、1〜(16・6−1)までの整数の乱数を
発生させ、発生した値に対応した数値列のビット以降の
下位ビットの数値列A’およびB’が入れ替えられて交
配が行われる。
【0037】さらに、突然変異の工程(変更工程)が行
われる(ステップ114)。突然変異の工程は、まず、
0〜1までの乱数をコンピュータで発生させ、この乱数
によって出た値が、ステップ100で入力設定された突
然変異の発生確率以下、例えば0.08以下の場合、ス
テップ112の交配によって得られた0または1からな
る数値列のうち、乱数によって決定されたビットの数値
が反転される。すなわち、数値が0の場合1に変更さ
れ、数値が1の場合0に変更される。このような突然変
異の工程は、交配されて得られた数値列の数値毎に行わ
れる。このように突然変異の工程を設けるのは、解集合
の電波吸収材パラメータ群の電波吸収材パラメータを所
定の範囲でばらつかせることによって、収束条件を満た
す電波吸収材パラメータ群を適格に見つけ出すようにす
るためである。
【0038】次に、突然変異の工程を経て得られた数値
列から、数値列の順番に16ビット毎に分けて、送りピ
ッチの値を10進数で表し、10進数で表した電波吸収
材パラメータの値からなる電波吸収材パラメータ群が生
成され、メモリに記憶される(ステップ116)。上記
実施例では、図4に示すように、突然変異の工程を経て
得られた数値列が、上位16ビットずつ分けられて、そ
れぞれ10進法で表されて、電波吸収材パラメータ
1 、d2 、G1 、G2 、G1 ’、G2 ’が得られる。
このような電波吸収材パラメータ群は、各組の親A、B
を交配させることによって2つの送りピッチ群が生成さ
れ、親A、Bの交配がない場合でも、親A、Bの2つの
送りピッチ群が生成される電波吸収材パラメータ群とし
てそのまま保持されるので、K/2組の親A、BからK
組の電波吸収材パラメータ群が生成される。
【0039】次に、ステップ116で生成されたK組の
電波吸収材パラメータ群の各々で規定される誘電損失材
に対応した複素比誘電率εr がターゲット条件における
周波数に対応してCPUで演算され算出される(ステッ
プ118)。
【0040】次に、この算出された複素比誘電率εr
用いて、ターゲット条件における電波吸収量がK組の電
波吸収材パラメータ群各々についてCPUで演算され算
出される(ステップ120)。算出方法は、ステップ1
06と同様であり、ターゲット条件が垂直入射の場合、
式(7)、式(2)および式(3)を介して、斜入射の
場合、TE波は式(8)〜式(10)および式(12)
を用い、TM波は、式(8)、式(10)、式(11)
および式(13)を用い、ターゲット条件に対応した複
数の電波吸収量Si (i=1〜m)が算出される。
【0041】次に、K組の電波吸収材パラメータ群に対
してフィットネス関数Fitの演算が、CPUにおいて行
われ、K組の電波吸収材パラメータ群の各々に対応して
評価値Vが算出される(ステップ122)。このような
K組の電波吸収材パラメータ群は次世代の解集合として
置き換えられる(ステップ124)。
【0042】次に、この次世代の解集合の電波吸収材パ
ラメータ群の評価値Vの少なくとも1つが、収束条件を
満たすかどうか、すなわち、ステップ100で設定され
た最小電波吸収量以上となっているかCPUで判断され
(ステップ126)、評価値Vの少なくとも1つが最小
電波吸収量以上である場合、ターゲット条件に最適な電
波吸収材パラメータ群が得られたと判断されて、最小電
波吸収量以上となる評価値Vを持つ電波吸収材パラメー
タ群のパラメータ、すなわち、誘電吸収材の厚みdおよ
び複素比誘電率εr を規定する所定の成分の含有量の値
がメモリに記録され、また、電波吸収材パラメータ群の
数値がモニタ20に出力される(ステップ128)。な
お、ステップ126では、評価値Vの少なくとも1つ
が、最小電波吸収量以上となっているかを判断するが、
評価値Vの少なくとも1つが、最小電波吸収量より大き
いかどうかを判断してもよい。
【0043】評価値Vのいずれも最小電波吸収量より小
さい場合、ステップ110に戻され、再度ステップ11
0からステップ126が繰り返される。この場合、ステ
ップ110からステップ126への繰り返し回数(世代
数)が、ステップ100で設定された上限世代数以下で
あるか判断され(ステップ130)、世代数が上限世代
数以下である場合に限りステップ110に戻る。一方、
世代数が世代上限を超える場合、ステップ128に進
む。この場合、評価値Vが最も大きな電波吸収材パラメ
ータ群が取り出され、収束条件を満たさず最適ではない
旨の識別情報とともに、解集合の中で最適な電波吸収材
パラメータ群に近い電波吸収材パラメータ群として、世
代数とともに、メモリに記録されてもよい。
【0044】このようなステップ102〜ステップ12
8の工程は1回の試行回数としてカウントされ、この試
行回数がステップ100で設定された上限試行回数を超
えないか判断され(ステップ132)、試行回数が上限
試行回数を超えない範囲内でステップ102〜ステップ
128が繰り返し行われる。試行回数が上限試行回数を
超える場合、終了する。
【0045】こうして、ターゲット条件を満たす最適な
電波吸収材パラメータ群が得られ、この電波吸収材パラ
メータ群の電波吸収材パラメータの値がモニタ20に表
示されるとともに、この電波吸収材パラメータ群および
電波吸収量がファイルに出力される。こうして、最適な
電波吸収体の仕様が決定される。
【0046】下記表2には、上記例におけるターゲット
条件を満たす最適な電波吸収材パラメータ群が4つ示さ
れている。ここで、複素比誘電率εr は、式(6)と表
1の係数a〜hによって定められ、酸化チタンの含有量
の範囲を0〜30(PHR)とし、炭素粒子の含有量の
範囲を0〜2(PHR)とし、誘電損失材42、44の
厚みの範囲を0〜3mmとし、上限世代数を100と
し、上限試行回数を20回とし、最小電波吸収量を40
(dB)として得られたものである。
【表2】
【0047】表2から判るように、垂直入射における6
0(GHz)および65(GHz)において、いずれも
40(dB)以上の電波吸収量を達成している。
【0048】また、下記表3には、誘電損失材を炭素粒
子含有発泡ウレタン2層とし、垂直入射とTE波および
TM波の斜入射における角度を2つ設定した計5つの条
件からなるターゲット条件を示している。
【表3】
【0049】ここで、複素比誘電率εr を下記式のよう
に定めた。 εr = (3.0+2.881・G1.236 ・F-0.610
− j(0.3+0.832・G1.777 ・F-0.782) この場合最小電波吸収量を15(dB)とし、炭素粒子
の含有量の範囲を0〜15(PHR)とし、厚みの範囲
を0〜10mmとし、上限世代数を100とし、上限試
行回数を20回とした。表4には、最適な電波吸収材パ
ラメータ群として4つの電波吸収材パラメータ群を挙げ
ている。表4から判るように、いずれも、ターゲット条
件における電波吸収量が最小電波吸収量以上であり、収
束条件を満足している。このように、垂直入射および斜
入射、さらには、斜入射の入射角度や偏波の種類(TE
波、TM波)を設定した複数の条件からなるターゲット
条件に対しても、最適な電波吸収材パラメータ群を求め
ることができ、この最適な電波吸収材パラメータ群に基
づいて電波吸収体を作製することができる。
【表4】
【0050】また、60(GHz)の電波吸収を目的と
して、誘電損失材を2層とした塗布型ミリ波吸収体にお
ける最適な電波吸収材パラメータ群を求めた。ターゲッ
ト条件として、垂直入射1つを条件とする垂直入射ター
ゲット条件と、垂直入射の他に15度、30度および4
5度を入射角度、さらにはTE波およびTM波の斜入射
の条件を合わせた広角度入射条件とについて、それぞれ
の条件で得られる最適な電波吸収材パラメータ群の電波
吸収量を比較した。なお、広角度入射条件は、式(4)
のような多次元ニュートン法で従来求めることのできな
かった条件である。結果を表5に示す。
【表5】
【0051】明らかに、垂直入射条件では、垂直入射に
おいて電波吸収量が50dBを超えるが入射角度が大き
くなるにつれ、電波吸収量が小さくなることが判る。図
5からも判るように、広角度入射条件では、入射角度が
0度の電波吸収量は、垂直入射条件の電波吸収量に比べ
て30dB以上小さいが、入射角度が大きくなっても、
電波吸収量は一定に保たれ、垂直入射条件の電波吸収量
に比べて大きな電波吸収量を持つことが判る。このよう
に、ターゲット条件を広角度入射条件とすることによっ
て、電波吸収量が電波の入射方向に左右されない広角度
設計を実現することができ、この最適な電波吸収材パラ
メータ群に基づいて広角度で電波吸収性能を保持する電
波吸収体を作製することができる。
【0052】なお、上記説明では、2層の電波吸収材を
用いた例であるが、本発明では、電波吸収材の層の数は
2層に限定されず、3層や4層等いくらであってもよ
い。また、上記例は、いずれも電波吸収材として、複素
比透磁率は変化せず、複素比誘電率が変化する誘電損失
材の例であるが、電波吸収材として複素比誘電率のみな
らず複素比透磁率が変化する電波吸収材であってもよ
い。また、複素比誘電率が変化せず、複素比透磁率が変
化する電波吸収材であってもよい。誘電損失材として、
炭素粒子や繊維や金属・金属酸化物等の粒子や繊維を含
有するものが挙げられ、磁性損失材として、フェライト
粒子や金属・金属酸化物等の磁性体を含有するものが挙
げられる。
【0053】複素比誘電率εr と複素比透磁率μr の両
方が変化する誘電損失材および磁性損失材の両方の機能
を有する電波吸収体の材料として、例えば、フェライト
粒子、酸化チタン及び炭素粒子を含有した電波吸収材が
挙げられる。図6には、周波数F(GHz)、酸化チタ
ンの含有量G、炭素粒子の含有量G' およびフェライト
粒子の含有量G’’を複素比誘電率パラメータとし、周
波数F(GHz)およびフェライト粒子の含有量G’’
を複素比透磁率パラメータとする誘電損失材および磁性
損失材の両方の機能を備える誘電・磁性損失材62およ
び64の2層が金属板66上に設けられた電波吸収材6
0が示されている。ここで、複素比誘電率εr は式
(5)で表されるとともに、複素比透磁率μr は下記式
(15)で表される。
【数15】
【0054】さらに、複素比透磁率μr の実数部μr
と虚数部μr ’’は、下記式(16)のように、フェラ
イト粒子の含有量G’’と周波数Fで表される。
【数16】 さらに、複素比誘電率εr の実数部εr ’と虚数部
εr ’’は、下記式(17)で表される。
【数17】 ここで、a1〜e1やa2〜k2は、オペレータの入力
に従って設定される複素比誘電率や複素比透磁率を表現
する係数である。
【0055】電波の垂直入射時の電波吸収量の算出は、
伝送線路理論から得られる下記式(18)を用いて行わ
れる。ここで、電波吸収材は、誘電・磁性損失材62、
64の2層で形成されるので、式(18)中のnは2と
なる。Z1 は、金属板66を0番目とした際の金属板6
6と誘電・磁性損失材62とでできるインピーダンスで
あり、Z2 は金属板66と誘電・磁性損失材62、64
ととでできるインピーダンスである。従って、電波が垂
直入射する場合のインピーダンスZ2 は、式(18)に
おいてk=2として求めることができる。その際、Z1
は式(18)においてk=1として求める。ここで、Z
0 は、金属板66のインピーダンスであるので、Z0
0となる。式(18)中のεrkおよびμrkは、金属板6
6側から数えたk番目の誘電・磁性損失材の複素比誘電
率および複素比透磁率である。こうして、金属板66と
誘電・磁性損失材62、64とでできるインピーダンス
2 を算出し、このインピーダンスZ2 を式(2)中の
inに替えて用い、さらに式(3)を介して、ターゲッ
ト条件、例えば、垂直入射における5.8(GHz)と
9.4(GHz)での電波吸収量Sを算出する。
【0056】
【数18】
【0057】一方、電波の斜入射時の電波吸収量の算出
の場合、インピーダンスZk は、式(8)で表され、T
E波の場合式(19)、式(20)が用いられ、TM波
の場合式(20)、式(21)が用いられる。そして、
反射係数Γは、TE波の場合式(12)が、TM波の場
合式(13)が、それぞれ用いられ、式(3)によって
電波吸収量Sが求められる。
【数19】
【数20】
【数21】
【0058】このような電波吸収体60がターゲット条
件において最適な電波吸収体の特性を示すように、誘電
・磁性損失材62、64の酸化チタンの含有量G1 、G
2 、炭素粒子の含有量G1'、G2 ’およびフェライト粒
子の含有量G1 ’’、G2 ’’さらには、誘電・磁性損
失材62、64の厚みd1 、d2 を含んだ最適な電波吸
収材パラメータ群が、上述した図2に示す方法によっ
て、求められる。
【0059】また、本発明は、図2に示す電波吸収体の
作製のための電波吸収体の最適設計を行うプログラムを
提供する。
【0060】すなわち、電波吸収材パラメータ群を解集
合として初期設定してメモリに記録させる初期解集合設
定手順と、電波吸収材パラメータ群で規定されるターゲ
ット条件における電波吸収体の電波吸収特性の評価値V
をフィットネス関数Fitを用いてCPUによって算出さ
せる評価値算出手順と、電波吸収材パラメータ群の解集
合から、電波吸収特性の評価値Vに基づいて、電波吸収
材パラメータ群の対を複数組設定し、メモリに記録させ
る対設定手順と、この対設定手順で設定された電波吸収
材パラメータ群の対の各々が有する電波吸収材パラメー
タ情報の一部を、コンピュータ内に内蔵する乱数発生装
置に発生させて得られる乱数を用いて、お互いに交叉さ
せる交叉手順と、この交叉手順で交叉して得られた電波
吸収材パラメータ情報を、乱数発生機構で発生する乱数
を用いて、変更する変更手順と、交叉手順前の電波吸収
材パラメータ群の解集合を、変更手順を経て得られた電
波吸収材パラメータ群に置き換えて、新たな解集合とし
てメモリに記録させる置き換え手順とを有し、この置き
換え手順で得られる解集合の電波吸収材パラメータ群に
対してフィットネス関数Fitを用いて電波吸収特性の評
価値VをCPUに演算させて算出し、算出された評価値
の少なくとも1つが、収束条件、例えば、最小電波吸収
量以上になるまで、対設定手順、交叉手順、変更手順お
よび置き換え手順を繰り返すプログラムである。
【0061】このようなプログラムは、上述した各工程
を実行する各手順が記載されたものであり、CD−RO
M等の公知の記録媒体に記録されていてもよいし、イン
ターネット等を介して搬送波によって伝送されるもので
あってもよい。なお、このようなプログラムの各手順
は、上述したステップ102からステップ132までの
各ステップと同一の手順で行われるのでその説明は省略
する。
【0062】以上、本発明の電波吸収体の作製方法およ
びプログラムについて詳細に説明したが、本発明は上記
実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲
において、各種の改良および変更を行ってもよいのはも
ちろんである。
【0063】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、遺伝的アルゴリズムを用いてターゲット条件下、収
束条件を満足する最適な電波吸収材パラメータ群を求め
るので、周波数の設定数や電波の入射角度やTE波やT
M波の偏波の種類等のターゲット条件が制限を受けずに
幅広く設定でき、このターゲット条件に基づいて電波吸
収体を最適に設計し作製することができる。特に、電波
の入射角度の広い範囲で電波吸収特性を保持する電波吸
収体を容易に設計することができる。また、電波吸収材
を2層以上に積層した電波吸収体の設計も容易に行え
る。さらに、複素比誘電率や複素比透磁率を規定する電
波吸収材中の所定の含有成分の含有量を用いて最適な電
波吸収材パラメータを求めることができるので、電波吸
収体の作製を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電波吸収体の作製方法を実施する電
波吸収体最適パラメータ算出装置の構成を示す図であ
る。
【図2】 本発明の電波吸収体の作製方法のフローの一
例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の電波吸収体の作製方法を実施する電
波吸収体の一例の断面を示す断面図である。
【図4】 本発明の電波吸収体の作製方法の一例を説明
する説明図である。
【図5】 本発明の電波吸収体の作製方法によって得ら
れる電波吸収特性の例を示す図である。
【図6】 本発明の電波吸収体の作製方法を実施する電
波吸収体の他の例の断面を示す断面図である。
【図7】 (a)および(b)は、従来の電波吸収体の
一例を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 電波吸収体最適パラメータ算出装置 12 電波吸収体入力設定部 14 制御パラメータ入力設定部 16 最適パラメータ算出部 18 電波吸収特性算出部 20 モニタ 40,60 電波吸収体 42,44,102 誘電損失材 62,64 誘電・磁性損失材 46,66,100 金属板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電波吸収体の電波吸収材の複素比誘電率パ
    ラメータおよび電波吸収体の電波吸収材の複素比透磁率
    パラメータの少なくとも1方のパラメータと、この電波
    吸収材の厚みと、を含む複数の電波吸収材パラメータか
    らなる電波吸収材パラメータ群の前記電波吸収材パラメ
    ータ各々の値を設定することによって、所望の電波吸収
    特性を持つ電波吸収体を作製する電波吸収体の作製方法
    であって、 前記電波吸収材パラメータ群を複数組生成し、これらの
    電波吸収材パラメータ群を解集合として初期設定する初
    期解集合設定工程と、 前記解集合の電波吸収材パラメータ群の各々について、
    評価関数を用いて所定の条件における電波吸収体の電波
    吸収特性の評価値を算出する評価値算出工程と、 前記解集合の電波吸収材パラメータ群から、前記評価関
    数を用いて算出される電波吸収材パラメータ群各々の評
    価値に基づいて、電波吸収材パラメータ群の対を複数組
    設定する対設定工程と、 この対設定工程で設定された電波吸収材パラメータ群の
    対の各々が有する電波吸収材パラメータ情報の一部を所
    定の確率でお互いに交叉させる交叉工程と、 この交叉工程で交叉して得られた電波吸収材パラメータ
    情報の一部を所定の確率で変更する変更工程と、 前記交叉工程前の電波吸収材パラメータ群を、前記変更
    工程を経て得られた電波吸収材パラメータ群に置き換え
    て前記解集合とする置き換え工程とを有し、 前記解集合の電波吸収材パラメータ群について前記評価
    関数を用いて算出される評価値の少なくとも1つが、収
    束条件を満足するまで、前記対設定工程、前記交叉工
    程、前記変更工程および前記置き換え工程を繰り返すこ
    とによって、最適な電波吸収材パラメータ群を求めるこ
    とを特徴とする電波吸収体の作製方法。
  2. 【請求項2】前記評価値算出工程は、前記電波吸収材パ
    ラメータ群から、前記所定の条件に対応して電波吸収量
    を複数求め、 前記評価関数は、この複数の電波吸収量の中の最小値と
    これらの複数の電波吸収量の平均値とを重み付けして加
    算した評価値を算出することを特徴とする請求項1に記
    載の電波吸収体の作製方法。
  3. 【請求項3】前記所定の条件は、電波の入射角度が異な
    る複数の斜入射の条件を含み、 前記評価値算出工程は、前記電波吸収材パラメータ群か
    ら、複数の電波の入射角度における電波吸収量を求め、 前記評価関数は、この求められた複数の電波吸収量の中
    の最小値を用いて、評価値を求めることを特徴とする請
    求項1または2に記載の電波吸収体の作製方法。
  4. 【請求項4】前記所定の条件は、複数の異なる周波数の
    条件を含み、 前記評価値算出工程は、前記電波吸収材パラメータ群か
    ら、前記複数の異なる周波数における電波吸収量を求
    め、 前記評価関数は、この求められた複数の電波吸収量の中
    の最小値を用いて、評価値を求めることを特徴とする請
    求項1または2に記載の電波吸収体の作製方法。
  5. 【請求項5】前記電波吸収材の複素比誘電率パラメータ
    および前記電波吸収材の複素比透磁率パラメータの少な
    くとも1方のパラメータは、この電波吸収材に含有され
    る所定の成分の含有量と電波の周波数を含み、前記電波
    吸収材の複素比誘電率および前記電波吸収材の複素比透
    磁率の少なくとも1つは前記含有量と前記周波数とを用
    いたモデル式で表されることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の電波吸収体の作製方法。
  6. 【請求項6】電波吸収体の電波吸収材の複素比誘電率パ
    ラメータおよび電波吸収体の電波吸収材の複素比透磁率
    パラメータの少なくとも1方のパラメータと、この電波
    吸収材の厚みと、を含む複数の電波吸収材パラメータか
    らなる電波吸収材パラメータ群の前記電波吸収材パラメ
    ータ各々の値を設定して、所望の電波吸収特性を持つ電
    波吸収体を設計するための、コンピュータに実行させる
    プログラムであって、 前記電波吸収材パラメータ群を複数組生成し、これらの
    電波吸収材パラメータ群を解集合として初期設定してコ
    ンピュータの記憶手段に記録させる初期解集合設定手順
    と、 前記解集合の電波吸収材パラメータ群の各々について、
    評価関数を用いて所定の条件における電波吸収体の電波
    吸収特性の評価値をコンピュータの演算手段に算出させ
    る評価値算出手順と、 前記解集合の電波吸収材パラメータ群から、前記評価関
    数を用いて算出される電波吸収材パラメータ群各々の評
    価値に基づいて、電波吸収材パラメータ群の対を複数組
    設定し、前記記憶手段に記録させる対設定手順と、 この対設定手順で設定された電波吸収材パラメータ群の
    対の各々が有する電波吸収材パラメータ情報の一部を、
    コンピュータの乱数発生手段に発生させて得られる乱数
    を用いて、お互いに交叉させる交叉手順と、 この交叉手順で交叉して得られた電波吸収材パラメータ
    情報の一部を、前記乱数発生手段に発生させて得られる
    乱数を用いて、変更する変更手順と、 前記交叉手順前の電波吸収材パラメータ群の解集合を、
    前記変更手順を経て得られた電波吸収材パラメータ群に
    置き換えて、前記解集合として前記記憶手段に記録させ
    る置き換え手順とを有し、 前記解集合の電波吸収材パラメータ群について前記評価
    関数を用いて算出される評価値の少なくとも1つが、収
    束条件を満足するまで、前記対設定手順、前記交叉手
    順、前記変更手順および前記置き換え手順を繰り返すこ
    とを特徴とするプログラム。
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