JP2002270521A - 多結晶Si薄膜の形成方法、多結晶Si薄膜及び光起電力素子 - Google Patents

多結晶Si薄膜の形成方法、多結晶Si薄膜及び光起電力素子

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JP2002270521A
JP2002270521A JP2001067884A JP2001067884A JP2002270521A JP 2002270521 A JP2002270521 A JP 2002270521A JP 2001067884 A JP2001067884 A JP 2001067884A JP 2001067884 A JP2001067884 A JP 2001067884A JP 2002270521 A JP2002270521 A JP 2002270521A
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thin film
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substrate
film
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JP2001067884A
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Shunichi Ishihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、大粒径の多結晶シリコン薄
膜を提供することである。 【解決手段】多結晶薄膜Si堆積法において、少なくと
も下地となる多結晶Si薄膜を基板上に堆積する工程
と該多結晶Si薄膜表面に金属酸化膜を形成する工程
と該金属酸化膜を部分的に還元する工程と還元され
た金属を多結晶Si粒界に移動せしめ、多結晶Siを露
出させる工程と多結晶Siが露出した部分を核として
結晶Siを成長させる工程とを含むことを特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性が良好な多結晶
Si薄膜の形成方法、多結晶Si薄膜及び光起電力素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多結晶Si薄膜の堆積法として
は、次に示す(a)と(b)の2つの方法が知られてい
る。
【0003】(a)SiH4等のガスを高温に加熱した
基板上に吹き出し、ガスを分解することによって、堆積
種を生成し、基板上に多結晶Si薄膜を形成する熱CV
D法。 (b)CVD法又はグロー放電プラズマ分解法により、
基板上に作製した非晶質Si膜又は粒径の小さな多結晶
Si膜を、レーザー光照射、赤外光照射、又は、電気炉
等で加熱溶融した後、冷却処理することにより、基板上
に多結晶Si薄膜を形成するCVD法とアニール処理を
組み合わせた方法。
【0004】しかしながら、上記(a)と(b)の方法
は、多結晶Si薄膜を作製する際、1000℃程度ある
いはそれ以上の熱処理が必要である。そのため、多結晶
Si薄膜を作製する基板としては、通常のガラス又は金
属等が使えないという問題があった。したがって、50
0℃ 以下の低温プロセスで多結晶Si薄膜を堆積する
方法が望まれていた。
【0005】上記低温プロセスを実現する方法として
は、例えば、熱の代わりに放電又は光を用いて、ガスの
分解を行う方法(c)が考案されている。
【0006】その代表的なガスの分解方法としては、プ
ラズマCVD法及び光CVD法が挙げられる。プラズマ
CVD法は、膜の堆積速度が速い点で光CVD法より秀
れている。通常、これらの方法では、SiH4ガス,S
iF4ガス,Si26ガス等の原料ガスをH2ガスで大希
釈し、放電電力を大きくした場合、300〜450℃の
低温にある基板上においても多結晶Si薄膜が作製でき
る。
【0007】しかしながら、上記(c)の方法で作製し
た多結晶Si薄膜には、多量の非晶質Si部分も含まれ
ている。そのため、光電変換素子として使用した場合で
は光電変換特性が悪く、結晶粒径も5nm以下となる問
題があった。その理由は、グロー放電プラズマという非
平衡反応で形成された堆積種が基板上に降りそそぎ、膜
中に取り込まれるため、形成された薄膜の構造緩和が十
分に行われないためと考えられている。したがって、低
温プロセスを維持した状態で、かつ上記の構造緩和も十
分に行うことが可能な多結晶Si薄膜の堆積法が望まれ
ていた。
【0008】上記の低温プロセスと構造緩和とを同時に
実現する方法としては、例えば、特開平07−5105
7号公報が挙げられる。
【0009】この技術は、成膜空間に隣接されたそれぞ
れ別の空間で生成したSiFn(n=1〜3)ラジカ
ル、ドーパントラジカル、及びHラジカルを前記成膜空
間に導入し、SiFnラジカルとHラジカルとを気相中
で衝突、反応させることにより、膜生成用ラジカルSi
lm(l+m≦3)を生成させ、前記成膜空間にある
基板の表面上に多結晶Si薄膜を形成する堆積法におい
て、前記Hラジカルが常に流された状態の前記成膜空間
に、前記SiFnラジカルと前記ドーパントラジカルを
時間的に分割して導入し、前記SiFnラジカルと前
記Hラジカルが流れている時間(t1)、前記ドーパ
ントラジカルと前記Hラジカルが流れている時間(t
2)、及び前記Hラジカルのみが流れている時間(t
3)からなる3種類の時間を繰り返しながら成膜するこ
とを特徴とする方法(d)である。
【0010】この方法(d)によれば、低温プロセスを
維持した状態で、薄膜の構造緩和も十分に行うことがで
き、かつ原料ガスにドーピングガスを混入させ、n型又
はp型の多結晶Si薄膜を作製する場合にも、結晶性の
良好な多結晶Si薄膜が得られる堆積法が実現できると
説明されている。
【0011】しかしながら、上記(d)の方法で作製し
た多結晶Si薄膜では、SiXnラジカルとHラジカル
との気相反応により、堆積に寄与するラジカルであるS
iX lmラジカルを生成する。そのため望ましいラジカ
ルの割合は、反応の進行状況に依存する。それ故、各ラ
ジカルの割合、又は成膜空間の状態が異なると、望まし
いラジカルの生成割合も異なる。そのため、成膜条件が
一度決まれば、極めて良質の多結晶膜が得られる反面、
その条件を決定するためには、かなりの条件出しの実験
が必要となっていた。
【0012】成膜空間の状態依存性が少なく、再現性の
優れた、結晶性の良好な多結晶Si薄膜の堆積を行なう
ために、Si原子1個あたりに、少なくともF原子又は
Cl原子が2個及びH原子が1個以上結合したガスを、
プラズマ励起電力律速領域にある電力を用いてプラズマ
グロー放電させることにより成膜を行うことを特徴とす
る多結晶Si薄膜の堆積法が、特開平08−25575
9号公報に開示さている。
【0013】特開平11−26385号公報には、シリ
コン、アルミニウム、ホウ素のうちの少なくとも1種類
の元素を含む酸化物、あるいはシリコン原子を含むガラ
スを基板として用い、該基板の温度を200℃乃至10
00℃に保った状態で水素にさらし、水素の強い還元作
用によって基板表面の所々で酸素原子が還元され、酸素
原子が還元されたところでは表面にシリコン、アルミニ
ウム、ホウ素のうちの少なくとも1種類の元素の原子が
露出させた後、原料ガスの、該原料ガスを所定濃度に希
釈するためのガスに対する比率と、上記ガスをプラズマ
化するために印加する高周波電力の条件としては、高周
波電力が0.06ワット/平方センチメートル未満にあ
っては1/29を越えて1/5以下であり、上記高周波
電力が0.06ワット/平方センチメートル以上0.3
ワット/平方センチメートル未満にあっては、1/14
を越えて1/5以下の条件で、プラズマ放電を起こすこ
とにより、多結晶膜を得る方法が記載されている。
【0014】しかしながらこの方法で得た膜の結晶粒径
は、200nm程度であり、太陽電池等に用いることは
できないとしている。そこで、この後、さらにこの薄膜
において目的とする結晶性を得るためにこの多結晶シリ
コン薄膜の結晶粒径を成長させるためには、上記多結晶
シリコン薄膜の堆積された基板に対して、熱処理、レー
ザーアニール処理等の一般的なアニールを施すことが必
須条件とされている。
【0015】特開平7−326575号公報には、酸化
スズ膜の上に金属粒を設け、この金属粒を熱処理して樹
状成長させて網状金属膜を形成し、この網状金属膜の上
に非晶質半導体薄膜を形成し、この非晶質半導体薄膜を
熱処理することにより結晶化し、多結晶半導体薄膜を作
製する方法が記載されている。しかしながらこの方法で
は、非晶質半導体膜を結晶化するために、長時間の熱処
理を必要としており、生産性の観点から問題がある。
【0016】特許第3067821号には、基体上に非
核形成面及び核形成面を設ける工程と、選択的結晶成長
法により該基体上の核形成面のみに単結晶体を発生さ
せ、該結晶体を成長させて多結晶連続膜を形成する工程
とにより、大粒径の多結晶を得る方法が記載されてい
る。しかしながら該特許では、非核形成面及び核形成面
を設ける工程においては、フォトリソグラフィーの工程
のみしか記載されていないため、生産性を考えると問題
がある。
【0017】しかしながら、これらの方法で作製した膜
の結晶粒径は、バルクの多結晶Siに比べ、小さい。多
結晶Si太陽電池を作製し、その特性を評価すると、バ
ルクの多結晶シリコン太陽電池に比べ、短絡電流が小さ
く、そのため変換効率が小さい。試料の厚さを厚くする
と結晶粒径が小さいため、曲線因子が低下する。そのた
め、変換効率がある厚さ以上になると低下する。試料の
厚みをバルクの多結晶シリコン太陽電池のように厚くす
ることができないことが短絡電流を大きくできない原因
となっている。太陽電池に用いる場合の多結晶シリコン
の結晶粒径は、バルクの多結晶シリコン太陽電池に遜色
のない短絡電流及び曲線因子を得るためには好ましくは
5μm以上を必要とする。多結晶シリコン中に結晶粒径
の小さいものが混ざると特に曲線因子を悪くする。また
太陽電池は発生した電荷を基板に垂直方向に流すデバイ
スであるため、垂直方向には粒界が存在しないことが好
ましい。そのため基板に垂直な結晶方位が揃っているこ
とが好ましい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、バル
クの多結晶シリコン太陽電池に遜色のない短絡電流及び
曲線因子を有する薄膜多結晶シリコン太陽電池用の多結
晶Si膜を、ガラス、金属、セラミック等の安価な基板
上に作製する方法を提供することである。
【0019】本発明の目的は、バルクの多結晶Siに比
べ遜色のない結晶粒径を持った多結晶Si薄膜を、提供
することである。
【0020】本発明の目的は、バルクの多結晶Siを用
いた場合に比べ遜色のない特性(短絡電流が大きく、変
換効率が高い)を有する光起電力素子を提供することで
ある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本出願に係る発明は、少なくとも以下の〜の工
程からなることを特徴とする。下地となる多結晶Si
薄膜を基板上に堆積する工程。成膜後、多結晶Si薄
膜表面に金属酸化膜を形成する工程。該金属酸化膜を
部分的に還元する工程。還元された金属を多結晶Si
粒界に移動せしめ、多結晶Siを露出させる工程。多
結晶Siが露出した部分を核として結晶Siを成長させ
る工程。
【0022】さらに必要に応じて、前記多結晶Siを
さらに成長させる工程を加えることもできる。
【0023】上記堆積法において、前記結晶Siを成長
させる条件は、金属酸化膜が残存する部分には非晶質S
iが堆積する条件であることを特徴とする。
【0024】上記堆積法において、工程の後にさらに
多結晶Siを成長させる工程を有することを特徴とす
る。
【0025】上記堆積法において、の工程を、針状電
極を用いた水素プラズマ放電により行うことを特徴とす
る。
【0026】上記堆積法において、針状電極と基板との
間隔を3〜10μmとすることを特徴とする。
【0027】上記堆積法において、基板温度を150℃
から500℃にしての工程を行うことを特徴とする。
【0028】上記堆積法において、金属酸化膜がZnO
であることを特徴とする。
【0029】上記堆積法において、金属酸化膜がIn2
3であることを特徴とする。
【0030】上記堆積法において、金属酸化膜がSnO
2であることを特徴とする。
【0031】本発明の多結晶Si薄膜は、上記堆積法よ
り形成された多結晶Si薄膜であることを特徴とする。
【0032】本発明の光起電力素子は、上記多結晶Si
薄膜を用いたことを特徴とする。
【0033】
【作用】本発明は〜(必要に応じて)の工程を経
ることによって、大粒型の多結晶Si薄膜が得られる。
【0034】すなわちの工程によって、基板上に多結
晶のSi膜を形成する。この工程では、結晶核の発生密
度が高いため200nmを超えるような大粒型の結晶は
500℃以下の成膜温度では一般的には得られない。
【0035】、及びの工程で、多結晶のSi膜の
一部のみが表面に露出することになる。極めて少ない数
の結晶粒が表面に露出する。大部分の結晶粒は金属酸化
膜で覆われている。
【0036】の工程で、表面に露出している結晶粒を
種として結晶が成長する。成長した結晶が互いにぶつか
るまで成長する。従って大粒径の結晶粒が得られる。ま
た金属酸化膜で覆われた部分には非晶質Siが堆積する
条件とすることによって前記結晶粒が水平方向に成長す
るのを妨げないため好ましい。
【0037】必要に応じての工程で、所望の厚さまで
結晶粒を垂直方向に成長させる。
【0038】
【実施態様例】以下図面をもとに本発明の実施態様を説
明する。図1は、本発明で用いるのに好適な装置の一例
である。
【0039】10はの工程を行なうためのチャンバー
である。20はの工程を行なうためのチャンバーであ
る。30は及びの工程を行なうためのチャンバーで
ある。40は及びの工程を行なうためのチャンバー
である。1は基板を挿入するためのロードロック室であ
る。2は基板を移動するための搬送チャンバーである。
ロードロック室1と搬送チャンバー2との間にはゲート
弁3を介して連結されている。ロードロック室1から搬
送チャンバー2に基板を移動するとき開けられ、水平方
向の搬送棒7によって、移動させられる。4はロードロ
ック室1を排気するための排気装置である。ロードロッ
ク室1とはバルブ6を介して排気管5によりつながって
いる。
【0040】搬送チャンバー2のチャンバー10の正面
に移動した基板は、水平方向の搬送棒7から垂直方向の
搬送棒11に移される。ゲート弁13が開き、チャンバ
ー連結管12を通ってチャンバー10の所定の場所に設
置される。空の垂直方向の搬送棒11は搬送チャンバー
に引き戻され、ゲート弁13が閉じられる。チャンバー
10は、排気装置14に排気管15により接続されてい
る。16はチャンバー10内の圧力を調整するための自
動バタフライ弁である。
【0041】の工程を終えた後、再びゲート弁13が
開かれ、垂直方向の搬送棒11がチャンバー10に挿入
され、基板が搬送棒11に移される。そこで搬送棒11
は搬送チャンバーに引き戻され、ゲート弁13が閉じら
れる。つぎに、搬送チャンバー2に移動した基板は、垂
直方向の搬送棒11がら水平方向の搬送棒7に移され
る。その後チャンバー20の正面に移動させられる。
【0042】搬送チャンバー2のチャンバー20の正面
に移動した基板は、水平方向の搬送棒7から垂直方向の
搬送棒21に移される。ゲート弁23が開き、チャンバ
ー連結管22を通ってチャンバー20の所定の場所に設
置される。空の垂直方向の搬送棒21は搬送チャンバー
に引き戻され、ゲート弁23が閉じられる。チャンバー
20は、排気装置24に排気管25により接続されてい
る。26はチャンバー20内の圧力を調整するための自
動バタフライ弁である。
【0043】の工程を終えた後、再びゲート弁23が
開かれ、垂直方向の搬送棒21がチャンバー20に挿入
され、基板が搬送棒21に移される。そこで搬送棒21
は搬送チャンバーに引き戻され、ゲート弁23が閉じら
れる。つぎに、搬送チャンバー2に移動した基板は、垂
直方向の搬送棒21がら水平方向の搬送棒7に移され
る。その後チャンバー30の正面に移動させられる。
【0044】搬送チャンバー3のチャンバー30の正面
に移動した基板は、水平方向の搬送棒7から垂直方向の
搬送棒31に移される。ゲート弁33が開き、チャンバ
ー連結管32を通ってチャンバー30の所定の場所に設
置される。空の垂直方向の搬送棒21は搬送チャンバー
に引き戻され、ゲート弁33が閉じられる。チャンバー
30は、排気装置34に排気管35により接続されてい
る。36はチャンバー30内の圧力を調整するための自
動バタフライ弁である。
【0045】の工程を終えた後、再びゲート弁33が
開かれ、垂直方向の搬送棒21がチャンバー30に挿入
され、基板が搬送棒31に移される。そこで搬送棒31
は搬送チャンバーに引き戻され、ゲート弁33が閉じら
れる。つぎに、搬送チャンバー2に移動した基板は、垂
直方向の搬送棒31がら水平方向の搬送棒7に移され
る。その後チャンバー40の正面に移動させられる。
【0046】搬送チャンバー2のチャンバー40の正面
に移動した基板は、水平方向の搬送棒7から垂直方向の
搬送棒41に移される。ゲート弁43が開き、チャンバ
ー連結管42を通ってチャンバー40の所定の場所に設
置される。空の垂直方向の搬送棒41は搬送チャンバー
に引き戻され、ゲート弁43が閉じられる。チャンバー
40は、排気装置44に排気管45により接続されてい
る。46はチャンバー40内の圧力を調整するための自
動バタフライ弁である。
【0047】の工程を終えた後、再びゲート弁43が
開かれ、垂直方向の搬送棒41がチャンバー40に挿入
され、基板が搬送棒41に移される。そこで搬送棒41
は搬送チャンバーに引き戻され、ゲート弁43が閉じら
れる。つぎに、搬送チャンバー2に移動した基板は、垂
直方向の搬送棒41がら水平方向の搬送棒7に移され
る。〜の工程を行なった基板は、水平方向の搬送棒
7によりロードロック室1に移動させられ、取り出され
る。
【0048】以下に各工程の詳細を述べる。
【0049】下地となる多結晶Si薄膜を基板上に堆
積する工程 本発明に用いる基板としては、結晶Siウエハーとは異
なるものが用いられる。通常金属、ガラス、セラミック
が用いられる。導電性を摂る必要のあるときには、ガラ
ス、セラミックスの上に金属膜を所望の厚さ形成したも
のが用いられる。
【0050】本発明の工程、及びで用いる原料ガ
スとしては、SiH4、SiF4、SiCl4、Sixy
z又はSixClyz(x,y,zは1以上の整数)と
表記されるものである。これらのガスは必要に応じてH
2ガスで希釈されたものが用いられる。特にSiH4ガス
を原料とするときは、10倍以上H2ガスで希釈すると
多結晶Si膜が得やすくなる。またSiF4、SiCl4
を原料ガスとして用いるときは、H2ガスで希釈する
か、あるいはSiH4,SiCl22等のガスのように
その構成元素にHを含むガスと混合するか、あるいはH
2ガスで希釈し、かつSiH4,SiCl22等のガスの
ようにその構成元素にHを含むガスと混合するかのいず
れかの方法でガスを成膜空間に流すと膜の成膜が起きや
すくなる。
【0051】基板は、通常150℃〜500℃の温度に
加熱される。
【0052】本発明におけるプラズマ励起電力源は、V
HF,UHF,マイクロ波等の周波数領域が適してい
る。印加電力は、マッチング条件、電極構造等により異
なるが、通常1W/cm2〜50W/cm2程度の電力が
印加される。
【0053】チャンバー内の圧力は、通常10から50
0Pa程度に設定される。
【0054】の工程での好ましい堆積膜厚は、通常5
nmから200nmである。膜厚の下限は、結晶化して
いるか否かで決定される。上限は生産性を考えて決定さ
れる。
【0055】また、適当な膜厚を成膜した後、成膜表面
に対してHラジカルによる処理を行うことを繰返すこと
により、より粒径の大きい良質の多結晶Si膜を作製す
ることができる。
【0056】また、主の原料ガスとして(この場合Si
4等の他のガスを20%以下含んでいてもよい。)、
ハロゲン化珪素ガスを用い、かつH2ガスをハロゲン化
珪素ガスに対し、1:10から20:1の割合で混合す
ることにより、あるいは一部ハロゲン化した水素化珪素
ガスを用いることにより、(110)に配向した粒径の
大きい良質の多結晶Si膜を作製することができる。
【0057】太陽電池等の垂直方向に電流を流すデバイ
スを目的として考えるならば、このように結晶粒が垂直
方向に成長した膜が好ましい。
【0058】本工程で作製される結晶粒は一般的には2
0から200nmが好ましい。結晶粒径が小さいほうが
結晶粒界の密度が高く、の工程で金属の移動がたやす
くなる。ただ結晶粒径が小さいとの工程で、表面に露
出した多結晶Siが、複数の結晶粒で構成されることに
なる。そのための工程を行なっても結晶粒は十分に大
きくならない。
【0059】本発明における多結晶Si薄膜を形成する
堆積装置としては、例えば、図2が挙げられる。
【0060】図1のチャンバー10及び40は図2の構
造をしている。以下では、図2を参照して、成膜装置の
詳細に関して説明する。
【0061】101は成膜用の真空チャンバーである。
102はプラズマグロー放電用のカソード電極である。
102は絶縁リング103によって、真空チャンバー1
01とは電気的に絶縁されている。カソード電極102
はマッチングボックス104を介して105MHzのV
HF電源105に接続されている。106はシールド筒
でカソード電極102と真空チャンバー101の内壁と
の放電を防止するために設置されている。カソード電極
102とシールド筒106との間隔は1mmにとってあ
る。圧力が500Pa以下であれば、使用しているガス
においてカソード電極102とシールド筒106との間
の放電はパッシェンの法則によって起こらない。
【0062】107はアノード電極で、カソード電極1
02との間にグロー放電を起こす。アノード電極107
の表面には基板108が設置される。109はヒーター
ブロックでヒーター110が埋め込まれており、熱電対
111が取り付けられている。ヒーター110、熱電対
111は温度コントローラー112に接続されており、
ヒーターブロック109を所望の温度に加熱され、その
結果アノード電極107の表面に取り付けられている基
板108が所望の温度に加熱される。
【0063】113、114、115はそれぞれ原料ガ
ス及び、水素ガスの導入管である。導入管113、11
4、115はそれぞれ流量コントローラー116、11
7、118及びバルブ119、120、121に接続さ
れており、それぞれガス管122、123、124によ
ってそれぞれのガスボンベ及びその圧力調整器に接続さ
れている。113、114、115は、途中で一本に連
結されて、バルブ125噴出し口126よりチャンバー
内に導入される。
【0064】127はチャンバー101内の圧力を測定
するための真空圧力計で、圧力コントローラー130に
信号を送っている。圧力コントローラー130は、その
信号と設定値との比較により、排気管128の途中に取
付られた自動バタフライ弁129の開閉度を制御し、チ
ャンバー101内の圧力が設定値になるようにコントロ
ールしている。
【0065】排気管128は真空排気装置(不図示)に
接続されている。
【0066】図2のチャンバー101、付図示の排気装
置、排気管128及び自動バタフライ弁129は、それ
ぞれ図1のチャンバー10、排気装置14、排気管1
5、及び自動バタフライ弁16に対応する。また図1の
チャンバー40、排気装置44、排気管45、及び自動
バタフライ弁46にも対応する。
【0067】図1の搬送チャンバーとのチャンバー連結
管12及び42はそれぞれ図2の基板108の付近で、
図面に垂直方向に取り付けられている。
【0068】多結晶Si薄膜表面に金属酸化膜を形成
する工程 の工程で、多結晶Si薄膜を堆積した基板を、図3に
示すような金属酸化膜形成チャンバーに挿入する。以下
図3について、説明する。図3のほとんどは、図2と同
じである。違いはカソード電極202の上にスパッター
用のターゲット231が設置できる構造になっている点
である。その他の王増は図1の構造と同じであり、同じ
部材は部番の下2桁を同じにして表示してある。
【0069】図1の搬送チャンバーとのチャンバー連結
管22は図3の基板208の付近で、図面に垂直方向に
取り付けられている。
【0070】金属酸化膜としては、比較的作りやすく、
その金属単体が、シリコン結晶粒界を移動しやすいもの
が適しているが、特に限定するものではない。代表的に
はZnO、In23、SnO2、NiO、WO3等が用い
られる。必ずしもストイキオメトリックである必要はな
い。スパッタリングのターゲットとしては、これらの酸
化物、あるいは金属をターゲットとする。
【0071】基板の温度は、一般的には室温で行なう
が、必要に応じて150℃から500℃に加熱する。チ
ャンバー内の圧力は通常101から103Paに保たれ
る。スパッター用のガスとしては、ArあるいはO2
しくはその混合ガスが一般的には持ちられる。とくに金
属ターゲットを用いたときは、O2もしくはその混合ガ
スに限られる。
【0072】ガスを流し、圧力が安定した状態で、ター
ゲット231を搭載しているカソード電極202とアノ
ード電極207との間に電力を印加する。電力源として
は、直流電源、RF電源が一般的には用いられるが、絶
縁膜を堆積するのであるから、放電の安定性を考えれば
RF電源の方が良い。
【0073】金属酸化膜の膜厚としては、一般的には連
続膜ができる最低の膜厚が好ましい。通常5nmから5
0nmが選ばれる。
【0074】3金属酸化膜を部分的に還元する工程 の工程で、多結晶Si薄膜の上に金属酸化膜を形成し
た基板を、図4に示すようなH2プラズマチャンバーに
挿入し、部分的に金属酸化膜を還元した。以下図4につ
いて、説明する。
【0075】301はH2プラズマ照射用の真空チャン
バーである。302はプラズマグロー放電用のカソード
電極である。302は絶縁リング303によって、真空
チャンバー301とは電気的に絶縁されている。カソー
ド電極302はマッチングボックス304を介して10
5MHzのVHF電源305に接続されている。306
はシールド筒でカソード電極302と真空チャンバー3
01の内壁との放電を防止するために設置されている。
カソード電極302とシールド筒306との間隔は1m
mにとってある。圧力が500Pa以下であれば、使用
しているガスにおいてカソード電極302とシールド筒
306との間の放電はパッシェンの法則によって起こら
ない。
【0076】放電を局所的に不均一化するためにカソー
ド電極302の上部に針状の電極331が取り付けられ
ている。針状の電極331の先端はφ1μm程度に尖ら
せてある。針状の電極331の先端径は細いほどよい
が、余り細いと加工性及び耐久性が悪くなる。太すぎる
と放電が不均一化しにくくなる。通常はφ0.1μm〜φ5
μmのものが適している。各針状電極の間隔は50μm
である。針状電極の間隔はの工程で成長させる結晶の
粒径を決定する。針状電極の間隔が長いほど結晶粒径は
大きくなるが、余り長いと隣り合う結晶粒が互いに接す
るまで長時間の堆積が必要になる。一般的に針状電極の
間隔は生産性及び所望の結晶粒径の大きさを考慮して決
められる。一般的に10μm〜100μmが好ましい。この範
囲とすることにより生産性に優れた大粒径の多結晶膜の
堆積が可能になる。
【0077】また放電の不均一性が基板表面でも針状電
極の間隔を反映して維持できるように、針状電極と基板
との距離は3−10mm程度に設定されている。
【0078】307はアノード電極で、カソード電極3
02との間にグロー放電を起こす。アノード電極307
の表面には基板308が設置される。309はヒーター
ブロックでヒーター310が埋め込まれており、熱電対
311が取り付けられている。ヒーター310、熱電対
311は温度コントローラー312に接続されており、
ヒーターブロック309を所望の温度に加熱され、その
結果アノード電極307の表面に取り付けられている基
板308が所望の温度に加熱される。
【0079】314は水素ガスの導入管である。導入管
314は流量コントローラー316及びバルブ320に
接続されてそれぞれおり、ガス管323によってガスボ
ンベ及び圧力調整器に接続されている。314は、バル
ブ325を介して噴出し口326よりチャンバー内に導
入される。
【0080】327はチャンバー301内の圧力を測定
するための真空圧力計で、圧力コントローラー330に
信号を送っている。圧力コントローラー330は、その
信号と設定値との比較により、排気管328の途中に取
付られた自動バタフライ弁329の開閉度を制御し、チ
ャンバー301内の圧力が設定値になるようにコントロ
ールしている。
【0081】排気管328は真空排気装置(不図示)に
接続されている。
【0082】図4のチャンバー301、付図示の排気装
置、排気管328及び自動バタフライ弁329は、それ
ぞれ図1のチャンバー30、排気装置34、排気管3
5、及び自動バタフライ弁36に対応する。図1の搬送
チャンバーとのチャンバー連結管32はそれぞれ図4の
基板308の付近で、図面に垂直方向に取り付けられて
いる。
【0083】基板の温度は、通常室温で行なうことも可
能であるが、H2プラズマ照射により、露出したSi結
晶の結晶性を向上させるために、またの工程を考える
と150℃から500℃に上げることが好ましい。より
好ましくは、300℃〜500℃である。
【0084】チャンバー内の圧力は、通常10から50
0Pa程度に設定される。この範囲とすることにより
結晶内の欠陥が少なくかつ高速度での堆積が可能となり
好ましい。
【0085】還元された金属を多結晶Si粒界に移動
せしめ、多結晶Siを露出させる工程 一般的にはの工程が終了後、基板を加熱し、しばらく
放置する。生産性を考えて、他のチャンバーで本工程を
行なっても良い。
【0086】基板の温度としては、放置時間を短くする
ためには高いほど良い。従って用いた基板の耐熱温度あ
るいは装置の耐熱性を考慮して決める。ただし金属がS
iと反応し、シリサイドを形成する場合は、シリサイド
の形成温度開始温度より低くしておかなければならな
い。
【0087】例えば、温度としては300℃〜750℃が好ま
しい。時間としては10分〜120分が好ましい。
【0088】この工程で、還元された金属が多結晶Si
の粒界を移動することになる。そのためその部分の表面
は多結晶Siが露出することになる。
【0089】部分的に還元された金属酸化膜上に多結
晶Si膜を堆積する工程 本工程では、及びの工程で表面を被っていた金属酸
化膜が部分的に除去された多結晶Si薄膜において、表
面に露出している多結晶Si部分を結晶核として結晶S
iを成長させる。基本的にはの工程と同じ工程を行な
うが、生産性を上げるために堆積速度を速くする条件が
一般的には用いられる。すなわちガス流量を大きく、ま
た印加する電力パワーを大きくする。
【0090】ただし、で形成した部分的に露出してい
る多結晶Siの上にその結晶構造を踏襲して成長させる
ためには、多結晶が露出していない金属酸化膜で覆われ
た部分の上には非晶質Siを形成させることが好まし
い。
【0091】この上に結晶質のSiが堆積すると、その
存在が露出している多結晶Siの横方向への拡大を妨害
することになる。多結晶の横方向への成長によって水平
面が多結晶によってすべておおわれるまでは、露出して
いる多結晶Siの上には、該多結晶Siが成長し、かつ
金属酸化膜上には非晶質Siが堆積する成膜条件が採用
される。(この条件は、の成膜条件より若干H2希釈
率の低い条件、あるいは若干温度の低い条件、あるいは
投入電力密度の若干低い条件である。この条件はあらか
じめそれぞれ単独で多結晶Si上及び金属酸化膜上への
堆積を行なって決める。
【0092】このときの結晶質及び非晶質の確認は、ラ
マン分光法、エリプソメトリー及びRHEEDで行なっ
た。)この工程の結果、作製試料は、金属酸化膜の穴か
ら成長した大粒径の結晶粒で覆われることになる。太陽
電池等の垂直方向に電流を流すデバイスを目的として考
えるならば、結晶粒は垂直方向に粒界を作らず、成長し
た膜が好ましい。従っての工程で作製した結晶粒の構
造を保って成長することが好ましい。
【0093】の工程 その後多結晶の垂直方向の成長条件を維持しながら、徐
々に高成膜速度の条件に変える。
【0094】の工程の終了時との工程の開始時には
明確な区切りはない。の成膜条件をの工程で続けて
も良いが、一般的には徐々に多結晶が高速で成膜する条
件に変える。従って装置的にはと同じ装置をそのまま
用いる。もちろん結晶構造を乱さないならば、成膜条件
を急激に変えてもよく、いったん成膜を中止し、別の装
置に移して成長を続けても良い。及びの工程におい
て、装置は、図2と同じ構造の装置が用いた。またの
工程で用いた装置を用いても良い。
【0095】結晶の評価 本発明における結晶粒径の評価としては、断面TEM像
の観察により行なった。各工程ごとの評価、特にの工
程で結晶化した膜が堆積したか否かの確認、の工程後
の金属酸化膜の形成の確認及びその膜厚、の工程での
結晶膜の成長の様子はチャンバー40に取り付けられた
分光エリプソメトリー装置(不図示)で評価した。
【0096】また結晶の方位の確認はX線回折装置で行
なった。
【0097】
【実施例】(実施例1) の工程 石英ガラス基板を図1のロードロック室1に入れ、十分
排気した後、ゲ−ト弁3を開け、水平の搬送棒7に取り
付け、搬送チャンバー2のチャンバー10の直前の位置
に移動した。ゲート弁3を閉じた。水平の搬送棒7から
垂直の搬送棒11に移し変えた後、ゲート弁13を開
け、チャンバー10に挿入した。チャンバー10のアノ
ード電極上に設置した後、搬送棒11を引いて搬送チャ
ンバー2に戻した後、ゲート弁13を閉じた。
【0098】以下の工程を図2にもとづいて説明す
る。基板108はアノード電極107に取り付けられて
いる。この状態でチャンバー内を2×10-3Pa以下ま
で排気した。同時に基板温度が350℃になるようにヒ
ーターコントローラー112をセットし加熱した。
【0099】30分経過後、バルブ125及び119,
120,121を開け、ガス導入管113よりSiH4
ガス5sccm、ガス導入管114よりSiF4ガス5
5sccm、ガス導入管115よりH2ガス150sc
cmをチャンバー内に導入した。次に圧力コントローラ
ー130により、チャンバー内の圧力を65Paになる
ように設定した。
【0100】この状態で、VHF電源を発振させ、カソ
ードとアノード間に放電を生起した。放電電力は3.5
W/cm2で行なった。この状態を2分間続け、放電を
切った。
【0101】ガスの導入を止めた後、再び図1のゲ−ト
弁13を開け、垂直方向の搬送棒11を挿入し、基板を
搬送棒11に移し、搬送棒11を引いた後、ゲート弁1
3を閉じた。次に垂直方向の搬送棒11から水平方向の
搬送棒7に移し変え、それをチャンバー40の直前の位
置に移動した。
【0102】次に、垂直方向の搬送棒41に基板を移し
変えた後、ゲート弁43を開け、チャンバー40に挿入
した。チャンバー40のアノード電極上に設置した後、
搬送棒41を引いて搬送チャンバー2に戻した後、ゲー
ト弁43を閉じた。チャンバー40には分光エリプソメ
トリーの装置が取り付けられており、アノード電極上に
セットされた試料の光学的性質が測定される。既測定の
データを用いたシュミレーション結果と比較することに
より、結晶化率、表面のラフネス、膜厚は推定できる。
測定の結果、この試料に、完全に結晶化しており、膜厚
は80nmであることがわかった。
【0103】再び図1のゲ−ト弁43を開け、垂直方向
の搬送棒41を挿入し、基板を搬送棒41に移し、搬送
棒41を引いた後、ゲート弁43を閉じた。次に垂直方
向の搬送棒41から水平方向の搬送棒7に移し変え、そ
れをチャンバー20の直前の位置に移動した。
【0104】の工程 水平の搬送棒7から垂直の搬送棒21に移し変えた後、
ゲート弁23を開け、チャンバー20に挿入した。チャ
ンバー20の加熱用の基板ホルダー207に設置した
後、搬送棒11を引いて搬送チャンバー2に戻した後、
ゲート弁13を閉じた。
【0105】以下の工程は図3にもとづいて説明す
る。基板208は加熱用の基板ホルダー207に取り付
けられている。この状態でチャンバー内を1×10-2
a以下まで排気した。基板温度は450℃に設定した。
【0106】ターゲット231にはZnOを用いた。
【0107】次にバルブ219、220及び225を開
け、ガス導入管213より、マスフローコントローラー
215の制御で、10sccmのArガスを、ガス導入
管214より、マスフローコントローラー216の制御
で、10sccmのO2ガスをチャンバー内に導入し
た。チャンバー内の圧力を130Paになるよう圧力コ
ントローラー230で調整した。この状態で、カソード
電極202とアノード電極207との間に13.56M
Hzの高周波電力を印加した。電力密度は1.7W/c
2であった。電圧印加時間は1分間おこなった。放電
停止かつ、ガスの導入を止めた後、再び図1のゲ−ト弁
23を開け、垂直方向の搬送棒21を挿入し、基板を搬
送棒21に移し、搬送棒21を引いた後、ゲート弁23
を閉じた。次に垂直方向の搬送棒21から水平方向の搬
送棒7に移し変え、それをチャンバー40の直前の位置
に移動した。
【0108】次に垂直方向の搬送棒41に基板を移し変
えた後、ゲート弁43を開け、チャンバー40に挿入し
た。チャンバー40のアノード電極上に設置した後、搬
送棒41を引いて搬送チャンバー2に戻した後、ゲート
弁43を閉じた。チャンバー40には分光エリプソメト
リーの装置が取り付けられており、アノード電極上にセ
ットされた試料の光学的性質が測定される。既測定のデ
ータを用いたシュミレーション結果と比較することによ
り、金属酸化膜の形成及びその膜厚が推定できる。測定
の結果、多結晶Si膜の上に、ZnO膜が厚さ4nm形
成されていることがわかった。
【0109】再び図1のゲ−ト弁43を開け、垂直方向
の搬送棒41を挿入し、基板を搬送棒41に移し、搬送
棒41を引いた後、ゲート弁43を閉じた。次に垂直方
向の搬送棒41から水平方向の搬送棒7に移し変え、そ
れをチャンバー30の直前の位置に移動した。
【0110】の工程 水平の搬送棒7から垂直の搬送棒31に移し変えた後、
ゲート弁33を開け、チャンバー30に挿入した。チャ
ンバー30の基板ホルダー307に設置した後、搬送棒
31を引いて搬送チャンバー2に戻した後、ゲート弁3
3を閉じた。
【0111】以下の工程は図3にもとづいて説明す
る。基板308はアノード電極307に取り付けられて
いる。この状態でチャンバー内を2×10-3Pa以下ま
で排気した。基板温度は450℃になるようにヒーター
コントローラー312をセットし加熱した。
【0112】30分経過後、バルブ325及び320を
開け、ガス導入管314よりH2ガス150sccmを
チャンバー内に導入した。次に圧力コントローラー23
0により、チャンバー内の圧力を25Paになるように
設定した。
【0113】この状態で、VHF電源を発振させ、カソ
ード302と、アノード電極307との間に電力を印加
した。放電はカソード電極302上の針状電極331と
アノ−ド電極307上の基板308との間に極めて強い
放電が起きた。投入電力密度は、5.4W/cm2であ
った。この状態を3分間続け、放電を切った。
【0114】の工程 そのまま30分間基板温度、チャンバー内圧力を保持し
たまま、水素を流した。その後ガスの導入を止め、再び
図1のゲート弁33を開け、垂直方向の搬送棒31を挿
入し、基板を搬送棒31に移し、搬送棒31を引いた
後、ゲート弁43を閉じた。次に垂直方向の搬送棒31
から水平方向の搬送棒7に移し変え、それをチャンバー
40の直前の位置に移動した。
【0115】の工程 水平の搬送棒7から垂直の搬送棒41に移し変えた後、
ゲート弁43を開け、チャンバー40に挿入した。チャ
ンバー40のアノード電極上に設置した後、搬送棒41
を引いて搬送チャンバー2に戻した後、ゲート弁43を
閉じた。チャンバー40の構造はチャンバー10の構造
と同じものであるため、の工程及びの工程は図2に
もとづいて説明する。
【0116】基板108はアノード電極107に取り付
けられている。この状態でチャンバー内を2×10-3
a以下まで排気した。同時に基板温度が350℃になる
ようにヒーターコントローラー112をセットし加熱し
た。
【0117】30分経過後、バルブ125及び119,
120,121を開け、ガス導入管113よりSiH4
ガス5sccm、ガス導入管114よりSiF4ガス5
5sccm、ガス導入管115よりH2ガス50scc
mをチャンバー内に導入した。次に圧力コントローラー
130により、チャンバー内の圧力を65Paになるよ
うに設定した。
【0118】この状態で、VHF電源を発振させ、カソ
ードとアノード間に放電を生起した。放電電力は3.5
W/cm2で行なった。この状態を10分間続けた。
【0119】の工程 次に放電は切らずにH2ガスの流量を徐々に110sc
cmに上げ、その後この状態を20分間続けた。その後
放電を切り、ガスの導入を中止した。この状態でエリプ
ソメトリーの測定をおこなったところ、の工程後より
鋭いピークを持った結晶質の信号が観察された。また結
晶質の相がほとんどであった。
【0120】基板温度を室温近くに冷やしたのち、再び
図1のゲ−ト弁43を開け、垂直方向の搬送棒41を挿
入し、基板を搬送棒41に移し、搬送棒41を引いた
後、ゲート弁43を閉じた。次に垂直方向の搬送棒41
から水平方向の搬送棒7に移し変え、ゲ−ト弁3を開
け、搬送棒7をロードロック室1に挿入し、基板をロー
ドロック室の基板装着場所に移した後、搬送棒7を引い
て、ゲート弁3を閉じた。バルブ6を閉じ、ロードロッ
ク室を大気ブレークし、得られた試料を取り出した。試
料1とする。
【0121】確認実験1 実施例1のの工程を成膜時間のみ32分にし、1の工
程のみを行なった試料を作った。参考試料1とする。
【0122】確認実験2 実施例1において、、及びの工程を省略し、の
工程及びの工程を行なった後、の工程を次の条件
で、すなわちSiH4ガス5sccm、SiF4ガス55
sccm、H2ガス50sccmの流量条件で、その他
の条件は実施例1と同じにし、10分間の成膜を行な
い、試料を作製した。参考試料2とする。
【0123】確認実験3 実施例1において、、、及びの工程を省略し、
の工程のみを行なった後、の工程を次の条件で、す
なわちSiH4ガス5sccm、SiF4ガス55scc
m、H2ガス50sccmの流量条件で、その他の条件
は実施例1と同じにし、10分間の成膜を行ない、試料
を作製した。参考試料3とする。
【0124】確認実験4 実施例1の、、、の工程を行なった後、の工
程は省略し、の工程を次の条件で、すなわちSiH4
ガス5sccm、SiF4ガス110sccm、H2ガス
50sccmの流量条件で、その他の条件は実施例1と
同じにし、30分間の成膜を行なった試料を作製した。
参考試料4とする。
【0125】確認実験5 実施例1において、の工程を、次の条件で行なった。
基板温度が350℃になるようにヒーターコントローラ
ー112をセットし加熱し、30分経過後、バルブ12
5及び119,120,121を開け、ガス導入管11
3よりSiH4ガス5sccm、ガス導入管114より
SiF4ガス55sccm、ガス導入管115よりH2
ス50sccmをチャンバー内に導入した。次に圧力コ
ントローラー430により、チャンバー内の圧力を65
Paになるように設定した。
【0126】この状態で、VHF電源を発振させ、カソ
ードとアノード間に放電を生起した。放電電力は3.5
W/cm2で行なった。この状態を2分間続けた。その
後、、、及びの工程を実施例1と同じ条件で実
施した。及びの工程終了時、エリプソメトリーで堆
積した膜の光学的性質を測定したところ、いずれも非晶
質であった。その後ガス導入管113よりSiH4ガス
5sccm、ガス導入管114よりSiF4ガス55s
ccm、ガス導入管115よりH2ガス110sccm
をチャンバー内に導入した。次に圧力コントローラー1
30により、チャンバー内の圧力を65Paになるよう
に設定した。
【0127】この状態で、VHF電源を発振させ、カソ
ードとアノード間に放電を生起した。放電電力は3.5
W/cm2で行なった。この状態を20分間続けた。成
膜終了後、ふたたびエリプソメトリーで堆積した膜の光
学的性質を測定したところ、今度は結晶質の膜が堆積し
たことが示された。得られた試料を参考試料5の名づけ
た。
【0128】構造の評価 得られた試料1及び参考試料1−5の構造をラマン分光
及びRHEEDで評価した。ラマン分光の測定結果は試
料1、参考試料2,3,4,5は結晶質であることを確
認した。
【0129】一方、参考試料1は結晶Siに対応するピ
ークはみられなかった。またRHEEDの結果でも回折
パターンはみられなかった。これより非晶質と結論づけ
られる。
【0130】X線回折の結果は、いずれの試料でも(1
10)配向のピークが観察された。
【0131】参考試料1は、ラマン分光及びRHEED
の結果とX線回折の結果とは一致していないが、これは
観察している領域の違いによるものである。ラマン分光
及びRHEEDの結果は表面近傍の情報を示しているの
に対し、X線回折の結果は試料全体の情報を示してい
る。
【0132】試料1及び参考試料1、1,2,3,4,
5の断面を切り出し、断面TEM像を観察した。
【0133】観察結果の概略図を図5−9に示す。図5
は試料1、図6は参考試料1、図7は参考試料2、図8
は参考試料3、図9は参考試料4、図10は参考試料5
をそれぞれ示す。
【0134】図5において、基板501の上にの工程
で堆積したSi層502、の工程で作製した金属酸化
膜505、の工程でできた金属酸化膜を除去した穴5
06、の工程で堆積したSi層507が示されてい
る。Si層502において、まずある厚さ(今回の成膜
条件では、20nm)の非晶質層503が存在し、その
後結晶核が発生し、それが垂直方向への成長と共に、互
いにぶつかるまで水平方向へも成長していた。ぶつかっ
た後は水平方向への成長はなく、柱状に垂直方向に成長
していた。成長した結晶粒は504である。成長した結
晶粒の水平方向の大きさは75−100nmであった。
【0135】その上に金属酸化膜505があり、ほぼ5
0μm間隔で、φ40nm程度の穴506が開いてい
た。この穴から結晶粒は、下地の結晶粒504の構造を
引き継いで、成長していた。垂直方向への成長と共に、
互いにぶつかるまで水平方向へも成長していた。ぶつか
った後は水平方向への成長はなく、柱状に垂直方向に成
長する。成長した結晶粒は509であった。
【0136】穴の開いていない部分は、非晶質層508
が堆積していた。結晶粒509の水平方向への成長と共
に減少していた。柱状に成長した結晶粒の大きさはほぼ
30−40μm程度であった。
【0137】図6において、まずある厚さ(今回の成膜
条件では、20nm)の非晶質層603が存在し、その
後結晶核が発生し、それが垂直方向への成長と共に、互
いにぶつかるまで水平方向へも成長していた。ぶつかっ
た後は水平方向への成長はなく、柱状に垂直方向に成長
していた。成長した結晶粒は604であった。成長した
結晶粒の水平方向の大きさは75−100nmであっ
た。
【0138】図7においては、基板701上に、の工
程で堆積したSi膜702があり、その上に金属酸化膜
705がある。
【0139】金属酸化膜705の上に堆積した膜708
は非晶質膜であった。
【0140】図8において、まずある厚さ(今回の成膜
条件では、20nm)の非晶質層803が存在し、その
後結晶核が発生し、それが垂直方向への成長と共に、互
いにぶつかるまで水平方向へも成長していた。ぶつかっ
た後は水平方向への成長はなく、柱状に垂直方向に成長
していた。成長した結晶粒は804であった。成長した
結晶粒の水平方向の大きさは75−100nmであっ
た。柱状に成長した結晶粒の構造に途中著しい変化はみ
られなかった。すなわち参考試料1と3との構造はほぼ
同じであった。
【0141】図9において、金属酸化膜905までの構
造は、図5の実施例1の試料1とほぼ同じで、金属酸化
膜中の穴906も大きさ、間隔もほぼおなじであった。
ただ金属酸化膜上のSi膜907の構造は試料1とはこ
となっていた。すなわちSi膜907中の非晶質層90
8の厚みは30nm程度で、その厚さを超えると結晶粒
910が多数生じ、垂直方向及びとなりの結晶粒とぶつ
かるまでは水平方向の成長がみられた。その存在が金属
酸化膜の穴を通って成長している結晶粒909の水平方
向への成長を妨げているようで、結晶粒909は余り大
きくならず、水平方向の結晶粒径は0.5−1μm程度
にとどまっている。結晶表面には金属酸化膜の穴を通っ
て成長している結晶粒909と金属酸化膜905上のS
i層907で発生した結晶粒910が混在しており、水
平方向の結晶粒径は0.05−5μmと分布していた。
【0142】図10において、の工程で作製したSi
層1003は非晶質であった。この上に金属酸化膜10
05が堆積されており、実施例1とほぼ同じような間隔
で同じような径の穴1005が開いていた。その上には
かなり厚く非晶質の層1004が存在した。の工程で
非晶質Siが堆積したことがわかる。の工程に入った
ところで、結晶化がはじまった。初期には非晶質部分1
008と結晶粒1009とが共存していた。結晶粒10
09は、垂直方向とともに、水平方向にも拡大してい
た。結晶粒1009の径は100−200nm程度に拡
大したところで、となりの結晶粒とぶつかりあい、水平
方向への拡大はとまっていた。その後該結晶粒1009
は垂直方向に成長していた。
【0143】(実施例2)基板にステンレスを用い、実
施例1と同じ工程、同じ条件で多結晶Si膜を成膜し
た。得られた試料を試料2とし、ラマン分光法測定を行
なった。520cm -1に鋭いピークを持つ結晶膜である
ことがわかった。X線回折の結果は、(110)配向の
ピークが観察された。この試料の断面TEM像を観察し
たところ、図5のような構造をしており、結晶粒径は3
0−40μm程度であった。
【0144】(実施例3)基板にアルミナセラミックを
用い、実施例1と同じ工程、同じ条件で多結晶Si膜を
成膜した。得られた試料を試料3とし、ラマン分光法測
定を行なった。520cm-1に鋭いピークを持つ結晶膜
であることがわかった。X線回折の結果は、(110)
配向のピークが観察された。この試料の断面TEM像を
観察したところ、図5のような構造をしており、結晶粒
径は30−40μm程度であった。
【0145】(実施例4)実施例1のの工程を、下記
のように堆積とH2プラズマ照射とを繰り返して行なっ
た。堆積時はSiF4ガス110sccm、H2ガス10
0sccm流し、H2プラズマ照射時はH2ガスのみ10
0sccm流した。すなわちSiF4ガスの導入を断続
的に行なった。一回の堆積時間は10秒、H2プラズマ
照射時間も10秒とした。堆積時、H2プラズマ照射時
ともチャンバー内圧力は65Pa、基板温度は350
℃、VHF印加電力密度は3.5W/cm2とした。こ
の繰り返しを14回行なった。
【0146】その後実施例1と同じ条件で、工程から
を行った。
【0147】得られた試料を試料4とした。ラマン分光
測定の結果得られた試料は、520cm-1に鋭いピーク
がある結晶膜であることがわかった。X線回折の結果
は、(110)配向のピークが観察された。
【0148】断面TEM像を観察したところ、図5に示
すような構造になっておりSi層502において、15
0nmの厚さの非晶質層503が存在し、その後結晶核
が発生し、それが垂直方向への成長と共に、互いにぶつ
かるまで水平方向へも成長していた。ぶつかった後は水
平方向への成長はなく、柱状に垂直方向に成長してい
た。成長した結晶粒は504である。成長した結晶粒の
水平方向の大きさは100−120nmであった。
【0149】その上に金属酸化膜505があり、ほぼ5
0μm間隔で、φ40nm程度の穴506が開いてい
た。この穴から結晶粒は、下地の結晶粒504の構造を
引き継いで、成長していた。垂直方向への成長と共に、
互いにぶつかるまで水平方向へも成長していた。ぶつか
った後は水平方向への成長はなく、柱状に垂直方向に成
長する。成長した結晶粒は509であった。
【0150】穴の開いていない部分は、非晶質層508
が堆積していた。結晶粒509の水平方向への成長と共
に減少していた。柱状に成長した結晶粒の大きさはほぼ
50μm程度であった。
【0151】(実施例5)実施例1において、の工程
でターゲットとして、In23を用いた。また高周波電
力のパワーを2.3W/cm2とした。他は実施例1と
同じ条件で行なった。その結果図1に示すような粒径3
0−40μmの多結晶Si薄膜を作製できた。
【0152】(実施例6)実施例1において、の工程
でターゲットとして、SnO2を用いた。また高周波電
力のパワーを2.5W/cm2とした。他は実施例1と
同じ条件で行なった。その結果図1に示すような粒径3
0−40μmの多結晶Si薄膜を作製できた。
【0153】(実施例7)実施例1において、の工程
でターゲットとして、Inを用い、O2ガスの流量を5
0sccm、Arガスの導入を行なわなかった。また高
周波電力のパワーを2.8W/cm2とした。他は実施
例1と同じ条件で行なった。その結果図1に示すような
粒径30−40μmの多結晶Si薄膜を作製できた。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、多結晶薄膜Si堆
積法において、多結晶Si薄膜を基板上に堆積する工
程と成膜後。多結晶Si薄膜表面に金属酸化膜を形成
する工程と該金属酸化膜を部分的に還元する工程と
部分的に還元された金属酸化膜上に、多結晶Siが露出
した部分はそれを核として成長させ、金属酸化膜が残存
する部分は非晶質Siを堆積する成膜条件で堆積する工
程と多結晶Siを成長させる工程とを含むことと特徴
とする多結晶薄膜Si堆積法によって、500℃以下の
低い温度で、大粒径の結晶質Si膜を作製することが可
能になった。
【0155】本発明の多結晶Si薄膜は、5μm以上の
結晶粒径を持ち、垂直方向に粒界が存在せず、バルクの
多結晶Siに比べ遜色のない特性を有している。
【0156】結晶Siを成長させる条件は、金属酸化膜
が残存する部分には非晶質Siが堆積する条件とするこ
とにより、で形成した部分的に露出している多結晶S
iの上にその結晶構造を踏襲して成長させることが可能
となり、より大きな粒径の多結晶Si薄膜を形成するこ
とができる。
【0157】工程の後にさらに多結晶Siを成長さ
せる工程を有することにより大粒径の多結晶Si薄膜を
用途に応じた任意の厚さとすることができる。
【0158】の工程を、針状電極を用いた水素プラズ
マ放電により行うことにより、放電を局所的に不均一化
でき、フォロリソグラフィーのような複雑な工程をおこ
なうことなしに、一定の間隔をおいて金属酸化膜の部分
的還元を確実に行うことができる。その部分的に還元し
た金属を結晶粒界に移動させることにより、結晶核が一
定の間隔を置いて形成される。その結果大粒径の結晶膜
が作製されるようになる。
【0159】針状電極と基板との間隔を3〜10μmと
することにより、放電の不均一性が基板表面でも針状電
極の間隔を反映して維持できる。
【0160】基板温度を150℃から500℃にして
の工程を行うことにより、多結晶Si薄膜の結晶性をよ
り向上させることができる。。
【0161】金属酸化膜をZnOとすることにより製造
コストが安くなる。
【0162】金属酸化膜をIn23とすることにより低
温で酸化膜が形成され、安価な基板が使用可能になる。
【0163】金属酸化膜をSnO2とすることにより製
造コストが安くなる。
【0164】本発明の光起電力素子は、短絡電流が大き
く、変換効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる装置例の概略図である。
【図2】本発明の及びならびにの工程で用いられ
る装置の一例である。
【図3】本発明のの工程で用いられる装置の一例であ
る。
【図4】本発明のの工程で用いられる装置の一例であ
る。
【図5】実施例1で作製した試料1の断面TEM像の概
念図である。
【図6】確認実験1で作製した参考試料1の断面TEM
像の概念図である。
【図7】確認実験2で作製した参考試料2の断面TEM
像の概念図である。
【図8】確認実験3で作製した参考試料3断面TEM像
の概念図である。
【図9】確認実験4で作製した参考試料4の断面TEM
像の概念図である。
【図10】確認実験5で作製した参考試料5の断面TE
M像の概念図である。
【符号の説明】
1 ロードロック室 2 搬送チャンバー 3 ゲート弁 4 排気装置 5 排気管 6 バルブ 7 水平方向の搬送棒 10 チャンバー 11 垂直方向の搬送棒 12 チャンバー連結管 13 ゲート弁 14 排気装置 15 排気管 16 自動バタフライ弁 20 チャンバー 21 垂直方向の搬送棒 22 チャンバー連結管 23 ゲート弁 24 排気装置 25 排気管 26 自動バタフライ弁 30 チャンバー 31 垂直方向の搬送 32 チャンバー連結管 33 ゲート弁 34 排気装置 35 排気管 36 自動バタフライ弁 40 チャンバー 41 垂直方向の搬送 42 チャンバー連結管 43 ゲート弁 44 排気装置 45 排気管 46 自動バタフライ弁 101、201 成膜用の真空チャンバー 102、202 プラズマグロー放電用のカソード電極 103、203 絶縁リング 104、204 マッチングボックス 105、205 VHF電源 106、206 シールド筒 107、207 アノード電極 108、208 基板 109、209 ヒーターブロック 110、210 ヒーター 111、211 熱電対 112、212 温度コントローラー 113、114、115、213、214、215 ガ
ス導入管 116、117、118、216、217、218 流
量コントローラー 119、120、121、219、220、212 バ
ルブ 122、123、124、222、223、224 ガ
ス管 125、225 バルブ 126、226 噴出し口 127、227 真空圧力計 128、228 排気管 129、229 自動バタフライ弁 130、230 圧力コントローラー 231 ターゲット 301 H2プラズマ照射用の真空チャンバー 302 プラズマグロー放電用のカソード電極である 303 絶縁リング 304 マッチングボックス 305 VHF電源 306 シールド筒 307 アノード電極 308 基板 309 ヒーターブロック 310 ヒーター 311 熱電対 312 温度コントローラー 314 水素ガスの導入管 316 流量コントローラー 320 バルブ 323 ガス管 325 バルブ 326 噴出し口 327 真空圧力計 328 排気管 329 自動バタフライ弁 330 圧力コントローラー 331 針状電極 501,601,701,801,901,1001
基板 502,702,902 の工程で堆積したSi層 503,603,703,803,903,1002
非晶質Si層 504,604,704,804,904 結晶粒 505,705,905,1005 の工程で作製し
た金属酸化膜 506,906,1006 の工程でできた金属酸化
膜を除去した穴 507,907 及びの工程で堆積したSi層 508,708,908 非晶質Si層 509,909 結晶粒 1004 の工程で堆積した非晶質Si層 1007 の工程で堆積したSi層 1008 非晶質Si層 1009 結晶粒
フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA04 AA06 AA17 BA29 BB03 CA06 FA03 JA10 LA16 5F045 AA08 AA19 AB03 AB04 AB31 AC01 AC02 AC03 AC05 AD05 AD06 AD07 AD08 AD09 AE17 AE19 AE21 AF07 AF10 BB18 CA13 DB02 DP04 EH04 GB06 HA16 HA24 HA25 5F051 AA03 CB04 CB15 CB29 5F052 AA11 AA17 DA02 DB01 DB03 EA11 EA13 GA02 JA09 KA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多結晶薄膜Si堆積法において、少なく
    とも下地となる多結晶Si薄膜を基板上に堆積する工
    程と多結晶Si薄膜表面に金属酸化膜を形成する工程
    と該金属酸化膜を部分的に還元する工程と還元され
    た金属を多結晶Si粒界に移動せしめ、多結晶Siを露
    出させる工程と多結晶Siが露出した部分を核として
    結晶Siを成長させる工程とを含むことを特徴とする多
    結晶Si薄膜堆積法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記結晶Siを成長
    させる条件は、金属酸化膜が残存する部分には非晶質S
    iが堆積する条件であることを特徴とする多結晶薄膜S
    i堆積法
  3. 【請求項3】 請求項1において、工程の後にさらに
    多結晶Siを成長させる工程を有することを特徴とす
    る多結晶Si薄膜堆積法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、の工程を、針状電
    極を用いた水素プラズマ放電により行うことを特徴とす
    る多結晶Si薄膜堆積法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、針状電極と基板との
    間隔を3〜10μmとすることを特徴とする多結晶Si
    薄膜堆積法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、基板温度を150℃
    から500℃にしての工程を行うことを特徴とする多
    結晶Si薄膜堆積法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、金属酸化膜がZnO
    であることを特徴とする多結晶Si薄膜堆積法。
  8. 【請求項8】 請求項1において、金属酸化膜がIn2
    3であることを特徴とする多結晶Si薄膜堆積法。
  9. 【請求項9】 請求項1において、金属酸化膜がSnO
    2であることを特徴とする多結晶Si薄膜堆積法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項記載
    の形成方法により形成された多結晶Si薄膜。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の多結晶Si薄膜を用
    いたことを特徴とする光起電力素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004303593A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Mitsubishi Materials Corp リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法

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